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日本の安全保障・国防

1片言丸 </b><font color=#00FFDF>(/3J5SzQQ)</font><b>:2005/04/23(土) 09:51:47
セキュリティ関係。外交関係スレから特抜き

263片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2008/02/22(金) 01:31:34
衝突めぐり食い違う主張 レーダー、灯火、点滅 '08/2/22

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 海上自衛隊のイージス艦「あたご」と漁船「清徳丸せいとくまる」の衝突事故をめぐり、防衛省と漁協の主張に食い違いが目立っている。「レーダーで漁船を確認できたはず」「(清徳丸とは)別の船の見間違いでは」。漁協側の不信感は強い。三つの対立点を検証した。

 ▽レーダー

 清徳丸の僚船「幸運丸こううんまる」の堀川宣明ほりかわ・のりあき船長(51)によると、幸運丸は十九日午前三時半ごろ、レーダーで約九・六キロ左前方に大きな船影を確認。

 防衛省によると、あたごの見張り員が初めて漁船左舷の赤い灯火を見たのは午前三時五十五分ごろ。双方が認識するのに約二十五分の差が生じている。漁協側は「あたごもレーダーを見ていれば気付いたはず」と主張。

 防衛省側は二十日の会見で「レーダーに何か映っていたか把握できていない」とだけ説明した。

 ▽緑の灯火

 同じく僚船「金平丸きんぺいまる」の市原義次いちはら・よしつぐ船長(54)によると、金平丸は事故前、衝突回避のためにかじを右に切ったが避けきれないと判断し、左に切り直している。

 あたごの同じ見張り員は午前四時五分ごろ、今度は右舷の緑色の灯火を確認。一分後に灯火が動きだし初めて漁船と認識、船を後進させて手動操舵そうだに切り替えた。

 漁協側はこの灯火を「金平丸の光としか考えられない」と訴えるが、「清徳丸の灯火」とする防衛省側は現時点で、再調査を否定している。

 ▽ライト点滅

 堀川船長によると、幸運丸は午前四時ごろ、あたごとの距離が約二・四キロまで迫ったところで右にかじを切り、あたごの前を横切って回避。その約五分後、あたごがライトを四、五回点滅させたのを目撃したという。

 防衛省側はこれまでライトの点滅について言及していないが、漁協側は少なくとも二隻の僚船が危険を感じて回避行動を取っており、ライトの点滅が危険を知らせる「パッシング」だとすれば、あたごは午前四時七分ごろの衝突直前まで危険性を認識していなかったことになる。

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200802220068.html

264片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2008/02/22(金) 12:42:44
相手がよけると思い込みか 海自イージス艦衝突事故 '08/2/22

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 海上自衛隊のイージス艦「あたご」と漁船「清徳丸」の衝突事故で、漁船やプレジャーボートなど小型の船舶と、自衛隊の艦船や大型の貨物船が接近した場合、小回りが利く小型船の方が状況を判断し、動作が重い大型船をよけるケースが多いことが二十二日、海事関係者の話で分かった。

 あたごは衝突十二分前に清徳丸を確認しながら一分前まで回避操作しなかったことが分かっている。あたご側が清徳丸の方がよけてくれると思い込み、ぎりぎりまでかじを切るなどの回避操作をしなかった可能性もあり、第三管区海上保安本部はあたご乗組員や周囲にいた清徳丸の僚船から事情を聴き、衝突寸前の状況を詳しく調べている。

 海上衝突予防法では、船が海上で交差する可能性がある場合、相手の船を右側に見る船が右にかじを切るなどして衝突を避ける義務があると規定しており、今回の事故はあたご側に回避義務があった可能性が高いとされている。

 海事関係者によると、東京湾など大型船や漁場に向かう漁船など数多くの船舶が行き交う海域では、互いに衝突ぎりぎりまで接近することも非常に多い。

 大型船はかじを切っても慣性で曲がりにくく、停船操作をしてもスピードはなかなか落ちない。大型船に回避義務があるとしても、小型船の方が大型船の動きを見てよける実態があるという。

 また海保関係者によると、大型船は前方に漁船が見えた場合、早めに減速して漁船を先に行かせるほうが安全なこともあるとしており、あたごが衝突直前にかじを切らず、全速後進した可能性もある。

 海事関係者は「イージス艦の乗組員は、漁船が避けてくれるはずだと最後まで考えたのでは」と話している。

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200802220097.html

265片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2008/02/22(金) 12:50:09
石破防衛相、孤立深まる 野党辞任要求、与党冷ややか
2月22日8時1分配信 産経新聞


 海上自衛隊のイージス艦衝突事故を受け、野党各党は21日、参院で過半数を握る「数の力」を背景に石破茂防衛相の問責決議案提出をちらつかせて辞任を迫った。石破氏は重ねて防衛省改革への決意を口にし、続投に意欲を示しているが、与党内にも突き放した見方があり、石破氏は窮地に追い込まれている。

 野党各党は、イージス艦の見張り員が漁船を視認した時間が当初の防衛省の説明より10分早まったことや、首相官邸への連絡の遅れといった対応のまずさを問題視している。民主党の鳩山由紀夫幹事長は21日、視認時間の変更について「防衛省の隠蔽(いんぺい)体質が改まっていない」と批判。「参院で多数を占めている力を行使することは十分あり得る」と語り、石破氏への問責決議案の提出を示唆して速やかな辞任を求めた。

 さらに、同党の菅直人代表代行、共産党の志位和夫委員長がそろって石破氏の辞任を要求したほか、野党4党はこの日の国対委員長会談で、石破氏は辞任すべきだとの認識で一致。22日午前の衆院安全保障委員会での石破氏の説明次第では、衆院予算委員会で追及を継続していく方針も確認した。安保委員会での審議は、防衛相にとって1つのハードルとなりそうだ。

 一方、内閣支持率の低迷が続く福田康夫首相は、政権基盤へのダメージにつながる石破氏の辞任を回避したい意向だ。

 首相は21日夜、野党の辞任要求について記者団に、「今、考えている状況ではないでしょ。ましてや防衛省改革問題もあり、中心的な立場でやっているのだから石破氏がしっかりと対応することが必要だ」と語り、現時点では辞任する必要はないとの認識を示した。

 自民党首脳も「職務権限の瑕疵(かし)がなければ辞任には値しない」と述べた。

 石破氏自身、同日午後には千葉県勝浦市で行方不明者家族のもとを訪れて謝罪するなど、精力的に動いた。

 これに先立つ衆院安全保障委員会で石破氏は「抜本的な防衛省改革案を果敢に実行に移すことこそ、国民の信頼回復につながる方途であると信じる」と語り、持論とする内局(背広組)と幕僚監部(制服組)の混在型組織づくりに向け、全力を挙げる考えを示した。

 石破氏周辺は「防衛相は、ここで辞任してしまえば官僚の抵抗で防衛省改革が骨抜きにされてしまうと考えている」と防衛相の意向を代弁した。

 しかし、与党内からは、イージス艦が漁船を視認した時間を変更した問題に関し、「加害者の防衛省が自分に都合のいいように説明を変えている」(自民党国防関係議員)、「確認が十分に取れない情報は軽々に発表すべきではない」(防衛庁長官経験者)と防衛省の対応のまずさを指摘する声が出ている。

 公明党幹部は「与党だからこちらから石破氏の辞任論をぶち上げるわけにはいかないが、かばっているという風にも見られたくない」と語り、石破氏を突き放した。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080222-00000088-san-pol

266片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2008/02/22(金) 12:53:47
見張り員伝達怠りか イージス艦 清徳丸発見当直交代の直後
2008年2月22日 朝刊


 海上自衛隊のイージス護衛艦「あたご」が千葉県・房総半島沖でマグロはえ縄漁船「清徳丸」に衝突した事故で、衝突十二分前に清徳丸を発見したあたごの見張り員が、この情報を他の当直員に伝えていなかった可能性が出てきた。その後、この見張り員は清徳丸を見失ったとみられ、再び灯火を発見するまで、十分間の空白が生まれた。回避が遅れた背景に、情報伝達の不備があった疑いが強まった。清徳丸の父子は依然見つかっていない。 

 艦橋から張り出した外の甲板にいる見張り員と艦橋内との連絡は、通話機が付いたヘッドセットで行う。ヘッドセットを着けているのは、左右の見張り員一人ずつと艦橋で水上レーダーを監視するレーダー員、それに下の階にある戦闘指揮所(CIC)にいるレーダー員の計四人。

 見張り員が発見した船舶の情報は、水上レーダーで確認するため、必ずレーダー員に伝えなければならない。艦橋のレーダー員がこれを復唱し、情報は艦橋にいるすべての当直員が共有できることになる。仮にレーダー員が復唱しなければ、見張り員が復唱を求めることになっている。二十一日までの海自の調べに右舷の見張り員は、十九日午前三時五十五分に清徳丸の白と赤の灯火を発見したと話した。距離は余裕を持って監視を続けられる約四キロメートルとみられる。さらに双方が接近すれば「警笛を鳴らす」「かじを切る」などの回避措置が必要になる。

 事故当時、当直員は十人いた。仮に衝突の十二分前に清徳丸発見の一報が艦橋内に伝われば、全員の注意が清徳丸に向き、今回の事態は避けられた可能性が高い。

 だが、あたごは清徳丸に注意を払うことなく、自動操舵(そうだ)のまま一〇・五ノット(時速約一九キロ)で航行。衝突二分前になって同じ見張り員が緑の灯火をみつけるが、清徳丸と認識できず、一分前になって当直士官が後進いっぱいを命じ、手動操舵に切り替えた。これは「全舷停止、かじ中央」と呼ばれる最後の緊急避難措置にあたる。

 当直員の交代は午前三時四十五分ごろ行われ、十人全員が交代。右舷見張り員が清徳丸を発見したのは交代直後だった。

海自側の回避義務濃厚
 千葉県・房総半島沖で、海上自衛隊のイージス艦「あたご」が、マグロはえ縄漁船「清徳丸」に衝突した事故で、第三管区海上保安本部(横浜市)は二十一日、清徳丸に残された塗膜片などや破損状況から、あたごの艦首が清徳丸の左舷に衝突したと断定した。三管本部では、あたご側に海上衝突予防法に基づく回避義務があったとみて調べている。

 三管本部が行った清徳丸の実況見分によると、分断された船首左側の破断面からは、あたごのものとみられる灰色の塗料が採取された。塗料が付着していた破断面は清徳丸の操舵(そうだ)室の真下にあたり、あたごの艦首が操舵室を直撃し、一気に船体を切断した可能性が高い。状況などから、あたごは前方を右側から左側に航行する清徳丸の船腹に直角に近い状態で衝突したとみられ、回避義務はあたご側にあったとみられる。

 一方、三管本部の調べによると、午前四時前に、当直任務にあたる乗組員が交代。この当直交代が事故に何らかの影響を与えた可能性もあるとみて、乗組員らから引き続き事情を聴いている。

 また、回収された清徳丸の衛星利用測位システム(GPS)二台は海水に浸っていたため、解析は極めて困難という。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2008022202089517.html

267片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2008/02/22(金) 12:54:31
イージス艦、海保通報は16分後 幹部「遅すぎる」
2008年02月22日10時24分

 海上自衛隊のイージス護衛艦「あたご」と漁船清徳丸の衝突事故で、海上保安庁に最初の連絡が入ったのは、事故発生から16分後だった。88年の潜水艦「なだしお」の事故では通報が遅れて批判を浴びた海自。清徳丸に乗っていた父子2人の捜索が難航するなか、、今回も「なぜもっと早く通報できなかったのか」との批判が出始めている。教訓は生かされなかったのか。

 「(通報が早ければ)少なくとも十数分は早く立ち上がれた。早期発見の可能性はその時間の分だけ大きくなった」

 21日の定例会見で、第3管区海上保安本部(横浜市)の島崎有平本部長はこう発言した。

 事故発生は19日午前4時7分ごろ。あたごが無線で3管に「艦首部分が漁船にぶつかった。漁船が二つに割れた」と通報したのは同23分だった。

 海保が、東京・羽田にあるヘリコプターや巡視船艇に現場に向かうように命令したのは通報から4分後の同27分。比較的近くにいた巡視船艇などが順次出発し、ヘリも必要な装備を調え、特殊救難隊員3人を乗せて午前5時5分に飛び立ち、現場には同48分に到着した。発生から約1時間40分後だった。

 海保は、船舶電話や携帯電話からの「118番通報」や無線の受信体制を強化し、船舶運航者らに事故発生の早期通報を呼びかけてきた。それだけに幹部は「遅すぎる。16分間、一体何をしていたのか」といぶかる。

 小人数しか乗っていない船同士の衝突であれば、限られた人数で人命救助にあたらなければならず、結果的に通報が遅れることも想定される。

 しかし、あたごは当時、当直士官ら10人以上が操艦していた。「船体が大きいために衝突の状況を確認するのに一定の時間がかかるのはわかるが、十分に訓練をしていれば手分けして速やかな通報が可能だったのではないか」。海保の幹部はそう指摘する。

 88年に東京湾・横須賀沖で潜水艦なだしおと大型釣り船の第1富士丸が衝突して30人が犠牲となった事故の海保への通報までの時間は21分。なだしおから直接ではなく横須賀地方総監部を経由したために遅れが生じた。今回はあたごから直接通報が入ったのに発生から16分だった。「20年で5分の短縮では、改善されたとは言い難い」と海保幹部は批判的だ。

 防衛省によると、事故時が当直態勢の場合は、当直士官ら幹部が通報を指示するのが基本。人命にかかわる事故の場合、訓令で「直ちに」海保に通報するよう定めているが、時間までは規定していない。自艦の位置情報や、相手船はどうなっているかなど現状把握の必要もあり、最優先の救助活動とともに時間を要するのも現実。夜間航行では、さらに時間が必要になってくる。

 同省幹部は今回の対応について「(必要な作業があり)ある程度の時間がかかった」とする。だが、当直員が複数いたことを踏まえると、海自OBは「時間がかかりすぎとは断じられないが、もう少し早くならなかっただろうか」と話す。省内にも「検証する必要はある」との声もある。

http://www.asahi.com/national/update/0222/TKY200802210389.html

268片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2008/02/22(金) 12:55:24
海自イージス艦・漁船衝突:防衛相辞任論を警戒 政府、海幕長更迭で収拾か
 海上自衛隊のイージス艦「あたご」と漁船の衝突事故で、政府・与党は石破茂防衛相への引責辞任論が強まるのを警戒し、もともと3月の人事で退任するとみられていた海自トップの吉川栄治・海上幕僚長の更迭で責任論に幕引きしたい考えだ。ただ、次々に露呈する海自の失態に、世論の非難とともに野党からの辞任圧力も強まる一方。対応を誤れば「ねじれ国会」に苦しむ福田内閣の命取りにもなりかねない。【須藤孝、古本陽荘】

 福田康夫首相は21日、石破氏辞任の可能性を否定。防衛族のベテランである山崎拓前自民党副総裁らも「政治問題化する可能性がある。党内が足並みを乱してはならないと特に警告しておきたい」と擁護論を展開した。

 しかし、政権中枢が今後の展開を楽観しているわけではない。被害者家族らへの対応などで不手際があれば、批判が石破氏に向かい辞任論に火が付く可能性もあるからだ。首相の辞任否定は「今は」という限定付きだった。町村信孝官房長官も20日の記者会見で「事実を明らかにする作業が一定程度済んだ後で、そうしたこと(防衛相辞任)なども含めて考えていかなければならない」と述べた。

 一方、民主党は海上自衛隊の不手際が続いている状況を、政府・与党を追い込むチャンスと見ており、鳩山由紀夫幹事長は21日「防衛省のおごりが、この事故を引き起こした」と強調した。

 昨年9月の遠藤武彦元農相の辞任は、民主党が問責決議案をちらつかせたことが決定打となり、弱体化していた安倍晋三内閣の総辞職につながった。鳩山氏が21日、石破防衛相の問責決議案に言及したのも、支持率が低迷する福田内閣に世論を背景に打撃を与える狙いがある。

 とはいえ、参院で問責決議案を可決すれば政府・与党との全面対決となり、今国会の焦点となっている日銀総裁人事にも影響を与える。山岡賢次国対委員長は「(鳩山氏の発言は)個人的な見解。とりあえずは様子を見る」と静観する考えを示した。

 鳩山氏にも、失言が相次ぐ実弟の鳩山邦夫法相への問責決議案には言及していない弱点がある。同氏は「問責決議の前に防衛相自身が自発的な意思を示してほしい」と指摘しており、抜かない「伝家の宝刀」でけん制している側面もある。

毎日新聞 2008年2月22日 東京朝刊
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20080222ddm002040048000c.html

269片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2008/02/23(土) 02:33:29
イージス艦、当直交代で監視手薄か 回避措置を取らず? '08/2/23

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 海上自衛隊のイージス艦「あたご」と漁船「清徳丸」の衝突事故で、衝突十二分前に清徳丸の灯火を視認した右舷側の見張り隊員が、艦橋内のレーダー担当の隊員らに情報を伝達しなかった疑いがあることが二十二日、第三管区海上保安本部などの調べで分かった。

 事故は、艦橋の当直員十人全員が交代した直後に発生。三管本部は、見張りとレーダー担当の連携ミスや、当直員の交代で監視が手薄だったことが事故につながった可能性が高いとみて、交代前後の当直員二十人から事情を聴いている。

 石破茂防衛相は同日の衆院安全保障委員会で、あたごが衝突一分前まで自動操舵(そうだ)を続けたことについて「太平洋のど真ん中と同じ自動モードならば適切ではないのではないか」と述べた。

 三管本部や防衛省によると、右舷と左舷、後部甲板で、見張りが接近する船を発見した場合、艦橋にいる伝令を通じ水上レーダー担当、戦闘指揮所(CIC)のレーダー担当らに情報を伝え航跡を確認。責任者の当直士官が判断し操船担当者に指示を出す。

 事故があった十九日は、衝突直前の午前三時五十分ごろから四時までの間に当直員全員が交代。右舷の見張りは、衝突十二分前の同三時五十五分に清徳丸の灯火を見つけたが、レーダー担当らに伝えていなかったとみられる。

 三管本部は、あたごが衝突一分前に全速後進に切り替えるまで自動操舵で直進し、警笛を鳴らしたり右にかじを切ったりする海上衝突予防法で規定された回避措置を取らなかった可能性が高いとみている。

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200802230131.html

270片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2008/02/23(土) 02:34:28
「連携不足」なぜ起きた 乗組員の練度、疲労に注目 '08/2/23

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 海上自衛隊のイージス艦「あたご」の衝突事故で、あたご乗組員が事故の十二分前に見つけていた「清徳丸」の灯。情報は生かされず、衝突という最悪の事態を招いた。乗組員の連携不足の疑いが浮上する中、専門家らからは乗組員の練度や疲労の問題を指摘する声が上がっている。

 防衛省の説明では、あたごの見張り乗組員は事故十二分前に赤色の灯を確認し、次に緑色の灯をみたのは二分前。この間の対応は明らかになっておらず、見張りがレーダー担当に情報を伝えていなかった疑いもある。

 軍事評論家の岡部いさく氏は「灯を見失ったのか、漫然と放置したのか。いずれにせよ見張りのスキルに問題がある。原因究明には乗組員の経歴や訓練状況の確認が必要」と指摘。さらに「長い航海の疲れが影響していなかったのか、乗組員の疲労度も調べるべきだ」としている。

 岡部氏は事故が見張りの交代時間直後に起きたことにも注目。「やり慣れた仕事や相手でも、集団作業はチームワークが生まれるまで若干の時間を要する。そこにすきが生まれた可能性もある」と分析している。

 当時の見張りのやり方には別の視点からも疑問の声がある。

 海上保安庁によると、すべての船には海上衝突予防法に基づき進行方向を示す赤と緑の「航行灯」や、白色の「マスト灯」「船尾灯」など複数の灯を表示。灯の組み合わせで航行中か漁中か、漁の種類まで判断できるという。

 同庁関係者は「船の状態を把握するためには、一瞬見るだけではなく継続して灯の状態や動きを追うのが常識だ」と話している。

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200802230098.html

271片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2008/02/23(土) 02:42:55
イージス艦事故:見張り員「漁船が避けると思った」
 千葉・野島崎沖で起きた海上自衛隊のイージス艦「あたご」とマグロはえ縄漁船「清徳(せいとく)丸」の衝突事故で、あたごの見張り員が衝突12分前に清徳丸とみられる漁船の灯火を確認した際、「相手が避けると思った」との趣旨の話をしていることが分かった。横須賀海上保安部(神奈川県横須賀市)は、あたごが清徳丸の左舷からほぼ直角に衝突したとみており、あたごが回避義務を怠った疑いが一層強まった。

 横須賀海保の調べでは、清徳丸は船首部(11〜11.4メートル)と船尾部(5.8〜4.1メートル)の二つに分断され、操舵(そうだ)室がほぼなくなっていた。切断面に近い船首部の左舷側に、あたごの塗装とみられるグレーの塗膜片が計4カ所付着していた。

 一方、あたごは艦首部分に清徳丸のものとみられる3色の塗膜片や傷が確認されたことから、同海保は2船がほぼ直角に衝突したとの見方を強めている。

 防衛省などによると、あたごは衝突12分前に見張り員が清徳丸の左舷のものとみられる赤灯を発見した。衝突した場所の約4キロ手前、両船の距離は9キロ程度あったとみられる。

 海上衝突予防法は船が海上で交差しそうになった際、他船を右方向に見る船が右に避けるルールを定めているが、あたごは自動操舵を続けた。

 見張り員は関係者に「(このまま進んでも)避けられると思った」と話しており、漁船側が避けると判断したとみられる。清徳丸の僚船の船長らは「自衛艦など大型船は、小回りが利く漁船が回避すると思い込み、自分たちは漫然と進んでくる」と批判している。

 灯火を発見したことは、見張り員からレーダー員には伝わらないままイージス艦は自動操舵で前進を続け、同じ見張り員が再び灯火に気づいたのは衝突2分前、漁船と認識したのはわずか1分前で、全力で後進をかけたが間に合わなかった。

 こうした点から同海保は、あたごの見張り員の危険回避の判断が遅れたことが事故原因の一つとみて、引き続き事情聴取を進める。

毎日新聞 2008年2月23日 2時30分
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20080223k0000m040151000c.html

272片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2008/02/23(土) 02:43:29
イージス艦事故:視認時間、防衛相1日で変更
 「衝突2分前に初めて視認」が「衝突12分前には視認していた」に。今回の衝突事故で、石破茂防衛相が自民党国防部会で説明した事故状況が、1日で大きく変わったことに批判が集まっている。海自側は「新たな情報が加わったから」と釈明するが、実は前日の聴取内容が内局や防衛相に正確に伝わっていなかった。大事故に直面し、「背広組」と「制服組」の間に不協和音が聞こえる。

 石破防衛相は事故発生当日の19日夕、海自の事故調査委員会があたごの乗組員から事情聴取した内容を自民党国防部会で説明。「あたごの見張り員が衝突2分前に右側に緑色の明かりを見た」という内容だった。ところが20日夕、防衛相は同部会で「(同じ)見張り員が衝突12分前に灯火を見ていた」と修正した。

 海自側は修正の理由を「新たな情報が加わったから」とのみ説明したが、伝達の時間差が原因だった。海自事故調は、19日夕に横須賀海上保安部が強制捜査を始める前、携帯電話などで乗組員から事情を聴いた。この際、2人の調査担当者がそれぞれ見張り員から「2分前」「12分前」と聞いたが、報告に時間差ができたため、19日には「2分前」だけが防衛相に伝わったという。

 正確な情報が海自から防衛相に伝わらなかったため迅速な情報開示ができず、与党側からも批判が出ている。石破防衛相は22日の衆院安全保障委員会集中審議で「(情報が)入ってくる時間が違ったり、情報の入手先が違うために(公表内容が)異なることは当然ある」と答弁した。【加藤隆寛】

毎日新聞 2008年2月23日 2時30分
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20080223k0000m040152000c.html

273片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2008/02/24(日) 04:40:51
発見、判断で「多重ミス」の疑い イージス艦衝突事故 '08/2/24

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 イージス艦「あたご」と漁船「清徳丸」の衝突事故の原因究明は二十三日までに、あたご乗組員による清徳丸発見が遅れ、操船担当隊員へ伝達も機能しなかった上、漁船団で込み合う海域へ自動操舵(そうだ)を続けた当直士官の判断という「多重ミス」の疑いが核心として浮上してきた。

 海上自衛隊側は情報開示に消極的で、約二十年前の「なだしお」事故のような事実隠しが行われているのではないかとの疑念もくすぶっている。第三管区海上保安本部(横浜)は乗組員の事情聴取などを進めているが、防衛秘密の壁もあり捜査は長期戦の様相だ。

 防衛省の説明では、あたご側が清徳丸の灯火を視認したのは十九日午前三時五十五分。衝突十二分前で、この時なぜ回避措置をとらなかったかというのが第一の問題点。

 本来ならただちにレーダー担当の隊員に灯火発見を伝え、当直士官が衝突回避に必要な措置をとる。ところが、あたごは海上衝突予防法で規定される警笛吹鳴や右旋回などをするどころか、清徳丸をはじめとする漁船団で込み合う海域へ自動操舵での前進を続けた。艦内が危険情報の伝達不全に陥っていた可能性が濃厚だとみられている。

 漁船発見自体、遅すぎるのではないかというのが第二の問題点だ。漁船のレーダーには衝突の約三十五分前にあたごが映っていた。あたご側も早い段階で漁船団をレーダーで見たのに当直交代で十分引き継がれず、きちんと認識したのが衝突十二分前だった。

 これらの怠慢を呼び込んだとみられる第三の問題点が、混雑水域への警戒指示が不十分だった疑いのある当直士官の判断。衝突の危険を乗組員が意識していれば、漁船の発見、回避に緊張感を持って当たり、事故が防げた可能性が高い。

 今回の事故は、一九八八年の海自潜水艦「なだしお」と釣り船の衝突事故と類似点もある。約四分前に気付いたなだしおは回避措置を取らず前進、衝突一分前にかじを切ったが間に合わず三十人の犠牲が出た。なだしお裁判で明らかになったのが航泊日誌や海図の改ざんだった。

 あたご事故で、防衛省は当初「二分前に灯火を発見した」と発表していながら「十二分前」にさかのぼった理由を「新たな情報が加わった」(海上幕僚監部の河野克俊防衛部長)と説明した。

 捜査中とはいえ、防衛省は情報の国民への開示に消極的。行方不明の吉清治夫さん(58)、長男哲大さん(23)の親族に海自横須賀地方総監部の幕僚長が「あそこに報道陣がいますが、知らんぷりしてください」と求めたことも判明している。

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200802240076.html

274片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2008/02/25(月) 01:32:43
区切りつけば自ら進退判断 石破防衛相 イージス艦衝突事故で(02/25 00:06)
 石破茂防衛相は二十四日、NHKの討論番組で、イージス艦衝突事故で野党が引責辞任を求めていることに関し、原因究明と再発防止に努めることで責任を果たす考えを、あらためて強調した。その上で、一定の区切りがついた段階の対応について、「進退はいつも自分の胸の中に置いている。関係者の気持ちに応えることはどういうことか、自分で判断する」と語った。

 石破氏は、防衛省の情報開示に対し、消極的との批判が出ていることについて、「一方の当事者が捜査中の事柄についていろんな情報を出すことはあってはならない。海上保安庁の捜査が厳正に行われるため、今の時点でイージス艦乗組員とは接触していない」と釈明した。
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/politics/77911.html?_nva=4

275片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2008/02/28(木) 09:53:43
イージス艦衝突事故で防衛省に批判集中/漁船発見時刻で説明転々

 イージス艦衝突事故で、防衛省が「衝突十二分前」に漁船を発見していた事実を事故翌日夕方まで公表していなかったことが二十六日、判明した。事故が起きた十九日から防衛省は情報を小出しにし説明内容も次々と変え“情報隠し”の体質があらわに。別の口実で航海長を呼び事情聴取したことも表面化。野党は石破茂防衛相への辞任要求を一層強める一方、与党内からも突き放す声が上がり始めた。

 ▽しどろもどろ

 事故当日の十九日午後五時、石破氏は自民党部会で「漁船発見は衝突二分前」と説明した。その三時間半後、石破氏は「不確定ながら九分前」と連絡を受けたが、発表せず事実確認を指示。この情報があったにもかかわらず、海上幕僚監部の河野克俊防衛部長は同日午後十一時、「二分前」と発表した。

 防衛省は二十日午前三時前まで乗組員からの事情聴取を進め、午前八時半、石破氏に確定情報として「十二分前」と伝えた。防衛省はすぐに発表せず「新たな情報が加わった」と「十二分前」と訂正したのは同日午後だった。

 二十五日午後の記者会見で、増田好平防衛事務次官は「情報隠しには当たらない」と強調してみせた。だが記者団が「十二分前」の公表が遅れた理由を追及するとしどろもどろに。二十六日午前零時すぎ、急きょ会見した防衛省幹部が「十九日午後八時半には発見がさらに早かった可能性があると石破氏に伝えた」と明らかにした。

 ▽聞く耳持たず

 「伝統墨守」「唯我独尊」。防衛省内で海上自衛隊をやゆする際に使われる言葉だ。同省幹部は「海自は極めて安定した組織だが保守的で、他人の批判に耳を貸さないところがある」と解説する。

 一九八八年の潜水艦「なだしお」と釣り船との衝突事故で航泊日誌や海図を改ざん、インド洋での給油活動では給油量の間違いを把握しながら放置…。これまでも海自は“情報隠し”の失敗を繰り返してきた。海自幹部は「情報がきちんと上がらないのは組織として本当に恥ずかしい。緊張感がなさすぎる」と頭を抱えた。

 衝突された清徳丸が所属する新勝浦市漁協の外記栄太郎組合長は「清徳丸側から話が聞けないんだから(防衛省側から誤った情報が出ると)真実と違ってしまう」とあきれ顔だ。

 ▽攻防激化

 「内局広報と海幕広報の情報共有ができていなかった」。衆院安全保障委員会で社民党の辻元清美氏に公表遅れを追及された石破氏は、背広組と制服組のあつれきに原因を求め、自身の引責辞任は重ねて否定した。

 これに対し民主党は国会審議で情報工作や隠ぺいの意図などを厳しく追及し、新たな事実が明らかになれば野党が過半数を占める参院での問責決議案の提出も検討する構え。小沢一郎代表も記者会見で「失態を隠す行為は責められるべきだ」と防衛省を強く批判した。

 一方、自民党には危機感が充満。「石破氏が辞任に追い込まれれば、支持率が低迷する福田政権には大打撃」(中堅幹部)。尾辻秀久参院議員会長も二十六日の役員連絡会で「自衛隊は海上保安庁に調べられている立場。言えないこともある」と石破氏をかばった。

 だが、公明党の漆原良夫国対委員長は国会内で記者団に「防衛省の情報の出し方がすっきりしない」と不信感をあらわにした。そして付け加えた。「本当に隠ぺいであれば(石破氏の)進退問題になってしかるべきだ」
http://www.toonippo.co.jp/tokushuu/danmen/danmen2008/0226.html

276片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2008/02/28(木) 10:10:47
“聴取の内容 覚えていない”
http://www3.nhk.or.jp/news/2008/02/28/k20080228000028.html

海上自衛隊のイージス艦と漁船の衝突事故をめぐり、防衛省の増田事務次官は、27日夜、記者会見し、事故当日の午後、石破防衛大臣らとともに、イージス艦の航海長から直接事情を聞いた際、正式な発言記録をとっていなかったと説明したうえで、「どんな内容だったか覚えていない」と述べました。
今回の事故で、防衛省は、捜査にあたる海上保安庁の事前の了解を得ずに、事故の4時間後、イージス艦の航海長をヘリコプターで東京・市ヶ谷に呼び、事情を聞いていたことがわかっています。これについて、増田事務次官は、27日夜行った記者会見で、海上保安庁の了解を得ていたとするこれまでの説明は虚偽だったのかと問われたのに対し、「海上保安庁と認識のそごがあるが、その可能性はまったく排除できるわけではない」と述べました。また、増田次官は「当日の正午から大臣室に航海長を呼び、石破防衛大臣やわたし、統合幕僚長ら幹部10人程度で事情を聞いた」と説明したうえで、その内容について「正式な議事録はとっていない。メモをとっていたかどうかもわからないし、少なくとも自分はとっていない。どんな内容だったか覚えていない」と述べました。今回の経緯について、防衛省は、当初、航海長から海上幕僚監部が聞き取った内容を大臣に報告したと説明しており、増田次官は「不正確で、事実と違う説明をしたのは問題がある」と述べました。石破大臣は、27日、「事情聴取は、防衛省として、一刻も早く事故の情報を把握して、対外的に説明する必要があると考えての行動だった」と述べていますが、事故直後にどのような情報を入手していたのか、防衛省はあらためて説明を求められることになりそうです。

277片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2008/02/28(木) 10:23:54
【官房長官会見】「まったく問題ない イージス艦事故情報の報告」(26日午前)
02/26 11:32更新
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/politicsit/125582/

 町村信孝官房長官は26日午前の記者会見で、イージス艦衝突事故で、清徳丸の発見が12分前だったとの情報を福田康夫首相に半日間報告していなかったことについて、「まったく問題ない。一体何が問題なのか、逆に聞きたい。事故の様子はできるだけ早く連絡をするべきだが、その後のいちいちの情報の発表のタイミングまでみなさんが問題にするのは、よく分からない」と述べた。会見の詳細は以下の通り。

【イージス艦衝突事故】

「それから、私のほうから今週衆院の予算通過のヤマ場というべき重要な1週間ですから、各閣僚のみなさん方の一層のご尽力を願いたいという話をしておきました。次に防衛艦の衝突事故の関連でございますが、ちょうど本日で1週間たったところでございます。捜査状況については海上保安庁による捜査が行われている最中でございまして、いろいろな事実関係を明らかにしたり、また、関係者からの事情聴取などを行っているところでありまして、衝突の原因を究明していくことで、関係者の刑事責任について調べていくものと理解をしております。こういう、まだ調査がいつ終わるかどうか必ずしも分からない状態でございますので、いつごろ終結するかということを申し上げる状況ではございませんけれども、衝突原因の早期救命を行うことにより、また今後の再発防止ということも可能になってくるんだろうと思います。現場海域では海上自衛隊はもとよりでございますけれども、海上保安庁、水産庁、千葉県、海洋研究開発機構、および漁船などが一生懸命捜索をしております。残念ながらお二人は発見・救助には至っておりませんけれども、たとえばウインドブレーカーが見つかったり、清徳丸の船舶検査関係書類が見つかったり、浮きが発見されたりしております。また『かいよう』が海底で人工物を発見しておりますけれども、これが清徳丸のものであるかどうか、必ずしもよく分かっていない。ローラーとか、ホースとか、電池とか、ケーブルがついた箱等が発見はされているようでございます。いずれにいたしましても、捜査活動および現場での調査等を全力を挙げてやっている最中だというのが、ちょうど1週間たった現在の姿かと思います」

 −−イージス艦の事故で防衛省の広報についてだが、清徳丸に気付いた時間について、2分前と公表していたのを、12分前という情報が入っていたにもかかわらず2分前と説明を続けていたことが明らかになったが、広報のあり方について防衛省側に問題があったと思わないか
「その件は石破大臣がもう記者会見等々で、お話になったことと思いますから、私からあえてあまり補足して申し上げることはないと思いますけれども、いずれにしても十分な確認をしないで説明がいろいろ変わるというのは適切なことではないだろうと思いますが、必ずしもそのときの防衛省がどういう状況にあったのか私もよく分かりかねるところがありますから、詳しくは防衛省のほうにどうぞお問い合わせください」

 −−違った情報が上がっていながら、当初の2分と、ずっと説明し続けていたのはミスリードだと思うが、いかがか
「もし十何分で訂正するなら、それをよく確認してから言うべきだということです。確認に時間がかかったということではないでしょうか」

 −−それは分かるが、2分というのはとりあえず確認中で・・・
「私は2分というときに、どういう説明をしたのか詳しくはよく分かりませんから、そこはどうぞ防衛省にご確認ください」

 −−12分という情報の訂正は総理と官房長官にいつごろ上がったのか
「まあ、それは翌日のですね、夕方に国防部会があるということで、自民党国防部会の説明の文書が官邸に報告をされております。しかしそのことがどれだけの今、ご質問の意味があるのか、私はまことに不明ですけれどもね」

 −−きょう石破大臣から先ほど説明を受けたが、どのような報告を受けたか
「正確を期すのに時間が多少時間がかかったという話でした」

278片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2008/02/28(木) 10:24:29

 −−長官から指示は
「いや、それは聞いただけです」

 −−こうした一連の問題がある中で、石破大臣の進退問題について野党はずっと言っているが、長官は進退問題について改めてどう思うか
「どなたかがそんなに問題視しているのでしょうか」

 −−特に責任問題は浮上しないということか
「それはマスコミのみなさんが浮上させようと思って報道すれば、それは浮上するかもしれませんけれどもね。総理もですね、韓国の会見だか、あるいは懇談の場で、防衛省、まず原因究明を一生懸命行やっている段階ではないか。あるいは、捜査が行われている段階ではないか。あるいは救助活動も行われている段階ではないか。そういう段階で責任問題をすぐ持ち出すのはいかがなものかというご発言もしておられますし、また今、防衛省改革会議、防衛省に関するどういう改革をするかという議論がまっさかり。これをですね、まとめなければいけないわけですけれども、それを一連の防衛省改革の一環として、今回の事故がなぜ起きたかということも位置づけていくことになるんだろうと私は思います。また近々、改革会議も開かれますけれどもね。その問題をしっかりと取り組める、また取り組んでいるのが石破さんですし、その石破大臣が説明責任をまっとうすることが今、大切だということを総理は述べておられます。私もその通りだと考えております」

 −−防衛事務次官が記者会見で、12分前という報告を受けたのは20日の昼ごろと話しているが、実際は前日の19日の夜だったが、明らかに誤ったデータだと思いますが、次官の発言は重いと思うが
「事務次官の発言のいちいちまで私、留意する立場にございません。そこはどうぞ防衛省にお聞きになってください」

 −−きょう石破防衛大臣から正確を期すために時間がかかったという説明があったが、長官として理解できるか
「はい」

 −−適切な対応だったか
「適切であるもないも、それは確認に時間がかかったという事実を石破さんは述べたんだろうと思います」

 −−12分前という情報が官邸に伝わったタイミングというのは問題は
「まったく問題ないんじゃないでしょうか。何が一体それ、問題なのか、逆におうかがいしたいですね。事故の様子というのはできるだけ早く連絡をするべきものとは思いますが、その後のいちいちの情報の発表のタイミングまで、それがいつ官邸に届いたか、そのことを何でみなさん方がそんなに問題にするのか、率直に言ってよく分かりません。適宜適切に報告は上がってきております」

279片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2008/02/28(木) 10:24:50
航海長聴取は問題なのか イージス艦事故
02/27 22:27更新
 海上自衛隊のイージス艦「あたご」と漁船「清徳丸」の衝突事故で、防衛省が、海上保安庁の捜査前にあたごの当直士官だった航海長をヘリコプターで省内に呼び、事故に関する聴取を行っていたことを一部のメディアや政治家が問題視している。だが、組織、とりわけ軍事組織が、早い段階で状況把握することは鉄則である。今後、事故後の対応をめぐり、一方では「情報公開の遅れ」を批判されている防衛省・自衛隊が、いかなる初動態勢を整備すべきなのか、二律背反の“宿題”を突きつけられた格好だ。(野口裕之)

 防衛省が航海長をヘリで東京都新宿区の省内に呼んだのは、事故から約6時間後の19日午前10時すぎ。約2時間にわたり聴取し、再びヘリであたごに戻した。
 艦橋において、事故前の態勢を掌握していた前任の当直責任者である当直士官に出頭を命じたのは、組織である以上、自然である。しかも、この当直士官はたまたま、航海長であった。「航行、信号、見張り、操舵(そうだ)、気象およびこれらに係る物件の整備に関する業務を所掌」(自衛艦乗員服務規則)する航海長の責任・専門性を考えれば、その人選は、二重の意味で適正であった。艦長は艦(ふね)から絶対に離れてはならないし、ナンバー2の副長は、事故前の艦内事情に当直士官=航海長ほど精通していないためだ。
 医療事故でも、警察当局の捜査とは別に、病院側が担当の医師・看護師らに事情を聴く。隠蔽(いんぺい)するための「口封じ」を目的とした悪質な場合もあるだろうが、通常は組織としての対応・対策を決定するために行われる。例えば、新聞記者が交通事故を起こせば、新聞社のしかるべき幹部が、本人に状況を確認しようと努力するはずだ。
 航海長への聴取が問題となることは、日本が「普通の国」でないことに起因する。実はこちらの方が格段に深刻だ。海上事故に関して、自衛隊には裁判権が与えられておらず、とりわけ民間との事故では事実上、海保に捜査権を委ねることが慣例化しているからだ。
 だが、軍事法廷を廃止したベルギー軍や、制度は法律上で担保されているものの、現実には軍事法廷が設置されていないドイツ軍など一部の国軍を除き、軍隊における捜査・裁判権の独立は国際的な常識だ。
 米海軍の場合、事件規模に比例し、階級・権限を考慮して任命される指揮官が調査を統率する。調査後、予備審理で軍事法廷が必要か否かが、指揮官により判断される。必要とされる場合、文官が就任する海軍長官直属である法務総監隷下(れいか)の法務官が裁判の準備・進行を務める。この時点で、司法の独立性が担保されるのだ。
 部隊と司法とのスムーズな連携により、イージス艦衝突事故に見られるような「情報の錯綜(さくそう)や遅れは極限まで回避できる」(米軍筋)という。
 今回、防衛省・自衛隊は捜査に当たる海保への妨害を避けようと努力はした。だが、海保の聴取後の深夜、携帯電話などで短時間、話を聴くなど事実上の制約があったこともあり、結果として不完全な情報を社会に公表してしまった。情報公開の遅れもまた、防衛省・海自を取り巻く情報収集の限界に、一部は起因している。
 自民党の伊吹文明幹事長は27日昼の政府・与党協議会で、石破茂防衛相の情報公開の遅れについて「海上保安庁が司法的権限を持って捜査中であることが世の中にわかっていない」と述べた。石破氏を擁護したのだろうが、司法警察が事実上の国軍を取り調べる、国際的にはほぼ考えられない構図を、国民も政治家も奇異に思っていない証左である。
 憲法に軍事法廷など「特別裁判所」の設置禁止条項がある限り、防衛省・自衛隊は将来にわたり、こうした批判を受け続けるはずだ。しかも、「今回の事件を受けて、拡大されなければならない防衛省・自衛隊の権限は逆にますます、封じられるだろう」(元海上幕僚長)。軍事法廷のない自衛隊は、世界有数の装備を有する「警察」の道を歩み続けるのだろうか…。

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/politicsit/125924/

280片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2008/02/29(金) 09:55:27
イージス艦事故:航海長聴取は石破防衛相の意向で自室に
 海上自衛隊のイージス艦「あたご」と漁船「清徳(せいとく)丸」の衝突事故で、石破茂防衛相らが海上保安庁から事前了解を得ずに航海長の聴取をしていた問題で、石破氏は28日の参院外交防衛委員会で、大臣室での再聴取は自身の意向だったことを明らかにした。石破氏は「乗員に接触していない」としていた前言を撤回し、「話を聞いていたと言うべきだった」と述べた。捜査権のある海保の頭越しに行った聴取を自ら行っていたことで、石破氏の責任追及はさらに強まることも予想される。

 石破氏は25日の衆院予算委員会で「捜査の厳正性のため、現時点では乗員に接触していない」と答弁していた。しかし、28日の参院外防委では前言を撤回。「(事故当日は聴いたが)答弁の時点では接触していないという意味。隠すつもりはなかった」と釈明し、虚偽発言は否定した。航海長の聴取については「(海上幕僚監部に自分が)呼べという指示は出していないが、呼ぶこと自体は不適切だと思わない。事前に教えてもらいたかった」と述べた。

 だが、海幕で聴取していることを知り「ならば私も聴くと言った」と大臣室での再聴取が自らの意向だったことは認めた。防衛省の増田好平事務次官も28日の会見で「(大臣が)自らも状況把握することが必要と判断した」と説明している。

 また、増田氏は27日の会見では大臣室での聴取内容について「正式な議事録は取っていない。どんな内容だったか覚えていない」と述べていたが、28日の会見では「事務方が記録を取っていた。メモを作成して(19日)夕方には海上保安庁にファクスで送った。(私も)目を通した」と証言を翻した。【本多健、田所柳子、加藤隆寛】

毎日新聞 2008年2月28日 22時16分 (最終更新時間 2月29日 0時59分)
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20080229k0000m040128000c.html

281片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2008/02/29(金) 10:23:34
海幕、大臣了承得ず聴取 幕僚長乗り込みも連絡せず '08/2/29

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 海上自衛隊のイージス艦「あたご」と漁船の衝突事故で、海上幕僚監部が石破茂防衛相の了承を得ないまま、あたごの航海長を防衛省に呼び、事情聴取をしていたことが二十八日、分かった。事故当日の十九日に護衛艦隊幕僚長が海上保安庁に事前連絡せずに事態把握のためあたごに乗り込んだことも判明した。

 石破氏と増田好平防衛事務次官が二十八日の参院外交防衛委員会や記者会見で明らかにした。衝突事故という重大時に文民統制(シビリアンコントロール)が機能しなかったともいえ、野党の追及は必至。石破氏の管理能力もあらためて問われそうだ。

 増田氏は、海幕の聴取後に大臣室で航海長から事情を聴いた記録は存在し十九日夕に海保側にファクスで伝えたとし、記録は取っていなかったとした二十七日夜の会見内容を一転させた。

 一方、防衛省は当初「けが人搬送と部隊への報告のため幹部をヘリで運ぶ」と海保庁に報告したと説明していたが、実際には航海長はけがをした乗組員の搬送にタッチせず、別のヘリコプターで直接防衛省に向かっていたと同省幹部が民主党外務防衛部門会議で説明。同席した海保庁幹部は「(あたごから飛んだヘリが)二機とは思っていなかった」と述べた。

 石破氏は外交防衛委で、航海長を呼んだとの報告を受けた時刻を、海幕幹部が事情聴取を終えた後の「(十九日)正午前」と説明。事後報告となったことに関して「海自として何が起きたか把握する必要があった。不適切と思っていない」と一定の理解を示しつつも、「大臣に呼んでいいかと聞いた方がよかった」と指摘した。海幕幹部は報告前に約一時間事情を聴いていた。

 石破氏は、航海長を防衛省に移すことを海保庁へ十九日午前に連絡したとする海自横須賀地方総監部・第四幕僚室長の説明について「(海保庁の確認は取れていないものの)虚偽だったと思わない」と強調。増田氏も室長から経緯を文書で報告させたと説明し「(虚偽の可能性を)論理的には排除しないが、私は連絡したと思う」と述べた。

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200802290101.html

282片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2008/02/29(金) 10:24:02
防衛相辞任不可避の情勢 不適切対応相次ぎ '08/2/29

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 イージス艦衝突事故で石破茂防衛相の引責辞任は避けられないとの見方が二十八日、与党内で強まった。時機は「原因究明などの区切りがついた時点」(閣僚経験者)との意見が有力だが、防衛省の不適切な対応が相次いで表面化。野党は辞任を求める方針を確認、攻勢を強めており、早まる可能性もある。

 福田康夫首相は二十八日夜、官邸で記者団に「防衛省改革の使命をしっかりやるのが石破氏の責任だ」と辞任の必要はないとの認識を重ねて示した。同時に「捜索活動、原因究明の指揮に全力を挙げてほしい」と強調した。政府高官は「石破氏を断固守る。ベストの防衛相だ」と指摘した。

 自民党町村派代表世話人の中川秀直元幹事長も同派総会で「誰かの首を差し出せばいいなどという話ではない」と石破氏を擁護した。

 石破氏は二十八日夜、海上自衛隊厚木基地で記者団に「つらい思いをしている人たちに応えること(が大事)だ。いつも退路は断っている。(考えは)揺らがない」と記者団に述べ、引責辞任しない考えをあらためて表明した。

 与党内では、一九八八年の潜水艦と釣り船衝突事故当時の瓦力防衛庁長官が約一カ月後に引責辞任したことなどを念頭に「もう辞任は避けられない。本人もそのつもりだろう」(元防衛庁長官)、「区切りがついたら進退を判断せざるを得ない」(公明党幹部)と辞任はやむを得ないとの声が相次いだ。

 閣僚経験者は「安倍晋三前首相は、閣僚の首を切れなかったことが大きかった」と石破氏が続投した場合は福田政権に悪影響を与えかねないと指摘した。

 一方、民主党の菅直人代表代行は会見で「行方不明者を出し(対応でも)いろいろ問題がある。辞任は当然だ」と辞任を求める姿勢を強調。このため与党の一部では、参院で野党が石破氏の問責決議案を提出した時点で辞任するのではないかとの見方も出ている。

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200802290095.html

283片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2008/03/02(日) 00:08:46
進退判断早まる可能性 石破氏、初動ミスで窮地に(03/01 18:18)
 イージス艦衝突事故を受けた再発防止策取りまとめ後の辞任を示唆した石破茂防衛相の進退判断の時機が早まる可能性が出てきた。事故当日に防衛省の捜索用ヘリコプターをイージス艦の航海長らの移送に使っていた上、石破氏の登庁が第1報から1時間半後と判明。参院での予算案審議を前に野党の攻撃材料がそろったためだ。

 新たな初動対応の不手際を聞いた民主党参院議員は1日、「いつの間にか防衛省問題から“石破氏問題”になった。焦点はもはやいつ辞任するかだ」と言い切った。ただでさえ「ねじれ国会」の下、参院での予算案審議は野党ペースで進むことは必至。しかも、石破氏は事故発生以来、防衛省からの第1報の遅れを批判していただけに、自身の初動遅れは釈明が困難だ。
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/politics/79127.html

284片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2008/03/05(水) 10:54:31
海幕長、衝突2分前以降を聴取と強調
 海上自衛隊の吉川幕僚長は、イージス艦事故の当日に、状況を把握するために呼び寄せた「あたご」の航海長に対し、衝突の12分前までに当直を交代していたにも関わらず、自らの目で確認出来ていない衝突2分前以降の状況しか聴取していなかったと強調しました。

 吉川海幕長によりますと、事故後、呼び寄せられた航海長に対する聴取では、衝突2分前以降の状況だけが聴取され、航海長が当直士官として自ら責任をもって見聞きしていた当直を交代する以前の状況については、一切、話題にならなかったと強調しました。

 防衛省では、これまでも「航海長が事故直前まで当直士官だったという認識が無いまま事情聴取した」と説明してきましたが、衝突前の状況を把握していたはずの航海長から当時の様子を聞いていない事に改めて疑問の声が高まっています。

 また吉川海幕長は、海上自衛隊の幹部が航海長に1時間にわたって事情聴取しながら、聴取の内容は一切メモを取っていなかったと繰り返し強調しました。(04日19:10)
http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/jnn/20080305/20080305-00000015-jnn-pol.html

285片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2008/03/10(月) 03:32:02
手綱握る側、大臣1人 聴取は思いつき イージス事故
2008年03月10日03時00分

 海上自衛隊の最新鋭イージス艦「あたご」の漁船衝突は、単なる海難事故にとどまらず、わが国のシビリアンコントロール(文民統制)が機能不全を起こしている実態をさらけ出した。かつてその担い手を自任していた防衛省の文官(背広組)が自信を失い、代わって主導しようとする政治家も危うい試行錯誤の域を脱していない。

     ◇

 「第一報を大臣に入れたら、速やかに司令部的なものを作り、そこで情報を整理し、対応方針を作って共有する体制が本来あるべきだ。だが、防衛省の中の司令部機能がどうなっているのか、外からは全く見えない」

 3日に首相官邸で開かれた防衛省改革会議で、防衛省の内部事情に詳しい委員が鋭く突いた。

 26万人の自衛隊員を擁する防衛省は、今や国内最大の官庁だ。

 「八岐大蛇(やまたのおろち)」とも呼ばれる。事務次官以下の文官を中心とする内局、統合幕僚監部、陸海空自衛隊など、機能も文化も異なる組織が割拠し、バラバラに行動しがちだからだ。

 あたごが衝突した2月19日、「司令部」はどう機能していたのか。

     ◆

 事故発生約2時間後の午前6時18分、増田好平事務次官を長とする「連絡・対策室」が設置された。が、石破防衛相を長とする「対策本部」は作られなかった。

 そこに問題がある、と元防衛首脳は指摘する。「大臣を頭に対策本部を立ち上げると、省全体に緊張感が走り、問題認識が深まる。情報も対策も共有される。さらに陸や空の幕僚長も参加するので、海幕とは異なる視点のアドバイスも得られる」という。

 石破氏も今、その点を反省し始めている。

 「現場の捜索があり、勝浦のご家族、漁協への接し方がある。海上保安庁があり、国会がある。多くの正面を相手としなければならない。統幕や陸空、内局も含めた対策本部はあり得べしだ。あった方が良かった」

286片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2008/03/10(月) 03:32:26
    ◆

 「何と言うか、ふわっとした感じだった」

 思考停止。内局の中枢幹部は、その瞬間の感覚をそう表した。

 事故発生から約8時間後の正午過ぎ。石破氏があたごの航海長から事情聴取したときのことだ。

 大臣室から連絡が入り、次官や局長、統幕長、海幕長ら約20人がぞろぞろと入った。航海長が事故状況を報告し、石破氏が質問する。「メモを取れ」という指示は誰も出さず、列席者の多くはただ聴いていた。

 石破氏の独壇場だ。事情聴取は彼のとっさの思いつきで開かれた。

 午前中の衆院予算委員会の終わり間際に、メモが入った。海幕が航海長をヘリで呼んで事情を聴いている。瞬時に、自分が聴かなければいけないと思った。「自分は文民統制の主体として防衛省にいる。自衛隊の内部だけで聴いたとなると、口裏合わせがなされたという揣摩憶測(しまおくそく)を呼ぶに違いない。それを排除する」

 後日、この日の事情聴取が明るみに出て、記者会見に臨んだ次官は苦渋に満ちた顔で語った。

 「どういう流れでその場ができたのかということを今必ずしも承知していない。記憶にない」

     ◆

 聴取の数時間後の午後5時に、自民党本部で開かれた国防関係合同部会。ここも石破氏の独り舞台だった。

 航海長から聞いた情報をもとに、漁船に気づいたのは「衝突2分前」という状況を詳しく説明した。が、航海長を呼んだ経緯は話さなかった。

 制服組幹部には危惧(きぐ)があった。「事故直後の当事者証言は間違いが多い」という経験則からだ。複数の証言や状況証拠で裏をとる必要があった。

 案の定、その日夜に防衛省で開かれた会議では、もっと早い段階で漁船の灯火に気づいたという他の隊員の証言が報告された。しかし、確認のために発表は翌日まで見送られた。そして「隠蔽(いんぺい)」という批判を、自ら招いた。

 国会議員として比類ない軍事知識を誇り、防衛省で自分一人が「文民統制をする側」と力む石破氏。前次官の汚職事件で傷つき、ひたすら低姿勢の内局。その取り合わせが、危うい「大臣の独走」を生んだ。

     ◇

 〈文民統制〉 民主主義国では政治が軍事に優先する原則の下、政治が実力集団の軍を統制するシステムがとられている。

 日本では、戦前に「天皇の統帥権」を名目に軍部が独走した反省から、国会と内閣による統制に加え、防衛庁の中でも旧内務官僚を中心とした内局による統制の仕組みが作られた。内局の文官(背広組)の幹部が「防衛参事官」として長官(大臣)を補佐し、自衛官(制服組)を統制するシステムだ。この日本型の「文官統制」は、防衛省に昇格した現在も変わっていない。
http://www.asahi.com/politics/update/0310/TKY200803090198.html

287片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2008/03/19(水) 00:38:21
石破氏の組織再編を批判 中谷元防衛庁長官が著書 '08/3/19

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 自民党の中谷元・元防衛庁長官は十八日までに、石破茂防衛相が提唱する防衛省組織改革案について「内局(背広組)と幕僚監部(制服組)を単純に混在させれば素晴らしい結果が生まれると期待するのは安易だ」と批判した著書「誰も書けなかった防衛省の真実」(幻冬舎)を出版した。

 背広組と制服組を統合、再編する石破氏の改革案には、省内だけでなく与党内にも異論が強い実態が浮き彫りとなった。

 陸上自衛官出身の中谷氏は「軍事組織の伝統は大切であり、事務官と自衛官は区別すべきだ」と指摘。その上で「現在の防衛省は内局が力を持ち過ぎている」として内局の運用企画局の廃止や、防衛政策づくりに制服組を現在以上に組み込む組織改革を提案している。

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200803190114.html

288片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2008/11/16(日) 10:37:30
読む政治:前空幕長論文問題(その1) 元首相の名挙げ抵抗 辞職巡り押し問答

会見で記者の質問に答える田母神俊雄・前航空幕僚長=東京都中央区でで2008年11月3日午後8時41分、梅田麻衣子撮影

 航空自衛隊のトップが、過去に日本が近隣のアジア諸国を侵略した事実を懸賞論文で真っ向から否定し、更迭された。より深刻なのは、自説の「正しさ」を盾に、任命権者である防衛相の辞職要請を拒んだことだ。異様な居直りは何を背景にしているのか。

 ◇「間違い認めたことになる」
 田母神(たもがみ)俊雄前空幕長(60)は10月31日に航空幕僚監部付に更迭され、併せて辞表の提出を求められたにもかかわらず、拒否し続けた。「辞めたら間違いを認めることになる」が理由だった。

 浜田靖一防衛相や増田好平防衛事務次官らと押し問答が続く最中、田母神氏は「私の考えは理解されている」として唐突に元首相2人の名前を挙げた。

 増田氏は、元首相らの支援があるかのような田母神氏の姿勢に身構えた。発言を伝え聞いた自衛隊首脳は「武人のすることじゃない」と激怒したという。ただ、政界との関係が焦点化しないよう、やりとりは封印された。

 関係者によると、田母神氏が口にした一人は森喜朗元首相だという。森氏の地元、空自小松基地(石川県)に勤務したことで接点はあった。空自幹部は「森さんは歴代の小松基地幹部と親交がある。田母神さんの空幕長就任時にも森さんから祝い酒が届いた」と話す。

 森氏は12月の懸賞論文授賞式に招待されていたが、今回の騒ぎでキャンセルした。森氏は、近隣諸国の植民地支配と侵略を謝罪した「村山談話」(95年)の取りまとめに自民党幹事長としてかかわった。

 森氏周辺は「田母神氏との思想的なつながりはまったくない」と強調しており、田母神氏は自己の主張を正当化するために元首相の名前を利用し、抵抗したとみられる。

 「我が国は蒋介石により日中戦争に引きずり込まれた被害者」などと断じる田母神氏の歴史観は、突如として形成されたわけではない。統合幕僚学校長時代(02年12月〜04年8月)、空自幹部学校の機関紙「鵬友」に載せた論文に痕跡がある。

 「航空自衛隊を元気にする10の提言」で、田母神氏は「(戦前の歴史で)一番悪くない日本が一番悪く言われている」「身内の恥は隠すもの」「我が国の歴史に対する贖罪(しょくざい)意識を持っているようでは部隊を元気にできない」などとつづっている。

 提言に基づき、統幕学校では03年度から「国家観・歴史観」の講義が設けられ、現在も陸海空3幹部学校の合同統合教育として続けられている。大学教授、作家、ジャーナリストら外部講師が招かれてきたという。

 独善的な歴史観を公言する自衛隊幹部が「容認」され、昇進を重ねてきたことに問題の根深さがある。

毎日新聞 2008年11月9日 東京朝刊
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20081109ddm001010054000c.html

289片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2008/11/16(日) 10:37:57
読む政治:前空幕長論文問題(その2止) 「危険人物」不安現実に
 <1面からつづく>

 「文民統制上、今回の一件はイージス艦の事故以上にダメージが大きい」と防衛省内局の幹部は嘆く。今年7月に出た防衛省改革会議の報告書を踏まえ、背広組と制服組が並立的に政治を補佐する新たな文民統制を模索していたためだ。

 出はなをくじいた田母神(たもがみ)俊雄前空幕長は一体どんな人物なのか。

 出身は福島県。71年に防衛大を卒業し、航空自衛隊では青森県三沢基地や石川県小松基地などでの勤務を経て、昨年3月に航空幕僚長に就任した。収賄で実刑判決を受けた守屋武昌前防衛事務次官の人事だった。

 東北なまりの残るぼくとつとした口調で、ユーモアを交え、歯に衣(きぬ)着せぬ発言を繰り返した。田母神氏をよく知る空自幹部は「この人のためなら水火も辞さずと思う」と語る。

 そんな田母神氏が、今回の懸賞論文を主催した総合都市開発会社「アパグループ」の元谷外志雄(もとやとしお)代表(65)と知り合ったのは小松基地勤務時代だ。小松出身の元谷氏は、空自小松基地金沢友の会の会長を務めていた。

 2人を知る関係者によると、元谷氏が懸賞論文を企画したのは、「財を成したんだから、社会に還元したらどうですか」と田母神氏が進言したことが契機だったという。ただ、最優秀賞になった田母神氏の論文「日本は侵略国家であったのか」は、「引用ばかりで低レベル。出来レースではないか」といぶかる声も防衛省内にはある。

 ◇言動に官邸懸念
 「そんな講演はやめさせろ。何を言うか、分からんぞ」

 今年5月、二橋正弘官房副長官(当時)は防衛省の中江公人官房長を一喝した。田母神氏が5月24日に東京大の「五月祭」で講演する予定だと、報告を受けたためだ。

 田母神氏は4月18日、名古屋高裁がイラクへの空自派遣を違憲認定したことを受け、流行のコメディアンをまねて「そんなの関係ねえ」と記者会見で発言。首相官邸は平静を装ったが、実際は「危険人物」とみていた。

 「田母神が余計なことを言って問題になった時、『官邸に連絡した』と言い訳するのか。ふざけるな」と二橋氏の怒りは収まらなかったが、石破茂防衛相(当時)が事前に講演内容をチェックし、「質疑応答はなしだ」とくぎをさしたと聞き、渋々講演を認めた。

 田母神氏の言動を懸念しながらも、手を出しあぐねた官邸の「不作為」が浮かび上がる。

 講演当日、田母神氏は「爆弾発言を期待している方もいるかと思いますが」と笑いを誘った。歴史については「日本が侵略国家だったから戦争になったという見方が飛び回っているが、そうではないという見方もある」などと断言を避けた。

 ◇前空幕長「300万円取ったんです」 自ら論文を配り歩く
 騒動は10月31日午後3時過ぎから始まった。定例記者会見を終えた田母神氏は、防衛省A棟11階の大臣室や次官室を訪ね、受賞論文を配り歩いた。同じころ、防衛省記者室にニュースリリースと論文が配られた。

 「賞金300万円取ったんです」。田母神氏は増田好平事務次官に胸を張ったという。増田次官と中江公人官房長は、渡された論文を読み「これはまずい」と直感し、地元・千葉にいた浜田靖一防衛相に通報。午後4時には首相官邸にも連絡した。

 夕方、議員会館に戻った浜田氏は電話で「論文の内容は幕僚長として問題ですよ。辞表を持って来られたらどうですか」と田母神氏に通告した。しかし、返事は「間違っていますかね」だった。防衛省に戻った浜田氏は午後10時に更迭を表明。人事は深夜の持ち回り閣議で承認された。

 空幕長は解任したものの、空将としての田母神氏の身分は残った。首相官邸は6000万円に上る退職金への批判を懸念し、懲戒免職にこだわった。

 公務員の懲戒には審理が必要だが、通常は本人が審理を辞退するため、翌日には処分が下る。しかし、岩崎茂空幕副長らの聴取に、田母神氏は「自分の正しさを堂々と議論する」と争う姿勢を見せた。

 政府高官は、河村建夫官房長官に「処分に持ち込むのは無理です」と報告。「田母神氏が制服姿で持論を訴えたら致命的だ」と考えた防衛省は3日夕、田母神氏の定年延長を打ち切り、退職させた。

 アパの懸賞論文に応募した航空自衛官は田母神氏以外に94人。空幕教育課はアパの応募要領を全国の部隊にファクスしていた。組織的な関与があった可能性は否定できない。

 田母神氏は11日、参院外交防衛委員会に参考人として招致される。大量応募の背景や自衛隊での歴史教育内容などが焦点だ。

    ◇

 編集委員・古賀攻、古本陽荘、松尾良、白戸圭一が担当しました。

毎日新聞 2008年11月9日 東京朝刊
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20081109ddm002010103000c.html


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