したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |

【ミ】『黄金町の夕闇』 その2

423『婚約期間』 ─5日目─:2015/08/08(土) 03:01:19
>>421(瀬良野)
ちなみに、今回の『ちょっと』は、
注射した直後で、予告ではなかった。

実感でわかる──注射された位置は間違いなく『頸動脈』だ。
片手かつ一瞬の注射は常識的に考えれば不可能に近いが、
並苗の『超速度』が、日常的な動作にまで及ぶなら、その限りではない。

「これは、『あの方』の血液ですわ。
 血液型が一致すれば、死ぬことはありません。
 違っていれば・・・・『それまで』ですね」

        バ ッ !

スタンドを振り向かせ、自分ごと拘束させようとする瀬良野。
だが、振り向いた時点で悟ってしまう。
人間が鳥を追うような、圧倒的な『絶望感』。
こんなことで捕まるわけがない──
注射を妨げる時間さえ、稼げそうにない。

      ズズズ            フシュ!

嘲るような笑みを残し、
注射器の中身を半分ばかりも押し込んだ後、
白衣の影は、瀬良野の背後から消え去った。

>>422(ウィル)
「あの方の『器』は、一国の法に収まるものではありませんから」

振り向き、状況を確認するウィル。
だが、すでに注射器は瀬良野の首に刺さっていた。
ちょっとした動作の間に、敵は数倍の速度で『作業』を終えてしまっている。

そして、油断もしていない──
今も、眼鏡の片隅にウィルを捉え、
間近の瀬良野とアウレアの気配に注意を払っているのがわかる。
『初動』に応じて動かれる限り、誰も彼女には追いつけない──かもしれない。

               チャキ!

『ファイア』の銃口を構えるも、
並苗の背後にはアウレアが、その先には女警備員の姿がある。
解除できるとはいえ、高速の『針弾』の当たり所次第では危険だがある。
おそらくは、それさえ意図して、看護婦はこの位置を、
ウィルがもっとも撃ちづらい位置取りを選んだのだ。

同時に、ウィルは大声で叫び、周囲の注意を向けようとしたが──

「─────────!────────────!」
                                       シャコッ

声は『排莢音』にかき消され、声とならなかった。
『ライフル』を担いだ『エルガマル』が、無言で首を振る。
『無駄なことすンな』、とでも言いたげな表情だ。

                      フシュ!

そして、並苗は──再び動く。
『アメイジング』と『ラヴ・ランゲージ』の同時攻撃を軽やかにかわし、
アウレアの背後に飛び込んだ──
狙えない。狙っても当たる気がしない。


>>420(アウレア)

      『オッ』
              『ラアァア!!』

右腕を振り回し、並苗に突進する『ラヴ・ランゲージ』。

「それは叶いません。
 ウィルさんは、ルンクス様に『選ばれた』んですから」

圧倒的なパワー、人間を凌駕するスピードを備える
『ラヴ・ランゲージ』を前に、並苗は平然と返答し、その上で、

                    フシュ!

白い残像を残し、消え去った。
正面近距離で相対すると、本当に──『見えない』。
何人であれ触れることが出来ぬ、その『速さ』。
瀬良野もスタンドで拘束しようとしたようだが、
まるで間に合っていない──

                     ズ ギュン!

だが──
アウレアの狙いは、最初から並苗ではない。
瀬良野の首筋を打つと同時に、その部位を『黄金化』!
注射器は半分ほど押し込まれているが、
瀬良野の意思で操作できる『黄金』であれば、
全身に『毒』が回る前に、食い止められるはずだ。

そして、アウレアの読み通り。
スタンドを突進させ、無防備になったアウレアの背後。
その黄金の髪を揺らして回り込む、『白衣の死神』を間近に感じた。

スタンドを戻す余裕は、皆無。
ウィルの射線からは死角。絶体絶命の状況──


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板