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▲2007年▲21参▲中国・四国

1片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2007/01/24(水) 21:14:10
21回参議院通常選挙中国・四国の話題

704片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2007/08/07(火) 20:16:49
2007参院選やまぐち:「逆風で締まった」 自民・林陣営、勝因を分析 /山口
http://www.mainichi-msn.co.jp/chihou/yamaguchi/archive/news/2007/07/31/20070731ddlk35010193000c.html

 29日投開票された参院選山口選挙区(改選数1)は、自民前職の林芳正さん(46)が約42万票を集め3選を飾った。次点の民主新人、戸倉多香子さん(48)は27万票弱と伸び悩むなど知名度不足が最後まで響いた。両陣営幹部は30日、開票結果を受け記者会見した。【長谷川隆、大村健一】

 ◇「安倍総理のおひざ元」 民主、県連活動の不十分さ反省

 自民党県連の河野博行会長は山口市の党県連事務所で「候補が良かったうえ、逆風で陣営が引き締まった。総理のおひざ元だったことも一因。22市町全部で勝っており完ぺきだった」と勝因を分析。安倍首相の続投表明については「課題を克服していくという安倍さんの信念を我々地元は評価する」と述べた。

 民主党県連代表の平岡秀夫衆院議員は山口市の県連本部で会見。「やはり安倍総理のおひざ元。全国的に起こった安倍政権批判に対し『支えなければいけない』という地元意識がこの結果に結びついたのでは」と分析。そのうえで「常日ごろからの県連活動が十分でなかったと反省している」と話した。

 民主党の躍進については「年金問題が一番大きかった、『今の政権では庶民の気持ちが十分にくみ取られていない』というのが根源にあると思う」と語った。

 ◇比例は自民首位奪還

 比例代表で民主が全国的に躍進した中、県内では自民が31万8911票(得票率43・14%)を獲得し、前回(04年)民主に奪われた県内第1党の地位を奪い返した。背景には(1)安倍晋三首相のおひざ元(2)選挙区の自民前職、林芳正さん(46)への圧倒的な支持−−などがあるとみられる。

 また、主要政党のうち05年衆院選の比例得票率を上回ったのは自民の1・35ポイント増と民主の0・76ポイント増のみ。他のほとんどの党が0・70〜3・03ポイント減らした。【長谷川隆】

毎日新聞 2007年7月31日

705片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2007/08/07(火) 20:28:05
’07かがわ参院選:植松さん、民主初の議席 地道な活動、無党派取り込む /香川
http://www.mainichi-msn.co.jp/chihou/kagawa/archive/news/2007/07/30/20070730ddlk37010122000c.html

 ◇自民・真鍋さん逆風に泣く

 参院選は29日投票、即日開票され、香川選挙区(改選数1)は、民主新人、植松恵美子氏(39)が、自民前職、真鍋賢二氏(72)との事実上の一騎打ちを制し初当選、香川で初の女性国会議員となった。同選挙区では民主の候補者の当選も初。植松氏は、連合香川など主要労組5団体から推薦、社民から「県連レベルの支持」を受けて労組票を固め、無党派層を取り込んだ。真鍋氏は自民支持層や推薦する公明支持層を固めたが、年金問題などで安倍政権への批判が逆風となり、及ばなかった。共産新人の近石美智子氏(59)は支持を広げられなかった。投票率は58・84%で、前回の55・20%を3・64ポイント上回った。当日有権者数は83万5673人。【南文枝】

 植松氏は、街頭演説で幅広い層の有権者に政策を訴えてきた。特に、3年前の参院選で、自民候補に差をつけられた県西部で積極的に活動。年金政策や農業政策を柱にした「生活者の視点を国会に」という訴えは、地域間格差が広がる中、衰退する郡部の住民にも浸透した。小沢一郎代表や鳩山由紀夫幹事長など党幹部の積極的な来援も後押しとなり、自民候補の追い上げをかわした。

 真鍋氏は、環境庁長官などを務めた4期24年の実績をアピール。環境問題への貢献などに意欲を示し、「残りの人生を郷土のために尽くす」と訴え、地域支部や団体の会合などを精力的に回った。今回、初めて国会議員が選対本部長を務めたが、県議や市議らの動きが鈍く苦戦。公示日以降は安倍晋三首相や麻生太郎外相らが続々と来援しててこ入れし、終盤に組織の引き締めを図ったが、安倍政権批判などの逆風も強く、及ばなかった。

 近石氏は、憲法9条改正反対や格差是正、社会保障制度の充実などを訴えたが、党支持層を超えた支持の広がりが限定的だった。

 ◇支持者から歓声−−植松さん事務所

 保守王国の壁を破った−−。高松市伏石町の植松さんの事務所では、当選確実の知らせが届くと、支持者たちから歓声が上がった。いつもと同じオレンジ色の服装で登場した植松さんは、「皆さんのおかげで、何とか勝つことができました」と感謝の言葉を述べた。

 植松さんは前回(04年)落選後、県内全域を歩いて保守層の切り崩しに挑んできた。選挙戦に入ると、高松市を中心に優位な戦いを展開。終盤には1日に約80カ所で街頭演説をこなすなど、手を緩めることなく支持拡大を図った。

 植松さんは「3年間で頂いた県民の声を、国政に届けます」と誓った。【大久保昂】

 ◇「支えてくれた人に感謝」 事務所で無念の真鍋さん

 保守王国の一角が崩れた−−。高松市今里町1の真鍋さんの事務所は重苦しい雰囲気に包まれ、県選出の国会議員や県議ら支援者は肩を落とした。「人生の集大成」として選挙戦に臨んだ真鍋さんは「私の力が及ばず、申し訳ない」と頭を下げた。

 真鍋さんは、環境問題対策など4期24年の実績をアピールして支持を求めてきた。公示日以降、約50カ所で個人演説会などを精力的に開催。60人以上の国会議員が来援するなど党の手厚い支援を受けたが、安倍政権への批判など逆風に抗しきれなかった。

 真鍋さんは「支えてくれた人たちに感謝する」と語った。【南文枝】

 ◇「力不足でした」−−近石さん

 高松市花ノ宮町1の近石さんの事務所では、結果が伝えられると、支持者には落胆の表情が広がった。

 05年の衆院選に続く4度目の国政への挑戦。公示以降は県内約400カ所で街頭演説をして、護憲と庶民増税反対を訴えてきたが、自民と民主の激しい競り合いの中で存在感をアピールできず、無党派層への支持拡大が図れなかった。

 近石さんは「庶民の暮らしを守ろうと訴えてきたが、力不足でした」と支持者らへお礼を述べた。【矢島弓枝】

706片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2007/08/07(火) 20:28:50
 ◇投票率58・84%−−前回を3・64ポイント上回る

 香川選挙区の投票率は58・84%で、04年の前回選の55・20%を3・64ポイント上回った。

 これまでの参院選での最低は95年の46・79%で、投票時間が午後8時まで延長された98年以降は50%台に回復した。しかし、今回は「平成の大合併」により、県内が8市9町になって初の国政選挙で、県内500カ所の投票所のうち58カ所で投票時間が繰り上げられた。

 期日前投票は8万3105人で、初めて期日前投票が導入された前回(6万945人)の1・36倍となった。有権者の関心が高く、夏休みの日曜ということもあり、期日前投票の制度の利用者が増えたと思われる。

 市町別の投票率では、直島町が最も高かった。有権者の4割以上を占める高松市は56・64%だった。【矢島弓枝】

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 ■解説

 ◇議論の広がりほしかった

 前回、惜敗した植松さんが初当選、衆参選挙区議席での自民独占が破られた。年金記録漏れ問題などで全国的に広がった「安倍政権批判」を追い風に、無党派層にも支持を広げた結果だ。05年衆院選で香川から民主初の国会議員が誕生、今春の統一地方選で県議が1議席増えるなど、組織が拡大したのも大きい。

 植松さんは、この3年間、県内をくまなく回り、「年金は守ります」「香川の政治、変えないかん」などと讃岐弁も使い、簡潔な訴えで有権者の心をつかんだ。

 真鍋さんは05年に郵政民営化に反対したしこりなどで公認が昨年末にずれ込んで出遅れた上、当初、支援する県議、市議らの動きが鈍かった。終盤に組織の引き締めにかかったが、地方議員からは「いくらこっちで頑張っても、中央で問題を起こされたらかなわん」とのぼやきも聞こえた。

 民主、自民も、互いに小沢一郎代表、安倍晋三首相をはじめとする党幹部を香川に投入、激しい応援合戦を繰り広げた。しかし、肝心の候補者同士は、最大の争点とされた年金問題についても党の主張を繰り返すにとどまった。

 任期6年の参院議員を選ぶのだから、地方分権や道州制など香川や国の将来を見据えた候補者同士の政策論争がもっとあっても良かったのではないか。植松さんには今後、国政の場で大いに政策を打ち出していってほしい。【南文枝】

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 ◇開票結果(改選数1−3)=選管最終発表

当  257,548 植松恵美子 39 民新

▽  194,804 真鍋賢二  72 自前

    27,896 近石美智子 59 共新

 (▽印は法定得票数に達した候補)

植松恵美子(うえまつ・えみこ) 39 民新(1)

 党県副代表・参院総支部代表▽温浴施設経営[歴]家電メーカー社員▽クレーンリース会社員▽神戸大

毎日新聞 2007年7月30日

707片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2007/08/07(火) 20:31:09
’07かがわ参院選:選挙区 植松氏、6万票前回上回る /香川
http://www.mainichi-msn.co.jp/chihou/kagawa/archive/news/2007/07/31/20070731ddlk37010437000c.html

 ◇真鍋氏、旧来の手法通用せず

 参院選香川選挙区(改選数1)では、民主新人の植松恵美子氏(39)が別の自民候補に惜敗した前回(04年)を6万178票上回る25万7548票を獲得した。得票率も8・6ポイント増の53・63%。小豆郡の2町を除く県内ほぼ全域で自民前職、真鍋賢二氏(72)の得票を上回り、高松市など4市4町では、10ポイント以上の差をつけるなど、圧倒的な支持を集めた。

 真鍋氏は、自己最多得票を記録した01年時よりも6万9010票減の19万4804票。共産新人の近石美智子氏(59)は、前回(04年)より8638票少ない2万7896票だった。

 植松氏は、落選後の3年間の地道な活動や安倍政権への逆風を追い風に、幅広い層に浸透していった。また社民が打ち出した「県連レベルでの支持」や、連合香川など主要労組5団体の推薦も、企業が多い都市部での票の伸びを後押しした。投票率が前回より3・64ポイント上昇したことも好材料だったようだ。

 一方、真鍋氏は、支援する県議や市議らの間に「自民は最後にまとまる」との意識があり、植松氏の支持の広がりを読み切れなかった。推薦する公明も協力したが票の伸びは限定的で、旧来の組織型選挙の手法が通用しなくなっている面も垣間見えた。【南文枝】

毎日新聞 2007年7月31日

’07かがわ参院選:比例代表 民主トップ、得票率35.68% /香川
http://www.mainichi-msn.co.jp/chihou/kagawa/archive/news/2007/07/31/20070731ddlk37010438000c.html

 ◇自民15万票、前回比1万3959票減

 29日に投開票された参院選は、県内では、民主が同選で初めて自民の得票を上回り、大幅に票を伸ばした。

 民主は自民批判票の受け皿として無党派層などに浸透。年金制度改革などでの自民への逆風で大躍進した前回選(04年)を2万7929票上回る16万8914票を獲得し、自民からトップの座を奪った。得票率は35・68%と、3・8ポイント上回った。

 自民は前回選より1万3959票少ない15万2916票。中央での逆風が影響したと見られる。得票率も5・43ポイント減らした32・3%。公明は、前回選より1622票増の7万198票を獲得。支持母体の創価学会の組織力の強さを見せ付けた。

 社民は、前回選に続き選挙区で候補を擁立できなかったが、1813票増えて3万342票。共産も382票増加し、2万4496票だった。

 県内の個人名得票は、高松市在住の公明の山本博司氏が5万3870票でトップ。社民の又市征治氏が1万1158票で続いた。【南文枝】

毎日新聞 2007年7月31日

708片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2007/08/07(火) 20:32:03
’07かがわ参院選:当選から一夜明け 植松さんに聞く /香川
http://www.mainichi-msn.co.jp/chihou/kagawa/archive/news/2007/07/31/20070731ddlk37010439000c.html

 参院選で初当選し、県内初の女性国会議員となる植松恵美子さん(39)。どんな仕事をしてくれるのか。当選から一夜明けた30日、政策や抱負を聞いた。【大久保昂】

 −−年金改革の策は。

 保険料の流用を止める法律ができていないのが問題。法律を作り直し、国民が納得できる年金制度にする必要がある。普通に考えて、保養施設を作るために、保険料を使っていたのはおかしい。

 −−社民党県連と政策協定を結んだが、憲法9条に対する考え方は。

 「(9条を)改正しない」という考えを、私自身もずっと持っていた。平和憲法を守るという姿勢は国会でも貫く。

 −−子育て支援について、子ども手当以外の政策は。

 子どもはお金だけで育つわけではない。今のライフスタイルに合った子どもを預かる場所、仕事との両立が可能な制度が必要。子育てが楽しい環境作りをすれば、数字はついてくる。ただ、時間がかかる問題。参院は6年間の任期があるので、じっくり取り組みたい。

 −−当選の意義は。

 これまで遠い話のような受け取られ方をしていた民主党の政策が、有権者に現実味を持って聞いてもらえるようになる。国民の1票1票で政治が変えられるということも感じてもらえたはず。若い人がもっと政治に関心を寄せるきっかけになれば、と思う。

毎日新聞 2007年7月31日

709片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2007/08/07(火) 20:33:19
’07かがわ参院選:識者インタビュー/上 神江・香川大教授 /香川
http://www.mainichi-msn.co.jp/chihou/kagawa/archive/news/2007/08/01/20070801ddlk37010640000c.html

 ◇「保守でドライな有権者」

 参院選の香川選挙区は、民主新人の植松恵美子氏(39)が、自民前職で元環境庁長官の真鍋賢二氏(72)を約6万票という大差で破った。選挙結果とこれからの課題をどうみるか。識者2人にインタビューした。まず、「保守王国」と呼ばれる香川で何が起きたのかを、投票行動について研究を続けている香川大の神江伸介教授(政治学)に聞いた。【大久保昂】

 −−香川での自民の敗因は。

 香川の有権者は保守である一方でドライ。89年の消費税選挙で自民が敗れたように、自分の利益に直接跳ね返る場合は、合理的な選択をする。今回も、年金という懐に響く問題については、自分に有利な選択をした。その結果、自民以外が選ばれたということだろう。

 −−民主の戦いは。

 今回は敵失の「受け皿」になった形。民主が力を付けたとは言いがたい。香川の地方議会は依然、自民が圧倒しており、民主は無党派頼みであることに変わりない。

 −−自民の敗因として、地方組織の弱体化を指摘する声もある。

 事実だろう。都市だけでなく農村部でも自民候補票が民主に負けた。地域格差で、郡部でも自民批判が広がっている表れだろう。有権者に直接語りかけるドブ板活動に、自民が以前ほど力を入れなくなったのも要因だ。

 −−投票率は前回を上回ったが。

 (統一地方選と参院選が重なり選挙疲れが出るという)亥年(いどし)の選挙にしては意外に伸びた。年金に対する有権者の関心の高さを示している。ただ、今回動いたのは、年金給付に関心を持つ団塊の世代を中心とした50〜70代の中高年世代で、若い人たちはそれほどではないのでは。

 −−どのようにして若者に政治参加を促すか。

 まずは若い世代が関心を持つ争点を各党が作らないといけない。年金問題にしても、若者の保険料が高齢者を支えるという制度そのものについて議論した方がよかった。候補の後援会活動に若者を取り込む工夫も必要だ。

毎日新聞 2007年8月1日

710片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2007/08/07(火) 20:33:58
’07かがわ参院選:格差などの状況、投票行動で示した 真鍋知事が見解 /香川
http://www.mainichi-msn.co.jp/chihou/kagawa/archive/news/2007/08/01/20070801ddlk37010643000c.html

 参院選の結果について、真鍋武紀知事は30日の会見で「国民が、地域間格差などの状況を投票行動を通じて示したのではないか」と見解を述べた。

 真鍋知事は、初当選した民主新人の植松恵美子氏(39)らに対し、「地域の重要課題や地方分権の強力な推進に尽力してもらいたい」と注文をつけた。【南文枝】

毎日新聞 2007年8月1日

711片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2007/08/07(火) 20:37:41
手前らも努力しろよ。

うちわ話:参院選の投開票が終わり、香川から女性初の国会議員が誕生した… /香川
http://www.mainichi-msn.co.jp/chihou/kagawa/archive/news/2007/08/03/20070803ddlk37070634000c.html

 参院選の投開票が終わり、香川から女性初の国会議員が誕生した。

 香川選挙区に出馬した3人の候補者は精力的に県内を回り、街頭演説や個人演説会を繰り返した。取材するこちら側も、今日は東讃、明日は西讃と候補にくっついて回って取材した。

 しかし、終わった後に残ったのは、徒労感に近い。一体、香川や国の将来について何が議論されたのか。有権者は何を望んだのか。取材不足かもしれないが、結局分からなかった。

 当選した植松恵美子さん(39)や、大勝した民主党の手腕が問われるのはこれからだ。選挙の後の動きに、しっかり注目していきたい。【南文枝】

毎日新聞 2007年8月3日

712片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2007/08/07(火) 20:40:35
腹が減っては…:2007参院選/下 中谷智司氏(38)=民新 /徳島
http://www.mainichi-msn.co.jp/chihou/tokushima/archive/news/2007/07/26/20070726ddlk36010233000c.html

 (届け出順)

 ◇活力源は郷土の食材 にぎやかな食事、大好き

 徳島市内での街頭活動を終えた後、選挙事務所が予約していた藍住町内のレストランに立ち寄った民主新人、中谷智司氏(38)。てんぷらの盛り合わせ、煮物、茶わん蒸し。ランチのメニューが次々と運ばれ、「あっ、そうめんだ」と大喜び。

 「子供のころからめん類は大好きなんです。特に暑い夏にはそうめんはもってこいですよね。徳島は半田そうめんがありますから」と話し、一口すすった。

 事務所スタッフ13人との昼食。店の人の「ご飯のお代わりありますよ」の言葉に、早速、茶わんを差し出した。「昔からにぎやかな食卓が大好きなんです。1人での食事は苦手」。自宅でも、「ご飯は必ず家族4人一緒に」と決めている。

 趣味は食べ歩き。自称「B級グルメマニア」。「高級なものより安くてうまい、親しみのある店が一番」。サラリーマン時代、雑誌やインターネットで気になる店を探しては足を運んだ。他に好きなものは、ラーメン、焼き肉。「やはり一番は妻の作るハンバーグです」

 ハマチやワカメ、スダチなど県産の特産品も大好き。「あんなに歯応えのあるハマチは東京で働いていた時には食べられませんでした。鳴門のワカメも、ワカメそのものに味があるのにびっくり。口の中に海が広がるんです」と熱っぽく語る。郷土のおいしい食材を活力源に、今日も県内を駆け回る。【向畑泰司】

毎日新聞 2007年7月26日

713片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2007/08/07(火) 20:43:51
’07参院選:徳島選挙区 民主・中谷さん、念願の初当選 /徳島
http://www.mainichi-msn.co.jp/chihou/tokushima/archive/news/2007/07/30/20070730ddlk36010034000c.html

当選が決まり、支持者と抱き合って喜ぶ中谷智司さん。右は妻の路子さん=徳島市吉野本町6の事務所で2007年7月29日午後9時40分 ◇民主から初めて参院議員誕生

 第21回参院選は29日投開票され、徳島選挙区(改選数1)では、民主新人の中谷智司氏(38)が、自民前職の北岡秀二氏(51)=公明推薦=と共産新人の花岡淳氏(41)を破り、初当選を果たした。徳島選挙区で民主候補が選出されたのは初めて。中谷氏は年金、医療、子育てなど生活重視の政策を訴え、全県で順調に得票を伸ばした。北岡氏は自民支持層の多い郡部を中心に組織固めに努めたが、年金問題に端を発した「逆風」のあおりで3選は果たせなかった。花岡氏は共産支持層以外に十分浸透できなかった。当日有権者数は66万7524人、投票率は58・47%だった。【岸川弘明、深尾昭寛、加藤明子、向畑泰司】

 ◇全県で順調に票伸ばす

 徳島市吉野本町6の中谷氏の事務所では、当選確実の一報が伝わると支持者ら約300人が拍手で祝福。真っ黒に日焼けした中谷氏は妻路子さん(35)と壇上にかけ上がり、一礼した。選対本部長の仙谷由人衆院議員が「徳島の県政史上初めて、皆さんが手作りで育ててくれた候補者を勝たせることができました」とあいさつ。中谷氏は「政治に対する怒りのこもった1票を頂いた。私たちの思いを政策として練り上げ、国会で実現し、信頼ある政治を取り戻します」と述べた。

 党県連初の公募で候補者に決まり、05年から活動を開始。2期12年の実績と強力な組織力を持つ自民前職らとの戦いは苦戦が予想されたが、自民支持者が多い農山村部を中心に回り、街頭活動を繰り返す地道な運動が実を結んだ。

 IT関連企業に勤めていた知識を生かし、社会保険庁のコンピューター経費の節減を提案するなど独自の視点で年金問題に切り込み、年金世代の保守票も取り込むことに成功。「若さと清新さ」を打ち出し、同世代の無党派層もつかんだ。

 ◇年金問題が逆風に 北岡氏、深々と頭下げる

 徳島市国府町早渕の北岡氏の事務所では、落選の報が届くと集まった人たちから「信じられない」「何でや」という声が漏れた。姿を現した北岡氏は、落ち着いた表情であいさつ。「私自身の不徳のいたすところ。ご期待に沿えず、おわび申し上げたい」と述べ、深々と頭を下げた。年金問題については「責任政党として、しっかり対応していると申し上げたのだが。県政、国政が抱える問題も訴え切れなかった」と述べた。

 2期12年の間、文教科学委員長などを務め、教育問題や都市と地方の格差解消などに取り組んできた。「小泉旋風」に乗った01年の選挙とは一転し、にわかに年金問題が浮上、厳しい戦いとなった。自民党支持層の多かった農山村部でも得票を伸ばせず、3選は果たせなかった。

 ◇「受け皿になれず」花岡氏“違い”強調したが

 「自公の暴走政治に対する国民の強い怒りを感じたが、受け皿となれなかった。私の力不足です」。落選を受け、花岡氏は徳島市八万町の事務所で集まった支持者にあいさつ。深々と頭を下げ、選挙戦を支えた関係者の労をねぎらった。

 5月の出馬表明から2カ月余りで500カ所近い街頭演説に加え、数十人規模のミニ集会を重ねた。自民と民主の対決にのみ焦点が当たる「2大政党論」に危機感を抱き、「企業献金や政党助成金を受け取らない共産党が伸びてこそ、政治が変わる」と他党との違いを強調した。

 板野郡や徳島市など都市部を集中的に回り、無党派層への浸透を図ったが、組織力のある他陣営と違い、苦しい選挙戦を強いられた。知名度不足もあり、与党に対する批判票を取り込めなかった。

714片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2007/08/07(火) 20:44:04
 ■解説

 ◇無党派層もつかむ、与党批判を追い風に−−中谷氏

 年金問題、閣僚の問題発言に端を発した与党に対する批判を追い風に、民主新人、中谷氏が初当選を果たした。定率減税廃止などに伴う負担増など、安倍政権に対する有権者の不満が、保守層の多い県内でも噴出した結果と言える。

 民主県連は前回の04年参院選で、公認候補決定が遅れたにもかかわらず、自民候補に約1万3000票差まで肉薄。これを教訓に、今回は早い時期に中谷氏を公認した。無名のサラリーマンだったことから、知名度の低さ、政治家としての実績がないことなどを不安視する向きもあったが、2年間の地道な活動が実を結んだ。

 年金問題への有権者の怒りは大きかった。中谷氏の事務所には自民支持者からも「自民には解決できない」などと、励ましの電話が相次いだ。民主支持層だけでなく、無党派層の支持を集めたことも当選の大きな要因だ。

 一方、逆風にさらされた自民前職の北岡氏は、県内の各市町村長や議員への働きかけを強めるなど、終盤まで組織固めに努めた。自民県連は県内で4万とも5万とも言われる公明票の後ろ盾にも期待した。だが、市町村合併に伴い、組織を支えてきた地方議員が減少したことなども影響。旧来の組織型選挙も有権者の強い批判票を前にしては力を発揮できなかった。

 改憲、格差問題などに力点を置いた共産新人の花岡氏の主張は一定の共感は呼んだが、自民、民主の「2大政党」の影に隠れてしまった。比例に軸足を置くとはいえ、「たしかな野党」の必要性をいかに有権者に理解してもらうかが課題だ。【岸川弘明】

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 ◇開票結果(改選数1−3)=選管最終発表

当  206,457 中谷智司  38 民新

▽  150,306 北岡秀二  51 自前

    25,727 花岡淳   41 共新

 (▽印は法定得票数に達した候補)

中谷智司(なかたに・ともじ) 38 民新(1)

 党県副代表・県参院選挙区第1総支部長[歴]住友金属工業社員▽コンピューターソフト開発会社員▽徳島大院

毎日新聞 2007年7月30日

715片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2007/08/07(火) 20:45:15
’07参院選:比例代表、民主が得票数トップ 続いて自民、公明、共産の順 /徳島
http://www.mainichi-msn.co.jp/chihou/tokushima/archive/news/2007/07/31/20070731ddlk36010381000c.html

 自民が歴史的大敗を喫した第21回参院選は30日未明、選挙区、比例代表の全議席が確定した。徳島選挙区では民主新人の中谷智司さん(38)が初当選。比例代表の政党別得票数でも、民主が11政党中で最も多かった。当選から一夜明け、中谷さんは「いろいろな人に育ててもらいながら、大好きな徳島の代弁者として全力を尽くしたい」と抱負を語った。【岸川弘明、深尾昭寛、加藤明子、向畑泰司】

 ◇徳島選挙区で初当選、民主の中谷さん「徳島の代弁者として全力」

 ◇あいさつ回り、演説など−−敗れた北岡さん、花岡さん

 ◆「年金問題、抜本的な見直しを」−−中谷さん

 徳島市吉野本町6の中谷さんの事務所には、朝から祝福の電話が相次いだ。当選後、中谷さんはお礼の電話をかけ続け、就寝したのは30日午前3時ごろ。午前5時には起き、テレビ出演や報道各社のインタビューなどを精力的にこなした。

 選挙戦を振り返り、「2年間かけて全県を歩いたことや、信頼感のない今の政治に対する怒りが得票に結び付いた」と分析。真っ先に取り組みたいこととして、「年金問題の解決」を挙げ、「二度と起こらないよう、抜本的に制度を見直したい」とした。

 「衆院も参院も役割は違っても、その重みは一緒。衆院で法律が通っても参院でストップできる。皆さんの思いが届くような、国会、参院にしたい」と述べた。「休みが取れたら家族で温泉でも行きたい」と話すが、今後も東京での住居や事務所の準備などで、慌ただしい日々が続く。国会への初登庁は、臨時国会が招集される8月7日の予定。

 一方、敗れた2候補も30日、あいさつ回りなどに追われた。3選を逃した自民前職の北岡秀二さん(51)は17日間の選挙戦を支えてくれた支持者や各種団体へのお礼行脚を始めた。共産新人の花岡淳さん(41)は選挙結果の報告を兼ね、JR徳島駅前で演説。「私たちには残念な結果だったが、国民の選択は非常に健全だった。国民は政治を変えようと模索し始めた」と語った。

 中谷さんの当選を受け、飯泉嘉門知事は「徳島県の飛躍・発展のため、国と本県との橋渡し役として、ご活躍・ご尽力されることをご期待申し上げます」とのコメントを発表した。

 ◆比例得票、民主が過去最多

 県内の比例代表投票者総数は39万139票(投票率58・45%)だった。民主は過去最多の15万5960票(得票率41・66%)を得た。その他の主な政党の得票は、▽自民10万8754票(同29・05%)▽公明5万2133票(同13・93%)▽共産2万4485票(同6・54%)−−の順。

 旧木頭村長の藤田恵さん(67)が公認候補として立候補した9条ネットは7982票(同2・13%)を獲得し、新党日本、国民新党、社民などを上回った。

毎日新聞 2007年7月31日

716片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2007/08/07(火) 20:49:25
’07参院選:候補者を追う/3止 武内則男候補(48)=民新 /高知
http://www.mainichi-msn.co.jp/chihou/kochi/archive/news/2007/07/26/20070726ddlk39010570000c.html

 (届け出順)

 ◇二人三脚で若さアピール

 選挙戦が残り1週間を切った23日午前8時、武内候補は県東端の町・東洋町で遊説をスタートした。「大都市の食を支えてきたのは地方の農業や漁業です。その地方を切り捨てる政治を変えなければなりません」。シャッターを下ろした商店や住宅が並ぶ静かな通りに武内候補の声が響きわたった。

 有権者の反応は上々。理髪店経営の女性(60)は「増税など負担を強いる今の政治にはうんざり。政治が変わることを期待している」と、真剣な表情で武内候補の主張に耳を傾けた。

 その後、選挙カーで住宅地の細い路地に乗り入れる。車を降りて有権者に駆け寄る武内候補。その隣には常に広田一参議院議員の姿がある。知名度不足解消のため、陣営は無党派層に強い広田議員の全面支援を取り付けた。広田議員は街頭にも立ち「県連幹事長として私の選挙を支えてくれた武内候補と国政で年金問題に取り組みたい」と支持を呼びかけた。

 午前11時ごろ室戸市へ。選挙カーからは26歳の大石宗県議が「広田一、38歳。武内則男、48歳。若い力で高知から日本を再生させます」と若さをアピール。商店街や漁協前など衰退が激しい地域を中心に街頭に立ち、「行政の無駄をなくせば、地方に予算を回せる。戸別所得補償制度で地域の農家を守る」などと地方中心の政策を訴えた。

 民主党は、県東部の組織が弱く、郡部への浸透が課題とされていた。しかし、選挙戦を進めるうち、「保守層の多い郡部のほうが政権への批判が多く、手応えを感じるようになった」(陣営幹部)という。また、党幹部を郡部に投入。この日は、菅直人代表代行が東洋町、横路孝弘・衆院副議長が奈半利町で街頭に立ち、攻勢をかけた。

 武内候補は「今の政治を変えてほしいという声は郡部のほうが大きい。あとは、その批判をどれだけ自分に集められるかだ」と真っ黒に焼けた表情を引き締めた。【米山淳】(おわり)

毎日新聞 2007年7月26日

717片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2007/08/07(火) 20:51:21
’07参院選:候補者を追う/2 田村公平候補(60)=自現 /高知
http://www.mainichi-msn.co.jp/chihou/kochi/archive/news/2007/07/25/20070725ddlk39010382000c.html

 (届け出順)

 ◇自然体で戦い抜く

 「次の人に渡すたすきではだめ」として、青地に赤で名前が書かれたゼッケンが選挙の必須アイテム。一風変わったスタイルが有権者の目を引く。

 「高知は明日の飯をどうするか、追い詰められた状況。この思いを誰かが言わないといかん」。高知市内であった演説会。田村候補は強い口調でまくし立てた。応援の麻生太郎外相も「田村候補の魅力はインパクトの大きさ。信念を貫き地元を思いやれる政治家だ」と評した。

 自民に吹く逆風は年金記録漏れ問題や事務所費問題など。それ以上に、高知では都市部との格差が開き、県経済に明かりが見えない。「高知が元気になるネタを何か考えてもらい、頑張ってもらうしかない」。演説を聴いた男性会社員(67)は期待を寄せた。

 格差の象徴とされ、高齢化と過疎が進む中山間地域。選挙カーがハンドルを切り返すのもやっとの道を走り、身を乗り出して手を振る。農作業の手を止め、首にかけたタオルを振る多くのお年寄り。農業の女性(77)に近寄った。女性は「病院に行くから、年金をちゃんともらえるようにして」。握手を交わした田村候補は「田舎の暮らしが分かるのは、わししかおらん」と目を細めて答えた。

 防災対策の実績も売りだ。「だいぶ水が出たんじゃないですか」。台風4号の被害を見舞う言葉も忘れない。マイクで続ける。「土砂災害防止法も作りました。今後の南海地震対策もぜひ田村の手で」。郡部の首長も「砂防えん堤の建設を先生にお願いした。難題でも国に談判してくれて頼りがいがある」と話す。

 信念がある。「2期12年間ずっと、安全・安心のまちづくりを言ってきた。ぶれることはない」。週末には高知に戻る生活を続けてきた。「選挙は普段の延長。パフォーマンスなんてないですよ」。あくまで自然体での選挙戦を貫く構えだ。【服部陽】

毎日新聞 2007年7月25日

718片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2007/08/07(火) 20:54:06
’07参院選:高知選挙区 武内さん、激戦制し初当選 /高知
http://www.mainichi-msn.co.jp/chihou/kochi/archive/news/2007/07/30/20070730ddlk39010325000c.html

 ◇「年金」「格差」追い風に 自民牙城、完全に切り崩す

 年金や格差問題が争点となった第21回参院選は29日投開票され、高知選挙区(改選数1)では、民主新人の武内則男氏(48)が、自民前職の田村公平氏(60)と、共産新人の村上信夫氏(43)を破り、初当選を果たした。武内氏は、前回参院選で自民候補を破った広田一・参院議員の全面支援を受け、「地方を切り捨てる自公政治を変える」と訴え、選挙戦を展開。年金問題による追い風に帆を張るように得票を伸ばし、政権批判をかわそうと「与党内野党」の立場を強調した田村氏との激戦を制した。県内衆参5議席のうち、広田議員に続き非自民が2議席を確保、自民の牙城を完全に切り崩した。投票率は58・40%で前回の57・30%を上回った。当日有権者数は65万3043人(男30万2063人、女35万980人)だった。【服部陽、米山淳】

 武内氏は、年金記録漏れ問題などによる追い風を十分に受け止め、着実に支持を広げた。加えて、農村部を丹念に回り、活性化を訴えることで、都市部と広がる経済格差に不満を持つ人々の票を掘り起こした。知名度不足が懸念されたが、無党派層に強い広田議員や、4月の県議選で上位当選した大石宗県議らの支援により、地盤の弱い郡部にも浸透した。

 一方、田村氏は道路整備や南海地震対策を訴えるとともに「政府にもの言う政治家」の立場を鮮明にしたが、有権者の与党への不満は根強かった。また、自民組織の崩れや県連内部の足並みの乱れにより、最後まで支持を固めきれなかった。

 村上氏は共産支持層をほぼ固め、護憲で存在感を示したが、無党派層などへの支持の広がりはなかった。

 ◇地方切り捨てストップ、国民中心の政治を−−当選の民主・武内さん

 武内氏当選確実の知らせが入ると、高知市愛宕山の事務所に集まった支持者から大きな歓声があがった。追い風の中だが、初の国政挑戦で知名度不足から苦戦が予想されたが、二人三脚で選挙戦を戦った広田議員も駆け付け、当選を喜んだ。

 事務所に姿を見せた武内氏は、笑顔で支持者と握手し何度も感謝の言葉を口にした。

 万歳で支持者と喜びをわかちあった武内氏は「地方切り捨ての政治をストップさせ、国民中心の政治を目指します」と力強く抱負を語った。

 ◇たくさんの支援に感謝「これからも頑張る」−−敗戦の自民・田村さん

 高知市本町5の田村氏の事務所では、午後8時過ぎに早くもNHKが武内氏の当確を報道し、支持者らは力なくテレビ画面を見守った。しばらくすると、民放も武内氏の当確を伝え、事務所内にはため息が漏れた。

 姿を見せた田村氏は「たくさんの支援をいただき、ありがとうございました」と硬い表情でお礼の言葉を述べ、深々と一礼した。

 小泉旋風に乗って当選した6年前とは違い、年金問題などの逆風が吹いた選挙。田村氏は「これからも高知のために頑張りたい」と語った。

719片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2007/08/07(火) 20:54:32
 ◇投票率は58・40% 前回を上回る

 高知選挙区の投票率は、前回(57・30%)を上回り、58・40%だった。

 過去20回の参院選で、高知選挙区の投票率は89年の第15回まで、60〜70%台で推移した。90年代以降は50%台にとどまり、95年には最低の50・64%にまで落ち込んだ。

 今回は年金記録漏れ問題や格差是正が争点となった。生活に密着する課題だけに、毎日新聞が投票日直前(25、26日)に実施した世論調査では、前回より5ポイント高い82%が「関心がある」と回答。3陣営とも「60%弱」と想定していた。

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 ■視点

 ◇「格差不満」後押し、県民の声を国政に

 民主への追い風が四国山脈を越えた。与党に年金問題などの逆風が吹いた参院選。景気の先行きが見えない高知で吹いた風は、都市部と開く地域間格差への不満だった。「今の政治では暮らしは良くならない」との県民の切実な願いが、野党の武内氏の背中を押した。

 「数が多ければ何をしてもいいのか」「自公政治にお灸を」。選挙期間中、自民、民主双方の支持者から聞かれた言葉だ。小泉内閣の三位一体の改革により、ひっ迫する自治体財政。後継の安倍内閣下では、全国最低ランクの有効求人倍率、相次ぐ建設会社の経営破たんなど、県経済の疲弊がより顕著になった。

 3候補はいずれも格差是正を公約の中心に据えた。武内、村上両氏の「地方切り捨ての政治を変える」、田村氏の「都会の論理で地方がつぶされる」との主張は党派を超えて、県民の声を代弁した政治への不満だ。

 県経済の立て直しは「待ったなし」。県民が武内氏に望むのは新人議員のフレッシュさだけではない。地方の代表者としての即戦力と発言力だ。【服部陽】

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 ◇開票結果(改選数1−3)=選管最終発表

当  166,220 武内則男  48 民新

▽  154,104 田村公平  60 自前

    51,629 村上信夫  43 共新

 (▽印は法定得票数に達した候補)

武内則男(たけうち・のりお) 48 民新(1)

 党県副代表[歴]高知市職員▽全水道高知水道労組書記長▽自治労高知市職員労組副委員長▽NPO高知市民会議理事▽高知市議▽党県幹事長▽高知工高

毎日新聞 2007年7月30日

720片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2007/08/07(火) 20:57:02
’07参院選:高知選挙区 自民が歴史的惨敗−−現場の取材記者座談会 /高知
http://www.mainichi-msn.co.jp/chihou/kochi/archive/news/2007/07/31/20070731ddlk39010604000c.html

 自民が歴史的惨敗を喫した参院選。高知選挙区でも追い風を受け、民主新人の武内則男さん(48)が自民前職の田村公平さん(60)と共産新人の村上信夫さん(43)を破った。自民の牙城を切り崩した要因はなんだったのか。地殻変動が起きつつあるのか。選挙戦を現場で取材した記者たちが語り合った。

 ◇郡部ほど不満大きく−−年金より格差、反自民の風

 ◇知事選への影響大、民主は県内地盤作りが急務

 −−民主への風は実感できたか?

 記者A これまで自民支持だった郡部の有権者の中に「今回は民主党にしようか」と考えていた人によく出会った。世論調査の民主支持率の上昇には驚いた。陣営からも「手応えはあまりない、こんなので勝っていいのか」という声もあった。

 記者B 民主の風というより反自民の風。田村さん自身も演説会で「有権者から自民はだめだ。公平さんもついてないねと言われる」とこぼし、相当な逆風を感じていたはず。高知では年金というより格差の風だった。暮らしが良くならないという実感に基づき、「自民はいや」という有権者の考えが武内さんへの票につながったのでは。

 記者C 自民が猛烈な逆風に苦しんだように、政策中心に支持拡大を図ろうとした共産の声も風の前にかき消されてしまった。

 −−民主の小沢一郎代表は農村部を重点的に回る“川上作戦”に徹したがその効果は?

 記者A 人口5400人の町で、400人が小沢代表の演説を聞きに集まった。隣の本山町から来たという人もいた。「こんな田舎までわざわざ」と頭を下げる高齢者までいた。

 記者B 票の開き具合を見ても一目瞭然(りょうぜん)。町村で約4700票差。田村陣営は「郡部で票を固めて高知市勝負」とし、郡部で2万から3万ぐらいの差をつけておきたかったが、ほとんど差が出なかった。郡部こそ格差への不満が大きかったのでは。

 −−武内さんは知名度に課題があったが

 記者A 広田一参院議員の全面支援は大きかった。広田議員見たさに演説会に来る人もいて、広田人気にあやかった形で優位に選挙戦を進めた。郡部に行けば行くほど、武内さんの知名度は低く、広田議員と二人三脚で郡部を回った効果もあった。中には「広田さんも選挙に出るの?」と勘違いしている有権者もいるほど。広田議員には抜群の知名度があった。

 記者B 35市町村すべてに党支部がある田村陣営としては、民主には地盤がほとんどないため、「選挙カーで回っても行くところがないはずだ」と見ていた。田村さん本人も「相手は誰だっけ、と支援者からよく言われる」と話しており、知名度は田村さんのほうが格段にあった。しかし、それ以上に反自民の風があり、「民主候補の名前は知らないが自民よりもいい」という声も確かにあった。

 田村陣営には、武内さんの知名度の低さなどから「負けるはずのない選挙」という油断があった。多くの関係者が民主への追い風に対し「武内さんでは受け皿にならない」と口をそろえ、選挙戦直前の陣営からも「票を固めきれば負けるはずはない」との声も聞かれた。その雰囲気は選挙戦に入ってから変わったが、県議らの動きは鈍かった。

721片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2007/08/07(火) 20:57:15
 −−田村陣営にとって鍵だった自公協力は機能したか?

 記者B 自民は前回参院選で敗れ、再起を狙う森下博之さんを比例に回し、分裂を回避したのはよかったが、今度は比例代表候補の必勝を期す公明との関係で、不協和音があったのは事実。公明県本部の幹部も選挙前、「森下の党公認は内心穏やかじゃない」と語り、協力に不安を残していた。しかし、田村陣営は演説会でも公明比例候補のポスターと田村さんのポスターを同じ枚数張るようにしていたし、演説会では公明の応援弁士とともに「選挙区は田村、比例は山本博司(公明)」と口をそろえ、公明へのかなりの配慮が見られた。だが、実際の票の開き方を見ると、比例公明の票は約5万4000。最近の国政選挙で6万〜7万あったのと比べると、低い数字。自公協力は「一定」と言うべきなのだろうか。

 記者C 田村さんの後半の巻き返しは、余裕で当選すると高をくくっていた自民陣営に対し、愚直に動き回っていた公明・創価学会の力があってこそだったと思う。

−−田村さんの「美しい国」批判は選挙に影響したか?

 記者B 首相を批判してまで格差にあえぐ県民の声を代弁しようとした姿勢は忘れてはならない。田村さんは与党に逆風が吹く今回こそ、「地方の声をきちんと政府に言える政治家」をアピールしたかったに違いない。

 記者A 武内陣営では、田村さんが大ばくちを打ったと言われていた。民主側は、ばくちが功を奏し、郡部の有権者を持っていかれると危機感を持っていた。これが、最後の1万2000票まで縮まった要因では。

 記者C 「あんなこと言っていて肝心の地元への利益誘導ができるのか」と共産陣営でも不思議がっていた。「与党内野党と言わず、自民党から離党しろ」という声もあった。

−−今回の選挙の次期衆院選や県内への影響は

 記者B 民主支持者は大幅に拡大したが、このまま本当の支持層として定着するかは微妙。民主県連は一過性で終わらず、市町村議員を育てるなど県内での地盤作りに力を入れなければならない。今秋の知事選への影響が大きい。自民は知事選への候補を決めかねている現状に加え、今回の敗北により、県連役員の進退問題が浮上することも考えられる。

 記者A 民主は、今後、国政での実績や県内での組織力アップを図らないと、すぐに自民王国に逆戻りしてしまう。今回は追い風に乗った結果だということを肝に銘じておかないと、小泉旋風で勢いに乗った自民が今回失速した二の舞いになってしまう。

毎日新聞 2007年7月31日

722片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2007/08/07(火) 21:07:30
’07参院選:民主・小沢代表、愛南で街頭演説 /愛媛
http://www.mainichi-msn.co.jp/chihou/ehime/archive/news/2007/07/19/20070719ddlk38010400000c.html

 民主党の小沢一郎代表が18日、参院選愛媛選挙区に出馬している無所属新人、友近聡朗候補(32)の応援のため来県、愛南町で街頭演説をした。小沢代表は、農産物や海産物の直売所「緑新鮮市」(同町緑)に集まった約600人(主催者発表)を前に、参院での与野党逆転と友近候補への支持を訴えた。

 小沢代表は、友近候補が出馬を表明した2月から県内に入るのは5回目。小沢代表はビールケースの上に立ち「農林水産業や地方は置いてきぼりになっても仕方がない、という考え方の下に政治や行政が運営されている」と主張し、「安定した生活を守っていけるのか大事な選挙戦だ」と訴えた。年金記録漏れ問題についても「ばかげた行政で生活や国民に対する意識が欠如している」と批判した。【加藤小夜】

毎日新聞 2007年7月19日

723片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2007/08/07(火) 21:10:16
誰に託す6年:’07参院選えひめ/7 激戦地ルポ/上 松山市 /愛媛
http://www.mainichi-msn.co.jp/chihou/ehime/archive/news/2007/07/25/20070725ddlk38010423000c.html

 第21回参院選は投開票日の29日に向け、選挙戦は最終盤に入った。立候補者の各陣営は組織固めや無党派層の掘り起こしに全力を挙げている。県内の有権者数の約3分の1を占める松山市、第1次産業従事者が多く、保守が強いとされる南予の宇和島市。勝敗の鍵を握るとみられる激戦地の熱い選挙戦を取材した。【加藤小夜、藤田健志、土本匡孝】

 ◇無党派層の取り込みに懸命

 21日夜、浴衣姿の女性や家族連れらで混雑する松山市中心部の大街道商店街。同商店街などで開催中の「土曜夜市」で、友近氏と関谷氏がアピール合戦を繰り広げた。その時間はわずか10分程だが、約10メートル離れただけの至近距離だった。

 サッカーボール型のビラを配り、通行する人たちと握手を繰り返す友近氏。陣営によると、友近氏は2時間で5000人強と握手したという。関谷氏も道行く人と握手を交わしていた。土曜夜市には高校生ら選挙権のない若者も多いが、無党派層への知名度を上げるには魅力的な場所に映る。

 選挙人名簿登録者数41万9314人(7月11日現在)で、県内一の大票田の松山市。毎日新聞が19〜21日に実施した特別世論調査によると、旧松山市(衆院愛媛1区)の約3割が無党派層。その取り込みに各陣営とも懸命だ。

 関谷氏には安倍晋三首相や地元選出の塩崎恭久官房長官らが来援。安倍首相が応援演説した20日夕の伊予鉄松山市駅前で、関谷氏は「逆風が強ければ強いほど、エネルギッシュに対抗していかねば」と声を上げた。友近氏には民主党の鳩山由紀夫幹事長や国民新党の亀井静香代表代行らが応援に入った。田中氏には24日、志位和夫委員長が来援し、「自公の暴走政治を止めよう」と同市駅前で有権者に訴えた。

 3氏の陣営は無党派層を取り込もうと激しい組織戦を展開している。

 友近氏を推薦する連合愛媛は、傘下の組合員に週末などを利用した期日前投票の呼び掛けと確認を徹底。また、陣営は松山市内の全世帯に電話をかける作戦を始めた。総合選対本部長の木原忠幸・連合愛媛会長は「投票率を上げれば、こちらに有利になる」と話す。

 一方、関谷氏は衆院議員だった父・勝利氏(故人)を受け継ぎ、松山市が地盤。後援会員の高齢化は否めないが、古くからの後援会も多く残る。党所属市議19人が後援者に支援を呼び掛けており、県議の1人は「無党派層対策には市議や県議の後援会を頼るしかない」と明かす。

 田中氏を公認する共産党は、党員や後援会員が同市内で15万枚を目標に党の政策を書いたビラを配布中。党市議らのつながりが深い地域を中心に電話で支持を訴えている。

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 ◆愛媛選挙区(改選数1、届け出順)

田中克彦 40 党県常任委員  =共新

友近聡朗 32 [元]Jリーガー=無新[民][社][国]

関谷勝嗣 69 [元]建設相  =自[山]現(2)[公]

毎日新聞 2007年7月25日

724片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2007/08/07(火) 21:11:50
誰に託す6年:’07参院選えひめ/8 激戦地ルポ/下 宇和島市 /愛媛
http://www.mainichi-msn.co.jp/chihou/ehime/archive/news/2007/07/26/20070726ddlk38010218000c.html

 ◇南予の大票田、論戦熱く

 「第1次産業を活性化させ南予の雇用の場を広げ、観光産業を発展させる必要がある」。関谷氏は15日、宇和島市津島町で支援者に語り掛けた。関谷氏は党観光産業振興議員連盟会長と同果樹農業振興議員連盟会長を務め、これらの分野の政策通だ。その翌日、南予文化会館前で開かれた友近氏の個人演説会。友近氏は「多感な青春時代を南予で過ごし、育てていただいた。格差の象徴になっている窮状を立て直したい」と訴えた。

 田中氏は「地域の切り捨て反対、地域経済の活性化」を訴え、3氏の論戦は都市部との地域格差に悩む全国各地の過疎地の縮図となっている。

 選挙人名簿登録者数は7万5490人(11日現在)で、保守地盤の強いとされる南予での大票田・宇和島市。自民党公認候補は前回選(04年)では旧宇和島市、旧吉田、旧三間、旧津島3町の得票数で、2位の民主党公認候補に8000票以上の差を付け、05年の衆院選愛媛4区では現宇和島市で民主党公認候補に2万票以上の差を付けトップ。しかし、毎日新聞の特別世論調査(19〜21日)で、衆院愛媛4区は友近氏と関谷氏が競り合っている。

 自民党県連は「情勢は五分五分」とみて、旧宇和島支部に檄(げき)を飛ばした。支部の市議らは公示後、後援者への支援や期日前投票の呼び掛けを強める。市議は公明市議との協力も強め、引き締めを図っている。公示前の6月下旬には安倍晋三首相が応援。「魚見の丘」で養殖業の視察後、同市内での演説会に出席、政策を保守層にアピールした。

 一方、友近氏は22日のうわじま牛鬼まつりで、県民10万人と握手する立候補表明以来の目標を達成した。連合愛媛傘下の労組員は南予で少なく、野党側は過去の国政選挙で組織力不足が響いたが、友近氏は南宇和高出身。陣営は「南予ゆかりの候補者はなかなかいない」と期待する。陣営は松山市のほかに、宇和島市にも事務所を置いている。

 田中氏は16日夜、同市内での演説会で「今までの政治が間違っていることを一言も言わない方々が、いくら南予に来て応援演説しても南予の人の気持ちは動かないと思う」と冷静な見方。自公政権への批判を強め、従来の保守層からも批判票の結集を目指している。

 年金や教育、憲法など多くの問題で岐路に立つ今。今後6年を託す候補者を有権者が審判する投開票日(29日)を控え、各陣営はラストスパートの態勢に入った。【加藤小夜、藤田健志、土本匡孝】

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 ◆愛媛選挙区

(改選数1、届け出順)

田中克彦 40 党県常任委員=共新

友近聡朗 32 [元]Jリーガー=無新[民][社][国]

関谷勝嗣 69 [元]建設相=自[山]現(2)[公]

毎日新聞 2007年7月26日

725片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2007/08/07(火) 21:15:57
’07参院選:比例代表 民主、26万5544票トップ守る /愛媛
http://www.mainichi-msn.co.jp/chihou/ehime/archive/news/2007/07/31/20070731ddlk38010491000c.html

 ◇自民・公明、得票率落とす

 第21回参院選は30日未明、すべての開票作業を終え全議席が決まった。比例代表では、民主が県内で26万5544票、得票率で36・81%(04年の前回選34・40%)を得て、前回に引き続きトップを守り支持を伸ばした。

 自民は32・22%(同33・56%)と得票率を落とし、逆風で「保守王国」が揺れ動いた影響をうかがわせた。連立政権を組む公明も15・85%(同17・61%)と低下した。

 共産は、自公批判票を思うように取り込めず5・11%(同5・87%)とわずかに得票率を下げた。友近氏と共闘した社民は前回に続き低下した。

 地域別では、民主は松山▽今治▽八幡浜▽新居浜▽西条▽四国中央▽東温の7市でリード。郡部でも松前、砥部両町で自民をしのいだ。自民は郡部全体で優位を保ったものの、前回より得票率を減らした。【古谷秀綱】

毎日新聞 2007年7月31日

726片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2007/08/07(火) 21:17:35
’07参院選:政治の趣変える契機になれば−−知事談話 /愛媛
http://www.mainichi-msn.co.jp/chihou/ehime/archive/news/2007/07/31/20070731ddlk38010519000c.html

 加戸守行知事は30日、記者会見し、開票結果について「台風というか地震というか、年金記録台風、事務所費台風、閣僚失言台風が吹きまくり、総理が3回も来援されたが(自民に)耐震設計や対台風設計が足りなかった。友近(聡朗)候補がさわやかな印象を与え、ムード票もあったと思う」と総括した。さらに一国民の立場として「安倍内閣のいい薬になって行くのでは。政治の趣を変える契機になれば」とした。

 関谷氏落選を「多くのご指導を受けており落胆した」と惜しみ、今後の公共事業減などを懸念。当選した友近氏には「今後勉強され、現実をベースとした的確な対応ができるよう願っている」とした。【古谷秀綱】

毎日新聞 2007年7月31日

727片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2007/08/07(火) 21:19:38
選挙:参院選 無党派層が決した勝敗 「保守地盤崩れた」早計−−まとめ /愛媛
http://www.mainichi-msn.co.jp/chihou/ehime/archive/news/2007/08/01/20070801ddlk38010646000c.html

 ◇関谷氏が郡部で健闘

 友近氏は31日、連合愛媛や民主、社民などの総合選対関係者にあいさつ回り。取材に、「格差拡大や地方切り捨ての政治に、不満や不信を持つ人が投票してくれたと思う。皆さんの声を国政に届ける政治家になりたい」と語った。所属会派について「よく協議した上で政治活動に取り組みたい」と明言を避けた。

 一方、前職の関谷勝嗣氏(69)=公明推薦=を擁立して敗れた自民県連は31日、役員が集まり県連運営について協議した。

 愛媛選挙区の市町別の得票では、友近氏は大票田の松山市で関谷氏を約2万4500票上回り、保守の牙城とされる南予の宇和島、八幡浜両市などでもリード。伊予市以外の10市で勝利した。

 対する関谷氏の総得票は31万8304票。前回選(04年)で初当選した自民・山本順三氏の32万2152票と比べ、微減した。しかし、関谷氏は市町別の得票は多くの市で山本氏より伸ばし、郡部では友近氏をわずかな差ながら上回っており、自民が保守地盤を一定程度固めたことが分かる。無党派層の投票動向が勝敗を決したと言え、保守地盤が崩れたとみるのは早計だ。

毎日新聞 2007年8月1日

728片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2007/08/08(水) 11:36:26
友近氏、「当選後に決断」と民主会派入り 愛媛
http://www.ehime-np.co.jp/news/local/20070807/news20070807763.html

 第21回参院選愛媛選挙区で初当選した無所属新人の友近聡朗氏(32)は6日、東京・永田町の民主党本部で報道陣の取材に応じ、同日付で民主党と無所属議員でつくる院内会派「民主党・新緑風会」に会派届を出したと発表した。この結果、同会派は113人となった。
 友近氏は「投票してくれた37万人余りの県民の声を国政に届けるため、選挙戦を通して考え方の近かった民主党系の会派入りを、当選後に決断した」と説明した。
 選挙戦で推薦を受けた社民党や国民新党に対しては「これまでも(会派入りに)理解を得られるよう相談してきたつもりだが、今後も(説明に)努めたい」と述べた。
 友近氏は「基本は無所属。(会派入りで)しがらみができるわけではない」と述べ、会派を「勉強の場」と強調した。
 一方、社民党県連の村上要代表は「無所属で戦い、県民の支持を得た以上、一定期間は(会派も)無所属で勉強してほしかった」とコメントした。

729片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2007/08/08(水) 12:15:32
参院選 激闘の後に 野党共闘の行方<上>
衆院選へ 協力模索 讀賣島根

 自民が18年ぶりに島根選挙区の議席を失った参院選から1週間余りがたったが、野党共闘が自民王国を破った熱気はまださめやらない。しかし、野党各党にとっても、自民にとってもこの選挙をどう生かしていくかが重要になる。両陣営の〈次〉を探った。

 7日の参院初登院。国民新党の亀井亜紀子さん(42)は当選が決まりバンザイをした時と同じ、イメージカラーのオレンジ色のジャケット姿で国会議事堂に現れた。胸には新しい議員バッジ。「このバッジは物理的には軽いけれど、有権者21万人以上がここにいる。そういう意味で私にとって重い」。インタビューに答える亀井さんの口調には、有権者の期待に応えたいとの思いがにじんだ。

     ◇

 7月29日の投開票で、亀井さんは約21万票を獲得し、自民の景山俊太郎さん(63)に3万票余りの差をつけた。国民新、民主、社民の3党が県内の国政選で初めて共闘し、「自民王国」の現職議員を破る「大金星」だった。

 だが、連合島根の堀内幹夫事務局長は「今回の結果が(共闘の)実力だとは思っていない」と言い切る。

 比例選の得票は3党を合わせても17万票余り。自民、公明両党は2004年の前回選より約2万票減らしたものの、約21万票を得た。年金記録漏れ問題や閣僚の失言、不祥事により、選挙区で吹いた与党への激しい逆風は、比例選では“微風”に終わった。

 亀井さんが当選した要因として、民主県連の内田敬代表は「郵政民営化を巡り自民を離党した亀井久興・国民新党幹事長の長女で、自民への不満を吸い上げられる候補だった」と分析。さらに「女性であることや若さ、自身のキャラクターも有権者に受け入れられた」と語る。過去の県内の国政選と比べ、異色の候補だったことが、有権者の支持を引き寄せたと言える。

     ◇

 野党共闘について亀井さんは「1回きりではなく次につなげていくべき。衆院選では恩返ししたい」と語る。次期衆院選で、民主が島根1区で小室寿明氏を公認する。同党候補が未定の2区には国民新党の亀井幹事長が出馬するとみられ、1区の小室氏を国民新党が、2区の亀井幹事長を民主が支援する「バーター選挙」の可能性が見えてくる。

 ただ、内田代表はバーターについて、「一つの形としては考えられる」と述べるにとどまる。社民も衆院選に向けた態度を明確にしていない。

     ◇

 7月29日夜、亀井さんの事務所で、民主、社民両党県連や連合島根の幹部ら約100人の支持者らが歓喜に沸いた。そのなかには、「女性を国会へ送る会 あきちゃん勝手連」の女性たちの姿もあった。

 勝手連は当選の熱気が残る3日、松江市内の飲食店にメンバーが集まり解散式を開いた。しかし、渡部通恵代表は「多くの人に応援をお願いしたのに、これで終わりにはしたくない」と語る。メンバーは今後、亀井さんを囲んだ懇話会を開いて、国会の話を聞いたり、自分たちの意見を伝えたりしたいという。「介護問題など、普通のおばさんの声が国会に届いて、形になれば」と渡部さんは語る。

 参院選で生まれた草の根の動き。野党各党が衆院選で新しい息吹を育てることができなければ、有権者の期待は行き場を失う。

(2007年8月8日 読売新聞)

730片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2007/08/08(水) 17:40:22
敗因は「逆風」執行部責任見送り 自民県連が総括 高知
http://203.139.202.230/07sanin/070806sanin01.htm

 自民党県連の参院選選挙対策本部(本部長=山本有二県連会長)は五日、高知市升形の県連会館で選挙総括の会合を開き、県選挙区で三選を目指した前職の田村公平氏の主な敗因を「安倍政権批判の逆風」「県連と田村陣営の連携不足」としたが、県連執行部の責任問題と安倍政権存続をめぐる追及や意思集約には至らなかった。

 会合(非公開)では県連と田村陣営が連携できなかった理由や背景をめぐり、主張が激しく交錯。会議後に記者会見した選対総括責任者の元木益樹幹事長は「問題点はいくつかあり、結論は出ていない」、山本会長は「(県連総務会や臨時大会を)今後、必要となれば開き、県連として参院選総括をすることになるだろう」と述べた。

 元木幹事長は「安倍政権の政策は地方切り捨ての傾向が強く、地方の反発を招いたことが大きな敗因」と強調。山本会長は田村氏の戦いを「中四国地方(の一人区)では得票率は高く、善戦健闘」と位置付けたが、同党元職の森下博之氏を比例公認しつつ比例重視の公明党に支援を仰ぐ選挙戦の在り方については「(森下氏の比例公認は)苦渋の選択だった」と説明した。

 出席者からは山本会長ら県連執行部の敗北責任を指摘する声も上がったが、山本会長は「責任を感じるように促されたが、(責任は)求められなかった」と述べた。

 会合は参院選総括の論議に終始したため、同日の協議事項としていた「ポスト橋本」が焦点となる今秋の知事選対応は先送り。山本会長は現執行部態勢で知事選に臨む考えを示した。

 田村氏、福井照氏(衆院・高知1区)を除く国会議員と県議、職域支部代表ら約四十人が出席した。

731片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2007/08/09(木) 07:23:17
「改革の痛み」解決カギ 県連幹部「戦術転換を」 揺らぐ自民王国<下> 讀賣島根

落選が確実となり、あいさつのため事務所に入る景山俊太郎さん(中央)(7月29日、松江市の事務所で)

 「自民党への怒りが非常に強かった」。参院選投開票日の7月29日夜。落選が決まった自民の景山俊太郎さん(63)があいさつを終えて既に去り、支持者らも引き揚げつつあった事務所で、選対本部長の浅野俊雄・県連幹事長が選挙戦を振り返った。そして、「支持者の意欲が極めて低かった。改革ばかりで格差の手当てをしていなかった。それが敗因だ」と付け加えた。



 景山さんは、県内8市のうち松江市や、青木幹雄・県連会長の地元・出雲市など7市で、国民新党の亀井亜紀子さん(42)に敗れ、地元の雲南市でも約1000票差に迫られた。郡部でも13町村のうち8町村で亀井さんにリードを許し、保守層の“自民離れ”は明らかだった。

 自民離れを決定づけたのは構造改革の「痛み」。県内の公共事業費は1998年度の2681億円をピークに9年連続で減り、2007年度はピーク時の70%減の820億円。01〜06年度で、建設事業所650か所、従業員9343人が減った。「選挙では支援を求めてくるが、どれだけ地方を守ってくれたのか」「青木さんが支えた小泉・安倍路線で、我々は大変な思いをした」。自民を支えてきた建設業界からは、怒りの声が上がっている。

 建設業を兼ねる農林業者が多い中山間地域を選挙区とする、ある自民県議は「参院選では、支持者に声をかけても、そこから下がどれだけ動くか全くわからなかった」と嘆いた。



 県内に張り巡らせた組織の衰えも激しい。4万人を超えた党員も合併による地方議員削減で半減した。

 次期衆院選は、2005年の前回選でいずれも12万票台を得た、細田博之氏(1区)、竹下亘氏(2区)の両現職が立候補することが確実視される。しかし、1区は無党派層が多いとみられる県都・松江市を抱え、2区は前回選2位で、亀井さんの父である国民新党の亀井久興幹事長がライバルとなる。

 県連幹部は「参院選の本質的な敗因は県の疲弊。解決策をいつまで待てばいいのか、県民の理解を得ないと次も戦えない。空洞化した組織の肉付けより、戦える材料をどう探していくかが必要なんだが……」と、戦術転換の必要性を語る。



 「こういう結果に終わった以上、役員を一新するべきだ」「正論だが、きれい事で済むのか。大事なのは次をどう戦うかだ」

 県議会議事堂別館で2日に開かれた自民党県連の常任総務会。青木会長が県連幹部に辞意を伝えたことを受け、会合は「責任論」を巡って紛糾した。だが、結局は「態勢立て直しに青木会長の力が必要」として慰留することで一致した。

 参院選で無党派層取り込みに成功し、衆院選でも共闘をにらむ野党側に、これまで通りの戦い方で対抗できるか。それでも、青木会長の影響力に頼らざるを得ない現状は変わらない。

 ある県幹部は語る。「いざという時は青木さんに駆け込めば何とかしてもらえた。だが、これからどうなるかはわからない」

(この連載は藤戸健志、阿式智子が担当しました)

(2007年8月9日 読売新聞)

732片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2007/08/09(木) 11:16:50
姫井氏、郡部で躍進 民主の「地方重視」が奏功  産経岡山
http://www.sankei.co.jp/chiho/okayama/070731/oky070731002.htm

 全県で45万票を集めた民主の姫井由美子氏(48)が、自民の片山虎之助氏(71)らを破った参院選岡山選挙区。開票結果から浮かび上がるのは、郡部における民主の躍進と自民の退潮だった。

 県内27市町村のうち、姫井氏の得票が片山氏を上回ったのは10市町。岡山、倉敷、玉野各市などもともと民主が一定の勢力をもつ地域に加え、津山、浅口、久米南の各市町など、従来、民主が強いとは言い難い地域でも、姫井氏は片山氏を上回る得票を重ねた。

 このほか、鏡野、和気、勝央、新見など5市町では、片山氏がリードしたものの、姫井氏の得票率が45%を超え、ほぼ互角の戦いだった。

 郡部での躍進について、姫井陣営は「小泉首相以来の構造改革で『自民政権は地方を切り捨てている』と感じる有権者が多く、自民離れを進めたのではないか」とみる。

 自民党が「都市型政党」への転換を図るなかで、民主は小沢一郎代表が「地方重視」を打ち出したことが奏功。さらに、岡山の場合は、郡部を多く抱える衆院岡山3区と5区での保守分裂模様が加わり、「自民離れ」を加速させたとみられる。それでも、「風がなくなっても、民主が郡部で支持を得られるか。真価を問われるのは、これから」(民主県議)。

 一方、自民は大票田の岡山、倉敷両市だけで、計約5万票も姫井氏にリードを許した。この上、郡部で五分の戦いとなっては勝ち目はなかった。

 また、片山陣営が終盤になって「公明頼み」の傾向を強めたことに対し、従来の支持層からの反発もわき起こった。比例で自民公認として組織内候補を擁立していた団体の関係者は「こちらも候補を抱えて片山さんとセットで運動してきたのに、『公明、公明』と言い過ぎだ」と憤っていた。

 勝った民主、負けた自民。次の衆院選をにらんだ戦いが、すぐに始まる。

(小路克明)

(2007/07/31 02:48)

733片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2007/08/10(金) 07:13:38
青木氏、県連会長続投要請に態度保留  山陰島根
http://www.sanin-chuo.co.jp/tokushu/modules/news/article.php?storyid=409176196

 参院選島根選挙区で党公認候補が落選し、体制の立て直しを迫られている自民党県連は九日、都内で役員会を開き、辞意を伝えている青木幹雄県連会長の進退について協議。幹部が続投を要請したが、青木会長は回答を保留した。

 参院選で前職候補が野党統一候補に敗れたショックは自民党県連内に大きく、組織の立て直しが急務。青木会長は、今月下旬に開く支部長・幹事長会議での参院選総括を見極め、続投の是非を判断するとみられる。

 会合の後、青木氏は山陰中央新報社の取材に対し、「(会長続投の)話は承ったが、結論はまだだ」と述べた。会議には、青木氏、細田博之氏ら県選出国会議員、県議らが出席した。

('07/08/10

734片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2007/08/10(金) 08:29:56
鳥取県政界 地殻変動 −参院選・民主勝利−
(上)自民党組織の弱体化
2007/07/31の紙面より 日本海鳥取
http://www.nnn.co.jp/tokusyu/hendou/070731.html

本丸の農村、総崩れ

自民党の敗北濃厚となり、険しい表情で顔を向き合わせる石破茂県連会長(右)と山口享県議=29日夜、鳥取市の選挙事務所
 二十九日に投開票が行われた参院選鳥取選挙区で、自民党は民主党候補に三万三千票の大差をつけられて惨敗を喫した。県内十九市町村で三勝十六敗。“勝ち星”を得た県東部の三町もわずかに民主党を上回った程度で、地盤といわれる農村部の自民離れが際立つ。年金、格差問題、閣僚の失言などに対する逆風だけが敗因ではなく、根底には自民党選挙を支える組織の弱体化が透けて見える。

 鳥取選挙区で自民党の敗北が確定した二十九日夜、選挙戦を陣頭指揮した石破茂県連会長は選挙事務所で「東京に行って総理は代わるべきだと言う。そうでなければ落選した人が浮かばれない」とぶちまけ、怒りを隠さなかった。

 県連幹部からも「党本部は人心一新して出直すべき」と首相の退陣も含めて内閣の刷新を求める声が強まっている。しかし、県内で自民党が地盤の地域が軒並み敗れたことを考えると、もはや「自民党型の選挙が通用しない」状況に有権者の意識が変わった、とも受け取れる。


八頭町ショック
 前兆はあった。十二日の公示日。民主党の小沢一郎代表の八頭町入りに、千人以上が沿道に詰め掛けた。自民党は「よその地域からの動員だ」と高をくくっていた。

 同町は石破会長だけでなく、東部選対本部長の山口享県議、県連幹事長の山根英明県議の地盤。「負けるはずがない」といわれた地域だが、選挙結果はわずか「十五票差」ながら、民主党が勝利。「農村の反乱」に県連関係者、県議、市議は大きなショックを受けた。

 自民党型選挙は、市町村に張り巡らされた地域支部と企業、団体で構成する職域支部が縁の下を支えている。しかし、地域支部の会員は二〇〇〇年の九千人を境に昨年は半分近くの約四千八百人に減少。職域支部と合わせると、県内党員数は昨年末で一万人余り。

 過去に自民党が分裂選挙を繰り返したことで、地域支部の組織力の弱体化も顕著だ。〇三年の衆院選鳥取2区で相沢英之氏と川上義博氏の分裂選挙となった当時、西伯郡内のある地域支部では、川上氏支持の党員が集団離党。今回の参院選に向けて赤沢亮正衆院議員のてこ入れで復活したが、地元には「(〇五年衆院選の)赤沢さんのときほどの動きはない」との見方もあった。


三分裂の弊害
 今参院選では、県議の会派の三分裂状態の弊害も出た。前田宏県連副会長は「あちこちに気を使い過ぎた県連人事で、歯車がかみ合っていない」と今の県連執行体制に疑問符を投げ掛ける。

 山根幹事長は「県連も議会も一枚岩」を強調するが、県議間の“しこり”は選挙戦に影響を与えた。小玉正猛総務会長は「民主党に『団結すれば勝てる』と自信をつけさせてしまった。それに対抗するには県議が本当に一本になるしかない。県議が三つに分かれた状態では、今後の選挙も負ける」と県議の会派一本化が、県連立て直しの第一歩と指摘した。

735片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2007/08/10(金) 08:35:43
鳥取県政界 地殻変動 −参院選・民主勝利−
(中)脆弱な民主党基盤
2007/08/01の紙面より 日本海鳥取
http://www.nnn.co.jp/tokusyu/hendou/070801.html

「風頼み」脱却必要

万歳して参院当選を川上氏(左)と喜ぶ県連幹部。早くも衆院選へ向けた態勢づくりを進める=30日未明、鳥取市の選挙事務所
 民主党鳥取県連にとって、参院選鳥取選挙区での川上義博氏当選は、衆参合わせて選挙区での初の勝利となった。同党は「衆院解散に追い込んで政権交代」が最終目標だが、風頼みでない戦いを繰り広げるには「県内党組織の脆弱(ぜいじゃく)さ」の解消が必要だ。同時に県連は、波乱含みの政局を念頭に空席となっている衆院鳥取2区の候補選定を急ぐ。
「選挙は戦いだ」
 川上氏が当選を決めた二十九日夜。選挙事務所に陣取る県連関係者は「これまで有権者が民主党を支援する声を表に出しづらい雰囲気があった。しかし、川上の出現で党が変わる」と単なる批判票の受け皿ではなく、党が政権選択の対象として県内有権者に認知されることを確信した。

 自民党出身で選挙の“つぼ”を知っている川上氏が県連幹部、支援団体の意識も変化させ、福間裕隆県連幹事長は「川上の立ち振る舞いから『選挙は戦いだ』と学んだ」と話す。川上氏が獲得した十六万八千票のうち、三分の一程度が連合票とみられ、連合鳥取の安田邦夫会長は「連合の本気度を組合員が理解してくれた。特に若い世代の組合員は無党派としての対応が奏功した」と振り返った。

 県連の次の狙いは衆院の議席確保。しかし、党基盤の弱さの問題は依然として横たわる。同党の地方議員は県議五人、市議八人、町議三人の計十六人。「民主系」を含めれば数は増えるが、自民党と比較すると圧倒的に少ない。支援者のサポーターは五百六十人いるが、党員に至ってはわずか六十六人(今年五月末時点)しかいない。

 県連が衆院対策で今後進めるのが四市の中学校区と町村ごとの地域支部の新設。福間幹事長は「全県的に政党として認知された。衆院選へ戦う体制をつくる」と参院選勝利で組織づくりへの素地が開けたことを強調する。
2区候補人選へ
 今回の川上氏の得票を衆院の選挙区別に分けてみると、鳥取1区が八万二千票、鳥取2区が八万六千票。一昨年の衆院選では自民党の石破茂氏(1区)が十万六千票、赤沢亮正氏(2区)が六万四千票。2区では川上氏が赤沢氏の得票を上回った。風向きが変わらなければ自民党にとっては脅威となる。

 当選後、「今度は私が先頭に立って戦場(選挙区)を駆け巡る。赤沢氏や石破氏、自民の候補者と戦う。やっつけたい」と早くも次期衆院選へ照準を切り替えた川上氏。三十一日には党本部で休養明けの小沢代表と面談し、今後の国会対策について話し合った。

 県連は衆院鳥取1区に県連副代表の早川周作氏の擁立を決めているが、鳥取2区は空席状態。今参院選の結果を踏まえると、早い段階での候補決定が選挙戦に好影響をもたらす絶対条件となる。川上氏は「勝てる候補を擁立する」と話す。

 鳥取2区の候補者の一人で有力視されているのが、県連代表代行の湯原俊二県議(米子市選出)。福間幹事長は「早ければ秋にも衆院解散があっておかしくない。再び地べたをはう選挙をするためにも早急に候補者を決める」と述べ、人選作業を進めて八月中にも県連で機関決定し、自民党と対決準備を整える考えだ。

736片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2007/08/10(金) 08:36:55
鳥取県政界 地殻変動 −参院選・民主勝利−
(下)自公協力のあり方
2007/08/02の紙面より 日本海鳥取
http://www.nnn.co.jp/tokusyu/hendou/070802.html

「票バーター」空振り

推薦状と支持状を渡し合う石破茂自民党県連会長(右)と銀杏公明党県本部代表=7月11日、鳥取市内のホテル
 参院選鳥取選挙区で自民党候補を推薦する見返りに、比例票の獲得協力に大きな期待を寄せた公明党。得票は前回参院選(二〇〇四年)を八千票余り下回る結果となり、関係者からは「選挙協力のあり方を見直さねば」との声も上がり始めた。一方、「憲法九条を守る」と訴えた共産党候補は憲法問題が大きな争点にならず、自公政権批判票を民主党に奪われる形で埋没。「比例に全力」と同選挙区に候補を擁立できなかった社民党も目標得票を大きく割り込んだ。
すきま風
 公明党の県内基礎票は五万−五万五千票といわれている。前々回の参院選(〇一年)が五万五千票、前回が六万票。党県本部は今参院選で「八万票」の獲得を掲げた。目標達成には自民党との「票のバーター」が前提条件になる。公明側は自民側に約二万票の協力を求めた。

 県本部が自民党の常田享詳氏を推薦する一方で、自民党県連は「協力関係」を目に見える形で示すため、公明党比例候補の山本博司氏を支持。自民党県連が他党の候補を支持するのは初めてで、異例の対応だった。しかし、県内比例票の得票結果は、自民党が前回並みの九万九千票に対し、公明党は前回を大きく下回る五万二千票。

 新日本海新聞社の出口調査によると、公明党支持者の70%が自民党の常田氏に投票。比例区では、自民支持者の62・7%が自民党に投票し、公明党に投票したのは8・5%だった。「支える側と支えられる側」の関係にすきま風が吹く。

 今参院選では自民党批判のあおりを受けて公明党は全国的に苦戦。党県本部の銀杏泰利代表は「あくまでも個人的な見解」とした上で、県内比例票の結果に「自民批判のあおりだけで片付けられない課題がある。選挙協力のあり方が変わる結果だ」と指摘する。党中央に選挙協力の見直しを直ちに提言した。今後、県内選挙区で自公協力がどうなるかは「票の中身を分析した上での検討課題だ」と険しい表情をみせる。

 一方、公明対策の窓口になった自民党県連の山根英明幹事長は「県議に公明票の割り当てをし、地域で公明の人と歩いてもらった。町議に公明党のしおりも初めて持たせた」と最大限の努力をしたことを示し、「今後も協力体制を築いていく」姿勢を強調する。
衆院候補擁立へ
 二大政党が争う構図に埋没した共産党。比例代表も目標の三万二千票に一万二千票届かなかった。しかし、投票日から一夜明けた先月三十日、鳥取市内の党県委員会事務所に幹部ら八人が集まったが、沈んだ空気はなかった。

 自民党が惨敗した選挙結果に小村勝洋委員長は「前向きな変化ととらえよう」とぶち上げ、「民主党の政策が支持されたとは感じない。今後問われるのはどのような政治を行うかだ」と“確かな野党”として存在意義の発揮を確認。衆院の解散総選挙をにらみ、公認候補の擁立に動き始めた。

 鳥取選挙区への対応で自主投票にした社民党県連は、独自候補を擁立できなかったことが大きく響き、県内比例票は目標の半分の一万六千票にとどまった。選挙区候補者を出せないため、党県連の宣伝カーの使用もできず実効性の高い訴えは展開できなかった。

 正木直志幹事長は「歯ぎしりする思い。県連の力不足を痛感した」と振り返り、「候補者の顔が県民に見えてこそ社民党への支持が訴えられる。党内外をひっくるめて次期衆院選への候補擁立を検討する」とした。

737片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2007/08/10(金) 08:41:13
攻守逆転 −鳥取県選出国会議員の戦略−
(上)民主・川上氏
2007/08/08の紙面より 鳥取日本海
http://www.nnn.co.jp/tokusyu/gyakuten/070808.html

 参院選での与党惨敗を受けて、自民、民主両党の立場は攻守逆転した。参院の新陣容がそろった臨時国会。民主は攻勢をうかがい、自民は出直しを迫られている。民主が初の選挙区議席を奪い、勢力図が塗り替わった鳥取県の両党議員の国会戦略を探る。
参院先議 公約を形に

かつて同じ派閥に属した自民党の衛藤議員に握手を求める川上議員(右)。与党と対決する一方で、パイプも生かしていく=7日、参院内
 「生活を無視した権力主義的な政治を変えると選挙戦で言ってきた。参院第一党の責任を果たすには、選挙での主張を国民に見える形にすることだ。参院が主戦場になる」。民主党の小沢一郎代表は七日の両院議員総会で、政府与党との対決姿勢を鮮明にした。

 圧勝に浮かれる間はなく、党は秋の臨時国会を通じて政権担当能力を証明する必要がある。年金保険料の流用禁止や農家への戸別所得補償制度の具体化に向け、参院で法案を議員提案して先議・可決し衆院に回す。実行力を示し衆院解散に追い込んでいくシナリオだ。
世論の監視
 国政復帰した川上義博参院議員は「参院で可決されれば国民に法案の中身が周知される。そこがポイントだ」と呼応する。

 鳥取県内延べ千五百カ所で辻演説やミニ集会をこなし、疲弊する地域の声をつかんだ。自民党の構造改革路線に待ったをかけた世論のうねりは、参院で可決された法案を衆院が安易に否決できないよう監視機能を果たすのではないか−。川上議員はそうみる。

 党執行部は攻撃のみに偏らないバランスも意識する。鳩山由紀夫幹事長は小沢代表に続くあいさつで「与野党談合はしない。一方で、問責、不信任(決議案)を乱発するような政治も国民には受け入れられない」と、与党の強行採決に表れた「数ありきの政治」には距離を取った。

 川上議員にとってバランス感覚とは何か。

 古巣の自民党にはパイプがある。初登院した参院内では、かつて同じ旧亀井派に属し、郵政民営化に反対して総選挙で落選、自民復党を経て今参院選比例代表で返り咲いた衛藤晟一議員と再会し、握手を交わした。

 「超党派で実現する政策、党が主体的に形にする政策を見極めたい」。川上議員は、環境や文化政策は政党横断的に、経済財政、農業政策は党を軸に手掛けるべきと考えている。例えば、与党から「バラマキ」と批判された販売農家への戸別所得補償制度の創設は、党が重い責任を負う約束だ。市場価格が生産費用を下回った場合に差額を補てんするこの制度には一兆円が要る。財源の裏付けが欠かせない。
予算の対案
 「財源うんぬんを言う前に、やるべき政策なんだ」。川上議員は農村支持者の期待を背に強気に出る。政策の実現は予算編成と連動する。党は行革などで財源をねん出すると公約しているが、「定率減税廃止分から充当したり、高額所得者の最高税率を引き上げる手もある」と私見を述べた。

 もちろん、政府予算案に農家の戸別補償が盛り込まれることはない。来年度予算案が固まる年末をにらんで党のシャドーキャビネット(影の内閣)でマニフェストを反映させた対案を提示し、来年の通常国会で政府予算案の修正を迫るか、場合によっては否決する。

 政権交代への青写真を描きながら、川上議員は二度目の国会活動に入った。

738片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2007/08/10(金) 08:46:50
攻守逆転 −鳥取県選出国会議員の戦略−
(下)自民・3議員
2007/08/09の紙面より 日本海鳥取
http://www.nnn.co.jp/tokusyu/gyakuten/070809.html

 参院選での与党惨敗を受けて、自民、民主両党の立場は攻守逆転した。参院の新陣容がそろった臨時国会。民主は攻勢をうかがい、自民は出直しを迫られている。民主が初の選挙区議席を奪い、勢力図が塗り替わった鳥取県の両党議員の国会戦略を探る。
地方再生 具体策急ぐ

安倍首相の目前で反省を踏まえた具体的な政策を求める石破議員(右)。理念先行の続投に厳しい目を向けている=7日、衆院内
 自民党内には安倍晋三首相への不信がくすぶり続けている。退陣論の急先鋒(せんぽう)が石破茂衆院議員(鳥取1区選出)だ。首相の続投表明以降、週刊誌上やニュース番組への生出演で持論を述べてきた。

 臨時国会が召集された七日の党両院議員総会。「反省すべきは反省する。改革を進めることで責任を果たしていく」と続投に理解を求めた安倍首相の説明は従来の域を出ない。石破議員は続いて開かれた代議士会で機を逃さず発言した。
本質的な敗因
 「反省の中身は具体的に何か。何をどう改めるのか手法を明らかにしていただきたい」

 安保政策を首相と論じ合った二月の予算委員会で「抽象論ばかり言っていても仕方がない」と詰め寄ったことがある。理念を反復し、法や制度の改善に踏み込まない首相の姿勢に業を煮やした。一人区で惨敗した今回の事態への危機感はその時の比ではない。

 代議士会で首相に求めた具体論は、疲弊した地域、都市との格差に直面する地方の救済策だ。赤沢亮正衆院議員(鳥取2区選出)、田村耕太郎参院議員(鳥取選挙区選出)も「年金」や「失言」の逆風に隠れた本質的な敗因をその方策の至らなさに見ている。

 党鳥取県連会長として、石破議員は首相の責任ばかりを問うてはいられない。会長職を退く考えをあらためて示した上で、県連政務調査会での産業構造の変化の分析、所得再分配の仕組みづくりを急ぐべき課題に挙げる。
農村の疲弊
 疲弊の色が濃い鳥取県内の中山間地。選挙期間中の農業者への訴えを振り返り、石破議員は「丁寧さが足りなかった」と悔やむ。民主党の戸別所得補償制度を世界貿易機関(WTO)の協定違反につながる「禁じ手」と批判するが、集落営農など大規模経営を推進する政府与党の政策が小規模農家に「切り捨て」と映ったことに有効な手を打てなかった。

 農業者の六割は六十五歳以上の高齢者といわれる。「十年経てば七十五歳以上。後継者は少なく、農村は耕作放棄地ばかりになってしまう。民主案はその場しのぎ。構造的な問題を何ら解決しない」。そう指摘する赤沢議員には一つの提案がある。

 国は小規模農家が農業に携わるかぎり一定の補助金を支払う。引き換えに、リタイアして寿命が尽きたら耕作地を国に帰属させる契約を結び、国は若い担い手を探しておく−。将来にわたる食料の安定供給にも寄与すると考える。
立法の府
 若者の雇用機会の確保や中小企業金融の拡充。安倍政権が目玉政策に据えた再チャレンジを担当政務官として支えた田村議員は「民主が地方に目を向けた姿勢を強く打ち出したのに比べ、説得力に欠けた部分もある」と認める。

 一方で、民主が第一党となった参院の現状を「議員立法の府になる大きなチャンスだ」と前向きにとらえ、国民目線で経済、金融分野の法律をつくろうと連携を模索する。すでに実務経験や国際感覚がある同党の同世代議員とコンタクトを取った。

 自民党議員個々が描く戦略や思いは今後、政府与党の采配(さいはい)にどう作用していくのか。政局は見えない。論戦の舞台となる秋の臨時国会は今月末にも召集される。

739片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2007/08/11(土) 08:42:52
片山氏「心からおわび」 自民県議団総会参院選敗因分析先延ばし 讀賣岡山

 自民党県議団(37人)は10日、参院選後初めての総会を県議会内で開いた。前参院幹事長の片山虎之助氏も出席し、落選したことのおわびを述べたほか、他の出席者からは歴史的大敗を喫した選挙での“逆風”に関連して、安倍首相の責任を問うべきだとの意見も出された。

 片山氏は県議を前に「私の不明不徳で、ご承知の結果となりました。心から深くおわび申し上げたい。今回の選挙を糧に、今後自民党組織の体制強化に努めていただければ幸いです」とあいさつ。自身の今後については「政治にはかかわらせていただこうと思う」と述べた。

 県連会長は現職の国会議員であることが規定されており、片山氏は同会長の辞職を申し出ており、正式な書面が提出されれば受理される見通し。その後、新会長を国会議員の互選で決められる。

 県連三役のうち、古山泰生幹事長が職務の「自粛」、戸室敦雄政調会長が辞職を申し出たことも報告されたが、出席者からは「自粛では分かりにくく、いったん辞職を申し出て遺留する方が良い」「辞める必要はない」など様々な意見が出された。

 県議からは「片山氏本人にも応援した議員にも責任はないが歴史的大敗だ。まずは県連三役が辞意を表明してケジメをつけ、その後で続投していただく方がいい」。「国政選挙なのだから、まずは国会議員の先生に今回の選挙を総括していただく方が先決だ」などの意見が出て、総会の課題としていた敗因分析は先延ばしとなった。

 また、自民惨敗の要因となった年金問題などの逆風について、「トップが責任を取らない体質が批判を浴びているのでは」と指摘する議員から「安倍首相の辞職を県連として求めるべきだ」との意見も出された。

 県議団は再度総会を開くことにしている。県連は今月末にも総務会・選対合同会議を開き、県連としての選挙総括を話し合う。

(2007年8月11日 読売新聞)

740片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2007/08/17(金) 21:43:50
自民転落:島根から見えたもの/1(その1) 「虚像の神話崩れた」
http://www.mainichi-msn.co.jp/seiji/seitou/archive/news/2007/08/14/20070814ddm001010006000c.html

 ◇地元市長、決別宣言

 「島根はおとなしい人が多く、面従腹背だったんですよ。虚像の神話はもはや崩れた」。参院選の約1週間後の今月7日夕、島根県出雲市の西尾理弘(まさひろ)市長(65)が市役所応接室で淡々と語った。竹下登元首相、青木幹雄自民党参院議員会長が築いた保守地盤の中、自身も「竹下・青木王国」のメンバーだった。だが今、はっきりとその凋落(ちょうらく)ぶりを口にする。「決別宣言」と受け取れた。

 参院選投票日の7月29日午後10時50分、松江市にあった国民新党の亀井亜紀子氏(42)の選挙事務所は初当選の万歳に沸いた。西尾市長は30分後に姿を見せ、亀井氏とがっちりと握手した。公示日の12日には、午後5時から出雲市で行われた自民党の景山俊太郎氏(63)の街頭演説で、マイクを握って「島根を良くするために共同で歩んできた同志です」と訴えたのもまた西尾市長だった。

 面従腹背は「王国」の集票マシンを担った建設業界にも見受けられた。

 「おやじのスタンスを聞きたい」

 7月中旬の午後、従業員120人を抱える島根県西部・益田市の建設会社の社長室で、60歳代の社長にソファで向き合う長男(35)が詰め寄った。長男は景山氏の支援を行うよう指示され、市内の中島謙二県議(自民)の事務所に通っていた。

 長男は社長が05年の衆院選で国民新党に投票したことを知っている。今回も市内の国民新党事務所に次男(31)と女性従業員(50)を派遣。一方で県議に頼まれるまま、自社道路わきの広告看板に安倍晋三首相が大写しのポスターを張り、自分を景山陣営に投入する。

 そんな社長がカジを切ったのは、投票日まで6日に迫った7月23日の同社朝礼だ。

 「建設業界の競争は厳しい。競争に打ち勝つ努力をすると同時に、政治を根底から考え直すことも必要だ」

 会議室に集まった70人に仕事の安全を説きながら突然話題を変えた。

 県議への陳情も必要な仕事柄、両天秤(てんびん)はかけざるを得ない。しかし、社長は地殻変動を感じ取り、景山氏支持の「仮面」をはぎとった−−。みな、そう思った。4日後の27日夕、同社を訪れた亀井氏の父、亀井久興国民新党幹事長(67)は従業員総出で迎えられ、20分間の演説には大きな拍手が起こった。

   ◆   ◆

 参院選で自民党は惨敗を喫した。なぜここまで敗れたのか。景山氏が亀井氏に3万票差で敗れた自民党の牙城「竹下・青木王国」を通し、民意のうねりを探る。<2面につづく>=次回から2面に掲載

毎日新聞 2007年8月14日 東京朝刊

741片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2007/08/17(金) 21:46:39
自民転落:島根から見えたもの/1(その2止) 投票せんでもいいけんね
http://www.mainichi-msn.co.jp/seiji/seitou/archive/news/2007/08/14/20070814ddm002010009000c.html

 <1面から続く>

 ◇建設業界、まさかの離反−−公共事業減り、見切り

 参院選の「ラストサンデー」の7月22日の昼下がり。島根県東部・出雲市塩冶町のJAいずも塩冶支店前で、自民党の景山俊太郎氏(63)が街頭演説を行った。

 ところが、地元の珍部(ちんべ)全吾市議(57)は集まった100人を見回して驚く。建設業者で見知った顔はたった一人。陣営の市議が近くの老人ホームからバスで連れてきた人が大半を占める聴衆には、国民新党の亀井亜紀子氏(42)の明らかな支持者も含まれていた。

 台風4号が接近していた1週間前には、同じ町内で風雨の中にもかかわらず、150人が熱心に亀井氏の演説に聴き入っていたのに……。勢いの差は歴然としていた。

 「こんな選挙やっとるようでは、どうしようもないな」

 直感は、青木幹雄参院議員会長のおひざ元の出雲市でさえ、景山氏は3万8599票で、4万107票の亀井氏に負ける波乱となって表れた。

 島根県の県内総生産は全国で3番目に低い約2・5兆円(04年度、名目ベース)。建設業が2519億円で全体の10・1%を占め、全国平均6・4%と比べると依存度の高さが分かる。

 ただ、それも小泉改革のあおりで01年度から約2割減。安倍政権も公共事業関係費の前年度当初比3%削減を継続する方針で、しかも、財政再建団体への転落を危ぶむ県は、財務省出身の溝口善兵衛知事の下、公共事業のいっそうの圧縮も目指している。

 99年には1人当たり約1万7000円だった県の事業の日当が今では約1万2000円−−。そんなデータが業界内には定着している。

 青木、景山両氏、竹下登元首相を生んだ県東部は「ガソリンスタンドまで『竹下系列』が決まっていて、支持者はそこしか使わない」と言われてきた地域を多く抱える。その足元でさえ建設業の「自民離れ」は確実に進む。

 6月下旬、ある建設会社に景山氏の後援会加入カードが届く。60歳代の女性専務は、知り合い5人の名前、住所、電話番号を記入した。夫が社長だ。ともに古くからの自民党員で、国政選挙のたびに当たり前のように協力してきた。

 陣営は集めたカードを手がかりに支持者を開拓し、票を読んでいく。カードは党派を問わず全国どこでも選挙戦の重要なツールだ。だが、カードを出し終えた専務はすぐに5人全員に電話した。

 「名前を借りたけど、景山さんには投票せんでもいいけんね」

 面倒を避けるため、あらかじめ話の分かる人を選んでいた。数日後、「本物はこっち」と差し出したのは、亀井氏のカードだった。経営は苦しくなるばかり。これ以上、自民党には任せられないという判断があった。

 同じころ、近所で景山氏の支持者集会が開かれる。夫は律義に顔を出したのだが、妻は欠席し、告知のビラもわざと配らなかった。200人と見込まれた出席者は60人足らずにとどまった。

 7月に入ると、同社の月1回の定例会合で、年配の男性従業員が亀井氏のビラを配り始めた。

 「本当に亀井さん?」「景山さんでなくていいんですか」。30人の従業員からは驚きの声が次々に上がったが、ビラ配りを黙認した専務は落ち着き払って発言した。

 「皆さん、よく考えて投票するように」=つづく

毎日新聞 2007年8月14日 東京朝刊

742片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2007/08/17(金) 21:48:41
自民転落:島根から見えたもの/2 大合併、そがれた集票力
http://www.mainichi-msn.co.jp/seiji/seitou/archive/news/2007/08/15/20070815ddm002010060000c.html

 ◇市町村議激減、「王国」直撃

 中国山地の山並みが続く島根県東部・雲南市は04年11月に旧掛合(かけや)町など周辺6町村が合併して誕生した。掛合町は落選した自民党の景山俊太郎氏(63)と竹下登元首相の出身地。「竹下王国」の中心的な地域だ。

 ところが、同市で景山氏は1万5029票の獲得にとどまり、当選した国民新党の亀井亜紀子氏(42)に937票差まで迫られた。「地盤中の地盤」で何が起きたのか−−。背景を探ると、旧掛合町に隣接する旧吉田村で起きていた変化に行き当たった。

 合併前の吉田村には12人の村議がいた。いずれも景山派。国政選挙のたび、村内の有権者約2000人をくまなく回り、自民党票を固めた。勝って当たり前の選挙が続いた。むしろ、投票率全国1位をやはり高投票率の常連の富山県利賀村(現南砺市)と張り合うのが楽しみでもあった。それが合併に伴って10人が引退。雲南市議になったのは残る2人と、合併まで村長だった堀江真氏(57)の3人だけだ。

 堀江氏は今回、土地改良事業の縁から、自民党の比例代表候補、段本幸男氏(落選)の応援に精を出した。堀江氏にしてみれば、景山氏の選挙は「目の前に置いてあるもんをパッと取るぐらいの話」だったからだ。ただ、堀江氏は旧村内を歩き、元村議が活発に動いている様子がないのが気にかかった。

 自民党吉田支部には16の集落ごとに世話役がいる。従来、この世話役とともに村議が選挙運動の最前線を担った。ところが、引退して役割を失った元村議たちは、支持を「頼む側」から「頼まれる側」に変わってしまっていた。それは「王国」の選挙を支えてきた手足がもがれたことを意味している。

 旧吉田村の国政選挙の投票率は00年衆院選を最後に90%台を割り込んでいる。それでも景山氏が再選を果たした01年参院選は89・79%だったが、今回さらに86・22%にまで低下した。これも元村議たちの姿勢と無関係ではないだろう。

 雲南市の開票は旧6町村一括で行うため、地区ごとの票の出方は分からない仕組みだ。「通信簿(旧町村ごとの得票)が見えんのやから……」と市議の一人は景山陣営の緩みをほのめかした。

 一方、自民党の青木幹雄参院議員会長のおひざ元の旧湖陵町。05年3月に出雲市と合併し、町議14人中12人を占めた自民党系は全員引退した。しかも、元議長(75)を含む9人は05年の「郵政民営化騒動」をきっかけに自民党を離党しており、元町議で党員は3人になってしまった。

 今も集票力に自信を持つ元議長は「議員をやめても100票ぐらいは軽く取れる。そういう力はあるが、頼まれなきゃ動きません。大儀ですから」と語るが、景山陣営から応援要請が来ることはなかった。

 「平成の大合併」で島根県の自治体数は59から21になった。減少率は全国7位。02年に923人だった市町村議も468人までほぼ半減した。これに連動するかのように、97年に4万4528人だった県内の自民党員数は、06年には2万1537人。10年間で半分以下になった。

 「選挙は負けることがあると認識せないかんちゅうことでしょう」

 堀江氏は振り返った。実動部隊を失ったのに「常勝自民」の危機感は薄かった。=つづく

毎日新聞 2007年8月15日 東京朝刊

743片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2007/08/17(金) 21:50:29
自民転落:島根から見えたもの/3 「空手形」に不信と不満
http://www.mainichi-msn.co.jp/seiji/seitou/archive/news/2007/08/16/20070816ddm002010010000c.html

 ◇「郵政一家」こぞって離反

 島根県出雲市大社町の大社郵便局、同市に隣接する斐川町の斐川、荘原両郵便局が昨年10月、集配業務をしない無集配局になった。郵政民営化への準備作業だ。

 無集配局は土、日に時間外窓口での発送物の受け付けをしない。例えば大社地区の住民の場合、約7キロ離れた市中心部の出雲郵便局まで持ち込まなければならない。民営化を進める自民党に不満が向かうのは、青木幹雄参院議員会長の地元・大社も例外ではなかった。

 海産物加工業の60歳代の夫妻は語る。「平日の郵便は以前は午後2時に届いていたが、今は遅い時には4時になる。すぐに発送する必要のある注文が来た時も困る。今回は自民党に投票するのはやめた」

 さかのぼって昨年5月のある夜。出雲市議4人が市内の小料理屋に、当時参院議員で今回落選した自民党の景山俊太郎氏(63)を招いた。

 「何とか集配局のままにならんでしょうか」との陳情に対し、景山氏は「大社は親分(青木氏)がおられるから自分は手が出らんが、斐川町のうちの1局は何とか努力しましょう」と確約、淡い期待を抱かせた。

 だが、景山氏からの返事は結局なかった。出席した市議の一人は「あれだけの大物が何もできなかったという不信感はある」と打ち明ける。

 さらに1年余前の05年3月20日。雲南市三刀屋町の体育館「アスパル」で、県議会郵政議員懇話会が主催する郵政民営化反対の総決起大会が開かれた。

 「民営化されたら利潤追求が第一となり、地方は切り捨てられる。地元の思いを受け止めてやっていく」。自民党の竹下亘衆院議員(60)が宣言し、景山氏も「何のための民営化なのか。憤りを感じている」と続いた。特定郵便局長OBらでつくる大樹、特定郵便局長会の県組織などの約1500人が参加。反対表明に会場は大いに沸いた。

 ところが、竹下、景山両氏は、その夏の国会で郵政民営化関連法に賛成票を投じる。青木氏も同様だ。その後、民営化反対から賛成に転じた形の3氏に対する不満は、今回の参院選に向け、県内各地に水面下で広がっていくことになる。

 自民党職域支部だった大樹のメンバーはこぞって離党し、郵政民営化反対の国民新党を支持する「大樹全国会議」を組織した。同会議は島根県だけでも約2300人にのぼり、自民党に残る元特定郵便局長はほとんどいない。竹下氏の実兄の竹下登元首相以来培われた自民党の集票システムの一角は確実に壊れた。

 当選した国民新党の亀井亜紀子氏(42)の陣営は、こうしたほころびを的確についた。

 「ちゃんと隠れとってくださいよ。顔が分かってしまうから」

 こう言われ、元特定郵便局長(77)は乗用車の後部座席に身を隠した。参院選が公示される7月12日の直前のことだ。

 元局長は自身の出身地であり、亀井氏の運動員が手薄な雲南市を訪れていた。同市は景山氏の地盤。ある男性が「だれが亀井さんを支持しとるかは分かるけん、案内してやる」と「隠れ支持者」宅への案内役兼運転手を買って出てくれた。

 「あんまり締め付けると、かえって反発を受けるよ」。元局長は松江市に戻ると、知り合いの自民党支持者に忠告したが、これは余裕の裏返しでもあった。=つづく

毎日新聞 2007年8月16日 東京朝刊

744片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2007/08/17(金) 21:52:11
自民転落:島根から見えたもの/4 格差拡大が追い打ち
http://www.mainichi-msn.co.jp/seiji/seitou/news/20070817ddm002010074000c.html

 ◇党員農家も今や「無党派」

 東京・永田町の自民党本部7階で今月7日、夕刻から参院選惨敗を受けた「総括委員会」が開かれた。執行部がブロック別に国会議員から意見を聴取。声が漏れないよう党職員が部屋の扉の前に立って報道陣を排除するものものしさだった。

 「公共事業を減らした後の配慮をしないから、こういう結果になった」

 広島を除く8県がいずれも改選数1の「1人区」で、1勝7敗という結果に終わった中国・四国ブロックの議員からは格差問題に対する取り組みへの不満が続出した。それは3期目を目指した景山俊太郎氏(63)が落選した島根県でも敗因の一つに挙げられる。

 今春の統一地方選。松江市と出雲市にはさまれる斐川町で、格差を背景にした「自民離れ」が顕在化していた。

 斐川町は03年12月、住民投票の結果、旧出雲市など2市5町による合併協議から離脱し、新出雲市に加わらなかった。ところが、4月22日の町長選では、単独町制堅持を主張した自民推薦の現職が、合併容認派の勝部勝明氏(67)に敗れた。同8日の県議選簸川郡(斐川町1町)選挙区(定数1)でも無所属新人が自民現職に勝利。財政悪化の中、せめて出雲市との格差は広がらないように−−という民意だった。

 「自民党が横暴しよるから、国民新党と民主党にやってもらうかと。最近は農家も無党派みたいになっとります」

 同町の農業、岡重治さん(69)は語る。自民党員で小泉純一郎前首相の大ファン。だが、町長選で勝部氏に投票したのに続き、参院選では高校の同級生の勧めもあり、当選した国民新党の亀井亜紀子氏(42)を選んだ。

 3ヘクタールの水田と20アールのタマネギ畑を1人で手がける。年収は350万円。老朽化したコンバインを買い替えたいが、600万円かかるためちゅうちょしている。民主党が掲げた農家への戸別所得補償制度に「まじめに取り組んでいる人に日が当たればいい」と期待を寄せた。

 県西部・益田市の市街地から車で約50分。山間地の旧匹見町は63年の豪雪以来、県内でも特に過疎化が進んだ。平谷正行さん(81)が住む地区では10年間で90人が転出、今では住民は60人に満たない。平谷さんは97年まで経営していた雑貨店をたたみ、わさび栽培などで生計を立てる。

 市は路線バスの停留所まで遠い住民のために、この地域に「過疎バス」を走らせる。だが、それも採算が合わず、今年5月には定期運行から予約制に切り替えられた。

 県内に高齢化率50%以上、19戸以下の「限界的集落」は335、高齢化率70%以上、9戸以下の「危機的集落」は86(06年4月現在)。このままいくと24年には計918まで増加する見通しだ。

 景山氏は7月上旬に隠岐郡の離島4島を2日間かけて回ったほか、県西部の過疎地域にもこまめに足を運んだ。だが、隠岐郡の獲得票は再選された01年から2300票減の7622票だった。

 「国会議員は下のもんが苦しいのを分かっとらん」。平谷さんは「陽(ひ)のあたる島根」を訴えた亀井氏を夫妻で支持した。

 7月19日。「石州瓦」業界2位の「アメックス協販」(江津市)が松江地裁に自己破産を申し立てた。選挙期間中、石見(県西部)を代表する地場産業の崩壊が表面化したことは、逆風の自民党に追い打ちをかけることにもなった。=つづく

毎日新聞 2007年8月17日 東京朝刊

745片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2007/08/19(日) 17:35:44
自民党県連:片山氏が県連会長辞任へ 「不明不徳、心からおわび」 /岡山
http://www.mainichi-msn.co.jp/chihou/okayama/archive/news/2007/08/11/20070811ddlk33010385000c.html

 ◇議員団総会で幹事長が報告

 自民党県連の古山泰生幹事長は、10日開かれた議員団総会で、総会に出席した片山虎之助・同県連会長(72)から、県連会長を辞任する意向を告げられたことを明らかにした。【佐藤慶】

 片山氏は7月に行われた参院選に4選を目指して出馬したが、落選している。県連会長は県選出の国会議員で互選することになっており、古山幹事長は「届け出が提出された後、後任人事は国会議員に委ねたい」と話した。

 総会の冒頭、片山氏が「私の不明不徳でこのような結果になり、心からおわび申し上げたい」と陳謝。「今後とも政治にかかわりたいと思い、東京と岡山には事務所を残す考え。どうかよろしくお願いします」と深々と頭を下げ、会場を後にした。その後、古山幹事長、戸室敦雄政調会長も、それぞれ謹慎の意向と辞意を表明したが、結論には至らなかった。

 また、自民が大敗し民主が躍進した参院選の結果を受けて、県議からは「衆院選、知事選で民主がどう出るかを分析するプロジェクトチームをつくるべき」「トップ(安倍首相)が責任をとらない体質が批判を浴びているのではないか。総理の退陣について岡山県連からも意見書を出してもらいたい」などの厳しい意見や、組織立て直しのための提言が相次いだ。

毎日新聞 2007年8月11日

746片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2007/08/19(日) 17:43:32
リポート徳島最前線:同行ルポ/上 民主・中谷さん、念願の初登院 /徳島
http://www.mainichi-msn.co.jp/chihou/tokushima/archive/news/2007/08/10/20070810ddlk36010124000c.html

 ◇参院選徳島選挙区で当選

 自民党が歴史的な敗北を喫した今回の参院選では、121人の新議員が選ばれた。徳島選挙区で当選した民主の中谷智司さん(38)は7日、国会に念願の初登院。新人議員としての忙しい生活をスタートさせた。上京した中谷さんの仕事ぶりを2回にわたり紹介する。【岸川弘明】

 ◇「大勢の仲間、心強い」 議員総会に活気、胸を躍らせる

 ◆まずはあいさつ回りから

 臨時国会前日の6日。国会議事堂と道路を挟んで西側にある参院議員会館で午後2時に、中谷さんと待ち合わせた。入り口には金属探知機。通常は面会申込書がないと入館できないが、議員と一緒ならそのまま入館することができる。

 中谷さんの部屋は3階の315号室。30平方メートルほどの広さで、手前が秘書室で、奥は議員室。まだ机と椅子、応接用ソファが置かれているだけだが、荷物を運び入れたら案外狭そうだ。

 「これから2階と3階を回ります」。中谷さんはさっそく会館内の他の民主党議員にあいさつ回りを始めた。今回の参院選の圧勝で、民主の参院議員は113人。すべての部屋を回るというが、とても1日で回り切れないのでは……。

 「こんにちは。徳島の中谷智司と申します。良かったら握手させて下さい」。選挙期間中と変わらぬさわやかな笑顔だ。秘書が付き添い、誰にあいさつを済ませたか分かるようにチェック。ただ、忙しいのか在室している議員は少なかった。

 ◆議員総会に初出席

 中谷さんは夕方、院内で行われた「民主党・新緑風会」の議員総会に出席。民主党の参院議員が全員所属する会派だ。晴れやかな表情の議員たちが続々と集まった。

 党参院議員会長の輿石東氏が「国民は自公政権に不信の目を向けているが、民主党は期待と不安の目で見られている。期待を信頼に変え、不安を取り除かなければならない」と激励すると、会場は何度も大きな拍手に包まれた。議席数で自民党を超え、参院第1党となっただけに、かなりの活気を感じる。

 終了後、「皆さんの目が生き生きしている。こんなに大勢、一緒に戦える仲間がいるなんて心強いです」と中谷さん。「明日はいよいよ初登院。張り切って行きます」と胸を躍らせていた。=つづく

毎日新聞 2007年8月10日

747片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2007/08/19(日) 17:45:00
リポート徳島最前線:同行ルポ/下 初登院の民主・中谷さん /徳島
http://www.mainichi-msn.co.jp/chihou/tokushima/archive/news/2007/08/11/20070811ddlk36010550000c.html

 ◇議事堂見上げ、感慨深げ「責任を改めて感じます」−−「永田町色」に染まらないで

 ◆報道陣に囲まれ

 臨時国会が召集された7日朝。国会近くの地下鉄永田町駅出口から、民主の中谷智司さん(38)が秘書と一緒に姿を見せた。選挙期間中は赤色のネクタイで通していたが、濃紺のスーツにストライプのネクタイでピシッと決めている。「おはようございます。今日も暑いですね」。額にじんわり汗を浮かべながら国会正門に向かった。

 午前8時の開門と同時に待ち構えたカメラのフラッシュが光る。中谷さんは一礼してから門をくぐった。他の民主党新人議員と一緒に国会議事堂をバックに記念撮影した後、テレビ局などのインタビューに応えた。議事堂を感慨深げに見上げた中谷さんは「ここで国の方針が決まると思うと、気持ちが高ぶるというか、責任を改めて感じますね」と語った。

 ◆いよいよ議事堂へ

 午前9時前に登院表示盤のボタンを押して初登院。中央玄関の階段に敷かれた赤じゅうたんをゆっくりと踏みしめながら議事堂に入った。ここで初めて議員バッジを付けると思うのが普通。だが、実はバッジは前日に渡されており、参院職員が記念撮影用に整えるだけ。「一斉に付けていたら時間がかかって仕方がないんでしょうね」と中谷さん。「赤じゅうたんって思った以上にフカフカしてますね」と笑った。

 午前10時の本会議開始に合わせ、中谷さんが議席に着いた。同じ列には民主公認で初当選した香川の植松恵美子氏、無所属当選後に同党に合流した愛媛の友近聡朗氏らが陣取る。新議長には江田五月・元科学技術庁長官が全会一致で選出された。自民が独占してきた参院議長席を明け渡した瞬間。民主党議員らは盛んに拍手を送っていた。

 中谷さんはこの後も、党本部の両院議員総会や新人議員研修会に顔を出すなど、多忙を極めた。最後に、「今後、センセイと呼ばれる機会が増えそうですが、どう感じますか」と質問してみた。「私はずっと『中谷さん』と呼ばれる方がうれしいです」と答え、「また徳島でお会いましょう」と握手を求めてくれた。いつまでも「永田町色」に染まらないでほしい。

  ×  ×  ×

 中谷さんと別れた後、参院別館1階にある土産物店に立ち寄った。安倍晋三首相のマスコットが付いた携帯電話ストラップなど、政治家のキャラクターグッズが並ぶ。「小泉さんが首相になった時くらいから増えましたね」と店員さん。一番の売れ筋を聞き、歴代首相の名前と似顔絵が入った湯飲みを買った。「この湯飲みに小沢一郎さんの名前と顔が加わることはあるのかな」と思った。

 今回初当選した新人議員は6年間の任期中、改憲や消費税率改定など、国を左右する重要問題に取り組むことになる。今後の活躍を祈りながら、国会を後にした。【岸川弘明】

毎日新聞 2007年8月11日

748片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2007/08/20(月) 15:45:35
虎に勝ち人気…姫井由美子議員、ストーカー退治苦戦
参院選「虎」に勝ち一躍人気
http://www.zakzak.co.jp/top/2007_08/t2007082018.html

トラを退治したこの笑顔に、“姫ヲタ”悶絶!?
 先の参院選で「姫の虎退治」なるキャッチコピーで、自民党参院幹事長だった片山虎之助氏(72)を落選させた民主党の姫井由美子氏(48)=岡山選挙区。その知名度は一躍、全国区となったが、選挙期間中も地元では「かわいい」と評判で、一部の熱狂的な複数のファンによる“ストーカー”被害に遭遇していたという。「姫、危うし!」騒動を追っかけた。

 「48歳という年齢を思わせないほど、かわいらしく、本当に“姫”という感じでした」

 初登院後のナマ姫井氏を国会内で初めて目にした民主党関係者は話す。

 そのかわいさが徒となってしまったのか。選挙期間中、ストーカーに極めて近い行動をとる複数の支持者がいたことは意外と知られていない。

 ストーカーも1票ある有権者である以上、選挙期間中は姫井陣営もむげにできないわけだが、当時選挙を手伝っていた支援者によると、熱狂的な支持者への対応には四苦八苦したという。

 この支援者は当時を振り返る。

 「姫井氏が街頭を練り歩いているとき、年配の人が着るような下着のTシャツ姿の中年男性が、姫井氏にガツガツと近づいて、写真を撮りまくるんです。どう見てもアマチュアカメラマン。『邪魔!』の一言でした。また、事務所にはファンとおぼしき人から頻繁に電話がかかり、『(姫井氏が当選して)東京に行ってしまうのは寂しいから、当選したら困る』なんていうものもあったんです」

 「当選したら困る」とは、支持者というより単なる“ストーカー”にしか思えないが、中には、選対事務所にわざわざ赴き、ラブレター攻撃に出る“不届き者”もいたという。

 別の関係者は明かす。

 「好青年風の人が事務所に姫井氏への手紙を持ってきたんです。よく見たら1部、2部、3部と続きモノだった。気持ち悪かった」

 一連のストーカーまがいの行為について、姫井氏は、どんな思いだったのか。本紙の直撃に対し、姫井氏は「選挙中は夢中で分からなかった。私が気になるような人はいませんでした。お手紙に関しては個人的にたくさんあったかもしれませんが…」と全く意に介していなかった。

 ただ、民主党関係者は「選挙後もこうしたストーカーまがいの行為が続くのではないかと心配です。ストーカー行為というのは、パタリとやむものではないし…」と懸念する。

 「政治家は人気商売」とも言われるが、怪しい人にはくれぐれもお気を付けを…。

ZAKZAK 2007/08/20

749片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2007/08/21(火) 08:29:19
片山虎之助氏、国政復帰「虎」視眈々…インタビュー
http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20070821-OHT1T00011.htm
選挙後、3キロやせたと話す片山虎之助氏 [写真を拡大]
 先の参院選で民主党新人の姫井由美子氏(48)に敗れた自民党の片山虎之助前参院幹事長(72)が死闘を総括した。岡山選挙区の“代名詞”となった「姫の虎退治」のフレーズにも「あれは名誉棄損に近い…」などと、落選直後のあいさつでは語られることのなかった本音も吐露。今後は来年秋の岡山県知事選出馬もささやかれる中、次期衆院選、参院選を軸に「国政復帰」の方をじっくりと狙うという。

 「今後のことは何も考えていません」

 選挙を終え“ただの人”へ。表情は柔らかくみえたが、その目はまだ死んでいなかった。

 「政治にかかわっていきたいと選挙後は言ってきたが、長く国政でやってきた。やはり今後も国政で復帰をと思っている」

 選挙後まだ1か月もたっていないのに、早くもカムバックに意欲を燃している。だが、7月29日深夜、落選直後のあいさつでの態度は謙虚なものだった。「私の不明不徳でこのような結果になり、心からおわび申し上げたい」と手短に話すと、恨み節も漏らさずに帰宅。その姿勢には毒舌家の田中真紀子元外相も「潔い」とほめたほどだ。

 「周りの皆さんはよくやってくれたから。それに結果はすべて自分に返ってくるもの。思いを簡潔に伝えたかった」

 東大法学部、官僚とエリートコースを進んできた虎之助氏にとって初めてともいえる挫折だった。

 「それはもちろん内心は悔しいし、つらいよ。でも帰っても眠れないかと思ったら意外とすぐに寝た。疲れていたんだろう」

 さらに周囲を驚かせたのは虎之助氏の以前よりやせた姿だ。

 「選挙になると食べる暇がないから3キロやせた。ベルトの穴も変わったし、ほら、(ほおの下を触り)エラもなくなった」

 だが選挙が終わった今、言いたいこともある。

 「年金問題はいったん片づいたはずだったのに、その直後に不適切な発言をした閣僚が出てきた。さらにあのバンソウコウはまずい。映像で流れる度に、票が減った気がした」

 「(原爆投下は)しょうがない」発言の久間前防衛相、そして、赤城前農相。吹き荒れる逆風に加え、相手陣営が打ち出した「姫の虎退治」のフレーズも打撃となった。

 「あれはひどい。名誉棄損に近いよ。私もよその党の政策は批判するけど、あとは正々堂々とフェアプレーで戦った。こっちも相手のことは何かと言ってきてはいたけれど、あえて言わなかった。同じ土俵に上がらず横綱相撲のつもりだったんだけどね、それが甘かったかもしれない」

 祖父・虎太郎さんから受け継いだ「虎」の文字。これまでは映画「男はつらいよ」シリーズになぞらえて「参院の“虎さん”」としてきたが…。

 「今までは得したことが多かったけど、今回はどうだったかな。岡山はタイガースファンの多い県なんだけどね」

 今後、政界復帰の手段は「いろんな人の話を聞いてゆっくり決める」という。リベンジとして「虎の姫退治」もあるのか。

 「だからそういうゴロ合わせはよくない。政治をバカにしている。私は実績を武器に正々堂々とやるんだから」

 一瞬鋭く光った目には「“虎視”たんたん」という言葉が似合っていた。

 ◆片山 虎之助(かたやま・とらのすけ)1935年8月2日、岡山県笠岡市生まれ。72歳。東大法学部卒業後、58年自治省入り。岡山県企画部長、岡山県副知事などを経て、87年自治省消防庁次長。89年参院選初当選。参院国対委員長などを経て、2000年総務相。04年参院幹事長。07年7月、参院選で4選を目指すが敗れる。趣味はゴルフ、ジョギング。

(2007年8月21日06時00分 スポーツ報知)

750片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2007/08/24(金) 20:55:16
自民転落:島根から見えたもの/5止 「王国」崩壊は突風か
http://www.mainichi-msn.co.jp/seiji/senkyo/news/20070820ddm002010080000c.html

当選を決めて支援者から花束を受け取る亀井亜紀子さん(右)=松江市東津田町の事務所で2007年7月29日午後10時59分、幾島健太郎撮影 ◇「民主、勝ったわけでない」

 民主党の小沢一郎代表は、参院選の勝敗のカギは1人区(改選数1の選挙区)が握るとみて、連日のように地方を回る「1人区行脚」に精を出した。その疲れからか、投開票日の7月29日は体調不良のため静養にあたり、活動再開は2日後の31日になった。

 同日午前、東京・永田町の党本部で開かれた常任幹事会に顔を見せた。勝利宣言もそこそこに「本当の勝負はこれからだ」と訴えた小沢氏。終了後には躍進の高揚感に浸る党内を戒めるかのように記者団に語った。

 「選挙が終わったら次の日から選挙。それができないようでは、政党ではないし、政治家は務まらない」

 民主党にとって、いかに「自民離れ」の民意をつなぎとめるかが大きな課題だ。まして国民新党の亀井亜紀子氏(42)を推し、自民党の景山俊太郎氏(63)を倒した島根県は、公認候補が勝利した他の1人区とは違う。竹下登元首相、青木幹雄参院議員会長が築いた自民党の「王国」を崩した意味が本当に分かるのはこれからだ。

 昨年10月8日、出雲空港(同県斐川町)のVIPルーム。亀井氏の父、亀井久興・国民新党幹事長(67)と矢倉淳・連合島根会長(53)がひそかに会った。

 その3カ月前、矢倉氏は出雲市選出の成相安信県議(55)=無所属=から「連合は自民党に負けっ放し。久興さんも前の衆院選では竹下亘さんに惨敗。このままではどちらも先がない。手を組んだらどうか」と助言を受け、久興氏に接触した。

 極秘会談は40分間に及んだ。翌春に控える知事選など統一地方選への対応が主なテーマ。矢倉氏が民主党の県議候補への推薦を要請すると、久興氏は「できる限りやりましょう」と約束。今回の共闘の布石になった。

 「有権者が選挙のたびに景山、青木、竹下と書いてきた保守王国。民主党と連合が前面に出ていたら、亀井とは書きにくかっただろう」

 民主党の米山広志出雲市議(59)は、もともと自民党にいた久興氏の長女だからこそ保守層にも浸透しやすかったことを率直に認める。民主党が独自候補を擁立できなかった経緯から、党県連内には「応援に回った民主党が勝ったわけではない」との見方もある。

 ただ、小沢氏には「形はどうであれ、『自民離れ』の象徴として『王国』を崩すという事実が重要」との判断があったようだ。7月28日、「1人区行脚」の締めくくりの場所に出雲市を選び、聴衆に呼びかけた。「本当に日本の政治を変えるため、島根はもっとも注目されている選挙区だ」

 大きなうねりは、民主党や亀井陣営の予想をはるかに超えるものとなって表れた。

 一方、自民党が受けた打撃は強い。竹下、青木両氏を支えてきた県議が「亘さんも次はしんどいんじゃないか」と危機感をあらわにするなど、関心はすでに次期衆院選へと向かう。「済んだことは済んだこと。この流れが続かないように具体的に何をするかだ」。浅野俊雄・県連幹事長(76)は敗北の検証作業を始める方針を明かした。

 むしばまれた「岩盤」は完全に崩壊してしまうのか、それとも一過性の「突風」に直撃されただけなのか−−。参院選から19日で3週間。戦いはすでに次のラウンドに入っている。=おわり

     ◇

 この連載は中田卓二、堀井恵里子、大場伸也(政治部)、酒造唯、小坂剛志(松江支局)が担当しました。

毎日新聞 2007年8月20日 東京朝刊

751片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2007/09/01(土) 08:15:37
自民県連 逢沢氏会長に就任 五役辞任願は会長一任 讀賣岡山

 自民党県連は31日、岡山市内のホテルで総務会・選対合同会議を開き、会長職を辞任した片山虎之助前参院幹事長(72)の後任に、逢沢一郎衆院議員(53)が就任。また、県連の幹事長ら五役から出されていた辞任願の取り扱いは、逢沢会長に一任することを決めた。

 会合では、出席者から「国政選挙なので、県連幹部に辞任するほどの責任はないが、辞任願を出した以上、筋を通さないと」などの意見が出た。また、県連が参院選の敗因を分析する活性化委員会を発足させたことに対して、「人選などの相談がなく、説明責任を果たすべきだ」との苦言が呈された。

 逢沢会長は、党組織の立て直しについて「参院選の敗因をしっかり分析して県連を再生させたい。県民の夢や希望、不満や怒りにもっと敏感でないといけない。一人ひとりの思いを聞かせていただく県連にし、党を再生させたい」などと抱負を述べた。現五役の辞任願の扱いを決める時期は「できるだけ早く」とした。

(2007年9月1日 読売新聞)

752片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2007/09/09(日) 23:04:48
石破会長の辞任承認
臨時総務会 参院選の敗北を総括 讀賣鳥取

 自民党県連は8日、倉吉市内で臨時総務会を開き、7月の参院選鳥取選挙区での敗北について、年金記録漏れ問題や閣僚の不適切発言など党本部や安倍内閣の責任が大きかったと参院選を総括した。また、石破茂・衆院議員が表明した県連会長辞任も承認、早ければ9月中に開く臨時県連大会で新会長を決める。

 石破氏や県議ら約80人が出席。参院選の総括では、閣僚の不適切発言などで逆風の選挙を強いられたと指摘、安倍首相が参院選を政権選択の選挙と位置づけたことを「民主党を利する結果を招いた」と批判した。県連については「過去に例を見ない総力戦で臨んだが、今の自民党の政策、体質では限界があった」とした。今後、党に▽年金制度に関する選挙公約の実現▽「政治とカネ」問題への厳しい対応▽バス路線確保など中山間地域での諸政策の充実――などを求める。

(2007年9月9日 読売新聞)

753片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2007/09/10(月) 17:39:00
知事対応、市議会で批判
2007年09月08日 朝日島根
http://mytown.asahi.com/shimane/news.php?k_id=33000000709080003

■出雲市長、参院選で■


 出雲市の西尾理弘市長は7日の市議会本会議の一般質問の答弁で、7月29日投開票の参院選で、溝口善兵衛知事が、当選直後に国民新党の亀井亜紀子議員の事務所を訪ねなかったとして、「あいさつに行かないのは失礼だ」と批判した。


 珍部全吾市議(新生出雲)は「公示日に市長は自民候補の応援でマイクを握ったが、投開票日には当選した非自民候補の事務所に駆けつけた。市長の気持ちは」と質問。


 西尾市長は「自分の主義主張は別として、結果を踏まえれば、県民の代表に敬意を持たなければならない」と述べ、溝口知事を引き合いに出して、「県民代表として参院議員が誕生したのに、なぜ知事はあいさつに来なかったんだ。これから地域医療の問題などで世話になる県民代表に、あいさつに行かないのは失礼ではないか」と批判した。


◆県市長会会長 知事に要請書◆


◎地方分権など47項目


 県内8市でつくる県市長会会長の松浦正敬・松江市長が7日、県庁で溝口善兵衛知事に、07年度秋季の要望書を手渡した。溝口知事は「全般的に、市町村の自主性が推進されるようつとめたい」と応じた。


 要望書は、地方分権や産業振興など6分野の47項目で構成。全国的に高い実質公債費比率を改善するための配慮▽石見銀山遺跡を核とした観光ルートの構築▽小中学校の教員の人事権の市への移譲、などを求めている。


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