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【ミ】『ヨハネスブルグの明星』 その1

879『ヴァージンロード・クルセイダーズ』:2016/05/11(水) 01:22:21
>>873-875(ウィル、エイノー、高遠)

彼我の距離がみるみる縮まる中、
最初に『違和感』を察知したのは、背広の男たちだった。
                                        ・ ・ ・ ・ ・
浅黒い肌の美女、メイド服の中年女、学者然とした白人、一人で踊り始めた帽子の女性──
早朝のシンガポールにおいて、平凡とは言い難い人間が、
揃って信号を渡って来ている──その『異常』に、だ。
或いは、明らかに丸腰という状況から、
仮に敵対勢力であれ、拳銃の間合いで御せると考えたのかもしれない。

       バッ!
              バッ!

横断歩道に到達した男たちは、
示し合わせたように懐から拳銃を抜き、
まだ歩行中の高遠とウィルに、その銃口を向ける。
──だがそれは、
スタンド使いにとっては、あまりにも『鈍すぎる』反応だった。

パシュ!パパシュ!
                ──ビュバ!!

抜き撃ちで狙いを定めたウィルの『ニードル弾』が、
精確に三本──額の中心に突き刺さり、その中身を麻痺させた。

同時に、エイノーが転びながら放った『ダンクスロー』が、
ミネラルウォーター入りのペットボトルを手放し、
もう一人の男の顔面を捉える。
派手に飛び散る飛沫とともに、男の意識も霧散した。
転んだアクションが必要だったかはわからないが、
少なくとも視線を下に向けさせた意味はあったはずだ。

そして、囮を演じた高遠は、
回転しながら周囲の警戒を忘れない。
トラックはすでに信号を過ぎ去り、異常はないようだ。
他に車が来る気配も、歩行者がこちらに気付いた様子もない──今はまだ。

                       ドザァ ア

崩れ落ちた二人の男を見下ろし、
浜岡がちらりとエイノー、高遠を振り返った。

「さあて、急ごうじゃないか。
 アフリカからお越しの『花婿』が、
 あたしらの『歓迎』に気付いて、裸足で逃げ出す前にさ」


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