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【ミ】『いともたやすく行われる〇〇〇ない行為』その3

5『黄金小町決定戦』 目元千両、口万両:2015/06/06(土) 23:27:15
         ガ コッ

  銀杏羽の声と共に、ステージ上に暗幕が降ろされる。
  一時的ではあるが、巨大なステージ上の全てが隠れる。
  そして、機械音が連続した。

             ――――ウィィイイイ ――z ン

        ガシャ   シャキ  ガシッ

             ガキィィ――ン

   その瞬間……ステージの『シルエットそのもの』が変化する――。



                ザザァン ・・・      ザザァン ・・・

  波の音。
  暗幕が取り払われたその先には、海の上を航行する巨大なクルーザーがあった。
  飛沫を上げながら洋上を動くその上に、一人の少女が佇んでいる。

  白い帽子が波風で飛んでしまわないように右手で抑え、
  同じように白いワンピースの裾を左手で抑えながら
  海を眺めていたその少女は、くるりと『あなた』の方を向いた。

          「良い風、ですわね」

  茶色い長髪を緩くカールさせた、高貴な雰囲気の少女。

  銀杏羽明日乃はそう言って、優しげな笑みを見せる。
  普段の破天荒で騒がしい彼女の印象からは乖離しきった、静かな表情だった。

   「まったく、退屈な旅になるかと
    思っていましたが……なかなかどうして」

         ニコ

   「『あなた』と一緒だと、こうした静かな時間も楽しめるものですのね」

  銀杏羽はそう言って、ぎこちなくはにかむ。
  照れくさそうな、それでいてその感覚も好ましいというような、そんな平和な笑み。



   ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・・
  そこまでは良かった。

             ド     、o
              ツ  ノ ヽ
                 オ /
                ン ・

  水面から、突如として飛び出す『鮫』!
  もうステージだったんじゃねーのとかどっから鮫出したそういうのは関係ない!
  ネタとしても唐突すぎて置いてけぼりになる観客をさらに置き去りにして、
  ステージ上の暴挙はさらに進行していく!

「出ましたわね、『太平洋のヌシ』!
 さあ行きますわよ、この旅に終止符を打つ為に!!」

    ガコン  ガコン!

  突如、クルーザーの側面が変形し、無数の砲台が顔を出す。
  そう、これはクルーザーではなく、そう偽装した覆面小型巡洋艦だったのだ。

   「一斉掃射ですわ!」

       ドガガガガガガガ
       ザザザギギギギギ!!!!

  銃声が連続する。
  飛び出した巨大な鮫は、そのどてっぱらに無数の風穴を開け、
  そしてそのまま吹っ飛んで行き、太平洋の水面を赤く染める絵具となった。

  銀杏羽はそれを見届け、満足そうに頷く。

             「――――どうです? エキサイティングな経験だったでしょう?」

  太陽に照らされたその笑顔は、
  その一言で綺麗にまとめようとしている意志が見え隠れしていたが、
  どう考えてもそんなんで片付くはずはないのであった――。


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