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帝国博物志

565とある世界の冒険者:2009/08/24(月) 21:41:58 ID:mfU9.Wwg
【龍の巫女とその巡業】

とある自治領区は龍が治めている。
その統治は王都の其れに迫るほどの堅牢と寛容を有している。
が、問題は其のトップが異常に見栄っ張りであることだ。
龍という種族がこの世で一番であると証明したいらしく、
「なんかねーかな・・・」の一言で周囲の側近らが考え付いたのがある巡業だった。
龍種もピンからキリまで存在するが、どの血もヒトの身体に特殊な効果を齎すことは実証済み。
そして世界に多く種を広がらせたのはヒトであることは疑いようがない。
「ならば時折大量に蔓延してはヒトを苦しめ時には死にも追いやる奇病の特効薬として、
種の中でも落ちこぼれに近いものをヒトの多く集まる場に向かわせ奉仕させては如何か。」
そんな話し合いで決まったのが、
ヒトより身体が頑丈なだけの個体に各地を回らせ、その血を求めるものに与えるというものだ。

内容を明かせばインフルエンザの予防に各地を回るワクチンと言う事になる。
サーカスのように各地を回り、求めるものには水を湛えた専用の杯に血を一滴垂らしたものを与える。
昔からワクチンである巫女と其の身の回りの世話をする数人の護衛で、
血の効果が薄まる頃を見計らい定期的に行われる巡業は、認知度としてはヒトの5人に3人が知っている程度。
近年は龍の巫女そのものを狙う輩が多くなっている。龍種の身体は其れ全てが富と力の塊なのだ。
巷の噂では『九龍』の情報も持っているとの事で・・・兎に角、色々危うい巡業である。

巫女と護衛は人型への変化を覚えた種としては弱い個体で編成される。
巡業中は人化の術が解けぬよう専用のチョーカーを身に付けている。
これは要らぬ誤解を避けるための案らしいが、
結果として弱い個体が益々身を護り難くなっている原因でもある。


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