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「法律や政策は、単なる決め事である。いつでも変えられる」第42部

368正樹★:2016/03/13(日) 02:33:56
 
>>232>>349>>366>>367
 
 『機長の「失敗学」』
 (講談社・2003年4月21日第1刷発行:現役B747型機長・杉江弘)
 -60頁〜61頁-
 一方で、事故原因について、センセーショナルな推測をメディアに流して来た人達がいる。自衛隊か米軍の戦闘機か、或(ある)いは訓練で使う標的が、JAL123便の垂直尾翼を直撃したと言う撃墜説である。取るに足らない説で、大凡(おおよそ)飛行機の特性を知っている人を納得させるだけの科学性はないと断言することができる。
 第一に、戦闘機の翼や訓練用の標的が、ジャンボ機の大きな垂直尾翼に接触や、或(ある)いは直撃したら、機首は大きく左右に振られて変針することが常識だ。しかし、JAL123便は最初の「ドーン」と言う衝撃音の後も、傾きも変針もなく真(ま)っ直(す)ぐに飛んでいた。そして機体に掛かった重力加速度も最初に前方向に、それまでよりも0.047Gが突如(とつじょ)として現われ、やや遅れて横方向に最大0.08Gが数秒間を記録されているだけだ。これは早い時期に公表されたフライトレコーダーの記録からも明らかだ。
 流石(さすが)に今では、このような説を採(と)る航空関係者はいないと思うが、撃墜説の生まれた背景がある。米軍や自衛隊によることでの事故直後の救出活動の経緯が謎めいていたからだ。現場に逸早(いちはや)く到着したことでの米軍のヘリコプターが誰も地上に降りることもなく、命令で帰投してしまったからだ。現場を特定していながら、自衛隊の救出活動が一夜を明けたことでの翌日の昼頃になったことも、未だに不可解な事実で、それの理由が公表されていない。それのために事故原因に米軍や自衛隊が絡(から)んでいたのではないかと言う疑いが持たれ、前述の撃墜説が生まれたのである。
 先に述べたように、事故調査委員会の未熟さと科学的な検証が不十分なこともあり、この事故を巡(めぐ)って小説のようなストーリーが生まれ、ある程度の説得力を持ったことは事実だ。私なりに推測すると、米軍が現場から急遽(きゅうきょ)に引き揚げた理由は、日米安保体制の下(もと)で日米政府が協議した結果として、米軍が日本本土で自衛隊よりも先に民間機の捜索を行なうことは問題だ、と判断したためだろう。日本政府は、人命より政治判断を優先したことについて追及されることを恐れて、何も語らないのかもしれない。事実関係を公表する義務があると思う。
 このように不可解な背景があったために、米軍や自衛隊が事故に関わっていたのではないかと言う憶測が流れた。しかし、ミステリアスな憶測を幾(いく)ら重ねても、撃墜説は科学的に無理があることは言うまでもない。


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