したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |

【場】『黄金原駅』 その3

82斉藤刑次『ブラック・ダイアモンド』:2015/08/10(月) 00:43:21
>>81
土川の声掛けも虚しく、青年はぐったりとしたまま動かない。
添えられた大量の菊の花を退かす素振りも見せず、
来るべき迎えを待っているかのように……

彼の真っ暗な視界の先に、亡き祖父が手招きしている輪郭が見えはじめたとき、
人工呼吸を試みんとする土川の唇が、斉藤の唇へと迫って来ていた。

     ルォォォォ………


万事休す!
唇の純潔もろとも若いバンドマンの命が失われていようとしたその時、奇跡は起きた。


   フワァ……

土川が添えていった『菊の花』の花びらが、
夏カゼに冒された彼の鼻元へと舞う。


   「ふ……ふゎ……」


   ファンクショーン!


   「うッ……う……」


かくして、大きなくしゃみとともに、トビかけていた彼の意識はこの世に下ろされたのであった。

人工呼吸のために顔面を近づけていた土川は
そのくしゃみを間近で体験することになっただろう。
クリーニング代は出さん。


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板