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地方選挙・地方政治
128
:
片言丸
◆MACDJ2.EXE
:2005/06/19(日) 14:43:47
選択へ(下)カギ握る意識改革 仙台市長選
http://mytown.asahi.com/miyagi/news02.asp?kiji=6970
「仙台市長選には大いに期待している。日本の政治を変えましょう」
元三重県知事の北川正恭・早稲田大大学院教授が9日、仙台市で講演し、約150人の市民を前に力説した。
北川氏は、「ローカル・マニフェスト推進ネットワーク」(LMネット)の代表を務める。全国を駆け回る「マニフェストの伝道師」だ。
マニフェストとは、耳障りのいい政策を並べるだけの従来型の公約とは違い、数値目標や達成期限、財源の裏付け、実現までの工程表などを明示した公約。数字を掲げるので任期終了後に検証しやすい。約束を守らないと、次の選挙に影響する。
マニフェストを掲げた選挙を地方にも普及させようと活動する市民団体がLMネット。今回の仙台市長選を、政令指定市で初の本格的なマニフェスト型選挙にしようと動いている。7月15日には、立候補予定者全員を集めた公開討論を計画している。
ただ、LMネットの意気込みとは裏腹に、実現できるかどうかは不透明だ。
元経産省官僚の梅原克彦氏(51)は8日、市長選での政策目標を記者発表する席で異論を唱えた。「短期間で数値目標を盛り込むのは不可能。無責任につくるのは、政治信条からいっても違和感がある」
ほかの立候補予定者はマニフェスト作成を約束しているものの、どこまで具体的に打ち出せるかは、これからだ。
LMネット東北代表の山本啓・東北大大学院教授は「私たちも初めからうまくいくとは思っていない。何回か繰り返していくことで、市民の意識も高まる。ローカル・マニフェストの浸透に必要なのは、有権者の意識改革だ」と語る。
現職の藤井黎市長が引退し、新たな市政の担い手として、すでに5人の新顔が名乗りをあげている。にもかかわらず、多くの選挙関係者が、今のところ盛り上がりに欠けると指摘する。
仙台市長選は、このところ低投票率が続いてきた。参院選と同日だった前回は56・26%だったものの、それ以前は3回連続で30%台。今回、有権者の意識はどこまで高まるだろうか。
地下鉄東西線建設に反対する市民グループ8団体は、事業の問題点をまとめたチラシの配布を始めた。「市は必要な情報を提供していない。有権者に判断材料を提供したい」との考えからだ。36万部作成し、市内の全家庭に配る。
市が見積もった建設費や需要予測に疑問を投げ、イラストなどを使って説明した。市幹部は「分かりやすいチラシだ。市長選に影響を与えかねない」と警戒する。
業界団体も市長選の行方に熱い視線を注ぐ。不況や公共事業削減を背景に、この10年余りで仙台市内の建設業者30社以上が倒産、廃業した。建設業界幹部は「首長選なので、4月の衆院2区補選のようにムシロ旗を立てて応援はしないが、我々の言葉に耳を傾けてくれる候補を支援する」。
立候補予定者には、公共事業の拡大に積極的な候補が目立つ。市職員からは「ゼネコン汚職から12年たち、記憶が薄れつつある。揺り戻しが起こるのではないか」と心配する声が漏れる。
選挙戦が近づき、立候補予定者の公約は固まりつつある。それを判断する責任は、有権者に移る。
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