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【ミ】『黄金町の終わる夜』 第三幕
85
:
小角 宝梦『イル・ソン・パティ』
:2014/06/17(火) 00:07:31
>>66
「あ……」
四季の手が重なる。
――思ったよりずっと、小さな手だと思った。
(そうか)
(怖いのは)
(みんな同じなんだ。わたしだけが怖い目に合ってるんじゃあない)
「……ごめん」
「ああ、応援しよう。手も足も出ないなら声を出してやる」
探偵らしくない、暑苦しいセリフだと考える。
だが、何もしない事は、小角には出来なかった。そんなドライさは持ち合わせていなかった。
四季を真似るように、小さな握り拳を作って。
「負けるか……! 負けるかッ! あんな性格のわるいスタンドにッ!」
「黄金町が……わたし達の町が、あんなのに負けるかぁーーっっ!! がんばれデカい手ッ! がんばれ屋上こみんなッ、がんばれ月のみんなぁーーッッ!!」
「守るぞ! 守ってくれっ! わたし達の……みんなの町をッ!」
この声が届くなんて、まして力になるなんて、考えてはいない。
でも、何かしなくてはならない。
小角はそう思って、喉が枯れても声を張り上げるだろう。
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