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「法律や政策は、単なる決め事である。いつでも変えられる」第42部

369正樹★:2016/03/14(月) 01:27:07
 
>>232>>349>>366>>367>>368
 
 『機長の「失敗学」』
 (講談社・2003年4月21日第1刷発行:現役B747型機長・杉江弘)
 -75頁〜78頁-
 急減圧があったのか、なかったのかと言う核心に入りたい。
 急減圧はなかったのではないか、と言う疑問が出された根拠は、事故調査報告書で「2万フィート以上の高度を、酸素マスクを使用せずに約18分間を飛行した」と記述しながら、「従来から、それの着用について教育訓練を受けている運航乗務員が、減圧状態に直面しながらも酸素マスクを着用しなかったことについては、それの理由を明らかにすることはできなかった」と説明し切れなかったためである。
 果たして、どうなのか。私は、先(ま)ず急減圧があったら運航乗務員は当然に酸素マスクを着用するはずだ、と言う前提について考えたい。現在に、航空会社で行なわれていることでの急減圧発生の訓練は、3万フィート(約9千メートル)以上の高高度で巡航中に、いきなり航空機関士が教官の指示で「急減圧発生」と叫び、パイロットがフックに掛けてある酸素マスクを引っ張って着用し、急降下を始めると言うものである。そして高高度では急減圧発生から数十秒以内に酸素マスクを着用しないと意識がなくなると教育されている。
 いずれにしても、パイロットが急減圧発生を判断することは、計器盤で、とごかのドアが開いたことを確認するか、航空機関士の「急減圧発生」と言うコール(発唱)によってである。
 JAL123便のコクピット内は、どうだったのか。
 計器盤に、どこかのドアが開いたと言う指示はなかった。航空機関士も「急減圧発生」と叫んでいない。客室のように、酸素マスクの自動落下があれば急減圧を知ることもできたのだろうが、コクピットには、それがない。
 唯一のサインは、客室高度警報装置の「ビィービィー」と言う音だけだった。通常の訓練では、その音が鳴り続けるとうるさくて他の操作の邪魔になるので、航空機関士がボタンを押して消すことになっているが、しかし、JAL123便では、それを行なっていない。そして、航空機関士は、事故発生の約6分後に客室乗務員から酸素マスク落下の報告を受け、それから更(さら)に3分半後に「我々も酸素マスクを吸った方がいいと思いますけど」と2人のパイロットに進言しているのである。つまり、定期訓練でやっている想定とは大きく異なっている状況下で、パイロットと航空機関士は速やかに着用すべき酸素マスクを着用しなかったのである。
 客室高度警報装置が鳴り続け(これは客室高度が1万フィートを超えていることを教えている)、客室では酸素マスクが落下しているのである。速やかに酸素マスクを着用しなければ、やがて低酸素症になることに気付くはずだ。


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