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地方選挙・地方政治
352
:
片言丸
◆MACDJ2.EXE
:2005/11/11(金) 00:49:59
フェロシルト問題は中部地方全般に広がっている。
岐阜県瑞浪市の国道19号から南へ約二キロ。山あいの道を抜けると谷間に突然、運動場ほどの広さの真新しい造成地が現れる。この造成地は約一万トンのフェロシルトを使って造られた。
六価クロムなどの有害物質が検出され問題化してからは表面が覆土され、現在はフェロシルトを見ることはできないが、当初は赤茶けた表面がむき出しのまま放置されていた。
瑞浪市の西に隣接する同県土岐市では、国道21号脇の急斜面にフェロシルトが運び込まれた。付近住民の話では、夜明け前にダンプカーが現場に現れ、斜面の上から捨てるようにしてフェロシルトを落としていったこともあるという。
この現場では雨の日にフェロシルトが付近を流れる定林寺川に流れ出し、川底を赤く染めた。地元住民は「まるで産廃の不法投棄のようだ」と憤る。
愛知県では瀬戸市で約二十三万トンが埋め立てられているのが判明したほか、二十七日には愛知万博長久手会場から西に約二百メートルの山林でも約一万三千トンが埋められていることが確認された。
今後問題になってくるのはナゴヤドーム半分にあたるその量だ。愛知、岐阜、三重県は、この「リサイクル製品」を産業廃棄物として扱う方針だが、そうなると同法に基づく指定業者が最終処分場まで運ばねばならない。しかし、既に処分先から「成分が分からない」として拒否されるケースもあり、石原産業が「一、二年かかる」とする撤去期間も不透明なのが実態だ。
今月十二日、岐阜県の古田肇知事は、フェロシルト製造元の石原産業をこう激しく非難した。「言語同断。強い憤りを感じ、法的措置を含めて検討する」
フェロシルト問題で奇妙なのは、もともとは産業廃棄物の汚泥だったのに、加工したとはいえどうして埋め戻し材として商品になりえたのかだ。産廃と商品(有価物)はどう区別されるのか。
環境省産業廃棄物課の担当者は「有害でも再生利用は可能という場合があり、一概に毒性があるから再生不可能とはできない。その物の状態をよく把握している各自治体の担当部局がしっかり判断するしかない」と明かす。
とはいえ、今年七月に出された最新の「指針」には、「本来廃棄物たる物を有価物と称し、法の規制を免れようとする事案が後を絶たない」と、汚泥とフェロシルトの関係に当てはまるような記述もあり、「自治体レベルで有害性の有無を厳密に判断するのは無理。とすれば国の機関で統一的な審査、認証を出すべきとの指摘は確かにある」(同省職員)という。
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