ニーチェの精神障害に関して、少し古い書籍だが、宮城音弥『天才』は、こう分析している。ニーチェの精神障害は、外因性の「梅毒による進行性麻痺」とともに、(精神分裂病とは言えない)遺伝性(内因性)の「分裂質を土台とした偏執質」がある(注6)。後者の「分裂質を土台とした偏執質」については、他の専門医の多くは、「分裂質」ではなく「分裂病質」としており、そう訂正されるべきだろう。ニーチェは、精神分裂病Schizophreniaの妄想型paranoid type だからである。
a) 現在の日本社会内においては「格差社会」という問題側面が強く露呈されている。橘木昌弘『希望格差社会』(筑摩書房,2004年)や山田昌弘『格差社会-何が問題なのか-』 (岩波新書,2006年)などの著作をひもとけば即座に理解できる。
b) 「『あなたの宗教は?』と聞かない。日本こそは政教分離と信仰の自由が名実共に守られている」とフランクルがいったのは,完全に間違いである。首相や閣僚が靖国神社に参拝にいったり,野党の代表までが公人として伊勢神宮に参拝にいく宗教的な行為が,政教分離の原則に抵触していないという保証はない。「信教(信仰)の自由が名実共に守られている」という理解も,日本における宗教問題の本質とは無縁の認識におけるものである。
英字新聞ジャパン・タイムズが2月14日付で「アパがまた炎上、今度は反ユダヤ主義」(Apa under fire again, this time for anti-Semitic remark)と題して報じている。記事によれば、「Apple Town」2月号に収録された、元谷代表が自民党の片山さつき参院議員との対談での発言が、グレーターバンクーバー・ユダヤ人連盟などから強く抗議を受け、アパは釈明に追われた。
なお、「Apple Town」には日本語と同時に英訳版も収録されている。問題の元谷氏の発言は“Jewish people control American information, finance, and lows, and they benefit greatly from globalization because they move their massive profits to tax heaven so they don’t have to pay any taxes.”(ユダヤ人はアメリカの情報、金融、法律を支配しており、税金を一切払わなくてもよいように膨大な利益をタックスヘイブンに移しているから、グローバリゼーションから多大な利益を得ている)と訳されており、さらにユダヤ人に対して攻撃的な印象だ。ユダヤ系団体から大きな反発をくらうのは当然だろう。
ちまたにおける〈市民の声〉としては,この事件はもっときちんと調査してほしい,つまり真相を解明してほしいという意見があり,これをキャスターが紹介する一場面もあった。ただし,その報道の仕方は,現在においては言論機関(メディア)を強圧的に規制している安倍晋三政権の顔色をうかがいながらでの雰囲気を,よく表現しているようでもあった。要は,このニュースは,安倍晋三という首相に濃厚な関連がある内容であっても,これに対してそれほど強い関心を「向けられない」ようなニュースの報道になっていた。
補注)以上 ① に関しては,この内容を十分に補足してくれる記事として,「国有地不正取得のネトウヨ学校法人と安倍首相の蜜月の証拠が!『安倍晋三記念小学校』の名も『総理辞めてからなら』と」(『LETERA-本と雑誌の知を再発見-』2017年02月22日)を挙げておく。できれば,こちらも読んでもらってから戻ってくれば,以下の論旨がより理解しやすくなると思う。
ちまたにおける〈市民の声〉としては,この事件はもっときちんと調査してほしい,つまり真相を解明してほしいという意見があり,これをキャスターが紹介する一場面もあった。ただし,その報道の仕方は,現在においては言論機関(メディア)を強圧的に規制している安倍晋三政権の顔色をうかがいながらでの雰囲気を,よく表現しているようでもあった。要は,このニュースは,安倍晋三という首相に濃厚な関連がある内容であっても,これに対してそれほど強い関心を「向けられない」ようなニュースの報道になっていた。
補注)以上 ① に関しては,この内容を十分に補足してくれる記事として,「国有地不正取得のネトウヨ学校法人と安倍首相の蜜月の証拠が!『安倍晋三記念小学校』の名も『総理辞めてからなら』と」(『LETERA-本と雑誌の知を再発見-』2017年02月22日)を挙げておく。できれば,こちらも読んでもらってから戻ってくれば,以下の論旨がより理解しやすくなると思う。