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【ミ】『ヨハネスブルグの明星』 その1

980『ヴァージンロード・クルセイダーズ』:2016/08/13(土) 03:06:43
>>978(井上)

              ──ヒュ バ!!

超人的な反射神経で、後方に距離を取る。
地震はスタンドには、そこまでの影響を及ぼさない。
逆にルンクスの座った祭壇が北方向に倒れ始め、
『馬面』の追撃を阻んだ──脱出成功だ。


井上は身を翻し、床に足を伸ばすも、
流石に急ブレーキには無理がある・・・・
床に触れ、転倒した勢いのまま、西側の椅子群に突っ込んだ。
結果的には狙った通りだが、態勢を取り戻すのに時間がかかりそうだ。


                   ズ ズウゥン・・・!

『ハッピー・オルガン』から『10m』前で、
ルンクスが祭壇から降り立った。
足首に痛みはあるが、稼働に影響はないだろう。
経験的には、『ハッピー・オルガン』の怪我は自然治癒する。
だが、その治りは人間より多少早い程度でしかない。
戦いの場で『治癒』を期待するのは、『不可能』だ。

         ズ ズ ・・・・

揺れは急速に収まったが、ルンクスの左に詰めたナツメグは、
何故か攻撃しない──その目は、前方の水たまりを凝視している。

果たしてその理由が、次の瞬間わかった。

揺れの収まった水面から、再び女の指が生えたのだ。
そして──

                   ゴ ゴ ゴ        ゴ ゴ ゴ


>ウィル、高遠、『ハッピー・オルガン』

                ス    ゥ ン

衆目を集める水面から、再び現れた、女の手指。
続くは、白磁の輝きを帯びた長い腕。
夜の嵐にの如く乱れたストレートの長髪。
蠱惑的な笑みを浮かべた横顔。大胆に開いた胸元。
彫刻を思わせる輪郭を描き出した細腰の肢体──


                   ゴ ゴ ゴ        ゴ ゴ ゴ


年の頃は二十歳前後。
背は高くないが、漆黒のボディースーツを着たその黒髪の女性は、
一目見て、常人ではないことが見て取れた。

この女は──『危険』だ。
抜き身の刃や銃口と同種の畏怖が、その佇まいから伝わってくる。


「見損なったぜ──オフクロ」

黒髪の女に、まずつぶやいたのは、ナツメグだ。

きゅり、と首だけ捻ると、
女はナツメグを見つめ──笑みを浮かべる。


                        「久しぶりだねえ・・・・『ナツエ』」


>>976(エイノー)

                ズ ズズズ ・・・・

最速で前に進むエイノーだが、
この揺れでは、足取りはおぼつかない。

だが幸い、地震はものの数秒で収まった。
エイノーは告解室の前を通過し、鐘楼室の扉を開ける。
そこは、ちっぽけならせん階段があるだけの部屋だ。
鉄柵に囲まれた階段は真上に伸び、鐘楼へと続いている。

『ラッパ』の音色が、ひときわ大きく響き渡った。
間違いない──菊川の情報通り、
鐘楼への出口は扉の類で塞がれてはいない。
よく通る音が、何よりの証明だ──


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