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地方選挙・地方政治

1475片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2007/03/08(木) 08:25:22
先見えぬ靴の街 台東区長選ルポ
進む職人高齢化止まらない廃業 讀賣東京

 統一地方選に先駆け、台東区長・区議選が11日告示、18日投開票の日程で行われる。対決構図の固まった都知事選が脚光を浴びているが、前区長(2月8日任期満了)と2新人が名乗りを上げている台東区長選も、統一選の行方を占う選挙として注目される。告示を前に、街が直面する課題を追った。まずは地場産業の現場から。(水野哲也)

 狭い路地に小さな作業場が軒を連ねる台東区北部。靴製造業者や皮革関連の中小企業が多い。

 「もう昔みたいに仕事をこなせなくなった」。靴職人として50年近く働いてきた男性(77)は4年前に仕事を辞めた。「職人仲間はみんな60〜70代。若い人は職人にならないし、あと10年もすれば、街から靴職人がいなくなるよ」。かつて靴問屋でにぎわい、今はマンションやコンビニが並ぶ表通りを、寂しそうに眺めた。

 台東区はものづくりの街だ。特に革靴の生産は全国一で、中小・零細企業が街の活気を生んできた。その地場産業が今、高齢化の中であえいでいる。

 東都製靴工業協同組合の加盟社数は1985年ごろには350を超えていたが、現在は162。「毎年10社程度が組合を脱退していく。その半数は、高齢化による廃業だ」。事務局長の櫛原琢也さん(50)が説明する。安価な海外製品との競争が激化し、後継ぎもいない。東京靴工組合によると、台東区などで働く職人の平均年齢は2006年で62・4歳に達する。

 そもそも、台東区は23区で最も高齢化が進んでいる。65歳以上の人口が占める割合(高齢化率)は今年1月1日現在で23・54%。2014年には26・63%になる見通しだ。

 浅草寺からほど近い住宅街にある都立足立技術専門校台東分校。ミシンが並ぶ教室で、20代の男女が黙々と靴作りに没頭していた。

 同校は全国で唯一、靴作りを専門に教える公立の職業訓練施設だ。定員20人に対し、今年度は165人が応募。ここ数年の倍率は7〜8倍という人気で、生徒の平均年齢は20代後半だ。

 長野県出身の関雅之さん(28)は区内の会社に就職するつもりだ。「業界に対して不安はあるが、だからこそ若い世代がやらなければ、と思う」

 ただ、区内の会社に就職するのは少数派だ。今年は生徒20人のうち5人が区内に就職予定だが、それでも例年よりは多い。「企画やデザイン部門を志向する学生と合わない部分も多い」と長谷川辰次・分校長は話す。

 こうした現状に、区は99年から、地場産業を生かした新ブランド「アルティベリー」を創出。2004年には、旧小学校跡地を活用してファッション関連の起業家を支援する事業を始めた。区経営支援課は「新しいブランドや商品を発信することが地場産業の再興につながる」と話す。だが、押し寄せる高齢化と事業所数の減少に歯止めをかけるまでには至っていない。

 危機にひんしているのは靴作りだけではない。「ここ4〜5年で取引先が高齢になって廃業し、そのあおりで自分も仕事がなくなった」と、昨年廃業した元印刷業の男性(66)もため息をついた。「台東は材料屋や問屋がたくさんあって個人で商売がしやすかった。今は商売人にとっては先が見えない」

 高齢化にあえぐ地場産業をいかに活性化させるか。区政に突き付けられている課題は重い。

(2007年3月8日 読売新聞)


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