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【場】メインストリート その4

893人吉 佐和子『クラウド・ボーイ』:2015/11/26(木) 22:51:01
>>892
「んー………………」

ポフ

枕の上に倒れこむ人吉。これは『寝る』構えか――!?

「あら、『スタンド使い』の人だったのぉ……?」

ポイン

と、ゼンチの反応を見て、
枕に倒れこんだ『反動』を使って体勢を戻した。

『メヘェェェェ』

「う〜ん、ダメねぇ、わたしったらぁ。
街中で出すのは、やめておこうって思うんだけど……寝ちゃうから」

ムニ  ムニ

「でもこの子、とってもさわり心地がいいのよ……
ふわふわしてて、よく伸びるし」
押し潰された『枕』が、鳴いた。

894ゼンチ『イースト・ミーツ・ウェスト』:2015/11/26(木) 23:16:40
>>893

「はい、スタンド使い――です。」

   ポイン

「アラ。」

弾んだ。
高反発なのか?

(なんとも……)

「可愛らしい――
 『スタンド』ですね。」

見た目、様子。
害のなさそうな像。

「まるで『ゆるキャラ』のような。
 鳴き声も、なんともまあ…………」

目線を落とす。
『枕の羊』を眺める。

「外で寝るのはともかく……
 確かにこれは、気が緩みそうで。」

     ソロ

「あの」

伸ばしかけた手。
止めて、顔を上げる。

「不躾ながら……
 触れても、よろしいですか?」

恐る恐る、聞いてみる。
触り心地の主張が、効いた。

895人吉 佐和子『クラウド・ボーイ』:2015/11/26(木) 23:22:46
>>894
「うふふ、かわいいでしょう」

ウリウリウリウリ

何故か自慢げに、『枕』の背中を撫で回している。
枕は、目を細めている。猫なら喉をゴロゴロ言わせているだろう。

「いいわよぉ、ね?」
『メヘェェェ』

触ってもいいか、という問いに、気さくに返す。
枕も(意思があるかはよく分からないが)まんざらでもないようだ。

「どうぞぉ〜」

ズズイ

差し出された。

896ゼンチ『イースト・ミーツ・ウェスト』:2015/11/26(木) 23:47:58
>>895

「おおお……」

「本当に。
 可愛らしい。」

何とも癒される。
平和なスタンド。

(これで物騒な能力なら……)

それは怖い。
まあ、妄想だ。

   ズズイ

差し出された。

     ゴクリ

「感謝します。
 では失礼して……」

   ソロ〜   

      ムニ

「!」

触れた。
なんともいい触り心地だ。

   「なんと柔らかな……」

思わずうなる。
レモンティーを、飲む。

897人吉 佐和子『クラウド・ボーイ』:2015/11/26(木) 23:56:36
>>896
ムニ

触れた指が、枕の『反発力』で、軽く押し返される。
まるで『マシュマロ』かなにかのように柔らかく、
それでいて確かな『感触』を指に伝えてくる。
表面も、実に『ふわふわ』している……指が幸せになるかもしれない。

「どうかしらぁ……?気持ちいいと、良いんだけどぉ」

人吉は、楽しそうに笑っている。

それにしても、手触りのいい『枕』だ。
人にもよるが、ずっと触っていても飽きない代物かもしれない。

898ゼンチ『イースト・ミーツ・ウェスト』:2015/11/27(金) 00:06:37
>>897

「……」

   ムニ

もう一度。
これは、すごい。

「凄いです。」

    コクリ

頷く。
衝撃的、だ。

「外で出すと寝てしまう……
 その言葉、指先をもって実感しました。」

        「これほどとは。」

    ウウム

流石はスタンド。
常識を超えるさわりごこち。

「改めて――
 感謝します。」

     ペコ

小さく、お辞儀する。
それから。

「私のスタンドは――
 ここではお見せできませんが……」

「もしよければ。
 次に会った時にでも。」

      チラ

枕羊を見て。

「触り心地は。
 ざらざらしていますが……」

ここで出すには愛銃は物騒すぎる。
見せて楽しい物かも微妙だ……

        ズズ

レモンティーを啜る。
そろそろ底が見えてきた。

899人吉 佐和子『クラウド・ボーイ』:2015/11/27(金) 00:14:38
>>898
「ねっ、ねっ、凄いでしょ!
ほんと、触ってるだけで気持ちよくなれるのよぉ」

うんうんと頷き、ゼンチの感想に同調する。

「特にこの『背中』のラインが…………ふぁあ……
…………あらっ、いけないいけない」

撫でながら眠りかけ、はたと気付いて
『スタンド』を一旦解除する。

「また寝ちゃうところだったわぁ……
あの子は『クラウド・ボーイ』っていうのよぉ」

クイィ――z__ッ
少しぬるくなったオレンジティーを飲み干す。

「うふふ、そういうことなら、あなたの『スタンド』も、
今度見せてちょうだいね?」

900ゼンチ『イースト・ミーツ・ウェスト』:2015/11/27(金) 00:28:02
>>899

「ええ、本当に。
 驚きました……」

「『クラウド・ボーイ』。
 きっと、忘れません。」

      クイ

        ゴク ゴク

「……ふぅ。」

レモンティーを飲み終えた。
そして、時計を見る。

「ええ、これも何かの縁。
 きっとまた、お会いした時に。」

(願わくばそれが……
 戦場で、なければ。)

スタンド使いは惹かれあう。
いずれまた、会う日は来るだろう。

           ・・・・そして。

「――では。
 私はそろそろ。」

「急がないとはいえ……
 あまり遅すぎると、叱られますので。」
 
          ニコ

笑みを浮かべる。

「まだ残りますか?
 でしたら、お代は置いていきますが――」

財布を出しつつ、聞いてみる。

901人吉 佐和子『クラウド・ボーイ』:2015/11/27(金) 00:35:44
>>900
「うふふ、『きっと』ね」

『きっと』は『きっと』だ。
そのときは来るのかもしれないし、来ないのかもしれない。
もっとも、目の前の『寝ぼけ眼』の女は、およそ『戦場』と対極にいるようではあるが。

「叱られる……だれか、待ってる人がいるのかしらぁ」

ちょっと興味がありそうな顔。
だが、急いでいるようなので踏み込むのはやめておくことにした。

「そうねぇ、このまま長居しても……
って、それじゃあ寝ちゃうわねぇ」
「わたしも出るわぁ、急ぐなら、お勘定はしておくわよぉ」

そう言って、少し名残惜しそうに席から立ち上がる。

902ゼンチ『イースト・ミーツ・ウェスト』:2015/11/27(金) 00:49:26
>>901

「ええ、きっと。」

スタンド使いは惹かれあう。
この町には、危険な使い手も多い。

      ・・・・願わくば。

「? ああ、両親です。
 これが中々、厳しく。」

      ニコ

頭を小さく掻き、笑む。
ゼンチこと、善知鳥雷。17歳だ。

      ゴト

席を立つ。

「あ、いえ。
 それほど急ぐわけでも。」

「外までは共に。
 寝てしまわれては――
 何だか後味も悪いですし。」

あまり長居は出来ないだけ。
お会計までは、一緒にしよう。

903人吉 佐和子『クラウド・ボーイ』:2015/11/27(金) 01:03:00
>>902
「『約束』ね♪」

スタンドの『危険さ』――それを、まったく感じさせない、
軽い調子で、彼女は笑う。

「あら、ご両親――そうなのぉ。
わたしは一人暮らしだから、ちょっと懐かしいわねぇ、そういうの」

とてもそうは見えないが、人吉 佐和子21歳、社会人である。

>「外までは共に。
> 寝てしまわれては――
> 何だか後味も悪いですし。」
「うふふ、そうねぇ。それなら、ご一緒しましょ」

……ややあって会計を済ませ、
連れ立って店の出入り口へと歩いていく。

「今日はお話できて楽しかったわぁ、ええと……
わたし、人吉 佐和子。また会えたら、遊びましょ」

そう言って、店のレシートにさらさらと何か書き込み、
ゼンチに手渡す。『連絡先』のメモだ。

「良かったら、連絡ちょうだいねぇ」

ひらひらと手を振り、重たい荷物を揺すりながら
家路についた。
さすがに重くて眠るどころじゃなかったそうな。

904ゼンチ『イースト・ミーツ・ウェスト』:2015/11/27(金) 01:08:28
>>903

「――ええ!」

     ニコ

笑み返す。

「ああ、お一人暮らしで。
 なんだか少し、憧れます。」

自分にないものに憧れる。
会計を済ませて、店外へ。

「私こそ、楽しかったです。
 あ――ええと、善知鳥 雷と申します。」

     「『ゼンチ』とお呼びを。
       それで、もしよければ――」

自己紹介をして。
それから。

「……はい! ぜひ。
 あとでメールさせて頂きます。」

連絡先は、願ったり。

「それでは、また。
 またお会いしましょう!」

       ヒラ

手を振り返す。
これもまた、一つの縁。

「……ふふ。」

温まった心と体。
買い物道を、歩いていく。

905関東 也哉子/ヤーコ『一般人』:2015/12/05(土) 03:09:58

       「うーん……」

メインストリートの、ある一角。
ある露店を前に、ロングスカートの少女が屈みこんで唸っている。

     「こっち……いや、こっちかなぁ……でもこっちも……」

どうもアクセサリー屋の前で、どれを買うか悩んでいるらしい。
……結構長いこと悩んでいる。そろそろ20分は経過しそうだ。
店主の方も、いい加減苦笑いである。

906稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』:2015/12/05(土) 03:29:32
>>905

気分的には、ノーマルだった。
心の奥底に生じた熱はあれ、フラグがない。そんな一日。

「…………」

    トコ

           トコ

(……ん? なんだあれ、露店……?)

恋姫は足を止めた。
カラスのような黒いマフラーが冬風にたなびく。

         トコ

(えひ、アクセサリーか……
 レアアイテムはこういう店にあるもんだよな……)

                     ヒョイ

何となく、覗き込む。
恋姫にも少女的な興味は少なからずある。

『ロングスカートの先客』には、特に目は向けない。

(こいつ、悩みまくってんな……
 クリスマスに向けて自分磨きか……? えひ。)

                 ・・・・そういう邪推はあるが。

907関東 也哉子/ヤーコ『一般人』:2015/12/05(土) 03:40:12
>>906

   「あっ……」

入ってきた新しい客をチラと見て、遠慮するように少し横にずれる。

置いてあるアクセサリーは、ネックレスや髪留めなど、オーソドックスなもの。
しかし、一つ一つに色のついた石……いわゆる『パワーストーン』がついているようだ。
各アクセサリーの下には、それぞれどういった意味の石が使われているのか、簡易的に書かれている。

    「…………ん?」

と、ふと気づく。
先ほどチラと見た顔は、どこかで見たことがあるような。
再び視線を横に。ジロジロ見すぎない程度に気をつけて。
さて、どこで見たのだったか…………

      「…………………………」「あっ!」

    (そ、そうだ、この子、『こいひめちゃん』だわさ!?
     ミスコンの時に見かけた、アイドルの子だがね!)

思わず声をあげる。
誤魔化すように口を手で押さえるが、まぁ声は既に出てるので遅いだろう。

908稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』:2015/12/05(土) 04:02:32
>>907

(えひ、パワーストーンか……
 そういや、灰羽はもう退院したんだっけ……)

            ス

(……魅力に補正入りそうなやつがいいな。)

手を伸ばす。
ちょうどその時。

       ビクッ

声に驚く。

「なんだよ…………
 僕の顔に、死亡フラグでも見えたぁ……?」

などと言いつつ。
視線はアクセサリーに戻す。

「えひ、『あぶれメタル』1か……
 色違い『ハッピー』2でも見たみたいな目してるぜ……」

     (この感じ……僕のファンか…………あ? 
      待てよ、こいつ……誰だっけ。どっかでエンカした……)

知っている顔だ。
それはそうだ、見たことは、ある。

                  ・・・・学校で、だ。

―――――――――――――――――――――――
*1『あぶれメタル』……国民的RPGのザコ。レアで、すぐ逃げる。
*2『ハッピー』……モンスターを捕まえるRPGのキャラ。珍しい。

909関東 也哉子/ヤーコ『一般人』:2015/12/05(土) 04:25:02
>>908

   「あっ、いやっ、えっと……!」

    (ど、どうしよ、あんまり騒いじゃーあかんがね。
     その、『オフ』っちゅう奴だで……)

あたふたと意味も無く手を動かしつつ。

ところで。関東也哉子は――――『転校生』である。
去年にこの街に引っ越してきて、秋映学園に転校してきた。
小中高と一貫の秋映としては、新顔の部類。もっとも、ある少女のおかげで孤立するようなことは無かったが。
友達はそこそこ多いが、主張をあまりしないのでクラスの中心からは一歩離れた位置にいるタイプ。
言ってしまえば、『モブ』のようにそこにいるタイプ。それが、関東也哉子だ。

そのこともあって、去年に転校してきた也哉子と、引き籠りがちの恋姫の接点はほとんどない。
恋姫の顔を見たことは――――あるだろう。
恋姫に顔を見られたことも―――あるだろう。
だが、言葉を交わしたことは、まずないだろう。その程度の距離感。
事実也哉子の中での恋姫の扱いは、『同級生でアイドルをやっているすごい子』である。その程度でしかない。

     「そ、その、な、なんにも見てないです!
      見てないって言うか、えっと……あ、会ってないっていうか……!」

だから、こんなにも動揺する。
彼女の中で、『稗田恋姫』は同級生ではなく、雲の上の人なのだ。

910稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』:2015/12/05(土) 05:05:06
>>909

関東也哉子を、稗田恋姫はほとんど知らない。
なぜなら、同学年になったのは今年で――ほぼ通わず、また引きこもったから。

「……何、その手の動き……乱数調整? 
 TAS導入してるの……? えひ、冗談……」

      ニタ・・・

意味のない手の動き。
ダウナーな笑みを浮かべる恋姫。

あの日の舞台の上の輝きとは、また違う毛色の笑み。

「まあ……何もないならいいんだが……」

(……何テンパってんだ、こいつ?
 コミュ障なのか……それか、やっぱファンか……)

       (……だとしたら物好きなやつ。)

         スト

その場に屈む。
パワーストーンのアクセを物色する。

     カチャ

「えひ……パワーストーン……
 いろいろあるよな、効くのか分からないけど……」

           カチャ

欲しいのは『ネックレス』だ。
効能としては、『魅力』辺りを攻めたいが……

    カチャ

「お前は……あれか……?
 サミシマスにならないように……恋愛運向上?」

          ジャラ

        (あ、これ良いな……)

などと言いつつ、ネックレスをひとつ手に取る。

「どうせ今年もリア充は爆発しないし……
 えひ、中止のお知らせも……ガセだかんな。」

         『キラ』

            青い石――『アイオライト』のネックレスだ。

911関東 也哉子/ヤーコ『一般人』:2015/12/05(土) 05:20:46
>>910

      「うっ」

  「……おほん。大丈夫です。落ち着きます」

手の動きを指摘されて、ぐさりと何かが突き刺さったような感覚。
頬を僅かに赤らめながら咳をして、深呼吸をして、一度落ち着く。
流石に今の自分は、変な人だった。恥ずかしい。

     (……うん。変に気を回し過ぎるほうがあかんわぁ)

気を取り直して、アクセサリーの物色だ。
そろそろ決めないと、お店の人に迷惑だし。

    「そうですね。色々あって……ふふ、効き目については言いっこなしですよ」

くすくすと笑う。
……店主の目がちょっと冷たく光った気がする。

     「れ、恋愛なんて、ち、違います!
      あたしはその、友達のクリスマスプレゼントに、なにかいいのがないかなぁって」

思わず顔を赤くしつつ。
もちろん気分を害したというわけではない。単純に恥ずかしがっているだけだ。
……洒落が通じないと言う意味では、大概か。

     「あ、いいですね、それ。綺麗で深い青……」

  「えーっと、効果が書いてありますね。
   『不安や感情の高ぶりを取り除き、精神を安定させる石。
   持ち主に平常心を与え、正しい未来へ導く』……ですか」

912稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』:2015/12/05(土) 22:30:37
>>911

「まあ……混乱するのは分かるけどな。
 なんせ僕は……みんなのお姫さまだから……」

           「あんま気にすんなし。えひ。」

冗談っぽく笑う。
恋姫はまだ、『自分のファン』だと思っているのだ。

          ・・・・ともかく。

「友達……サミシマスに中止のお知らせ来たか。えひ。
 まあ……無難に友情運アップのやつでも買っとけば……?」

       (……僕も何か買ってやるか?
         えひ、あいつはゲームの方が喜ぶか……)

頭に浮かぶのは、入院している『友達』の顔。
もっとも、クリスマスはライブがあるのだが……

       ジャラ

ネックレスを自分の首元に当てて。
少し俯き加減に、隣の少女に見せて。

「……これ、似合う?
 あんま……こういうの、着けないからな……」

                 ・・・・そう、聞いてみる。

913関東 也哉子/ヤーコ『一般人』:2015/12/05(土) 23:10:56
>>912

  「えへへ、すみません……」

    (『みんなのお姫さま』、かぁ。
     どえらいなぁ……分かっとったけど、本物のアイドルなんだわぁ)

本当に、『雲の上の人』だ。
例えるのなら、彼女は『白雪姫』。自分は『その他大勢』。
立っているステージが違うのだ、と。そう感じる。

   「ふふ、そうですね。幸いにして、一人でクリスマスってことにはならなさそうです」

と、首にネックレスをあてた恋姫の姿を見て。

    「おおー、お似合いですよ!
     深い青がすごく合ってて、落ち着いた感じがするっていうか……素敵です!」

ニコリと笑って、まるでショップの店員か何かのような褒め方をする。
社交辞令っぽく聞こえるかもしれない言葉だが、本心だ。
微妙にボキャ貧なのである。それはまぁ、まだまだ中学生の少女に過ぎないので仕方ないことだが。

   「……そうだ、石がどうとかじゃなくて、贈る相手に似合うかどうかで考えた方がいいかな。
    友情とか、夢とか、『そんなものに頼るものじゃない』って言いそうだし……」

ともあれ何かヒントを得たのか、改めてアクセサリーを物色する。
あれでもないこれでもないと手に取って、どれが似合うか考えながら、ぽつぽつと独り言のようにこぼし。


      「どんなのが似合うかなぁ――――『暁利ちゃん』」

914稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』:2015/12/05(土) 23:39:15
>>913

「まあ、もしサミシマスに予定変更したら……
 クリスマスは、ライブやるから……見に来たらいいよ……」

恋姫/こいひめはアイドルだ。
オフであっても、アイドルなのだ。

「……えひ、じゃあこれにしよ。
 すいませぇん……これ買います……」

             ジャララ

『アイオライト』の首飾りを店主に渡す。
そして――

「……」

    ピク

僅かに肩を震わせる。

「……さあ……?
 僕、そいつのこと……知らないし……」

      (……キラリ。)

顔を伏せる。
……その姿に重なる、見えない焔。

「……じゃ、僕、行くから。
 お友達……のプレゼント選び、ごゆっくり……」

           ジャラ

           支払いを済ませて、立ち上がる。
           ……アイオライトを、握りしめて。

915関東 也哉子/ヤーコ『一般人』:2015/12/06(日) 00:08:13
>>914

      「ふふ、もしかしたら友達を誘って行くかも、です」

也哉子は、知らない。
恋姫のことも、暁利のことも。二人の間のことも、何も知らない。

        「…………?」

顔を伏せる恋姫に、僅かな違和感を感じながらも。

    「はい、それじゃあ、お元気で。
     あんまりごゆっくりしちゃいけないんですけどね、えへへ……」

些細なことかと違和感を飲み込んで、はにかんで見送る。
也哉子はしばらくそうして悩んで、適当なアクセサリーを買っていくだろう。
『友達』の、ために。

916稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』:2015/12/06(日) 00:29:11
>>915

「……誰でも誘えばいい。
 僕はみんなの……お姫さまだから。」

そう言い残して、去る。

    ・・・・

          ・・・・

          ≪オォォォォオオオオ―――――!!!≫


   ≪オォォォ≫

                 ≪オォォォ……≫ 

               メラ
         メラ

「……こんな石、何の効果もないんだ……」

              「……キラリ。」

お互い、何も知らないまま。
冬の帰り道を、『焔』とともに、歩いていく・・・・

917藤堂虎鈴『オリンポス』:2015/12/09(水) 01:18:30
【戦】『無限軌道』 その3 ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/netgame/9003/1420214957/ より

「よし、ここに隠れればもォええじゃろ!!」

息を弾ませながら、椅子に座る。
『オリンポス』で抱えた目黒も、隣に座らせる。

そう、ここは…………牛丼家だ、例のチェーン店の。

「そーゆーわけで味噌汁つき大盛りじゃ。
………もちろんお前の奢りでの」

さも当然のように目黒に払わす気でオーダーした。

918目黒真実『ディバイン・ゼロ』:2015/12/09(水) 01:42:45
>>917
「い… …分かりましたよ…当方が敗けたのですから…」
「追加オーダーは勘弁、半額弁当で暮らす身なので」



しぶしぶ了承する。手持ちの金はあったよね、あるよね。多分。
自分はお新香で我慢しとこう。


「そういえば何だ、貴方は学生なのですか」
「『クラスの女子』がどうと言っていた」


   (見た目は、なんというか…『一般的なそれ』からは離れて)
   (これといった女々しい飾りすらせず、腹はデカい)


「女の顔したおっさんといった印象ですが?(……着飾るのはお嫌いなので?)」

「あ…しまった!」

口に出てしまった。

919藤堂虎鈴『オリンポス』:2015/12/09(水) 02:14:01
>>918
「そう言えばそうじゃったのォ。
まあこれも社会勉強と思っとけ」

大盛りの牛丼に一味をふりかけながら、目黒の方を向く。

「おう。花も恥らう15歳よ。見れば解るじゃろ、制服着とるし」

青島コートの下に着た、秋映学園の制服を見せ…次の言葉に固まった。

ビキッ

「そっ……それは…仕方ないじゃろが………そんな経済的余裕がないンじゃうちは」

……ざくざくと一味たっぷり牛丼をかき混ぜながら俯いた。
どうやら、家計的には半額弁当狙いの目黒とそう変わらないようだ………。

920目黒真実『ディバイン・ゼロ』:2015/12/09(水) 03:00:55
>>919
「通りで」
フードコートで一人で水を啜りながらバイト誌に折り目をつけていた訳だ。

 「若いうちは苦労しろって言われますが」
 「ご両親は何してるンですか。過剰な苦労してるんじゃないですかね、あ、えエと」

 ポリポリポリ


「名前…」

この少女のスタンドの銘なら分かるのだが…

921藤堂虎鈴『オリンポス』:2015/12/10(木) 00:40:11
>>920
「どうかのォ……。
せンでいい苦労はせンに越したこたないとうちは思うがの…………。

………なンじゃあお前さっきから、人生相談の係員かなンかかァ?」

モグモグ

面倒くさそうに目黒を一瞥すると、真っ赤な牛丼をパクつき始める。

「そんなァはもう5年も前に死ンだわ。うちの家族で今生きとるンはうちだけじゃ。飯食うときくらい大人しゅう黙っとれ」

922目黒真実『ディバイン・ゼロ』:2015/12/10(木) 01:07:16
ポポリ ゴックン

「喋るなとおっしゃっても、もう食べ終えてしまったもんで」


お新香の量の少なさナメんなよ…




「おっと失礼……五年前ですか」
「当方もちょうど15歳…いや、16歳の頃でしたかな」
「そのくらいだと、女性といえど食い盛りでしたねェ 」
「当方の場合、喰えども喰えども、タッパだけでなく腹も胸もさして大きくなりませんでしたが」
「はっはっは……」


 …七味でも舐めるか。ベロベロベロベロ

  「ッ辛っ」
    「かッッッッらいッ  !」
       「げほげほボェ――ッ 水ッ」

923藤堂虎鈴『オリンポス』:2015/12/11(金) 00:29:13
>>922
女だったんかワレ!?

「……………………」

スッ

何だかもう突っ込むのも苛立つのも面倒くさくなり、黙って水の入ったグラスを差し出した。

924目黒真実『ディバイン・ゼロ』:2015/12/13(日) 00:16:55
>>923
外見と性格からあまり感じる事は無いが、目黒はいちおう成人女性である。いちおう。

ゴクッ ゴクッ ゴクッ ゴクッ ゴクッ ゴクッ 
  ゴクッ ゴクッ ゴクッ ゴクッ 





「ブッヘぇ〜〜〜ッ」
「す、済まない」

空のコップに水を注ぐ…


「しかしさっきの…喧嘩」
「『一方的な戦い』は、貴方の担当となってしまいましたな」

「貴方、戦いは慣れて?鋭い判断が多かったが」

925藤堂虎鈴『オリンポス』:2015/12/13(日) 01:14:24
>>924
す、すまん。
…し…………仕方なかろォがァ、記録スレにも載っとらんし、明確な描写もなかったけぇ………。

「……いや」

頭を振る。

「あれはうちがどうこう言うよりお前のほうじゃろ。
ライフル銃手に殴り合いしてきたようなもンじゃけぇ…お前がお前を、一番生かせないやりかたで仕掛けてきただけじゃ。

普通に遠くから狙い撃ちにされとったら手も足も出んかった。ま、それにしてもろくに防御できンゆうのは問題じゃろォがの…」

熱いお茶のお代わりを店員に貰うと、ふーふーと吹いた。

「…逆に言えば、時間稼ぎと防御が得意のやつとお前が組んだら、手ぇつけられんことになるんと思うがの」

926目黒真実『ディバイン・ゼロ』:2015/12/13(日) 02:30:12
>>925
「ですねェ」
「貴方から距離がなかった時点で、だいぶ不利でしたな」

「喧嘩じゃなければ、真っ先に貴方の目を潰しに行ってたでしょうが (強がり)」

       ゴクゴクゴクゴク  プエー

       トポポポポポ

「でも貴方、血の気が多すぎるんじゃ」
「こっちがただ『悪いスタンド使いなら殺す』って言っただけで、」
「喜々として椅子なんか投げてェ」
「当方に明確な攻撃意思はなかったんですよ…」

「まあ逆に……それこそ貴方みたいなスタンド使いと組めれば私も楽でしょうかね」
     

    
       ゴクゴクゴクゴク


   水で腹膨らませながら話をしよう。

927藤堂虎鈴『オリンポス』:2015/12/13(日) 09:23:24
>>926
「あほかァお前〜〜〜!最初に散々煽って………」

そこまで言いかけて慄然とする。
もしや…天然か?煽ってるつもりは全然なくてあの言動だったのか?

「…お前今までよォ生きとったのォ………。
うちの地元じゃったらとォにセメント靴はいて牡蠣の養殖場にドボンじゃ」

どうやら血の気が多いのは地元の気風らしい。

「喧嘩ァゆうのはのォ、お前に無くても相手が『ある』ゆう風に感じたら起きてまうもンじゃ、今度から気ぃつけぇよ。
それにお前なら組まンでもまァまず勝てるじゃろ。
そうじゃの………最初にまず足を潰せ。ほォしたらまァ大概のやつは逃げるお前を追えンわ。それでほぼ8割確定じゃ」

928目黒真実『ディバイン・ゼロ』:2015/12/13(日) 14:02:53
>>927
げええ、と顔をしかめる

「地元はヒロシマか何かですか…」


「まず潰す」「アシを」「参考になります」
「蹴るかモノ投げるか、しときゃいいでしょうか」



ゴクゴクゴクゴク

 トポポポポポポポ

ゴクゴクゴクゴクゴクゴクゴクゴク


「…腹が冷えて来た」
氷水を何杯もガブガブ飲んでたのだからそりゃそうなる

「牛丼、残ってます?」

覗き込む。残り汁でもあれば頂こうという魂胆。

929藤堂虎鈴『オリンポス』:2015/12/13(日) 21:06:48
>>928
「当たりィ。
正確には岡山と広島の県境じゃがのォ。おかげで喋りがチャンポンじゃァ」

ギザっ歯を剥いて笑う。

「そがァなことせんでも、お前のあの『戦闘機』で十分足殺せるじゃろが。
特に足は防御しにくい、基本跳ぶか下がるか……避けるしかないけェの。じゃがお前のなら、避けるより速く『透り抜けれる』じゃろ」

水をガブ飲みする目黒を、微妙に嫌そうな顔で見る。
覗き込むが…残念ながら丼の中はきれいに空っぽだ。

バチン

……目黒の前のカウンターに、500円玉を将棋の駒のように叩きつける。

「………うちの負けじゃァ、それで何か食え」

930目黒真実『ディバイン・ゼロ』:2015/12/14(月) 00:47:38
>>929
「いやいやいやいやいや」
「それはそれはそれはそれはそれはそれは」

500円を財布にしまいこみ、千円札をツッ返す。


「当方にくださるくらいなら、自身でもう一杯くらい食っててくださいよ」
「年下に金なぞ出させませんよ」
「大丈夫、小生、雑穀と水…あと醤油で生きていける体質です」


そう言いながら席から立ち上がる。

「会計はそちらでお願いします」

931藤堂虎鈴『オリンポス』:2015/12/14(月) 01:39:50
>>930
「あほォ。隣でそんな辛気臭いことされて、飯をうまく消化できるほどうちは図太くないンじゃ」

頬杖を突きながら、『オリンポス』に突き出された札を突き返させる。人に抵抗できるパワーではない。

「おン前のォ〜〜〜〜〜〜〜。
さっきもゆうたが、お前に『そのつもり』が無くても相手は『そう思う』し『そう感じる』ことはよォけあるンじゃ。
本当に『その気が無い』ンなら、もォ少し気ィつけえ」

「……まァ喧嘩に関しては、確かにうちは他より沸点低いがの」

尚チケット式のためすでに会計は済んでいるようだ。

932稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』:2015/12/18(金) 02:42:50

「…………」

     トコ

           トコ

恋姫はクリスマスシーズンの町を歩く。

        その近く(隣?)には>>933がいる。
         偶然か? それとも理由あってか?
     
            ただ通りすがっただけか?
              約束して、会っているのか?
 
                 ・・・・ともかく、二人は同じ道を歩いていた。

933溝呂木『レッドバッジ・オブ・カラッジ』:2015/12/18(金) 03:19:06
>>932

隣を歩く。
ダウンジャケットを羽織った、細身の男。

「………………」

…………うん、沈黙が痛いね!

いやね。別に仲たがいしてるとか、なんか気まずいことがあったわけじゃないんだよ。
ただちょっと街を歩いてたら顔見知りの子がいて、まぁ軽く挨拶して別れるかな、と思ったら行く方向が一緒でさぁ。
で、こうなるとなんかいきなり離れて歩くのも変じゃない?
かといって仲良く談笑しながら歩くほど仲良しこよしかっていうと、そういうわけでもないんだよね。
だって僕ら、会ったの一回こっきりだし。

「(……でもまぁ、沈黙保つのもちょっとアレだよねぇ。面白くないし)」
「……しかし、流石に冷えるねぇ。例年よりは暖かいって聞くけどさ」
「ぼちぼち雪も降るかなって感じだけど」

そういうわけで、無難な話題を出してみるよ。

934稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』:2015/12/18(金) 03:58:33
>>933

    トコ 
 
        トコ

横にいるのは見知った顔。
とはいえ本当に……『見知った』くらいだ。


「……まあ、寒いな……
 『ホットドリンク』は、いらないくらいだけど……」

         「……」

    チラ

空を見る。なるほど寒い。
もっともたった今は、太陽の機嫌が良いらしかったが……

(……)
 
        クル   クル

マフラーの先を指でもてあそびつつ……

     「……あー」

             「……どこ行くの……お前?」

   トコ

       トコ

無難な話題を返す。
不毛な会話だが、まあ足は進んでいる。

          無駄では無かろう……たぶん。

935溝呂木『レッドバッジ・オブ・カラッジ』:2015/12/18(金) 04:10:03
>>934

「(無難な話題に無難な話題が返ってきたね。永久循環システムかな?)」

まぁ、黙ってるよりはよほどマシだ。
時間つぶしだと思えば、まぁ、うん。
猫背でサクサク歩きながら、会話に興じよう。

「んー、僕はほら、ちょっと魔王を倒すために隣町の魔王城まで」
「……ってことはまったくなくて、まぁお買い物だね」
「食料とか、あとお酒とか。近々友達と忘年会と称した宅飲みする予定だからさ」

年末付近は、大体いっつもそんな感じだ。
独身の友達で集まってお酒飲んだりする。この歳になると、流石に既婚者も増えてくるんだけどさ。

「で、お嬢ちゃんの方は?」

そんでもって無難な話題をそのままパス。
というか、そういえばお互いの名前すら知らないんだよね、僕たち。

936稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』:2015/12/18(金) 04:24:33
>>935

「えひ……ゲーム脳乙……」

       「……」

         「つーかリア充かよ……」

    トコ

       トコ

年末の予定などない。
首都まで行って、祭典に参加するか、しないか――

    ワイ     ワイ

今しもこれこそ『リア充』であろう、という集団が、横を通った。
恋姫はそれから少し目を逸らす。

         「僕は……」

「…………本、買いに行くんだ。
 今度新刊が出るから……今のうちに、過去作をな……」

そういうと、また沈黙になってしまって――

         トコ
  トコ

今この町で一番、このSEを聞いているかもしれない――

     「あ……ゲームっぽく言うなら……
       ……あれだ。アイテムコンプ狙い。」

  「……えひ、ちょっと違うか。
    本だから……魔導書……えひ、思いつかない。」

      ニヤ 

笑みを作り、そう付け加えた。
ゲームが、なんの接点も無い二人を唯一繋ぐ。

937溝呂木『レッドバッジ・オブ・カラッジ』:2015/12/18(金) 04:41:10
>>936

「あっはっは、オジサンぐらいの歳にもなると、疎遠になる奴も多いけどねぇ」
「その分今まで付き合いが続いてる友達ともなると、今更分かちがたいもんさ」

別に友達が多い方じゃないけどさ。
ま、少ないなりに仲のいい奴ってのはいるもんだよね。
残念ながら、恋人とかはいないけどさ。……うん、今の子たちみたいにはいかないさ。

「本かー」

まぁ、マンガかラノベだろうけど(もちろんそのことになんか含むものがあるわけじゃあないとも)。

……うん、会話が続かないね!
そんなに会話が下手ってわけでもないはずなんだけどね、僕!

「あー、あれじゃない? 新ジョブ出るから前提ジョブ修めとくか、みたいな感じでしょ?」
「それもちょっと違うかな。例えようとすると難しいなぁ、これ」

僕らの縁はゲームで繋がった縁だ。
話題を持っていくなら、それが適当だよね。あるいは――――

「というか、今の子ってどんな本読むんだい?」
「売れ筋はなんとなくわかるっちゃわかるんだけど、世代ごとってなるとまた違うからねぇ」

……話題を膨らませるか、だ。

938稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』:2015/12/18(金) 05:09:28
>>937

「…………あっそ。」

      トコ
           トコ

歩く恋姫。

「あー、前提ジョブか……
 近いかもな……状況的に考えて。」

      「新作買う時に、前作もプレイしとく……
          ……ってのは直球すぎか? えひ。」

    トコ
         トコ

ゲームは恋姫の最大の趣味だ。
だから、ゲームの話が出来るなら、それは楽しいことだ。

          ・・・・そして。

「本……まあ……漫画とかだな……
 一応ラノベとか……あと、小説も読むけどぉ……」

     チラ

           「あー……『白紙』
             ……ってやつなんだけど……」


『白紙』は――ドラマ化が決定した、いわゆる話題作ってやつだ。
溝呂木が知っているかは知らないが……学生が主軸となる、短編集。

「……おじさんはどんなの読むの……?
 えひ……アレか……? ここでは言えないような奴……?」

         「……それか、もう、純文学みたいな……?
          ここにも埋められない差がある予感……えひ。」


                   ・・・・悪態をつきつつ、聞き返す。

939溝呂木『レッドバッジ・オブ・カラッジ』:2015/12/18(金) 23:19:12
>>938

「いやぁ、その例えはまんますぎないかなぁ」

へらへら笑いながら歩く。
世代は違えど共通の話題。ある意味一番無難な話題の一つだよね。
ま、その観点で言うと……

「あー、『白紙』ねー。やっぱ若い子にも人気あるんだねぇアレ」
「今度ドラマ化するんだっけね。おかげというかなんというか、在庫全然足りないんだよねぇ」

あ、ちなみに僕はその本あんまり好きじゃなかったりするんだ。
出来はいいと思うよ? 僕はまぁ、リアルな話よりもパンチの効いた話が好きって話。

「僕かい?」
「僕はそれこそなんでも読むよー。純文学も、ミステリも、ラノベもマンガも学術書もね。それも仕事だし」
「一番好きなのは『戦記モノ』とか『叙事詩』だけど。大学時代それで単位稼いでたからさ」

それで、『その観点』の話だけど……

「オジサン、これで一応K市で司書やってるからね」
「蔵書の内容抑えとくのも仕事の内なんだ。形は違えどこれも『溝』かな?」

そういう観点で言うと、僕は本職なんだよね、『本』の話は。
好き嫌いはともかくとしても、話題作は一通り目を通してるし。

940稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』:2015/12/18(金) 23:39:52
>>939

「……えひ、やっぱり?」

      トコ

いささか雑な例えだった。

「ドラマは知らんし……
 僕も、布教されて買ってみただけ……」

                      「……仕事?」

好きな本――という話題より、そこが気になった。
ゲーセンにいる連中にも、仕事はある。

「好きなことして生きていく……みたいな――――

           あ、司書か……
            えひ、なんか、賢いジョブってイメージ……」

分かっちゃいるが、やや驚く恋姫。
司書。決して近い職業じゃあないのだ。

     「司書ってまじで……
      図書館ではお静かに、とかいうの?」

フィクションの図書委員のようなセリフだ。

             「溝……あるな……えひ。」

                       ・・・・ダウナーな笑み。

941溝呂木『レッドバッジ・オブ・カラッジ』:2015/12/18(金) 23:54:58
>>940

「ひどいなぁ、おじさん結構インテリ系だよ?」

一般的な職業じゃないし、驚くのはわかるけどね。
誰しも見たことはあるし知ってはいるけど、実際の就職先としては考えづらい職業だ。

「といっても、実際不良職員だけどねぇ」
「大学で司書課程取っててさ。たまたまK市の図書館に空きがあったから応募して、そしたら受かっちゃったってだけの話」
「司書って、資格取るのは簡単なんだよ。ただ、滅多なことじゃ席が空かないだけでね」
「楽な仕事だからねー。人員が要る仕事でもないし、退職する人が滅多にいないんだ」
「だからまぁ、インテリってよりはラッキーガイだよ、僕は」

おかげで毎日ゆるーく暮らさせて頂いてますけどね。
大した仕事があるわけでもなし、退屈だけがネックな仕事さ。

「ははは、マジマジ。本の返却はお早目に、とか言うさ」

「お嬢ちゃんは、『スーパースター』になるんだっけ?」
「僕、テレビはそんなに見ないからねぇ。溝だよ、溝。ははは」

そう言って、僕はにへらっと笑うのさ。

942稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』:2015/12/19(土) 23:31:09
>>941

「……まあ……そういうならそうなのかもな……
 ……体育会系とか……DQN系には見えないしな。」

         「……悪のテンプレ司書だ。えひひ。」

言われてみれば知性を感じる。
属性わけしたら、インテリ側に入りそうだ。

             ・・・・まっとうかどうかは知らない。

「……まあ、運がいいのは……僕は……ズルいとは思わないけど。」

「僕も……スカウトされたのは……
 運もあるし。えひ。実力も……あるけどな。」

実力。生まれ持った顔。体。瞳。
スカウトされて、祖母に薦められて――

      「……自分語りは……
        チラシの裏でするものかもだが……」

            「一応……僕、アイドル……
             えひ……もう、ジョブチェンジ済みだ。」

                      ・・・・えひ、と陰気に笑む恋姫。

943溝呂木『レッドバッジ・オブ・カラッジ』:2015/12/20(日) 00:02:05
>>942

「あっはっは、悪の司書ってまた斬新なジャンルだなぁ」

魔導書とか地下にため込んでるんだろうか。
それで地下室でいたいけな子供を生贄に悪魔を呼んだりするんだ。わぁ邪悪。

「ん、スカウトって―――――」

「……………わお。ほんとに?」

……今度はこっちが驚く番だね。
司書だってレアな職業だけど……流石にアイドルほどじゃない。
文字通り、『立ってるステージが違う』って奴だね、こりゃ。

「そりゃ驚いたなぁ……」
「ははは、溝だ溝。まさかのお姫さまかい」

まぁ、すぐにまた覇気のないへらへらした表情に戻るんだけどさ。
これでもびっくりしてるけど。いやメチャクチャにビックリしてるけど。
でもまぁ、逆説それだけの話ではあるんだよね。だってほら、僕この子のアイドルとしての姿知らないし。
そっちを知ってたらまたなんか反応も変わったかもしれないけど、『珍しい職業についてる子』ぐらいのもんなんだよね、現状。

「あ、でもそうするとアレか」
「こうして並んで歩いてると危ないのかな?」

だから特に深刻なふうでもなく、冗談っぽく笑いながら、僕はそんなことを言うわけだ。

「まーそうでなくても絵面は犯罪的なんだけどサ」

944稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』:2015/12/20(日) 00:20:24
>>943

「えひ――だろ? 溝だ。溝……」

恋姫は少しだけ、目を細めて。

「僕はみんなの、お姫さま。」

           フ

       「……みんなが僕の、王子様。」

小さな笑みを浮かべ、囁いた。

   ト   ト
 
     「えひひ。」

少しだけ、溝呂木から距離を置く足。
ダウナーに笑って、溝呂木を見上げて。

「……スキャンダルになっちゃうかもだぜ。
 ……悪徳司書、アイドルを篭絡……いや逆か……」
 
「司書とお姫さまのラブロマンスは……新ジャンルかな……えひ、ないわー……」

           ニマー

       あまり深刻でもなさそうに、笑った。
       恋姫のスキャンダルなど、地元ローカルの舞台でしかない。

945溝呂木『レッドバッジ・オブ・カラッジ』:2015/12/20(日) 00:49:18
>>944

「おー、洒落たこと言うねぇ」

みんなのお姫さまで、みんなが王子様、か。
なるほど、そりゃあいい。そういう世界に足を踏み入れるのは、さぞ楽しいことだろう。
ちょっとだけ、アイドルって世界に興味が湧いてきた。

「どっちかと言うと、『幼いアイドルと共に歩く謎の男。アイドル業界の闇に迫る!』かな」
「僕もほら、一応公務員の端くれだから、宮廷司書とお姫さまのロマンスだと思えば結構アリだと思うけど」

私立図書館勤めだから、一応地方公務員の端くれではあるんだよね。
宮廷司書って言うにはあれだけど、まぁ文官とかだと思えば字面としてはアリなんじゃないかな。
なんつって、もちろん本気で言ってるわけじゃないけどさ。

「まぁ、ともあれ、どの道この辺でお別れかな」

僕は足を止めて、ちょっとだけ距離を取ったお嬢ちゃんに向き直る。
うん、ここで僕は道を左に曲がるんだよ。だから本屋に行くお嬢ちゃんとはここでお別れなのさ。
相変わらずにへらっと笑いながら、うやうやしく胸に手を当てて一礼するよ。

「それでは、姫」
「此度は姫の道行きに同道できたこと、誠に光栄に思います」
「またいずれお目通り願えれば幸い。その時を心待ちにしております……」

「……なんて、ね」

946稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』:2015/12/20(日) 01:13:50
>>945

        ニ

陰気な笑みで、返す。
みんなのお姫さま。白馬の王子さまは、未だどこにも。

            ・・・・舞踏会はいつまで続く?

「……明日の一面に、なっちゃうかもな。」

冗談っぽくそういって、立ち止まった溝呂木に向き直り。
お姫さまらしく、笑みを作って。

「……えひ。宮廷司書ってより、きざな騎士だ。
 ……此度の護衛、大義であった。褒めて遣わす――って感じ?」

     フリ

   手を小さく振る。
   すぐ、元の顔に戻った。

            「……んじゃ。またな。」

      トコ

          トコ

                   ――エンディングは、未だ。

947溝呂木『レッドバッジ・オブ・カラッジ』:2015/12/20(日) 01:37:39
>>946

「ははは、ばいばーい」

ひらひら手を振って、道を曲がる。
ちなみに私立図書館と言ったがあれは嘘だ。というか誤字だ。
市立が正しいね。じゃなきゃ公務員じゃないし。

「…………アイドル、ねぇ」

僕からすれば、非日常。
彼女からしてみれば、きっと日常。
羨ましいような、そうでもないような。
名前も知らないお姫さま。みんなのかわいいお姫さま。

「……ま、なんでもいいか」

それでもやっぱり、僕にとっては『ゲームが好きなお嬢ちゃん』だし。
僕もまぁ、『図書館の不良職員』ってポジションに不満があるわけで無し。
お互いの間に『溝』があっても、対岸からボール投げてキャッチボールはできるしさ。
そんなことを考えながら、僕は商店街を歩くのでした、なんてね。

948鶫『ザ・ナンバー・オブ・ザ・ビースト』:2015/12/22(火) 23:44:30
代々薙精肉店。
店の隣にクリスマスツリーが置かれている。

そして…
店の前にはサンタコスをした女性がメガホンを持って宣伝している。

「えー、本日クリスマスキャンペーンを実施していまーす。
 チキンまるごとを格安の値段でお買い上げ頂けますよー。」
ちょっとやる気のなさそうな声である。

「えー、あと…
 本格派じゃなくていい人は手羽先の照り焼きのセットも付いてますよー。
 えー、皆さんお買い上げくださいー。」
と、声がメインストリートの商店街に響く。

949人吉 佐和子『クラウド・ボーイ』:2015/12/23(水) 18:50:03
>>948
「あら……………………『安売り』?」

通りがかりの女が、『鶫』の声に足を止めた。
栗色のふわふわしたロングヘアーが特徴的で、
クリーム色のコートに身を包んでいる。

寒がりなのか、毛糸のマフラーと手袋、ニット帽で『完全武装』したその姿は、
どこか『雪だるま』を思わせる。

「チキン……そうね、鶏肉も良いわねえ……
ごめんなさい、これ、おいくらかしら?」

『チキンまるごと』一羽を指し示し、店先の『鶫』に尋ねる。

950鶫『ザ・ナンバー・オブ・ザ・ビースト』:2015/12/23(水) 20:52:41
>>949
「あ、いらっしゃーい。
 今日はとことん寒いですがぁ〜
 頑張ってうちも商売しますよ〜
 この時期はかなりお客さんが来るのでねー。」
と、軽く頭を下げながら人吉佐和子に目線を向けた。
サンタの衣装はミニスカ仕様のものであるため、どこか寒そうだ。

「えーっと…チキンマルごとでお買い上げいたします場合はー
 大きい奴は1200円、こっちの少し小さい方は1000円位になりますよー。」
指差した大きい鳥は中々まるまる太った奴のようだ。
サイズ的に見れば中々の安売りのようである。

「あ、ちなみに手羽は出来立てのやつが大体400円位のパックになってますー。」

951人吉 佐和子『クラウド・ボーイ』:2015/12/23(水) 22:02:32
>>950
「わあ…………この季節にそれは寒そうねえ」

鶫の足元に目をやり、思わず呟く。

「わたしも高校時代はそんな格好してたかしら…………
さすがにタイツは履いてたわね………………うう」

ブルルッ

「思い出したら寒くなってきちゃった」

「ええと……『一羽まるごと』で1000から1200円で……
大きい方は、ちょっと食べ切れなさそうねえ。
立派過ぎるわぁ……一緒に食べる人もいないし」

割と真剣に悩み始めた。

「手羽先なら400円…………あっ、これ、味付けはどうなってるのかしら。
照り焼きなら、甘さが強めだと良いんだけれど」

952鶫『ザ・ナンバー・オブ・ザ・ビースト』:2015/12/23(水) 22:19:48
>>951
「まぁ、ウチもできれば家の中のこたつでゴロゴロしてぇところだけど…
 あ、したいところですがねぇー…
 シーズン的にこういうのは集客になるんですよー」
サンタコスは確かに好評なようだ。
…写真に収めようとする奴も居るっぽいが

「まぁ、とりあえずこれをすぐに終わらせればなんとかなるはずなので…
 お客さんもっと来てほしいなぁー。」
と周囲を見る。
どうやら周囲に居るのはお母さんらしきひとが多いようだ。

「まぁ、こういう丸鶏はご家族向けって感じですので…
 あ、手羽先の方をお求めですかぁー?」
そう言って手羽先のパックを手に取る

「あー、特にこの時期には甘辛いあじつけがこのまれてるから
 甘辛ダレを絡めた奴になってますよー。
 まぁ、塩もあるけど…買いますぅ?」

953人吉 佐和子『クラウド・ボーイ』:2015/12/23(水) 22:39:27
>>952
「『かきいれどき』だものねえ…………お店も大変ねえ」

意味が分かっているのか微妙なセリフを吐いた。

「でも『サンタさん』の格好、似合ってるわぁ……わたしが着たら、そうねえ」
「――サンタさんじゃなくて、『だるまさん』になっちゃう。うふふ」

冬に備え、若干『蓄え』を増した自分の身体を見て、言った。

「家族で焼き鳥……じゃない、ローストチキン、素敵ねえ。
わたしもいつか――今のところ、アテは無いけど」
「うん、そうね、『手羽先』にしようかしら。甘辛タレ……………」

ジュルリ

「あ、塩も一パック頂戴ねえ」

954鶫『ザ・ナンバー・オブ・ザ・ビースト』:2015/12/23(水) 22:45:45
>>953
「まぁねー、
 忙しいのも大変なわけだし…
 人ではだいたい自分だし
 働かないと小遣い手に入らないし」
ちょっと小声でぐちぐちと言っている。

「この格好だと寒さもある程度我慢しなきゃいけないしねー。
 そのカッコだとどっちかというとひげの生えたサンタさんのほうが似合いそうだ。」
と、ジロジロと彼女の姿をよく見回す。

「まぁこっちとしてはローストチキンでも何でも、
 買っていただけると嬉しいですがねー」
と言いつつも手羽先のパックを2つ持った。

「まいどあり〜、
 えーっと塩と甘辛ダレ一パックずつでお買い上げですねー。」

955人吉 佐和子『クラウド・ボーイ』:2015/12/23(水) 23:17:39
>>954
「うんうん」
「分かるわあ……まあ、わたしはこの時期は
そんなに忙しくは無いけどねぇ」

愚痴に対して、何故か頷いている。

「うふふふ…………『おひげ』は『おひげ』でも、
わたしがつけるのは『泡のヒゲ』だけよ、なんちゃって」

そう言うと、『ジョッキ』を飲み干すジェスチャーを示した。
……今夜は(そしてきっと明日も)『独り酒』なのだろう。

「はぁ〜い……えっと、800円よねえ」

そう言うとゆっくりサイフを取り出し……
100円玉ばかり8枚、もたもたと出して差し出す。
相当に『マイペース』なしぐさだ。

956鶫『ザ・ナンバー・オブ・ザ・ビースト』:2015/12/23(水) 23:24:07
>>955
「繁忙期ってやつかなぁ?
 こういう時期に暇なのは羨ましいもんだよ」
と、ウンウン頷きながら返す


「へぇー、つまり…
 アナタもこっちがイケル口ってわけ?
 フフフ、やっぱりクリスマスはそういう日じゃあないとねー。」
と言いつつ鶫も同じジェスチャーで応える。
彼女もまたお酒がいける口らしい。

「はぁーい、どうもどうも。
 まいどあり〜。」
そう言ってゆっくりと100円玉を八枚手に取る。
こっちはこっちで少し呪い動作で紙袋に
パック詰めの手羽先を詰め込んだ。

「ちょーどいただきました〜。」
そう言って営業スマイルで差し出した。

957人吉 佐和子『クラウド・ボーイ』:2015/12/23(水) 23:41:10
>>956
「そうかしらぁ……まあ、そうねぇ。
でも春先は大忙しよぉ……だから『お花見』とは無縁ねぇ」

「あらぁ、あなたも?
うふふ、今度一緒にどうかしら、なんて」
「……わたしはすぐ潰れちゃうけどねぇ」

冗談めかして言って、朗らかに笑う。

「ありがとぉ…………ほんと、美味しそうな香りよねぇ」

紙袋を受け取り、はみ出した『照り焼き』の香りに目を細める。
そそくさと手に提げ、ルンルン気分で歩き出す……

パサッ

何か、コートのポケットから落ちた。『手帳』のようだ。
人吉は、気付いていない。

958鶫『ザ・ナンバー・オブ・ザ・ビースト』:2015/12/23(水) 23:46:27
>>957
「春にお仕事かぁ〜。
 いろんな仕事があるけど、
 お花見でお酒が飲めないのはちょっと寂しいかもねー」
と、のんきに返事を返す。

「あー、ウチは割と飲める方だから
 結構やれるんだけどねー。
 …まぁそのせいで迷惑かけてないか心配だけどねー、他の人に。」
と、軽く微笑みながら返す。

「どうもどうもー、今後ともご贔屓に…ん?」
そのまま彼女を見送ろうとした矢先…
 何か手帳が落ちたように見えた

「あ、ちょっと待って、
 何か落としてるよー。」
と、手帳を手にとって軽く振りながら呼びかけてみる。

959人吉 佐和子『クラウド・ボーイ』:2015/12/24(木) 00:05:27
>>958
手帳には、手書きの崩れた文字で『Dream Diary』と書かれていた。
ファンシーな『羊』の落書きが、表紙に添えられている。

「あらっ」

背後からの声に、のんびりと振り返り、

「あら、あら」

そして鶫が手にした手帳を見て、慌てて歩み寄る。

「ごめんなさい、落としちゃったのねぇ。
うっかりしてたわぁ」
「拾ってくれて、ありがとう」

960鶫『ザ・ナンバー・オブ・ザ・ビースト』:2015/12/24(木) 00:14:12
>>959
(…何の手帳だろう?
 メルヘンだなぁ)
と、表紙を見て少し首を傾げる。

「あ、どうもどうも。
 落し物には気をつけたほうがいいと思うよぉ〜。」
と言って手渡そうとする。

「…一体何が書いてあるのかな…」
思わず声に出た。

961人吉 佐和子『クラウド・ボーイ』:2015/12/24(木) 00:28:38
>>960
「は、はい〜。どうもすみませぇん」

妙に慌てた風で、手帳を受け取る。

>「…一体何が書いてあるのかな…」
「あらっ、ええと、その」
「うう、言えないわぁ、『21』にもなっていまだに
『夢日記』付け続けてるなんて……!」

などと口に出してから、うっかり言っちゃったことに気付いた。

「あっ、やっ、何でもないのぉ」

慌てながら、ばたばたと歩み去っていく。……動きはせわしなくても、歩くのは遅いが。
……その肩口から、『羊』のスタンドが『鶫』を見ていた。

962鶫『ザ・ナンバー・オブ・ザ・ビースト』:2015/12/24(木) 00:33:27
>>961
「夢日記…?
 悪く無いと思うけどなぁ、
 ウチは今朝の夢とか直ぐ様忘れちゃうけど」
と、頭を掻きながら応える。


「いや、別に問題ないよー。
 それじゃ改めてうちの肉屋をご贔屓に‥ん?」
手を振って見送った辺りで…

「スタンド…
 はぁ、ほんと多いんだなぁこの辺りは。」
と、スタンドに目線を向けてちょっと感慨深そうに答えた。

963人吉 佐和子『クラウド・ボーイ』:2015/12/24(木) 00:45:19
>>962
『メヘェェェ』

目が合う。『羊』が鳴いた。
それに気付いたか、人吉が振り返る。

「そ、そうかしらぁ〜、悪くない……
そうね、おかしくないわよね、うんっ」

少し気恥ずかしそうに答え……
すぐにその表情が笑みに変わる。
『悪くない』という言葉が、よほど嬉しかったようだ。

「あのぉ、えっと……
また来るわ、お肉屋さん、またねぇ」

そう言って、はにかみながらひらひらと手を振り、
アーケードの中を歩いていった。

964ようこそ、名無しの世界へ…:2015/12/25(金) 00:19:13
ドヒュゥ
               ダンッ

荷物を背負った赤いコートの影が、屋根や壁の上を駆け抜けていく。

965立花『リンネ・ラジオ』『XTC』:2015/12/25(金) 00:50:33
>>964
「……サンタ?」


買い物帰りだろうか、
ウサギとクマの絵が描かれたマイバック持った女の子が、
ふと、上を見上げ、小さく呟いた。


「サンタなんていない、と気づいたのは、さて、何歳頃だったか……」


と言いつつも、影の去っていったほうへ足を向ける。

966ようこそ、名無しの世界へ…:2015/12/25(金) 01:12:01
>>965
       キョロキョロ
ダンッ

                ズサー

時折足を止めて、周囲を見回しているようだ。
そして赤いコートの影は一軒の住宅の前に下り、チャイムを鳴らすと、その家の母親と思しき女性に背負っていた荷物の一つを手渡した。

ペコリ

頭を下げると、再び駆け出していく…速い。そしてジャンプ力も凄い。
時々足を止めて道を確認しているのと、住宅街の中を行ったり来たりしていなければ簡単に引き離されてしまいそうなほどだ。

              シャランラ…

再び足を止めて、周囲を見回す…赤いコート、太い金髪の三つ編み、何より目を引くのが、ピカピカに光る『ブーツ』だ。

967立花『リンネ・ラジオ』『XTC』:2015/12/25(金) 01:26:05
>>966
「……あれは!? 見間違いではなかったか」


この女の子――少なくとも外見は小学生の少女――は、
妖怪や木の精霊などというものがいることを知っている。
で、あるのならば、サンタもいるのではないか?


「いやいや、サンタが赤いのは某企業の宣伝戦略によるものに過ぎない。
 フィンランドだったかには公認サンタも存在するが、
 世界中の子供達にプレゼントを配るなどといった超常的な存在ではない。
 あの赤いコートの人物も、トナカイもいなければソリもない。直接親にプレゼントを渡しているしな……
 確かに都会は入り組んでいるからソリじゃやりにくいだろうし、家に煙突のある家なんて数少ないが……」


そう思いつつも、なおもブツブツと否定しつつ、
赤コートの人物の方へ寄っていく。
その目的は、あれはサンタではない、という確信を得るためだ。

968ようこそ、名無しの世界へ…:2015/12/25(金) 01:55:39
>>967
いくつかの家を回り、背中の荷物がかなり減った頃…。
『赤コート』は住宅街の公園に。

カシュッ

「フー………」

ベンチに座ると、自販機で購入したホットココアで一息つき始めた。
赤いもこもこのコートの下は白いニットのセーター、ショートパンツに焦げ茶のストッキングを履いている。

…こうして見ると、(いわゆる一般的共通認識上の)サンタとは違う感じだ。

969立花『リンネ・ラジオ』『XTC』:2015/12/25(金) 02:08:17
>>968
「結構経ってしまったな……なにやってんだ俺は……」


女の子は、子供用携帯で時間を確認し溜息を吐いた。
しかしここまで来てしまった以上、引き返すのも癪である。
というのは損切り出来ない人間の思考か。


「ふう……やっと地上に降りてきたか。
 あの格好……女か? それにそんなにサンタって感じでもないような……」


本人は別にサンタのつもりなどなかったのではないか?
少女が勝手にサンタ……の真似だと思って追いかけていただけなのかもしれない。
だとすると少女の独り相撲なのだろうか。いや、一方的に追いかけているのでその通りかも。


「おっと、隠れなければ……あっ」


よくよく考えれば別に隠れる必要も無い気がするが、追い掛け回していたことが後ろめたいのだろうか。
しかし買い物の荷物を持ったまま、空中を飛び回るサンタ(?)を追い掛け回したため、疲労していたようだ。
少女は特に何もない地面だというのに転んでしまう。


「ううっ……」

970ようこそ、名無しの世界へ…:2015/12/25(金) 02:48:34
>>969
「ダイジョブ、デスカ?」

転んだ立花に、ベンチから立ち上がり、駆け寄った『赤コート』が声をかける。
ややイントネーションは怪しいが、日本語だった。

「立てマスか?」

手を差し出した。赤いセルフレームの眼鏡にそばかす、やぼったい三つ編みのせいもあるが、地味な顔立ち。
ただ………ニットセーターを内側から突き上げる膨らみだけが、むやみやたらとセクシーだ。

971立花『リンネ・ラジオ』『XTC』:2015/12/25(金) 02:58:43
>>970
「……」


転んだ少女は地面に伏せたまま電池の切れた玩具みたいに沈黙した。
動かないことで痛みを堪える策である。
しかしその隙に赤コートの女性が接近していたことに少女は気づかない。


「!」


声をかけられた少女は、後ろからいきなり撫でられた猫みたいに素早く顔をあげた。
ぱっちりとした目が、さらにまんまるに見開かれている。驚いているようだ。


「ああ。あ、ありがとうサンタさん……あ、いや……違くて、その」


少女は迷いつつも差し出された手をとるが、
心の中でサンタサンタ言っていたせいで、ついサンタと呼んでしまう。
慌てて否定しようとするが、言葉が出てこなかった。

972ニコラ・エバーホワイト『プリティ・メイズ』:2015/12/25(金) 03:29:50
>>971
「フフ。そう呼ばれるの、なんだか嬉しいデスネ。
ワタシの故郷、フィンランドの隣デスし」

助け起こすと、服の汚れを払ってあげる。

「荷物、ダイジョブデスカ?ケーキとか、入っていなければイイのデスが………」

ちらりとマイバッグに視線を移した。

973立花『リンネ・ラジオ』『XTC』:2015/12/25(金) 03:40:32
>>972
「う……すいません」


素直に助け起こされると、
恥ずかしさからか顔を赤くした少女は、一言だけ小さく謝った。
学校で先生をお母さんと呼んでしまったような……という気持ちが近いだろうか?
……ちょっと違うかもしれない。


「あっ、そうだ」


その言葉に、ハッとバッグに目を向ける。
慌ててしゃがみ、中を覗いて数秒硬直した。


「だ、大丈夫……」


少し声が震えているが、大丈夫の範疇らしい。

974ニコラ・エバーホワイト『プリティ・メイズ』:2015/12/26(土) 00:54:11
>>973
「オゥ……………」

思わず同情的な声が出た。
少し考えてから、ぽんと手を叩いた。

「チョト崩れたくらいなら、生クリームを買って、ナイフで一度崩れたクリームの部分を削いで、盛りなおす、いいデスよ。
家の人に手伝ってもらうと、一緒に作ってるみたいで、楽しいデス」

975立花『リンネ・ラジオ』『XTC』:2015/12/26(土) 01:13:05
>>974
「なるほど、あ、でもイチゴが……いや、これならまあ
 ……うん、大丈夫です」


少女は振り向き、そう繰り返した。
ニコラの助言に何か考えたようだが、やはり大丈夫だという結論に達したようだ。



「ええと、配達(?)の途中でしたよね。邪魔してしまってすいません」


少女は自分の膝を撫でながらそう言った。
冬ゆえの厚着で、肌が露出していないので擦り剥いてはいないが、ちょっと痛かったらしい。
それはそうと、その言葉は、建物の上を跳びまわる様子を見ていた。という告白も同義なのだが。

976ニコラ・エバーホワイト『プリティ・メイズ』:2015/12/26(土) 02:59:09
>>975
「ダイジョブ、デスヨ。もうほとんど終わって、休憩していたところ、デスから。
それに、ケーキほどデリケートなものじゃないデスし……。

足、怪我ない、デス?あるけるマスか?」

病院まで連れて行った方がいいだろうか…。
心配しつつ、人差し指を立てて口元にやる。

「それでその…ナイショでお願いシマス。ワタシ、臨時の先生してるデスが、今日はそれとは別にアルバイトで…」

977立花『リンネ・ラジオ』『XTC』:2015/12/26(土) 03:13:56
>>976
(あ、見てたことを言ってしまった、が……気にしてないみたいだしいいか。
 『スタンド使い』だよな、多分)

「あ、ちょっと打っただけだから大丈夫ですよ」


少女はパッと膝から手を放すと、足の元気さをアピールするように
軽いキックを2〜3回繰り出した。


「先生なんですか……ええと、英語教師とか?
 公務員はバイト禁止っていうのは聞きますけど、臨時でもそうなんですね。
 別に誰にも言いませんよ」

978ニコラ・エバーホワイト『プリティ・メイズ』:2015/12/26(土) 03:38:48
>>977
「それなら、よかったデス」

子供らしい元気アピールに笑顔になる。
…跳ね回っていたことよりも、むしろ『アルバイト』のほうを気にしているあたり、天然なのかも知れない。

「ありがとうデス。
秋映で……近くの学校で、美術の講師をしてるデス。臨時講師は常勤講師なので………アルバイトがOKなのは、非常勤講師のほう、デスね。

あ……」

ふと、何かに気づいて空を見上げる。ちらり、と、ひとひらの白いものが舞い、立花の肩に落ちて溶ける。

「…降ってきたデスね。早く帰って、ケーキを待ってる人、安心させてあげるいいデス。
遅くなりマシたけど…………メリークリスマス」

コートのポケットに押し込んでいた三角帽子を、むぎゅっと立花の頭に被せた…深く被せすぎて、前が見えないくらいに。

「ホー、ホー!!」

取ろうと四苦八苦して、やっと取れたころには…『赤コート』の影は、もう遠くの屋根の上、だった。

979立花『リンネ・ラジオ』『XTC』:2015/12/26(土) 03:53:34
>>978
「美術の先生でしたか」

(確かに。美術とか音楽とかって臨時ってイメージあるな……
 俺が中学高校の頃は普通に常勤の教師だったが……)

「ん? 雪か……」


落ちてくる雪に合わせて、てのひらを伸ばす。
手の中に落ちてきた雪は、かすかな冷たさと共に、一瞬で水に変わる。


(あの人はまだ帰ってないだろうけど……
 確かにそろそろ帰らなくてはな)

「あ、はい、メリークリスマぷっ!?」


返事を返そうとしたところに、視界をさえぎられる。
ここまで深く被せられるとなると、おそらく大人用の帽子なのだろう。
小学生の頭には大きすぎた。


「やっと取れた……ってもう行ってしまったか。
 この帽子は貰っていいのかな?」


赤い影を見送った少女は、白い息を吐いて帰路についた。

980葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2015/12/27(日) 04:09:40

新学期から高校生、葉鳥 穂風(はとりほふり)15歳。
そんな彼女は今何をしているのかというと。

        キョロ ・・・

              キョロ ・・・


(ゲーム屋さん……どこだろう。
  そもそもこの町にあるのかな……
   ゲームセンターとは、また違うんだよね。)

ゲーム屋を探しているのだ。
はた目にはキョロキョロしながら歩いているだけに見えるが。

            ・・・・片手には、スクールバッグ。

981小鍛治 明『ショットガン・レボルーション』:2015/12/29(火) 01:12:49
>>980

(……なにかしら彼女。)

遠くから葉鳥を眺めるものがいる。

(スクールバッグ……学生?学校で見た覚えは無いけど。)

一応図書委員。
カウンター業務中に見かけた顔から該当者を探す。
次に今までの学校生活。
いない。見た覚えが無い。
いや、全学年の生徒を記憶しているわけではない。
そういうこともあるだろう。

(あんまり挙動不審だと補導とかされかねないわね。)

(私には関係ないことだけど、困っていそうな人を見捨てると)

(どこかの誰かと同じになりそう。)

そう思い、小鍛治は葉鳥に近づく。

「あなた、なにしてるのかしら。」

982葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2015/12/29(火) 01:22:05
>>981

「えっ、あ……」

      「あの、私……ですか?」

    キョトン

(な、なんだろう。
 何か怪しい事、してたかな……)

穂風には声を掛けられる心当たりが無かった。
穂風にとっては、しっかりした目的がある行動だから。

             ・・・・ともかく。

「あ、あの。
 ゲーム屋さんを、探してて。」

「この辺りに会ったような、気がするんです、けど……」

隠す事でもないし、穂風は聞いてみることにした。

983小鍛治 明『ショットガン・レボルーション』:2015/12/29(火) 01:27:11
>>982

「えぇ、あなた以外に私が声をかけている相手はいないわ。」

艶やかな黒髪を揺らす。

「ゲーム屋、そう。」

「……多分、知ってるわ場所を。」

あごに手をあて、しばらく思案した後小鍛治はそう言った。
心当たりがある。ここからそう遠くないところだ。

「案内しましょうか?」

984葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2015/12/29(火) 01:32:01
>>983

「は、はい。そう、ですよね。」

         コク

    (なんだかクールな人、だな……)

頷く穂風。
実際、他にらしい人もいないのだ。

「あっ、ほ、本当ですかっ。
 あの、案内……お願いしても、その、いいですか?」

穂風は喜色を浮かべて、お願いする。

     (・・・・良い人、みたい。よかった。)

         少なくとも時間を割いてくれる程度には。

985小鍛治 明『ショットガン・レボルーション』:2015/12/29(火) 01:37:38
>>984

「嘘ついてどうするのよ。」

「いいわ。案内してあげる。私も散歩のついでだったし。」

そっけなく答える小鍛治。
さっさと歩き出した。着いて来るようにと態度が表している。

「あなた、随分嬉しそうだけど。」

「そんなに行きたかったのかしら。」

ゲーム屋へと至る道で小鍛治はそう質問した。

986葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2015/12/29(火) 01:43:09
>>985

「あ、ありがとうございます!」

     ニコ‐

     「そ、そうですよね。えへ……
      嘘つく理由なんて、ないですね。」

         トトト    

小鍛冶の後ろを、離されないよう着いていく穂風。
スクールバッグは、しっかり握りしめる。

「あ、はい……
 実は困ったことに、なって。」

「ゲームの、ソフトだけ、もらってしまって。
 ハード……が、ないと、遊べない、から・……」

          ト ト ト

後ろを歩きながら、答える穂風。
そもそも望まぬプレゼントだが……まあ、どうせだ。
         
「それで、ゲーム屋さんを、探してて……」

             ・・・・そういうことだ。

987小鍛治 明『ショットガン・レボルーション』:2015/12/29(火) 01:50:45
>>986

「えぇ、そうよ。」

「嘘は信用も信頼も失うの。軽々しく口にするものでは無いわ。」

「うふふ。重々しく口にしても許さないけど。」

マイペースだ。
自分の理論。自分の哲学。
それを垂れ流しながら歩く。
相手が聞いているかなど気にしていないかのように。

「……お友達かなにかからのプレゼントかしら?」

「家族だったらどういうハード持っているか把握しているものですものね。」

疑問だ。
なぜ?持って無いハードを?

「着いたわよ。」

小鍛治が足を止める。
そこはゲーム屋の前だ。
内側からポスターをべたべたと貼っているせいで中の様子は分からない。
看板や店先に汚れている様子は無い。
きちんと客商売として気を遣っているのだろう。

「ところで何を貰ったのかしら?」

ゲーム屋の扉を開けながら小鍛治が問うた。

988葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2015/12/29(火) 01:59:41
>>987

「…………は、はい。」

    (嘘はいけない……
      そう、だよね。悪い事だ。)

     コクリ

小鍛冶の言葉は、重く聞こえた。
穂風の首肯も、少しばかり、重々しい。


「あっ、ええと。
 あの……サンタさん、からの、プレゼントで。
 だから、持ってないって、知らなかったんだと……」

         モゴ

穂風は大きい。
サンタを信じる年ごろではない。

           ・・・・が、サンタなのだ。

「あ――ここ、ですか。」

ゲーム屋の前。
開けてもらったドアをくぐる。

(うわ……ゲーム、たくさん……!)

         キョロキョロ

――と、そこで問われた。

    ゴソ

「これ、を……」

『わがものガールズおしゃれロード』。
穂風が鞄から取り出したのは、そういうゲームだった。

      「お洒落がしたい、って、お願いしたら。 
       あの、このゲームがプレゼントされて……」

                  「……せっかく、なので。」

                      ・・・・微妙な顔をする穂風。

穂風の服装はあまり上等ではない。
妙につぎはぎな、黒いマントのような外套。
布を裂いたような、同じく黒いリボン。
スクールバッグだけが、ぴかぴかだ。

989小鍛治 明『ショットガン・レボルーション』:2015/12/29(火) 02:12:50
>>988

「うふふ。そう重くなくていいのよ。」

「あなたのゲーム屋に行きたいというのが、嘘じゃなければの話だけど。」

……

            ……

「サンタ。そう。いいわね。私のトコにはもう来ないのよ。」

「私は悪い子なのかしら?」

口元に手を当ててくすくすと笑っている。
冗談だろう。小鍛治自身、葉鳥が心からサンタを信じているとは思っていない。

「……随分とおかしなサンタさんね。」

「いえ、プレゼントをくれた相手を悪く言うつもりは無いのよ。ええ。
 でも……いえ、やめましょう。受け取り方、考え方は人それぞれですもの。」

おしゃれがしたいと言われたらどうするだろうか、と小鍛治は考える。

(服を贈るわね。)

随分と現代的なサンタさんだ。宅配便でプレゼントを配送してきそうなほど。

「それのハードはここよ。」

小鍛治は特に質問をせずハードが並べられたコーナーまで案内する。
黒いロングスカートが揺れる。
小鍛治は白いシャツの上に黒いカーディガンを羽織っていた。アクセサリーの類は見つからない。

「ところであなた、お金は持ってきているわよね?」

「いえ、あなたを疑っているわけじゃないのよ。でも、そういうのあるでしょう?」

「なにさせるついでになあなあで別の欲求を飲ませる人。」

葉鳥の服装からそういう連想をしたわけでは決して無い。
しかし、少し怪しんでいる。

990葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2015/12/29(火) 02:21:02
>>989

「い、行きたいです。本当に。」

         コク

  ・・・・

         ・・・・

「あの、ええと……
 私も、そんなに、良い子じゃない、ですし。」

       モゴ  モゴ

       (……どうだろう?
        私、良い子なのかな……?)

胸は張れない。
けれど、自分が悪い事は、穂風は思わない。

「お金、高かった、から……
 良い子じゃなくても、くれるんだと思います。」

           コク

金で買ったサンタクロース。夢が無ければ、こんなものか。

        ト ト ト

(良いな、お洋服……)

ハードの前へ。

「高っ……」

思ったより、高かった。
件の靴下で、穂風のお金はそんなにない。

         「……あの、諦め、ます。
           お金、足りないみたい、だから。」

お金が足りないのだ。
そこまでしてほしいものでもないし、諦めは早い。

借りる――そんなことはしない。

††† ††† ††† ††† ††† ††† ††† ††† †††
あッ!でも他人にお金を貸すとかはダメよ!
††† ††† ††† ††† ††† ††† ††† ††† †††

          ・・・・借りるのもダメだろう。
             従僕ではない、だが、助言は聞き入れる。

991小鍛治 明『ショットガン・レボルーション』:2015/12/29(火) 02:34:22
>>990

「お金?変な事を言うのね。」

「まぁ、いいわ。そういうこともあるわよね。」

噛みあっているのかいないのか分からないが、少なくとも小鍛治の中では会話になっているらしい。

「ええ高いわよ。今時のゲームなんてね。」

「私、あまりこういうのはしないけれど。」

ちらりと横目でハードたちを見るが、小鍛治はそこに価値を感じられない。
興味をあまり持てないでいた。

「そう。残念ね。」

「あれだけ楽しみにしていたのに可愛そう……だから私が―――なんて思わないわ。」

「私とあなたはついさっき会ったばかりだし。」

「いえ、たとえあなたが私の妹だったっとしても、お金で甘やかしたくは無いの。」

小鍛治は淡々と告げる。
もとより金を貸そうなどと言う思考は無い。
それは小鍛治にとって堕落の証明であるからだ。

「お金を貸すときはお金をあげると思って貸しなさい、そう言われたわ。」

「あげられないわ。あなたにも誰にも。」

少なくともそこまで信用できる相手が今の小鍛治にはいない。

「お金を稼ぐか親御さんにねだるかしなさい。」

「厳しいかもしれないけど、私が言えるのはそれだけよ。」

992葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2015/12/29(火) 02:44:13
>>991

穂風は元より、借りる気などない。
自立を是とする穂風には、そもそも金借りは気に合わない。

           キョトン


「……え、あ、は、はい。
 そう、ですよね。お金を貸すのは良くない、って。」

淡々とした釘刺しに、少しきょとんとして。

   「教えて、もらいました。
    だから、厳しくないと思います。
     ……あの。案内、ありがとうございました。」

       ペコリ

それから、小さく頭を下げる穂風。
そして――

 「では、また。」

       「……」

(素直に、お洋服ってお願いしてればなぁ……)

       トボ

            トボ

一つ穂風は失敗した。
けれど、これからまだ、時間はいくらでもある。 

           ・・・・背中をやや丸めて、店を去る。


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