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地方選挙・地方政治
870
:
片言丸
◆MACDJ2.EXE
:2006/11/15(水) 22:56:11
連載<下> 続投・幸山市政 讀賣熊本
12日夜、熊本市上通町に設けられた元県総務部長・佐藤達三(61)の開票報告会場。現職・幸山政史(41)の再選を報じるテレビニュースが流れると、支持者らは一斉に静まり返った。市選管が開票を始めた午後9時半から間もなくのことだった。
「驚いた。こんなに早い段階で当落が決まるとは思わなかった」
記者に囲まれた公明党県本部幹事長・城下広作は、予想外の大敗に動揺を隠せなかった。「結果的に、現職の1期4年の実績が市民に評価されたと思うしかない」。中央での自公連立の流れを踏まえ、両党は国政並みの組織選で県都奪還に臨んだだけに衝撃は小さくない。
2002年の前回選挙で自公が保守、社民両党と相乗りして推薦・支持した当時の現職は1万6424票差で幸山に敗れた。今回は事実上、政党の支援を受けない草の根型の幸山と、自公の組織選挙との対決となり、結果は8万票もの大差。自公は幸山に連敗を喫し、都市部での組織力に不安を残した。
「市長選という独特の雰囲気というか、党派ではなく、市民に近いところでの判断というのをまざまざと見せつけられた」と、自民党県連幹事長・西岡勝成はつぶやいた。報告会場では、テレビが出口調査の結果、自民党支持層の半数が幸山に投じたと繰り返し報じていた。
自公は市長選を来年の統一地方選、参院選の前哨戦と位置づけ、自民党参院幹事長・片山虎之助や外相・麻生太郎ら大物議員を投入し、推薦した佐藤と政権与党とのパイプの太さを市民にアピール。国民に人気の高い首相・安倍と佐藤が笑顔で握手するチラシを作り、「追い風」を吹かせようと躍起になった。
◇ ◇
04年の参院選熊本選挙区(改選定数1)では、自民党参院議員・木村仁が41万1542票で民主党候補をかわして当選したが、熊本市での得票は11万6731票にとどまり、同党候補を2万931票下回った。国政選挙と地方の首長選とを単純比較はできないが、与党の集票力が低下していることは否めない。
政権交代を最大のテーマに、天下分け目の戦いと言われる来年夏の参院選。自民党は現職・三浦一水の公認を決め、熊本選挙区に臨む。一方、民主党は公認候補の擁立を急いでいる。
県人口の3分の1を占める熊本市。全県選挙区での選挙では、この県都の票の行方が勝敗を左右する。
「自民票が現職に流れ、責任を感じている。だが、自民党支持者そのものは多い。(地方選挙と)国政選挙は別だから、これから引き締めていきたい」。西岡は参院選に向けて、巻き返しを誓った。
(敬称略。この連載は松枝研介が担当しました)
(2006年11月15日 読売新聞)
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