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ファルスタッフ

1さーじょん:2004/03/14(日) 09:15
作曲:ジュセッペ・ヴェルディ(1813-1901)
台本:アリーゴ・ボイト
原作:シェイクスピア『ヘンリーⅣ世』、『ウインザーの陽気な女房たち』より
初演:1893年、ミラノ

2さーじょん:2004/03/16(火) 04:09
CDのお気に入りは↓
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00005R6HO
ヴィジュアルソフトのお気に入りは↓
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/0769720358

3さーじょん:2004/03/20(土) 19:53
6月27日の新国立劇場チケット取った。いまから楽しみです

4さーじょん:2004/05/02(日) 01:12
トスカニーニ指揮、NBC交響楽団、1950年放送用録音
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00005EGR8
部屋の片付けしながら流し聴き
う〜ん、名演なんだろうけど、モノだし、この音質では判断しようがないなあ。馴染みのある歌手は1人もいないし・・・
ファルスタッフは、ステレオ時代にも名録音が多いから、それらを押しのけて聴きたいかというと、それほどではないですね

5さーじょん:2004/05/02(日) 01:20
>>3の詳細。忘れないうちに貼っておこう
http://www.nntt.jac.go.jp/test/falstaff/falstaff.html

6さーじょん:2004/05/02(日) 01:22
ついでにこれも。ヴァイクルのページみっけ。
http://www.magicvillage.de/~bernd_weikl/

7さーじょん:2004/06/02(水) 23:05
1939年4月、ライプチヒ実況録音、独語歌唱、ハンス・ワイスバッハ指揮。
ハンス・ホッター(ファルスタッフ)、アルノ・シェレンベルク(フォード)、フィリップ・ラスプ(フェントン)、ペーター・マルクヴォルト(カイウス)、ヴィルヘルム・ウルブリヒト(バルドルフ)、ゴットリーブ・ツァイトハンマー(ピストール)、ヘンリー・ノイマン=クナップ(アリーチェ)、マルティナ・ヴルフ(ナンネッタ)、ヘドヴィヒ・フィヒトミュラー(クイックリー夫人)、エルセ・テゲットホフ(メグ)。
付録:アイーダ第3幕(1942年)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00000C3IT

8さーじょん:2004/06/26(土) 08:15
>>5リンク貼り直し
http://www.nntt.jac.go.jp/season/opera_2003_4/falstaff/falstaff.html
キックオフパーティー
http://www.nntt.jac.go.jp/season/s228/s228tr.html
オペラトーク
http://www.nntt.jac.go.jp/release/r344/r344.html

9さーじょん:2004/06/27(日) 22:07
 本日、新国立劇場にて鑑賞。僕は3階舞台向かって左手の1列目。
 初日の様子は↓。その他の情報は、>>8参照。
http://www.nntt.jac.go.jp/frecord/opera/2003~2004/falstaff/falstaff.html
キャスト等は↓
http://www.nntt.jac.go.jp/season/s228/s228.html
 第1幕〜第3幕1場までは、「├」の形をした壁がさまざまに回転して、ガーター亭の内部および前庭、フォード邸の前庭および広間に変化する(上三分の一ほどは、第3幕第2場まで共通して「L」字型の壁)。僕は場面転換のたびに「へぇー」とも「ほぉー」ともつかない声を上げて感心してしまった。床には、あたかもエッシャーの絵画にあるような、菱形の幾何学的模様。これが、ちょっとした錯視効果を生み出していて、舞台の奥行きを広く感じさせていた。3階席から見下ろしていたせいか、床の模様がずいぶん気になってしまった。
 歌手は、ほぼ全員が素晴らしく、穴はなかったんじゃないかしら。とくに良かったのは、やはりヴァイクル。演奏も覇気があって良かったと思う。とくに僕の座っていた席からは、金管がよく見えたしよく聞こえたせいか、非常に勢いのよい演奏だと思った。

10さーじょん:2004/06/27(日) 22:08
 演出は、これまで観た映像ソフト(アバド盤、カラヤン盤など)に比べると、個々の歌手の動きを抑えていたような気がする。第1幕第1場とか、バルドルフォとピストーラを追い出すまで、ファルスタッフはずーっと椅子に座ったまんまだったし、第1幕第2場でも、バルコニーを効果的に使って上下に広がりを見せたカラヤン盤に比べると、少しこぢんまりしてた印象は否めない。
 以下、個別の場面ごとに、思い出すままに演出の感想を列挙しよう。
 第1幕第1場、「名誉とは何ぞや」とファルスタッフが演説する場面、および、第3幕フィナーレの、一斉に休止する場面では、プロンプターを効果的に使っていた。とくにフィナーレで、スコアを出して見せたところは、吹き出してしまった。
 第2幕第1場、フォンターナ(=フォード)とファルスタッフのやり取り。ここがいちばん「動き抑え気味かなあ」と思ったところ。二人ともほぼ定位置から動かないままで会話が進んでいく。アバド盤では、「2時から3時の間にファルスタッフと自分の妻が密会」という事実を知ったフォード(ヌッチ)が、いかにも茫然自失といった表情に変わる。アバド盤でいちばん面白かったのはここだけど、今回はそれほど面白い場面ではなかった。

11さーじょん:2004/06/27(日) 22:08
 第2幕第2場、ついたての後ろに隠れた間男を追いつめる場面。めっちゃ面白かったのは、家来のうちの一人が、ファルスタッフが洗濯籠の中に隠れているのを見つけて、必死でみんなに伝えようとするが、みんなは取り合わないでついたてに迫っていく、っていう演出。これちょっと、ドリフとか吉本に近いノリだと思いました。
 第3幕第1場、演奏が始まる前、オーケストラピットの打楽器の前に何かいるなあと思って観ていたら、ファルスタッフだった。ハシゴで舞台に上っていく=川岸からずぶ濡れになって上がってくる、っていう設定。ブーツに入った水をぶちまけたのは、観客にも受けてました。
 第3幕第2場。ここだけは、それまでの舞台装置とは変わり、大きな木が何本か舞台に置かれている。この場面は全体として、それほど奇を衒ったわけでもなく、うまく演出されていたと思うけど、一つ残念だったのは「pizzica, pizzica...」の下りが動きが少なかったこと、かな。

12さーじょん:2004/06/27(日) 22:08
 ヴァイクルの歌、この前聴いたブレンデルよりも良かったと思う。CDとかDVDだけではわからなかった、この人の声の「包容力」を実感しました。前半では少し「皮肉屋」的な歌唱と演技だと思ったのですが、第3幕冒頭の詠唱は、さすがに素晴らしかったし、それ以降は、尻上がりに調子が良くなっていった気がします。これまでヴォルフラムとかザックスとかの印象しかなかったけど、新たなヴァイクルを発見して、とてもうれしかったです。上ではさんざん「動き抑え気味」なんて書いたけど、決して悪い演技ではありません。むしろ芸達者ぶりに感心したというのが本音です。
 あと立派な声だなあと思ったのは、こないだのマクベスでバンクォー歌ってた妻屋秀和(ピストーラ)。その他の歌手も、上に書いたように総じて調子が良かったと思います。

13さーじょん:2004/06/27(日) 22:08
 まとめて言うと、観客も出演者も、みんなが幸せになって帰っていった公演だったと思う。カーテンコールに出てきた歌手も指揮者も、みんなイイ顔してたよなあ。公演の素晴らしさと作品それ自体の素晴らしさ。さすがにヴェルディ最後の作品だけのことはある。ドナルド・キーンが書いたとおりだと思う。
 「あらゆる作曲家のなかでシェイクスピアにいちばん近いのはヴェルディである。かれが『オテロ』と『ファルスタッフ』を作曲するのを、最晩年まで待っていたのは、われわれにとって何と幸運なことだったろう。……シェイクスピアを改作するヴェルディの才能は、『ファルスタッフ』において、もっともめざましくあらわれている。かれはシェイクスピアのもっとも面白くない劇のひとつを、ウィットと繊細さの軌跡に変質させてしまったのだ」『ドナルド・キーンの音盤風刺花伝』197〜199ページ。

14さーじょん:2004/06/27(日) 22:09
 その他にもこの作品については、いろいろと書かれている。
 「私はヴェルディを、南の国で生まれたモーツァルトの弟子ととらえることがある。とくに『ファルスタッフ』はモーツァルトが書いたかのように演奏すべきだろう」『ショルティ自伝』8ページ。
 「アリーゴ・ボーイトは、シェイクスピアの『ヘンリー4世』の中の着想と台詞を、その形と効果をわがものにしようと彼のリブレットの中に取り入れた。ヴェルディの音楽は、この元来はイギリス人だったファルスタッフを南国風の感覚の衣装でくるみ、ヨーロッパの文化の中心に根付かせて一級の芸術的な人物像に仕上げたのである。それは本当に20世紀のオペラの中でも最も優れたものだと思う。……独自の野心を持った演出家にとっては、当然ながら、やっかいな代物だった。なぜんらヴェルディは舞台の様子を考えただけではなく、ほとんど、どのような指の動きも作曲していたからである」『自伝フィッシャー=ディースカウ──追憶』233〜234ページ。
 でもやっぱり、最後に拍手を送り、感謝を捧げるべきは、作曲者だということなんだろうな。
 「この歌劇は私として最後のものになろう。私はこれを私だけの楽しみのために書きたい」G・ヴェルディ。

15さーじょん:2004/08/31(火) 02:17
ハイティンク指揮1999年コヴェント・ガーデン公演
http://www.opusarte.com/pages/ViewProduct.asp?ProductID=62
http://www.pleiades.co.jp/s_cross/c2pag181.htm
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00005Q783
http://www.amazon.com/exec/obidos/ASIN/B00005Q783
 「ハイティンクだし、コヴェント・ガーデンだし、普通だろうなあ」と思い込んでいたDVD。「影のない女」で立派な声を聴かせてくれたターフェル目当てに観てみたが、事前の予想は大外れ。何よりも、装置と衣装の色づかい、そして演出が素晴らしい。よく知ってる作品のはずなのに、「次は何が起こるんだろ?」ってワクワクしながら観ていた。
 ある人が、「退屈させないためにはタマにパンツ脱がないといけないんだよね。みんなに、いつ脱ぐんだろと思わせればしめたもの」と言っていた。なるほど納得。
 形容のしようがないが、強いて言えば手塚治虫の「上を下へのジレッタ」に近いかな。あるいはテリー・ギリアムのアニメの世界をもうちょっと陽気にした感じ、かな?
 それにしてもフリットリ、○○○○がイイね……。

16さーじょん:2004/12/06(月) 06:56
プリッチャード指揮1976年グラインドボーン音楽祭のDVD
http://db.geneon-ent.co.jp/search_new/show_detail.php?softid=283025
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0000V4O42
 同じくグラインドボーン音楽祭の「フィガロの結婚」と同様に、作品のもつ魅力それ自体を存分に味わえるDVDです。
 名前に馴染みがあるのはラクソンくらいで、スター歌手は出ていません。いちばんのスターは演出のポネルでしょう。ポネルはたいていそうですが、十分に「ト書き」の範囲内でありながら、意外性というか楽しませてくれる箇所もふんだんにあります。いちばん感心したのは、第1幕第2場のナンネッタとフェントンがいちゃつく場面を影絵にしたことです。これまで冗長だと思っていた場面ですが、このDVDでは退屈することなく観ることができました。
 歌手では、エリザベス・ゲイル(ナンネッタ)がいちばん印象に残りました。僕的には、声質・歌唱・容姿ともにルチア・ポップの雰囲気を感じさせる(けど○っ○ゃ○ではない)、ちょっと好みのタイプですね。かなり強調されていたタ○マにばかり目が行ってしまいましたが。。。
 不覚にも最後のフーガでは、ちょっと感動してしまった。やはり作品それ自体に感動したというところでしょうか。

17さーじょん:2005/03/26(土) 01:51:18
>>2のCD、バーンスタイン指揮1966年録音鑑賞。
ショルティ盤とちょこっと聴き比べて、改めてテンポの速さを確認。やはり歌手陣ではF=ディースカウが圧倒的によい。以前は(今でも)オペラのCDを聴いても、オケの違いなんてほとんど分からなかったけど、最近少しは、「ウィーン・フィルとほかのオケの違い」くらいは何となく分かってきた気がする。持っているオペラのソフトの、5分の1はウィーン・フィルだから、当然のことといえば当然のことなんですけどね・。このCDとかhttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/music/7336/1074176301/31のマイスタージンガーなんかは、いかにもウィーン・フィルらしい演奏ではないかしら?

18大年増 ◆kEpdXOPERA:2005/07/12(火) 18:46:02
>>4
まあ〜〜〜何ということを言ってるの??? モノとかステレオとか音質とかを完全に
超越したToscaniniの奇跡的な棒さばきを楽しむ最高の録音ですわよ!

19さーじょん:2005/07/13(水) 00:30:59
>>18
げっ!大年増様にとんでもない書き込みを見られてしまった!!!!!
歴史的録音、というと、E・クライバー「ばら」は許容範囲で、クナ「指環」も音質は悪いけどライブの熱気があるからまあよし、なのですが、どうしてもトスカニーニ盤って、敬遠しちゃうんですよ。。。これとか、「Ballo」とか・・・
今度時間のあるときに、心を入れ替えてオケに「注耳」して聴き直してみます。でもって、反省文書きます。。。。

20大年増 ◆kEpdXOPERA:2005/07/13(水) 00:44:22
>>19
ただし、歌手は結構しょぼいですわ。

21女工ミミ:2005/09/25(日) 18:27:39
>>19
『オテロ』の項でも書きましたけど、トスカニーニのNBCものは、どうもオケの統率が
厳しすぎて、"カッチリ枠に嵌められている(板じゃいい意味になっちゃうじゃんよ…)"
感が強くてどうもなじめないんですよねえ。この『ファルスタッフ』だと特に。恐らくは
この作品の喜劇としての側面に囚われすぎだからかもしれませんが、もう少し遊びが
欲しいんですよ。それにヴァルデンゴって、どうも歌い回しが鈍くって、嫌いなバリトン
なんですよねえ…。
そーゆー不満を解消してくれるのは矢張りトスカニーニの37年ザルツライヴでしょう!
ここでは活力もあれば遊びもある、生きた会話劇にそのままメロディーを付けたような
理想的な『ファルスタッフ』が聴けます!スタービレのタイトルロールもやや高めの
音メインの歌い口で自在なアチャラカおじさん振りを聴かせてくれますし。

…まあそれでも、サバタのスカラライヴには敵わないんですけどねえ…。
それとこのトスカニーニザルツとサバタスカラ、音質は推して知るべしですし…。

22女工ミミ:2005/09/25(日) 18:31:16
そーゆー不満を解消してくれるのは矢張りトスカニーニの37年ザルツライヴでしょう!

同じトスカニーニでも37年ザルツライヴなら一切そんな不満はありません!

…じゃないと文の通りがおかしいなあ。ごめんなさい。

23さーじょん:2005/12/29(木) 03:02:46
1992年10月収録メトロポリタン歌劇場公演(レヴァイン指揮、ゼッフィレルリ演出)
DVDを観る。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0000BHXLS
http://www.hmv.co.jp/product/detail.asp?sku=1957862
 女声陣が充実しています。フレーニ、ホーンの「二大おばさん」、歌唱・演技ともに流石としか言いようがありません。ボニーがこれまで観た映像ソフトからは想像できないくらい可愛らしい! 男声陣では、プリシュカが予想以上に表題役にはまっています。そして何よりも、期待を裏切っての素晴らしい出来栄えなのは、レヴァインの指揮です。僕はジュリーニやムーティよりも好きです。よくよく考えれば、レヴァインの音楽的特質にぴったりはまる作品なのではないかしら?

24さーじょん:2006/04/26(水) 00:20:09
>>4トスカニーニ盤鑑賞。
 トスカニーニというとどうしても、「オケの音が一つに聞こえる統率力」という先入観をもって聴いてしまうわけですが、このCDに関しては、むしろダイナミックさのほうが印象に残ります。とはいえ、録音のおかげで、第1幕1場の幕切れとか、フィナーレのフーガの直前のファンファーレとか、おそらくは「鳴らしまくってる」であろうと推察される箇所でも、リミッターがかかっているように聞こえるのは、残念な限りですが。
 第1幕2場の大詰めでも、いわゆる「タテの線」がはまっているのかどうかも、この録音では判定しづらいですね。それにしても、この場面ってどの演奏で聴いても素晴らしいなあ。女声陣は三連符で歌い、男声陣は16分音符で歌うという、ただそれだけのことなんですけど、音楽的な効果は抜群です。周りが8分音符、16分音符で動いてるときに三連符をのせると、想像以上に揺らぎが出るんですね。そういえば、カリビアンのリズムパターンで、こんな組合せがあったような気がする。やっぱヴェルディは侮れないなあ。

25さーじょん:2006/09/24(日) 03:52:54
9月18日(月・祝)、東京文化会館にて、フィレンツェ歌劇場公演鑑賞。
 ルカ・ロンコーニ演出、フランコ・バルッツェッティ再演演出、ズービン・メータ指揮、フィレンツェ5月音楽祭管弦楽団・合唱団。
 ルッジェロ・ライモンディ(ファルスタッフ)、マニュエル・ランツァ(フォード)、ダニール・シュトゥーダ(フェントン)、カルロ・ボージ(医師カイウス)、ジャンルーカ・フローリス(バルドルフォ)、ルイジ・ローニ(ピストラ)、セレーナ・ファルノッキア(アリーチェ)、ジェンマ・ベルタニョッリ(ナンネッタ)、エレナ・ジーリョ(クイックリー夫人)、ラウラ・ポルヴェッリ(メグ)。
フィレンツェ歌劇場  http://www.maggiofiorentino.com/

26さーじょん:2006/09/24(日) 03:54:03
 (当然ながら)第1幕1場、第2幕1場、第3幕1場のガーター亭のセットは共通です。舞台よりもさらに高く、2階くらいの高さに、ファルスタッフの部屋がつくられています。どう説明したらよいのか、壁にでっかくぶち抜いて、ファルスタッフの部屋を覗き見しているような状況でしょうか。第1幕2場は、ガーター亭の場面と同様、2階くらいの高さに、緑の芝の庭園です。この場面は緑色がとても綺麗でした。
 第3幕1場から2場への移行は、ファルスタッフのベッドのみを残して、セットが割れて、公園の木々があらわれるという趣向でした。この転換は本当に、ため息が出るくらい、見事だったと思います。
 演奏・歌唱とも、とても覇気があって、最後まで飽きずに楽しみました。メータの指揮、確かに大味で、たとえば第3幕2場ナンネッタの「妖精の歌」のように、もっと繊細であってほしい場面はたくさんありましたが、元気のないオケでファルスタッフを聴かされるよりは、相当マシでしょうね。少なくとも、昨年のバイエルン国立歌劇場引越公演とは、見違えるような出来だったと思います。
 歌手陣は、多少「えっ?」と思ったのはフェントンですが、総じて出来が良かったと思います。中でも「弾けまくり」のライモンディが素晴らしかったですね。

27さーじょん:2007/04/01(日) 09:11:19
ショルティ指揮1963年録音。
http://www.amazon.co.jp/dp/B000787WWE
http://www.amazon.co.jp/dp/B00000E383
http://www.hmv.co.jp/product/detail/1500339
 爆演です。とくに冒頭、笑っちゃうくらいです。「ワルキューレ」かと思うくらいです。そういえば録音は「指環」と同時期です。歌手ではシミオナート女史、「至芸」としか言いようがありません。
 エヴァンス、大きな役を歌っているCDは、これとカラヤン盤「マイスタージンガー」http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/music/7336/1074176301/2しか持っていなくて、しかもベックメッサーは(おそらく指揮者の指示によるものか)ずっと鼻にかかった声で歌っているので、実質はこれのみでしか聴いたことがありません。音域によっては、メリルと声が似ている印象もあって、二人のカラミの場面とか、どっちの声かわからなくなる瞬間がありました。そういえばメリルって、ファルスタッフを歌ったことはあったのでしょうか。歌っていてもおかしくはないとは思いますが……。

28さーじょん:2007/06/17(日) 14:02:46
6月16日(土)、新国立劇場にて>>6-13の再演鑑賞。
 ジョナサン・ミラー演出、ダン・エッティンガー指揮、東京フィルハーモニー管弦楽団、新国立劇場合唱団。
 アラン・タイタス(ファルスタッフ)、ウォルフガング・ブレンデル(フォード)、樋口達哉(フェントン)、セレーナ・ファルノッキア(アリーチェ)、中村恵理(ナンネッタ)、カラン・アームストロング(クイックリー夫人)。
公演概要・公演記録↓
http://www.nntt.jac.go.jp/season/updata/10000061.html
http://www.nntt.jac.go.jp/frecord/updata/20000017.html
 前日観たばらの騎士http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/music/7336/1081170028/31-37がとても素晴らしく、できればいつまでも余韻に浸っていたかったので、こちらは開幕してしばらくはいま一つ集中できませんでした。が、おわってみればこちらもとっても楽しい公演でして、やっぱファルスタッフは良い作品だと改めて感じ入りました。

29さーじょん:2007/06/17(日) 14:03:25
 最も印象に残ったのは指揮です。タイタスもブレンデルもかなり声量があるので、たとえば二人の場面などは遠慮なく鳴らしていましたが、ナンネッタの妖精の歌の場面では、本当に繊細な音を出していました。終演後お茶をご一緒した知人の方が「やはり、こういうの聴いてしまうと、>>25-26のメータはダメだったんだなあと、改めて気づかされる」と仰ってました。「オケの力量はフィレンツェのほうが上だろうけど、それでもこっちのほうが良いってのは、やはり指揮の違いだよねー」とも。まったく同感でした。
 歌手では表題役がたいへんな健闘でした。初演のヴァイクルよりも、「若さ」がありました。あと最近伸長めざましいナンネッタ。妖精の歌がよかったなー。フィレンツェのときもアリーチェを歌っていたファルノッキアですが、う〜ん、印象に残るほどではなかったなあ。不満が残ったのはクイックリー夫人。声が衰えてるのでしょうかね。
 それにしても新国立劇場、演劇でもバレエでも、最近良い公演が続いてるなあ。。。

30さーじょん:2008/08/06(水) 01:55:14
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/music/7336/1079223444/30に引き続いて、>>4>>24のトスカニーニ盤です。
こういう、管弦楽が複雑に絡み合っているような作品では、トスカニーニの特性が本当の良い方向に出ていると思います。やっぱりこれが決定盤になりつつあるなあ。

31さーじょん:2009/02/14(土) 10:38:24
ジュリーニ指揮1982年実況録音。
http://www.amazon.co.jp/dp/B000P6RAWA
http://www.hmv.co.jp/product/detail/2529445
http://www.amazon.co.jp/dp/B000001G4L
http://www.hmv.co.jp/product/detail/1478441
 コヴェント・ガーデン公演の映像と同じキャストですが、さすがに「手兵」のロスアンジェルス・フィルですから、音が活き活きとしていて、本当にこのオペラに良く合う響きです。うむ、やはり名盤ですね。

32さーじょん:2010/09/16(木) 14:01:26
カラヤン指揮・演出1982年ザルツブルク音楽祭公演のDVD
http://www.hmv.co.jp/product/detail/402700
http://www.hmv.co.jp/product/detail/838236
今月は多少、オペラのDVDをじっくり観る時間もあります。というわけで、やはりこの作品を観て景気をつけたいところです。最近になってようやく、素直に「カラヤン、えぇな〜」という聴き方もできるようになってきました。アンサンブルの完成度はさすがですね。

33さーじょん:2015/12/12(土) 19:36:34
12月12日(土)新国立劇場にて>>6-13>>28-29の再々演鑑賞。
ジョナサン・ミラー演出(再演演出:三浦安浩)、イヴ・アベル指揮、東京フィルハーモニー交響楽団。
ゲオルグ・ガグニーゼ(ファルスタッフ)、マッシモ・カヴァレッティ(フォード)、吉田浩之(フェントン)、アガ・ミコライ(アリーチェ)、安井陽子(ナンネッタ)、エレーナ・ザレンバ(クイックリー夫人)。
公演詳細・初日舞台写真
http://www.nntt.jac.go.jp/opera/performance/150109_006148.html
http://www.nntt.jac.go.jp/enjoy/record/detail/151203_007863.html

34さーじょん:2015/12/12(土) 19:36:56
 久しぶりに観ますが(ていうかここ数年オペラの頻度下がっているので、ほとんど「久しぶり」ばかりだけど)、やはり名作です。作品それ自体を堪能できた好演でした。指揮者は、多少経験不足なのか、やや足並みが乱れるところや、声をかき消して鳴らしてしまうところもあったものの、僕的には許容範囲で、全体としてはきちんとまとめていたという印象です。
 他方で歌手の演技に関しては、もっと「ハジけて」もよかった気もします。演出家が来ない再演って、演技に関してはどうしても温度が低くなりがちですね。

35さーじょん:2019/01/04(金) 18:36:00
2018年12月15日(土)新国立劇場公演鑑賞。>>6-13>>28-29>>33-34の再演。
ジョナサン・ミラー演出(再演演出:澤田康子)、カルロ・リッツィ指揮、東京フィルハーモニー交響楽団。
ロベルト・デ・カンディア(ファルスタッフ)、マッティア・オリヴィエーリ(フォード)、村上公太(フェントン)、エヴァ・メイ(アリーチェ)、幸田浩子(ナンネッタ)、エンケレイダ・シュコーザ(クイックリー夫人)。
公演詳細・初日舞台写真
https://www.nntt.jac.go.jp/opera/falstaff/
https://www.nntt.jac.go.jp/enjoy/record/detail/37_013235.html
当日の僕の書き込み
https://www.facebook.com/hogehoge2005/posts/1471592582974347

36さーじょん:2021/01/18(月) 01:38:04
何となく思い立って、>>31 のジュリーニ盤、クルマでのお出掛けのBGMに流し聴き。
歯切れが良くて、イイねぇ。1983年のレコード・アカデミー賞ですわね。
https://www.ongakunotomo.co.jp/m_square/record_academy_total/1983.html

37さーじょん:2021/08/01(日) 14:03:06
2021年7月17日(土)東京二期会公演@東京文化会館。
ロラン・ペリー演出、レオナルド・シーニ指揮、東京フィルハーモニー交響楽団。
黒田博(ファルスタッフ)、小森輝彦(フォード)、山本耕平(フェントン)、大山亜紀子(アリーチェ)、全詠玉(ナンネッタ)、塩崎めぐみ(クイックリー夫人)。
公演概要
http://www.nikikai.net/lineup/falstaff2021/index.html
ゲネプロレポート
https://ebravo.jp/archives/94922
ビックリカイダンハウス フォード邸
https://twitter.com/nikikai_opera/status/1416708858144169988

38さーじょん:2021/08/01(日) 14:04:01
僕が観に行った日のカーテンコール
https://twitter.com/nikikai_opera/status/1417089939288715265
当日の僕のアルバム
https://www.facebook.com/hogehoge2005/posts/2358595177607412
初日(7/16)は公演関係者に感染者が出て、残念ながら公演中止。その日の夕方に携帯に(チケット販売業者から)電話。できるだけ手短に「承知しています」とだけ返事して終えたが、すべてのチケット購入者に一人一人電話しているとしたら、途轍もない手間だよね。

39さーじょん:2021/08/01(日) 14:06:57
公演中止の瀬戸際を乗り越えての上演。演出・装置・衣装が面白かった!!! 現代風の衣装で、バルドルフォとピストーラはストリートギャング風。フォードは何故かサラリーマン風スーツにメガネ、スダレはげ。最初の登場で「え?何この出で立ち!?!?!?」と思ったけど、第2幕第1場後半と第2幕第2場後半で、大量の「フォードの分身」が登場してナットク!!! 「マトリックス」か「マルコヴィッチの穴」みたいな感じ。
歌唱はバラつきはあったもののトータルとしては満足できる水準。指揮・オケは、元気があってヨカッタのですが、やっぱりお若い方かな、と思うのは一つ一つのパートの音の「分離」があまりよろしくなくて・・・。https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/music/7336/1073745535/49-52 のヴァイグレって、やっぱり格が違う、って感じだったんだなぁ・・・。

40さーじょん:2021/08/01(日) 14:53:06
落語やら芝居やらオペラやらの観賞記録書いてるうちに、ショルティ指揮1993年ライブ盤、聴き終えてしまいました。
http://www.hmv.co.jp/product/detail/ 5309234
https://www.amazon.co.jp/dp/B00000E587
https://www.amazon.co.jp/dp/B00005FKJO
>>27から30年後、ベルリン・フィルとのライブ録音です。元気の良さ、歯切れの良さは>>27とも共通ですが、そこに「円熟」が加わった感じですね。

41さーじょん:2021/08/01(日) 17:15:55
>>40のhmvのリンク、貼り直し。
http://www.hmv.co.jp/product/detail/5309234

42さーじょん:2023/02/26(日) 22:24:19
(画像のみ・非公開)

2023年2月12日(日)新国立劇場公演鑑賞。>>6-13>>28-29>>33-34>>35の再演。
ジョナサン・ミラー演出(再演演出:三浦安浩)、コッラード・ロヴァーリス指揮、東京交響楽団。
ニコラ・アライモ(ファルスタッフ)、ホルヘ・エスピーノ(フォード)、村上公太(フェントン)、ロベルタ・マンテーニャ(アリーチェ)、三宅理恵(ナンネッタ)、マリアンナ・ピッツォラート(クイックリー夫人)。
公演詳細・初日舞台写真
https://www.nntt.jac.go.jp/enjoy/record/detail/37_024899.html
僕のFacebook投稿
https://www.facebook.com/hogehoge2005/posts/pfbid02CMKH2EpRkaDfYE6La8m6YASJHCCTYfj2H4uPu6z1yWnqtBxDiG1WQGrVe6WMoed8l

43さーじょん:2023/02/26(日) 22:25:50
同じ演出で5回目の鑑賞・・・ですが、何回観ても飽きない。やはり作品それ自体をとっても楽しめる演出。加えて今回は、過去60回以上歌っているという表題役がまさに「堂に入った」と言うべき演唱!!!
オケに関しては「う〜ん、ワーグナーぢゃないんだから・・・」と思えるくらい、鳴らし過ぎな場面も。でも、まぁ「ファルスタッフだから、これくらい元気があっても、いいかもね〜」という感想。
日本人歌手勢ではナンネッタとフェントンの若いカップルが好演! 改めて聴くと、第3幕2場のナンネッタの「妖精の歌」名曲ですね。妖精が浮遊しているさまが、音楽で見事に表現されているのね。(今さら僕が言うことじゃないけど)流石ヴェルディ、巨匠だわぁ〜。

44さーじょん:2025/02/02(日) 22:16:54
2025年2月2日(日)藤原歌劇団創立90周年記念公演 @東京文化会館
岩田達宗演出、時任康文指揮、東京フィルハーモニー交響楽団、藤原歌劇団合唱部。
押川浩士(ファルスタッフ)、森口賢二(フォード)、清水徹太郎(フェントン)、石上朋美(アリーチェ)、米田七海(ナンネッタ)、佐藤みほ(クイックリー夫人)。

公演概要↓
https://www.jof.or.jp/performance/2502-falstaff-tokyo

当日の僕の書き込み&リンク↓
https://www.facebook.com/hogehoge2005/posts/pfbid07WAs9TcV8VjiuVJsNG48hq2S2NwWvyXkg3xRcqEDJQjfsyK2APUKR7XikDS8uKEHl

45さーじょん:2025/02/02(日) 22:17:32
NwWvyXkg3xRcqEDJQjfsyK2APUKR7XikDS8uKEHl

運良く5階の最安席が取れたという理由で聴きに行った公演。最近の国内オペラ団体の公演はあまり感心しないことが多いし、演出家も好みではないし・・・というワケで期待値を下げて臨んだのですが、結果として歌唱・オケ・演出すべてが好水準で、なかなかの良演でした。
とくに気に入ったのは指揮&オケですが、SNSなどでは「まじめ過ぎでは?」などの評価も。う〜ん、言われてみれば遊びの要素は少なかったけど、まとまっていたし元気もあったし、ヨカッタんでないかい。

46さーじょん:2025/02/02(日) 22:18:07
演出についても(いつもと違って)装置にもおカネ掛けたのか、この作品らしい「楽しさ」は十二分でした。ただし「この演出家、コメディの演出イマイチ」という以前からの評価を変わらず。何かね〜、余計なくすぐり入れて、芝居の流れを失速させちゃってる気がしてるんだけど、ねぇ。
第3幕2場、ナンネッタの妖精の歌やフィナーレのフーガでは、不覚にも落涙。双方ともにやっぱり名曲だわぁ〜。トータルとしては(この作品をナマで観るといつも思うことだが)作品それ自体の素晴らしさをたっぷり堪能した公演でした。


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