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【ミ】『The Mission is Your Life』
17
:
モリー『フラクタル』
:2015/07/13(月) 00:14:54
>>16
「……ッ!?」
視界の端に捉えた『何か』に反応し、
咄嗟にその場を(廊下に沿って)後方に飛び退き、
上方から迫ってくる『何か』に目を向ける。
18
:
『モリー・パイソンと追跡者』
:2015/07/13(月) 00:30:09
>>17
ガァンッ!
咄嗟に手を引いて、その場から飛び退いた『モリー』。
間一髪だった。咄嗟に『1m』の距離を保ち、その正体を見やる。
「あれれぇ〜〜〜ッッ
……失敗失敗」
ヒュォンッ!
「アナタが『モリー』さん?
なんかこー、『通り名』とかないの?」
シュタッ
「出来れば、『悪党』ってパツイチで解るネーミングの方が、
こっちとしても『やる気』ってのが出るんだけど、どう?」
『飛び蹴り』だ。外廊下へ飛び込んだ『人影』が『モリー』目掛けて蹴り足を放った。
それを避けた『モリー』を尻目に、『蹴り足』でもう一度『消火器置き場』を蹴り、
背後へと『バク転』を決めながら『手すり壁』の上へと中腰になって着地する。
何処かの『工場』で入手したのだろう、傍には太い『ゴム紐』が垂れ下がっている。
恐らくこれを起点にして、上階から勢いを付けて飛び込んだのだろう。
「ところで、今からアナタは私に倒されるわけだけど、
あの変なおっさんからは『悪党』ってしか聞いてないんだよね」
「一応、『罪状』とか聞かせてよ。
ムカぁ〜〜〜シの武勇伝でもいいからさ」
人影は『ターバン』に『武道着』の、『鳥山明』がデザインしたような格好をしている。
人目で『スタンド物質』だと理解出来る。声質は高く、恐らくは『十代の女』と思われる。
身長は『166cm』センチ前後、――――重要なのは『距離』だ。
この『1m』という距離は、『モリー』にとって不利なのは明白だろう。
19
:
モリー『フラクタル』
:2015/07/13(月) 12:36:36
>>18
すいません。現時点の両者の位置を
>>13
のマップAAを用いて図示してもらってもよいでしょうか?
20
:
モリー『フラクタル』
:2015/07/13(月) 22:26:12
>>18
あと『手すり壁』の高さも教えて下さい。
21
:
『モリー・パイソンと追跡者』
:2015/07/13(月) 22:45:27
>>19-20
【4F】
壁―――戸―――――戸――――――戸――――――戸――――――戸――――――戸―――壁
壁□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□モ.□□□壁
壁□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□壁
壁階段壁壁壁―――壁壁壁――――壁壁壁――――壁壁壁――――壁壁壁―――人壁壁壁階段壁
壁階段壁 壁階段壁
手すり壁の高さは『モリー』の『鳩尾』ほど。
階段の手すり壁も同様。
22
:
モリー『フラクタル』
:2015/07/13(月) 22:52:09
>>21
了解です。ありがとうございます。
23
:
モリー『フラクタル』
:2015/07/13(月) 22:57:30
>>18
(何だコイツは……!?)
突然現れた『武道着の女』にモリーは思わず瞠目する。
急転直下の状況に思考が混乱しかけるが、
この人気の無い場所に自分が来ることを『事前に知っていて待ち伏せていた』としか
思えない襲撃者の挙動を見れば、確実に言えることは一つ。
自分は『嵌められた』のだ。
迂闊だったと歯噛みする。話がうますぎると一度は疑念を持ちながらも、
その後ろくに警戒することもなく、言われるがままにまんまと誘き寄せられてしまった。
しかもこの状況……既に襲撃者との距離は僅かに『1m』程度まで迫られている。
モリーのスタンド『フラクタル』はそのヴィジョンの発現に際し、『立ち止まって指を五度回す』という動作が必要になる。
それには1秒から2秒程度の時間が求められ、途中で相手が攻撃などしてくれば当然発現は中断を余儀なくされる。
故に、“『フラクタル』を未発現の状態で敵に接近される”という状況は、
モリー・パイソンというスタンド使いにとって決して許してはならない死路であった。
あまりの失態に自分を呪いたくなるが、そんなことをした所で状況は何も変わらない。
どうにかして、この場を凌ぎきるためには────
「……確かにあたしは『モリー』だけど」
内心の焦りが表情に出ないよう極力努めながら、
モリーは改めて『武道着の女』と対峙する。
「『通り名』? 『罪状』?
いきなり出てきて何ワケのわかんないこと言ってんだ?
頭『クルクルパー』か? テメーはよぉ。
つーかテメーの方こそどこの誰だよ」
そう言いながらモリーは、その場に立ったまま、
ガラの悪い人間が他人を威圧するとき特有の顔を前に出して上体をやや前屈させた姿勢を取り、
『クルクルパー』という単語に合わせて左手の人差し指を自分のこめかみの横でグルグルと回してみせる。
発言も挙動も露骨な挑発――次の瞬間、相手から殴られてもおかしくないリスキーなアクションだが、
あえてモリーがこのような行動を取ったのには考えがあった。
一つは、この『武道着の女』はどうやら自分と『会話したがってる』らしいという点。
こちらが立ち止まってそれに応じるならその間は攻撃されない可能性はある。
そして、もう一つ。 、 、 、 、 、、 、 、 、 、、 、 、 、 、 、 、 、 、、 、 、 、 、、、 、 、、
挑発のジェスチャー……『左手の人差し指を自分のこめかみの横でグルグルと回してみせる』。
この動きのままに『五度』指を回して『フラクタル』を発現する。
【円盤1 発現:右人差し指/直径:10cm/高さ:足元から150cm/角度:水平】
状況的にそれなりに自然な流れで行った動作だ。
怪しまれて止められるかどうか、五分以上の勝算はあると見込むが……
(……行けるか……?)
24
:
『モリー・パイソンと追跡者』
:2015/07/13(月) 23:26:13
>>23
罠にハメられたと気付き、臍を噛む『モリー』。
接近を許した相手に『挑発』を交え、悪態を突いてみせた。
「ははぁん、そういう態度に出るわけですかぁ〜」
「ネタは上がってんですよ?
『倉庫街』の一件もそーですけど、
こっちは確かな筋から『情報』を得てますから」
『武道着』の女は余裕めいた表情を見せている。
何時でも倒せるという『確信』でもあるかのようだ。
『モリー』の煽るようなジェスチャーも意に介さず、そのまま言葉を重ねる。
「私は『蓮田淳子』って申しまして、
まぁー、ここ最近『スタンド』ってのに目覚めてですね」
「そーなると、一つ『ヒーロー』ってのをやってみたいんですが、
ちょっと『悪党』ってのに恵まれず、報われぬ日々を送ってたわけです」
「止む無く『倉庫街』をパトロールしてたら、
なんと! 一発の銃声! そこにいたのがお二人でした!」
「いやー、暗くて良く見えなかったんですけど、
『シャッター』を削ったのと、『拳銃』をパクったのは解りまして、
そーなるとホラ、タギるじゃあないですか? 『正義』の血ってのが」
『五度』、指を回す。それが『フラクタル』の発動条件。
『淳子』がペラペラと話を続ける間に、
ジェスチャーに交えて『フラクタル』の発現に成功する。
薄い円盤を『縦』に設置すれば、相対する相手には『気付かれにくい』。
その視線は『モリー』に向いたままだが、動きを止めたり探ったりする気配はない。
25
:
モリー『フラクタル』
:2015/07/13(月) 23:55:59
>>24
指を回しながら黙って『淳子』と名乗る女の話を聞く。
『倉庫街』での拳銃使いの男との私闘――それを見られていたとは寝耳に水だった。
しかも、この女が自分を罠に嵌めてまで襲撃した理由というのは……
「……要するにアレか?
おたくは自分が『ヒーロー』としてぶちのめせる『悪党』を探してて、
それであたしに目をつけて、わざわざ『曳舟』とかいうヤツと組んであたしを嵌めたってわけか?」
そう言って、モリーは指を回す動きを止めた。
「──────うらやましいな、ヒマそうで」
指の回転は『五度』に達した。
発現された『フラクタル』――『円盤①』を直ちに下図のような軌道で飛ばす。
壁―――戸―――――戸――――――戸――――――戸――――――戸――――――戸―――壁
壁□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□モ.□□□壁
壁□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□①□□□壁
壁階段壁壁壁―――壁壁壁――――壁壁壁――――壁壁壁――――壁壁壁―――人←┛壁階段壁
壁階段壁 壁階段壁
このような軌道で『淳子』の脚部を切り付けに行く。
『円盤①』の高さは足元から150cm。手すり壁の上に立ってる『淳子』相手なら恐らく膝辺りに切り込めるだろう。
26
:
『モリー・パイソンと追跡者』
:2015/07/14(火) 00:10:37
>>25
「――――その通り!
あっ、今のは『二重』の意味で正解ってことです。
つまり、『ヒマ』ってことと『ハメた』ってことで――――」
シルルルルルルゥゥゥ――――z____
ヒュカッ!
『フラクタル』のカーブ音に気付き、思わず飛び退く『淳子』。
しかし、そもそもの『速度』が違う。身を捩らせてスピンを始める『淳子』の下肢目掛け、
『フラクタル』が噛み付いた。
ズバッ
ゥゥウウ――――!!
パ ァァ ァアア ア ンッ!
『皮膚一枚』、『フラクタル』は確かに『切り裂いた』。
その瞬間、『フラクタル』の表面に無数の『ヒビ』が走ると、
さながら『自壊』するかのように『砕け散った』。
――――『衝突』による『破壊』だ。『フラクタル』では『両断』しきれないだけの『硬度』。
「あっ、あっびゃあああああ!!!!」
『淳子』の右脛から血液が滲み出ていく。確かなダメージは与えたようだ。
絶叫を響かせながら、足裏からまっすぐ地面へと落ちていく。
27
:
モリー『フラクタル』
:2015/07/14(火) 22:20:28
>>26
発進させた『円盤①』が狙い通りに命中したその瞬間、モリーは思わず目を見開いた。
命中し、『淳子』の脚部を両断すると確信したその刹那、
突き立てた『フラクタル』が一瞬にして砕け散ったのだ。
これは『フラクタル』では切断できないレベルの硬度の物体に衝突した時に起こる現象だが……
「……身体を硬くするのがおたくのスタンド能力だったってわけかい?」
右脛から血を流し、絶叫とともに手すり壁から落下していく『淳子』を見てモリーはボソリと呟いた。
両断とはいかなかったものの、それなりのダメージは与えられたようだ。
おまけにこの高さから落ちれば普通なら重傷は確実。
しかし……
「…………」
憮然とした表情のまま、一歩前に出て、
手すり壁の上から顔を出して、落ちていった『淳子』の様子を伺いたい。
28
:
『モリー・パイソンと追跡者』
:2015/07/20(月) 22:29:31
>>27
『モリー』は『円盤』の破砕について、推理する。
『破壊不能』、またはそれに類する『硬度』に対し、 Fast
『フラクタル』はその『切断力』を発揮できない。 「『 疾 く 』」 ヒ
それは本体である『モリー』が一番解っている。 ュ
ォ
――――だが、『キズ』は与えた。 Spanish ォ
身体を『硬く』する、その可能性に思い当たったからか、 「『 激 し く 』」
『モリー』は油断すること無く、『階下』を覗きこんだ。 オ
B r e a k オ
「『破砕する』ッ!」
_/
/
ギュァァァァ―――z____ンッ!!
さながら『ブレイクダンス』の如く、『蓮田』は身体の『捻り』によって回転する。
『航空自衛隊』に伝わる『五点着地法』、それにしては『雑』過ぎる。
だが、身を捩らせて『モリー』と目の合った『蓮田』は、その方法に絶対の『確信』を持っていた。
―――――ピタァァァ
『衝撃』が殺される。地面に転がる『蓮田』だが、その『音』は聞こえない。
ゴロゴロと転がりながら、想定する『フラクタル』の追撃から逃げるように、
一階の廊下へと転がっていく。『モリー』の視界からその姿が消える。
「待ってろぉぉ!!
今そっちに行くからなぁぁ!!」
元気な声が聞こえてくる。どうやら、まだまだ闘いたいようだ。
29
:
モリー『フラクタル』
:2015/07/20(月) 22:42:02
>>28
GMに質問なのですが、
>>13
のマップAAの□は一辺の長さがどれくらいの縮尺になるでしょうか?
30
:
『モリー・パイソンと追跡者』
:2015/07/20(月) 22:51:46
>>29
大体『1m前後』となりますが、
『モリー』PLの『意図』や『作戦』に応じ、
ある程度は『前後』させて頂いても構いません。
31
:
モリー『フラクタル』
:2015/07/20(月) 23:28:55
>>30
了解です。ありがとうございます。
32
:
モリー『フラクタル』
:2015/07/20(月) 23:29:24
>>28
「……ま、そうなるわな」
地面に落下してもピンピンしている様子の『蓮田』を確認し、
モリーは苦々しげに呟いた。
『フラクタル』で切断できないレベルの防御能力……となれば、
4階から落下したくらいではダメージを負わないのは当然の帰結である。
そして闘志の方も未だ満面の様子。
「しかし……マズいんじゃあないか? この状況……」
恐らく遠からぬ内に『蓮田』はこちらに向かってくるだろう。戦闘は避けられまい。
だが相手の肉体が『フラクタル』で切断できないとなれば、
もはや自分には勝ち目がない、ということになるのではないか?
(もし勝ち目があるとすれば……)
勝ち目があるとすれば、それは『蓮田』の能力が、
無条件で無敵になれる『わけではない』、という可能性だ。
何らかの条件を満たした上で肉体の防御能力を向上させる能力で、
逆に何らかの条件が不足した場合は能力が発揮されない、という可能性。
それならば、能力の詳細を暴ければ勝つチャンスはある。
もちろん、そんな条件があるかどうかなど現状定かではないのだが……
(……だが、さっきのヤツの動き……)
最初に手すり壁の上で『フラクタル』を避けようとした際、
そして先ほど地面に着地した際、どちらも『蓮田』は確か……
「……チッ。
やるしかねえか、どっちにしろ……」
そう呟くと、モリーはその場で両方の腕を回して二枚の『フラクタル』を発現する。
【円盤② 発現:右小指/直径:50cm/高さ:足元から130cm/角度:水平】
【円盤③ 発現:左小指/直径:50cm/高さ:足元から110cm/角度:水平】
それが済んだらその場に跪いて再度両腕を回し、更に二枚の『フラクタル』を発現する。
【円盤④ 発現:右薬指/直径:50cm/高さ:足元から50cm/角度:水平】
【円盤⑤ 発現:左薬指/直径:50cm/高さ:足元から10cm/角度:水平】
合計『四枚』の『フラクタル』を発現し、全機その場で静止状態で待機。
それが済んだら跪いた姿勢のまま足元に耳を当てて、
『足音』がどちらの側の階段から聞こえてくるか探る。
33
:
『モリー・パイソンと追跡者』
:2015/07/20(月) 23:49:51
>>32
クルクル
クルクルッ
『蓮田』の能力を『推察』しながら、
『モリー』は『回転』を加えて四枚の『フラクタル』を作成する。
ズラリと並んだ四枚の円盤、狭い『廊下』も相まって、死角はないように思える。
モリー
頭部
―
―
―
―
床床床床床床床床床床床床床床床床
(もし、並びに違いがあるとするなら、訂正のレスをお願いします。)
ドタドタドタドタ――――
耳を付ける間もなく、不格好な足音は『南方向』から聞こえる。
階段を登り終えた際、『モリー』とは距離を置く形になる。
今は『三階』だ。後、十秒もしない内に『四階』へと到達するだろう。
34
:
モリー『フラクタル』
:2015/07/21(火) 00:00:32
>>33
「……あっちか」
足音の確認が済んだら床面から頭を離し、
その場に立ち上がって足音の聞こえた南側階段の方に目を向ける。
35
:
『モリー・パイソンと追跡者』
:2015/07/21(火) 00:11:40
>>34
『モリー』は『フラクタル』の準備を終え、『南側階段』へと視線を向ける。
足音は大きくなり、……その音が止まる。
ゴロロロロロロロロ――――
シュタッ
バッ!!
前転を繰り返して『廊下』へと飛び込んできた『蓮田』、
その勢いを殺さずに身体を伸ばし、即座に『側転』。
『身体能力』は凡人だが、その『精度』はかなりのものと伺える。
「『スパニッシュ・ブレークファースト』ッ!!」
「『エクストリーム』にアナタを倒す!」
バババッ!!
『側転』から『バク転』、アクロバティックに『モリー』との距離を詰めていく。
壁―――戸―――――戸――――――戸――――――戸――――――戸――――――戸―――壁
壁□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□壁
壁□□□□□蓮□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□モ.□□□□□□壁
壁階段壁壁壁―――壁壁壁――――壁壁壁――――壁壁壁――――壁壁壁―――――壁階段壁
壁階段壁 壁階段壁
36
:
モリー『フラクタル』
:2015/07/21(火) 22:08:41
>>35
「……その動きに何か意味があるのか?」
器械体操のような動きで接近してくる『蓮田』の姿を見て揶揄するように呟く。
どう考えても普通に走ってきたほうが速いと思うが……
(…………。 、、 、 、 、 、 、 、、
その動きに……何か意味があるのか?)
最初に『フラクタル』を斬り込ませたとき、
『蓮田』は身を捻らせて体をスピンさせようとしたような動きを見せた。
その後、手すり壁から落下したときはブレイクダンスのような動きで地面に着地した。
そして今、前転から側転、バク転という動きでこちらに向かってきている。
執拗に繰り返される『体を回転させる動作』……それに能力の秘密が隠されているのではないか?
そう考え、モリーは発現した四枚の『フラクタル』の一つ、『円盤②』にコマンドを入力し、発進させる。
壁―――戸―――――戸――――――戸――――――戸――――――戸――――――戸―――壁
壁□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□壁
壁□□□□□蓮□□□□□□□□□□□□□□□□←━━━━━━━━━━①モ.□□□□□□壁
壁階段壁壁壁―――壁壁壁――――壁壁壁――――壁壁壁――――壁壁壁―――――壁階段壁
壁階段壁 壁階段壁
向かってくる『蓮田』に対し、上図のように正面から迎え撃つ軌道で真っ直ぐ飛ばす。
『円盤②』の高さは床から130cm。ちょっと身を屈めれば避けられる可能性大だが、
あのようなアクロバティックな動きをしている『蓮田』ならば恐らく避けられまい。体のどこかには当たるだろう。
それによって、最初に足を切りつけた時のように『浅い傷』なら付けられるのかどうか、
そしてそのダメージによって『蓮田』の動きをどの程度崩せるかを確認したい。
37
:
『モリー・パイソンと追跡者』
:2015/07/21(火) 23:31:18
>>36
(モリー)
嘲るような呟きのはずが、発した言葉に引っかかりを覚える『モリー』。
『やかましい』アクションの数々が脳裏を過ぎていく。
「私は生まれつき『怖いもの知らず』でさ。
クラスの誰よりも高い『木』に登って、深い『湖』に潜った。
台風の日に田んぼの様子も見に行った!」
「日本人は97%が『恐怖遺伝子』ってのを持ってて、
それを持たない人間は『セロトニン』がどーだこーだで、
要するにアタシは『遺伝子』が『命知らず』なんだろーね!」
ドバッ ドバッ
ビュォンッ!
『バク転』から『錐揉み回転』、さながら『フィギュアスケート』から『社交ダンス』へ変遷するように。
円弧を描きながら『モリー』へと直進する、機敏な動きは留まるところを知らない。
時間を掛ければ『防火扉』さえ切断する『フラクタル』が迫る中、
その『アクロバティック』が止むことはない。
―――――パァァンッ!
まただ。『蓮田』の首筋に触れた『フラクタル』は容易く『砕け散った』。
『回転中』に触れていたのが確認出来る。そして、『蓮田』は微動だにしていない。
「『エクストリームアイロン』と同じでさ、
理由は何でも良かった。『暴れたかった』」
「そこでアナタを見つけた。
ゾクゾクしたわ。やはり『悪党』っているのね、と」
『モリー』は『蓮田』に双眸を射抜かれる。
洗濯機の中にいるかのような激しいアクション、それでも『モリー』から目を離さない。
----------------------------------------------------------------------------------------------
[モ]
-2-. |///|
|///| -3-
-4- .|///|
|///| -5-
【円盤2 発現:右小指/直径:50cm/高さ:足元から130cm/角度:水平】
【円盤3 発現:左小指/直径:50cm/高さ:足元から110cm/角度:水平】
【円盤4 発現:右薬指/直径:50cm/高さ:足元から50cm/角度:水平】
【円盤5 発現:左薬指/直径:50cm/高さ:足元から10cm/角度:水平】
壁―――戸―――――戸――――――戸――――――戸――――――戸――――――戸―――壁
壁□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□壁
壁□□□□□□□□蓮←━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━②モ.□□□□□□壁
壁階段壁壁壁―――壁壁壁――――壁壁壁――――壁壁壁――――壁壁壁――――――壁階段壁
壁階段壁 壁階段壁
※『モリー』のレス表記では『①』でしたが、解りやすく図化する為に円盤の数字と合わせました。
----------------------------------------------------------------------------------------------
38
:
モリー『フラクタル』
:2015/07/22(水) 00:04:45
>>37
―――――パァァンッ!
甲高い音を立てて『フラクタル』が破砕するのをモリーは冷ややかな目で見届けた。
予想外の光景……ではない。最初に脚部に『フラクタル』を切り込ませた時は
『蓮田』は体を『回しかけ』の状態だったが、
今回はそれとは違い全身が完全に回転運動の勢いに乗っている。
最初の時より高いレベルで能力が発揮されていてもおかしくないとは思っていた。
ならば、対処は─────
「……へぇー、そりゃ驚いた。
『遺伝子』が『命知らず』と来たか。そいつはスゴイ。
生まれながらの『英雄の資質』ってわけだ」
恐怖遺伝子がどうこうとかいう『蓮田』の発言に応えながら、
モリーは斜め前に一歩足を踏み出す。
「……そんなに『暴れたい』っつーならよ……」
そのまま二歩、三歩と歩みを進め、
壁―――戸―――――戸――――――戸――――――戸――――――戸――――――戸―――壁
壁□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□モ.□□□□□□□□壁
壁□□□□□□□□蓮□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□◎□□□□□□壁
壁階段壁壁壁―――壁壁壁――――壁壁壁――――壁壁壁――――壁壁壁――――――壁階段壁
壁階段壁 壁階段壁 (◎=円盤3、4、5)
上図で示した位置まで移動し、 、 、 、 、 、 、 、 、、、
その場で『蓮田』の方に視線を向け、棒立ちのまま待機する。
、 、 、
「いいぜ、やれよ。
『ローリングソバット』でも『胴回し回転蹴り』でも、
お好きな様にぶち込んできな」
両腕をだらんと下げて立ち尽くしたまま、そう『蓮田』に告げる。
39
:
『モリー・パイソンと追跡者』
:2015/07/22(水) 00:21:06
>>38
「よっしゃあ!」
脱力して身を投げ出した『モリー』に対し、
『蓮田』は待ってましたとばかりに『側転』で走り寄る。
さながら、『ラート競技』にも似た移動だ。
シュタッ
ダダダァ――――ッッ!!
『モリー』から『5m』手前、『蓮田』は『側転』から通常の走法へと切り替える。
そのまま『モリー』へ向かって走ら……『ない』。
「その手には乗らないぞ!
『悪党』は『絡め手』、これジョーシキでしょ!」
速度を落とさずに直進し、『円盤』へと突っ込んでいく。
キレの良い『スピン』を交えながら、『円盤』を破壊する気満々だ。
----------------------------------------------------------------------------------------------
[モ]←――――――『右小指、右人差し指の麻痺』
|///|
|///| -3-
-4- .|///|
|///| -5-
【円盤3 発現:左小指/直径:50cm/高さ:足元から110cm/角度:水平】
【円盤4 発現:右薬指/直径:50cm/高さ:足元から50cm/角度:水平】
【円盤5 発現:左薬指/直径:50cm/高さ:足元から10cm/角度:水平】
壁―――戸―――――戸――――――戸――――――戸――――――戸――――――戸―――壁
壁□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□モ.□□□□□□□□壁
壁□□□□□□□□蓮□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□蓮□□□◎□□□□□□壁
壁階段壁壁壁―――壁壁壁――――壁壁壁――――壁壁壁――――壁壁壁――――――壁階段壁
壁階段壁 壁階段壁 (◎=円盤3、4、5)
----------------------------------------------------------------------------------------------
40
:
モリー『フラクタル』
:2015/07/22(水) 00:35:24
>>39
自分の側面を走りぬけようとする『蓮田』に対し、
モリーはその場から左足を出して『足払い』を仕掛け、『蓮田』を転倒させようと試みる。
同時に、『円盤⑤』にコマンドを送信。
壁―――戸―――――戸――――――戸――――――戸――――――戸――――――戸―――壁
壁□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□モ.□□□□□□□□壁
壁□□□□□□□□蓮□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□蓮□←⑤◎□□□□□□壁
壁階段壁壁壁―――壁壁壁――――壁壁壁――――壁壁壁――――壁壁壁――――――壁階段壁
壁階段壁 壁階段壁 (◎=円盤3、4)
上図のような軌道で直進させる。
狙い通り『蓮田』が足払いで転倒したらそのまま頭部に命中させることが出来るだろう。
41
:
『モリー・パイソンと追跡者』
:2015/07/23(木) 22:47:34
>>40
スコッ
「んばぁ!?」
『モリー』に左足首を蹴り駆られ、空中へその身を投げ出す『蓮田』。
さながら『柔道』の受け身の如く、マントを翻しながら背中を地面へと叩きつけ――――
ギャォ―z_
パァァァンッ!!
「甘いわァ!」
左手を軸にブレイクダンスの如く『回転』。
化け物じみた『身体制御力』、単純な手では『姿勢』を崩せない!
そして、その最中に『蓮田』に衝突した『円盤5』は容易く破壊される。
ゴォォッ
「『スパニッシュ・ブレークファースト』ッ!
悪党だろーとヒーローだろーと、
『やり過ぎ』なくっちゃあ意味がないッ!」
その回転を利用し、『モリー』の両膝目掛けて『両足蹴り』を浴びせる。
42
:
モリー『フラクタル』
:2015/07/23(木) 23:09:17
>>41
左手を軸にしたブレイクダンス・スピン、
そしてその回転運動を利用した両脚での蹴り。
その攻撃をモリーは避けようと―――せず、
ガッ
その場から動かずに、腕だけを背後に回し、
すぐ後ろの『手すり壁』を掴む。
これによってモリーは自身の体を『固定』する。
こうすれば、蹴りを食らっても体は大きくは動かない。
そして、それは即ち、
、 、 、 、 、 、、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、、 、 、 、 、 、 、 、、
蹴りを命中させた瞬間、『蓮田』の身体の回転は『止まる』ということに他ならない。
「─────やれッ!」
そして『円盤③』『円盤④』にコマンド・オン。
蹴りが自分に命中し、『蓮田』の動きが止まる一瞬のタイミングに合わせて、
切り込めるよう『蓮田』目掛け一直線に飛ばす。
高度50cmの『円盤④』は軸となっている『左手』を、
高度110cmの『円盤③』はその上の『胴体』へと斬り込む。
43
:
モリー『フラクタル』
:2015/07/23(木) 23:20:20
>>42
文中に一箇所誤記があったので訂正します。
誤:すぐ後ろの『手すり壁』を掴む。
正:すぐ後ろの『戸』を掴む
44
:
『モリー・パイソンと追跡者』
:2015/07/23(木) 23:42:27
>>42
ガシッ
手近な『405号室』の『ドアノブ』を掴み、衝撃に備える『モリー』。
すぐさま、覚悟していた一撃は襲いかかってきた。
「膝の『皿』まで割ってやるッ!」
――――ゴガァッ!
『両膝』を砕かれるような衝撃、『逃げ場』がないだけダメージが大きい。
思わず尻餅を突きそうになるも、壁に寄りかかって体勢を維持する。
そして、そう、『狙い』通りだ。
、 、 、 、 、 、、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、、 、 、 、 、 、 、 、、
>蹴りを命中させた瞬間、『蓮田』の身体の回転は『止まる』ということに他ならない。
>「─────やれッ!」
シルルルルルルゥゥ――――
ズッパォォォンッ!!!
身を低く伏せ、『両膝』を狙って蹴りを放った『蓮田』に対し、
高度110cmの『円盤3』は意味を成さなかった。
『胴体へ飛ばす(=蓮田の位置まで進行させる)』という命令に対し、
身を横たえるような姿勢を取る『蓮田』の真上を通り過ぎる形となる。
ボ 「あ、あ゙ぁ゙...
タ ブ
ァ あぎゃああああああ!!!」 シ
ュ ”
ォ
しかし、高度50cmの『円盤4』は蓮田の『左肩』へと食い込んだ。 \_.・
回転の停まった『蓮田』に対し、『フラクタル』は容赦しない。 \_.・
左肩を刳り裂き、『神経』ごと骨肉を『両断』。バランスを崩した『蓮田』は地面に伏す。 ”
その身を捩らせて身悶え、廊下を転がって『モリー』から距離を離そうとする。
----------------------------------------------------------------------------------------------
[モ]←――――――『右小指、右人差し指、左薬指の麻痺』
|///|
|///| -3-
-4- .|///|
|///|
【円盤3 発現:左小指/直径:50cm/高さ:足元から110cm/角度:水平】
【円盤4 発現:右薬指/直径:50cm/高さ:足元から50cm/角度:水平】
壁―――戸―――――戸――――――戸――――――戸――――――戸――――――戸―――壁
壁□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□モ.□□□□□□□□壁
壁□□□□□□□□蓮□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□◎腕蓮→□□□□□□壁
壁階段壁壁壁―――壁壁壁――――壁壁壁――――壁壁壁――――壁壁壁――――――壁階段壁
壁階段壁 壁階段壁 (◎=円盤3、4)
----------------------------------------------------------------------------------------------
45
:
モリー『フラクタル』
:2015/07/23(木) 23:54:50
>>44
廊下を転がりながら逃げようとする『蓮田』に対し、
モリーは跳びかかって、伏した体勢の『蓮田』の胴体に馬乗りになることを狙う。
狙い通り成功し、『転がる』という動作を封じることができたら、
馬乗りの体勢から『蓮田』の頭部に向かって『掌底打ち』を振り下ろし、意識が無くなるまで殴打し続ける。
壁―――戸―――――戸――――――戸――――――戸――――――戸――――――戸―――壁
壁□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□┏┓モ.□□□□□□□□壁
壁□□□□□□□□蓮□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□┗◎腕蓮→□□□□□□壁
壁階段壁壁壁―――壁壁壁――――壁壁壁――――壁壁壁――――壁壁壁――――――壁階段壁
壁階段壁 壁階段壁 (◎=円盤3、4)
『円盤③』『円盤④』は上図のような軌道でスクウェア・ループさせる。
46
:
『モリー・パイソンと追跡者』
:2015/07/24(金) 00:08:58
>>45
ズキィッ!
絶好の機会に飛び掛かろうとする『モリー』だが、
その『両膝』が悲鳴を上げる。唯でさえ、『蹴り』を受けた直後だ。
『膝』のダメージも大きい。今、飛び掛かるのは不可能だ。
「ま、待て!」
「いいのか!?
い、今、私をぶっ殺すと後悔するぞ!」
「い、命乞いじゃあないぞ!
だって、私は『恐怖』を感じないわけだから!
親指の逆剥けを逆に剥くことだって怖くないし!」
『大量出血』のせいか、顔を青ざめて脂汗を垂れ流す『蓮田』。
身体を転がしながら『蓮田』は握り拳を突き上げて抗議をする。
……『握り拳』を突き上げている。当たり前だが、何かを握っているようだ。
壁―――戸―――――戸――――――戸――――――戸――――――戸――――――戸―――壁
壁□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□┏┓モ.□□□□□□□□壁
壁□□□□□□□□蓮□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□┗◎腕□□蓮→□□□□壁
壁階段壁壁壁―――壁壁壁――――壁壁壁――――壁壁壁――――壁壁壁――――――壁階段壁
壁階段壁 壁階段壁 (◎=円盤3、4)
47
:
モリー『フラクタル』
:2015/07/24(金) 00:10:26
>>46
『蓮田』の話を聞く。
48
:
『モリー・パイソンと追跡者』
:2015/07/24(金) 00:12:49
>>47
「いいのか、話すぞ!?」
49
:
モリー『フラクタル』
:2015/07/24(金) 00:13:49
>>48
聞く。
50
:
『モリー・パイソンと追跡者』
:2015/07/24(金) 00:14:23
>>49
「よく聞け!」
51
:
『モリー・パイソンと追跡者』
:2015/07/24(金) 00:24:11
>>47-49
「こ、これを、見ろ。
――――いや、逆だ。逆だった。 、、、 、 、、
床、床を見ろ。じっくり、よく見て、 ――――失くなってる、でしょ?」
『蓮田』の言葉を聞く姿勢になった『モリー』は、言葉通りに床へと視線をやる。
血まみれになった廊下はヒドイ有り様だ。『腕』以外には何も落ちていない。
……『406号室』の『鍵』が消えている。『消火器置き場』の上にもない。
『蓮田』の蹴りによって、『廊下』に落ちたのか。
「今、地面を転がった時に、『拾った』のよ。
その鍵で、部屋に入るよう、言われてるんでしょ……?
今どき、『ディンプル』も掘ってない鍵なんて、防犯意識無さすぎ……。
『そこが絶好のチャンス』だって、汚いオジさんが言ってたから。
――――この鍵、外に放り投げることも、私には出来る、わけだけど」
「見逃したり、してみない?
……ど、どう?」
身を屈めたまま、止血もままならない『左肩』から血を流し、
『蓮田』は己のプライドを保とうと努力しながら、必死で懇願する。
52
:
モリー『フラクタル』
:2015/07/24(金) 00:32:42
>>51
高度50cmの『円盤④』をスクウェア・ループから切り離し、
『蓮田』の『突き上げた拳』、その腕に向かって飛ばし、切り落とす。
53
:
『モリー・パイソンと追跡者』
:2015/07/24(金) 00:50:29
>>52
ズッパァァンッ!!
「うぉ、がぁ!」
『モリー』の放った『フラクタル』によって、
『蓮田』の右手首は無残にも切り飛ばされる。
チャリリンッ
『MIWAキー』がその手から転がり落ちる。
咄嗟に拾おうと手を伸ばす『蓮田』だが、
その手首から先が存在しないことに気付き、絶叫した。
「あ、がああああああ!!!」
「ぢ、ぢ、血がァァァ――ーz_____ッ!!
こんな、クソ、アタシが、『無敵』、
・
・
・
や、や、『やり過ぎ』だろこんなのォォ―――ーz____!!!!」
ヨロヨロと立ち上がった『蓮田』は悪態を突きながら、
背面跳びの如く、手すり壁を飛び越える。
54
:
モリー『フラクタル』
:2015/07/24(金) 00:54:32
>>53
手すり壁の前まで移動し、飛び降りていった『蓮田』の様子を確認する。
55
:
『モリー・パイソンと追跡者』
:2015/07/24(金) 01:04:56
>>54
ギャォォォォ――――
ピタ ァ ァ ...
蓮田は両脚をジタバタと足掻き、藻掻くように身体を回転させる。
地面との接触、先ほどと同じように『衝撃』を完全に殺している。
身体を捻りながら立ち上がり、真上から見下ろす『モリー』を睨みつける。
「ば、バーカバーカ! 年増!
陰険顔! 今回は負けたが、男にモテるのは私の方だし!」
血液をダラダラと流しながら、『一階の廊下』へと消えていく『蓮田』。
あの出血量では『長く』はないだろう。
56
:
モリー『フラクタル』
:2015/07/24(金) 01:14:15
>>55
「…………」
逃げていく『蓮田』は放っておくことにする。
あの出血量ではどの道助かるまい。
そう考えながら、モリーは床に落ちた『MIWAキー』を拾い上げる。
『蓮田』が自分と戦う機会を作るために『曳舟』を差し向けて自分をおびき寄せたという話を聞いた時、
この『半田団地』に『売人』がいるという話自体が丸っきり嘘だったのかと思ったが、
つい先程の『蓮田』の発言を踏まえると……ここに『売人』がいるということは事実、ということなのだろうか?
――拾った『キー』を『406号室』の錠に差し込んで回してみる。
57
:
『モリー・パイソンと追跡者』
:2015/07/24(金) 01:28:37
>>56
『売人』の話に疑いを持つも、
『モリー』は『406号室』の施錠を解き、室内へと入る。
ガチャ
ギィィィ―――――z____
「来たね」
「見ていたよ、『お疲れ様』」
扉を開けた『モリー』は、背後から差し込む僅かな明かりから部屋の全貌を把握した。
『ない』。『家財道具』も、『壁』も、『床』も、一切が存在しない。
『一階の天井』から『五階の床』まで、全てを破壊して『ぶちぬいて』いる。
『モリー』の足元に在る1メートル四方の『ハシゴ付きの足場』だけが、この高さに存在する。
もしも、他の部屋から『押し入ろう』とすれば、どうなっていたかは想像に難くない。
「アタシはね、『売人』だけど『盗品』は扱わない。
何を勘違いしたのか、汚い男が誤解してたけどね」
「扱うのは『戦利品』。
『傾国の美姫』の美しさは、
彼女を巡る『争い』によって磨かれる」
「珈琲も紅茶も、金もダイヤも素晴らしい。
それは『世界』が争ったからに他ならない。
『石油』だってそうだろ? 争いが『価格』を、『価値』を引き上げる」
対面する『壁』は『棚』だ。何が納められているかは解らないが、
今の話からすれば『戦利品』が収納され、飾られているのだろう。
ゴゥンゴゥンゴゥンゴゥン ・ ・ ・
「ようこそ、『首級の倉』へ。
アタシはアンタを歓迎する、『戦士』さん」
『棚』の前から『リフト』が競り上がり、『売人』が姿を現す。
三十代前半ほどのアジア人女性だ。
長い黒髪を一つにまとめ、銀縁の丸メガネを掛けている。
「持ってきたんだろう、『戦利品』。
見せてくれるかい? 値段は弾ませてもらうさ」
ゴゥンゴゥンゴゥンゴゥン ・ ・ ・
『リフト』が前進し、『モリー』へと近づいていくる。
58
:
モリー『フラクタル』
:2015/07/24(金) 21:59:25
>>57
(本当にいたのか……!)
飛行中の『円盤③』『円盤④』を自分の近くまで移動させて解除し、
空けたドアを閉める。
「ああ……こいつだよ」
右手の親指、中指、薬指でジーンズの後ろポケットから『スタームルガー セキュリティ6』を取り出し、
リフトに乗って近づいてくる女に提示する。
59
:
『モリー・パイソンと追跡者』
:2015/07/25(土) 12:52:36
>>58
「どれ、どれどれ……」
『モリー』に摘み上げられた『拳銃』を受け取り、
取り出したマグライトで『拳銃』を照らすと、
『売人』はしげしげと『戦利品』の鑑定を始める。
「――――『30万円』ってところか。
必要ならば、『鑑定書』も提示するけど、どうする?」
60
:
モリー『フラクタル』
:2015/07/25(土) 14:07:49
>>59
「『30万円』か。いいぜ、充分な額だ」
『売人』にそう告げる。
「『鑑定書』?
そうだねえぇ……まあ、タダで貰えるなら貰っとくわ」
61
:
『モリー・パイソンと追撃者』
:2015/07/25(土) 23:03:37
>>60
「『毎度あり』。
じゃあ、後で『発送』させてもらうよ」
『売人』は呆気なく『拳銃』を引き取ると、
代わりに茶封筒を差し出した。
腰の後ろに巻かれた『ホルスター』から『一万円札』を取り出し、
茶封筒に包んだようだ。『マグライト』は口に咥えている。
62
:
モリー『フラクタル』
:2015/07/25(土) 23:06:08
>>61
「どうも」
茶封筒を受け取り、中身が『30万円』入っているか確認する。
問題なければ金を仕舞って外に出る。
63
:
『モリー・パイソンと追跡者』
:2015/07/26(日) 00:20:07
>>62
抜け目なく『札束』の枚数を数える『モリー』。
『一万円札』が三十枚ピッタリだ。目的は果たされた。
ギィィ
バタン
カツン カツン カツン . . .
明かりの乏しい外廊下を歩く『モリー』。
『靴音』が夜闇に響く。手近な『北側階段』から一階へと降りていく。
両膝には『痛み』が残るが、この分ならばタクシーを使わずに済みそうだ。
64
:
モリー『フラクタル』
:2015/07/26(日) 00:34:07
>>63
目的は果たした。
そのまま歩いて『半田団地』から立ち去る。
65
:
『モリー・パイソンと追跡者』
:2015/07/26(日) 01:02:21
>>64
カツン カツン カツン . . .
団地から歩いて立ち去る『モリー』。
地下鉄の最終電車に乗り込み、座席に腰掛ける。
無意識に両足を組み、靴の裏を前方へと向けた。
ガタン
ガタン
ガタン
靴裏は『綺麗』だった。
『廊下』を歩く際、水溜りのような『血痕』を踏んだはずなのに。
……いや、『靴音』はしていた。歩く時に血液の跳ねる音さえ聞こえなかった。
ガタン
ガタン
ガタン
何にせよ、『負債』となるやもしれぬ『拳銃』を片付けた。
『モリー』は思考を止め、しばし眠りに誘われる。
ガタン
ガタン
ガタン
モリー『フラクタル』→『拳銃の売却』、『報酬:三十万円』
,『両膝打撲』、『全治二週間』。
蓮田淳子『スパニッシュ・ブレークファースト』→『大量失血』、『左腕切断』、『右手首切断』、
.『敗北』、――――『再起可能』
『Mission Complete!』
66
:
『モリー・パイソンと追跡者』
:2015/07/29(水) 23:48:22
一階の廊下に身を横たえ、悶えるような呼吸を繰り返す『蓮田』。
『予感』と『体感』の区別なく、生きる者なら誰もが抱くであろう『死』への恐怖。
『蓮田』はそれを感じていた。粘りを帯びた汗を流し、生まれて初めて『怯えた』。
「(ヤ、ヤバ、血、流しすぎた……)」
「(ウソ、ここで、死)」
ドボッ
ドボボッ
「(イヤだ、イヤだ、生きたい――――)」
「ヘッヘッヘッ、お困りのようですなぁ。
……ありゃあ、まあ。コイツはいけねぇ、ボロボロじゃあねぇですか」
その小男は卑屈な笑みを浮かべながら、満身創痍の『蓮田』へと近づいた。
『モリー』の情報を売り渡し、『蓮田』に対峙させた『曳舟』。
彼女は今、『売人』と取引の真っ最中だろう。……『成功』した。
「いやいや、お疲れ様でごぜぇました。
アンタぁ見事に、『モリー』の姉御の『かませ犬』をやり遂げたんでェ」
「戦利品を欲しがる『売人』の前で、『戦闘』をやらせる。
お陰で、姉御も好印象で取引を進められたわけでさぁ。
……大変、大変お疲れ様でごぜぇました」
ズ 「だから、コイツは『おまけ』ですぜ。
ア ヘッヘッヘッ、礼には及びませんて。
ァ 元々、アンタのですから、元手はゼロ」
「『アナーキー・イン・ザ・UK』、
本当に欲しいものなら、
アタシがいくらでも『用意』してやりますぜ……ヘッヘッヘッ」
67
:
『モリー・パイソンと追跡者』
:2015/07/29(水) 23:48:50
ターバンと武道着で構成された『纏うタイプ』。
『アクロバティック』に動く間、『ノーダメージ』になる能力。
高い精密動作性を活かした『アクロバット』を行う間、
物理的な『衝撃』を全て受け流し、事実上の『無敵』になる能力。
自身のアクションで発生する『衝撃』さえ無効化する為、
着地後や跳躍中であっても、スムーズな『アクション』の連携を可能とする。
あくまでも『衝撃』の無効化であり、『炎』や『電気』の影響は受ける。
……が、それさえもいずれは『克服』するかも知れない。
『スパニッシュ・ブレークファースト』
破壊力:C スピード:C 射程距離:E
持続力:E 精密動作性:A 成長性:A
68
:
『モリー・パイソンと追跡者』
:2015/07/29(水) 23:49:03
『神の見えざる手』を認識し、干渉する能力。
『アナーキー・イン・ザ・UK』
破壊力:? スピード:? 射程距離:?
持続力:? 精密動作性:? 成長性:?
69
:
『稲積誇生と笑う犬の冒険』
:2015/07/30(木) 23:11:36
日曜日の昼下がり。
メインストリートから道一つ外れた住宅地の中、
建売住宅の中に混じった『ラクアクア』の事務所に、『稲積』はいた。
「――――と、これで説明は以上となります」
にこやかな笑顔をした中年男性、『吉田松太郎』の説明が終わった。
夕暮れの倉庫街で行われる、密された『スタンドファイト』。
どのような目的で『稲積』がこの闘いに興味を持ったかは不明だが、
たった今、選手登録用の書類に『サイン』を記し、その『闘志』を露わにしたのだ。
否、ここに至って『稲積』には『登録』以上に必要なことがあった。
『闘技場』という環境上、『武器』については他よりも詳しいに違いない。
失った『愛銃』の行方、何処かに心当たりがあるやも知れないのだ……。
【個】Dominator of ARENA 〜感情烈赤〜【ミ】
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/netgame/9003/1332343787/104-114
以上の説明について、参加者は知っているものとする。
持ち物、能力詳細についての記載をお願いします。
70
:
稲積 誇生『バイト・ザ・ブリット』
:2015/07/30(木) 23:27:17
>>69
「ああ、ああ…」
説明に対して、頷き続ける。
一応話は聞いちゃあいるが…生返事なのは否定できねえ。
さらに先を、見据えてるからな。
今のオレにとっちゃあ、ここは通過点。
オレの関心は一つ――奪われた『拳銃』の在処だ。
***
本体の口に発現している金属製の『歯』のヴィジョン。
『苦痛』を噛み締め、『撃ち返す』能力。
『バイト・ザ・ブリット』
『歯』
破壊力:B スピード:C 射程距離:E
持続力:A 精密動作性:E 成長性:D
『弾丸』
破壊力:B スピード:B 射程距離:C〜A
持続力:D 精密動作性:C 成長性:なし
能力詳細:ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/netgame/9003/1311712763/680-681
外見:金髪を刈り上げている。根本は黒髪な為、襟足のあたりは黒い。体格はがっちりしている。
服装:黒地に白い牙模様のTシャツに、学ラン。
所持品:なし(ケータイや財布などのみ)
71
:
『稲積誇生と笑う犬の冒険』
:2015/07/30(木) 23:36:59
>>70
「では、何か質問はございますか?
……実は、お恥ずかしながら我々も『ファイター』が少なくてですね、
会場では『セクションV』が始まるというのに、
此方はファイターが一人、まだ入院中でして、」
「有り体に言いますと、
『稲積』さんには是非とも次の『試合』に出場して頂きたく――――」
伺いを立てるよう、低姿勢ながらも探る視線が『稲積』に向けられる。
72
:
稲積 誇生『バイト・ザ・ブリット』
:2015/07/30(木) 23:50:22
>>71
「………」
来た。
ここだ。聞くならこのタイミングしかねえ。
「…『盗難品』を、探してる」
ファイターとして登録しちゃあいるが、オレは根本的なところでただの高校生だ。
目の前の中年の腹の内なんか読めねえ。余計なことを言ってひでえ目に遭うかもしれねえ。
だから、緊張しながらも続ける。そのくらいのリスクで諦められる代物でもねえしな。
「『拳銃』だ。種類は『スタームルガー セキュリティ6』。
闘技場っていうくらいだ。武器には詳しいんだろ?
何か知ってることはねえか? どこそこで盗難品の拳銃が出回ってるとか」
我ながら、雑な質問の仕方だと思う。
だが、オレは腹芸なんかできねえからな。こう聞くしかねえ。
「ついでに言うと、オレの『能力』は銃器を使う。
なくても、まあ全く何もできねえってこたぁねえが…
大したことができねえってことは間違いねえぜ。
それじゃあ、お互い困るだろ」
あくまで強気で、そう言う。
『関係ない、やれ』って言われればそれまでだし、『やる覚悟』は決めてきたが…
こういえば、相手も少しは真面目に取り合ってくれるか…?
73
:
『稲積誇生と笑う犬の冒険』
:2015/07/31(金) 00:02:01
>>72
『覚悟』を決めて『交渉』を開始する『稲積』。
銃器の名前を告げると、『吉田』は明らかに当惑した表情を見せる。
. .
「ん……。んん、『スターマルダー』?
そ、そうですね、生憎、『拳銃』の出処というのは、
いやー、ちょっと解らないですねぇー……」
「お話した通り、『銃器』のレンタルも行ってます。
唯、『Cランク』での戦闘に用いれば、
使用料が『ファイトマネー』を上回ってしまいますので、
あまりオススメは出来ませんね……はいっ」
まだまだ人生経験の乏しい『稲積』だが、目の前の男の素養は大体掴めた。
『闘技場』なんて血生臭いステージに相応しくない、『凡夫』だ。
特に『腹芸』や『ネゴシエート』で有利な立場を作ろうなんて、お首にも出していない。
「え、えぇ〜〜〜〜〜〜ッッ!?
ひょ、ひょっとしてなんですけど、
『拳銃』、持ってないんですか!? 拳銃が必要なのに!?」
「参ったなぁー、レンタルはさっきも言った通りですし……。
う、うーん、『拳銃』を使う方も、いるにはいるんですけどねぇ……」
露骨に困り顔を浮かべる『吉田』は『ノートパソコン』を反転させ、
ディスプレイを『稲積』へ向ける。画面上ではアリーナでの戦闘が行われていた。
『ターバン』と『武道着』を纏った人影、テンガロンハットの人影が対峙している。
74
:
稲積 誇生『バイト・ザ・ブリット』
:2015/07/31(金) 00:13:18
>>73
スタームルガーだ、って訂正は、言っても無駄だろうな…。
次に顔を合わせた頃には忘れられてそうだ。
そういうタイプだってことは、何となく分かった。
だが、腹黒って感じでもねえってことも、何となく分かった。
「………情けねえことにな」
内心での警戒度を下げつつ、苦虫を噛み潰したような顔で言う。
実際、喧嘩に負けて取られたんだから落ち度はオレにあるわけだしな。
それで拳銃なしでアリーナに登録するってんだから、我ながら無茶だと思う。
しかし、参ったな…『闘技場』なら武器についても何か
分かるだろうと思ってたが…空振りか。
しかも、一度しちまったサインは撤回できねえしな…。
「じゃあ『ブラックマーケット』の噂ならどうだ?
小耳に挟んだ情報だが…この街にはそーいうのもあるらしいな」
もう少し、大きいものについて聞いてみれば反応も変わるか?
聞き方を変えてみながら、画面の方に視線を移す。
75
:
『稲積誇生と笑う犬の冒険』
:2015/07/31(金) 00:31:13
>>74
「い、いえいえ、そもそも『拳銃』なんて、
日本で持ってるの自体がおかしいんですから!」
自嘲する『稲積』を慮ったまでは良かったものの、
フォローになってないフォローでお茶を濁す『吉田』。
続いて、『ブラックマーケット』の話を振られるも、難渋そうに首を振った。
「い、いやいや、あるのかないのか……。
実は私自身も『末端』でして、
数年前までは工場に雇われてた一般人でして、
うーん、『闘技場』で使用する分には、
私の方で用意出来るのですが、……あっ、始まりましたね」
アリーナの中心部には『物見櫓』のような『高層足場』が立てられている。
設置された螺旋階段を駆け上がる『ターバン』、何やら叫んでいる。
一方、テンガロンハットはポケットから拳銃を取り出し、コメカミに銃口を押し当てる。
「ペルソナ! ペルソナ!」
「ああ、こういうパフォーマンスで使う分には、
レンタル料も安く済むんですけれど、
一度使ってハイおしまい、じゃあないですものねぇ」
何やら連呼するテンガロンハット、そこに『吉田』の解説が交じる。
しかし、『稲積』の視線は『拳銃』へと吸い寄せられる。見間違えるはずがない。
――――『スタームルガー セキュリティ6』、紛うことなき『愛銃』だ。
76
:
稲積 誇生『バイト・ザ・ブリット』
:2015/07/31(金) 00:44:13
>>75
「……………」
「おい」
声が、我知らず鋭くなっていくのが分かる。
コイツ…………!
オレの『スタームルガー』じゃねえか、これ!
見間違えるはずもねえ…。
こんな街で、同型の銃が二丁もあるとは思えねえ!
「コイツ、名前なんて言うんだ…?」
「この、『パフォーマンス』に拳銃を使ってる
テンガロンハットの野郎の名前だよ…なんていうんだ。
コイツの拳銃も『レンタル』なのか?」
問い掛ける。
77
:
『稲積誇生と笑う犬の冒険』
:2015/07/31(金) 00:56:21
>>76
「えっ? ええっ、これが、まさか……」
剣呑な空気を帯びてきた『稲積』に対し、両目を丸くする『吉田』。
ポケットから手帳を取り出し、パラパラと捲り始める。
「こ、この方は『小久保花代』さんですね。
年齢は『34歳』、職業はOL。
『レンタル』の申請は……してません。自前です」
「し、しかし、『盗品』だったとは。
ちょっと確認して参りますね」
その場から立ち上がった『吉田』は携帯電話を取り出すと、席を離脱する。
画面ではゴングが鳴り響き、二人の闘いが始まろうとしていた。
「あれ、それ、私の試合……」
プルルルルルル...
プルルルルルル...
ガラス戸の向こう側、後頭部の長いマッシュルームカットの女性が佇んでいる。
戸を押し開けて事務所に入ってくる女性は、入り口に突っ立ったまま『稲積』を見る。
ボーッとした印象を受ける女性だ。化粧気も薄く、幸薄そうな顔立ちをしている。
……だが、間違いなくアリーナのファイターであり、『愛銃』を所持する『小久保花代』だ。
78
:
稲積 誇生『バイト・ザ・ブリット』
:2015/07/31(金) 01:06:51
>>77
「…アンタが」
思わず、剣呑な声色が出そうになるが…こらえるぜ。
拳銃を奪われたのは自業自得。ましてコイツはただ拳銃を買っただけ。
(ブラックではあるが)…言ってみればただの被害者だ。
「…アンタが小久保サンか。(なんか雰囲気違うなコイツ…)
お初にお目に掛かるぜ…オレは稲積誇生。
年齢は17、職業は(当然だが)高校生…。
………んでもって、この闘技場の『新入り』だ」
席から立ち上がり、小久保に向き直って言う。
年齢と職業を言ったのは、さっき吉田から聞いちまったからだ。
それから、PCの画面をチラリと見つつ、
「今見てる最中だが、『良い銃』持ってんだな。どこで手に入れたんだ?」
探りを入れてみるぜ。
まあ、目当ての獲物は目の前にあるわけだが、一応な。
79
:
『稲積誇生と笑う犬の冒険』
:2015/07/31(金) 22:19:39
>>78
「あっ、どうも。稲積くん」
そそくさと頭を下げる『小久保』。
余所余所しさを露わにしている。社交的な性格ではないのだろう。
事務所の奥では『吉田』がどこかに電話しているようだ。
「こ、この銃は、買ったの。
……それより、『吉田』さんはいないの?
次の『試合』、まだ組めないみたい。
そんなに人手不足なのかな、なんて」
「――――早く、闘いたい」
「この『銃』を使いたい、のにね」
己の脇下にそっと手を当てる『小久保』。
真夏にしては厚手の長袖カットソーを着用している。
80
:
稲積 誇生『バイト・ザ・ブリット』
:2015/07/31(金) 22:55:27
>>79
「吉田サンなら、事務所の奥で電話してるぜ」
流れからして、話を通そうとしてくれてる…ってとこだろうか。
通した結果、『どう』なるかはオレには想像もつかねえけど。
(…『使いたい』? あの中年…吉田サンの話じゃあ、
コイツの拳銃は『パフォーマンス』じゃあなかったのか?
オレの『バイト・ザ・ブリット』同様に拳銃が必要なタイプ?
それとも…、手に入れた『玩具』を見せびらかしたいって意味か?)
考えてみるが、答えは出ねえ。
当然か。オレは名探偵でもないし、何より情報が少なすぎる。
「…気に入ってるんだな、その銃」
目の前に拳銃がある。
でもって、この小久保って女自体に落ち度は全くねえ。
…なら、オレのすべきことっていうのは、一つしかねえだろ。
「実はその銃、オレの『だった』んだ」
81
:
『稲積誇生と笑う犬の冒険』
:2015/07/31(金) 23:21:49
>>80
『稲積』の言葉に従い、『小久保』は事務所の奥に視線を向ける。
銃器の使用に疑念を抱き、思考を巡らせる『稲積』だが、その真意は解らない。
一つ言えるのは、彼女は『二戦目』を希望しているという点、
その戦闘では『銃器』を使用する予定であるという点、この二つのみだ。
「解りました、『稲積』さん。
確かに『盗品』です。『ルート』が辿れ――――」
来客の正体に思わず言葉を止める『吉田』。
『小久保』は視線を送るだけだ。すぐに、『稲積』へと反応を返す。
>「…気に入ってるんだな、その銃」 コクン
>「実はその銃、オレの『だった』んだ」 ……
「へェ……、そうだったんだ。
じゃあさ、私と『闘わない』?
この銃、『賭け』の対象にしましょう。
『稲積』くんに戻るか、私のモノになるか」
「いいでしょう、『吉田』さん。
だって、まだ対戦相手は決まってないんでしょ?」
薄い顔立ちに浮かぶ薄っぺらい笑み。
儚さのような『美しさ』でも、侮りのような『卑しさ』でもない。
ただただ、『空虚』な印象を受ける。
82
:
稲積 誇生『バイト・ザ・ブリット』
:2015/07/31(金) 23:41:09
>>81
「…………ッ!」
『試合』の誘い。
拳銃を持っていねえオレにできるのは、
『噛み締め』によるダメージ無視(完璧ではねえが)と
『猛獣』並の咬合力のみ…万全とは言い難い。
だが。
「…話が早くて助かる」
「元より、アンタから提示された条件なら
何であろうと呑むつもりでいたんだ、オレは」
そう言って、吉田サンに向き直る。
「悪りいな、吉田サン。
目的の品は…見つかったみてえだ」
それから、また小久保へ。
「その勝負…『受けて立った』ぜ!」
自分でも、獰猛そうな笑いをしてんだろうなって思う。
だが、内面にどれだけ不安を抱えていようと、
此処でオレがそれ以外の表情をすることは許されねえと思う。
『筋』を外した頼みをしているのは、オレの方。
ならどんな理不尽な要求でも呑むのが最低条件。
そこで、多少の不利があるとはいえ『対等な環境』を
作ってくれるってんだ。ここで頷かなきゃ男が廃れるぜ。
83
:
『稲積誇生と笑う犬の冒険』
:2015/07/31(金) 23:59:32
>>82
「そう、そっか。
――――いいね、そういうの。
『羨ましい』な。若いコって、真っ直ぐで」
「えっ、ちょ、ちょっと待って下さいよ!
『尾藤』さんといい、『蓮田』さんといい、
なんで皆さん、勝手にセッティングしちゃうかなぁ〜〜〜〜ッッ」
闘志を沸き上がらせる二人。頭を抱える『吉田』。
着火した『闘志』を掻き消す道理は、『アリーナ』において存在しない。
「『パフォーマンスタイム』を『五分』。
銃弾避けの『プラスチック障壁』、『遮蔽物』。
『ギミック』はこれらを希望します」
「あ、後、『日曜日』はダメ、無理です。
出来れば平日の夜に催して下さい」
今ならば『ステージ』にセッティングする『ギミック』を要望出来そうだ。
通常、選手一人につき一つの『ギミック』だが、
観客席と会場を仕切る『障壁』は安全上、必要になるのだろう。
84
:
稲積 誇生『バイト・ザ・ブリット』
:2015/08/01(土) 00:19:37
>>83
「『ギミック』についちゃあ、オレもそれで異論はねえ」
オレにできることといえば、『苦痛』を『噛み締め』ての接近戦くらいだ。
相手が拳銃持ちである以上『障壁』さえありゃあ防備は完璧だし、
どのみち相手に接近する為の策は自前で用意しなけりゃならねえ。
その為には、『遮蔽物』っていう提案は有難いモンだ。
…勿論、相手がわざわざ指定してくる以上、
オレが得られるメリット以上のモンを相手も得ているんだろうが。
「試合の日にちは『金曜日』はどうだ?
オレも不良とはいえ学生だからな…翌日寝坊するようなのは勘弁だぜ」
寝坊で済みゃ良いがな、とは思っても口には出さねえ。
85
:
『稲積誇生と笑う犬の冒険』
:2015/08/01(土) 00:40:30
>>84
「いいね。その日は、『残業禁止デー』だから。
うん、大丈夫。じゃあ、その日で」
「わ、解りました。
今、確認を取ってみますね」
ステージに異議を唱えることなく、受諾する『稲積』。
決まった日取りや内容を『吉田』が電話にて伝える。
――――どうやら、『承認』が出たようだ。
「オッケーです。『小久保』さん、『稲積』さん。
では、『金曜日』に『倉庫街』のアリーナでお待ちしてます」
「うん、じゃあね。『稲積』くん。
試合があるからって、学校サボっちゃダメだよ」
口元だけを僅かに笑んで見せて、『小久保』は冗談めかした忠告をする。
ガラス戸を押し開けて去っていく『小久保』。
86
:
稲積 誇生『バイト・ザ・ブリット』
:2015/08/01(土) 00:48:21
>>85
「…余計なお世話だぜ」
冗談めかした忠告に、苦い顔で答える。
これからやり合う相手とは思えねえくらい、
『緊張感』のねえ相手だったが………それでも、やるんだよな。
いや、勝たなくちゃあならねえ。
オレにとっちゃあ、今回の『品』はそのくらい重要だ。
「それじゃ、話も済んだみてえだしオレも行くぜ」
「それじゃあな。色々助かったぜ吉田サン」
特に何か聞きてえこともないし、そのまま立ち去るぜ。
後は…戦うだけだ。拳で自分の意思を通す。
いかにも『不良』らしくて、分かりやすい展開で何よりだ。
87
:
『稲積誇生と笑う犬の冒険』
:2015/08/02(日) 22:56:45
>>86
「ええ、ではまた、『当日』に」
ガラス戸を押して事務所から消えていく『稲積』。
その後ろ姿を見守る『吉田』、その表情は……暗い。
「(やはり、告げるべきだったか。
……両者納得済みの『試合』になるとはいえ。
確かに、『試合』が成立しなければ、私の立場も危うい。
安定した『興業』を用意するのが、『エージェント』の義務。
しかし、だからといって――――)」
付けっぱなしになっていた『ノートパソコン』、そのディスプレイに視線を移す『吉田』。
この試合の結果をしれば、『稲積』の決意も揺らぐかも知れなかった。
あのひ弱そうな『小久保』と誰も闘いたがらず、『興業』が成立しなかった理由。
その一端が、この映像にまざまざと残されているのだから。
・
・
・
88
:
『稲積誇生と笑う犬の冒険』
:2015/08/02(日) 23:00:08
>>87
Fast
「『 疾 く 』ッ!」 ド
ギ
Break
「『 貫 く 』ッ!」 ュ
Spanish ユ
「『情熱的に』ッ!」
ン/
・
アリーナの中央に急遽設置された『塔』を駆け上がり、
実に『6m』の高さから『宙返り』を決める『蓮田』。
試合前の『パフォーマンスタイム』、その終了時からすぐさま『ゴング』へと移行する。
即ち、誰にも邪魔されずに『アクション』を決められるのであれば、
『スパニッシュ・ブレークファースト』にとって、有利に試合を始められるのだ。
「初撃はもら――――」 グ
ラ
ァ
『アクション』によって『衝撃』を無効化する。
それが『スパニッシュ・ブレークファースト』の能力だ。
直接戦闘が主となる『アリーナ』という環境において、『無敵』といえるはずだった。
事実、回転を掛けた『飛び込み踏み蹴り』は真っ直ぐに、
パフォーマンスを終えたばかりの『小久保』の脳天を踏み砕こうと穿たれ――――
ゆらぁ
――――フッ
「ぇっ」
l/
「なん、で」 ホ
グ
シ 「ど、どうしたのでしょう、『蓮田』選手!?
ャ 空中で突如、『アクション』が鈍ったぁぁ!」
|
N 「い、今、ヒドイ音が、おい、これ――――
| 医療班!? 医療班、早く手当を!」
『攻撃』だけではない、『着地』に失敗した『蓮田』は後頭部から地面へと『墜落』する。
ペットボトルを『踏み潰した』ような奇怪な音と共に、あらぬ方向に『首』がねじ曲がる。
実況の『森田』はすぐに状況を察し、試合を中止させた。懸命な判断だった。
神経の損傷による『不随意痙攣』を起こし、左脚は不必要に跳ね、虚空を蹴り続ける。
口角から沸き上がる唾液の泡、辛うじて残した意識、さながら『夢』でも見ているような様子だ。
「ぉ、起ご、して」
「誰、か、起ご ぢ、で」
『ゴング』の音さえ鳴らなかった。『試合終了』は誰の目にも明らかだった。
その後、試合結果についての協議が行われる。
ルールに明確な制定がされていない『パフォーマンスタイム』の扱いについて、
『双方の合意があって、試合中に行われる演出行為』との結論が出される。
即ち、『パフォーマンス』中の『事故』であっても、『勝敗』にカウントされるという扱いだった。
――――『論争』の巻き起こる一戦でありながら、
当の『小久保』自身は台風の目のように平然としていた。
89
:
『稲積誇生と笑う犬の冒険』
:2015/08/02(日) 23:08:16
>>88
――――――『当日』。
開始時間の『一時間前』に来るようにと告げられ、
『稲積』は予定よりも早く、アリーナの控室に到着した。
「お待ちしてました、『稲積』さん。
……まずは、黙っていたことをお詫びします。
『小久保花代』には『イカサマ』の疑いが掛けられております。
だから、ファイター達は誰も『二戦目』を受けようとしなかった」
「……多くの試合を提供するのが、私の役割。
この『アリーナ』を盛り上げるのが、私の義務。
『稲積』さん、貴方の『不利』を承知でお願いします。
どうか、どうか『闘って』下さい!」
ガバッ
『吉田』はその場で跪き、深々と頭を下げる。
90
:
稲積 誇生『バイト・ザ・ブリット』
:2015/08/02(日) 23:38:49
>>89
「………イカ、サマ?」
その場で跪く吉田サンに、オレは呆然と呟く。
だが…だとすると、あの余裕綽々な様子はイカサマに絶対の自信を持ってるから、ってことなのか?
そう考えれば、いきなり銃を寄越せなんて言ったガキに対して試合っていう平等な条件をつけた理由も頷ける。
「……顔を上げてくれ、吉田サン。
オレは別に、アンタを責めるつもりはねえよ」
そう言って、オレは吉田サンの傍に膝を突き、肩に手を置く。
――もしイカサマがあったとして…オレはそれでも小久保の挑戦を受けていただろう。
拳銃を返してもらう為なら、どんな不利な条件だって受けて立つ。
…オレはチンピラだが、自分の『牙』を安く扱うほど落ちぶれたつもりはねえ。
むしろ、多少不利なくらいが『燃える』展開ってヤツだぜ。
「…それに」
立ち上がったオレは、吉田サンに冗談めかして言う。
「もし仮にルール違反の危険を冒してまで『イカサマ』してるってんなら、小久保はそうしなくちゃならねえほど
『戦いが苦手』なスタンド使いってことだろ。それなら、むしろ今のオレにとっちゃあ朗報だぜ」
…オレは何も聖人君子でも求道者でもねえ。
筋は通すが、その範疇でなら楽だってしたいし策だって弄する。
吉田サンの話は、オレにとっちゃあ糸口を見つけ出す為のヒントにもなった。
むしろ、感謝したいくらいだぜ。
91
:
『稲積誇生と笑う犬の冒険』
:2015/08/03(月) 00:04:41
>>90
あくまでも『利益』の為、己の『責務』の為に、
『不正』の存在を噤んでいた『吉田』、自責の念が零される。
しかし、その場に膝を付いた『稲積』は『吉田』の肩に手を置いた。
『容赦』でも『慈悲』でもない、己の『闘志』を裏切らないという強い『決意』。
「ありがとう、ありがとうございます、『稲積』さん。
……私は、『平等』な立場でなければなりません。
以前の試合の結果も、直接は教えられません。
しかし、これはあくまで、個人としての『私物』です」
顔を上げた『吉田』、『稲積』はまじまじとその表情を見る。
一週間と会わない間、いつの間にか『やつれて』いる。
そして、目の下のクマ、『疲労』の程が感じ取れるだろう。
スチャッ
「『カナディアン・スウィートハーツ』、
『樹脂成形』を行う、それが私のスタンド能力です。
巷で話題になっている『3D拳銃』、それを『再現』しました。
物理強度や耐熱性も向上している、……自慢の『逸品』です」
『吉田』の懐から取り出された『自動拳銃』、そして『マガジン』。
ミドリ色だけで塗られた外観はオモチャのような『チャチ』さだが、
丁寧に『バリ取り』が施され、目立った『突起』も存在しない。
「注意して下さい。『12発』です。
試射は出来ませんでしたが、
『12発』以上は『銃身』が耐えられません」
92
:
稲積 誇生『バイト・ザ・ブリット』
:2015/08/03(月) 00:17:55
>>91
「………!」
吉田サンが取り出した『それ』を見て、オレは思わず息を呑む。
『それ』は…吉田サンの手にあるものは。
オレの力の象徴。
それを外部から補強するもの。
取り戻す前に、それを手にするのはある意味皮肉でもあるが…
吉田サンのこけた頬。それを見れば、これを作るのにどれほどの
苦労があったのか、馬鹿なオレにだって分かる。
此処でコイツを受け取らねえのは、それこそ嘘ってモンだろう。
「…礼を言うのはオレの方だぜ、吉田サン」
取り出されたそれを受け取る。
忠告も、きちんと受け取った。12発…樹脂じゃそれが限界だったわけだ。
「ありがとう………この恩は、きちんと返す。
…ひとまずさしあたって…この『興行』を成功させるのが、
一番手近な恩返しになるか」
93
:
『稲積誇生と笑う犬の冒険』
:2015/08/03(月) 00:51:13
>>92
礼の言葉と共に『拳銃』を手にする『稲積』。
想像以上に『軽い』。水鉄砲でも持っているかのようだ。
その『不確かさ』、しっくりと来ない感覚、『愛銃』とは決定的に異なる『オモチャ』だ。
「えぇ、是非……お願いします」
深々と頭を下げる『吉田』。
『稲積』は心許ない『相棒』と共に、『アリーナ』へと向かう。
「(本来であれば、中立の立場。
しかし、勝って下さい。……『稲積』さん)」
「(アリーナでの『イカサマ』なんて、許されません。
会場には『山本ユキト』さんも解説席から降りて、
スタンドを使って『監視』を行っている。決して逃げられないッ)」
去り行く背中を見届けながら、『吉田』は決意を新たにする。
不安はない。『拳銃』は渡し、『監視』の目も行き届いている。
……だが、ある一点。不安要素があるとするならば、『山本』の代理だ。
「(そして出来れば、あの人が調子に乗らなければ……!)」
94
:
『稲積誇生と笑う犬の冒険』
:2015/08/03(月) 00:52:24
>>93
ビガァァァァッッ!!
『稲積』を迎えたのは『投光機』から発せられる強烈な光だ。
『眩しく』、『熱い』。それこそ、目に突き刺さるような強さだ。
――――いや、それ以上の『激しさ』を覚える。
もし、試合会場に足を踏み出せば、これ以上の『光』が襲い掛かるだろう。
「うおおおおおおお!!!!!!」
≪紳士淑女の皆様、おまたせしましたァ!
今夜、催されるは『愛銃』を賭した『荒野の決闘』!
『銃は剣より強し』、ならば『銃』は『銃』より強いのかぁ!?≫
≪かたや、偶然にも対戦相手を弔殺せしめた『アンラッキー・レディ』!
かたや、奪われし『相棒』を追って裏街道を突き進む『ドロップアウト・ボーイ』!≫
目映い光さえ吸い込む真っ黒な『サングラス』を装着したオールバックの男、
照明と共に天井から吊るされた『実況席』の上にて、熱弁を振るって観客を煽る。
その隣に座る男、両腕を組んでふてぶてしい笑みを浮かべる着流し姿の中年男性。
≪この日本で『銃撃戦』が見られるとは、C級とはいえ流石はアリーナだな。
火器に頼るだけの無様な素人試合だけは、見せてくれるなよ≫
≪実況は私、『森田三郎』。
そして、解説はC級ランカーの『尾藤一騎』がお送り致しますッ!≫
≪さぁ、『選手入場』です!
赤コーナー、『稲積誇生』ァ!≫ ≪出てこいやァ!≫
実況の合図がされる。どうやら、このまま『アリーナ』に入って良いようだ。
年末の格闘技大会で見かける、『スモーク』や『LEDライト』の準備はない。
『銃撃』での破壊を不安視して、取り外されたのだろうか。
『稲積』の希望した『入場曲』が響き始める。
この足を一歩踏み出せば、『闘い』は始まるのだ。
95
:
『稲積誇生と笑う犬の冒険』
:2015/08/03(月) 00:57:43
『稲積』を迎えたのは『投光機』から発せられる強烈な光だ。
『眩しく』、『熱い』。それこそ、目に突き刺さるような強さだ。
――――いや、それ以上の『激しさ』を覚える。
もし、試合会場に足を踏み出せば、これ以上の『光』が襲い掛かるだろう。
↓
『稲積』を迎えたのは『投光機』から発せられる強烈な光だ。
『眩しく』、『熱い』。それこそ、目に突き刺さるような強さだ。
もし、試合会場に足を踏み出せば、より一層の光量を感じるだろう。
――――いや、それ以上の『激しさ』を覚える。
96
:
稲積 誇生『バイト・ザ・ブリット』
:2015/08/03(月) 01:33:42
>>94-95
「ぐっ!?」
思わず、拳銃を持った右腕で両目を覆っちまう。
その動作に不随する『軽さ』…やはり、コイツは『オレのモノ』じゃあねえと思う。
吉田サンには感謝してるが、コイツは『愛銃』を取り戻す為の『手段』だ。
にしても凄げえ熱気だ…緊張しねえと言ったら、嘘になるな。
ついでにあの着流し野郎ハードル上げてきやがる。
なんか偉そうでムカつくぜ…。
だが、何はともあれ踏み出さなければ始まらねえ。
やってやるぜ…オレは『勝つ』為に此処に来たんだ!
「うおおおおおおおッ!!」
拳銃を後ろ腰に入れ、目を覆っていた右腕を突き上げ、
景気づけの為に雄叫びを上げつつ、入場する。
(入場曲:ttps://www.youtube.com/watch?v=8CgZm3xcj8c)
そして…ステージの状態を見るぜ。
まずは遮蔽物の配置。銃撃戦である以上、そこを把握するのは勝利への近道のはずだ。
97
:
『稲積誇生と笑う犬の冒険』
:2015/08/05(水) 00:12:19
>>96
伸びやかな声調により、高らかに歌い上げられるバラード・ロック。
『遁走曲』、用語の意味は違えど『逃走』を表現するには最適であろう。
『反逆』、『裏切』、『追放』、それでも両目は伏せられない。
ギラついた双眸を隠し切れない。明日を睨みつける『野心』が焼き付いた――――
ヒュゥー
ヒュゥー
「身長165cm、ファイターとしては矮躯!」
「しかし、ギラついた『眼』、『牙』、『雄叫び』、
ボルテージは最高潮! 『アンダーグラウンド』にも臆さずッ」
「その凶弾によって奪った命は数知れず!
今宵、『硝煙』は線香代わり! 『ピストル』と共に登場だァァァ!!!」
何処からか『情報』を仕入れてきたか、はたまた口からデマカセか。
『稲積』の素性を煽り立てる『森田』の熱弁に、観客もまた雄叫びを呼応させる。
その間にも『ステージ』を視線で探る『稲積』。
中でも目立つのはフィールド中央部に設置された『遮蔽壁』だ。
見下ろすとその分厚さが解る。弾丸を何発放っても、撃ち抜けはしないだろう。
更には『柱』も設置されており、『サンドバッグ』大の太さだ。
強度こそ申し分ないが、身を隠して銃撃をするにはギリギリの太さ。
やはり、観客も危険域での『銃撃戦』を望んでいるのだろう。
ビガァ―――z_____
そして、やはり『眩しい』。
真夏の太陽そのものだ。直視すれば網膜が焼け付くだろう。
恐らくは、『イカサマ』のタネを探す為に明度を上げているのだろうが、
それにしても『やり過ぎ』だ。照明の熱によって肌が照りつけられる。
一応、会場内は『空調』も効いているが、冷えた室内で『暖炉』に当たるようなものだ。
「おい、暑すぎやしないか……?」
「さあ、『選手入場』です!
青コーナー、『小久保花代』ォ!」 「出てこいやぁ!」
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴■□柱□□□□□柱□■∴∴
∴■□□□━━□━━□□□■∴
∴■□□┃□□□□□┃□□■∴
∴■□□┃□□□□□柱□□■∴
∴■□□柱□□□□□┃□□■∴
∴■□□┃□□□□□┃□□■∴
∴■□□□━━□━━□□□■∴
∴∴■□柱□□□□□柱□■∴∴
∴∴∴■□□□稲□□□■∴∴∴
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〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
網網網 柱柱
網網網 柱柱 ※高さ簡略図。
網網網 柱柱 棒人間は『稲積』。
壁壁壁_○/ 柱柱
壁壁壁 | ┏━━━┓ 柱柱 地面は『砂』が敷き詰められている。
壁壁壁/>┃ ┃ 柱柱 柱・壁は『コンクリート』、網内には『樹脂』が張られている。
98
:
稲積 誇生『バイト・ザ・ブリット』
:2015/08/05(水) 19:50:25
>>97
クソったれ……確かに何人か殺ってはいるが、数知れずってほど見境なくはねえぜ…。
まあ、十中八九適当な紹介なんだろうけどよ。
グッ
だがまあ委縮するこたぁねえ。
むしろ自信を見せつけるように拳を握りしめ、そして腕を降ろす。
まだ目は慣れねえが、少なくとも天井を見上げなければ目が潰れることはなさそうだ。
いまのうちに、光に目を馴らしておく。
素人とはいえ拳銃使いのオレにとって獲物を狙い撃つ精度ってのは死活問題だからな。
「…クソったれ。視力が落ちそうだぜ」
言いながら、額に浮かぶ汗を軽く拭いつつ対戦相手を待ち構える。
質問。
・マップ上の「━」は『遮蔽壁』だろうか?
だとしたら高さは高さ簡略図のように腹という認識で良い?
99
:
『稲積誇生と笑う犬の冒険』
:2015/08/10(月) 22:54:33
>>98
あくまでも『ハッタリ』と切り捨て、握り締めた拳を高々と掲げた。
『稲積』の気勢に観客達の歓声も高まる。どうも、『稲積』への期待が大きいようだ。
「コーマ、やっちまえ!」
「テメェのダチ、取り返しちまいな!」
「コンクリくれぇ用意してやるっつうの!」
『銃殺犯』というレッテル、『賭け試合』を受けた『度胸』。
その二つに対する『期待』が汚い声援となって、『稲積』に浴びせられる。
そして、その『眩しさ』にも慣れてきた。照明を『直視』しなければダメージにはならないだろう。
≪『稲積』選手、初エントリーながら喝采の止まない『人気』!
誰もが『奪還』を期待している! 見逃せない闘いになりそうだ!≫
≪ハッ、『追い風』に足を取られるなよッ≫
≪ブーイングの貴公子も、思わず嫉妬する盛り上がりッ!
さぁ、青春のドロップアウトを迎え討つは青コーナー! 『小久保花代』!≫
≪出てこいやァ!≫
物哀しいメロディと共に姿を現したのは、『小久保花代』。
――――そして、『稲積』の『愛銃』。『スタームルガー』。
乳白色の小さな両の手に包み込まれた、見惚れる程の『漆黒』。
会場の照明を反射し、鈍く照り返す様は、奪い奪われる己の価値を誇るかのようだった。
入場曲:酒井法子『蒼いうさぎ』
ttp://youtu.be/oZsk1UwLkyw
≪身長157cm、一体どこの婚活会場と間違えた!?≫
≪しかし、指一つ触れずに無敵と称するスタンド使いを倒し、
『再起不能』にしたのは、既にご覧の通りです!≫
≪果たして『事故』か『能力』か、
その真相が今ッ 明らかとなりますッ!≫
小走りにアリーナの中心部へと駆ける『小久保』、
その無造作な仕草、やはりどう見ても『普通の人』だ。
『稲積』の視界に『遮断壁』が入る。高さは稲積の『鳩尾』までだ。
やはり、身を隠したままの『銃撃戦』は興行的な観点からは認められないようだ。
∴∴∴∴■■□┃□■■∴∴∴∴
∴∴∴■□□□┃□□□■∴∴∴
∴∴■□□□□┃□□□□■∴∴
∴■□□□□□┃□□□□□■∴
∴■□□□□□┃□□□□□■∴
━━━━━━━籠━━━━━━━
━━━━━━━籠━━━━━━━
∴■□□□□□┃□□□□□■∴
∴■□□□□□┃□□□□□■∴
∴∴■□□□□┃□□□□■∴∴
∴∴∴■□□□┃□□□■∴∴∴
∴∴∴∴■■□┃□■■∴∴∴∴
籠:『実況』及び『解説』の居座る『アクリル製の籠』。
┃:『鉄骨』。その側面には『投光機』が括りつけられている。
100
:
『稲積誇生と笑う犬の冒険』
:2015/08/10(月) 23:20:02
>>98-99
『小久保』の服装はカットソーにサブリナパンツという平凡な格好だ。
その腹部には軍用の『ポシェット』が巻かれており、異彩を放つ。
中に『拳銃』を仕舞い、『マイク』を取り出す『小久保』。
ボソッ
ジャラッ
スイッチを入れるのが早かったか、マイクは『金属同士』のぶつかり合う音を拾う。
ジャラジャラとした音。『稲積』が『銃弾』を連想するのは、決して難しくなかった。
――――『スタームルガー』も『人質』で終わるつもりはないらしい。
ボンボン
「えー、あのー、お集まり頂き、ありがとうございます。
諸般の事情で、一つ、『パフォーマンス』、させて頂きます」
≪……とのことですが、『尾藤』さん。
このパフォーマンスには、どういった意図があるのでしょう?≫
≪さあて、『士気高揚』か、あるいは『能力』を晒す為か。
現状、『稲積』に傾いた観客の印象を、自分に揺り戻す為か。
――――クハッ、小細工に頼るとは、涙ぐましい努力ともいえような≫
「あのー、いいですか?」
≪構わん≫
≪ど、どうぞ! さあ、お願いします!≫
『入場曲』の音量が下がり、周囲の声援が収まる。
固唾を飲んで見守っている。観客、実況の『森田』、解説の『尾藤』。
「ええー、闘う『OL』が頑張るドラマがお流行りの昨今、
私も、ファイターとして、日常の色々な『敵』と、た、闘ってます」
「そ、そんな、孤独な闘いを、歌にしてみました。
ど、どうぞ聞いて下さい。―――――ぉ、ぉっほん」
冷たい沈黙が流れる中、パフォーマンスが始められる。
〜〜〜♪
〜〜〜♪
『外線番号の頭に0を付けずに登録された電話番号』とか、
『上階の住人が鳴らすスマホのアラームにそれとなく文句をいうと、
アラームをバイブにしただけでやっぱりうるさかった』など、
日々の仕事や生活の中で繰り広げられる小さな戦い、それを面白おかしくネタにしている。
――――が、会場の反応は『ややすべり』といったところだ。恐ろしい話だが、これが『5分』続くようだ。
101
:
稲積 誇生『バイト・ザ・ブリット』
:2015/08/11(火) 23:45:35
>>99-100
上等だ。
マイクに拾われた『銃弾』らしきものの音に、オレはそう思う。
オレの相棒を持ってるんだ。何にも使わねえんじゃ逆にキレるぜ。
…なんて息巻いてたんだが。
「お、おう………?」
相手のパフォーマンスに、思わず肩透かしを食う。
なんつーか…スベり芸…でもねえし、いったい何なんだ……?
………いや! コイツが相手の能力のキモってのは多分間違いねえはず!
(じゃなけりゃこんな恥ずかしいことするわけねえだろ。………ねえよな?)
だが、だとしたら何が相手の能力の『核』なんだ?
公衆の面前で恥をかくこと? スベること? あるいは声を聴かせることとか……。
………クソ! 大真面目にあんなつまんねえギャグを
考察してるって事実を考えるだけでなんか気が滅入って来た……。
でも、『パフォーマンスタイム』に五分っていうのはルールだしな…。
「………何でか全体的な雰囲気がコメディに振り切れてやがるが、
オレは勝手にハードボイルドっぽく進めさせてもらうぜ」
そう言いながら、なるべくシブい雰囲気を作るよう努力しつつ右の柱に移動。
『パフォーマンスタイム』終了10秒前くらいまでは、そこで腕を組んで体重を預けて
相手の『パフォーマンス』を鑑賞させてもらうとする。
…相手の『コント』の中で良く出て来るワードみたいなのがあるかもしれねえしな。
102
:
『稲積誇生と笑う犬の冒険』
:2015/08/12(水) 00:32:29
>>101
〜〜♪
〜〜♪
地獄のような『五分間』が過ぎようとしている。
雑な『コント』の中で良く出てくるフレーズ、ワードを探すも、
それらしきキーワードは聞き取れない。柱に背中を預け、『倦怠感』を堪える。
持ち物検査を逃れる為に、『ラッスンゴレライ』を披露した時さえ、この反応は『なかった』。
『観客』の気勢は殺されている。冷水を浴びせられた気分だろう。
観客の心象を『イーブン』にしたという意味では、『小久保』の目論見は成功したか。
――――『五分』が過ぎ去ろうとしている。すぐにでも、試合は始まるだろう。
≪ええー、『小久保』選手。ありがとうございました。
初期位置へお戻り下さい。なんというか、個性的というか……。
どうでしょう、『尾藤』さん。何かコメントは?≫
≪『カモミール』の下りはティンと来たが、後は及第点だ≫
「ゴメンね、コーマ君」
ふと、『稲積』の耳に『小久保』の声が届いた。『スタンド会話』だ。
『残り十秒』。『小久保』はアリーナ中央部から、自身の初期位置へと戻る最中だ。
アクビの湧き上がる眠気を噛み殺しながら、その背中を見届ける。
103
:
稲積 誇生『バイト・ザ・ブリット』
:2015/08/12(水) 00:48:57
>>102
(………あのオッサン的には、今の『アリ』なのか…)
なかなか芸術家向きのセンスしてやがるぜ。
生きてるうちには評価されないって意味でな。
『…気にすんな』
湧き上がって来る眠気を堪えながら答える。
…妙だぜ。何故アイツは謝ったりした?
自分の都合でクソつまんねえコントを見せられたから?
謝るくらいなら最初からやらねえだろ…ってことは、
『本意じゃあねえがやらなくちゃいけねえ』ってことだよな。
つまり…やっぱり今のが『イカサマ』のタネなのか?
だが…相手が何を仕込んでいようと、
オレにできるのは『狙って』『撃つ』ただそれだけだ。
右手で拳銃を抜き、『パフォーマンスタイム』終了と同時に
左腕で背後の柱に肘撃ちする。
稼働に支障が出るダメージを負うほど思い切りやるつもりはねえ。
あくまで『噛み締め』に足る『苦痛』を自家生産するのが目的だ。
基本的に、自傷は『噛み締め』できねえが…
『道具』を用いた場合は、例外的に可能になるからな。
これによってオレが寄りかかってる『柱』を狙う『追尾弾』を作りたい。
104
:
『稲積誇生と笑う犬の冒険』
:2015/08/12(水) 01:15:47
>>103
『謝罪』への違和感を覚える『稲積』だが、
思索もそこそこに『戦意』を奮い立たせ、戦闘準備を始める。
ボズッ
柱に思いっきり『肘鉄』をお見舞いし、生じる『苦痛』を噛み締める。
ダメージは左肘に痺れを覚えるが、拳銃を扱うのに影響はなさそうだ。
重いまぶたを持ち上げれば、視線の先には振り向いた『小久保』の姿が見える。
≪さあ、両者ついに戦闘態勢に入りましたッ!
『稲積』選手、有り余る闘志を柱へとぶつけます!≫
≪一方の『小久保』選手、新たに拳銃を取り出しました!
さあ、両者が対角線上へ向かい合う――――≫
間もなく、『ゴング』が響き渡るだろう。
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴■□柱小□□□□柱□■∴∴
∴■□□□━━□━━□□□■∴
∴■□□┃□□□□□┃□□■∴
∴■□□┃□□□□□柱□□■∴
∴■□□柱□□□□□┃□□■∴
∴■□□┃□□□□□┃□□■∴
∴■□□□━━□━━□□□■∴
∴∴■□柱□□□□稲柱□■∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
105
:
稲積 誇生『バイト・ザ・ブリット』
:2015/08/12(水) 22:58:22
>>104
「『出し惜しみ』は、あの通り魔野郎で懲りてるんでな」
思い返すのは傷から『陽炎』を立ち昇らせた、
あの野獣のような身のこなしをする『通り魔』。
あの戦いから学んだこと。それは――、
「しょっぱなから全開で行かせてもらうぜッ!」
早速『苦痛』を噛み締めた『歯』を抜き、『歯弾』を装填。
すぐさま小久保のいる柱の南西めがけてブッ放す。
コイツはオレの横にある柱を『追尾』する……つまり途中でUターンする。
それを利用して、ちょうど柱の奥を通って小久保に襲い掛かるルートを作る訳だ。
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴■□柱小□□□□柱□■∴∴
∴■□☆□━━□━━□□□■∴
∴■□□┃□□□□□┃□□■∴
∴■□□┃□□□□□柱□□■∴
∴■□□柱□□□□□┃□□■∴
∴■□□┃□□□□□┃□□■∴
∴■□□□━━□━━□□□■∴
∴∴■□柱□□□□稲柱□■∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
☆=銃撃する位置。
此処から北東にカーブして小久保を西から襲うルートを狙っている。
…初撃が『追尾弾』なのは、銃弾が多少ブレても『追尾』によって軌道を修正できるからだ。
撃てるとはいえ弾数の制限もあるし、勝手も違う。
これで『どのくらい狙いがブレるのか』は把握しておきてえ。
案外ブレねえなら『通常弾』での攻撃も視野に入れられるが、
まともに狙うことすらできねえほどブレるんなら、『通常弾』は牽制程度にしか使えねえってことだ。
106
:
『稲積誇生と笑う犬の冒険』
:2015/08/12(水) 23:35:29
>>105
スチャッ
痛みを噛み締めた『奥歯』に触れ、抜き取ろうとする『稲積』。
『通り魔』との戦いでの経験を生かし、『短期決戦』を挑む構えだ。
事実、プラスチック拳銃の『十二発』までという『制限』は如何ともし難い。
また、不慣れな『拳銃』という『不確定要素』もある。正しい判断と言えるだろう。
ボロッ
カランコロン
指先から『銃弾』が零れ、前方の『遮断壁』の傍に転げ落ちる。
珍しい『失敗』だ。大観衆の中で緊張し、『力み』が入ってしまったのだろうか。
≪おっと、『稲積』選手。大丈夫でしょうか?
やはり高校生か、観客の視線にプレッシャーですかね?≫
≪ハッ、何を甘えたことを。
『甲子園球児』達はこの百倍の観客の中、
懸命に汗を流し、白球を追っているというのにな≫
≪しかし、ゴングは待ってくれないッ!
いざ、尋常に! 勝負、始めェェェ〜〜〜〜〜ッッ!!≫
カ ァ ァァ ァ ァ ――――z___ンン!!!
無情にもゴングが鳴り響く。……その時、『稲積』は『自覚』した。
>柱に背中を預け、『倦怠感』を堪える。
>アクビの湧き上がる眠気を噛み殺しながら、
>柱に思いっきり『肘鉄』をお見舞い
>ダメージは左肘に痺れを覚える
>重いまぶたを持ち上げれば、
「『デカダンス・チルアウト・イビス』」
「じゃあ、痛くしないから、
――――そのままでいてくれるかな?」
『稲積』は力んでなどいない。『脱力』していたのだ。
力が出ない。まるでサウナから出た後のような、強い『倦怠感』が襲う。
戦闘態勢へ移行する際、始めてその『違和感』に気付けたのだ。
ぐにゃぁぁぁぁ〜〜〜〜〜ッッ
シャッターのように重くなったまぶたの向こう、
空虚な笑みを浮かべた『小久保』が肩幅に両足を開き、真っ直ぐ突き出した両腕で狙いを定め、
その銃口を『稲積』へと向けていた。――――『装弾』は、完了している。
107
:
稲積 誇生『バイト・ザ・ブリット』
:2015/08/12(水) 23:50:31
>>106
「う」
「お、おお、おおおおお
おおおおおおおおッッ!!」
バッ
思わず叫び声を上げながら――倒れ込むようにしゃがみ込む。
脱力してるってんなら、それに逆らう必要はねえ。
むしろ逆に、地球の重力に身を任せちまえばいい。
遮蔽物は鳩尾の高さしかないが、屈めば十分身体を隠せる。
そして同時に取り落とした銃弾を拾い、思い切り握りしめる。
装填はしねえ。『脱力』の謎が解けないうちからやっても、
同じことが起こるだけっていう予感がするしな。
108
:
『稲積誇生と笑う犬の冒険』
:2015/08/13(木) 00:02:25
>>107
「当たれッ!」
ド バァン!!
祈るような叫び声と共に、『スタームルガー』が火を噴いた。
『銃弾』は『稲積』の頭上を駆け抜け、後方の壁へと命中する。
倒れこむように地面へ伏せ屈まなければ、危ないところだった。
≪間一髪! 銃弾は逸れました!
ファーストショットは『小久保』選手、
反動でよろけない! しっかりと構えている!≫
≪ほう、いいじゃあないか。
洒落っ気のない『スタンダート・スタイル』、
狙われれば格好の『標的』だが、安定感はバツグンだな≫
≪一方の『稲積』選手、体調不良でしょうか?
どことなく『覇気』がありません。カラオケでオールした後のようだ!≫
≪『体調管理』もファイターの『責務』だろうが、
何をしている? しっかりしろ、それでも『スタンド使い』か!?≫
好き勝手な『解説』と『実況』、頭上に響く声を尻目に『銃弾』を握り締める。
『脱力』と『眠気』は相変わらずだが、これらを『実感』した今ならば『装填』出来る。
109
:
稲積 誇生『バイト・ザ・ブリット』
:2015/08/13(木) 00:23:18
>>108
「クソったれ、良い腕してやがるぜ…ッ!」
頭上を掠めるように飛んだ銃弾に、冷や汗をかきつつ呻く。
『眠気』と『脱力』を与える能力。
なるほど、さっきのオレみてえに『パフォーマンスタイム』終了直後を
狙って攻撃しようとする輩の出鼻をくじきつつカウンターで先制攻撃を決めるには、
まさしく最適の能力ってわけだ…オレみたいな射撃タイプにとっちゃあ天敵も良い所だな。
だが、『バイト・ザ・ブリット』の能力に、そんなセオリーは通じねえけどな…!
倒れ込んだまま、『追尾弾』を装填。
それから、バッと顔を上げて小久保の位置を確認。確認できたらすぐに頭を下げる。
オレなら、回り込んで動けねえところをブッ放そうと思うが…アイツはどうしてるだろうな。
それと、足は動きそうか?
長い間正座した後みてえに足に力が入らない、みたいなことには…なってねえと良いけど。
110
:
『稲積誇生と笑う犬の冒険』
:2015/08/13(木) 00:51:39
>>109
ガッ
ガシャッ!
マガジンに『追尾弾』を装填し、『拳銃』に装弾する『稲積』。
そのまま顔を上げて、『小久保』の位置を確認する。
『小久保』は初期位置から微動だにしておらず、
スタンダード・スタイルで『スタームルガー』を構えたままだ。
≪銃器を構えたまま、互いに動きません。
『稲積』選手、ここは一つ様子見でしょうか?≫
≪おいッ、観客も『お見合い』を見に来たんじゃあないだろうが。
「後は若い二人でごゆっくり」だけで、済ませるつもりか?≫
≪いいえ、試合が膠着するようでしたら、
『遮断壁』を一部取り下げる等、ステージの操作を行います。
――――最も、≫
≪ああ、何もケツを叩かれてご登場じゃあないだろう。
さあ、闘え! 他に何も要らねぇだろうが!≫
煽りに煽りを重ねる『実況』と『解説』。
特に『解説』の『尾藤』は『稲積』に対して、否定的な見方のようだ。
無論、この試合は『ノーレフェリー』。運営の心情で勝敗が左右されるわけではない。
わけではないが、『やり辛さ』を覚えるのは確かだろう。
グゥゥ
両足に力を込める。今は立ち上がれる、動きが緩慢にはなるが不可能ではない。
111
:
稲積 誇生『バイト・ザ・ブリット』
:2015/08/13(木) 01:05:58
>>110
好き勝手言いやがって…だが此処で感情に流されちゃあ、相手の思うツボだ。
相手だってそれを分かっているから、ああやって『出待ち』してんだろ。
動かなければ、遮蔽物が戻されて狙い撃てるってな…。
「うるせえ黙ってろ!」 「今に会場湧かせてやる!」
そうは言ったものの、足に力が入らねえ…。
この状況で立ち上がったりすれば、良い的だぜ。
ここは…。
「チイィッ!」
力の入らない右手を左手で腕を支えながら『追尾弾』を小久保の近くの柱の南西目掛け撃つ。
観客からすれば、破れかぶれのままに撃った『とりあえずの銃撃』に見えるかもしれねえ。
相手の銃撃にビビったオレが、動くに動けずそのまま
『自分は戦ってる』ってアピールをする為にやってる…って風に。
だが、狙いは最初(
>>105
)と同じ。カーブを利用して、相手を横からブッ叩く!
勝ちを確信して余裕ブッこいてる小久保にとっちゃあ、寝耳に水だろうぜ。
当たるにしろ当たらないにしろ、これでアイツを浮き足立たせる。
そうすりゃあ、緩慢になったオレの動きでも柱の陰に転がったりする時間ができるはずだ。
112
:
『稲積誇生と笑う犬の冒険』
:2015/08/13(木) 22:45:38
>>111
バシュッ!!
苛立ちの言葉を実況席に浴びせながら上体を起こし、
脱力した右手を支えながら、『稲積』は『銃撃』を放った。
銃弾は『小久保』から逸れ、『東』の柱を掠めるように放たれる。
『稲積』の目論見であった『北東』の柱からは大きくハズレる形となったが、
結果として、これが『クリーンヒット』。『怪我の功名』とも言えた。
≪な、なんだぁ!? | /
『稲積』選手、発砲!≫ ├
!|
≪そして、確かに『命中』!≫ ノ \ ≪な、何事だ!?≫
ァ
ア ≪見、『見えなかった』――――≫
ア
≪『曲射』です!? お、お解りになったでしょうか!?
柱を迂回した『銃弾』が、『小久保』選手の左腕を貫いたァ!≫
≪とんでもない『隠し球』だァ! 最早『障害物』に意味はありません!
流石は『ドロップアウト・ボーイ』、正道なんざァ進まないィィィ――――≫
スタンドは『精神』のエネルギーであり、厳密な『距離』や『時間』への意味は薄い。
しかし、『追尾弾』は最低でも『5m』は迂回しなければならないのは確かだ。
狂った『身体感覚』と借り物の銃の『軽さ』、この二つが銃撃をブレさせ、
『西側』に大きく逸れた『弾道』が『曲射』にとって最高の軌道を生み出した。
「うおおおおおおお!!!!」
「これが『スタンド使い』の銃撃戦ッ!?」
「スーパースローモーション! 早く!」
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴■∧□□□□□□■∴∴∴
∴∴■ ./柱小□□□□柱□■∴∴
∴■□/ .□━弾□━━□□□■∴
∴■. /□┃□□\i . □┃□□■∴
∴■□\┃□□ ̄□□柱□□■∴
∴■□□柱□□□□□┃□□■∴
∴■□□┃□□□□□┃□□■∴
∴■□□□━━□━━□□□■∴
∴∴■□柱□□□□稲柱□■∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
113
:
『稲積誇生と笑う犬の冒険』
:2015/08/13(木) 22:46:10
>>111-112
会場の『ボルテージ』は高まり、『稲積』の身体にも熱が篭もる。
燃え上がる空気に呼応している。声援を浴びる鼓膜が焼け付くように熱い。
そして、『稲積』が得たのは『喝采』や『賞賛』、解説席の『ビビリ顔』だけではない。
ググッ
グイッ
――――『感覚』だ。今の一撃で『プラスチック拳銃』の手応えを把握した。
愛銃よりも『集中力』を必要とするが、全身に力を込めれば『命中』させられる。
―――――『鼓膜』が焼け付くように熱い。
ジンジンする。セミの鳴き声を間近で聞いているかのようだ。
キ
≪ぁぁ あ≫ ィ ィ
| /
≪が ι 力 し ィ イ 彳 !! ・ ≫
イ
ィ 「スゴいね、コーマ君。
私、そんな撃ち方、出来ないや」
イ 「普通に撃つので、精一杯だから」
『スタンド会話』で話しかける『小久保』の声だけがクリアに届く。
『スピーカー』から響く、喧しい『実況』は『ノイズ』にしか聞こえない。
ドロォォ ・ ・ ・
左耳の奥から『血液』が流れ出て、『稲積』の衣服に染みこんでいった。
焼け付くように『熱い』。――――だが、『痛み』を覚えない。
脳内でハウリングする『実況』、『歓声』、それだけが頭が割れるような『苦痛』になる。
『稲積』が上体を起こし、『銃撃』を放った瞬間、『小久保』も『スタームルガー』を発砲していた。
『相討ち』を覚悟の上で、『稲積』からの攻撃に合わせ、銃撃を放った。
咄嗟の判断だ。弾丸は命中せず、『稲積』の左耳を掠めるだけに終わった。
だが、弾丸の『衝撃波』は『稲積』の『鼓膜』を破り、聴覚の半分を消し飛ばした。
≪ぃ 然 ト しているゥゥ――――
『小久保』選手、銃撃を受けてもスマし顔だァ!≫
≪唯のOLとは思えない!? 一体何者なんだァ―――≫
『小久保』は『左腕』から血を流している。
貫通した銃弾は弾頭を押し潰しながら『柱』に埋まる。
だが、それでも尚、『小久保』は表情一つ変えることはない。
114
:
『稲積誇生と笑う犬の冒険』
:2015/08/13(木) 22:47:07
>>111-113
「『南東方面』に異常なし。
『北西方面』、様子の報告を」
「『北西方面』、異常ありません。
……唯、『稲積』選手の容態は悪化しています」
「間違いなく、何らかの『スタンド攻撃』を受けてます。
『山本』さんの『オフィサー・キックス』はいかがですか?」
イヤホンマイク越しに報告を受けながら、観客席にて『i-Pad』を操作する痩躯の青年。
儚げな面持ちを更に曇らせ、真剣な眼差しで液晶パネルに視線を走らせる。
スチャッ
スゥゥ ・ ・ ・
「……『小久保』選手の所有物は、『銃弾』と『マイク』のみ。
未だに『幻像』は影も形も見えず、丸裸にしても潔癖そのもの」
「奇怪なれど平然、正に『妖かし』の如し。
我が『オフィサー・キックス』、『神の目』を欺くとは如何なものか」
『山本ユキト』の『解説』は難解な言葉遣いと奇怪な表現を駆使し、
加えてダウナー気味なテンションのせいもあって解説の評判自体はよろしくない。
『尾藤VS東雲』の一戦では言葉が追いつかず、『実況』の森田がフォローする形となった。
しかし、それでも彼が『解説席』を譲らず、アリーナが彼を重用しているのは、
自身のスタンドである『オフィサー・キックス』が『監視』に最も適しているからだ。
「我が『天上の椅子』を忌々しい凡人に空け渡す、これぞ不快そのもの。
『吉田』氏の懇願さえ無ければ、粗雑な『野次』にも等しい妄言、
今この場で耳に通さず、火花を散らすよりも速く、黙らせたものを」
「愚痴でしたら後でいくらでも『吉田』さんに仰って下さい。
今は『精査』の時です。貴方の『オフィサー・キックス』がなければ、
公正なる『アリーナ』に不義が蔓延る……決して許されません」
「……然り。暴くならば安い野武士の薄い挟持よりも、
我が目を欺きし『悪女』の正体こそが先、か」
『山本ユキト』は眉間に寄せたシワを伸ばしながら、液晶画面へ視線を戻す。
スワイプ、ピンチアウト、自在に『オフィサー・キックス』を駆使していく。
実況の『森田』は現役のアナウンサーであり、多くの試合を見届けた敏腕だ。
観客に違和感を持たせず、アリーナを盛り上げようと尽力している。
解説の『尾藤』も内容はともかく、『小久保』について過度の言及はしていない。
どうやら、『イカサマ』については気付かぬ振りをしてくれているらしい。
「『オフィサー・キックス』。夜の帳を捲れ、天鵞絨の闇を晴らせ。
蒙昧を断ち、欺瞞を暴き、叡智の結晶に『真実』を映せ――――」
未だ、イカサマは暴けない。だが、確実に存在している。
115
:
稲積 誇生『バイト・ザ・ブリット』
:2015/08/13(木) 23:44:36
>>112-114
危ねえ。目算を誤ってたぜ…。
だが、撃てたのは怪我の功名か? これで、狙うべき位置も何となく分かって来た。
敵の謎が分からなくたって、本体が弱点なのは一部の例外を除いて決まってる。
これで相手も浮足立って…、ねえ、だと?
「う、ぐ…?」 ド
ロ.
:
しかも、これ…は…オレの耳から血が出ていやがる…。
あ…『相打ち』かッ! 野郎の腕に当てることはできたが、
しかし『相打ち』だ…こっちは聴覚が片方やられやがったッ!
「クソ…余裕じゃねえかよ、ネーちゃん」
相手の方は平然としてやがる…オレの『噛み締め』と違って
やせ我慢めいたモンじゃあねえだろう。
相打ち覚悟で撃って来たあたりからも、防御に関しちゃ自信があるんだろ。
本当に能力で、コイツはダメージを無効化してる…?
能力の、イカサマの謎を解かねえ限り、勝ち目は、ない………?
ググ・・・
さっきまでの倦怠感は少しはマシになってるか?
っつか、歓声のお蔭で身体に熱がこもって来たのは良いが
照明と併せて何か不調になってねえか? その確認は勿論するが…
なってるにしろなってねえにしろ、いつまでも這いつくばってちゃ格好がつかねえ。
転がるようにしてオレの東にある柱の陰まで移動する。
116
:
『稲積誇生と笑う犬の冒険』
:2015/08/14(金) 00:27:36
>>115
一度、能力の『謎』について思考を巡らせ、
両足に力を込めて柱の陰へと転がるように移動する。
距離を取りながら、自身の『体調』を確認するも、具合は決して良くない。
『眠気』、『気だるさ』、――――何よりも『痛覚』が鈍っている。
『熱』は恐らく、認識出来ない『激痛』を脳が『高温』と誤認しているのだろう。
≪――――成る程、な。『読めた』ぞ。
中々の『策士』じゃあないか、『小久保花代』。
サムい『お笑い』で観客の『失笑』を誘い、
自身のプライドを傷付けることで、
決して退けない『心理状態』にスイッチさせた。
だから、『痛み』も『恐怖』も覚えない――――≫
『解説席』の分析が『スピーカー』から響き渡る。
半分の聴覚であっても、強風の中でラジオを聞く程度には聞き取れる。
スピーカーは『頭上』にあるようだ。見上げれば位置を確認出来る。
何とか這うように移動し終える。……『小久保』の動きは乏しい。
「どう、かな。撃ち合おうよ。
待ち続けても、私は一向に構わない、けれど」
「ほら、若い子から攻めないと。
私、もうお局様みたいな位置だから、ね」
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