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SS・イラストスレ
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:
ムキムキドラゴン
:2012/12/16(日) 16:14:20
思索にふけっていたカガネは顔をあげる。
「そうか! 魔人能力が媒体かつ触媒となっているのか!」
「正解だ。魔人能力は魔人の認識がもとになっていることはおそらく周知の事実だろうが、私達は言ってしまえば魔人能力、すなわち『認識』そのものなのだ。実体を持たずとも生存していられる生命体だからこそ、私たちは君たち魔人の上位存在として顕現している」
「最も、僕らは『転校生』だけどな」
「そういえばそうだったな。ならば、情報生命体は転校生と同等の存在といっても良いだろう」
「まあ、そうだろうな。僕は門外漢だが、その筋について研究している連中もスズハラ機関には腐るほどいる。だからそいつらに聞くのがいいさ」
カガネもコーヒーを飲み干す。次いで現れた疑問をぶつける。
「君が魔人能力そのものといったが、それは同時に君の魔人能力でもある、という認識でいいんだな?」
「ふむ。私の場合はその認識で正しい」
カガネはムキムキドラゴンの言い方に引っかかりを感じる。
「それは、遠まわしに例外が存在するということか」
「そうだな。魔人能力そのものであっても、この世界に顕現するときに、この世界で使える能力が自分自身であるとは限らないのだよ。しかし、私ほどの情報生命体であればそのようなことは起こり得ない。魔人能力の変換が百パーセントで完了しているからな」
「なるほど」
カガネは、少し理解できたと言いたげに頷く。
「やはり竜だからこそ君の魔人能力はそうなったのか?」
「そうだろうな。竜というのは巨大な姿をしているからな、この世界で活動するには調度良いのだよ。もっとも、単純に美しいから、という理由のほうが大きいが」
「そんな理由で竜になれるのか」
「なれるとも」
怪訝な顔つきをしてムキムキドラゴンを睨む。
「そうでなくとも、私たちはどんな生物にもなれる。活動の可否を気にしなければな。例えば……」
唐突にムキムキドラゴンが席を立つと、突然その姿が縮んだ。次にカガネが見たものは、小さな姿女の子だった。
「……すごいな」
カガネは声を震わせる。
「このように、幼子の姿になることもできる。だが、なるだけだ。歩こうとすれば間違い無くすぐに転ぶだろう。更に言うならば立っているだけで精一杯だ」
そう言うと、一瞬で紳士姿に戻る。
「さっきも言ったが、私は魔人能力そのものであり、実体を持たない。だから何にでもなれる、ということだ。しかし当然、小さいものほど活動に制限がかかる。情報を圧縮するのに非常に時間がかかるためだ」
「それでもすごいさ」
「さて、他に何か聞きたいことは?」
「そうだな、竜の姿だとどれくらいのことができるか、だな」
「ふむ。具体的に言われると答えづらいが、簡潔に言えば『竜にできることなら大抵はできる』だな。その気になれば空だって飛べる」
ムキムキドラゴンは何杯目かわからないコーヒーを飲み干した。
「そうなのか、ありがとう。あとは、君の『生物以外を破壊する』という魔人能力だが、それは今の姿でも使えるのか?」
「いや、それは出来ない。あれは竜の姿だからこそ使えるものだ」
「やはり制限とかがあるのか……しかし、地面に向けて撃てば地球を破壊できるような能力だからな、ほとんど意味をなしていない気もするが」
「さて、他に質問はあるかね」
カガネは暫く考えこむ。が、これ以上は浮かばない。
「いいや、今は大丈夫だ。ありがとう」
「そうか。それでは私はここで失礼するよ」
そう言うと、ムキムキドラゴンはラウンジカフェを後にする。
「ムキムキドラゴン……ぜひ解剖してみたいものだ」
そう呟いて、カガネは会計を済ませる。
ムキムキドラゴンが飲み過ぎたせいか、コーヒー代だけで万を超えていた。
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