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地方選挙・地方政治
768
:
片言丸
◆MACDJ2.EXE
:2006/11/02(木) 16:16:52
終幕へ:知事引退の影響/中 揺れる各業界 残された課題、思惑交錯 /岩手
http://www.mainichi-msn.co.jp/chihou/iwate/archive/news/2006/11/02/20061102ddlk03010234000c.html
「なにが『ご協力をいただきたい』だ。あの時はもう辞めるつもりだったんじゃないか」
馬主は怒りをあらわにする。岩手競馬の管理者、増田寛也知事の勇退を知り、言葉を失ったという。
9月23日。盛岡競馬場で、馬主や調教師、職員を集め、競馬再生に向けて思いを語っていた。単年度で赤字を出せば事業廃止。増田知事は「退路を断った案だ。チャンスはあるので協力してほしい」と、競馬再生を呼びかけた。
残り任期の最重点課題に岩手競馬の再生問題を挙げる。「次の知事が難しい判断をするのではなく、現段階ですべて枠組みを作る」と明言した。今月20日の競馬組合議会で、コスト削減を柱とした経営改革案の成案を示す。同組合の金融機関からの借入金など330億円を県と盛岡、奥州両市の基金を取り崩して融資に切り替える案も示した。
関係者は「知事が不出馬の姿勢をはっきり示したことで、競馬が政治の駆け引きに使われることはなくなる」と分析。「県民にとって何が一番プラスなのか冷静な議論が出てくる」と期待する。
違う見方もある。ある競馬組合議員は「次のない知事の求心力は弱くなる。議会に計画を認めさせるのにトップの存在感は不可欠。知事の覚悟一つだ」と厳しい先行きを予想する。
別の分野から知事勇退の影響を懸念する声もある。公共工事の削減、県発注工事をめぐる談合事件での排除勧告と、逆風が続く建設業界。01年度に2680億円だった普通建設事業費は、06年度には半分以下の1334億円まで減った。「県財政は誰が知事でもひっ迫している。民主党の達増拓也衆院議員が知事になるとさらに、公共工事が減らされる可能性もある」と県南の建設会社幹部。「自民から一定の評価を得る増田氏の方が、(野党の)達増氏よりも国発注工事が下りてきやすい」と話す。
愛知への波紋の広がりを心配する声もある。県が宮城、山形両県と合同で8月に愛知県豊田市で開いた自動車産業の商談会に参加した部品メーカーの社長は「渡辺捷昭(トヨタ)社長と談笑する増田さんを見て、トヨタと岩手のつながりを感じた。増田さんのようなトップが代わることは、我々にとってリスクの一つ」と話す。県は「誰が知事になろうとも自動車産業の重要性は同じ」(菅原和彦産業振興課総括課長)と従来通りの方針に変わりないことを強調している。【念佛明奈、林哲平】
毎日新聞 2006年11月2日
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