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【ミ】『ヨハネスブルグの明星』 その1

127紫 斜六『アームチェア・トラベラーズ』:2015/09/07(月) 23:56:20
>>126

     「敵……ふむ、敵ですか」

一拍、間をあけて。

        「……その答えは『厳密には異なるが、そうとも言える』」

   「私は調査対象が如何なる悪人であろうと、『敵』だと認識したことはありません」

      「ですが、ええ。
       これは『ルンクスを仕留めるため、あるいは妨害をするための情報を集める』という依頼であり……」

    「――――そういう意味では、『敵』と言って差し支えないでしょう。
     私の目的は彼の居所や素性を突き止め、『彼の敵』にそれを渡すことなのですから。
     あるいは、『ルンクスにとっての敵』と言ってもいいかもしれませんね。
     『ルンクスの敵の協力者』とかでもいいかもしれませんが」

と、紫のスタンスはこんなところである。
彼女は判明していない情報を明らかにするための装置であり、そこに敵意の類は存在しない。
だがまぁ、敵意は無いが『ルンクスの敵』には分類されるだろう、というところだ。


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