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【ミ】『ヨハネスブルグの明星』 その1

967『ヴァージンロード・クルセイダーズ』:2016/07/22(金) 23:20:25
>>963(エイノー)

           ギイィ────ッ

エイノーは、古めかしい扉を勢いよく開ける。

その先には、幅『1m』ばかりの細い廊下が続いていた。
数歩進んだ先ですぐ左に、続いて右に折れて、北へと進むのが、
扉の手前からも見て取れる。
廊下の左手には複数の窓が並び、
穏やかな朝の光が差し込んでいる──まるで別の世界のようだ。

すぐさま確認した床に、異常はない。
ワックス仕立ての、よく磨かれた木製の床だ。
足の異常は、痛みのせいでよくわからないが、
少なくとも体内で、何かが蠢いている感覚はない・・・・
脚はまだ動く。今は前に進むのみだ。

>>964(ウィル)
周囲に視野を広げ、仲間を確認するウィル。
エイノーは左の扉に消え、ナツメグは祭壇に向かっている。
ルンクスとそのスタンドは、祭壇上から
井上を武器のように構えた『ハッピー・オルガン』と対峙。
椅子の陰なのか、高遠の姿は、ここからは見えない。

浜岡:
「ああ、わかってるさ。
 おまえさんには、滴の一滴も飛ばさせやしない」

                    バ サァッ !!

自信に満ちた声音と同時に、
『ウィンター・ブランケット』の構えた毛布が、投じられた。
それは『投網』のように空中で広がると、
突進してきた女を頭から包み込むなり、
一端を握ったスタンドの巧みな手捌きによって、
みるみる捻りを加えられ、完全に女を閉じ込めた。

念のため、銃の照準は女に向けてはいたが、
無事、杞憂に終わったようだ。
毛布の内側で女が暴れているのが見て取れるが、
『破壊不能』という『ウィンター・ブランケット』を破るのは、
人ならずとも、誰にも『不可能』だろう。

「──っと」
                       グイッ

突如、飛来した井上に気付いて、
浜岡が毛布を引っ張り、攻撃の範囲から遠ざける。

勢い余った井上は、飛び蹴りの態勢のまま、
ウィルのいる壁際へと突っ込んでくる──幸い、直撃のコースではない。

「あんたの流儀は邪魔しないがね。
 あたしの手の届く範囲で、無闇な殺しは──」

目前の『ハッピー・オルガン』に息まく浜岡だが、
その言葉が、途中で途切れる。
浜岡の視線の先を追ったウィルは、絶句した。

ルンクスを相手取る『ハッピー・オルガン』──
その足元の不浄な『水たまり』から、手が伸びたのだ。
色白で細い、女性の両腕が。
その数倍も太い、幻影の両腕を伴って。

                                     「──まさか」

床から僅かに浮いた『ハッピー・オルガン』の両足首を、
水面から斜めに生えたスタンドの手が──

                 ガシィ!!
                                   ──『掴んだ』。


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