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地方選挙・地方政治
1559
:
片言丸
◆MACDJ2.EXE
:2007/05/24(木) 00:02:38
格差の現場:07年知事選の争点/中 自治体の財政健全化 /青森
http://www.mainichi-msn.co.jp/chihou/aomori/news/20070523ddlk02010196000c.html
◇存亡かけ住民負担増−−頼みの県も余裕なく
今別町で民宿を営む86歳の男性。足腰がすっかり弱くなり、妻と2人だけでは客をもてなせなくなった。今では1日1組に限定し客を泊めている。
その1組のために、民宿にある二つの風呂を沸かす。月々の水道料は最盛期の夏場で月1万円程度。それが今年6月以降は3000円以上も値上がりする可能性がある。町の財政健全化計画が理由だ。
今別町は今年度、北海道夕張市のような財政再建団体への転落を防ぐため、大胆な財政健全化計画案をまとめた。計画では、現在57万5000円の町長報酬を約65%カットし、20万円へ引き下げる。職員給料や町議報酬も削減する。
だが、それだけではなかった。水道料金を約35%も値上げするなど、住民にも大きな負担を強いるのだ。同町の阿部義治・副町長は「町の存亡をかけた計画。住民には理解してほしい」と訴える。
計画は6月から順次実行される予定。中央と地方だけでなく県内の都市部と郡部の間で、住民は二重格差を実感している。
◆
財政破たんを未然に防ぐ目的で、国の「自治体財政健全化法案」が09年度から導入される見込みだ。第三セクターや事業会計を含めた連結ベースの赤字比率など四つの指標で、08年度決算分から公開される。国が今後定める基準を一つでも超すと、財政健全化計画の策定や外部監査が求められる。さらに深刻であれば、現在の財政再建団体に該当する財政再生団体に移行する。
今別町の場合、標準財政規模に対する連結ベースの累積赤字の割合を示す「連結実質赤字比率」が、06年度決算で23・6%になる。既に町が20%と想定する国の基準値を超えている。放っておけば12年度には73・1%になる。
町財政を追いつめたのは、国の三位一体改革などに伴う地方交付税の削減だ。ピークだった99年度に17億4300万円だった交付額は、06年度は11億6900万円になり、6億円近く減った。
国を頼れなくなった今、県に救済を求める市町村は多い。だが、県も1兆2744億円の県債残高を抱え、市町村を救済する金銭的な余裕はない。
◆
1955年に8000人を超えた今別町の人口は3878人(3月末時点)にまで減り、高齢化だけが進んでいる。町は今年度、2015年度開業予定の北海道新幹線新青森−新函館間開業に伴い、同町内に建設される奥津軽駅(仮称)の開業効果を生かすため、新幹線対策の専従職員2人を置いた。阿部副町長も「観光振興策を早めに見つけたい。町の税収を上げる大きなチャンスだ」と意気込む。
町民全体が「痛み」を我慢した先にバラ色の未来は待っているのか。財政危機の町で模索が続いている。【村松洋】
毎日新聞 2007年5月23日
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