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千冊読書日記
1
:
ぺろぺろくん
:2016/05/01(日) 19:47:50
千冊読むのにどれくらいかかるだろうか?
2年ぐらいかなと楽観しつつも、5年かかるかもしれない。
このスレッドは便宜上、書き込み不可でいきます。
◇『SUDDEN FICTION―超短編小説70』 文春文庫
アメリカの作家による、ショートショートが70作。
誰にでも、夢にしか登場しない学校や、駅前のロータリー、病院の待合室があると思う。
私の場合には、夢にしか登場しないパチンコ屋というのが何軒かあって、必死にメモを取っているところで眼が覚める。
ショートショートのツボというのは、その夢にしか登場しない幻のスポットを現出させることだと認識した。
夢にしか現れない母親は、いつも戸口に立っている。
夢にしか現れない父親は、どこに行っても鼻つまみ者で、
>そのろくでもない役立たずの10セント新聞をいっちょう売っていただけますでしょうかね?
と、スタンドの売り子に無視されたのが最後の姿となってしまう。
夢にしか現れない犬は、ぼくは以前は犬だったのだよ、と語りはじめる。
夢にしか現れないエロ本は、父親の口から語られる。
406
:
ぺろぺろくん
:2017/10/06(金) 21:25:26
◇後藤明生 『笑坂』
いわゆる上級者向け作家というか、現代文学に特化した古本屋が店に置きたがる作家。
若いころに無理にして読んでる人もずいぶんいたが、そういうおいしくないことをす
る人は、やはりおいしくないツラをしていた。
>何故この3DKの中の生活が、このテレビの一時間よりも面白くないのだろう?
>しかし、そう思ったからといって、わたしはこの3DKの中の自分を生活を、面白
>おかしく変えたいとは、思わなかった。
いわゆる〈自同律の愉快〉、自分が自分であることが愉快で仕方がないという感覚を
会得してからでないとこの面白さは味わえない。
オウム真理教事件の関係者に後藤の読者が一人でもいたか?いなかっただろう。
407
:
ぺろぺろくん
:2017/10/07(土) 09:13:00
◇丸谷才一 『笹まくら』
一度読んでいるはずなのに、徴兵から逃げまわっている人の話程度の印象しか残っていな
くて、野坂昭如や米原万里が「完璧な小説」と絶賛しているのが気になっての再読。
果たして「完璧な小説」であった、……いまさらながら。
初読当時は自分はパチプロで「群衆の人」であった。
いまは群衆からも隔絶して、群衆との共通言語すら放棄した、百鬼夜行の世界に迷い込んだ
一つ目小僧ともいえる。
群衆の孤独はスローガンを生み出すが、自分と亡霊以外のなにも存在しない世界は対他的な
利用価値はゼロに等しく、これが小説的というものだろう。
「啓蒙的、正論的、メディア的」リア充という、ジョン・A・B・C・スミスさながらの亡骸が
フェイスブックやらインスタグラムには跋扈しているらしいが、ヒバゴンにしか見えない。
人間は放っておくと、啓蒙的で正論的で戦闘的という三悪に染まることになる。
だからこそ、小説という無用の産物が存在し続けるということでもある。
408
:
ぺろぺろくん
:2017/10/07(土) 09:52:09
◇中島らも 『変』
調子のいい時期だったようだ。
>「私って変なんですう」
>というような女の子を見ると、僕はそのまま段ボールにいれて国もとへ送り返し、
>「農家の嫁」にしてやりたくなる。
80年代だあ。歌舞伎町にも「明るい農村」という居酒屋があったな。
>「しかしねえ、せんずりもあんまりマニアックになってくると弊害がでてきますよ」
>「はあ、どういう」
>「自分の手を見ると興奮するようになってくる」
>「それはあるでしょうねえ。ビニールを見ると興奮する奴だっていますものねえ」
『チャート式 数IIB』をビニールにいれて、卑猥がってるやつがいたな。
409
:
ぺろぺろくん
:2017/10/08(日) 21:41:52
◇半村 良 『ぐい呑み―自選短篇集』
好みの作家の中に奇妙な共通項があって、家出女好きというのもそのひとつ。
ちょっと前に読んだキンセラの作品の中にも家出常習女が出てきて
>サニーはじっと一か所にとどまらないタイプの女なのだ。彼女がどんなデー
>モンと戦っているにせよ、それは一生の大半あちこち動き続けることを彼女
>に要求する。
>「わたしは猫より多くの命を持っているのよ」彼女はぼくの問いかけるよう
>な表情に答えていった。「たった今そのひとつを使いきったところなの。過
>去のことはもういいでしょう」
>彼女は家出してまた戻ってくる。そのたびにもう一度遠いところから送られ
>てきた家具のように微妙に変わってしまうんだ。
自分が家出をする側なので家出女のことはよくわからないが、数年空けて帰る
と同じような感覚になる。
一度遠いところから送られてきた家具とは、言い得て妙だ。
410
:
ぺろぺろくん
:2017/10/09(月) 19:27:44
◇岡 茂雄 『本屋風情』
いつもの古本屋本ではなくて、大正から昭和にかけて学術出版を手がけていた
社主の回想録。
どこまで学問をきわめたところで、性格の悪さはや女癖は治らないし、耄碌も
する。人品骨柄に接することなく、学術だけを享受できるのは幸せなことだ。
新村出氏のようなすぐれた人柄には、こうして書物で接することができる。
ソシュールの『一般言語学講義』が昭和3年に出ていたことには驚いた。
チョンコロやちゃんちゃん坊やをやっつけるだけが脳じゃなかったんだ!
411
:
ぺろぺろくん
:2017/10/09(月) 20:31:43
◇遠藤周作 (編)『現代ホラー傑作選1 それぞれの夜』
現代ホラーとはいっても、昭和文学の行儀の良い作品ばかり。
ホラーとは別の意味で恐かったのが三浦哲郎の「楕円形の故郷」。
金子光晴の「恋人よ。/たうとう僕は/あなたのうんこになりました。」
ではないが、あまりも何かを愛しすぎると人間とは違うものになってし
まう。
412
:
ぺろぺろくん
:2017/10/11(水) 09:52:19
◇佐藤 優 『功利主義者の読書術』
鈴木宗男事件に連座して長期拘留されたことで有名だが、結構な売れっ子になって
いるようだ。
「なにかのためにする読書は三文安い」と思っている自分とは真逆の人の読書談も
いいものかと読んでみたが、なんだか同じようなものを読んでいる。
宇野弘蔵の重要性を教えられたのが収穫かな。
5年違うとかなり違うもので、子供のころに工事で土砂山ができるとその山頂をめ
ぐって、なんだかごっこが始まるのは常のことだ。
それは著者の世代だと、「全学連VS機動隊ごっこ」だったという。
物騒でいいではないか。
自分らの世代だと、せいぜい仮面ライダーごっこだったり、怪獣ごっこのシチュエー
ションでしかなかったが、「全学連VS機動隊」は聞いたことすらなかった。
413
:
ぺろぺろくん
:2017/10/12(木) 19:54:02
◇山下 清 『日本ぶらりぶらり』
「裸の大将」の放浪記。
徳川無声らにそそのかされて、浅草のストリップに連れこまれたところが面白い。
>ぼくはこんな大人のストリップよりの小学生ぐらいの女の子のストリップが見たい。
>小学生のストリップは珍しいし、おもしろいだろうがなぜやらないのだろう。法律
>でいけないことになっているのかな。ぼくはまだおちちの大きくならない子どもの
>ストリップがあったら、毎日みにゆきたい。小学生のはだかのおどりをなんとかし
>てみたいものだ。そのほうが商ばいのストリップよりも、きっとおもしろいにちが
>いないと思います。
性欲が欠落しているため、ロリコンというのではない。
おとなの女の裸は目の当たりにすると、バツが悪い。
それが一方的な欲情となるのは、食いこんでいるとか、透けているとか日常性の侵食
であったり、元有名アイドルが、現役スッチーがといった降臨であったり、裸を衣裳
として記号化しているプロのストリッパーであるかだろう。
ここでいう「子どものストリップ」というのは、物語性を必要としない、欲情の対象
以前の、内在的な質感としての「裸体」をいうのだろうが、陵辱のストーリーとは別
種のエデンの園的な「裸体」感というのもあるだろう。
414
:
ぺろぺろくん
:2017/10/12(木) 20:36:35
◇荒俣 宏 『本朝幻想文学縁起』
新・騒音おばさん「小松徳子」の続報はなく、フェードアウトしてしまったようだが、
「マイラバ」をたれ流し、サバの味噌煮をぶちまけるという暴挙を仄聞して、
>宇宙全体の常態はごく一部のアブノーマルによって支えられている
と、思った人は、まあいないだろう。
しかし、鴎外の「雁」を連想した人は少なからずいたはずだ。
下宿の夕飯が「サバの味噌煮」だったために、図らずも友人の恋路を邪魔することに
なってしまった、というような話だったと思う。
トランプという人にもうちょっと洒落っ気があったら、平壌は「サバの味噌煮」で埋め
つくされて、イスラム国には「豚足」の雨が降ったと思う。
安部さんとかいう人がのさばるようになってから、それ以前からそうなんだろうけど、
現実の稚拙さが露呈されてきた。
そこで、こうやって幻想文学のおさらいをしているわけだ。
415
:
ぺろぺろくん
:2017/10/13(金) 19:36:02
◇村上春樹 『職業としての小説家』
自伝的エッセーだけに、使い回しのネタがあまりにも多い。
『E・T』という映画は上映館には20回ぐらい入っているのだが、まったく
観たことがない。
というのは、映画館が寝泊まりの場であったからだ。
だから、こんな有益なシーンがあったことも見逃していた。
E・Tが物置から雨傘とか電気スタンドだとか食器だとかレコード・プレーヤー
だとかのがらくたをひっかき集めてきて即席でありながら本格的な通信機器を作
り上げてしまう。
小説を書くというのはそういうことではないかと、村上は指摘している。
たしかにその通りで、やたらと難しい漢字や古語や観念を操作するのは、暴走族や
変態さんのセンスに通じるものだろう。
416
:
ぺろぺろくん
:2017/10/13(金) 20:44:20
◇高橋克彦 『眠らない少女 高橋克彦自薦短編集』
著者には致命的な甘さがあって、そこで好悪の分かれるところだろうが、なんかの
選評で石川淳の語っていた「未完成の部分がある」、そこを敢えて埋め合わせよう
とはしない意地とみる。
ナイーブの敵と目されることも多い自分だが、意外と甘かったりもする。
本格貧乏の消失は、昭和50年代前半かと思う。
本書の中にも、刈り入れの終わった田んぼに藁でこしらえたインディアンのテント
のような小屋を見つける。中に踏みこんでみると、真ん中に炉が切ってあって鍋が
グツグツと煮えていて、奥の方には赤いランドセルが置かれていた。
限界貧乏にはある種の運命があって、裕福に耐えられない貧乏には犯罪性がある。
417
:
ぺろぺろくん
:2017/10/14(土) 21:31:05
◇都筑道夫 『きまぐれ砂絵―なめくじ長屋捕物さわぎ』
今年の初めあたりに、カバンに放り込んであったものを読了。
このシリーズ10冊ちょっとあるけど、ちょうど半分くらい読んだか。
月に数回程度使うカバンに放り込んでおくのにちょうどいい。
一気読みよりも、細く長く付き合いたいシリーズ。
418
:
ぺろぺろくん
:2017/10/15(日) 20:09:35
未読のホラー的要素の強い本をひとかたまりにまとめてみたら、300冊近く
あるじゃないか……どうすんだ?
◇小林恭二 『したたるものにつけられて―自選恐怖小説集』
基本的に純文学の人だから、ホラーといっても不条理小説になってしまう。
そしてまたそれが、抜群に面白い。
419
:
ぺろぺろくん
:2017/10/15(日) 20:45:57
◇吉田健一 『怪奇な話』
霊感が強かったり、霊を見る人たちは可愛い子が多い。
当然のことだ。ひとりでいることに耐え難く、目に見えるものに全幅の信頼を置い
ていて、頭の回転の速い子たちだからだ。
一方、自分自身の中に霊をかこっている人たちは、何年も人と口をきかなくても、
ひとりの部屋で自分以外の声が聞こえても、それが人為的なものでなければ何とも
思わない。
社交外生命体とでもいうのか、こういう心性の持ち主は
>生活そんなものは召使いにまかせておけ!
というリラダンの台詞に、早い時期に感化された人が多いようだ。
ドストエフスキーとか、リラダンなんていうのは分別がつく前に読まないと意味が
ないんじゃないかとも思う。
420
:
ぺろぺろくん
:2017/10/16(月) 20:57:24
◇森 雅裕 『あした、カルメン通りで』
85年の乱歩賞で東野圭吾との同時受賞によって明暗を分かつことになったが、
受賞当時の評価は森さんのほうが圧倒的に上だった。
解説の松村栄子さんも語っているが、当時は日本全体が芸術の空気に憧れていたと
いうこともあって森さんへの期待は大きかった。
その後も『さよならは2Bの鉛筆』あたりまでは読んでいたが、その後は例によっ
ての積ん読。この際だから、どの辺からつまらなくなったのかを見極めてみようかと。
デビュー当初から版元との折り合いが悪くて、常にもめていたようだ。
森さんもしんどかったろうし、講談社もよく我慢して6冊も出してたし、読んでる
ほうも辛かったな。
殺人事件が起きるわけでもないのにハードボイルド風のスケッチ頻出して、戸惑う。
それが魅力でもあり、版元との騒動の一因でもある“くそシリアス”という一面が
作品を曇らせている。
421
:
ぺろぺろくん
:2017/10/17(火) 15:55:40
◇平井呈一編 『怪奇小説傑作集 1 』 (創元推理文庫)
海外の怪奇小説は意外と読んでいなくて、超有名作揃いなのだろうが、
半分ぐらいは初読だった。
イギリスの御三家は、やはりすごい。
なかでもアーサー・マッケンの「パンの大神」は時と所を変え、今でも
繰り返し変奏され続けている。
近いところでは、宮部みゆきの『火車』がそう。
虐げられて育った女が魔性化して、人を破滅させてまわるお話。
422
:
ぺろぺろくん
:2017/10/17(火) 20:34:48
◇森 雅裕 『会津斬鉄風』
幕末を舞台にした連作短編集。
くそシリアスな作風と時代がマッチして快作だが、相変わらずミステリー仕立て
を要求されて苦心しているところもうかがえる。
つくづく乱歩賞で出たのが災いしたようだ。
423
:
ぺろぺろくん
:2017/10/17(火) 21:34:42
◇富岡多恵子 『当世凡人伝』
かなり定評のある短篇集で、一度読んでいるのだが未読のままの文庫本が出て
来たので読み直したところ、やはり名作だった。
「リア充」という言葉の衝撃は何度かここでも書いたことがあるが、「リアルは
不幸であたりまえ」という共通認識がないと共有されない用語だからだ。
不遇を蹴散らすだけの活力さえも無効化させる階層社会が眼前に立ちはだかって
いるのか、ただの欠食児童が口の利き方だけが一人前なのかはわからない。
人間のバランス感覚として当然あるはずなのは、こういうことである。
>人間は幸福になるのが当たり前であって、不幸におぼれ、不幸に陶酔してはな
>らないのだ。
こういった当たり前のことを語れるのが小説かもしれない。
424
:
ぺろぺろくん
:2017/10/20(金) 20:01:16
◇吉行淳之介 『原色の街・驟雨』
煽り運転の石橋容疑者はじめ、世間もようやくパーゴリ狩りの醍醐味に目覚めたようだ。
パーゴリを怒らせて、できることならオレをぶちのめしてやりたいとか思ってるだろう。
でもな、オレに手を上げるとただじゃすまないぜ!オレのバックには水野がついてっか
らよお!!、とかやるのが大好きだ。
吉行さんもパーゴリが大好きで、内田裕也をとっつかまえて
>きみ、歌うまいんだってねえ、あれやってよ、ナタリ〜ってやつ。
>アレー、きみ怒ったの、でもねきみ、きみがオレを殴るとオレ死んじゃうよ……。
>オレ病人だから。
いい大人のやることじゃないが、大人になったからといって、稚拙プレーから解放される
わけじゃなくて、意志でやらないか、やるかの違いだけなのだ。
これが純文学なんだと意識して読んだのは、吉行作品が初めてだったと思う。
ドストエフスキー、ヘミングウェイ、三島由紀夫も風俗的関心からだった。
しかし30数年ぶりに読み返してみると、巨大な勘違いをしていたことに気がついた。
娼婦と縄のれんをくぐって、コップ酒片手に蟹をほじくるというのをある種の文学的シーン
と認識していたのだが、縄のれんをくぐったのは一人でだった。
ちょっと過去を振り返ると恥ずかしいことが山のように出てくるが、この小っ恥ずかしさこ
そが自分だろう。
425
:
ぺろぺろくん
:2017/10/20(金) 20:59:39
◇安部公房 『カーブの向こう・ユープケッチャ』
小六年の時にS・カルマ氏にまったく相手にされなくて、中二になって読んでみたら
わかった気になるのが中二病である。
>この電話番号が、どこかでぼくの過去につながっていることだけは、たしかなのだ
>から、そこがつきとめられれば、しぜん過去への通路も開けてくるにちがいない。
>逃げ出した記憶がおかした、唯一の失敗だ。どんなものにも、完全などということ
>はありえないのだ……。
どこかの誰かが、こんな電話をかけてくるのかもしれないと思うのも中二病だ。
要するに、世間の人間関係というものが謎としか理解できないのが中二病で、それを
疑似体験させてくれるのが安部文学ともいえる。
426
:
ぺろぺろくん
:2017/10/21(土) 21:02:36
◇森 雅裕 『流星刀の女たち』
地口やユーモアに独自性があるわけでもなく、テンポで読ませるタイプの
作家は才能の涸渇が早いのかも知れない。
ちょっと悲惨で読んでいられなかった。
この内容でも出していたのだから、講談社との確執云々以前に純粋に作品
の質の問題だろう。
427
:
ぺろぺろくん
:2017/10/22(日) 19:40:39
◇半村 良 『女帖』
半村良の酒場人情ものは、シャランQの読み物版みたいなものだったのだろう。
水商売の男女だから、色恋に大はしゃぎしたりすることはない。
それでも時として、タガが外れてしまうことはあって
>インポだの短小だのとひどい罵りかたをした挙句、
>「シモヤケのほうがまだましよ」
なんでシモヤケかというと、
>「シモヤケを掻くと気持ちいいんだもの」
428
:
ぺろぺろくん
:2017/10/22(日) 21:06:02
◇森 敦 『月山・鳥海山』
昭和を代表する小説とか、印象に残る芥川賞作品ということになると必ず
上位にランクインする名作。
また、文学を必要としない者にとっては全くの不要品。
十年に一度は読み直したいものだが、じつは三十年で二度目。
毎年読み返したい。
429
:
ぺろぺろくん
:2017/10/24(火) 21:25:29
◇色川武大 『百』
今の若い人で阿佐田哲也ではなく色川武大の読者は存在しているのか?と検索してみた
ところ、伊集院静の『いねむり先生』経由で発生しているのがうれしかった。
なにが少数派かといって、アンチ経済成長派ほど少数派はないだろう。
経済なんてもんはとっとと破綻して、手元に残ったちっとも優れていない大部分の持
ち物に対して
>「どうにも、しょうがないね」
>「しょうがないんだ」
ふっ、と嗤いながら、人間性を回復していくしないだろう。
430
:
ぺろぺろくん
:2017/10/25(水) 20:08:13
◇『笙野頼子三冠小説集』
90年代前半に、芥川賞、三島賞、野間文芸新人賞を総ナメにした3作を所収。
リアルタイムで読んで感心したことは覚えてはいても、内容はまったく覚えて
いなかった。
身近な所には笙野頼子の読者を公言する者はいないが、結構読んでいたりする。
人に勧めるものではなくて、自分で辿りつくものなのだろう。
唯一内容を覚えていたのは「タイムズリップ・コンビナート」だが、「男女7
人秋物語」のロケ地にも、ここだとは知らなかった。
ラスト近くのこんな描写が泣かす。
>電車が走り出すと、振り返って大きな表示を見落としていたことに気付いたの
>だった。東芝工場の壁の文字だ。工場と二十一世紀に向かって限りなく前進し
>よう、と書いてあった。
431
:
ぺろぺろくん
:2017/10/28(土) 19:02:57
◇吉行淳之介 『悪友のすすめ』
昭和40年代の終わり頃、吉行50歳のときに雑誌連載された交友録。
こんなものを今どき読むのはよっぽどの物好きだが、結構拾いものがあったりする。
>バタフライを着けないと警察の手入れを食うという時代に、
>『全スト!!』
>と大々的に看板を出して、何をやったかといえば、五歳の女の子を素っ裸にして舞台
>に出した。全ストにはちがいないわけだが、客は全然笑わないで、逆に怒ったという。
大人の女の裸に飢えていた時代だったのだ。
>全然笑わないで、逆に怒ったという。
ほどに。まあ、今だったら逆に変態さん大喜びだろうが。
振り返ってみれば、昭和50年代の初めあたりまでは、子供の裸がノーカットで載った本
が大っぴらに一般書店で数百円で売られていた。
432
:
ぺろぺろくん
:2017/10/28(土) 19:40:28
◇田中小実昌 『かぶりつき人生』
ストリップ小屋の小間使い、香具師、辻占い師といった遍歴時代を綴った処女作。
またここでも消えてなくなる女の話が目に止まった。
>チュウを飲むと、よく勝ちゃんがはなしてたが、勝ちゃんの前の女房は、とても
>きれいだったが、毎年、夏になると(春さきとはちがう)頭の調子がくるい、フラ
>フラッとどこかにいってしまったらしい。そして、ある夏、いったきり、とうとう
>帰ってこなくなったんだそうだ。
>そのうち、あきみがいなくなった。もともとかげがうすいというより、かげだけあって
>実のほうがないみたいな娘で、空気のなかにとけこんだような、静かな消えかただった。
433
:
ぺろぺろくん
:2017/10/31(火) 19:34:53
◇『島田雅彦芥川賞落選作全集 (下)』
島田作品をリアルタイムで読んでいたのは「未確認尾行物体」までで、以後は
「彼岸先生」を読んだきりになっている。
しかし読み返してみると、「ぼくは模像人間」は極め付けの傑作だ。
89年のリアルタイムで読んでいないとインパクトは弱くなるのだが、その真
の衝撃は三年後にやってきたという先見性以上に、
>人生はドラマを破壊するドラマである
ということまで予見していた傑作ある。
ポコチンは人生を破壊する。
そういう事件が実際に起こったのだ。
【浦和・高校教師夫妻による息子刺殺事件】
http://yabusaka.moo.jp/urawamusuko.htm
その息子が「模倣人間」を読んでいたかどうかは知らないが、恐らく読んでいな
かったであろう。
セックスなんかできなくても、ウンコをすればいいと著者は訴えているのだから。
文学の同時代性が確認できた最後のときになるかも知れない。
434
:
ぺろぺろくん
:2017/11/02(木) 21:00:15
◇久世光彦 『触れもせで―向田邦子との二十年』
再燃ブームのやむことがない向田作品だが、じつはTVドラマで風吹ジュンの出てた
『阿修羅のごとく』を見ただけで、まとまった文芸作品は読んだことがない。
目利きの山本夏彦が
>突然あらわれて、ほとんど名人である
と評しているのを目にした久世は、
>私はふと向田さんがどこかへ行ってしまいそうな、そんな寂しい予感が少しだけした
ある種の純粋な才能には、突然現れて突然消えてしまう無常を迫ってくるものがあって、
自分も敬して遠ざけてきたところはあったと思う。
向田さんは、死ぬまでソープや遊郭の存在を理解できなかったという。
真の才能には、自身の感受性を傷つけるものが目に入らない才も併せ持つものである。
二十歳を過ぎるまで鶯谷のラブホテルの用途を理解していなくて、深夜の作業を終えた
美術関係者が泊まるところだと思っていた女性を知っているが、やはり世評は高かった。
そのほうが人間は幸福なのだから、当然と言えば当然だ。
435
:
ぺろぺろくん
:2017/11/03(金) 21:03:02
◇久世光彦 『マイ・ラスト・ソング―あなたは最後に何を聴きたいか』
久世さんの過剰なセンチメンタリズムが爆発する、音楽エッセイ集。
職業的なライターとしては、炎上商法は別としても、音楽を媒介にして友好を
はかることは難しい。
それは観念的で、露悪的に、排他的になものになりやすいからだ。
自分の祖母は中森明菜のお父さんの肉屋さんの常連で、見たことはなかったか
どういうアイドルかは察しはついていた。向かいの姉さんの学友は浅野温子で、
従兄弟の友達は演歌歌手、同級生の学友は尾崎豊。
>不幸と美しさを見境なく身につけている
そういうタイプばかりがスターになっていった。
それが学年が一つ二つ違うだけで、近所の高校に「おニャン子クラブ」のメンバー
がいるという世代になってしまい、アイドル観がまったく違ってしまう。
一気に読むにはちょっと辛いが、感傷的音楽エッセイの限界点を示した好著。
436
:
ぺろぺろくん
:2017/11/05(日) 20:42:05
◇藤森照信, 増田彰久 『建築探偵 東奔西走』
ロフト付き六畳のワンルームに、各部位ごとにクーラーボックスに区分けされた
遺体が九つて、ちょっと想像してみただけでもトラウマになる。
ここで扱われている物件はそれとは真逆の、主に明治の洋館。
豪邸、監獄、教会、大学、銭湯といった名建築。
遺体をバラバラにてクーラーボックスに収納しなくてしなくても、いくらでも置
いておける。
白石の事件は公共放送では、ひとり山岳ベース事件とも和製ジェフリー・ダーマー
とも喧伝されないが、ある程度の年代の人はそう思うだろう。
津久井のひとりで19人殺しもそうだが、やはり数には説得力がある。
そんな庶民レベルの「数の一般概念」を凌駕してしまう建築というものもある。
437
:
うさぎ
:2017/11/06(月) 01:09:10
http://ssks.jp/url/?id=1451
438
:
ぺろぺろくん
:2017/11/08(水) 21:17:38
◇村田 基 『恐怖の日常』
文庫帯には「新しき時代のための恐怖」とあるが、初出は30年前なの
ですでに古典の佇まいすらかもし出している。
その後のホラーの王道となる作法がふんだんに列挙されていて、当時と
してはかなりレベルの高い短篇集だっただろう。
しかし、ここ二十年ばかりは不遇をかこって、発表の場がないようだ。
いかんせん暗黒面が浅いというのがウィークポイントだったのかも知れない。
作者名で検索すると、魚釣りのプロが出てきてしまうのがチャーミング。
ご本人は時事ネタブログをやっているが、電波系になりきれない、おやじ
の小言ブログと化していて、歳を取るとつまらなくなるものだという宿命
を痛感させられる。
439
:
ぺろぺろくん
:2017/11/10(金) 21:05:51
◇車谷長吉 『妖談』
あまり妖しい話はなくて、その大半はヘテロセクシャル・ドリーミングを呪った話。
そんなものを呪うのはそれはそれで妖しいが、そんなものを呪ってどうするんだ?
と思ってしまったとき、もう車谷文学の世界には入れてもらえなくなる。
人間の愚かさというものは、常人の分別をはるかに越えたものであり、「自殺」と
いう究極的に個人的な選択をすら、誰かと共有したがるほどに愚かなのだ。
車谷長吉はいつからつまらなくなったのか?ではなく、どうして自分は必要としなく
なったのか?ということだ。
車谷の最も嫌う自尊心、虚栄心、劣等感の強い高学歴プチブル家庭出身のアホ女と、
自殺常習男とはどこか共通点があるのだ。
440
:
ぺろぺろくん
:2017/11/10(金) 21:29:56
◇小山清 『落穂拾い・犬の生活』
太宰治の弟子でも、師の墓の前で自殺をした田中英光とは対照的な弟子。
また車谷以上に悲惨な境遇にもかかわらず、いい人しか出てこない小説を書いた人。
小山の亡くなった1965年は、自分の生まれた年でもあり、大物作家物故の当たり年
で、大坪砂男、高見順、江戸川乱歩、谷崎潤一郎、中勘助、山川方夫とあって、小山の
名は挙がっていない。
決していい人しか出てこないわけではなくて、
>鬼の念仏とか鬼瓦とかいうやつはよく見ると、恐くもなんともないのだ。かれらには
>人間に見かけるような悪相がない。むしろ人間を恐怖するあまりにあんな顔つきになっ
>てしまったのだ。
今生は恐ろしいもので溢れかえっているから、書かないのだ。
441
:
ぺろぺろくん
:2017/11/14(火) 21:28:26
◇車谷長吉 『忌中』
2003年のものだが、もうこの時点で車谷は出がらしになっていたのがわかる。
アトラクションという用語が定着したのはいつ頃なのだろうか?車谷は、純文学の
アトラクション化に初めて成功した作家として記されることになるだろう。
九人殺しの白石を見ていると、マネーの時代は終わったのがよくわかる。
金銭目的というのはリップサービスで、「闇の力」に負けましたというのが正しい。
本能的な殺人者にとっては、名大の殺人女子大生にしてもそうだが、もう「闇の力」
に抗えない時代がやってきた。
その「闇の力」というのを対象化したのは、若き日の車谷だった。
>。俊夫叔父がくれたアメリカ合衆国一弗銀貨を手にした時の喜びは、「大きいおば
>あちゃん。」がくれる5円玉の比ではなかった。近所の年上の女の子にそれを見せ
>ると、いきなり、
>「くれ、くれ、くれッ。」
>と叫んで近寄って来、平手打ちを喰わされて取りあげられた。銀貨の美しい輝き、
>それは闇の力だった。私が見せびらかしたのも、女の子が悲鳴を上げたのも、その
>闇の力の輝きがさせたのだ。
経済が殺人者の後押しをする貧しい殺人も、理念に基づいた殺人も結局は同じことにな
るのは、宿命的貧乏も選択的貧乏も変わりがないのと似ている。
442
:
ぺろぺろくん
:2017/11/16(木) 21:37:15
◇吉行淳之介 『鬱の一年』
昭和53年の文庫エッセイ集。
>高見順氏の小説の一節に、
>「街角にある赤い電話というのは、ロマンチックでいいものだ」
>という意味のことがあって、同感した。
考えてみると、現役の赤電話の設置場所は思いつかなくなっている。
うちに近くのコンビニ脇に設置されている緑色の裸公衆電話は利用者が限定
されていて、車椅子横付けおやじ、マスクマン、シケモク婆さんといった面々
で、ロマンチックというより、マジカルミステリーツアーの様相だ。
公衆電話の利用者が世相を映すという面もあるだろうが、はたしてそれはどう
いう世相なのだろうか。
443
:
ぺろぺろくん
:2017/11/30(木) 20:10:33
すっかり遠のいてしまったが、資料を読むのに忙しくて純粋な読書をしていませんで
した。
◇タッカー・コウ 『刑事くずれ/ヒッピー殺し』
グリニッジ・ヴィレッジ、ヒッピー、新興宗教、ヘロインと、妖しさ満点の道具立て
にも関わらず、淡々と静かにストーリーが進行していく。かえってこの静けさが不気
味なのだが、最後には、グロテスクなロマンチストの像が明かされる。思いつくうち
の最も堕落している行為に対する欲望に掻き立てられる時期、たしかにそういう時期
がある。そういう時期があった。
時代が時代なだけに牧歌的で、大味なところはあるが、今のもうちょっと洗練された
グロテスクなロマンチストを書いてみたくなる。
444
:
ぺろぺろくん
:2017/12/11(月) 20:17:40
◇石田 千 『役たたず』
・ひとり暮らしの仮住まいは、気ままとひきかえに聖地をつくる幸福を手放している。
・お金で買えない豊かさには、めんどうな手間がかかる。
・役にたたないと切り捨てる。それは、ほんのいまにだけ有効な手段で、日々の生活や
人生にはあてはまらない。
と、まっとうな感性の人と過ごす時間はとても有意義だ。
コジキばっかりやってると、品性までコジキになるから、しっかり本も読もう。
445
:
ぺろぺろくん
:2017/12/15(金) 21:32:15
◇永田守弘 『官能小説の奥義』
著者は1933年生まれということだから、84歳か。
その名著、『官能小説用語表現辞典』は机の下に常備しているが、まとまった
著作を読むのは初めて。
ひとことで言ってしまえば、「ビニ本の世界」。ビニ本丸出し。
浜崎あゆみ以降の、官能表現は見当たらなかった。
あの舐めたらマズそうなツラを舐めたら……。
本当に不味くてガッカリしたとか、いや、意外なことに、もちろんそういう官能
小説はあるのだろうが、ここでは触れられていない。
個人的には、セックスがいかにも不味なそうの先を描くところに、今日的な官能
小説のリアリティがあることを力説してきたが、取り合ってはもらえなかった。
まあ、セックスに夢をみたいのだろう。
でも現実的には、山尾さんやら、斉藤由貴、今日は藤谷か、それに松居。
ゲロを吐いてしまいそうな人のセックスばかりが注目を集めているではないか。
でもよく考えてみれば、セックス・ディストピア小説は官能小説ではなくて、純
文学なんだな。
いま某所のチャット・ワークで官能小説のプロジェクトを進めているのだが、どう
も波長が合わない。
買い取りを拒否されて一般公開になった際には、ここでも告知いたします。
446
:
ぺろぺろくん
:2017/12/31(日) 22:10:40
◇豊崎由美 『ニッポンの書評』
学術的なものではなくて、ネットに溢れる「素人書評」批判。
すごい書評をいくつか読めたのは収穫だが、ゴミ書評めった斬りをやり
たかったようだが、ストップがかかったみたい。
個人的には、書評対象とは全く関係のない話を書いていながら、それが
結果的に書評になってしまっているというのが理想だが、それは名人芸
の域だろう。
これまでに読んだ中での最高の書評は、狩猟、射撃、釣の雑誌『野原と
渓流』というイギリスの雑誌に出たもので、
「かたっぱしから払いのける面倒さえいとわなければ、『チャタレイ夫
人の恋人』は、ミッドランドの森番の仕事を魅力的に描いて見せてくれ
るし、害虫駆除や、キジの育て方のヒントなどを教えてくれる……」
読みたいところだけを、読めばいいんだよね。
447
:
ぺろぺろくん
:2018/01/02(火) 17:44:47
◇東海林さだお 『東海林さだおの弁当箱』
文字通り文庫800ページも迫る弁当箱。
結局3年ほど枕元に置いてあったのをようやく読了。
448
:
ぺろぺろくん
:2018/01/02(火) 17:45:52
◇山本文緒 『恋愛中毒』
もう20年近くも前になるのか……。
編プロをやっている知人が、この作品を甚く気に入っていた。
その熱気に浮かされるように、買うだけはかったのだが、読み始めるのに
こんなに時間がかかってしまう。
今にして思えば彼がこの小説に入れ揚げていたのはよくわかる。
この作品の中の登場人物が彼に似ているのだ。
まじめな熱意を持った人というは、忘れらないものである。
この人は確かに上手い。
ストーカー女の嫌な話なのだが、途中まで全然気がつかなかった。
ある一線を越えた途端に別人格が顔を現すタイプがあることは知っていた。
それをかろやかにかわすのも甲斐性のうちと思っていたが、全然かわせてい
なかったのを十数年知らないでいたのには驚いた。
449
:
でんでん
:2018/01/17(水) 01:38:08
さっき名前入れるの忘れてた。↑はでんでんなのでした。ではでは。
450
:
でんでん
:2018/01/17(水) 01:54:42
す・すまん↑誤爆っす。
451
:
ぺろぺろくん
:2018/01/28(日) 19:54:35
インターネット缶拾いに忙しくて、読む時間が圧迫されているので、まとめて。
◇絲山秋子 『ばかもの』
豊崎の本で見た書評の、主人公のあまりのダメっぷりに惹かれて読んだのだが、
ダメにはダメな自意識が絡まないと、ただの風俗小説になっちゃうかな。
なぜかというと、ダメな人には限界がある。こういう風な
>ヒデの時間は今日と明日しかない。そして明日はいつもヒデを裏切ってまる
>で今日と同じ日なのだ。ヒデが昨日のことを覚えている必要はない。昨日は
>今現在の、まさにさいげんされているのだから。
452
:
ぺろぺろくん
:2018/01/28(日) 20:38:01
◇柳 広司 『ジョーカー・ゲーム』
09年だったのか、ずいぶん話題になってはいたスパイ・ミステリー
だが、ハズレ。
どこをどう評価されたのかは、今となっては謎。
453
:
ぺろぺろくん
:2018/01/28(日) 20:47:30
◇松本清張 『三面記事の女』
「密宗律仙教」が入っていたので、買ったのだが、やはりこれだけは
タイトルから逸脱しているようでいて、そうでもないか。
平安末期に誕生し、鎌倉時代に隆盛を迎えたセックス宗教立川流の再
興を計ったような新興宗教団体の話で、ほとんどミステリーになって
いない。
マスメディアの時代では、性は宗教に昇華することでしか共有できな
かったのだろうが、インターネットの時代でなら性を生臭いもののまま
共有することも可能だと思う。
P2Pとかの共有じゃなくて、観念的なものの共有ということでね。
454
:
ぺろぺろくん
:2018/01/28(日) 21:00:22
◇辻原 登 『籠の鸚鵡』
これも結構期待していたのだが、こっちは裏切られなかった。
といっても、ぶちのめされてもう書く気力すら湧かなくなるほどの衝撃
ではなかったのが、残念。
時代背景の「山一抗争」の頃は、実話週刊誌の全盛期だっただけに、当
時の空気を吸って生きていた世代には、物足りないだろう。
いわゆる男たちの世界でいわれるイイ女は、ダサい女であることを喝破
しているのは、慧眼であろう。
つきあう男の色に染まって魅せるのが、イイ女だという悪趣味な人たちが
いることは知っていたが、そういう女は早く認知症になる。
どんなイイ女でも、くだらない男とつきあっていたり、そうではなくて
も歳を取ると、多かれ少なかれオウム返しの女になる。
もっと冒険して、セックス・コールタール風呂に浸かっている男たちを、
描きたかったのだろうが、もったいない。
セックス・コールタール風呂は自分も強く薦めているのだが、あまりいい
顔をされないんだな。
455
:
ブラウンさん
:2019/07/12(金) 11:23:56
デーモンだ!
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