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神々の黄昏@新国立劇場

5えうりでぃちぇ:2004/04/11(日) 22:50 ID:APoQQoVI
ジークフリート:
「英雄」というものを、分別のある大人と考えるのは間違いであるということをはっきりとわからせてくれました^^;「ジークフリート」のときは、なぜか説得力に欠けていました。人間は成長し変化するものであるという思想が根本にあるのでしょうか。ジークフリートは死の直前にはじめて成長したのだと感じました。

ブリュンヒルデがギービヒ家に拉致されてきて、事の真相に気付いて、怒り捲っている最中、ジークフリートはそれが理解できず、時間つぶし?にグートルーネをさがしています。グートルーネはたぶんショックを受けてどこかに引っ込んじゃったですね。ギービヒ家配下の女性たちが大勢そこにはいるのですけど、全員、グートルーネと同じ衣装を身につけ、髪型まで同じです。違うところは、グートルーネの金髪だけ。ジークフリートはひとりひとり、いちいち顔をのぞきこんだりしてグートルーネをさがしています。なにか意味深長な感じでしょう?
ジークフリートはひとりの人格としてのグートルーネが好きになったわけじゃないってことでしょう。要するにだれでもよかったんですよ。
つづく・・

6えうりでぃちぇ:2004/04/11(日) 22:52 ID:APoQQoVI
文字制限にひっかかってしまいましたーーので、以下後半です〜〜

やはり喜劇的、漫画的でおもしろかったのはブリュンヒルデは岩山で、サンタクロース用?の煙突のある小さなお家に住んでます。
一部見える内部は、おままごとの少女趣味的世界というところ。
何かと言うとお家にひっこんで、ドアから何?!という表情で顔をのぞかせます。
そして、グンター、実はジークフリートに屈服したあとは、お家ごと引かれてギービヒ家にやってきます。このお家、フィナーレでは、火葬の炉に変身です。

ラインの乙女:
衣装が醜悪だと評判が悪いようですが、私はむしろ爽やかに感じたし、気に入りました。
悪評の衣装とは、お腹の部分が「三段腹」につくってある水着です。身体そのものはスリムな方々ですから、ユーモラスなだけでしたけどねえ??? 水の精らしく身軽に動き回りながらのジークフリートとの会話は、おもしろくて全然退屈しませんでした。

7えうりでぃちぇ:2004/04/11(日) 22:54 ID:APoQQoVI
ノルンたち:
私としては、こちらの衣装のほうが気に入りませんでした。いわゆる迷彩服です。スカートではなくて、ズボン姿。せめてスカートにしてほしかった。好みの問題でしょうね。
好みと言えば、グートルーネの衣装、ミニスカートのツーピース。ミニスカートよりはロングか、せめてもうちょっと長めの、すそももう少し広いのにしてほしかった^^
とってもはでな、ショッキング・ピンクに近い色はよかったです。でも、おそらく病院の看護婦のイメージなんでしょう。とすると、活動的な感じのあのツーピースがぴったりだったのかもしれません。特にギービヒの女性たちが同じ格好ということになると・・なおさら。

ギービヒ家:
大病院経営者一族みたい。男たちは全員医療従事者スタイル。みなさん、どうも薬物依存のようで、量を間違えて、悶えてる者数名、ついには倒れて動けなくなる者も。ストレッチャーにのせて運び去ってました。もちろん誰一人、気にするものはいません。
グートルーネがジークフリートに一服盛るのも、慣れ切った行為ってこと?

まだまだ、つづきそう・・・m(_ _)m

8えうりでぃちぇ:2004/04/11(日) 22:56 ID:APoQQoVI
ジークフリート絶命の場:
ドイツの戦前の無声映画にフリッツ・ラング監督の「ニーベルンゲン」という作品があります。第一部「ジークフリート」、第二部「クリームヒルトの復讐」となっています。
もちろん白黒ですが、これが、なんとも美しい映画です。
ジークフリートが白馬にまたがって深い森のたちこめる霧の中を進むシーンなどは息をのむほど美しいです。
ワーグナーの「ニーベルングの指環」とは無関係で、神話、伝説の世界「ニーベルゲンの歌」の映画化ですが、ワーグナーと対比させるのも、また面白いです。ワーグナーの天才ぶりがよくわかります。

今回のジークフリート絶命の場、「ジークフリート」でのジークフリート絶命シーンをすぐ思い出しました。
この映画では、泉の水を飲むジークフリートの背中、菩提樹の葉が落ちて貼り付いていたため、ドラゴンの血を浴びた時に、弱いままのこってしまった急所にハーゲンの投げた槍がささったまま、必死の形相で、グンターのいる場所まで駆け戻って呪詛の言葉を浴びせ、妻クリームヒルトへの想いを胸に絶命します。
ちなみにこの映画、かつては国内盤がLD、ビデオで出ていました。弁士の日本語での説明もおもしろく、付けられた音楽もなかなかよかったです。DVDになればいいのですけど。外国版のDVDはあるようですが、日本語の語りは当然ないでしょうねーー

http://www.amazon.com/exec/obidos/tg/detail/-/B00007CVS6/qid=1081346635/sr=1-2/ref=sr_1_2/002-8384593-3972844?v=glance&s=dvd

9ヴァランシエンヌ:2004/04/11(日) 22:58 ID:APoQQoVI
>ドイツの戦前の無声映画にフリッツ・ラング監督の「ニーベルンゲン」という作品があります

あ、私も見たことあります(*^_^*)これで見ると、ジークフリートが英雄たる所以がわかる気が(^_^;)
弁士というものをこの映画で初めて聴きました。そうですね〜〜外国語だとどんな感じになるのかしら?

>ハーゲンの投げた槍がささったまま、必死の形相で、グンターのいる場所まで駆け戻って呪詛の言葉を浴びせ、妻クリームヒルトへの想いを胸に絶命します。

なるほど〜今回の演出は、この部分を拝借したのでしょうね。
映画や絵画を色々と見ていると、『あ、この舞台はアレを拝借したのね^^』ということがわかって、オペラの舞台を見るのにも役に立ちますよね。
以前は絵を見てもボケ〜と見てるだけでしたが、最近はこういうことも考えつつ見てます。面白いですネ(@。@;

10ときえ:2004/04/11(日) 22:59 ID:APoQQoVI
こちらでは はじめまして。ときえと申します。新参者でみなさまに比べると知識量も薄いですが、ワーグナーへの愛だけはありますので、よろしくお願いします。実はこちらの「なんでも掲示板」にも書いたのですが、私も「黄昏」を観て参りました。(えうりでぃちぇ様の日と同じ配役です。)
↓のスレを読ませて頂いて「なるほどな。」と演出のこと得心致しました。えうりでぃーちぇ様のみかたは詳細でわかりやすいです。ありがとうございました。演出が一つのスタイルを一貫させているのはなっとくさせられます。そうか、ギービヒ家は医療従事者か、私は薬品会社かと思いました。(似たような感じですが)ギービヒ家の多勢が出てきた場面で、舞台上方に「GIBICHI」という看板が出て、何か、銀座のブランドショップのロゴみたいで笑ってしまいました。グンターとグートルーネがデザイナーズブランドのような服を着て「垢抜けている」のも、プログラムに書いてあったように「文明」の象徴なのかもしれません。そしてその腐敗も匂わすということですね。今の日本の現状を鑑みれば痛烈かも。でも対するジークフリートや、ブリュンヒルデも神話の影は取り払われ、よくいえば庶民的、悪くいうと矮小化され、卑近な感じすらします。それは4部作全体に貫かれた演出意図です。その徹底ぶりは凄くて、だからラインの乙女はあんな水着であり、ブリュンヒルデの自決もまるで、「ヘンゼルとグレーテル」の魔女がカマドに入れられたみたいなものになっているのですね。これが現代の「リング」の一つのスタイルを作ったのはまちがいないでしょう。観る人によっていろいろ思うことは違うでしょうが、私はところどころは笑えるし、退屈もしなかったですが、演出で「カタルシス」を得ることはできませんでした。私が古いのかなあ、でも演奏には満足しました。えうりでぃーちぇ様は他の「リング」を御覧になったことがありますか?(私はワルキューレとか、単発ならあります。)もし、おありなら、比べて今回のはどうだったか、伺いたいです。長くなりました。

11えうりでぃちぇ:2004/04/11(日) 23:01 ID:APoQQoVI
ひとりでしゃべっているのは、少々気がひけますので、別のかたの感想もきけてうれしいです^^ また書いてくださいませ〜〜

>他の「リング」を御覧になったことがありますか?
残念ながら、生の舞台は新国だけです。それも「ラインの黄金」はのがしましたーー
新国ができてけっこう気楽にオペラに行くようになりましたが、それまでは、市民オペラがせいぜいでした。
映像は、だいたい見てると思います。初体験は、レーンホフ演出(ミュンヘン)次が、シェロー演出(バイロイト1980年)。それから、メト(ニューヨーク)、クプファー演出(バイロイト1990年?)、スカラ座のワルキューレ&神々の黄昏、一番最近のシュトットガルトのワルキューレというところです。

>演出で「カタルシス」
といえば、シェロー演出のものですね^^ 演奏も好きです。ご多聞に漏れず(かどうか??)ジークフリート役の歌手さんにちょっと不満はありますが、慣れればまあいいかあ〜〜ということです。
初演時の配役なら、きっともっとよかったでしょうけどねえ〜〜
無いものねだりをしても仕方ないですから。

12えうりでぃちぇ:2004/04/11(日) 23:03 ID:APoQQoVI
美しいトレーケル@グンターを延々と眺められて幸せだったジークフリート、グンターに変身! の場について。

トレーケル@グンターの美しさと演技力を見せつけてくれたのはいいのですが、お話を知らない観客には、多少わかりにくかったかもしれません。
幕間にもそれについて詳しい同伴者に確認している声がちらほらーー;

舞台、前方の一人掛けソファに、ジークフリートが腰掛けてます。その右の方には、やはりハーゲンも腰掛けて、眠っているようです。
後方のブリュンヒルデのお家の前で、実はジークフリートであるグンターがブリュンヒルデを襲うわけですが、この偽グンターをグンター歌手が演じるというのは、お初でした。ジークフリート歌手が隠れ頭巾をかぶって演じるのは、説得力に欠けるように感じていました。
映画のような変身はむずかしいと思いますが、もうちょっとなんとか変身を実感できる演出だったら、もっとよかっただろうにと思いました。

13えうりでぃちぇ:2004/04/11(日) 23:04 ID:APoQQoVI
ソファに座ったジークフリートはきっと抜け殻なんでしょうけど、フランツ@ジークフリートは、ぼけ〜〜としていられるわけではなくて^^ちゃんと自分のパートを歌っておりました。トレーケル@グンターは無言劇という
わけです。


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