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日本諸分野外交

294片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2008/05/31(土) 15:58:58
空自輸送機派遣を見送り/中国の世論を読み誤る

 政府は三十日、中国の四川大地震被災者への救援物資輸送で、航空自衛隊輸送機の派遣見送りを正式に発表した。中国側から支援要請を受け、近年の日中関係の改善ぶりもアピールできると派遣準備をしていたが、中国国内で「反自衛隊」のインターネット世論が沸騰。日中両政府とも、歴史認識に絡む中国国民の複雑な感情を読み誤った。日本政府の詰めの甘さも浮き彫りに。迷走の舞台裏を検証した。

 ▽報道先行

 「官房長官が記者会見で発表したいと言っているから、中国側と調整してほしい」。二十八日正午すぎ。外務省幹部に官邸から電話が入った。空自機派遣構想が一部で報道された直後だった。中国側から北京の日本大使館に支援要請があったのは二十七日で、まだ細部は詰め切れていなかった。幹部は慌てて同大使館などとの連絡に追われた。

 二十八日午後四時、記者会見で町村信孝官房長官は「自衛隊のテント、毛布を自衛隊機で中国の空港まで運んでもらいたいとの趣旨」と説明。「できるだけ早く答えが出るよう検討を急いでいる」と派遣方針を公言した。

 会見内容を聞いた外務省幹部は「最終的な話はまだ中国から来てない」と不安を漏らした。

 政府筋はその日の夕方「空自のC130輸送機を使う」と明言。「送ったテントを張るのを自衛隊員が手伝うこともあり得る」とまで口にした。

 日米関係と並び日中関係を重視する福田康夫首相は、十二日の地震発生直後に「できるだけの支援を行う」とのメッセージを胡錦濤国家主席に送り、十五日に国際緊急援助隊、二十日には医療チームを派遣。着々と支援実績を積み上げただけに、政府内では中国国民の反発を招きかねない空自機派遣も「受け入れてもらえる」と楽観ムードが漂っていた。

 ▽予想外

 二十九日付の各紙朝刊に「空自機派遣」の見出しが躍った。政府関係者は「空自機はあくまで手段でしかないのに」と戸惑ったが、中国のネット世論は沸騰していた。

 「先祖を虐殺した日本軍には一歩も祖国の大地を踏ませない」「鬼子(日本人の蔑称(べっしょう))がやって来たら撃ち殺そう」―。

 中国国内のウェブサイト掲示板に空自機派遣阻止を訴える意見が殺到。天安門事件後の一九九〇年代に強化された反日・愛国主義教育を受けた若い世代が中心とみられ、今月前半の胡主席訪日前後から中国政府が意識的に盛り上げた日中友好ムードを吹き飛ばした。

 矛先は中国政府にも向かった。中国外務省の秦剛副報道局長が二十九日、日本と派遣問題で協議していると認めると「政府が人民の側に立たないなら、新たな五・四運動(一九一九年の抗日運動)を起こす」(「中華網」掲示板)と決起を呼び掛ける声さえ上がった。

 中国軍関係筋によると、胡主席をトップとする中央軍事委員会が地震発生後、援助物資輸送に効果的であれば、外国軍用機の投入も構わないとの方針を決めた。同筋は、国防省当局者の間では自衛隊機派遣受け入れも当初から念頭にあったと明かす。だが、政府・共産党がメディアを厳しく管理する中国で、比較的自由なネットの書き込みは「世論をみる重要なバロメーター」(中国報道関係者)だった。

 ▽撤回

 「二十九日に石破茂防衛相からの準備命令、三十日に派遣命令と先遣隊派遣、三十一日早朝に輸送機の第一便出発」。防衛省はこんなシナリオで準備を進めていた。

 しかし、二十九日午後になってもゴーサインは出なかった。「無理しなくてもいい」(政府筋)。派遣を強行するよりも民間チャーター機で救援物資を届ける方がよい―。同日深夜、派遣見送りが決まった。

 中国政府関係者は「日本側が報道しなければ、日中は最高の連携をアピールできた」と述べた。外務省幹部は「大使館ルートでちゃんと話をしていた。表に出るのが早すぎた」と唇をかんだ。中国世論とどう向き合うのかという課題が日本政府に突き付けられた。
http://www.toonippo.co.jp/tokushuu/danmen/danmen2008/0530.html


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