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地方選挙・地方政治
821
:
片言丸
◆MACDJ2.EXE
:2006/11/10(金) 08:45:28
沖縄知事選ルポ、支持固めに離島巡りも 讀賣沖縄
在日米軍基地再編に大きな影響を及ぼす沖縄県知事選の投開票(19日)まで残り10日。糸数陣営は、米海兵隊普天間飛行場(宜野湾市)のキャンプ・シュワブ沿岸部(名護市)への移設に強く反対しているが、仲井真陣営は経済振興に重点を置き、基地問題のみに焦点があたるのを避ける戦術を採る。(政治部 今井隆、那覇支局 山田真也)
6日昼、国会内で開かれた政府と自民党幹部による会合で、中川幹事長は石原伸晃幹事長代理に、渋い表情で語りかけた。
中川氏「離島に行ってきてくれ。小沢効果が出ている」
石原氏「行ったら、3日帰って来られませんよ」
中川氏「行ってくれ」
石原氏「わかりました」
民主党の小沢代表は2日の告示日、与那国、波照間、宮古島など離島を巡り、支持を訴えた。中川氏のもとには「離島ではじわり糸数氏有利」との情報が届き、石原氏に急きょ、指示を出したのだ。石原氏は来週半ばにもチャーター機で離島に向かう予定だ。
10月の衆院統一補選で「連敗」した民主、共産両党は、知事選を形勢挽回(ばんかい)の契機にしようと、国政選挙並みに力を入れている。
6日夜、那覇市内で開かれた糸数氏の演説会には、民主党の赤松広隆副代表、共産党の志位委員長らが顔をそろえ、一様に普天間移設の政府案を批判した。糸数氏も「基地を恒久化して戦争への道を進むのか」と声を張り上げた。
沖縄戦跡を巡る「平和バスガイド」の経歴を持つ糸数氏は、「反日米安保・反自衛隊」が持論で、一貫して「普天間基地の即時撤去・県外移設、キャンプ・シュワブ沿岸部への移設阻止」を訴える。ただ、保守系の「政党そうぞう」(代表=下地幹郎衆院議員)の支持も受けているため、選挙戦に入ってからは、日米安保体制や自衛隊を全面否定する発言はほとんど聞かれない。
糸数氏は、2004年参院選で自民党候補に10万票近い大差で圧勝し、高い知名度を持つ。今回は革新票に加え、下地氏の支持による保守票上積みを図る。
「(現知事の)稲嶺県政の継承」を旗印とする仲井真陣営は、基地問題が前面に出た選挙戦では、県民に根強い「反中央・反基地感情」に火をつけ、「糸数ペース」に引き込まれると警戒している。
仲井真氏は10月30日に普天間飛行場の県内移設を容認する考えを記者団に示したものの、それを選挙戦で積極的に訴える姿勢は見せない。その分、「観光、情報技術(IT)、企業誘致、地場産業支援による雇用創出」を唱え、「失業率を全国平均以下に」との目標を掲げる。支持母体となる経済界や、自民党・公明党の組織票を固める手堅い選挙戦術だ。
政府は知事選後、早急に普天間代替施設に関する国、県、関係市町村による協議会を開催し、建設計画の承認を得たい考えだ。
「仲井真知事」が実現した場合、協議会の場で建設計画の修正や振興策の拡大などの条件を巡って議論が行われると見られる。「糸数知事」の場合は、協議会に出席しても政府案に反対し、議論は平行線をたどるとの見方が強い。
ある防衛庁幹部は「仲井真氏なら、協議会で決着できるだろう」と語る一方、「糸数氏の場合は、公有水面埋め立て許可の権限を県知事から国に移す特措法を制定し、移設を強権的に進めるしかない」と述べ、祈るような表情を見せた。
□ □
沖縄知事選立候補者(届け出順)
糸数 慶子 59 無新 前参院議員(推薦=民主・共産・社民・国民・日本)
屋良 朝助 54 諸新 琉球独立党首
仲井真弘多 67 無新 前沖縄電力会長(推薦=自民・公明)
(2006年11月10日 読売新聞)
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