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地方選挙・地方政治
2177
:
片言丸
◆MACDJ2.EXE
:2008/02/09(土) 01:06:34
再編の是非:出直し山口・岩国市長選 旧町村部、基地問題より地域活力
◇過疎・高齢化進む旧町村部
米空母艦載機部隊移転の是非を争点に、10日投開票される山口県岩国市の出直し市長選。市民が示す民意が全国的に注目される中、その視線に戸惑う住民もいる。06年の合併で、「基地の街」に組み入れられた旧7町村では、過疎化や高齢化が進み、市の財政難も行政サービスの低下に拍車をかけている。旧町村の住民たちは、争点とは異なる視点から今回の選挙を見つめている。【島田信幸】
市街地から車で50分走ると、人口約4800人の旧美和町に着く。高齢化率は約37%。町内に二つある小学校の児童数は計約250人に過ぎない。
小雪の中、県道前の広場には、地元ソフトボールチームの子供たちの歓声が響いていた。コーチの坂本剛さん(40)は「ここでは男子はソフト、女子はバスケットボール。競技を選べるほど、児童も指導者もいませんから」と苦笑した。
旧美和町では、合併後の経費削減策で補助金が削られ、隣町の小学校を加えた3校合同の水泳と陸上の大会が中止になった。高齢者を対象にした「シルバー運動会」も合併前の05年を最後に途絶え、市の財政難の影響は高齢者にも及んでいる。
合併前、旧岩国市には約600億円の借金があり、合併後は旧町村分を加えて約1000億円を超えた。さらに三位一体の改革で地方交付税なども前年度より9億円減少。その構図は全国の地方都市と変わらない。だが、市は合併の最大の恩恵だった特例債の一部を、国が止めた市庁舎建設費の穴埋めに使い、「過疎対策費が減る」という不満が出るようになった。
市の財政難について、移転容認の立場の福田良彦候補(37)は「どの役所のどの扉をたたけば、予算が付くか知っている」と、国とのパイプを強調。これに対し、反対の立場の井原勝介候補(57)は「行政改革をすれば、借金は必ず減る」と訴える。
中止になったシルバー運動会は、地区対抗で優勝旗を争い、応援合戦もあった。華やかなりしころの思い出を振り返りながら、地区の老人は「財政が苦しいのは理解できる。基地問題に比べれば、小さなことかもしれない。だが、交流こそが地域の活力だった」と嘆いた。
毎日新聞 2008年2月7日 西部朝刊
http://mainichi.jp/seibu/seikei/news/20080207ddp041010028000c.html
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