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ジークフリート

1さーじょん:2004/01/31(土) 23:10
台本/作曲:リヒャルト・ワーグナー(1813-1883)
初演:1876年、バイロイト

2さーじょん:2004/03/07(日) 12:42
 「かつてのコヴェント・ガーデンの〈指環〉のチクルスは,〈ジークフリート〉で締めくくられていたものだが,あれなど,なかなか理にかなったやり方だった」(ヒュー・ヴィッカーズ著,井口百合香訳『珍談奇談 オペラとっておきの話』ON BOOKS,音楽之友社,1982年,64ページ).
 これは同感.ハッピーエンドで終わったほうが,聴く側の精神衛生上はよろしいと思う.通しで見ると,未だに「なぜブリュンヒルデが我が身を生け贄にする必要があったのか? 指環をラインに返してお仕舞いではないのか?」という疑問が湧いてきてしまう.

3さーじょん:2004/04/09(金) 02:14
しかし、バイエルン盤DVD、ルネ・コロのジークフリートって、
何回観ても飽きないなあ。歌の情感もさることながら、
僕はこの人の、歌うときの表情がすげー好き。

4さーじょん:2004/04/09(金) 02:16
だから、↓のコロ評には、賛否両論って感じ。
http://1876.net/wagner/essay/es_siegfried.htm

5さーじょん:2004/04/10(土) 02:54
 >>4のリンク先とか、http://www2.nkansai.ne.jp/users/n_dim/wagner/keka1.htmとか見ると、ジークフリートは、どうやら指環の中でも人気のない作品みたい。僕は結構好きなんだがなあ。
 指環の登場人物の中で、美しく朗らかな旋律は、ジークフリートが一手に引き受けているみたいなところがあると思う。第1幕の「春には小鳥たちが喜びにあふれてさえずり、1羽がもう1羽を誘う……」とか、第2幕の母を想って歌う詠唱とか、もちろん、第1幕の「鍛冶の歌」も、(コロの歌で聴く限りは)われを忘れて引き込まれてしまう。指環通して聴いても、これほど昂揚する場面は他にないと思う。

6さーじょん:2004/04/10(土) 13:02
第3幕でブリュンヒルデの鎧をはずして、「怖いよ〜、おかぁーさーん、助けてー」と歌うあたりも好きだなー。中島らもによれば、かのジャイアント馬場も窮地に際しては「おかぁーさーん」とアタマの中で叫んでいたらしい。これは、洋の東西を問わないのか???

7さーじょん:2004/05/13(木) 01:19
 http://jbbs.shitaraba.com/bbs/read.cgi/music/7336/1075558224/8に引き続いて「独りチクルス」第2夜。バイエルン盤DVD。
 ルネ・コロに始まりルネ・コロに終わったジークフリートであります……って当たり前か。
 http://jbbs.shitaraba.com/bbs/read.cgi/music/7336/1074176301/2で取り上げたマイスタージンガーの解説書では、当時33歳のルネ・コロについて「まだ荒削りだが、素晴らしい」的な書き方だった。それから20年、本質的には変わってないと思う。決して、緻密に歌う方向には進まずに、豪快というか、奔放というか、情熱的というか、細かいところこだわらないで勢いで歌っていくように聞こえる。とはいえ、歌自体は上手いしなあ・・・そこが非常に魅力的。

8さーじょん:2004/05/13(木) 01:20
 演技も素晴らしい。活発ではあるが、メト盤のイェルザレムのように動き過ぎていない。
 イェルザレムは、動き過剰だと思うよ。とくに「ラインの黄金」のローゲは、火の神のヘンな衣装に身を包み、ヨダレ撒き散らしながらやたらと動き回る・・・ちょっと、どうなんでしょ?
 >>3にも書いたように、コロは表情もいい。今後、僕自身が何セットの指環を聴くことになるのか、予想はつかないけど、ジークフリートは、これが不動のマイベストであり続けると思う。

9さーじょん:2004/05/13(木) 01:20
 バイエルン盤DVD、エルダの登場する場面の演出は、二つとも好きだな。ラインの黄金では、ヴェールに身を包んであたかも空中に浮かんでいるかのように登場する。ジークフリートでは、顔の形をした岩場で、赤みがかったオレンジ色の光りの中に登場する。ハンナ・シュヴァルツの歌も素晴らしい。
 あと、場面転換にいろんな登場人物のバストアップの表情を挿入している箇所があるんだけど、映像演出としては成功していると思う。
 しかしあれだ。寝っ転がって鼻毛抜きながらのチクルスは楽だなあ……実演は1つも観たことないから比較できるわけじゃないけど。。。
 明晩か、明後日の晩には「黄昏」観る時間ありそうだ。どうもいかんね。「ラインの黄金」観始めると、早く一通り観たくてしようがなくなる。昼間の仕事も手につかないくらいだ。世の中になぜあれほど多くの「ワグネリアン」がいるのか、最近になってちょっとだけ理解できるようになった。

10さーじょん:2004/05/23(日) 12:32
HMVからシェロー&ブーレーズのDVD届く。観るのはおそらくかなり先のことだろうな

11さーじょん:2004/09/20(月) 18:49
http://jbbs.livedoor.com/bbs/read.cgi/music/7336/1075558224/17に引き続いての独りチクルス。ショルティ盤CD鑑賞。
 圧倒的にさすらい人が登場する二つの場面(第1幕中盤、第3幕前半)がよいですね。ホッターの歌がよいのか、楽曲時代がよいのか、よくわからないが、とにかくこの二つの場面がよい。
 残念ながらヴィントガッセンのジークフリートは、コロに比べてしまうと、僕好みではないなあ。いうまでもなくイェルザレムよりははるかにイイと思うけど。僕はどうも、ワーグナーのテノールでも、どちらかというと包み込むような豊麗な声のほうが好きみたいだね。
 それにしても、幕切れの二重唱のゴージャスなこと。これ聴いてると、何となく「アンドレア・シェニエ」思い出しちゃった。しかし何とまあ、お目出度い二重唱だこと……。このあと、あの重苦しい「黄昏」を聴くのかと思うと、ちょっと憂鬱にさえなってきますね。

12さーじょん:2004/12/05(日) 13:15
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/music/7336/1075558224/22に引き続いて、レヴァイン+メトDVDチクルス。ワルキューレからえらく間が空いてしまったし、なぜか3幕を見通すのに時間がかかってしまった。。。
 初めて観るわけではないのだが、今回の鑑賞では、管弦楽が雄弁という印象が強かった。他の演奏の「ジークフリート」と比べてもそうだし、レヴァイン+メトの他の3作品と比べてもそんな気がする。案外と、レヴァインにとっては得意な作品なのかしら?
 表題役のイェルザレムは、どうしてもコロと比べると、満点は上げられませんね。ツェドニクは圧倒的に上手い。あと、このDVDでもさすらい人が中心になる2つの場面(第1幕中盤、第3幕前半)がよいです。モリスも迫力あります。声質が、ホッターやヘイルにくらべて「神々しさ」では劣ると言えなくもありませんが。
 あと、今回初めて気が付いたけど、第2幕後半、ミーメがジークフリートに毒を飲ませようとする場面、何回となく小鳥が警告しているんだね。イェルザレムの表情が変わったので、ようやくわかった。

13さーじょん:2005/01/29(土) 05:58:41
 http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/music/7336/1075558224/23-24に引き続いて、ヤノフスキ盤チクルス。4日間かけて、第2幕〜第3幕前半は通勤電車の中で聴く。
 >>7-9同様、やっぱりルネ・コロが素晴らしいですね。鍛冶屋の歌も、欲望の洞窟の前でのモノローグも、大詰めのブリュンヒルデとの二重唱も、すべて良いなあ。ほとんど滞空することなく聴き通すことができます。この全曲録音自体が、コロのジークフリートを記録に残すために企画されたのではないかとさえ思えるくらい。声に若々しさがあるこのCDと、映像も付いているレーンホフDVDと……甲乙付けがたいなあ。
 シュライアーの参加も嬉しいですね。初めのほうは、あまりにも嗄れ声で歌っていて、ちょっとやり過ぎかとも思うところもあるけど、第2幕のジークフリートに飲み物を勧めるあたりとか、ホントに良いですね。あまりに美声過ぎて、「あれ?ここどういう場面だったっけ?」と思っちゃったけどね。
 アルトマイヤーのブリュンヒルデ、これはこれでアリかなあ……という気もしてきました。大詰めの二重唱、他のCDやDVDでは、ブリュンヒルデの胸にジークフリートが飛び込んでいくイメージだけど、この録音だと、可憐なブリュンヒルデがジークフリートの腕の中に抱かれているイメージですね。

14さーじょん:2005/07/23(土) 01:20:45
 http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/music/7336/1075558224/28引き続いて、通勤電車で4日間かけてクナ57年バイロイト実況録音を聴く。といっても今週は、火・水・木と接待だったので、半分くらいは酔っ払った状態で聴いていたわけだが……。
http://1876.net/wagner/siegfried/knappertsbusch56.htm
http://www.syuzo.com/kna/kna-066.html
 http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/music/7336/1077978608/42には「コロ以外のジークフリートはきつい」なんて無責任なこと書いたけど、このアルデンホフも、悪くないですね。なかなかに「ハンサム」な声だと思います。「若き日のジークフリート」というこの作品の当初のコンセプトからすると、ヴィントガッセンよりもイメージに合うかも知れません。このCDで聴く限りは、ヴァルナイにも歌い負けていません。アルデンホフのジークフリート、キューンのミーメ。この組合せは劇的にかなり面白いと思います。あと、二つのさすらい人登場場面は、やはり素晴らしいです。

15さーじょん:2005/08/20(土) 01:17:37
『珍談奇談 オペラとっておきの話』http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/music/7336/1085282357/8、67〜68ページ。

1937年、ロンドン
コヴェント・ガーデン・ロイヤル・オペラハウス
 ジークフリートの第1幕は、じつに無類な盛上り方を見せる幕である。興奮が徐々に昂まっていき、ある一瞬、爆発的なクライマックスに達する。あの粗野な「ノートゥンク、ノートゥンク」の叫びに、聞く者は皆、なぜか本能的に心を揺さぶられてしまう。同時に、それが誰であれ、悪魔的なパートを歌うテノールへの共感で、胸がいっぱいになってしまうのである(イギリス・ナショナル・オペラのアルベルト・レメディオスに拍手。われらが世代のジークフリート歌手として、明らかに傑出した存在だ)。ヴォータンの槍を破壊する力のシンボルである刀が、目の前で、ゆっくりと鍛えられていくにつれ、次第にじりじりしながら、ジークフリートが、‘So schneidet Siegfrieds Schewert’(「ジークフリートの刀を見よ!」)と叫びつつ、金床をたたき割る瞬間を待つようになる。
 1937年、じつはこのときのジークフリートもラウリッツ・メルヒオールだったのだが、なんということ、彼が刀を振りおろす3秒前に、金床が真二つに割れてしまった。私が知るかぎり、これが最初のケースだが、ライオネル・ソルターによると、その後、同じことがあまりにたびたび起こるので、コヴェント・ガーデンの比較的若い層の聴衆は、もともと話の筋がこうなのだと思い込んでいるそうだ。
 ちなみに、彼等は、ワーグナーのドラゴンが、ほぼ例外なく、片目は点滅させながら、片目は消えたまま現れるのも、ごく当然のことと受け止めているらしい。片目のドラゴンは、片目のヴォータンを投影しているとでも感じるのだろうか、深遠な象徴主義の発露と思いこそすれ、配線のミスとは考えもおよばないと見える。

この記述は、僕自身が生まれて初めて目にした「ジークフリート」の作品評。「無類の盛上り」という表現はいまでも、その通りと思う。

16tsukune☆彡:2005/08/21(日) 23:29:55
今日はジークフリートにじっくりと取り組んでみました。というほど大げさなものではないんですが...^^;
3幕→2幕→1幕という順番に聴いてみたんですが、3幕がかなり劇的なのに対して、2幕はちょっと牧歌的でのどかな感じがしませんか? 1幕は、最初のジークフリートとミーメの対話で躓いてしまっていたんですが、そこをガマン?してさすらい人の場面まで到達すると、その先は案外スンナリと進めました。一通り聴いてみて思ったんですが、黄金とワルキューレで出てきたライトモチーフが複雑にからみあっていて、特に第一幕では前2作をかなり理解していないと、音楽的に追っていくのはかなりキツいように思いました。

ところで、グッドールの英語版リング、アマゾンでストック1となっていたので、弾みで注文しちゃいました。(@_@;) 私はドイツ語は全くできないので、言葉の面では多分そんなに気にならないと思うんですが、言葉が変わると、メロディーに音を当てはめるためにリズムが変ったり音の長さが変ったりすることが結構あるので、気になるとしたらそれぐらいかもしれません。だけど、全体で16時間半かかっているらしいんですが、そうだとすると通常より2時間ぐらい長いってことで、いったいどんな音楽が流れてくるのか興味津々なんです。結果はまたご報告しますね。

17さーじょん:2005/08/23(火) 01:14:15
>>16 tsukune様
>>5にも書いたとおり、指環四部作で、明るく朗らかな要素って、ジークフリートが一手に引き受けているように感じられます。上手い喩えではありませんが、「運命の力」のメリトーネとかトラブーコとかの役回り的な要素があるのではないでしょうか。でもって、もし四部作に「ジークフリート」という作品がなかったら、ただ重苦しく、シリアスな話が続くことになってしまったかも知れません。そういう意味で僕は、「ワルキューレ」と「神々のたそがれ」という二大「大時代劇」の間のワン・クッションではないかと思っています。

18さーじょん:2005/12/25(日) 17:06:09
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/music/7336/1075558224/40-41からだいぶ間が空いてしまったが、シェロー/ブーレーズのバイロイト1980年公演DVD鑑賞。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00005OATO
再発されたDG盤DVD
http://www.deutschegrammophon.com/catalog/product.htms?PRODUCT_NR=0734062
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000935TVI
http://www.hmv.co.jp/product/detail.asp?sku=1078754
 なかなかに寓話的な演出です。第2幕冒頭、アルベリヒとさすらい人がまったく同じ衣装なのも、ちょっと意味深ですし、第3幕冒頭、エルダの登場は、昆虫の繭みたいでちょっとインパクトあります。
 肝心のジークフリートですが、マンフレート・ユングという歌手、http://1876.netで検索かけても、録音が少なく、どういう歌手なのか、僕には手がかりなしです。やはりコロに比べると、歌唱はともかく演技面は、僕的にはちょっと……。
 http://1876.net/wagner/essay/es_siegfried.htmには、「エルンスト・コツープが、この役をマスターできなかった」ことが記されています。また、『ショルティ自伝』227〜228ページには、1983年のバイロイトでは、当初ライナー・ゴルトベルクに依頼したが結局歌詞を覚えられず、マンフレート・ユングが歌ったことが記されています。ジークフリートやヴォータンという役は、歌唱や演技だけでなく、歌詞を覚えられるかどうかも重要なんですね。

19さーじょん:2006/01/22(日) 01:22:11
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/music/7336/1075558224/45-50に続いて、1月21日、ゲルギエフ&マリンスキー・オペラ来日公演『ニーベルングの指環』第2チクルス第2夜、東京文化会館にて。
公演情報↓
http://www.japanarts.co.jp/html/mariinsky2006/index.html
http://www.japanarts.co.jp/html/mariinsky2006/story_siegfried.html
http://www.japanarts.co.jp/html/200601news/index.html
マリンスキー劇場
http://www.mariinsky.ru/en/
http://mariinsky.ru/en/opera/spectacle/siegfried_cypin
 演出構想・演出監督・指揮:ワレリー・ゲルギエフ、演出構想・舞台美術:ゲオルギー・ツィーピン、マリンスキー劇場管弦楽団。
 レオニード・ザボジャーエフ(ジークフリート)、ヴァシリー・ゴルシュコフ(ミーメ)、エフゲニー・ニキーチン(さすらい人)、エデム・ウメーロフ(アルベリヒ)、ミハイル・ペトレンコ(ファフナー)、ズラータ・ブルィツェワ(エルダ)、ミラーナ・ブターエワ(ブリュンヒルデ)、ジャンナ・ドンブロフスカヤ(森の小鳥)。
 ヴォータンとエルダは「ラインの黄金」と共通。ファフナーは「ワルキューレ」のフンディング、森の小鳥は「ラインの黄金」のフライアです。

20さーじょん:2006/01/22(日) 01:22:44
 これまで同様、左右と奥、三方を白い壁で囲まれた、閉ざされた空間で、照明によって壁の色が変化します。やはり4体の巨石像が、さまざまな配列で舞台上に置かれます。第1幕は↓こんな感じです。
http://mariinsky.ru/lib/opera/repertoire/zigfrid_big.jpg
上の写真、おそらくさすらい人の登場場面でしょうが、今回はこういう衣装ではありませんでした。↑のほうが面白かったなあ……。
 ジークフリートの登場場面、熊が入ってきますが、雑伎団が使うような、人が入る鉄製の大きな輪に乗ってきます(あれ、何て言うんでしょうね。「うんてい」をぐるっと輪にしたようなやつ……)。鍛冶の場面は、金床は出てこないで、頭部に「ラーメン食べてる小池さん」の髪型みたいな赤いもじゃもじゃをつけたダンサーが登場し、横たえられた巨石像の上で、ジークフリートの歌に合わせて「炎」のように揺れる動きをします。最後の金床を割る場面は、ジークフリートがノートゥンクを一振りすると、炎のダンサーがひれ伏して終わりでした。
 第2幕は↓、ジークフリートの左後ろ、巨石像の上に乗っている塊がファフナーです。
http://www.japanarts.co.jp/html/mariinsky2006/image/sto_sieg_back1.jpg
この場面では、地蔵岩が舞台後方に寄せられて、いかにも「片付けました」っぽく整然と並んでいました。
 さすらい人とアルベリヒが大蛇を起こす登場する場面では、巨石像の傾きが少し変化します。ジークフリートが森の小鳥と会話しようとする場面、はじめは白い服を着てスダレをまとった女性が、フルートを吹きながら登場します。音を聴いていた限りでは、舞台上で本当にフルートを吹いてるっぽかったけど、どうなんでしょ? ジークフリートは自分で葦笛をつくるのではなく、女性からフルートを借りて吹こうとしますが、当然まともな音が出ません。大蛇退治は、4つの巨石像にジークフリートが剣を突き立てて、最後にファフナーを突きます。

21さーじょん:2006/01/22(日) 01:23:22
 第3幕は、当然ながら、ワルキューレ第3幕と同じ。↓の巨石像とは頭部が違っていて、地蔵かロボットの頭を思わせる横長の長方形の頭部でした。
http://www.japanarts.co.jp/html/mariinsky2006/image/sto_walk_back1.jpg
舞台中央に横たえられた巨石像の足下に、横長の棒があったので、何かなあと思っていたら、エルダのかぶり物でした。エルダの衣装は、http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/music/7336/1075558181/13と同じような左右に鍔が長く伸びたかぶり物ですが、色は赤、すだれは垂れていませんでした。エルダをヴォータンの会話の間、頭にデカイお皿を載せたダンサー(5人ほど。さらにかぶり物なしのダンサーが5人)が、とてもゆる〜い振付で動いてました。
 ジークフリートがさすらい人の槍を砕く場面、稽古不足なのでしょうか、ジークフリートがノートゥンクを振り上げるよりもずいぶん前から、さすらい人が「ここを斬りつけて下さい」と言わんばかりに、槍の中ほどの部分(簡単に折れるように細工されている)を差し出していたのは、なかなかに趣深いものがありました。
 さすらい人が立ち去ると、いったんジークフリートも舞台上手から去ります(再登場は下手から)。>>20の鍛冶の場面で出てきた、「赤髪」のダンサーが8人ほど登場。それに隠れるようにして(実際にはまったく隠れてなかったけど)ブリュンヒルデも出てきて、舞台に横たわった巨石像の上に寝っ転がります。最後の場面は、「ワルキューレ」同様に、巨石像がお辞儀をするように傾きます。

22さーじょん:2006/01/22(日) 01:23:55
 オケが1日休みを入れたせいでしょうか、前2夜よりはかなり良くなっていました。僕の印象だと、音にエッジが出てきた感じです。会場でお会いしたクラシック通の方に、「このオケって、もともとの技術的にはどうなんでしょうね?」とお聞きしたら「各パートの腕前とかは決して悪くない、音自体は良い」とのご返事。確かに覇気とか熱気とかはイマイチでも、各パートの音色だけを取り出せば、前2夜も決して悪くはなかったので、やはり潜在力は高いのでしょうね。思い起こせば、http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/music/7336/1085704503/2-5の「ボリス」のDVDは、いい響きだったなあ。落ち着いたらまたボリスのDVD見直してみよう。
 歌手陣ではやはり、表題役の声がジークフリートにまったく合っていない、ってことが残念でなりません。やはりカーテンコールではブー出てました。歌手の経歴見たら、ミーメ役のゴルシュコフは、オテロとかマンリーコとかドン・ホセとか歌ってるんですね。十分納得できる声力でした。この人が表題役だったら良かったのに……。ビジュアルで選んだんかいな???
 良かったのは、上のミーメと、声のデカかったブリュンヒルデ。「声のデカイのは七難隠す(C)大年増様」至極名言です。かなり不安定なところもありましたが、最後に会場に鳴り響く声を聴くだけで、歌劇全体の印象が変わってしまう気もします。もっとも、30分間ですべて出し切る全力疾走で良いのですから、それでダメだったらねえ……。経歴によるとサントゥッツァとかマリー(ヴォツェック)とか歌ってるらしい。そっちの方が似合いそうだなあ。あとは、さすらい人、アルベリヒも(今回のチクルスの基準では)十分に及第点だと思いました。
 あと一晩です。明日も、今日くらいの出来だといいんだけどなあ……。

23さーじょん:2006/01/22(日) 01:24:36
レオニード・ザボジャーエフ(ジークフリート)http://www.mariinsky.ru/en/opera/soloist/zakhozhaev
ヴァシリー・ゴルシュコフ(ミーメ)http://www.mariinsky.ru/en/opera/soloist/gorshkov
エフゲニー・ニキーチン(さすらい人)http://www.mariinsky.ru/en/opera/soloist/nikitin
エデム・ウメーロフ(アルベリヒ)http://www.mariinsky.ru/en/opera/soloist/umerov
ミハイル・ペトレンコ(ファフナー)http://www.mariinsky.ru/en/opera/soloist/petrenko
ズラータ・ブルィツェワ(エルダ)http://www.mariinsky.ru/en/opera/soloist/bulycheva
ミラーナ・ブターエワ(ブリュンヒルデ)http://www.classiccard.de/culturebase/userausgaben/classiccard/webvisit_body.php3?user=14637
ジャンナ・ドンブロフスカヤ(森の小鳥)http://www.mariinsky.ru/en/opera/soloist/dombrovskaia

24さーじょん:2006/01/25(水) 01:16:55
忘れないうちに……。
 第2幕、ファフナーが財宝を運び込んだ洞窟の前に登場したヴォータン、なぜか眼帯を上にずらしていて、両目が開いていました。おそらく、楽屋でずらしていたのを、元に戻さずに舞台に出てしまったのでしょう。第3幕で再びヴォータンが片目になったのは、いとをかし。

25さーじょん:2006/03/27(月) 01:57:00
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/music/7336/1075558224/51からだいぶ間があいてしまったが、ベーム盤鑑賞。
http://1876.net/wagner/siegfried/bohm.htm
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0002CHOK0
 「ラインの黄金」同様、弦楽器の中音域の豊かな響きがとても良いですね。あと、http://www.hmv.co.jp/product/detail.asp?sku=134969では「狂気のミーメ」と書かれているエルヴィン・ヴォールファルトの演唱が印象的です。第3幕前半でのアダムの力強さもイイですね。
 http://1876.net/wagner/essay/kna.htmには、ヴィントガッセンの「リズムが先走るという悪弊」について言及がありますが、このジークフリートでも「鍛冶屋の歌」て見事にそれが出てしまっています。鉄槌の音が先走ってるもんだから、オケもそれにつられてバタバタになっちゃって、でもってヴィントガッセンが槌を打つのをやめたところで、ベームが必死で立て直そうとしている……こういうの、じつは結構好きです。臨場感あるからね。

26さーじょん:2006/12/22(金) 22:43:22
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/music/7336/1075558224/72から1カ月半ぶりに聞きます。クナ56年バイロイトORFEO盤。
http://1876.net/wagner/siegfried/knappertsbusch56.htm
http://www.syuzo.com/kna/kna-065.html
 >>25以上に、「鍛冶屋の歌」では、ヴィントガッセンすごいことになっています。これはもう、臨場感というレヴェルではなく、まれに見る「リズム音痴」です。ところが、(もしかしたら後で付け足しているのかもしれないけど)第1幕が終わったところで熱狂的な拍手。う〜ん、音だけではわからない熱いステージだったのかしらん?
 ラインの黄金、ワルキューレに引き続き、ホッターとナイトリンガーは好調。「欲望の洞窟」の前に来ると、ヴィントガッセンも本来の調子を取り戻した感があります。
 ただ、なぜかずーっと「ぶ〜ん」っていう低音ノイズが聞こえていて、ちょっと気になるんですけど……。

27さーじょん:2007/02/03(土) 00:31:45
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/music/7336/1075558224/73に引き続いてカラヤン盤を聴く。1969年スタジオ録音。
http://www.deutschegrammophon.com/catalog/product.htms?PRODUCT_NR=4577902
http://www.amazon.co.jp/o/ASIN/B0000254V2
http://www.hmv.co.jp/product/detail/694299
http://1876.net/wagner/siegfried/karajan69.htm
 カラヤン盤指環に関するレビューでは、必ずと言ってよいほど、「オケの性能」に言及されています。じつは「ワルキューレ」まではそれほど感じなかったのですが、この作品に関しては、オケの力量が存分に発揮されているように思いました。たとえば、「さすらい人の場」での情景描写とか、鍛冶屋の歌で鞴が風を送る音とか、欲望の洞窟の前でジークフリートが母への思いを歌う場面とか、本当にオケが雄弁です。
 これまでどうしても好きになれなかったカラヤンですが、やはり歴史に残る指揮者なのだなあと、感じ入った次第です。それと、これを聴くと改めて、「ワルキューレは、意外と力で押していくような演奏でも何とかなる」ってことに気づきました。
 歌手では、ジェス・トーマスが悪くありません。これも一つのジークフリート像でしょう。あと、リッダーブッシュのファフナーが、えらく優しい歌ですね。。。

28さーじょん:2007/06/24(日) 01:10:24
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/music/7336/1075558224/74に引き続いて、フルトヴェングラー指揮1950年スカラ座公演実況録音。
http://1876.net/wagner/siegfried/furtwangler50.htm
 第2夜、第3夜と進むにつれて、凄まじさが増してゆく気がします。調子が出てきたということなのか、もともとこの作品がフルトヴェングラーの音楽的特質に合っているからなのか、僕の耳ではわかりませんが、とくに第3幕の前奏とか、本当に地の底からわき上がってくるような響きです。そして大詰め、フラグスタートの迫力に圧倒されます。

29さーじょん:2007/12/15(土) 22:53:14
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/music/7336/1075558224/76に引き続いて、2夜目、>>13のヤノフスキ盤です。やはりコロ、シュライアー、アダムというキャストが魅力的ですねー。オケの響きもイイです。>>27のカラヤン盤聴いたときには、「これ以上にオケが雄弁な録音は考えられない」とも思ったのですが、あらためて聴くとさすがSKDです。素晴らしい。。。

30さーじょん:2008/02/10(日) 10:54:36
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/music/7336/1075558224/77に続いてのカイルベルト指揮1955年バイロイト実況録音鑑賞。
http://www.hmv.co.jp/product/detail/1454761
もちろん>>27のカラヤン盤のような精緻な演奏ではありませんが、一つ一つの旋律がかなりしっかりと奏でられています。クナともショルティとも違った個性ですね。ヴィントガッセン、相変わらずリズムは危ういのですが、カイルベルトはかなり巧みに寄り添っていて、致命的にリズムが先走るところはありません。

31さーじょん:2008/07/20(日) 00:02:30
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/music/7336/1075558224/82から少し間があきましたが、ショルティ盤鑑賞。
「鍛冶の歌」のような勇壮な場面、ショルティの指揮がイイですねー。あとはさすらい人の登場場面も、ホッターがイイですねー。

32ウィンザーの陽気な名無しさん:2010/02/21(日) 01:42:41
2月20日(土)「トーキョー・リング」新国立劇場公演鑑賞。
 キース・ウォーナー演出、ダン・エッティンガー指揮、東京フィルハーモニー交響楽団。
 クリスティアン・フランツ(ジークフリート)、ヴォルフガング・シュミット(ミーメ)、ユッカ・ラジライネン(さすらい人)、ユルゲン・リン(アルベリヒ)、妻屋秀和(ファフナー)、シモーネ・シュレーダー(エルダ)、イレーネ・テオリン(ブリュンヒルデ)、安井陽子(森の小鳥)。
公演概要&初日舞台写真
http://www.nntt.jac.go.jp/opera/20000191_opera.html
http://www.nntt.jac.go.jp/opera/20000113_frecord.html
初演(2003年3月)
http://www.nntt.jac.go.jp/season/s184/s184.html
http://www.nntt.jac.go.jp/frecord/opera/2002~2003/siegfried/siegfried.html
第1夜「ワルキューレ」http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/music/7336/1075558224/83-84に続く、「トーキョー・リング」です。

33さーじょん:2010/02/21(日) 01:43:23
 ワーグナー作品は、「3分の2起きていられれば上出来」と思っています。ましてや特に好きな作品とは言えないジークフリート。「見ないわけにもいかないから……」といった感覚で観に行ったのですが、終わってみれば、(第1幕の長問答はさすがにうとうとしましたが)第2幕、第3幕はほとんど退屈することなく見入っていました。
 歌手もほぼアナはなく、とくに男声陣の充実ぶりが嬉しかったですねー。第2幕冒頭、ヴォータンとアルベリヒのやり取りがとても迫力がありました。表題役も奮闘していました。テオリン、ドラマティックに響く部分もある一方で、ちょっとヒステリックかなと思うところもあり、まあ一長一短でしょう。
 指揮に関しては、ラインの黄金やワルキューレより、数段良くなっている印象がありました。ワルキューレももう10カ月も前だからなあ、実際のところどうなんだろ?

34さーじょん:2011/01/01(土) 12:51:38
2010年10月下旬に、PCが逝ってしまいました。この掲示板の更新も滞ってましたが、12月には何とか復活しました。久しぶりの記録です。
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/music/7336/1075558224/85に続いて、>>30カイルベルト盤を聴く。ライブならではの熱さが魅力ですね。

35さーじょん:2015/11/07(土) 16:17:52
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/music/7336/1075558224/86につづいて、>>26のクナ盤、通勤電車(片道20分程度)で聴いてると、兎に角話が先に進まないんだなぁ。

36さーじょん:2017/06/18(日) 21:36:21
2017年6月10日(土)新国立劇場公演鑑賞。http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/music/7336/1075558224/87-89 に続く新国立劇場リング・チクルスです。
ゲッツ・フリードリヒ演出。飯守泰次郎指揮、東京交響楽団。
(フィンランド国立歌劇場からのレンタル・プロダクション)
ステファン・グールド(ジークフリート)、アンドレアス・コンラッド(ミーメ)、グリア・グリムスレイ(さすらい人)、トーマス・ガゼリ(アルベリヒ)、クリスティアン・ヒュープナー(ファフナー)、クリスタ・マイヤー(エルダ)、リカルダ・メルベート(ブリュンヒルデ)。
特設サイト
http://www.nntt.jac.go.jp/opera/siegfried/
初日舞台写真
http://www.nntt.jac.go.jp/enjoy/record/detail/37_010523.html

37さーじょん:2017/06/18(日) 21:37:48
ゲネプロ動画
https://www.youtube.com/watch?v=jIly8BuApGc
初日公演動画
https://www.youtube.com/watch?v=yg8HAZtYBTw
当日の僕の書き込み
https://www.facebook.com/hogehoge2005/posts/1076283079171968

38さーじょん:2021/01/18(月) 01:44:57
ずいぶんと間が空いて仕舞いましたが、https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/music/7336/1075558224/90 に続いてティーレマン指揮バイロイト2008年実況録音、通勤電車やら寝る前やら、ブツ切りで観賞。
http://www.hmv.co.jp/product/detail/3708679
http://www.hmv.co.jp/product/detail/7270649
https://www.amazon.co.jp/dp/B002QEXC7G
表題役は >>36-37 と同じくグールド。やはり流石の疾走感!!! ティーレマンの指揮もワルキューレ同様に素晴しい!

39さーじょん:2021/01/18(月) 01:47:59
そうそう、ブツ切りだから忘れてたんだけど、第二幕冒頭のアルベリヒとさすらい人のやり取り、「こんなに激しい場面だったっけ???」とちょっと驚き。


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