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地方選挙・地方政治
869
:
片言丸
◆MACDJ2.EXE
:2006/11/15(水) 22:54:47
市中心部 新旧せめぎ合い
「票守れ」地盤固めに全力 讀賣鳥取
「これだけ攻められたら票が守りきれん」。現職22人、新人11人が立候補を予定している旧鳥取市。商店が立ち並ぶ中心部が地盤の現職は、合併後、初めて全市を選挙区にして行われる市議選に危機感を募らせる。
編入合併した8町村の有権者数が約4万人なのに対して旧市は約12万人。周辺部の予定者が票の上積みを目指して、旧市内に攻め込んでくるのは当然で、旧市の予定者は、前回の票数を維持するのが難しいという。
この現職の場合、4年前は1、2回だった支持者宅へのあいさつ回りを、今回は地元の世話人と一緒に、すでに4、5回行った。「これまで以上にこまめに回って、代理ではなく、本人がお願いするしかないんですよ」と胸の内を話す。
「票の目減りは避けられない。当選するためには、背に腹は代えられん」。旧鳥取市南部を地盤とする現職は、今回で引退を表明した会派の違うベテラン議員に頭を下げ、この議員の地元である市西部を連れて回ってもらった。
ともに保守系だが、議会活動は市長派と反市長派で、議場で賛否が異なることが多々あった。「格好をつけても、しようがない」と苦笑いを浮かべる。
4年前、企業の組合支援を受けて当選した現職は、前回は、朝だけだった同社通用門でのあいさつを、夜勤の社員が出社して来る夜にも取り入れた。
「これまで有権者ではなかった旧郡部の社員も含め、一人でも多くに名前と熱意を知ってもらわないと。そうでないと当選はおぼつかない」と打ち明ける。
選挙区は237平方キロから3・2倍の765平方キロになり、4月の市長選では、竹内功市長が「選挙期間中、全部を回ることができなかった」と打ち明けるほど広がった。旧郡部からの攻勢に対し、旧市から出馬を予定している各陣営からは外に打って出ることに、ためらいがみられる。
ある新人は「知人を通して旧町村にあいさつに行ったが、反応はなかった」と話し、別の新人は「旧町村には血縁がなく、知人を頼りに行っても支持が得られるか分からない。だから中心部を重点的に回る」とまで言い切る。数回当選している現職も「選挙中の演説日程は組めていないが、全部回るのは現実的には無理だし、『お前は誰だ』という顔をされるのは目に見えているので、郡部は初めから捨てている」と話す。
さらに、こうした激戦に、「後継者不在」が追い打ちをかける。
旧市内の多くではこれまで地域推薦があり、勇退する議員は後継者を作っていたが、今回は引退する10人のうち8人が後継者を作らずに一線を退く。
住民の世話をしていた「まとめ役」が高齢化などで少なくなり、勇退議員が「当選させる責任が持てない」として後継者を作らなかったのが理由で、この結果、候補者不在が予想される地区も出てきた。
そうした地区は、中心部、周辺部を問わず予定者が入り込んで来て草刈り場状態。市西部の70歳代の男性は「残念だけど、仕方ない。これから誰に入れるか決めます」と話した。
◇
旧8町村を編入合併して人口約20万人と山陰最大の都市となった鳥取市の市議選(定数36)は19日、告示される。現在のところ、現職44人中33人、新人20人の計53人が立候補の動きを見せているが、59人で争った1954年以来、最多の立候補者が予想されており、票の行方は混沌(こんとん)としている。県都の市議選を追った。
(2006年11月15日 読売新聞)
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