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帝国博物志

329お伽噺:2008/02/16(土) 13:56:48 ID:bL.j6f82
それは、最早その時代を生きた者は居らず、お伽噺として語り継ぐ者も居なくなった、遥か古のお噺。


ある時、世界は未曾有の大災害に襲われる。
その災害とは、突然変異によって生まれた、一匹の竜。
九つの頭を持つその竜は、炎 水 風 地 雷 氷 光 闇 邪の、九つの絶大な力を以て、世界を滅ぼさんとしていた。
危機に頻した人々は、種を越えて集い、戦った。
だが、竜の圧倒的な力の前に成す術も無く蹂躙され、窮地に陥り、人々は絶望した。
しかし、もう終わりだと思われた、その時。
一匹の竜が、人々の前に姿を現す。
全身に金色の竜鱗を纏い、聖なる力を身にたたえるその姿は、言い表せない程に神々しかったという。
そして、人々と金色の竜は力を合わせ、ようやく九つの頭持つ竜を討ち倒すことに成功する。
後に、この竜は敬意と畏怖の念を以て、『聖竜皇ロンバルディア』と呼んばれる。
ロンバルディアとは、古代語で『大いなる希望の風』という意味だ。
絶望の中突如現れ、大災害から世界を救った竜は、人々にとっては正に、希望の風そのものだったのだろう。
そして、『九つの頭持つ竜』を討ち倒した『聖竜皇』は、再びその姿を消し、それ以降歴史上に現れることは無かった。


余談であるが、この『九つの頭持つ竜』の死体から、九匹の竜が生まれたともいわれる。








解説:王都立図書館蔵書、『現代に語り継がれぬお伽噺を紐解く』終章第三節『聖竜皇伝説』より抜粋。


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