ビスマルク級の水中防御がどの程度の量の炸薬に耐えるか、という点についてはティルピッツの残骸を
調査した米軍の報告書があり、「the torpedo defense system on "Tirpitz" being designed to
withstand only about 660 pounds [300 kg] of German hexanite.」、すなわち
「『ティツピッツ』の水雷防御は300kgまでのドイツ製ヘキサナイトに耐えるよう設計されたのみである。」
と書かれている。この表現は、当時のアメリカにすでに潜水艦用の魚雷として、ヘキサナイトより強力な
トーペックスを303kg搭載した魚雷、Mark 14Mod3が存在するからだと思う。アメリカ海軍の場合、
ノース・カロライナ級の水中防御がTNT換算300kg、サウス・ダコタ級が同317.5kgと、ビスマルク級の水雷
防御と比べて著しく多いわけではない。