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地方選挙・地方政治
754
:
片言丸
◆MACDJ2.EXE
:2006/11/01(水) 07:38:24
【不出馬の衝撃】<下>のしかかる課題
地方振興、競馬・・・・道半ば 讀賣岩手
「知事が交代しても、県北沿岸振興が大きな課題であることに変わりはない。増田知事も全力を挙げると話しているので、我々も頑張ろう」。31日、県庁で開かれた県北地方と沿岸地方の振興策を話し合う会議で、県の藤尾善一・地域振興部長は、出席した約20人の担当者を前にこうあいさつした。
両地方の振興は、増田知事が「県が抱えてきた長年の課題」と指摘し、残り任期の最重点課題に挙げた。ただ、振興策は今年9月に基本方針案が定まったばかり。市町村ごとに数値目標を定めた項目はあるものの、公共事業や市町村の枠組みを越えた施策は白紙のままだ。
県の出先機関の地方振興局の再編でも、沿岸と県北は当面、現在の地方振興局を維持したが、振興策と合わせて具体化の作業はこれから。来春の知事選では実効性のある振興策をいかに作れるか、その手腕が各候補に問われることになる。
新知事のもう一つの課題は県財政の立て直しだ。2005年度末の県債残高は1兆4012億円に上る。
とりわけ、県競馬組合の再建問題は、逼迫(ひっぱく)する県財政に大きな影響を与える。増田知事は単年度収支の均衡を組合存続の条件に設定する方針を示し、「方針に従えばこれ以上、赤字が拡大することはない」と断言する。しかし、仮に競馬事業の赤字が続けば、改めて存廃の判断を迫られることになる。
競馬組合再建のため、金融機関からの借入金など330億円を、県、盛岡市、奥州市の融資に切り替える計画案は、県の財政運営を硬直化させるという指摘もある。災害など緊急時の財政支出に備える基金が、100億円程度まで目減りする可能性があるためで、いずれにせよ、新知事は綱渡りの財政運営を余儀なくされそうだ。
県組織全体の見直しも喫緊の課題だ。増田知事は、現在約4600人いる知事部局の職員を2010年度までに4000人弱に縮小し、財政規模も一般会計予算を7400億円から7000億円程度まで削減する考え。ただ公共サービスの低下を批判する声もあり、新知事の姿勢が問われる。
それぞれの課題を担う県職員は、知事の不出馬表明にも、「増田知事が今の方針を撤回しない限り、我々は決まった道を進むだけ」と、淡々と業務を進めている。積み残される課題の解決は、新たな県政に重くのしかかることになる。
◇
この報告は、塩見尚之が担当しました。
(2006年11月1日 読売新聞)
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