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地方選挙・地方政治
278
:
片言丸
◆MACDJ2.EXE
:2005/10/13(木) 01:19:07
青森県財政改革プラン わずか2年で軌道修正
http://jyoho.kahoku.co.jp/member/news/2005/10/20051012t21009.htm
青森県は11日、「中期的な財政運営指針」を発表した。三村申吾知事が策定した県財政改革プラン(2004―08年度)が、国・地方財政の三位一体改革に伴う地方交付税削減の直撃を受け、最終年度に掲げた「財源不足解消による収支均衡」「基金残高380億円以上」などの数値目標達成が困難となったため。新指針は収支均衡の達成を10年代半ばに先延ばしし、人件費など歳出の8割以上を占める義務的経費の圧縮をうたったが、具体的な数値目標は定めなかった。
新指針は、目指す方向として(1)短期的には財政再建団体への転落回避(2)中期的(08年度まで)には元金ベースでのプライマリーバランス(基礎的財政収支)の黒字化(3)長期的(おおむね10年後の10年代半ばをめど)には収支均衡の確立―を新たに定めた。
収支改善策の柱は「中期的視点に立った、公債費や人件費など義務的経費の改革推進」。公債費は一定の規律を設けて単年度の突出を避け、平準化して管理する。人件費は、08年度までに約800人の職員を削減する計画をその後も「引き続き適正化」する。
ただ、県財政当局が同日示した中期財政試算によると、新たな指針通りに進めても、県の貯金に当たる主要4基金の残高は、08年度末時点でわずか8億円に減少。ピーク時の1804億円(1994年度)を食いつぶす計算で、綱渡りの財政運営を強いられそうだ。
三村知事は11日の記者会見で「県財政は激変の連続に直面している。指針は財政改革プランのモデルチェンジに相当し、具体的メッセージと揺るぎない決意を再度示したものだ」などと説明した。
県は同日、新指針を踏まえ財源不足額の圧縮に努力することなどを基本とした06年度当初予算の編成方針も示した。
◎財政新指針 明確な将来像示せず
【解説】青森県が中期的な財政運営指針を新たに打ち出したことは、三村申吾知事が就任した一昨年、「不退転の決意」(議会答弁)でまとめた県財政改革プランが事実上破たんしたことを意味する。プランによる我慢の先にあるはずだった県民の希望の明かりは一層遠のいた。新たな指針も、明確な羅針盤とは言いづらい。
三位一体改革に伴う地方交付税の大幅削減は確かに、「プランに沿って出陣したら、国からミサイルを撃ち込まれたような」(三村知事)想定外の事態だったに違いない。「5年先の財政は見通せない。単年度ごとにやりくりせざるを得ない」(自民党県議)という事情も分かる。
ただ、三村知事が「わくわく10」と名付けた雇用・経済刺激策は経費がごく限られ、効果は限定的。「製造業誘致などで税収を底上げするような根本的な施策が見えない」(民主党県議)ため、相対的に核関連の税収に比重が置かれる構造から抜け出せずにいる。
新指針により、県民が新たな「痛み」を受ける恐れもある。三村知事は、公共工事への依存度が高い建設業など地元産業界の構造転換を急ぐとともに、指針になかった県職員の定数、人件費について一層の削減目標を示さなければならない。
(青森総局・佐藤英博)
2005年10月11日火曜日
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