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【ミ】『彩の箱庭』

60『黄の石窟』:2015/11/14(土) 23:45:48
>>58(しづゑ)
「はぁー、そーいうものなのね。
 妙に看板が少ないとは思っていたけど、
 この分だとまだまだ知らないルールがありそうね。

 ――――やっぱり、誘っておけば良かったわ」

       ジャボッ・・・

白人女性は素直に感心している。
肩まで湯に浸かり、時折両の手を擦り合わせている。

     「私も『熱海』や『伊豆』にするつもりだったのだけど、
      この『温泉』の噂を聞いてね、試しにやってきたのよ」

     「――――『療養温泉』、傷の癒えが早くなるそうよ。
      それも『奇跡的』って位に、ね。

      大事故で『全身麻痺』にまでなった患者を、
      リハビリを兼ねて温泉に浸からせていたら、
      今ではケンケンで歩けるまでになった、そういう話」

にわかには信じ難い話だが、白人女性は真剣味を帯びた口調だ。
『東洋の神秘』では済まされないのだろう。

>>59(真理亜)
「クセとかよく解かんないけど、
 トシは『マリちゃん』よりちょっと上、だったよ。

 髪は短くて、バレーボールやバスケやってる感じで――――」

>「言いにくいんですけれど、もしかして最近帰ってこない、とか……?」

そっと問い質すと、『よしき』は神妙な表情のまま頷いた。
『二週間前』から行方が解らなくなっている女子大生、『絵川紗梨』。
ニュースを詳しくは見ていなかった『真理亜』だが、
どうやら失踪現場はこの付近だったようだ。

     「『マリちゃん』、旅行で来たみたいなんだけど、
      いっしょに遊んでくれて、ボクも遊び場教えて、
      ……それと、『おまもり』もくれたんだ。これ、ナイショだけど」

観光客からむやみにモノはもらっちゃいけないと、母親から教えられているのだろう。
思い出したかのように『よしき』はポケットを探り、『おまもり』を『真理亜』へと差し出した。
『交通安全』のおまもりだ。中に入っている、『紙の巻かれた木の板』が少しだけはみ出している。
どうやら、一度は『開封』された後のようだ。

>>56(鈴元)
>>57(久染)
秋口だというのに頭から爪先まで分厚い『衣服』で覆われた男だ。
顔色の悪さから伺うに、相当の『寒がり』なのだろうか。
背中に背負った巨大な『ナップザック』がやけに似合っていない。

    「ああ? 良く覚えてねえが、俺もバスで来たぞ。
     すぐに寝ちまったからな、何やら盛り上がってたみてぇだが……」

背後で大いびきを掻いていた乗客が、男の正体のようだ。
二人の会話もそこそこに、『源泉洞』の周囲を探る男。

    「チッ、やっぱり入り口はここだけか。
     クソッ、散々歩かせといてこのザマかよ!」

                   ゴガァ!

男は鉄扉を思いっきり蹴り飛ばし、鈍い音が秋の静寂を破った。
あまり素行の良いタイプではないようだ。

         ブブブブ
                    ブブブブ――――

         「やむを、得ねえな……。
          おい、ガキ共。回れ右して、まっすぐ帰れ。
          オメェらは精々、麓のぬるま湯でバチャバチャしてるんだな――――」

四方八方から『羽音』が聞こえてくる。
迫り来るモノの正体は『ハチ』だ。『ミツバチ』のヴィジョンが周辺の森から現れる。
1,2,……10以上だ。ちょっとした大群となって、『鉄扉』へと迫っていく。


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