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【ファンキル】SSスレ

576EPILOGUE ティルフィング:2019/08/15(木) 19:55:33

「……マスター、お願いをしてもいいですか?」

「……うん」

例え、マスターの傍に居られないとしても。

マスターが誰を選んでも。

「また、私を連れ出して……」

こうして時々話してくれるなら、私は……

「今日みたいに、話をして貰えませんか?」

「そんなことでいいの?」

「はい、私にはもったいないくらいです」

「こうして私を普通の女の子として見てくれるのは、マスターだけですから」

これでアナタを諦めることができる。

「ティルフィング……」

マスターと正反対の方の夜空を眺める。

泣いてる姿を見られたくなかった。

「……綺麗な星空ですね」

「うん、月が綺麗だね」

ーーーえ?

マスターが呟いた言葉の意図を理解できず、彼の方へ振り向く。

彼は夜空ではなく、私を見つめていて。

「ん……!」

気がつけば、唇を奪われていた。

優しく触れ合うだけのキス。

「ま、マスター……?」

唇を離したマスターは、私の頬に伝っていた涙を指先で拭った。

「……僕は、君を普通の女の子として見ることなんてできない」

「僕にとって、君は特別だから」

彼と触れ合った場所が熱い。心臓がうるさい。

「で、でも、私が傍にいると、マスターは!」

「僕の願い事はずっと前から叶ってたんだ。3つの願いを叶えても、こうして僕はここにいる」

だから、もう心配しなくていいんだ、と彼は告げた。

「マスターの願い事って……」

「君と、その、両想いになれたらなって……。僕の自惚れじゃなければだけど」

もう堪えきれなかった。

嬉しくて、ホッとして、幸せで。

「自惚れな訳っ、ありません……」

「何百年も前から、ずっと、ずっと好きでした!」

優しく抱きしめられ、彼の腕の中で涙を流し続けた。




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