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アイーダ

1さーじょん:2004/01/12(月) 15:18
作曲:ジュセッペ・ヴェルディ(1813-1901)
原案:マリエット
仏語台本:デュ・ロークル
伊語台本:アントニオ・ギスランツォーニ
初演:1871年、カイロ

2さーじょん:2004/03/06(土) 06:27
中学生の頃に買ったのは↓のLP
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000001G4K
表題役はまったくダメだが、レオ・ヌッチが歌うアモナスロが兎に角素晴らしい。
第3幕の父娘二重唱で、ヌッチの迫力って言ったらもうそれはそれは・・・
ヌッチがこの役歌った他の音源は出てるのかな?探し方悪いのかな?

3さーじょん:2004/05/28(金) 10:37
1989年11月26日、東京文化会館で観た藤原歌劇団公演。
 アルベルト・ヴェントゥーラ指揮、粟國安彦演出、新星日本交響楽団、藤原歌劇団合唱部、新星日響合唱団
 林康子(アイーダ)、フィオレンツァ・コッソット(アムネリス)、ジュセッペ・ジャコミーニ(ラダメス)、小嶋健二(アモナスロ)、イヴォ・ヴィンコ(ランフィス)、岡山広幸(国王)、持木文子(尼僧)
 ジャコミーニが声の調子が悪くて1幕1場だけで降板した覚えがある。残りを歌ったのはアンダーの人だったと思う。結構イイ声していたんだけど、名前をどこにも書き留めなかったのは失敗。これ以来、僕の中ではジャコミーニの評価ってよくない。イマイチ輝きに乏しい声だと思う。何でこの声でメトにも出られるのか、わからない。
 演出、舞台について特に覚えていることもない。

4さーじょん:2004/05/28(金) 10:41
>>3
 他のパンフに、当時の新聞に載った劇評がはさまってた。ラダメス歌ったのは田代誠。当時ジャコミーニは「世界の歌劇場の熱い視線を集めて」いたんだそうな。ふ〜ん。。。

5さーじょん:2004/09/12(日) 22:14
1979年録音カラヤン盤
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00005GJV6
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000002SDW
毎週日曜恒例、部屋の片付けしながらの流し聴き。
 この頃のカラヤンらしく、前奏曲や第3幕などをはじめとして、ところどころ「遅ぇーなぁー」と思うところ頻出です。録音は、オケと声のバランスが、ちょうどショルティの指環くらいの感じで、たまに声が埋もれることがあります。
 歌手陣は充実しています。とくにバルツァ。このCD、バルツァがアムネリス歌っているのでなければ、とうてい繰り返し聴く気にはなれないでしょう。彼女の歌のおかげで、極上のアンサンブル・オペラに仕上がっているといっても過言ではないでしょう。

6さーじょん:2004/11/13(土) 21:54
カラヤン指揮1959年録音
http://decca.ddd.de/catalogue/tracklisting.php?catno=4609782&durl=&ourl=
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00005FL1J
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00001IVQW

http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/music/7336/1079223966/7に引き続いてのテバルディ祭りですね

7さーじょん:2005/03/22(火) 00:15:59
ラインスドルフ指揮1970年録音
http://www.bmgclassics.de/classics/productdetails.do?Bestell_Nr=74321394982&CatList=true
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00000JPBH
 仕事しながら掛けるが、あまり耳に入っていないなあ。
 今日の仕事はとくに、脳みそを全力疾走させるから、取りかかる前にどうしても「よし、やるぞ!」っていう気合い入れなきゃいけないんだよね。半分(以上?)好きでやってるところもあるから、文句はいわない。なかなかに進まないので、多少自分自身に対して腹が立っているところはあるけどね。。。よっしゃ、もう一頑張りするか。

8さーじょん:2005/07/11(月) 02:44:14
>>2でも取り上げたアバド盤。LPしか持っていなかったが、ようやく廉価盤CDが出たので、久しぶりに聴いてみました。
http://www.deutschegrammophon.com/catalog/product.htms?PRODUCT_NR=4100922
 そういえばこのLP、高校受験合格祝いに買ってもらったんだよな……。当時、オペラのセットLPって数千円だったから、子どもの小遣いじゃとても手が出なかったなあ。合格祝いみたいな特別なときに、一つ一つねだって買ってもらったんだなあ。。。
 改めて聴くと、アバドは結構イイ指揮をしていますね。まとめるべきところはまとめて、盛り上げるべきところは盛り上げる。当たり前だけど、これは結構イイですね。男声陣も素晴らしい。とくにヌッチのアモナスロ。当時の『レコ芸』でも、かなり高く評価されていた記憶があります。
 女声陣はイケません。リッチャレルリはあまりに非力過ぎます。3幕、アモナスロとの二重唱で「奴隷だなんて呼ばないで……」と哀願するあたりとか、4幕大詰めのラダメス・アムネリスとの3重唱(+合唱)とか、局所的に「透明感があって、いいねえ」と思う部分もあるけど、全体を通して聴くと、欲求不満が残りますね。

9さーじょん:2005/07/11(月) 02:44:38
 さらにいけないのがオブラスツォワのアムネリス。声がタルみきっていて、王女の高貴さはまったくなく、ただの愛欲の塊みたいです。『レコ芸』ではたしか、「ヴァレンティーニ=テッラーニがアムネリス歌っても良かったのでは?」と書かれていました。でもって、「アバド+スカラ座」の次回作となる「ドン・カルロ」では、ヴァレンティーニ=テッラーニがエボリだったはずですが、このとき『レコ芸』では「彼女はまだこういった重い役はムリだ」とか書かれていたと思います。無責任なものですね。。。
 ここで、リッチャレルリについて。この当時、アバド+スカラ座がDGでヴェルディ中後期のオペラをいくつか立て続けに録音していた。その中で、アメーリア、エリザベッタ、アイーダはリッチャレルリが歌った。当時はある種「飛ぶ鳥を落とす」ような勢いだった気がする。ゼッフィレルリ監督、マゼール指揮の映画版「オテロ」でデズデモナ歌ったのも、この時期ではないかしら?
 いま振り返ってみると、あのブーム、何だったのかしら? アイーダ国内盤LPの解説には、「スコット、フレーニの次の世代のプリマ・ドンナとして注目されているのが、キアーラとリッチャレルリ」なんて書かれてるけど、リッチャレルリの参加したオペラの録音で、名演として取り上げられているものなんて、ひとっっつもないんじゃない?
 結局、彼女のいちばん得意な役って、何だったんでしょうね。いまだによくわかりません。アメーリアやデズデモナは、まあ我慢して聴けるレヴェルですけど……。もしかして「カレーラスとのロマンス」が最高のウリだったのかな?

10さーじょん:2005/09/03(土) 23:08:54
ムーティ指揮1974年録音
http://www.angelrecords.com/Detail.asp?UPCCode=724356761728
http://www.emiclassics.de/xml/6/850074/5676132.html
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00005NW0C
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00005MIZM
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000002RXJ
(ただし、僕が持っているのはCD2枚組の廉価盤)
 やはり、カバリエ(アイーダ)、コッソット(アムネリス)の美声が堪能できます。ドミンゴ(ラダメス)、ギャウロフ(ランフィス)という組合せは、>>8-9のアバド盤と共通だけど、若い頃のほうが声に力があるのは、当然といえば当然ですね。
 しかし、アイーダとアムネリスの声質の選択って、結構むずかしいのではないかしら? とくにアムネリス。場面に応じて、嫉妬心、気品、気丈さ、愛情……いろいろと表現しなければならないわけですから。ここにはまだ感想は挙げていないけど、レヴァイン指揮メト公演のDVD、ツァーイックのアムネリスが結構ヨカッタと思う。

11女工ミミ:2005/09/25(日) 16:07:21
>>9
ましてやトゥーランドットなんて歌うなと小一時間…。
まあ彼女のみならず、フレーニにせよカレーラスにせよデルネシュにせよ、
当時カラヤンの寵愛を受けてた歌手達って、揃いも揃って元々の役柄には
沿わない重い役を録音で歌わされて、何だかそれがそれぞれの役のあり方を
変質させてしまったかのようで少々忸怩たるものがあったりも致します。
思い込み過ぎなんでしょうけど。

12さーじょん:2005/10/16(日) 22:12:41
東京文化会館にて、プラハ国立歌劇場公演鑑賞。
ペタル・セレム演出、ジョルジョ・クローチ指揮、プラハ国立歌劇場管弦楽団・合唱団・バレエ団。
マリア・グレギーナ(アイーダ)、ヤネス・ロトリッチ(ラダメス)、ガリア・イブラギモヴァ(アムネリス)、マルティン・バールタ(アモナスロ)、オレグ・コロトコフ(ランフィス)、ルカーシュ=ヒネック・クレマー(エジプト王)、ヤナ・レヴィコヴァー(巫女)。
公演情報↓
http://www.konzerthausjapan.com/pro1.html
プラハ国立歌劇場↓
http://www.opera.cz/en/repertoar/aida.html
 舞台装置は決して絢爛豪華というわけではないが、決して貧相には見えなかった。基本的なつくりは各幕共通だが、後ろの壁や階段の置き場所を変えて、それぞれの場面をそれらしく表現していたと思う。第2幕2場の凱旋の場、舞台を3層にして、いちばん下が僧侶たち、2段目が女声、3段目に男声とアイーダ・トランペットを配していた。第4幕は(当然ながら)2層。ただし、ラダメスとアイーダが閉じこめられる墓所が、それらしく見えなかったのは、ちょっと残念かも知れない。
 第1幕2場、巫女の祈りの歌にバレエが続くわけだが、これがどうにも、「四股踏みストレッチ」としか見えなんだ。第2幕1場のアムネリスの居所でのバレエも、ちょっと安っぽいショーダンサーみたいに見えてしまいました。まあ、贅沢言い出したら、きりがないでしょう。装置・演出に関しては、総合的にはhttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/music/7336/1073887804/32-35よりは相当良かったと思いますので。

13さーじょん:2005/10/16(日) 22:15:48
 歌手陣は総じて素晴らしかったと思います。
 http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/music/7336/1073887804/33で、「イブラギモヴァがアムネリスならいいんだけど……」と書きましたが、希望どおりでした。とはいえ、決して不調というわけではありませんが、アズチェーナ役での圧倒的な迫力に比べると、少し不向きかな、という気がしました。アズチェーナは割と声を張り上げる見せ場が多くて、イブラギモヴァの声の特性が十二分に活かされていました。それにくらべるとアムネリスは、わりと中〜低音域でmpからmfくらいで歌う場面が多いので(たとえば、大詰めのラダメスを追悼する祈りの歌など)、声がオケに負けてしまう場面もありました。
 それでもやはり、第4幕1場(僕は「アムネリスの場」と名付けています)で神官たちに訴える場面なんかは、鳥肌立っちゃいましたし、プロフの写真よりも実物のほうがはるかに見た目に気品があるので、ヒロインの恋敵役であるにもかかわらず、思わず同情してしまいます。
 ロストリッチのラダメスも、冒頭の「清きアイーダ」からかなり飛ばしていました。その後も声力が疲れることもなく、最後まで輝かしい声を堪能できました。ビブラートのきつさや、見た目が「マリオ・ブラザース」にしか見えないことなど、この際どうでもよいでしょう。

14さーじょん:2005/10/16(日) 22:16:25
 マルティン・バールタ(アモナスロ)はまだ若いのか、歌い方も演技も少し生硬な感がありますが、声の張りはなかなかのものがありました。
 そしてやはり、グレギーナ。う〜ん、これは本当に素晴らしかった! 観に行ってよかった! 昨年来日して歌ったヴィオレッタはあまり評判がよろしくなかったようですが、声質からいってアイーダのほうが合うだろうな。「勝ちて帰れ」、「おお、わがふるさと」ともに聞き惚れてしまいました。CDのリッチャレルリよりは、はるかにこちらの方が、聴き応えがありましたね。大詰めの「おお大地よ、さようなら」も、やはりウルウルしてしまいました。
 オケは決して巧いとは思えませんが、まあまあ、まとまっていたと思います。途中まで、金管陣が風呂の中で屁こいたような音を出していたのは、ちょっと閉口しましたが。第2幕2場の凱旋行進曲あたりからは、結構イイ感じの音が響いていたと思います。
 指揮は、出入りの多い場面でもうまくまとめていたとは思いますが、ちょっとテンポ早すぎの場面が目立ちました。とくに、第3幕のアイーダとアモナスロの二重唱からアイーダとラダメスの二重唱にかけて、オケだけが先走って、何回も歌手が振り落とされそうになっていました。何カ所か、僕の耳には、歌手が抵抗してテンポを落とそうとしているように聞こえる局面もありました。もうちょっと落ち着いてもよかったんでないかい?

15さーじょん:2005/10/16(日) 22:17:05
 そして今日は、「平成17年10月16日16時15分気象庁地震火山部発表、16日16時05分頃地震がありました。震源地は茨城県南部(北緯36.1°、東経139.9°)で震源の深さは約40km、地震の規模(マグニチュード)は5.1」。
 第2幕2場、「凱旋の場」導入の合唱の最中でした。文化会館の反響板がきしむ音がするほど揺れていましたが、指揮者は何事もないように演奏を続けました。上にも書いたように、舞台が三層に分かれていて、上の方に立っている合唱団員もいましたから、結構こわかったんじゃないかしら? 心なしか、しばらくの間、オケも合唱もビクついたような、腰が引けたような音だったような気がします。
 上演中の地震とは結構、貴重な体験ではないかしら?

16さーじょん:2006/08/27(日) 07:01:20
『カルメンの白いスカーフ』http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/music/7336/1085282357/27を読んだら、シミオナート女史の歌声が聴きたくなりました。というわけで、カラヤン指揮1959年録音を聴く。
http://catalogue.deccaclassics.com/catalogue/prodshow.jsp?searchstr=460978
http://www.amazon.co.jp/gp/product/B00001IVQW
http://www.hmv.co.jp/product/detail.asp?sku=901912
http://www.hmv.co.jp/product/detail.asp?sku=837373
http://www.hmv.co.jp/product/detail.asp?sku=428107
 テバルディ、ベルゴンツィ、シミオナートですから、悪かろうはずもなく。鈍重に聞こえるマクニールだけはいただけませんが。カラヤンは、>>5のように「これ見よがし」に引っ張るような箇所もなく、ウィーン・フィルの魅力を引き出して、邪魔をしていないという意味では、好感が持てます。
 とはいえ、なぜかはわかんないけど、いまの気分ではこの作品それ自体を楽しめないなあ……。なんでだろ? いくら聴き飽きた作品でも、聴きたい時は聴きたい。逆に、聴きたくないというか、聴いても大して心に響かないこともあるんだねー。

17さーじょん:2006/08/27(日) 07:02:31
 さて折角ですから、『カルメンの白いスカーフ』189ページからの引用を。著者とシミオナート女史がブッセートにアイーダを観に行ったときのお話しです、

 第2幕がはじまると、所々で彼女の罵声が飛んだ。「アムネリスが奴隷の体にさわったりするものか」「そこでは歩いて、へぼ役者」。しばらくすると今度は、鼻をすすり上げる音が聞こえた。バッグからハンカチを取り出して目にあて、泣きつづける。「自分たちの世代が払った犠牲はなんだったのだろう」という思いにとらわれる機会が最近ふえてきたようだ。仕方ないなとひそかに思う。カラス、デル・モナコ、シミオナートによる『アイーダ』は、すでに神話の領域に属するのだから。
 3幕目に入ると、「足をのばしたいから今度はあんたが前に座って」と、彼女は桟敷の後ろに移動した。足は口実で、本当は泣いたり怒ったりしている自分を人目にさらすのが嫌なのだ。

18さーじょん:2007/03/19(月) 23:21:28
>>7ラインスドルフ盤鑑賞。
http://www.hmv.co.jp/product/detail/213231
 最大のウリは、やはりレオンティン・プライスの表題役でしょう。バンブリーのアムネリスもなかなかのものです。ドミンゴもミルンズも声が若々しい! そしてラインスドルフ、やはり熱く鳴らしてます。豪華な歌手陣ですが、やはりウィーン・フィルやスカラ座管が演奏した他の名盤にくらべて、オケの弱さは否定できないので「決定盤」とされることはあまりないようですね。

19さーじょん:2008/03/25(火) 05:08:29
3月23日(日)新国立劇場公演鑑賞。
http://www.nntt.jac.go.jp/season/updata/20000013_opera.html
http://www.nntt.jac.go.jp/frecord/updata/20000041.html
同プロダクション2003年公演↓
http://www.nntt.jac.go.jp/frecord/opera/2002~2003/aida/aida.html
1998年公演↓
http://www.nntt.jac.go.jp/frecord/opera/1997~1998/aida/aida.html
 フランコ・ゼフィレッリ演出(再演演出:粟國淳)、リッカルド・フリッツァ指揮。芸術監督:若杉弘。
 ノルマ・ファンティーニ(アイーダ)、マルコ・ベルティ(ラダメス)、マリアンナ・タラソワ(アムネリス)、堀内康雄(アモナスロ)、アルチュン・コチニアン(ランフィス)、斉木健詞(エジプト国王)。
 言わずと知れた、絢爛豪華、贅の限りを尽くした、ゼッフィレッリ・アイーダです。演出についてもはや何も書く必要はありますまい。「新国立劇場が世界に誇るプロダクション」とも言われておりますが、まさにその通り。凱旋の場は合唱、エキストラ合わせて総勢200名以上登場だそうです。あー、本当に「エーもん見たなー」という感想以外出てきません。

20さーじょん:2008/03/25(火) 05:09:44
 とりあえず新国立劇場の宣伝文句から引用。「鬼才ゼッフィレッリの演出で古代エジプト世界が舞台に蘇り、美麗かつ豪華絢爛な舞台美術は息を呑むばかりです。……新国立劇場が誇る日本オペラ史上屈指のスペクタクルにどうぞご期待ください。」
 主役陣の歌手は、アイーダ、ラダメス、アムネリス、アモナスロ、ランフィス、みんなレヴェルは高かったと思います。それにもまして、指揮とオケが、ダイナミックかつ美しい響きでした。スケールの大きさときめ細かさが両立した、とても素晴らしい演奏だったと思います。
 ところで、僕の隣のお客さんは、第2幕が終わると帰ってしまいました。会場で出会った知人の周りのお客さんも同様だったようです。アイーダというと、つねに「凱旋の場」が見せ場とされるようですが、僕的には、音楽的な聴きどころは第3幕だと思ってるんですけど、やっぱり退屈なのかな?
 あと終幕、アムネリスが登場して祈りを捧げ始めたときは、かなり激しく涙してしまいました。ま、これは演唱がとくによかった、というよりも、最近の僕の個人的な事情があるからなんですけどね。

21さーじょん:2008/04/27(日) 01:52:50
4月19日(土)、オーチャードホールにて、コンヴィチュニー演出公演鑑賞。
 ペーター・コンヴィチュニー演出、ウォルフガング・ボージッチ指揮、東京都交響楽団、東京オペラシンガーズ、栗友会合唱団。
 キャサリン・ネーグルスタッド(アイーダ)、ヤン・ヴァチック(ラダメス)、コンスタンティン・スフィリス(エジプト国王)、アムネリス(インディコ・セーニ)、ダニロ・リゴザ(ラムフィス)、ヤチェック・シュトラウホ(アモナスロ)、ウルリケ・ピヒラー=シュテフェン(巫女)。
http://www.tokyo-grand-classics.com/20080417.html
http://eplus.jp/sys/web/s/aida/index.html
 1994年オーストリアのグラーツで初演され、その後も再演を繰り返しているプロダクションの公演です。公演プログラムによれば、コンヴィチュニーが「円熟」に達する以前の「疾風怒濤の時代」の作品だそうです。
 ラスト・シーンの美しさがとても印象に残りました。会場でお逢いした知人の方は「コンヴィチュニーは、音楽の魅力を最大限に発揮する天才」と仰ってましたが、まさにその通りでして、いままでまったく知らなかったアイーダという作品の魅力が引き出されていた感じです。
 基本的なセットは各幕共通。歌手の身長から類推した目測ですが、タテ4〜5メートル、ヨコ12〜15メートルくらいの、遠近感をデフォルメされた蛍光白色の額縁、中央にソファ、それだけです。ピラミッドもスフィンクスもありません(第3幕では背景に映し出されていましたが)。登場人物の衣装も現代的で、スーツやドレス、スカートを着ています。

22さーじょん:2008/04/27(日) 01:53:24
 全体を通して、従来の「アイーダ」であれば、見せ場として扱われる場面を、ことごとく見せ場にしない、という方針だったのでしょうか。第1幕でラダメスが指揮官に任命される場面も、どうやらこの部屋の外で演じられているようで、国王、ランフィス、合唱は舞台上には登場せず。「指揮官はラダメス」という国王の言葉が響くと、ラダメスは下手の出入り口から、ガッツポーズをしながら入ってきました。アムネリスが「指揮官のしるし」としてラダメスに授けたのは、なぜか象さんのぬいぐるみです。そして、ラダメスはそれを大事そうに抱えています。これから戦さに向かおうとする勇士が、象さんのぬいぐるみって……ありえねー。このあたり、やはりhttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/music/7336/1073745535/33-37と同様、ちょっとツボに入ってしまいました。
 第1幕2場、神殿の場面、初めの方はただ舞台裏から巫女の独唱と合唱が響いていましたが、3コーラス目で巫女が舞台上に登場します。バレエ音楽では、まず巫女とランフィスが交わり、ついでランフィスに促されたラダメスが巫女と交わります。このあたりから、何が何だかという感じでした。

23さーじょん:2008/04/27(日) 01:54:15
 第2幕1場のバレエ音楽では、アムネリスは自慰に耽ります。その直前の歌が「愛する人よ、来て、来て……」だから、これはまったく台本に沿っているわけですね。凱旋の場、当然のように凱旋は演じられず、アムネリス、ランフィス、国王が乱痴気騒ぎを繰り広げるパントマイムが演じられます。江川紹子氏は、「バグダッド陥落直後の『白い家』のはしゃぎぶりを想起させる」と書いていますが、僕も同感でした。バレエ音楽の大詰めで、3人は心臓麻痺を起こして身体を痙攣させます。
 勝者として登場するはずのラダメスですが、ベトナム帰還兵のように、刀折れ矢尽き。傷ついた姿です。象さんのぬいぐるみもボロボロです。その姿を見てアイーダは、驚き、嘆き、ラダメスにすがりつきます。ラダメスの胸には(むなしくも)勲章が付けられています。
 このシーンを見たとき、「あ、宮本亜門か野田秀樹が、この演出を見た後でアイーダを手がけたら、『意気揚々と送り出されたラダメスが、惨めに帰還する』という構図で最初から最後まで押していくだろうな、と思いました。でも本当にそういう演出をしたら、かなり野暮かもしれませんね。
 第2幕幕切れ、白い部屋の背景が開いて、後ろにいた合唱と金管奏者たちの姿が露わになりました。脱スペクタクルという意味では、徹底してますね。
 第3幕では、背景にピラミッドやスフィンクスが映し出されていました。演出に関しては、アイーダとラダメスの二重唱の間に、ラダメスにはわからないようにアイーダに近づいて脅すような素振りを見せるなど、アモナスロが娘に機密を聞き出すよう促していることがはっきりとわかるように工夫されていました。

24さーじょん:2008/04/27(日) 01:55:07
 第4幕、背景が開いて、夜景が映し出されました。二人が墓に入る場面は、この夜景をバックに3人が歌うわけですが、これは音楽に非常にぴったりな構図でした。従来は「地下の墓」で演じられる場面ですが、じつは「星空の下」が似合うのだなあと感じ入った次第です。
 アイーダ、ラダメス、アムネリスの3人の関係性は、昨年11月のドレスデンのタンホイザーhttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/music/7336/1073745535/33-37の幕切れともかなり似た印象がありました。それにしても、本当に美しい絵でした。
 演奏に関しては、かなりレベルが高かったと思います。会場でお逢いした知人の方は、「こういう演出で演奏がダメだと、ちょっとどうかと思うけど、これだけ演奏がしっかりしているから、演出をいろいろといじくっても、ちゃんと成立している」と仰ってましたが、その通りでした。指揮とオケの思い切りの良さと言う点では、>>19-20以上でした。歌手も総じてレヴェルが高かったのですが、やはりネーグルスタット、美しい声でしたね。
 上記のドレスデンのタンホイザーでもそうでしたが、どうやら僕は、コンヴィチュニーの演出には結構ハマってしまうのだと気づきましたが、苦手な人も多いようですね。僕の隣の席の人は、カーテンコールでコンヴィチュニーが出てくると執拗に「ブーーー」と叫んでました。さんざん事前に宣伝していたのだから、「普通ぢゃない」ことはわかりきっていたと思うんですけどねぇ。

キャサリン・ネーグルスタット
http://www.catherinenaglestad.com/
ペーター・コンヴィチュニー
http://de.wikipedia.org/wiki/Peter_Konwitschny

25さーじょん:2008/05/18(日) 02:19:57
>>8-9のアバド盤鑑賞。
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/music/7336/1079223966/22に引き続いての「スカラ座のヴェルディ」です。
やはり透明感がありますね。改めて聴くと、3幕・4幕はリッチャレルリの特性がうまく生きてるような気がしてきました。

26さーじょん:2008/08/06(水) 01:48:38
>>21-24のコンヴィチュニー演出、クラシック・ニュースに載っていました。舞台写真もあります。
http://www.music.co.jp/classicnews/c-news/2008/0511-0517.html

27さーじょん:2008/08/06(水) 01:49:57
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/music/7336/1079224193/36に引き続いてのトスカニーニ盤。1949年録音。
http://www.amazon.co.jp/dp/B000003EXU
http://www.amazon.co.jp/dp/B0000261IS
音源としては、http://www.hmv.co.jp/product/detail/1420968と同じモノでしょう。第3幕などは流石と思います。凱旋の場は、この音質では辛いかな。あと、もう少しゆったりとしたテンポでもイイなあと思う場面もあります。

28さーじょん:2009/03/04(水) 22:54:59
>>5のカラヤン指揮1979年録音。なぜかデジタル録音ではないのですね……。
http://www.hmv.co.jp/product/detail/47458
http://www.hmv.co.jp/product/detail/2560601
 ウィーン・フィル、さすがに美しい響きです。もちろん歌手陣の水準も総じて高い。とくにバルツァとカプッチルリ、素晴らしいですね。
 ただ今回改めて聴いて、ちょっと気になったのは表題役でした。じつはエルナーニのDVD(http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/music/7336/1083347566/4)を観たときにも感じたのですが、フレーニって、中音域から低音域にかけて、それほど豊かな響きを持っているわけではないので、スピント系はかなり辛いのではないか、と思ってしまいました。
 そう考えてみると、フレーニのハマリ役って、それほど多くはないことに改めて気づくわけですが、それについてはまた項を改めて……。

29さーじょん:2011/05/11(水) 06:37:07
>>7>>18のラインスドルフ盤を聴く。やはり、すべてが、溌剌としていますね。

30さーじょん:2013/04/21(日) 07:40:24
2013年3月17日(日)新国立劇場公演鑑賞。>>19-20の再々演です。
 ボーッとしてるうちに、1カ月以上間が空いてしまったので、記録のみ。
 フランコ・ゼフィレッリ演出(再演演出:粟國淳)、ミヒャエル・ギュットラー指揮。東京交響楽団、新国立劇場合唱団、東京シティ・バレエ団、ティアラこうとう・ジュニア・バレエ団。
 ラトニア・ムーア(アイーダ)、カルロ・ヴェントレ(ラダメス)、マリアンネ・コルネッティ(アムネリス)、堀内康雄(アモナスロ)、妻屋秀和(ランフィス)、平野和(エジプト国王)。
公演概要・初日舞台写真
http://www.nntt.jac.go.jp/opera/20000616_opera.html
http://www.nntt.jac.go.jp/opera/20000204_frecord.html
再演
http://www.nntt.jac.go.jp/opera/20000013_opera.html
http://www.nntt.jac.go.jp/opera/20000041_frecord.html
初演
http://www.nntt.jac.go.jp/season/s4/s4.html
http://www.nntt.jac.go.jp/frecord/opera/1997~1998/aida/aida.html

 幕間に知人のみなさんとお話ししていたときも、「イタリアオペラらしさのない演奏だね」ということが話題になっていましたが、ちょっと、カラっとした明るさには乏しく、重くて鈍い演奏だったなあ、という印象があります。あまり心が浮き立つ感じではなかったなあ。

31さーじょん:2018/06/03(日) 12:31:05
2018年4月22日(日)新国立劇場公演鑑賞。>>19-20>>30の絢爛豪華ゼッフィレルリ演出、新国立劇場開場20周年を記念しての再演です。
フランコ・ゼッフィレッリ演出、パオロ・カリニャーニ指揮、東京フィルハーモニー交響楽団、新国立劇場合唱団。
イム・セギョン(アイーダ)、ナジミディン・マヴリャーノフ(ラダメス)、エカテリーナ・セメンチュク(アムネリス)、上江隼人(アモナズロ)、妻屋秀和(ランフィス)、久保田真澄(エジプト国王)

公演概要・初日舞台写真
http://www.nntt.jac.go.jp/opera/performance/9_009642.html
http://www.nntt.jac.go.jp/enjoy/record/detail/37_012240.html

何回観ても、特に凱旋の場は絢爛豪華としか言いようがないのですが、3幕・4幕の舞台のつくり込みもイイですね。音楽的にも高水準、アナのない好演でした(と記憶していますが、かなり曖昧・・・)。

32さーじょん:2023/05/01(月) 12:47:20
2023年4月16日(日)新国立劇場公演鑑賞。>>19-20>>30>>31のゼッフィレッリ演出、4回目の鑑賞です。今回は新国立劇場開場25周年記念公演。
フランコ・ゼッフィレッリ演出(再演演出:粟國淳)、カルロ・リッツィ指揮、東京フィルハーモニー交響楽団、新国立劇場合唱団。
セレーナ・ファルノッキア(アイーダ)、ロベルト・アロニカ(ラダメス)、アイリーン・ロバーツ(アムネリス)、須藤慎吾(アモナスロ)、妻屋秀和(ランフィス)、伊藤貴之(エジプト国王)。

初日舞台写真
https://www.nntt.jac.go.jp/enjoy/record/detail/37_025436.html
公演概要
https://www.nntt.jac.go.jp/opera/aida/
当日の僕の書き込み(画像およびリンク集)
https://www.facebook.com/hogehoge2005/posts/pfbid02YcLsApbroetQHytXMq7qQsa9ebck5jTR38WjtY6uSEQ2GQXeJhNapByzmeSAP428l

33さーじょん:2023/05/01(月) 12:47:53
前々回の公演が開場10周年。前回が20周年で今回は25周年。節目ごとに上演されるプロダクションです。何回観ても絢爛豪華!!! としか言いようがない・・・のですが今回は「紗幕」の経年劣化がちょっと気になったなぁ。初めて観たとき(15年前)は紗幕が掛かっていることに気付かなかった位だったのが、今回は幕が開いた瞬間に紗幕が視認できた。本当に極細の糸で織られていると思いますが、25年経つと汚れや変色は避けられないかな・・・とまあこれは些末な話しwww
指揮・オケ・歌手は流石に気合いの入った公演だけあって、素晴しく高水準でした。ラダメスのちょっとカレーラスっぽい声も印象的。あと、アムネリスってやっぱり4幕にピーク持ってくるのね。前半はすこし抑え気味だったけど、ラストはたっぷり聴かせてくれました。

34さーじょん:2023/05/01(月) 12:48:32
この作品(そしてこのプロダクション)、いつも第2幕が注目されるし事前の宣伝でも凱旋の場を推していますが、僕は音楽的には第3幕・第4幕の方がはるかに好き。幕間に隣の外国人の婦人に(カタコト日本語+英語ちゃんぽんで)話しかけられて、「アクトフォーのアムネリスの祈りがベリービューティフル」とか言ったたのですが、何とか伝わったらしく、終幕後「Very beautiful, magic moment…」と仰ってました。
ところでヴェルディって「女同士の恋敵」の描き方、ホンっっっっとに下手くそだと改めて痛感。第2幕第1場とか「昼メロかよ!」と突っ込みたくなる。オペラで「女同士の恋敵」というと、ノルマとアダルジーザ、アドリアーナとブイヨン公妃、カルメンとミカエラ、そして元帥夫人とゾフィーが思い浮かぶ。そのどれと比べても、アイーダとアムネリスの「女のたたかい」の描き方、稚拙だよなあ。。。


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