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【場】『倉庫街』

129ようこそ、名無しの世界へ…:2012/05/11(金) 23:22:31
>>128(佐波)
『佐波』は歌声のする方向へと歩いていく。ラジオから響く歌声でもなければ、人の居る証左だ。
当然のことだが『佐波』に歌声の主が気付く様子はない。愛らしい声が、朗々と可憐に鳴り響いている。


           ザムッ   ザムッ   ザムッ

路地に近づいた『佐波』。しかし、その間は照明すらなく、色濃い闇が泥のようにへばりついていた。
歌声だけが響き、その向うを見通す術がない。声の主は路地の奥に居るようだ。


      「I get a mantis♪」  「I must get you♪」

         「I get a hornit♪」  「I must get you♪」
歌声はあくまで上機嫌に、天真爛漫を声にしたとでもいうような響きで、狭い路地を満たしている。

130佐波 要『スラップ・ショット』:2012/05/11(金) 23:35:36
>>129

「うう……いやだなぁ」

暗く見通しの効かない路地に、不安がいや増す。
不穏な様子と歌声との乖離が、食虫植物じみた奇怪さを思わせた。
この際、全てを聞かなかったものとして帰ろうかとも思ったが……。


「いいや、これまでの自分から変わるんだ……!
 力はあるんだ。何事にも全力でぶつかっていかなくちゃ」

己を奮起させ、意を決する。
いくらかの逡巡の後、緞帳のように路地を覆う闇の中へ、ゆっくりと足を踏み出す。

131ようこそ、名無しの世界へ…:2012/05/11(金) 23:43:48
>>130(佐波)
『佐波』自身が知ってか知らずか、食虫植物の喩えは言い得て妙だ。歌声がそれを指し示している。
しかし、男らしく決断し、闇の中へと足を一歩踏み入れた。差し込む光すらなく、眼もまだ慣れない。



                         ドンッ

                                 ドッシャァァア〜〜〜ンッ

唐突に、軽い当たりが『佐波』の胸元を襲った。堅い当たりではない。どちらかといえば柔らかな手応え。
続けて聞こえたのは地べたと何かが叩きつけられたような音。そういえば歌声は、逡巡している間にも止んでいた……


                       「ン、だァァ〜〜〜ッ?」

                     「ドコのダレだよォォ――ッ ヒトのジャマしてンじゃアねェッ!」
下卑た調子の声がひどく低い位置から聞こえる。しかし、その声は歌声と同じ声音。愛らしい調子に似合わぬ悪罵だ。
視線を下に落とせば……猫の眼のような『緑瞳』が細められて、鋭い視線を『佐波』に向けていることに気付けるだろう。

132佐波 要『スラップ・ショット』:2012/05/11(金) 23:59:07
>>131

「わわわ、ごめんなさい――っ!」

ノータイムで謝罪した。
いくら意識改善を試みたところで、長年連れ添った心根はそう易々と変わらなかった。


闇の中で煌々と鋭く輝く瞳に気圧され、大きく後ずさる。
この眼の持ち主が先程の歌の紡ぎ手なのだろうが……どうやら逆鱗に触れてしまったらしい。
顔を背けるように身をよじる。内心のビビリが全身に表れていた。

133ようこそ、名無しの世界へ…:2012/05/12(土) 00:19:13
>>132
「………………テメェェよォォ――――ッ!
謝る前にするコトがあンじゃアねェのかァ? エエッ!? レディがスッ転んでるンだぜェ〜〜〜ッ。」


                  グイィィ

炯々と燃える緑の瞳が、細められた眼の向こうで更に輝きを増す。玻璃越しの炎の如く、怒気が躍っているのが解る。
そして、突き出される何か。細く白い骨ばった……繊手。偉そうな態度で、助け起こせと言っている。

「早いコトするンだなァァ――――ッ でなきゃア、……キレちまうぜボクはよォォ――ッ。」
罵詈が狭い路地へと鳴り響き、反響する。歌声を遠方から聞かせる声量の持ち主だ。
吠えればまるで野獣の如く。有無を言わせない恫喝の響きとなって『佐波』を襲った。

134佐波 要『スラップ・ショット』:2012/05/12(土) 00:29:12
>>133

「え、えええ〜〜っ!?」

そんな横暴な!
何もそこまで語気を荒げなくても、普通にしていてくれれば普通に手を貸すのに……。
まるで威嚇でもするように畳み掛けられては、伸ばす手も竦むというものだった。


「は、はい……どうぞ!」

  バッ!

このままぼっ立ちしていては後が怖いので、手を伸ばすことにした。
顔を背け、へっぴり腰。かろうじて手だけは伸びているといった、なんとも頼りないものだが。

135獅ノ女 カンナ『ソウル・フード・タケリア』:2012/05/12(土) 00:38:43
>>134
「フンッ…… 言う前にやれよウスノロさんがよォォ――ッ。」

           グ  クンッ
                      グイィィ――

顔を背けていたので『佐波』からしっかりと掴むことは出来なかった。伸ばされた手の指先が触れ、次の瞬間にはしっかりと掴まれる。
汗が滲んでいたのかべっとりと濡れた感触が掌を覆った。次の瞬間には相手は跳ね起き、顔が僅かに差す夕日に照らされる。


「かッアッ――ッ しくじったったらありゃしねェェ〜〜〜ッ。」


                                  ザムザムッ

『佐波』を押し退けるようにして前進した相手……『少女』だ。白磁のような血の気の薄い、薄青みすら帯びているような白い肌。静脈が痛々しいほどに透けて見える。
名残を受けて輝く白金の髪は、緩やかなウェーヴを描いて肩まで垂れている。眼の色はエメラルドを嵌め込んだかのような、底の深い緑色だ。


「………………コッチになんか用かァ? ボクに用があるッてワケじゃねェだろうなァァ〜〜〜〜ッ。」
下卑た声すら透き通るような響き。人形めいた印象があるのに、似つかわしくない声と表情で、『佐波』を値踏みする眼差しを向けてきた。

136佐波 要『スラップ・ショット』:2012/05/12(土) 01:31:50
>>135

「べべ、別に用ってわけじゃあ……。
 ただ、こんな所で歌が聞こえてきたから、何かと思って……」

儚げでさえある外見の印象とは裏腹の苛烈な口調に、思わず語尾が萎む。
この人物が先程歌っていた人物と同一だとは、俄かには信じがたいものがある。


「それで、良かったら街まで戻る道を訊けたらなぁ、って」

言葉を搾り出すその口調は、いささか弱弱しい。
小柄でなよっとした体系や、バルーンキュロットにブラウスといったガーリーな服装、
そして、『獅ノ女』に萎縮する弱気な態度には、いわゆる『男らしさ』が欠けているようにも感じられるだろう。

137獅ノ女 カンナ『ソウル・フード・タケリア』:2012/05/12(土) 01:49:05
>>136(佐波)
「……ふゥン。なァァ――〜〜〜〜ンだ、ボクの歌に惹かれたンならスナオにそう言いやがれ。」

            ニヤ  ニヤ

下卑た笑いに顔を歪ませて、掴んだ手を無理にでも引き摺って路地の外へと連れ出していく少女。
どうやら受け答えは間違っておらず、悪い印象は抱かれなかったようだ。自信に満ちた歩調で倉庫街を歩いていく。


「ボクも来たばっかだがよォォ――ッ テメーもそうなのかァァ? とりあえずコッチだぜッ
つゥか……、ンだその格好は。オンナか? ケツにクワえこむタチか? おっとォォ〜〜ッ ソッチはネコだっけなァァ〜〜〜ッ?」


                 カッカッカッカッカッカッカッ
                  カッカッカッカッカッカッカッ

冗談のつもりなのか下卑たセリフを立て続けに放つ。それなりに気を許している証でもあるが、礼を欠いてるのには変わりない。
人の格好笑う少女自身のスタイルこそ、やけに少女めいていた。過剰なフリルのエプロンドレスを纏い、頭には大きなリボン。
黒と赤の色合いのせいで暗がりに紛れて見えなかったらしい。高いヒールの音は軽やかだ。


「ソコまで行きゃア、車道に出れッからあとは好きにしなァァ〜〜〜ッ。」

138佐波 要『スラップ・ショット』:2012/05/12(土) 02:04:02
>>137

「ネコ……?」

何のことだか分からなかった。
イヌ派かネコ派か、くらいの質問なのだろうと勝手に解釈!


「ボクは前からここに住んでるけど、あまりこういう所って来たことなかったから。
 少し活動範囲を広げようかな、と思ったは良いんですけど……」

結果はこのザマだった。いきなりハードルが高すぎたのかも知れない。
もっと手近な場所で慣らしてからの方が良かったと後悔していた。


『獅ノ女』に連れられ、車道まで出た。
辺りも既に暗く、そろそろ帰宅しないといけなさそうだ。

「ありがとうございました。おかげで遭難せずに済みました!」

少し言葉を交わして慣れたためか、溌剌と『獅ノ女』への謝辞を述べられた。
最初こそ刺々しくはあったが、快く案内してくれた辺り、根は良い人なのかも知れない。

深い礼を残し、小走りで家路についた。

139挫原紫『フォール・アウト・ボーイ』:2012/05/24(木) 23:52:26
カムッ!

放置され錆びついたコンテナの上に立つ
紫の色の髪の女子高生。

         「負、け、てェ、よ、なァ?」

「ああ、負けてェよなァ!あんなバカみてーな月が出てるこんな夜、
 サイコーの負け日和じゃねーか!なあ!」

140穴闇鋒頼『ストラング・アウト』:2012/05/26(土) 07:15:26
奇妙な声を聞いた気がした。
>>139はまだ居るのかな)

気のせいかもしれないがな…

「だいたいなんで、私はこんなところにいるのだろう」

悩みつつ歩いているぞ。

141挫原紫『フォール・アウト・ボーイ』:2012/05/28(月) 00:29:43
>>140


   「…『あ』」

目があった。コンテナの上からこんにちは。

142挫原紫『フォール・アウト・ボーイ』:2012/05/28(月) 00:34:08
>>141はなかったし>>139で聴こえた事は『気のせい』だった。

143鴫野 天龍『ブラッド・スウェット&ギアーズ』:2012/07/19(木) 23:36:58
倉庫街にきてみた。
いつかの魚醤男がいるかどうか気になったのだ。


とりあえずといった感じで、男はコンテナや倉庫の間をぬって歩く。

144ようこそ、名無しの世界へ…:2012/07/20(金) 19:41:58


    ォ   オ   オ   ォ  オ  オ        ォ  オオ  オ  ォ ォ ォ  オ ォ


――――日暮れ時。逢魔ヶ時とも呼ばれる時間帯だ。

無機的なコンテナや倉庫は、海を血の色に染めて沈んでいく太陽に塗り替えられて、紅い墓標の連なりとなっている。
『魚醤男』の姿はなく。人気のない道を歩いていく『鴫野』――――

                                                   ピチョンッ  ピチョンッ

不意に、滴る水の音が耳を打った。

145鴫野 天龍『ブラッド・スウェット&ギアーズ』:2012/07/20(金) 21:44:42
>>144
「……?」

水音に気づく。

こんな時間だ、何の変哲も無い水も、血の様に赤く染まっていそうだ。
等と、海を思い起こしながら考える。


音の聞こえ方から源を探ってみる。

146『黒の恐怖』:2012/07/20(金) 22:41:20
>>145(鴫野)


        ピチョンッ      ピチョンッ


――――音の方向を探る。
聞こえるのは、向こうのコンテナからだ。


   ピチョンッ  ピチョンッ


距離は数メートルしかないが……倉庫と倉庫の間の路地を抜けた先。
その向うに積まれたコンテナの上に、何か載っているのが見える。

147鴫野 天龍『ブラッド・スウェット&ギアーズ』:2012/07/20(金) 22:45:31
>>146
人か?

見えるなら、とりあえず注視してみる。
見えなそうであれば、ある程度近づいてみよう。


何の音なのか、こちらも一緒にわかるかもしれない。

148『黒の恐怖』:2012/07/20(金) 22:58:33
>>147

既に周囲は薄暗く、夕陽の弱い光に照らされるそれの姿はよく見えない。
ある程度近づく。路地の間へと踏み入った。


                       ピチョンッ  ピチョンッ


……垂れて落ちているのは、それから垂れている液体だ。
コンテナの上に乗っているのはやはり人間らしいが……


          ピチョンッ  ピチョンッ  ピチョンッ

縁に身体が引っ掛かるようにして載っており、だらりと垂れさがった上半身から鮮血が溢れている。

149鴫野 天龍『ブラッド・スウェット&ギアーズ』:2012/07/20(金) 23:14:49
>>148

眉をひそめる。

生きているかどうかが問題だが……
多分ダメなんじゃないかと思いつつもとりあえず歩き出す。


周りに、コレをやらかしたヤツがいないか、
出来る限り気を配りながら、『人』の元へ。

150『黒の恐怖』:2012/07/20(金) 23:19:51
>>149

近づく……さらに距離を詰めた。
もう三メートル弱。コンテナ上なので、高低差は2メートル程度だ。

        ヒクリ   ヒクヒク


血を滴らせているが……まだ生きている。
痙攣を繰り返して、時折もがくように腕を動かしている。
とはいえ、この出血量。放置しておくのは危険だ。

周囲に人の姿は見えない。
ゆっくりと日は沈んでいく。完全に夜をむかえるまで、いくらもない。

151鴫野 天龍『ブラッド・スウェット&ギアーズ』:2012/07/20(金) 23:30:17
>>150
まだ息があった。

「………『ギアーズ』」

ならばとりあえず、病院だ。
ただ、倉庫街の外まで運ぶ必要があるかもしれない。

そう考えながら自らのスタンドを発現、獣級の挙動で
『人』のいるコンテナまで跳ぶ。

余裕があれば、『人』がずり落ちないようにコンテナの上へ戻したい。

152『黒の恐怖』:2012/07/20(金) 23:32:46
>>151

  ズギャンッ


『BS&G』を発現した。一足飛びで、軽々とコンテナの上に飛び乗る。
ついでに軽く引きずるようにして、コンテナの上に戻した。


「う……ウゥ……」

呻き声が漏れる……男のようだ。
作業服の姿から見ると、港湾労働者なのかもしれない。

153鴫野 天龍『ブラッド・スウェット&ギアーズ』:2012/07/20(金) 23:37:58
>>152
「生きているか」

周囲の状況にも危険は……今のところ無く、
脈拍アリ呼吸アリ意識アリ……とりあえずは怪我だ。

声をかけながら、どこから出血しているか見る。


腕や脚であれば手元からとりあえずハンカチか何かを
取り出して傷口へ巻きつけ、保護と出血抑止を試みる。

そうしてから救急へ通報。

胴体ならすぐに救急へ通報だ。

154『黒の恐怖』:2012/07/20(金) 23:50:29
>>153

出血はどうやら身体の前面からのようだ。
ひっくり返して確認すると、腕が深々と『切り裂かれている』。
胴部も同じように切り裂かれた傷があるが、こちらはいくらか軽傷だ。

危険なのは腕の出血――明らかに動脈に達している。

携帯電話を取り出す……周囲が暗くなってきたので、煌々と液晶画面だけが明るい――――

                                                         ビズンッッ

番号を打ち込もうとした瞬間、携帯が『鴫野』の手から弾き飛ばされた!

155鴫野 天龍『ブラッド・スウェット&ギアーズ』:2012/07/20(金) 23:56:33
>>154
※腕に傷がある場合、ハンカチを巻いてからの
  つもりだったが、それは出来た?


「……ぬ」

漫画で見た覚えがある。

ゲリラ戦とかでスナイパーがやる手だとかなんとか。


男性も気になるが、携帯が弾き飛ばされたのが
投擲物かなにかであれば、弾かれた方向から逆算して、
攻撃してきた位置を割り出したい。

『敵』、からさらに攻撃がきそうであれば『ギアーズ』の発現を。

156『黒の恐怖』:2012/07/21(土) 00:05:55
>>155

(※止血は出来た。これで多少は時間が稼げそうだ)


     チリチリチリチリ


携帯電話を弾き飛ばした礫がコンテナ上に落ち、くるくると回っている。
飛ばしてきた方向は。倉庫の陰。下方から斜めに撃ち込んできたらしい。



                   チリリン

礫が倒れる――――撃ち込まれたのは、『金貨』だ。
それと同時にゆっくりと、倉庫の陰から人影が姿を現した。


『???』:
「………………」

「……コイン一枚だよ」

「それでどれぐらいあそべる?」

――――真っ白い、輝きを帯びた髪。
そして、血のように赤い、紅瞳。バラ色の唇――

幽鬼めいた少女。くすくすと笑い声を立てている。

157鴫野 天龍『ブラッド・スウェット&ギアーズ』:2012/07/21(土) 00:16:05
>>156
※了解。


「……」

元凶だろうか。コイツをどうにかしないと男性の救助は出来そうにない。
うまいこと撃退しなければ……

とりあえず礫は拾っておこう。

決闘の手袋ってひろうもんだっけ?と思いながら。


「1個では人命も買えないな」


コンテナから降りる。

      「半殺しまで、かな」

158『黒の恐怖』:2012/07/21(土) 00:24:04
>>157

『???』:
「……あっは♪」

コンテナから降りる『鴫野』――『少女』は目を丸くしている。
まさか正面から掛かってくるとは思っていなかったようだ。



『???』:
「シュマね、ヒトころしちゃいけないの」

「だから、はんごろしとか、シュマすごくうれしいのよ。
 それぐらい死んでくれるってことだよね。うふふ、うふふ」

『シュマ』と名乗った少女は、ゆっくりと歩みを進める。
『鴫野』と少女の距離は8メートル程度。すぐに埋まる距離ではないが……


          ザッ  ザッ  ザッ  ザッ

『シュマ』:
「――おいで、『ノスフェラトゥ』」

                  ォ  オォオンッ


       《ヂュウイイイイッ!!》

大ぶりな丸い耳、鋭く尖った口、そこから覗ける更に鋭い前肢。
黒い外套めいたものを纏っているが、伸びた腕の先端には漆黒の爪がある。


これが彼女のスタンド――どうやらあの傷は。


「『ノスフェラトゥ』の――」

   「つめのあかにしてあげるね♪」

                           ギャンッ

少女は一気に駆け寄ってくる――!!

159鴫野 天龍『ブラッド・スウェット&ギアーズ』:2012/07/21(土) 00:46:56
>>158
「半殺しの結果、死亡させるのは殺人と変わらない」

確信する。この娘が元凶だ。
『スタンド』の鋭い爪が物語っている。


「せめて、加減というやつを覚えるべき」

『ギアーズ』を、両腕を差込、騎乗した状態で発現させ、
コンテナが自身と『シュマ』との延長線上に来ないような位置へ歩く。


近距離でパワーを発揮するタイプだろうか。
まずはその膂力と速さを見極めなくてはならない。

『ノスフェラトゥ』の行うであろう爪の攻撃を、打ち払おうと構えて迎え撃つ。



※『ギアーズ』のイメージはこのような感じ。
ttp://www.laputa.ne.jp/img/illust/GB3_02.jpg
イラストとの差異としては、胴体部分はバイク、車輪のところから脚が生えており、
脚はタイヤでなく、もう少し前傾姿勢となり、腕の中に本体の腕が差し込める形状になっていることなどです。

160鴫野 天龍『ブラッド・スウェット&ギアーズ』:2012/07/21(土) 00:48:48
>>159
イラストソース追加。大体こんな感じということで
ttp://nurutya.web.fc2.com/img/rideb.jpg

161『黒の恐怖』:2012/07/21(土) 00:54:02
>>159

『シュマ』:
「まだ死んでないよ?」

           ギャンッ

真っ向から接近する『シュマ』。
対する『鴫野』は『BS&G』を発現した。
騎乗状態で数歩歩き、直線の軌道から外れる。


      ド   ヒョォオオオオ――ッ


その目論見は奇しくも図に当たった。
『シュマ』は『早い』。その移動速度は――異常だ。

瞬く間に間合いを埋めて、先程『鴫野』が立っていた位置に飛び込んでいた。



「あ、れれ?
 ……ひっどい! なんでよけちゃうの!」

膨れた顔で『鴫野』を睨む『シュマ』。
とはいえ、今の移動速度――『ギアーズ』の移動速度に匹敵する(スB相当)。


       シャガッ      ジャキ

『ノスフェラトゥ』の爪が伸長した。
黒い鎌の刃を思わせる鉤爪が、構えられる。

162鴫野 天龍『ブラッド・スウェット&ギアーズ』:2012/07/21(土) 01:08:40
>>161
「……」

顔には出ないが、唖然。

人間の、ソレも子供の出せる速度とは思えん。


「……人間か?」

『スタンド』自体の速さを見れなかったのがなかなかにまずい。

あの鎌のような爪に当たるのは避けたいところだが……


『ギアーズ』を走らせる。
正面から進み、敵の攻撃に立ち向かう……



と見せかけて、通常移動速度からさらに加速した
全速力で、シュマを中心に円を描くように背後に回り、
『ノスフェラトゥ』或いはシュマの背を殴りにかかる。 CAC

163『黒の恐怖』:2012/07/21(土) 01:19:33
>>162

『シュマ』:
「うっふふふぅ。ひーみーつー」

スタンドヴィジョンは別にある……纏うタイプのスタンド使いではない。
真正面からの差し合いなら、あの鉤爪は純粋なリーチ差でも厄介だ。



「射程距離だ――」

         ダムッ

進んで、一気に間合いを詰めんとする『シュマ』と『鴫野』――


               ギ ュ
                      ァ
                、    ア
                 ノ
                    ッ
                       !!


                           「よよ!?」

だが、『鴫野』。
『ギアーズ』の神速を活かして、瞬時に背後へ回り込まんとする。
『シュマ』は目を丸くして、その動きに目を奪われて――



           ガシンッ!


いや、捉えていた。
『ノスフェラトゥ』が伸ばした腕が、かろうじて『ギアーズ』の拳を受け止めている。


「はっやーい♪ 『ノスフェラトゥ』と」
「おなじくらい、かな? うふふふ。たのしい」

164鴫野 天龍『ブラッド・スウェット&ギアーズ』:2012/07/21(土) 01:27:56
>>163
「……」

止めよった……一発ぐらいは差し込めると思ったが、
コイツも相当に『速い』。シュマの言うとおりであれば

『ギアーズ』のハンドスピードと同じ。

つまり、超高速。


やれやれ……・。


「タタカイダイスキってやつ?」

腕がこちらのこぶしを止めている時の手ごたえはどうだろうか。
無理な姿勢でも止め切れているのなら、こちらより豪腕である可能性がある。


ザッと、 とりあえず飛びずさる。

付近に何か武器になるもの、投げられそうなものはあるか確認したい。

165『黒の恐怖』:2012/07/21(土) 01:37:02
>>164

『ノスフェラトゥ』の手応えは、それほど強くはない。
弾き返すでもなく、かろうじて受け止めていた。
受け止めてはいたので、膂力に劣るワケではないが、勝る感じでもない。

跳び退る『鴫野』と『ギアーズ』。コンテナを背にする位置となった。
辺りを見渡すと、すぐ近くにガラクタや鉄材が転がっている。
特に目を惹いたのは鉄パイプと思しき棒だ。突き出ているだけでも1mはある。

『鴫野』を見上げる『シュマ』――――

『シュマ』:
「うん? たたかうのきらいー」

「でも、あそぶのはスキよ。パパがいってたもん。
 れんしゅうしないと、一人前にはなれないよー、って」


「だから、あそぶの」

「たたかいなんてしないもん。
 …………一方的に」

               「切 り 刻 ン じ ゃ う ッ !!」



           ギャンッ!

またも一足飛びで距離を詰めんとする。
やはり脚力は異常。獣のような跳躍で、瞬間的に空間を埋める。

『ノスフェラトゥ』も大きく腕を振りかぶって、切り込もうとしてきた!

166鴫野 天龍『ブラッド・スウェット&ギアーズ』:2012/07/21(土) 01:49:21
>>165
つまり、膂力は同程度のようだ。
……警戒するべきは爪と、シュマ自身の速さ。だな

しかし、一方的がお好きとは……


「言っておくが」

鉄パイプを拾い上げる。



「私はそういうのは」

右手で握りこみながら、左掌から突き出るように
スターリングエンジンを発現させ、走り出す。

右は鉄パイプで、左は掌から突き出したエンジンで、爪に打ち向かう。




「一番嫌いだ」


言葉尻に怒気をにじませて。

167『黒の恐怖』:2012/07/21(土) 01:54:25
>>166

カ  ララン
              ズギュウッ

右手で鉄パイプを握りしめて、左の掌には『スターリングエンジン』。
動きが十分でないので、まだ内部のピストンは稼働を始めていない。


        ギ
               キキィンッ

鉄パイプと鋼鉄の強度の『エンジン』。
『シュマ』の伸ばした爪と打ち合い、火花が散った。
やはり膂力はさほどでもない。『ギアーズ』と同じく、人並みの域を出ない。


『シュマ』:
「でもシュマはおにーちゃんすきだよ?」


「…………イジメがいがありそうでッ!」

         バルバルバルバルバルバルバル
                           ドギャギャギャア――ッ!!


唸りを上げて、黒爪で突きの連打を叩き込まんとする! 破ス精CAC+爪

168鴫野 天龍『ブラッド・スウェット&ギアーズ』:2012/07/21(土) 02:12:39
>>167
※ある程度の簡易マップがあると嬉しい。

「そうか……」


このまま打ち合っていれば、ハンドスピードで
エンジンは空冷されて稼動し始めるだろう……。だが


出来るだけ捌きつつ、頃合を見て飛びずさる。

無理に打ち合うとエンジンがイカレそうだ。

爪以外の能力は、コイツにあるのか、ソレも気になるが。

さらに迫り来るようであれば距離をとるのを続けながら
左腕を動かす。エンジン稼動開始まで間を持たせつつ、水場(贅沢を言うと海)がないか探してみる。

169『黒の恐怖』:2012/07/21(土) 17:07:01
>>168


    ギンッ   ギンギギンッ
      ギンギンギンギンギンギン ギィ−z_ ンッ

噛み合う、打ち合う、擦れ合う、鋼と爪。
ナイフ程度の強度と切れ味はあるようだが、金属を両断するほどの威力はないらしい。
『エンジン』の表面は削れてはいるが、内部の機構に支障は生じていない。

        ・・・・シュンッ   ・・・・シュンッ

ピストンの稼働が始まった……
打ちあいながらなので、モーションが小さく、手が停まる瞬間もあって『冷却』はまだ十分ではない。


『シュマ』:
「あはッはァァ――ッ ヤるゥ〜〜ッ♪」

       タンッ
                   ――――グォォオンッ!!

跳び退ろうとした『鴫野』と『ギアーズ』。それと同時に伏せた『ノスフェラトゥ』。
両手を地面について、足を刈る水面蹴りを叩き込まんとするッ! 破ス精CAC

逃れようにも背後はコンテナだった。逃げ場がないッ!


【簡易マップ】

□□□  ●□□□鉄  □□□●→
            鴫  屑          こ
            朱              の
                            先
  ●●        ●            海
┌──┐  ┌──┐  ┌──┐→
│倉庫│  │倉庫│  │倉庫│

     シュマ
『朱』は朱真

『□□□』は『コンテナ』。
高さは3メートルほど。

『●』はドラム缶。
海までの距離は『12メートル』ほど。

170鴫野 天龍『ブラッド・スウェット&ギアーズ』:2012/07/21(土) 20:26:25
>>169
「嫌いだといったが」

シュマの『やるぅ』を受けての発言。


「それには同意」



背後にコンテナ……追い詰められたか

いや、これは逆に好都合かもしれない。


『ギアーズ』のとる行動は『跳躍』

『全速力』で背部の壁に向かって後ろ跳びに飛び上がり、水面蹴りを回避。

さらに、コンテナの壁を利用して斜め下方向に蹴りこみ、『エンジン』を掌底の形で、
右手を拳で打ち込む。狙いはおそらく上半身ぐらいになるだろうか。

元が前傾気味という複雑さもあって難しいかもしれないが、
逆に、後ろ足で壁を蹴り、前足を前方に出した姿勢で飛び込みやすいかもしれない。

この一撃が成功にしろ、防がれるにしろ、攻撃の勢いで海方面へ飛ぶことを試みる。

171『黒の恐怖』:2012/07/21(土) 20:43:41
>>170

       タ″  ウンッ!

構わずに『ギアーズ』は跳躍ッ。
僅かな間隔しかないと知りつつ、後方へと跳び退った。


『シュマ』:
「袋のッ」

     「ねずみちゃんだよ!」

    タ  タムッ タンッ

地面に着いた手を強く突き、態勢を整える『ノスフェラトゥ』。
立ち上がりながら、鉤爪を突きこまんと振り上げて――

               ガイイィ ――ンッ

背後の『コンテナ』を蹴りつけて、とっさに前方への跳躍をするッ!
『ノスフェラトゥ』が立ち上がるのタイミングは同じ。


        シュバッ    ドヒュウッ

故に突きの速さも『等速』。ならば先に届くのはッッ


        ドグシャアアアアッ!!


                  「ふぇ、ええッ!?」
                    「『ノスフェラ――」

ごく僅かなリーチ差。『ノスフェラトゥ』の鉤爪の長さは『10センチ程度』。
突き込んだ『スターリング・エンジン』の『15センチ』がほんの僅かだけ上回った。


   ズババ ブシュウッ

とはいえ、回避し切れたわけではなく、胸元に軽い傷がつく。
鋭い痛みが走り、それと同時。

            ドン       ゴロロロッ

もんどりうって、互いにその場に転がる羽目になった。
咄嗟の行動かつ、一直線の突撃に近い。海の方向へ跳ぶどころか、着地もままならなかった。

『シュマ』は数メートル先、倉庫の壁に叩きつけられるようにして転がっている。

172鴫野 天龍『ブラッド・スウェット&ギアーズ』:2012/07/21(土) 20:56:18
>>171
「……痛い」

痛みを誤魔化すための吐息交じりにつぶやく。

少々無理な作戦だったか。

『ギアーズ』発現のまま即座に起き上がれるようであればそのまま、
無理があるのであれば一度解除して起き上がることにする。右手の鉄パイプは持ったまま。

エンジンの空冷も中断されてしまっただろうし。


とはいえ、一撃くれてやることは出来た。

『一方的』を好む相手にしっぺ返しを食らわせてやったことになるが、
同じような経験が以前にあれば逆上してさらにこちらへの攻撃を強めるか、
さもなくば、逃げ始めようとするかのどちらかだと思う。 ドラマで見た。確か。

          「どう、来る」

シュマの様子を見つつ、体勢を整えようとする。

173『黒の恐怖』:2012/07/21(土) 21:09:51
>>172

   ザッ

立ち上がる――『ギアーズ』に乗った状態のままだ。
再発現の必要はなかった。『シュマ』もゆらりと立ち上がる。



          グ        ググッ


――――なにかが、おかしい。


    「ひッ」   「ひヒィ」


子供らしく、泣いている。
プルプルと肩を震わし、眼を真っ赤に――元より赤い瞳だが――して。

  「ひッ」 「ひぐゥ」
   「ひひッ」 「ひィィ――」    ・  ・  ・
                    「ひ ど い」
                   「いたい」 「痛いヒィィ――ッ」

たった一つ異常なのは。
壁に叩きつけられたせいか、折れ曲がっていることだ。

首が横に向けて、ほぼ、Lの字に。


            ギッ   ギシンッ  ギギギギ

今にももげ落ちそうな首を手で押し上げて、元の位置に戻そうとしている。

174鴫野 天龍『ブラッド・スウェット&ギアーズ』:2012/07/21(土) 21:28:37
>>173

ぞ わ ぁ

無表情のまま総毛立つ。


「首……」

あれぇ……
そんなに力がこもってただろうか。

まだ稼動しきってなかったと思うんだが……あれ?


何をしてくるかわからんが、とりあえず、撤退する用意はしておきたい。

混乱する頭でシュマとの距離、
弾かれた携帯電話の位置、男性の位置を確認。

このままほうっておくのも、自分で言った『半殺しの結果の傷害致死』を
起こしそうで怖いので、すぐさま逃げることはしないでおくが……。

175『黒の恐怖』:2012/07/21(土) 21:40:04
>>174

  ギ  ギギギ・・・・


『鴫野』は考える――確かに、『エンジン』は稼働していなかった。
だが、『ギアーズ』は全身で突撃をかけて、『シュマ』を倉庫の壁に叩きつけたのだ。
所詮は子供の体躯。思い切り叩きつけられれば、今見ている結果になっておかしくはない。



        ギ   ギギギギ


だが、それならば『死んでいるはず』だ。
死なないまま、今まさに首が……

                   ゴ  キ  ン ッ

治った。軋む音を鳴らしながら、頭を軽く揺すっている。

『シュマ』との距離は3メートルほど。『BS&G』なら一瞬で埋まる距離だ。
弾かれた携帯電話と男性の位置はマップによって後述。


『シュマ』は目立った動きは見せない。『ノスフェラトゥ』も発現されていない。


□男□携●□□□鉄  □□□●→
                屑          こ
            鴫              の
                            先
  ●●      朱●            海
┌──┐  ┌──┐  ┌──┐→
│倉庫│  │倉庫│  │倉庫│

     シュマ
『朱』は朱真。

『□□□』は『コンテナ』。
高さは3メートルほど。

『●』はドラム缶。
海までの距離は現在地から『12メートル』ほど。

コンテナ上の男とケータイはそれぞれ『男』と『携』の位置に。

176鴫野 天龍『ブラッド・スウェット&ギアーズ』:2012/07/21(土) 21:51:21
>>175
治りやがった。
こんなことが出来る生き物は人間じゃありえない。

……つまり、人間以外……。か。
まさか実物を拝むことになろうとは。

となればこれ以上戦うのも厄介だ。


「……まだ、やる?」

シュマを注視し、聞く。

まだ戦意があるのか、それとも無いのか判断がつかないため、
左手を動かしてエンジンの空冷をしておきながら、だ。


動きが無ければ、横歩きに携帯の側へ向かいたいところ。

177『黒の恐怖』:2012/07/21(土) 21:59:43
>>176

『シュマ』:
「………………」

    ブツ  ブツ  ブツ


なにか呟き続けている……
動こうとしない。さすがに首を折られた衝撃は大きかったらしい。


     ヒュンッ   ヒュヒュンッ  ヒュヒュヒューゥ

腕を振り回して、『空冷』を開始。
これぐらい大きく動作しなければ、『冷却』は容易ではない。

     シュンッ  シュンッ  シュンッ
        シュンッ  シュンッ  シュンッ

『スターリングエンジン』の稼働が始まった。
静かにパワーが漲るのを覚える。その時だった。


『???』:
《――――――振り返らないでください》

女の声が『鴫野』の耳に届いた。


《動かないで。敵意はありません》

178鴫野 天龍『ブラッド・スウェット&ギアーズ』:2012/07/21(土) 22:09:33
>>177
「……?」

とっさに振り返りそうになるが、やめる。

腕の動きにも制止がかかりそうならエンジンを解除して、動きを止める。
そういう声が『女』の声からなければ継続。


「……説明を」

何か知っているのだろうか、聞いてみる。

179『黒の恐怖』:2012/07/21(土) 22:19:55
>>178

腕を動かす分には問題はないらしい。
『女の声』は言葉を続ける――

『???』:
《単刀直入に説明します》


《アレは私たちの妹。今、激昂寸前です。
 放置しておけばアナタへと襲い掛かってくるでしょう》


《アレの能力は『非常に危険』です。
 『無差別』という意味で……周囲をすべて危険に晒します》

《まだ、使わないような自制は働いているかもしれません。
 父の教えを覚えているのなら、従うはずですが……確証はない》


《私たちはアナタがこの場から『脱出』出来る準備をしています。
 ついでに、アナタには怪我をしたあの人を助けるために『囮』にもなってもらいたいのです》

《質問があるなら、今のうちに。了解が頂けるなら、方法を教えます》

冷ややかな声だ。
そして、この声はおそらく『スタンド会話』。
声を落としているために『シュマ』には聞こえていないようだ。

180鴫野 天龍『ブラッド・スウェット&ギアーズ』:2012/07/21(土) 22:25:00
>>179
「……いくつか」

思うところが無くはないのだが、
先に聞いておくことがいくつかある。


《どれぐらい耐えれば良いか》
《能力そのものは何なのか》
《ついでに落とした携帯も頼めるか》


腕の稼動を続けながら答えを待つ。

181『黒の恐怖』:2012/07/21(土) 22:31:46
>>180

『???』:
《耐える……というより、走ってください。
 朱真の目を惹いてくれるだけでいいのです》


《能力に関しては言えません。
 とにかく、『危険』です》


《携帯電話ぐらいなら、ついでに回収しましょう》

『シュマ』はまだ動かない。
彼女の周囲の空気が怒気を孕み、ビリビリと震えているのが解る。


《了解を頂けたと考えます》

《海の反対側の方向を見てください。
 おそらくはすぐに見えませんが、15メートル先》

《地面に大きな水溜りがあります……そこから『伸びる手』に掴まってください》


《朱真とアナタのスタンドの移動速度は殆ど同等ですが……
 アレは突っ走るのが能です。上手く躱せば、追いつかれることはありません》

182鴫野 天龍『ブラッド・スウェット&ギアーズ』:2012/07/21(土) 22:43:57
>>181
「理解。

 ……あと一つだけ」


眉をひそめる。

「父親に、とっさとは言え首を外したのは悪かったと。」


海の反対側へ体をむけ、騎乗した本体の首だけでシュマを見る。
地獄の鬼ごっこの始まりか。

襲い掛かってくる前に、走り出しを開始する。
走り出すこちらがシュマの目に映るよう、獣の速さと、膂力で。

腕の動きは停止し、走行に集中。
(15mまでの間であれば、冷却不順でエネルギー供給が停止する10秒の前に到達できるハズだ)

183『黒の恐怖』:2012/07/21(土) 22:52:32
>>182

『???』:
「承知しました。伝えておきましょう」

「絶対に転ばないように。転んだら、とられます」

『シュマ』の眼が、大きく体の向きを変えた『ギアーズ』を捉えた。
即座に『ノスフェラトゥ』が発現し、鉤爪を伸ばして構えた


         《ヂュゥゥゥ〜〜〜イ ィィィ――ッ!!》

      ダンッ
        ダンッ
          ダンッ    ダッ
                    ダ ァ――z___ッ !!


『B・S&G』は電光のような速度で駆けだすッ!
『シュマ』はそれを横目で捉えて、カンと目の奥で火花を散らした。

             ドギュウッ


僅かに遅れてスタート。速度が同じなら、先に走り始めたギアーズの方が早い。
目標の地点まで、あと10メートルほどだ。

184鴫野 天龍『ブラッド・スウェット&ギアーズ』:2012/07/21(土) 23:05:31
>>183
残り

「10m」

果たして、シュマは追いかけてきた。

ここからが本番。通常走行からさらに速く
1歩1歩ごとに全速力を出す。

瞬間的に爆発的に超速を発揮できるのが、『ギアーズ』だ。
短期決戦といこう。

シュマ自身はギアーズの走るのと同等の速度らしいが、
『ノスフェラトゥ』に何かを投げつけてこられたりすると脚をとられかねない。

元々、こちらが目をやっていない分、追う側の方が有利になりやすい。
だからこそ、遠隔攻撃への警戒の為、ジグザグに走る。


そういえば周囲に壁になるコンテナなどはある?
つかめそうなところは?

185『黒の恐怖』:2012/07/21(土) 23:14:13
>>184

    バサバサバサバサ
                 ギュインッ

纏っている黒い外衣をはためかせて、『シュマ』は突っ走る。
紅く燃え上がる瞳の放つ光が尾を引き、テールランプのように赤い線を描いた。


『ギアーズ』で走り続ける――7メートルの距離へ到達。
周囲のコンテナが車窓の風景のように流れては、背後へと消えていく。
ジグザク軌道での移動を開始。これなら、正確な狙いは厳しいはず。

           ダン              ダン
     ダン               ダン        ダン
                ダン                   ダン


壁になるコンテナはないが……
右手側に並んでいる、コンテナ自体には開くためのハンドルがあった。

ジグザクの軌道のせいで、僅かにペースが遅れる。
一直線で走る『シュマ』との距離は『2m弱』に縮まる。

186鴫野 天龍『ブラッド・スウェット&ギアーズ』:2012/07/21(土) 23:27:20
>>185
「7……」

変わらず、走り続ける。


次か、その次あたりで仕掛けてくるだろうか。
ならば、逆に今ここで機先を制しにかかろう。

右手で鉄パイプを握りこみ、横回転するブーメランのようにして斜め後ろへ投げつける。 パス精BAC
後ろから聞こえるだろうシュマの足音から位置を推測し、
その位置に投げられるよう、ギアーズの位置が左よりになった時が投げ時か。


こちらの投げた鉄パイプを、シュマが受けるか、捌くか、避けるか
そのどれかをやってくれれば、こちらは十分時間が稼げる。


爪のある手で受け止めるのはキツイハズ。

187『黒の恐怖』:2012/07/21(土) 23:35:31
>>186

走り続ける――――見えてきた。
大きな水溜りがアスファルトの床に出来ている。

        ドバオ――ッ!


距離が縮まったのを確認し、斜め後ろへと鉄パイプを投げつけたッ!
相手の姿を視認出来ていないため、正確な投擲ではない。


          ガギガギガキッ

その為、直撃コースとはいかずに『ノスフェラトゥ』が弾いて逸らした。
とはいえ、不意打ちに近いその行動は一瞬だけ相手の足を止めた。


距離はあと『5メートル』――!!

188鴫野 天龍『ブラッド・スウェット&ギアーズ』:2012/07/21(土) 23:40:54
>>187
「5……」

後わずか、斜めから一直線に走り抜けるッ!

飛び込めるよう、それだけでなくさらなる『ノスフェラトゥ』の食い下がりに備え、前傾姿勢に。
仮に転びかけても、手を突けるように鉄パイプを手放した。

後できることは……

足元のコンクリを踏み抜いて後ろに蹴散らすぐらいか。

現状、まだエンジンのエネルギー供給は止まっていないはず
ならばヒビをいれるか、多少なりとも礫を巻き上げることは出来るかもしれない。

189『黒の恐怖』:2012/07/21(土) 23:58:24
>>188

『シュマ』:
「ぜったいにゆるさない」

「切り刻んで切り刻んで切り刻んで――――」
    「コマギレにしてサカナのエサにしてやるッ」


        バギャアアッ! バギバギ


まるで駿馬のように、思い切りコンクリの床を蹴立てて礫を叩きつけたッ!
だが、『シュマ』の動きは止まらない。あの治癒力に任せてか、回避すらしない。


         ドズッ   ドスドスドスゥッ


破片が突き刺さる音が聞こえるが――更に。

                         ズ  ドンッ

地面を強く蹴り込む音。更に斜めに跳び、コンテナに向けて蹴るッ!

       ガイイイ ――ンッ!

三角跳びで、一気に背を向けた『鴫野』に向けて跳びかからんとするッ!
水溜りまでの距離はあと2メートルッ! この瞬間が勝負だッ!

190鴫野 天龍『ブラッド・スウェット&ギアーズ』:2012/07/22(日) 00:17:13
>>189
「言ったはず」

背を向けて走り続けるのは危険が大きい、
かといって、足止めの手段はほぼ使い切ってしまった。

跳躍してよけるか……だがそうすると追い越される可能性が高い。
なれば、正面からしのぐしかないか……。


「そういうのは嫌いと……!」


右こぶしを地面について、体全体を右回転させ、シュマに向き直る。

飛んでくる敵なら軌道の判別は容易なはずだ。

飛んでくるシュマに対して、『ギアーズ』の左掌エンジンを
払いながら突き出し、フルパワーで打ち返す!!

191『黒の恐怖』:2012/07/22(日) 00:29:27
>>190

ギャリギャリギャリイイイ――――ッ


床に手をついて強制制動ッ! 指先に擦れる痛みが襲うッ。
だが、反転したその態勢。迎撃に問題は生じない。


『シュマ』:
「『ノスフェラトゥ』ぉお――ッ!!」

          ズオオオッ

跳びかかる『シュマ』。払いながら突き出した腕。
そのリーチ差は、先程と同じ。それでも弧を描く軌道ゆえに、『ギアーズ』の動きは遅れる。


               ドズウウウッ

右肩に鉤爪が突き刺さった……
鋭い痛みが襲うが、それに動じずに一気にッ   ――――ド  ゴドンッ!!


                「ひッ」   「ギ い ィ ッ!?」

先程より上回るパワーを以て、カウンターで吹き飛ばしたッ!
再びコンテナに『シュマ』は叩きつけられる。


『???』:
「それまでだ」

         シュバッ    シュバシュバッ

             ゴ   ォ  オウッ !!

――――背後から声がかかった。
先程の声とは違う。同時に背を掴まれて、一気に引きずられる――


               ズ  ゾゾゾンッ

192鴫野 天龍『ブラッド・スウェット&ギアーズ』:2012/07/22(日) 00:31:54
>>191
掴まれるに任せる。

……勢いに任せて、やりすぎたかもしれない。
なんてちょっとした後悔をしながら。

193『黒の恐怖』:2012/07/22(日) 00:41:39
>>192

グクウウンッ


周囲が一瞬暗くなり――――視界が開けた。
初めに見えたのは一人の少女の姿。
『シュマ』と同じく、銀髪紅瞳……『アルビノ』だ。


『???』:
「妹と姉たちが手荒で失礼しました」

華奢な細工の銀縁眼鏡を掛けた少女が声を発する。
凍えるような透き通った声だ。

     ヒラコ リュウコ
「私は『平子 留子』と申します。『リュウコ』とお呼びください。
 アナタのお陰であの男性は助かりました。ご協力に感謝します」

辺りの状況も見えてくる――

どうやらここは倉庫と倉庫の間の路地のようだ。
照らしているのは備え付けの古びた白熱灯。
壁際には背を押し付けた、黒い上下のスーツを纏った女性が居る。

194鴫野 天龍『ブラッド・スウェット&ギアーズ』:2012/07/22(日) 00:46:45
>>193
「……リュウコ」

頷く。

オトリはうまくいったようだ。

そろそろ空冷も切れてきただろうし、
『ギアーズ』左掌のエンジンを解除し、しゃがむ。

そしてようやく、一息。
全速力を続けたため、ちょっと疲れた。


「聞いてはいけないことはある?」

そのまま、リュウコに訊く。
シュマやリュウコ姉妹らの事もろもろについてだ。

195『黒の恐怖』:2012/07/22(日) 00:53:18
>>194

『リュウコ』の表情は穏やかだ。
といっても笑みを浮かべてるワケではなく、ただ波の立たない湖面のような落ち着きがある。


『リュウコ』:
「それならば、全て」

「アレは遊んでいるつもりです。
 遊びの範疇に収まるなら問題はありません」

「今回はアナタが危険なので、介入しました……?」

不意に『リュウコ』の声に疑念が混じる。
素早く『鴫野』の右手を掴んで、白熱灯の下に引き出した。


「……この程度なら」


『鴫野』の右手――指先や手の甲に『黒い斑点』が生じている。
これが『シュマ』の能力か? 痛みや違和感は今のところない。

196鴫野 天龍『ブラッド・スウェット&ギアーズ』:2012/07/22(日) 00:56:54
>>195
「……わかった、訊かないでお……」


手を掴まれて、掴まれた手と指先を見て固まる。
瞬きしながら、相手と黒い斑点を見比べる。

そういえば胸も斬られていた覚えがあるが……
そちらのほうは大丈夫か、無言で前を開いて見てみる。

197『黒の恐怖』:2012/07/22(日) 01:08:55
>>196

           ガバアッ

無言で前を開いて確認した。
そこは浅く斬り付けられた程度で、軽傷と言っていい。
『黒い斑点』もない。

『リュウコ』:
「………………」


『???』:
「…………ヘンタイか?」

胸元を見せつけていると思ったのか、スーツ姿の女が呟いた。
『リュウコ』は咳払い一つ零すと、掴んだ右手をしっかりと握った。


         ウジュ  ウジュゥ
                    スォ  オオオ――――ッ

触れて握りしめた『リュウコ』の左手へと、『斑点』が『移った』。
『鴫野』の手の『斑点』は消え去り、違和感も一切ない。


『リュウコ』:
「これで問題ありません。治療費を支払わせていただきます」

『リュウコ』が上衣のポケットに手をやる。
取り出したのは『シュマ』が投げつけたのと同じ『金貨』だ。


「ダイナー『Straits』という店に行ってください。
 おそらくはこれ一枚で足りるかと思います」

「換金するのなら『20万円』にはなるでしょう」

198鴫野 天龍『ブラッド・スウェット&ギアーズ』:2012/07/22(日) 01:14:39
>>197
「いや、傷が……」

……やらかした。いそいそと前を閉じる。
ついでに言い訳はする。

斑点についての疑問は残るが、問題ないと
姉妹らしいリュウコが言うのなら、大丈夫だと思っておこう。


とりあえず、金貨は貰っておく。


「最近の軽食堂は神霊サービスも?」

199『黒の恐怖』:2012/07/22(日) 01:21:39
>>198

『リュウコ』:
「いいえ、そこは闇医者が経営しています。
 その肩の傷。結構深いはずです。放置しておくなら動きに支障が出ます」

言われてみると、アドレナリンが出ていたおかげで気づかなかったが……
動かすと違和感がある。腕の動きに大きく制限が加わりそうだ。


「この金貨は治療用の通貨として、身内では使っています。
 それを見せるだけでアナタが闇医者の客であることは判ると思います」

「…………私たちはこれで帰ります。朱真を抑えなくてはなりません。
 最後に一つだけ。不躾ですが……お名前を伺ってもよろしいでしょうか?」

200鴫野 天龍『ブラッド・スウェット&ギアーズ』:2012/07/22(日) 01:25:51
>>199
「闇医者」

納得した、と頷く。

そんなものがあったとは。
何がおきるかはピンとこないがとりあえず、行ってみよう。


シギノ テンリュウ
「鴫野 天龍」

「とっさ……を2度やらかして、すまない」

名乗り、ついでに謝ってはおく。

201『黒の恐怖』:2012/07/22(日) 01:29:44
>>200

『リュウコ』:
「構いません。妹は頑丈ですから」

事もなげな態度だ。冷静というより……冷たい。
あまり情味の感じられない言葉を続ける。


「『練習』が必要なのは事実です。
 能力をコントロールする――という意味で」

「父にも報告したいので、もう一つだけ。
 朱真の闘い方にどんな印象を抱かれましたか?」

まるで研究をしている学生だ。
淡々と質問を重ねてくる。

202鴫野 天龍『ブラッド・スウェット&ギアーズ』:2012/07/22(日) 01:43:11
>>200
「猪突猛進」

印象について言われ、まずその言葉が出る

「多分これ。そしてすぐに逆上するところがあった」

リュウコの態度が余りに情味が無いので
つい、言ってしまった。

「怒りに任せてうまく行くのは最初から格下を相手にするときぐらい」

ゲームにせよ、殴り合いにせよ、冷静さを失ったら負けだと、思うし。


そして、単純に吶喊してくるだけだったからこそ
出し抜けたように思えてならない。

とはいえ、あの人間以外の身体能力が技術と知恵と冷徹な計算高さで
人を襲うようになったらそれはそれで困りものだが……。

203『黒の恐怖』:2012/07/22(日) 01:48:26
>>202

『リュウコ』:
「つまり、モンスターマシンを乗り回す大馬鹿であると」

ズバリと『リュウコ』が言い、初めて笑みを浮かべた。


「私の印象と同じです。
 シギノとは気が合いそうですね」


『???』:
「…………おい、たぶらかされるな。たぶらかすな」

『リュウコ』の姉と思しき女がやれやれと首を振った。
壁から背を離すと、路地から出ていく。


『リュウコ』:
「それでは私もこれにて。お大事に」

            ペコリ


頭を下げて、『リュウコ』も路地から出ていこうとする――

204鴫野 天龍『ブラッド・スウェット&ギアーズ』:2012/07/22(日) 01:52:42
>>203
リョウコの指摘に頷く。
実に的を射ていた。

そして姉の声にちょっと戸惑う。

たぶらかしたことになるんだろうか。
動かしにくい右手のかわりに左手で頭をかく。


とりあえずなんて声をかけるか。

えーと

「……お元気で」

左手を軽く振って、見送ろう。

205『黒の恐怖』:2012/07/22(日) 02:01:40
>>204

      クルリ


『リュウコ』:
「はい。シギノも」

最後に振り返り、一言を添えて。
『鴫野』はそこに立ちすくんでいたが――  ピチャリ

あることに気付いた。
自分の背後に『血溜まり』が出来ている。
まるで池のように……大きく広がった血の水溜りが。

この血の主が、誰であるのか……『鴫野』には知りようがなかった。


シュマ『ノスフェラトゥ』 ⇒ 『生存』『どうなったかは不明』
鴫野 天龍『ブラッド・スウェット&ギアーズ』 ⇒ 『右肩に刺傷』『全治二か月』
                               『完治まで右腕の動作に支障。パワーがDまで低下』
                               『金貨二枚ゲット!(一枚二十万円相当)』


『黒の恐怖』 ⇒ 『終了』

206『黒の恐怖』:2012/07/22(日) 02:02:12
ケモノを思わせる頭部を持つ人型のヴィジョン。
両手には鋭い黒い爪を備えている。

『 』に『   』を宿す能力。詳細は不明。

『ノスフェラトゥ』
破壊力:C スピード:A    射程距離:E
持続力:C 精密動作性:C 成長性:A

207波除 楼子『モンド・デュ・シランス』:2012/10/11(木) 00:02:43

「……夏が終わるのは寂しいわね」

潮風が頬に冷たく感じる季節になった。
今日は、いつものワンピースにカーディガンを羽織っている。

「でも、秋の海もいいものよねー」

波打ち際を彩る、枯葉の色を眺めながら、つぶやいた。

208ようこそ、名無しの世界へ…:2012/10/14(日) 23:25:19
>>207
      ビウ  ビュビュ

                    ――――バ   ギュインッ !!


――――何かが破壊される音が響いた。

209波除 楼子『モンド・デュ・シランス』:2012/10/14(日) 23:41:02
>>208
「あら、物騒ねえ」

場所が場所だから、仕方がないのだが、
秋の余韻が『台無し』だ。

音から距離を推し量りながら、ゆっくりと背後を振り返る。


                                        ズギュンッ

210ようこそ、名無しの世界へ…:2012/10/14(日) 23:48:07
>>209
背後を振り返る……。
音の方向は、背後にある倉庫の更に向うらしい。




           バ  ギョオッ !!

金属質の何かがぶつかりあうような、音。

211波除 楼子『モンド・デュ・シランス』:2012/10/17(水) 19:01:39
>>210
スタスタ スタ

              ピタァ ア

「――『モンド・デュ・シランス』」

倉庫の壁まで歩き、そこに手を当ててスタンド(右)を発現。

同時に『ソナー』を発して、壁向こうの様子を伺う。
『10m』より近い距離なら全貌が把握できるし、
そうでなければ、今すぐ迫る危険はないと判断できる。

212鷲ノ巣『ゴールディー』:2012/10/17(水) 21:28:18
>>211

      コ       ォ   オ オ オ オ ォ ォ オ  ン


壁越しにソナーで『音の正体』を探る……
文字通り、手に取るようにわかる。

倉庫の路地の隙間に居るのは『少女』。
そして、それに覆い被さるような『スタンド』のヴィジョン。

『スタンド』が指先を回すと『輪』が生じ、それが高速で回転していく――――



 シルシルシルシルシルシル
     シルシルシルシルシルシル シ ル ル ル ル ル ル ル 
                    ル ル ル ル ル ル ル ――――・・・・・


スタンドと少女が向き合っているのは、当たりからかき集めたような鉄屑や空き缶だ。

213波除 楼子『モンド・デュ・シランス』:2012/10/17(水) 23:14:19
>>212
「(ん〜……これは、『敵』じゃないみたいね)」

路地がこちらに続いているのでなければ、
攻撃対象は自分ではないということになる。
『ソナー』による情報もそんなところだ。
誰かを攻撃、のではなく、『練習』という様子だ。

いつかのDIONモールの事件を思い出して身構えたが、
さすがに、そこまで治安が悪いこともないらしい。

「(『近距離パワー型』みたいね。
 でも、攻撃は飛び道具……『チャクラム』だったかしら。
 指で回して飛ばす……インドかどこかの……)」

漫画知識を思い出しながら、再度、『ソナー』発射。
安心すると、いつもの好奇心が湧いてきた。

214鷲ノ巣『ゴールディー』:2012/10/17(水) 23:28:30
>>213
少女は緩い立ち姿で、ゆったりと手を垂らしている。
反対にスタンドはキリリと引き絞られた弓弦のように、腕に緊張が漲っていた――


         ビ  シュイッ !!

                    バシュッ !!


両手の指先で『高速回転』していた『輪』が、放たれる。

その速度は――――『速過ぎる』。
『弾丸』を優に超えて、一直線に的を目がけて飛んでいき、



           バギャアッ!  ベギャスッ!!

吹き飛ばした。
着弾を確認すると、一歩二歩と後退りしている。

215波除 楼子『モンド・デュ・シランス』:2012/10/17(水) 23:39:15
>>214
「(……あら、素敵)」

音響の影ながら、思わず見とれた。
本体が女の子というのもいい。

「これはちょっと、生で見たいわねえ」

いそいそと倉庫を回りこみ、少女のいる路地へと向かう。
悪い癖といえばそうなのだが、性分なので仕方がない。

216鷲ノ巣『ゴールディー』:2012/10/17(水) 23:44:45
>>215
こっそりと倉庫の裏手へと近づく。そこは割合に広々とした空間だ。
射す陽が屋根の庇の濃い影を地面に落としている。


少女はそこに居て、初めて『色つき』で姿を見ることが叶った――『長い黒髪の少女』だ。

     ヂリ  ヂリ  ヂリ

振り向かないままに後ずさっている。
見れば、地面をスタンドの爪先で削って線を引いている。

どうやら『射撃』の『立ち位置』らしい。
距離を少しずつ離しているようだ。

217波除 楼子『モンド・デュ・シランス』:2012/10/17(水) 23:56:29
>>216
「(スタンドの訓練……かしらね。すごい緊張感)」

隠れるつもりはなかったが、声をかけるのも憚られる。
少女が気が付くか、もう一度投擲が終わるまで待つことにした。

内心では、聞きたいことが湧いて出て来る。
自分より一周りも若そうな少女が、
ここまで張り詰めた修行を行う理由――などだ。

今のところ、善人とも悪人とも見てとれないが、
そこのところに波除の頓着はなかった。

218鷲ノ巣『ゴールディー』:2012/10/18(木) 00:07:38
>>217
少女は振り返らず、またスタンドに構えさせる。
指先には『輪』が生み出され、高速で回転を始めていた。


        ギュ ル ル ル ・ ・ ・ ・


      ドヒュウッ !      ドシュウッ !

高速で回転する『輪』が、再び的を吹き飛ばした。
実際に目の当りにしても、やはり『速い』。


               「…………?」

人の気配を覚えたか、不意に少女が振り返った。
虚を突かれたらしく、眼を瞬かせて波除の顔を見ている。

219波除 楼子『モンド・デュ・シランス』:2012/10/18(木) 00:17:42
>>218
パチパチパチパチ――


振り向いた少女に、拍手を送る。

「こんにちは、初めまして。
 それ――素敵なスタンドね」

「私は波除 楼子。
 言うまでもないけれど……『スタンド使い』よ」

倉庫の壁に背中を預けたポーズで、自己紹介する。

220鷲ノ巣『ゴールディー』:2012/10/18(木) 00:24:34
>>219

       ダ !
            タンッ

その場で黒髪を振り乱しながら、身を翻した。
身を屈めて、態勢を低く。即座に警戒の構えを取っている。


   「あ。……あー。……」

警戒した動作とは裏腹に、ぱくぱくと口を開く。
予想していない状況に戸惑っているようだ。


「…………こ、こんにち……は。どう、も。……」

221波除 楼子『モンド・デュ・シランス』:2012/10/18(木) 00:34:34
>>220
「ああ、私は敵じゃないわよ?」

野良猫みたいな子ね、と思いながら、声をかける。

「スタンド使いで、同じスタンド使いとお話するのが好きなだけ。
 あなたと勝負したり、襲ったりする気はないわ。
 先に断っておくけど……ね」

両のてのひらを見せ、敵意がないことを示す。
こちらから近づくこともしない。ここら辺は野良猫との作法だ。

服装もワンピースにカーディガンと柔らかなシルエット。
普通なら、攻撃的な意思とはかけ離れた印象を与える――はず。

222鷲ノ巣『ゴールディー』:2012/10/18(木) 00:56:21
>>221
「ええ、すみません、ごめんなさい」

ワケもなく謝る――見れば、スカートを掴みくしゃくしゃにしていた。
それを更にこすり付けて、手の平に滲んでいた汗を拭っている。

こちらの外見は白いシャツにゴシック調のスカート。
胸元には飾りのリボンが覗けている。



「わ、鷲ノ巣、です。……
 『鷲ノ巣 廉』といいます。清廉、の、廉って書いて。……」

ぎこちなく、自己紹介をした。
視線をかわそうとするが、すぐに外してしまう。

223波除 楼子『モンド・デュ・シランス』:2012/10/19(金) 23:48:33
>>222
「荒々しい苗字に、可愛い名前なのねえ」

そして、外見はゴス系の少女。
どうみても、路地裏でドラム缶相手に汗を流す格好ではない。

「スタンドの名前は?あ、私のは――」

   ズ  ズズズ

ワンピースの裾から現れた『小型艦船』が、地面を航行する。

「――『モンド・デュ・シランス』」

224鷲ノ巣『ゴールディー』:2012/10/20(土) 00:03:06
>>223
「…………『艦』?」

僅かに首を傾げて、眼を見開く。
その瞳に強い関心の色が宿った。

まるで、『猛禽』が相手を認めた時のようだ。
すぐにその色は消え失せるが……


「……あ、このコは。
 ゴ、『ゴールディー』って、いいます。……」


               《ギ  シイ》

蟲めいた大ぶりの頭部を備えた人型のヴィジョン。
カミキリムシのような大きな顎を備え、それを擦り合せた。

225波除 楼子『モンド・デュ・シランス』:2012/10/20(土) 00:16:03
>>224
「あら可愛い。よろしくね、『ゴールディー』」

『ゴールディー』に微笑む。

別に嘘を言ったわけではない。
波除の『可愛い』は、
シュモクザメやメガマウスにも適用されるのだ。

ただし――事実が見えないわけではない。
スタンドは精神の表れ。
だとすれば、このスタンドの姿・・・・ひどく『危うい』。
そんな思考は、おくびにも外に出さないが。

「人の姿をしてる方が、使い勝手がよさそうねえ。
 ううん、別にウチの子をけなすつもりはないんだけど」

226鷲ノ巣『ゴールディー』:2012/10/20(土) 00:20:12
>>225
「…………ふふ。……」

褒められて嬉しいようだ。
内心については考えようともしなかった。


「便利、です……よ?
 その……器用だし、素早いし……あと、力。力も強く、て」

たどたどしく、『ゴールディー』について話す。
怯えがちの口調だが、確かな自信も感じられる。


「…………艦は。『シランス』は……どんなスタンドです、か?」

227波除 楼子『モンド・デュ・シランス』:2012/10/20(土) 00:49:38
>>226
「そうよねぇ〜〜え。
 手があるとやっぱり器用に使えるものねえ」

何となくため息をついた。
とはいえ、『モンド・デュ・シランス』は『誰にも負けない』――
実のところ、波除はそう考えているのだが。

「私のシランスはねえ……見たとおり、『艦船』よ。
 その『機銃』から、弾を撃ったり出来るわ。
 ……あんまり、便利には使えないけど」

           「――でも、『そこがいい』のよ」

完全に、『愛犬自慢』の顔だった。

228鷲ノ巣『ゴールディー』:2012/10/20(土) 00:54:07
>>227
「…………銃、ですか。……」

しゃがんで、『MDS』を覗きこむ。
確かに機銃があるのを認めて、背後を指した。


「あ。……試しに。……
 射的……っていうか。その。……やりま、すか?」


背後にはどこからか引っ張ってきたドラム缶。
それに載せられた空き缶や鉄屑がある。


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