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【ミ】『ヨハネスブルグの明星』 その1

863『ヴァージンロード・クルセイダーズ』:2016/04/29(金) 04:16:53
>>858(井上)
傍に残った仲間に警告を発した瞬間、
『ハッピー・オルガン』は消防記念館の屋根から宙に飛んだ。

      ───ゴ ォ !!

交差点の男の真横に着地し、
無造作にその首を掴んで、生垣の男へと投げ飛ばす──
男には何も見えていないようだ。そして生垣の男にも。

             ド グッシャァァ !!

肉が肉と出会う、地味だが景気のいい音が朝の空気を震わせた。
血と脳漿が生垣を彩る中、すでに『ハッピー・オルガン』は
次なる獲物に跳びかかっていた。教会西端の見張りだ。

突如、『肉花火』と化した同僚に、口を『O』の字に開けたまま、
三人目の男は見えざる拳に深々と胸を抉られ、一瞬で絶命した。

          カララ……

その耳から、小さな器具が落ち、歩道に転がる。
イヤホンとマイクが一体化したような、何かの道具だ・・・・

南方向から、命令通り、
井上が交差点を飛び越え、こちらに向かってくるのが感じられた。

>>860(ロンパリ)
身の処遇を考慮した上で、
ロンパリは陽動組ではなく、ナツメグら『突入組』を追うことに決めた。

『シヴィル・ディフェンス・ヘリテージ・ギャラリー』を引き返し、
最初の路地を西に曲がると、すぐに二人の背中が見えた。
急ぐ様子は感じられないが、
それはロンパリを待っていたからだと、すぐに気が付く。

『ナツメグ』:
「フン・・・・ちったぁ己を知ってるじゃあねぇか。
 こっちに来たのは『正解』だぁ。
 もっとも、一番ハードなルートになるだろうがよ、おまえにゃあな」

『ナツメグ』が肉の隙間で目を細め、ロンパリを嗤う。

             ド グッシャァァ !!

「・・・・さっそく、はじめやがったな。
 見張りにスタンド使いがいなけりゃ、『アレ』一人でもおつりが来るだろ〜が」

「──ルンクスに連絡がいくと、問題ありだね」

「ま〜、そういうこった。
 早速だが、ちと『急ぐ』とするかよ・・・・」

──ズギュン!

『ナツメグ』の巨体の傍らに聳え立つ、
同程度に大きな人型のヴィジョン。
顔の下半分を覆うマスク状の布と『前掛け』。
圧倒的な筋肉を縛る、無数の『鎖』。
人というより『巨人』を彷彿とさせる『獰猛さ』は、
けして秘めきれず、瞳の奥から漏れ出し、ロンパリに向けられている。


              ド ド ド   ド ド  ド ド ド

「・・・・『フランキー・アヴァロン』」

                        ガシィ! ガシィ!!

その腕がおもむろに伸び、
ロンパリと菊川の肩を掴んだ。
体が微動だにしないのはその膂力故か、それとも未知の恐怖故か。
隣の菊川の顔も、心なしか蒼白になっている。

「・・・・『2秒』・・・・動くなよォ」

                        ──ズギュン!!

ロンパリの体内で、別の生き物が暴れ始めた。
皮膚下を食い破り、肩から全身へと『異質』な何かが広がっていく──!


             ──ズギュン!


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