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魔笛

1さーじょん:2004/01/12(月) 15:14
作曲:ウォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756-1791)
台本:ヨハン・エマヌエル・シカネーダー
初演:1791年、ウィーン

8さーじょん:2005/01/03(月) 09:47
 歌手陣で最も印象に残ったのはパーペ。美しく、真っ直ぐに伸びている声だ。本当に立派な歌唱だと思う。http://www.renepape.com/には、“Since his appearance under the baton of Sir Georg Solti in 1991 as the youngest Sarastro ever to appear in The Magic Flute at the Salzburg Festival, Mr. Pape has created a unique profile for himself in the world of music.”と書かれている。64年生まれだから、このときはまだ27歳! 不思議なものだ。若い歌手がザラストロを演じているだけで、オペラ全体の雰囲気がいつもとはがらりと変わったように思えてしまう。
 グルントヘーバー、セッラといった有名歌手も、その他の(僕が知らない)無名歌手も、総じて好演だ。ただし、ツェドニクのモノスタトスだけは、歌唱も演技も、これ以上何を望めようかというほど上手いのだが、僕の好みではない。ミーメやヘロデ王、密偵(アンドレア・シェニエ)といった、奸計をたくらむ、腹にイチモツあるような役では本当に素晴らしいし、http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/music/7336/1073782739/10-14もとても印象に残っているが、何と言ったらいいのだろう? モノスタトスにしては、切れ味が良すぎて、アタマが良すぎるように聞こえてしまうのである。

9さーじょん:2005/01/03(月) 09:48
 第2幕のパパゲーノのアリア「可愛い娘か女房が」では、ショルティ自身がグロッケンシュピールを弾いている。初めて観たときには、「この曲が好きなんだろうなあ」くらいにしか思わなかったが、『ショルティ自伝』を読んで、「ザルツブルク音楽祭、魔笛、グロッケンシュピール」が彼にとって特別な意味を持つものであることが分かった。1936年夏のザルツブルク音楽祭で、トスカニーニの助手として、『魔笛』の本番でグロッケンシュピールを弾いているのである(上掲書50ページ)。
 余談だが、『ショルティ自伝』のトスカニーニやフルトヴェングラーに関する記述と、クレメンス・クラウスやカラヤンに関するそれを比べると、ショルティが後二者に対して複雑な感情を持っていたことが垣間見える。戦時中を亡命者として過ごしたユダヤ人である。ナチスに乗っかって名声を上げた指揮者に対して、敬意を抱けという方が無理だろうね。
 演出で印象に残ったことを二箇所ほど。
 3人の少年、2回ほど宙づりになって登場する。「シャボン玉に載ってやってくる」っていう設定だけど、この状態で延々歌うわけだから、演じる方はタイヘンだよなあ。高所恐怖症では絶対無理だよね。
 第1幕終わりの方、タミーノが笛を奏でると、動物たちが集まってくるが、ダチョウの群れが出てきたのは笑ってしまった。いったいぜんたい、何処の国っていう設定なの???

10さーじょん:2005/03/01(火) 00:17:17
3月5日(土)18:30〜、新国立劇場にて二期会「魔笛」鑑賞予定
詳細は↓
http://www.nikikai-opera.or.jp/zauberflote.html

11さーじょん:2005/03/06(日) 03:40:38
>>10、素晴らしい公演でした。極上の大人のための絵本を見せてもらった、夢のような3時間半でした。再演されたら絶対見に行きたいと思います。
 実相寺昭雄演出、下野竜也指揮、東京フィルハーモニー管弦楽団、二期会合唱団。
 多田羅迪夫(弁者)、黒木純(ザラストロ)、望月哲也(タミーノ)、稲山出(僧侶1)、羽山晃夫(僧侶2)、井上ゆかり(パミーナ)、悦田比呂子(侍女1)、渡邊史(侍女2)、橋本恵子(侍女3)、中嶋周子(童子1)、瀧上美保(童子2)、前田真木子(童子3)、萩原潤(パパゲーノ)、若槻量子(パパゲーナ)、青柳素晴(モノスタトス)、種井静夫(武士1)、畠山茂(武士2)、上杉陽一(魔木)。
 僕の席は、舞台向かって真ん中より少しだけ左寄りで、前から5列目。1階席でよかったなあ!

12さーじょん:2005/03/06(日) 03:40:53
 舞台装置は、1幕2幕とも共通。上手下手には白い階段、2階くらいまで上がる高さ。中央は回り舞台。前面が白い「大階段」、30段ほど。奥(上)に行くにつれて幅が若干狭くなる。
 「右側面」は白いフェンス、2階くらいの高さに通路というか、工事現場の足場みたいな感じ。右側面が正面を向くと、上手の方が高くなっている(階段の脇についているため)。上段に2カ所ほど開口部。冒頭では、ここから3人の侍女が出入りしていた。下段には扉、ここから大蛇が顔を出す。
 回り舞台の「背面」は、黒を基調として、階段が組み合わさった装置。いちばん高いところは3階くらいになるのではなかろうか? 下段にやはり開口部だが、ここからの出入りはなかったように記憶している。
 とにかく「高さ」を使った舞台だった。上の方には白い額縁がかかっていたが、舞台本来の額縁の上端に近いところだった。3人の童子も、ほとんどゴンドラに乗っていたし、今回の公演では、高所恐怖症では無理だろうな。
 衣装については、公演プログラムにスケッチが載っている、このスケッチをかなり忠実に再現していたと思う。音楽は、第2幕11番の二人の僧侶の歌も含めて、すべてカットなしで、順番通り。

13さーじょん:2005/03/06(日) 03:41:09
 開幕前、幕には星座が映し出されていた。序曲冒頭、出だしのところで「あれ? テンポ速めかな」と思ったが、実際に始まってみると、それほどでもなかった。ところどころ、僕が聴き慣れたショルティ盤よりも速いかなと思う箇所はあった。もう少し重厚でもよかったかな、という気もする。
 序曲の、舞台裏で3回和音が鳴るところで、幕が開くと、装置は「右側面」。桃太郎のごとき衣装に身を包んだタミーノ、いったん登場。上段の開口部で刀を振り上げるが、ドライアイスの煙が噴出され、行く手を阻まれている様子。いったん退場し、序曲が終わると再び登場。下段の扉が開いて、機関車とも犬とも河馬ともつかぬ怪物登場。終演後に会った知人は、「冒頭にあの怪物が出てきたことで、『あー、今回はこういう演出なんだな』と強く印象づけられた。あとはどんなことが起きても、何が出てきても、受け入れられるようになった」と言っていた。僕もその通りだと思う。タミーノ気を失い、3人の侍女、上段の開口部から登場。「スター・ウォーズ」のような光る剣を持っている。剣の先から火花が出て、怪物を退治。
 ついで登場したパパゲーノ、白い粉を噴出する銃を持っている。なぜか「ペギラ」みたいな怪獣が登場。銃で粉を吹きかけると、怪獣は逃げてしまう。アリアの途中で、空に向けて噴出すると、黄色い鳥が落ちてくる。それを服に結びつける。アリアの最後で、自分に向けて誤射して、倒れてしまう。タミーノとパパゲーノのやりとり、「僕は王子だ」「飛鳥山公園……」という小ネタあり。3人の侍女が持ってきた「パンの代わりの石」は、レンガの塀の破片のようなモノ。「ワインの代わりの水」は、小さいペットボトル。「口封じのカギ」は、アタマからすっぽりと鳥かごをかぶせる形。
 3人の侍女の「夜の女王の登場です」の呼び声で、回り舞台は時計回りに90度回転。「背面」が正面を向く。最上段に夜の女王。舞台の上の方に、何気にミラーボールが吊されていた(回りはしなかったが……)。回り舞台は再び元に戻り、「右側面」が正面を向く。道案内として3人の侍女が紹介する3人の童子は、ゴンドラに乗って登場。5重唱の途中で、指揮者が5人の写真を撮るという小ネタ。

14さーじょん:2005/03/06(日) 03:41:25
 回り舞台は再び「背面」がこちらを向き、モノスタトスとその部下たち、パミーナ登場。上述の知人は、モノスタトスの格好が、「タイムボカン」みたいで、かなりツボにハマったと言っていた。パパゲーノとモノスタトスの鉢合わせ、パパゲーノが銃でモノスタトスの顔に白い粉を吹きかけ、モノスタトスは上手の舞台奥に伸びてしまう。パパゲーノとパミーナの二重唱で、いったん起きかけるが、再び白い粉を吹きかけられて、伸びてしまう。舞台は180度回って、「大階段」があらわれる。
 タミーノが上手、下手それぞれの入り口に近づくと「下がれ」の合唱。このとき、入り口の上の方に、仁王と我王(阿・吽の像)が現れた。弁者は階段の上のほうに登場。タミーノが笛を吹き始めると、舞台両脇から怪獣たちが登場。ピグモン、レッドキング(?)、ペギラ(?)、シーボース、までは見当つくけど、もう一つ、胴体が3面の顔になっている怪獣の名前は、さっぱり見当つかなんだ。パパゲーノとパミーナを追いつめるモノスタトスとその手下たち、あたかも「戦隊モノ」を思わせる陣形に。
 舞台は第1幕終わりまで、「大階段」ザラストロは上の方に、両脇〜舞台サイドまで僧侶たちが並んでいる。階段には、正三角形をふたつ組み合わせたイスラエルのマークが映し出されていた。

15さーじょん:2005/03/06(日) 03:41:42
 第2幕冒頭は、舞台「背面」。最上段にザラストロ、2階のところに弁者。左右にずらりと僧侶たち。つづく試練の場は、回り舞台は「大階段」。僧侶2とパパゲーノのやり取り、「叡智」と「エッチ」の小ネタやら、「Eカップ」やらで場内がどっと沸いていた。僧侶2はこの後も、パパゲーノとのやり取りではかなりの熱演だった。ちなみに、http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/music/7336/1079182702/6で「残念」と書いた羽山晃夫です。
 階段の上手のほうが前に飛び出して、3人の侍女が登場。第1幕冒頭でもそうだったけど、今回の公演では、3人の侍女のアンサンブルがとっても良かったと思う。http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/music/7336/1079182702/4-8で女優クレロンを歌っていた橋本恵子が侍女3で出てるくらいだから、かなり実力のある歌手を据えたのではなかろうか?
 モノスタトス、プロンプターボックス付近から登場。右足を包帯でぐるぐる巻き。舞台は回って「右側面」が正面を向く。パミーナが寝ている。夜の女王は、やはり最上段に登場。短剣は舞台の床下から登場する。夜の女王の二つのアリア、もちろん、CDやDVDで親しんでいる超名演に比べることはできないが、かなりの良唱だったと思う。最高音もちゃんと歌えていたし。
 つづくザラストロのアリア。これまで舞台の上の方でしか歌わなかったザラストロが、ここでは下に降りてきた。そうすると、かなり声が前に出てきた感がある。上のほうで歌うと、客席に声が届くかどうかということでは、ちょっとよろしくないようですね。

16さーじょん:2005/03/06(日) 03:41:57
 老婆に扮したパパゲーナとパパゲーノのやり取り、ここは他のDVDなどと同じような演出だった。いつも思うんだけど、このやり取りって、もうちょっと工夫できんのかね。何か、引いちゃうんだよね。
 パパゲーノが食事を楽しむ傍らでタミーノが吹く笛のメロディは、第1幕のアリアのメロディだった。これは他ではなかったと思う。たいていは、第1幕フィナーレのメロディだよね。
 回り舞台は「背面」となり、パミーナとタミーノの別れの場面。ザラストロは2階のところに立っていた。
 次の場面は「大階段」。パパゲーノが客席側に踏み出そうとすると、オーケストラボックスの舞台に近いところに置いてあった黄色い警告灯が点灯し、指揮者が赤い誘導灯を持って、「ハイ、下がって、下がって」。パパゲーノは僧侶2に「あの指揮者ヘンだよ〜」。ここでも場内がどっと沸いた。僧侶2の「何か望みは?」に対し「ワインと明太チーズ揚げ」、「日本酒のほうがイイかも……」のやり取り。パパゲーノのアリアの途中で、僧侶2が清酒「魔笛」を持ってやってくる。「下がるくらいなら、大地が俺を呑み込め」で、パパゲーノはプロンプターボックスに引きずり込まれていく。

17さーじょん:2005/03/06(日) 03:42:16
 3人の童子とパミーナの4重唱。舞台は「大階段」。ここで初めて、3人の童子はゴンドラを降りる。続く最後の試練の場、舞台は、「背面」。武士1を歌うテノールがずいぶん立派な声だなあと思った。プロフ見たら、バリトンからテノールに転向した人らしい。火と水の試練は、回る舞台の上を二人で歩いていく。客席にはつねに二人の姿が見える。
 パパゲーノ自殺未遂の場面。舞台は「階段」で、真ん中に樹がある。「中に人が入ってるっぽいなー」と思ってみていたが、やはり人が入っていた。木の棒の先に、首吊り用の縄をくくりつけたモノを持ち、すきあらばパパゲーノのクビに掛けようとうかがっているが、グロッケンシュピールの響きで退散してしまう。
 「パ・パ・パ」の二重唱で、プロンプターボックスから赤ちゃん着にくるまれたキューピー人形を次々に取り出し、最後はなぜかブースカ人形。ここまでも何回も美しい旋律に感動した場面はあったんだけど、ここでこらえきれず涙がこぼれてしまいました……。
 最後の場面は、大階段にザラストロと僧侶たち。照明が明るくなって、階段の白さが映えました。カーテンコールでは、演出家も登場です。

18さーじょん:2005/03/06(日) 03:42:32
 それにしても、改めてモーツァルトのメロディ・メイカーとしての才能に、脱帽しました。これほど美しい音楽だったんですね。僕が子どもの頃から、この作品に魅せられてきた理由も、改めてわかりました。上にも書いた通り、とにかく素晴らしい公演でした。聴き慣れた音楽のはずなのに、演出家によって新たな命が吹き込まれた、とはこのことを言うのでしょう。
 歌手の中で特筆すべきはパミーナでした。とっても立派な歌だったと思います。タミーノ役、どこかで聴いたことあるなあと思っていたら、http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/music/7336/1073888577/19でオッターヴィオ歌っていた人でした。てっきり、http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/music/7336/1073888577/11のオッターヴィオ歌っていた人だとばかり思っていたんだよね。
 パパゲーノとモノスタトス、演技がとてもよかったと思います。それから、上にも書いたけど、3人の侍女のアンサンブルが特に美しいと思いました。
 昨年の宮本亜門のドン・ジョヴァンニ、(僕は観なかったけど)イェヌーファ、そしてこの魔笛と、二期会はかなりレヴェルの高い公演が続いていますね。新国立劇場がいろいろと不評を買っているのと対照的です。
 この魔笛、再演しないかな〜〜、されたら絶対観に行きたいよー……

19さーじょん:2005/03/06(日) 09:55:27
訂正。>>12に、「右側面が正面を向くと、上手の方が高い」って書いたけど、よくよく思い出してみると、下手の方が高かったような気がする。ああ、よく思い出せない・・・

20さーじょん:2005/04/22(金) 01:18:34
 久々に聴く>>2のCD。結果としてhttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/music/7336/1079224193/15に引き続くショルティ祭りになってしまった。
 やっぱり、いいねえ。俺この録音、これまで何回聴いたかわかんない。少なくとも30年以上聞き続けていることは確かだけどね。。。

21さーじょん:2005/04/24(日) 22:15:38
ベーム指揮1955年録音
http://catalogue.deccaclassics.com/catalogue/prodshow.jsp?searchstr=448734
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00005FL1N
 仕事で固まったアタマをほぐすには、モーツァルトがいちばん、というわけで魔笛です。「ベーム、VPO、モーツァルト」だから、僕の好みでないはずがない。録音のおかげでしょうか、序曲冒頭の一発目の音から、素晴らしい響きだと思いました。あ、自分のアタマがこういう音を欲していたせいですね。。。
 管弦楽の響きはショルティ盤にも匹敵するでしょう。ただいかんせん、全般に歌手の歌い回しが、僕の耳には「古臭く」響いてしまいました。聴き慣れれば感想も変わると思いますけどね。

22さーじょん:2005/06/25(土) 14:07:59
偶然見つけた、>>10-19ゲネプロの写真
記憶があいまいになってたところを、多少は補えそうだ
http://www.music.co.jp/classicnews/c-news/2005/0227-0305.html#6

23さーじょん:2005/10/24(月) 22:02:39
 http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/music/7336/1083257495/5を見たらもっとプライが聴きたくなった。というわけで、お馴染み>>2のショルティ旧盤を聴く。
 現在ではCDを持っているが、実家からLPも持ってきている。LPには、「197X年XX月XX日」という書き込みがある。実家は、決して裕福ではなかった。当時はオペラのLPなんて贅沢品だったから、買った記念として年月を書き込んだのだろう。僕が3歳の頃だ。かれこれ30年以上にわたって聴いていることになる。
 LPの解説書が結構充実している。いろいろな情報が得られるわけだが、中でも「へぇ」だったのは、ゲーテが魔笛の続編を書こうとして失敗した、という事実。解説者の石井宏は、「魔笛に感動した人は多い。……しかし、ゲーテの続編が未完に終わったことが象徴するように、よく考えると魔笛のどこに感動したのかわからないところがあったであろう。感動の大部分がモーツァルトの音楽のなせるわざであることに気づかず、魔笛というオペラ全体の感動だと受けとると、そこに一種の錯覚が起こる」と記していす。
 それにしても、この魔笛、とても平常心では聴けないなあ。http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/music/7336/1085704860/4-5にちょっとだけ書いたような事情があって、このLPにまつわるあれこれを思い出してしまうのです。。。

24さーじょん:2005/12/31(土) 10:20:52
ポネル演出、レヴァイン指揮、1982年ザルツブルク音楽祭公演DVD。多分今年最後のオペラDVD鑑賞ですね。
http://www.core.tdk.co.jp/cjmus01/classic01/dvd09100.asp
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000BV7SHG
http://www.hmv.co.jp/product/detail.asp?sku=1426068
 公演が広い舞台を十二分に活かした、本当にお伽噺のような素晴らしい演出です。このプロダクション、NHKで放送されたのを観た記憶があります。観ていくうちに、「あーそーだった、そーだった」と思い出しました。NHKで放送されたときは(どこの場面かは忘れたけれど)野外劇場らしく、時を告げる教会(?)の鐘の音が鳴っていたように記憶しているのですが、1回観た限りでは、このDVDにはそれは入っていないようです。もしかしたら、同じプロダクションの違う年の公演を放送したのかしら?
 レヴァインという指揮者は、歌手やオケが本来持っている魅力を引き出すのに長けているという気がします。「ナクソス島のアリアドネ」http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/music/7336/1083258395/15や、「トスカ」http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/music/7336/1079184430/21のように、「メト以外」の演奏ではより如実に出るように思います。このDVDでも、序曲の冒頭から「ウィーン・フィルの響き」を堪能できます。
 歌手陣ではやはり、シュライヤーのタミーノがいいですね。タミーノとオッターヴィオに関しては、僕的にはシュライヤーがいちばんです。コトルバスはどうでしょうか。第2幕のアリアなんか可哀想でいいんだけど、好みから言うと、ローレンガーやポップのように、張りのある声のほうが好きだなあ。。。あとタルヴェラ、本当にデカイ!

25<font color=#FF0000>さーじょん</font>[TRACKBACK]:2006/01/30(月) 23:43:05
1月29日(日)新国立劇場公演鑑賞。
ミヒャエル・ハンペ演出、服部譲二指揮、東京交響楽団、新国立劇場合唱団。
アルフレッド・ライター(ザラストロ)、ライナー・トロースト(タミーノ)、長谷川顯(弁者)、佐藤美枝子(夜の女王)、砂川涼子(パミーナ)、アントン・シャリンガー(パパゲーノ)、諸井サチヨ(パパゲーナ)、高橋淳(モノスタトス)
公演詳細および初日の写真
http://www.nntt.jac.go.jp/season/updata/10000022.html
http://www.nntt.jac.go.jp/frecord/updata/10000014.html
同じプロダクションの1998年および2000年の公演
http://www.nntt.jac.go.jp/frecord/opera/1998%7E1999/mateki/mateki.html
http://www.nntt.jac.go.jp/frecord/opera/2000%7E2001/mateki/mateki.html
 演出はきわめてオーソドックス(ていうか、このオペラ、もはや何が「オーソドックス」か、わからなくなっているのではないかしら?)。細かいことを書き記す必要もないでしょう。ザラストロ、タミーノ、パミーナの別れの三重唱は、第2幕冒頭、ザラストロのアリアの後に持ってきていました。僧侶と弁者の二重唱は省略せず。
 さすがに再々演ともなると、安心して観ていられます。夜の女王の登場場面も美しかったし、とくに後半は舞台の上下動をフル活用して、見た目にも飽きない展開でした。やはりミヒャエル・ハンペは素晴らしいですね。モノスタトスがハードゲイ芸人の真似をしたり、第2幕ではパパゲーノが「オクサン、イラナイ!」、タミーノがパパゲーノに「ウルサイ!」と日本語で喋るといった小ネタもあり。カーテンコールになって突如パパゲーノとパパゲーナが子どもたちを連れて登場するといった演出もありました。
 いろいろな意味でテンションの高かった>>10-19と比べてしまうと、音楽的にも、演劇的にも、ハジける要素は乏しいかとも思いますが、全体としてみれば、十分満足できる好演でした。

26さーじょん:2006/01/30(月) 23:44:10
 歌手陣で印象に残ったのはパミーナ。>>24に「張りのある声のパミーナが好き」と書いたのですが、まさに僕好みでした。大詰め、タミーノと二人で火の試練・水の試練に向かうときの歌とか、やっぱりこういう声で聴かされると、堪らないものがあります。佐藤美枝子も、最高音もしっかり出していたし、予想以上に力強くもあり、素晴らしい歌でしたが、彼女のジルダを昨年聴いたばかりなので(http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/music/7336/1073887921/27-30)、う〜ん、それに比べると、ちょっと声質的に合ってないかな、という感は否めません。早いうちに彼女のルチア、聴きたいなあ。
 タミーノ、パパゲーノといった男声陣も充実していました。ザラストロは美しい声でしたが、今回3階サイドの奥のほうで聴いていたせいでしょうか。声力というか遠達力が、もう少し欲しかったと思います(まあ、声がデカいだけの歌手も困りものですけどね)。逆に弁者は、声は良く届いたのですが、不安定なところが……。
 ネット上の情報では、オケと歌手のバラツキがかなりひどかったように書かれていましたが、最終日ともなるとかなり改善されていたようです。ただ、まとめることにエネルギーを費やしてしまったのか、爆発的なエネルギーは感じられず、どちらかというとヌルいオケでした。それとは対照的に、新国立劇場合唱団、力がありますね。しっかりした合唱でこの作品を聴けるのは、うれしい限りです。

27さーじょん:2006/01/30(月) 23:44:54
 それにしても、季節のせいか、はたまた年齢のせいか、すっかり涙もろくなっています。
 今回も、パパゲーノとパミーナの二重唱(モーツァルトは「男と女の二重唱」と呼んでいたそうな)とか、第2幕のパパゲーノのアリアとか、三人の童子がパミーナの自殺を思いとどまらせた後の四重唱とか、「パ・パ・パ」の二重唱とか、今回の歌唱や演奏がどうこうというのではなく、兎に角、あまりの旋律の美しさにウルウル来てしまいました(CDでは何十回聴いてるかわからないくらいなのに……)。

28<font color=#FF0000>さーじょん</font>[TRACKBACK]:2006/01/31(火) 23:52:56
「モーツァルト嫌い」のおばさま曰く「まったく記憶に残らない」……orz(トラックバック参照)

29Cypress:2006/02/01(水) 18:01:32
メリぱぱさん、どうもです。
ザラストロのアルフレッド・ライターは直に聴くといい声ではあるんですが
僕もザラストロにはちょっと若いかなと思いました。好みとしてはもっと低音が
効いてた方が好みでもありますしね。

30<font color=#FF0000>さーじょん</font>[TRACKBACK]:2006/02/02(木) 00:10:58
>>29 cypress様
トラックバックありがとうございました。こちらからも付けさせていただきますねー。
それにしても、掲示板形式はブログに比べて機動性ないな……。

31さーじょん:2006/05/06(土) 23:15:10
ショルティ指揮1991年録音CDを聴く。>>2>>20>>23から22年を経った後の「新録音」です。
http://catalogue.deccaclassics.com/catalogue/prodshow.jsp?searchstr=433210
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00005FKIC
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00000E4XU
http://www.hmv.co.jp/product/detail.asp?sku=79952
http://www.hmv.co.jp/product/detail.asp?sku=47006
 やはり同じ「ショルティ+VPO」ですから、旧録音CDや>>7-9のVHSとほぼ同じ音がしています。いくつかの重唱では、テンポが早めになっているものもありますが、ある意味、現代的な「軽やかさ」なのかも知れません。
 演奏のせいなのか、歌手のせいなのか、はたまた録音のせいなのか、旧録音に比べると重厚さをわざと抑えているようにも感じられます。旧録音が「大時代劇」とすれば、こちらのほうがより「お伽噺」的に聞こえます。とはいえショルティの音であることには変わりないわけですが。
 歌手陣では夜の女王のSumi Joが素晴らしいですね。最近名前見ないけど、どうしてるのかしらん? 残念ながら↓のサイト、ハングルなので何書いてあるか、さっぱりわかりません。お隣の国にいて、まだ声が健在なら、日本でも歌ってほしいところです。
Sumi Jo http://www.josumi.com/index.html

32さーじょん:2006/12/29(金) 13:06:38
サヴァリッシュ指揮1972年録音
http://www.emiclassics.de/xml/6/1777/3586072.html
http://www.amazon.co.jp/gp/product/B000026TWD
http://www.hmv.co.jp/product/detail/1285994
http://www.hmv.co.jp/product/detail/657563
 僕が買ったのはいちばん下の仏盤。中古店で買いましたが、新品でも投げ売りみたいな値段ですね。この豪華キャスト、サヴァリッシュ&バイエルンですから、当然のように素晴らしい音です。
 自分の持っているオペラのソフトでは、最も多いオケはウィーン・フィルです。さてそれに対抗しうる魅力を持ったオケはというと、自分の中では、バイエルン国立歌劇場管弦楽団は十分その位置にあります。>>3同様、これもたいへん魅力的な音です。
 このCD、11番と12番の間に、これまで聴いたことのないタミーノとパパゲーノの二重唱が入っています。タイトルは「Pamina, wo bist du」となっていますが、この曲については、名曲解説全集http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/music/7336/1085282357/5にも、ショルティ旧盤LP解説書>>23にも、まったく言及がない。ネットで探せば、どこかに情報はあるかも知れませんが。。。

33さーじょん:2007/04/01(日) 10:24:46
>>6クレンペラー盤を聴く。
http://www.hmv.co.jp/product/detail/843681
http://www.hmv.co.jp/product/detail/897087
 やはりキャストの揃った名盤です。3人の侍女の1人、シュワルツコップが強い個性を発揮しているのは、ちょっと笑ってしまいました。ヤノヴィッツ、パミーナを持ち役にしてもおかしくなさそうですが、この後は録音していませんね。

34さーじょん:2007/07/31(火) 06:24:05
>>10-19>>22の二期会魔笛が再演されました。7月29日(日)新国立劇場にて鑑賞。
 実相寺昭雄演出、高関健指揮、東京フィルハーモニー交響楽団、二期会合唱団。
 久保和範(弁者)、堀野浩史(ザラストロ)、品田昭子(夜の女王)、小貫岩夫(タミーノ)、村林徹也(僧侶1)、大川信之(僧侶2)、増田のり子(パミーナ)、渡辺史(侍女1)、星野恵理(侍女2)、高柳佳代(侍女3)、猿山順子(童子1)、金原智子(童子2)、小林久美子(童子3)、山下浩司(パパゲーノ)、九嶋香奈枝(パパゲーナ)、吉田伸昭(モノスタトス)、行天蘒晃(武士1)、岩本貴文(武士2)、上杉陽一(魔木)。
ゲネプロ↓
http://www.music.co.jp/classicnews/c-news/2007/0722-0728.html#9
二期会ブログ↓
http://www.nikikai21.net/blog/2007/07/post_28.html
 当然ながら、2005年と同じ装置・演出ですが、ちがったのは、第1幕後半のタミーノの笛の音に誘われて出てくる怪獣の種類。今回は、バルタン星人、ジャミラ、カネゴン、チャンドラーなどとなっておりました。

35さーじょん:2007/07/31(火) 06:27:21
 僕はこのプロダクション、好きですねー。今回は最安4階席での鑑賞でした。目の前に小さな子どもが座っていて、当然のように前のめりになっていたので、決して見やすくはなかったのですが、最安席は「だいたい見えればよい」と思っておりますので、不満は言いますまい。上で見たおかげで、この回り舞台の奥行きや、照明の彩りがよくわかったのは収穫でした。
 キャストは、2005年にくらべると、より若手中心の配役と言うべきでしょうか。正直、「三人の侍女」を含めて全般的に荒削り感はありましたが、魔笛ですから、そこそこの演奏でも僕は十二分に楽しめてしまうわけです。指揮については、ばらつくようなところはなかったので、及第点でしょう。目を見張るような統率力とは、ほど遠かったことは確かですけどね。
 やはりこれは、演出を楽しむ公演ですね。演奏をどうこう言うより、「楽しくてヨカッタ」と言うべきですね。

36さーじょん:2008/04/02(水) 23:56:23
久しぶりに聴く>>21ベーム指揮1955年録音。
http://www.hmv.co.jp/product/detail/104321
う〜ん、悪くないんだけど、やっぱり、録音と歌手の歌い回しが古くさい、かな〜?
それなりに、味わいはあるんですけどねえ。。。

37さーじょん:2008/12/30(火) 15:38:34
>>6>>33のクレンペラー盤を聴く。
ベーム指揮コシ・ファン・トゥッテ1962年録音http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/music/7336/1083257631/32と、続けてフィルハーモニア・オーケストラのモーツァルトを聴いたわけですが、どうやら僕はこのオケの実力を見誤っていたようですね。本当にコクのある音です。思い起こせば、フルトヴェングラー指揮「トリスタンとイゾルデ」や、カラヤン指揮「ばらの騎士」といった名演を残しているわけですから、底力はたいへんなものですね。

38さーじょん:2009/04/14(火) 01:20:25
スイトナー指揮1970年録音。
http://www.hmv.co.jp/product/detail/726128
投げ売りみたいな値段ですね。
http://classic.music.coocan.jp/op/flote.htm
↑にも情報あり。
 やはりSKDの柔らかな響きが何よりも印象に残りました。とはいえ、2007年来日公演のサロメhttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/music/7336/1073782739/40-42では、引っ繰り返るような爆演でしたから、このクラスのオケというのは、激しく演奏しようと思えばいくらでもできるし、柔らかく演奏しようと思えばいくらでもできるのではないかと思ってしまいました。中でも本領を発揮するのは、こういう演奏、っていうことではないかしら。
 歌手ではシュライアーが本当に素晴らしい歌唱ですね。後世不世出のモーツァルト歌いと言って良いでしょう。

39さーじょん:2009/04/18(土) 23:54:24
>>21>>36ベーム盤を聴く。
 改めて聞くと、やはりオケの響きに魅力があります。歌手ではギューデンが良いですね。

40さーじょん:2009/11/07(土) 01:00:01
11月3日(火)新国立劇場公演鑑賞。
>>25-27のプロダクションの再演です。4回目の上演ですね。
ミヒャエル・ハンペ演出、アルフレート・エシュベ指揮、東京交響楽団、新国立劇場合唱団。
 松井浩(ザラストロ)、カミラ・ティリング(パミーナ)、ステファノ・フェラーリ(タミーノ)、マルクス・ブッター(パパゲーノ)、安井陽子(夜の女王)、鵜木絵里(パパゲーナ)、高橋淳(モノスタトス)。
公演概要、初日舞台写真
http://www.atre.jp/09mateki/
http://www.nntt.jac.go.jp/frecord/updata/20000101.html
 歌手に関しては、パミーナ、夜の女王、パパゲーノは、かなり高水準でした。非力感のあるタミーノを除くと、その他のキャストも充実していたと思います。
 ただ如何せん、指揮はかなり軽めというか、ヌルめというか、僕自身が期待していた重厚感は感じられず。それ以上に、体調があまり良くなかったのと、前々日に見た鈴木杏主演の「奇跡の人」が、あまりに気迫を感じた舞台で、集中力を使い果たしてしまったこともあって、3割から4割くらいウトウトしていたので、非常に印象の薄いオペラ鑑賞になってしまいました。魔笛、結構好きなんだけどなあ。。。

41さーじょん:2013/08/12(月) 00:17:52
2013年4月21日(日)新国立劇場公演鑑賞。>>25-27>>40の再演。5回目の上演ですね。気がつけば4カ月経っていました。記録のみ。
 ミヒャエル・ハンペ演出、ラルフ・ヴァイケルト指揮、東京フィルハーモニー交響楽団、新国立劇場合唱団。
 松位浩(ザラストロ)、望月哲也(タミーノ)、大沼徹(弁者)、安井陽子(夜の女王)、砂川涼子(パミーナ)、安藤赴美子(侍女Ⅰ)、加納悦子(侍女Ⅱ)、渡辺敦子(侍女Ⅲ)、鵜木絵里(パパゲーナ)、萩原潤(パパゲーノ)、加茂下稔(モノスタトス)。
公演概要・初日舞台写真
http://www.nntt.jac.go.jp/opera/20000613_opera.html
http://www.nntt.jac.go.jp/opera/20000208_frecord.html
2009年公演
http://www.nntt.jac.go.jp/opera/20000188_opera.html
http://www.nntt.jac.go.jp/opera/20000101_frecord.html
2006年公演
http://www.nntt.jac.go.jp/season/updata/10000022.html
http://www.nntt.jac.go.jp/opera/10000014_frecord.html
2000年公演
http://www.nntt.jac.go.jp/season/s92/s92.html
http://www.nntt.jac.go.jp/frecord/opera/2000~2001/mateki/mateki.html
1998年公演
http://www.nntt.jac.go.jp/season/s92/s92.html
http://www.nntt.jac.go.jp/frecord/opera/1998~1999/mateki/mateki.html

42さーじょん:2016/01/31(日) 10:58:34
2016年1月30日(土)新国立劇場公演鑑賞。>>25-27>>40>>41の再演。
 ミヒャエル・ハンペ演出、ロベルト・パーテルノストロ指揮、東京交響楽団、新国立劇場合唱団。
 妻屋秀和(ザラストロ)、佐藤美枝子(夜の女王)、鈴木准(タミーノ)、増田のり子(パミーナ)、横山恵子(侍女I)、小林由佳(侍女II)、小野美咲(侍女III)、萩原潤(パパゲーノ)、鷲尾麻衣(パパゲーナ)、晴雅彦(モノスタトス)。
公演概要・舞台写真
http://www.nntt.jac.go.jp/opera/performance/150109_006149.html
http://www.nntt.jac.go.jp/enjoy/record/detail/160125_008086.html
テンポは(僕がこの作品に持ってるイメージからすると)かなり速め、時たまアンサンブルの乱れなんかも。ベテラン指揮者なので、これはちょっと意外でした。ただそれでも、一定水準の楽しい舞台だったのは、何よりも「魔笛」が素晴らしい作品だからでしょう。

43さーじょん:2016/01/31(日) 11:07:11
 ところで、改めて字幕観ていたら、本当に「友愛」という言葉が頻出していた。「フリーメーソンの影響」が語られることも多い作品なので、まあ当然といえば当然ですが、実は僕は、この作品の結末はイマイチ納得していない(納得できないのは結末だけではありませんが・・・)。
 そろそろ、「最後の最後に、夜の女王派とザラストロ派が和解して終わり」なんて演出が出てきてもいいのではないかしら。
 たとえば、「夜の女王、三人の侍女、モノスタトスは、雷鳴に打たれていったんは気絶するが、正気に戻ると目の前にはザラストロ、パミーナ、タミーノ。すべてを受け入れた夜の女王は、いまや王冠も脱ぎ、ザラストロと握手を交わして和解する。そして、娘のパミーナといまや義理の息子となったパミーナの新たな門出を祝福する。モノスタトスは、三人の童子たちに促されてパパゲーノと握手を交わして、自然児夫婦の出発を手を振って見送る」とかね。

44さーじょん:2018/04/08(日) 20:31:31
4月8日(日)オーチャードホールにてベルリン・コーミッシェ・オーパー来日公演鑑賞。
バリー・コスキー/スザン・アンドレイド演出、ポール・バリット:アニメーター、ガブリエル・フェルツ指揮、ベルリン・コーミッシェ・オーパー管弦楽団・合唱団、照る津少年合唱団。
アデラ・サハリア(パミーナ)、タンセル・アクセイベク(タミーノ)、クリスティーナ・プリツィ(夜の女王)、インスン・ジム(ザラストロ)、ドミニク・ケーニンガー(パパゲーノ)、イヴァン・トゥールジチュ(モノスタトス)、タリャ・リーバーマン(パパゲーナ)。

45さーじょん:2018/04/08(日) 20:33:55
公演情報↓
http://www.bunkamura.co.jp/orchard/lineup/kashi/20180407.html
当日の僕の書き込み↓
https://www.facebook.com/hogehoge2005/posts/1270903643043243

46さーじょん:2018/06/17(日) 05:14:45
2018年6月16日(土)日生劇場公演鑑賞「NSSAY OPERA 2018」
佐藤見晴演出、沼尻竜典指揮、新日本フィルハーモニー交響楽団。
デニス・ビシュニャ(ザラストロ)、西村悟(タミーノ)、福島明也(弁者)、中江早希(夜の女王)、森谷真理(パミーナ)、梅津碧(パパゲーナ)、石野繁生(パパゲーノ)、大川信之(モノスタトス)

公演概要↓
http://www.nissaytheatre.or.jp/schedule/opera2018_mf/
当日の僕の書き込み↓
https://twitter.com/hogehoge2005/status/1007895864218550272

47さーじょん:2018/10/24(水) 01:30:28
2018年10月8日(月・祝)新国立劇場公演鑑賞。新国の魔笛は久しぶりの新制作です。
ウィリアム・ケントリッジ演出、ローラント・ベーア指揮、東京フィルハーモニー交響楽団。
サヴァ・ヴェミッチ(ザラストロ)、スティーヴ・ダヴィスリム(タミーノ)、安井陽子(夜の女王)、林正子(パミーナ)、アンドレ・シュエン(パパゲーノ)、九嶋香奈枝(パパゲーナ)、升島唯博(モノスタトス)
公演サイト↓
https://www.nntt.jac.go.jp/opera/die-zauberflote/
初日舞台写真↓
https://www.nntt.jac.go.jp/enjoy/record/detail/37_012965.html
当日の僕の書き込み↓
https://www.facebook.com/hogehoge2005/posts/1422493191217620

48さーじょん:2021/09/19(日) 19:30:36
2021年9月12日(日)東京二期会公演@東京文化会館。
宮本亜門演出、ギエドレ・シュレキーテ指揮、読売日本交響楽団。
斉木健詞(ザラストロ)、市川浩平(タミーノ)、河野鉄平(弁者)、高橋維(夜の女王)、盛田麻央(パミーナ)、守谷由香(パパゲーナ)、近藤圭(パパゲーノ)、升島唯博(モノスタトス)。
公演サイト↓
http://www.nikikai.net/lineup/diezauberflote2021/index.html
ゲネプロレポート↓
https://ebravo.jp/nikikai/archives/3082
カーテンコール↓
https://twitter.com/nikikai_opera/status/1437027617173958662

49さーじょん:2021/09/19(日) 19:31:58
「魔笛」は僕自身、最も回数多く観ている作品と思います。今回の宮本亜門演出の感想は、>>45のリンク先と同じ。「おとぎ話はイカにもおとぎ話らしく演出してくれるのがいちばん、と思っていますが、本当に素敵な、そして十分に現代性のあるおとぎ話に仕上がっています。」
物語全体を、RPGの中の世界、電脳空間として描いた演出。とっても気に入りました。
序曲では「現実空間」を舞台とした黙劇が繰り広げられます。
お祖父ちゃん(=弁者)が買ってきたゲームで、3人の子どもたち(=3人の童子)が遊ぼうとしている。ゲームのタイトル画面には「誰でもヒーローになれる」の文字。お父さん(=タミーノ)が帰ってくるが、どうやらリストラされたっぽく、家族に当たり散らす。お母さん(=パミーナ)は愛想を尽かして出て行く、やけになったお父さんがゲームの世界に迷い込んで、幕が開きます。
3人の侍女、パパゲーノ、夜の女王、ザラストロ・・・その他の登場人物は「いかにもゲームキャラ」っぽい姿形です。タミーノとパパゲーノの出会いの場面では「こいつはゲームの登場人物か?」というタミーノの独言もありますから、この空間ではプレーヤー側とゲームキャラ側とに分けられることが示唆されています。
さて、設定は面白かったのですが、結末は至って普通(笑)。「たぶん、家族の絆を回復して、めでたしめでたしなんだろうな・・・」と思ってたら、その通りでした。

50さーじょん:2021/09/19(日) 19:32:37
上にも書いたように、僕的には「おとぎ話はイカにもおとぎ話らしく演出してくれるのがいちばん」でして、その意味ではまったくおとぎ話っぽくて、とっても楽しめました。>>10-18>>34-35の実相寺昭雄演出、>>44-45のベルリン・コーミッシェ・オーパー来日公演、に次いでの高評価、でございます。
もちろん、単に設定が面白いというだけではなく、歌手や合唱団の演技の付け方も、さすが宮本亜門です。「ぼーっと突っ立ったまんま」なんてことは、全くありません。あと、宮本亜門ってやっぱり振付家出身だなぁと思ったのは、登場人物の動きの付け方、手足の運び、ステップの踏み方、登場人物同士の身体的な動きの付け方が本当に丁寧でした。国内歌劇団の公演で、これだけの水準の演出が観られたら、何も文句はありません!!!!!

51さーじょん:2021/09/19(日) 19:33:28
歌手では、突出して誰かがというワケではないのですが、パミーナが良かったかな。とはいえ、パミーナに悪い印象もったことないので、もしかして儲け役かしら? 改めて思ったけど、第2幕後半ってパミーナが物語を引っ張っていくというか「パミーナ目線」で物語が展開していくのね。
それにしても、やっぱりモーツァルトの音楽は最高です。
第1幕でのパパゲーノとパミーナの二重唱、第2幕のタミーノ、パミーナ、ザラストロの別離の三重唱、三人の童子がパミーナの自死を思いとどまらせる場面、その後の「火と水の試練」でパミーナが登場して魔笛の由来を語る場面、そしてラス前のパパゲーナとパパゲーノの二重唱・・・いずれも、あまりの音楽の美しさに(例によって)ウルウルしてしまいました。
指揮のギエドレ・シュレキーテは急遽の代役。テンポ速めですが性急ではなく、歯切れ良くダイナミクスも明確で、総合的にはとっても「男前」という印象。http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/music/7336/1083258395/40-42 のシモーネ・ヤングもそんな印象でしたから、世界で活躍する女流指揮者って「男前」が潮流なのかしら?

当日の僕の書き込み↓画像のみ
https://www.facebook.com/hogehoge2005/posts/2394162464050683

52さーじょん:2022/05/15(日) 01:36:53
2022年4月23日(土)新国立劇場公演鑑賞。>>47の再演です。
ウィリアム・ケントリッジ演出(再演演出:澤田康子)、オレグ・カエターニ指揮、東京フィルハーモニー交響楽団。
河野鉄平(ザラストロ)、鈴木准(タミーノ)、安井陽子(夜の女王)、砂川涼子(パミーナ)、三宅理恵(パパゲーナ)、近藤圭(パパゲーノ)、升島唯博(モノスタトス)。

初日舞台写真・公演概要↓
https://www.nntt.jac.go.jp/enjoy/record/detail/37_023157.html
合唱指揮者 三澤洋史さんのブログ
https://cafemdr.org/RunRun-Diary/2022-1/MDR-Diary-20220418.html

53さーじょん:2022/05/15(日) 01:37:36
 「鉄板」だったハズの「魔笛」ですが、これほどツマらなかったのは、自分でも大いなる驚きです。例によって前日の夜更かしで睡魔に襲われた、ということもありますが、やはり指揮・演奏に問題が・・・。
 テンポ設定はイタズラに速い。第1幕の三人の童子の紹介、パパゲーノとパミーナの二重唱、第二幕ザラストロのアリアと合唱、パミーナのアリア、三人の童子がパミーナの自死を思いとどまらせる場面、その後の火の試練・水の試練、パ・パ・パの二重唱・・・要するに「旋律をたっぷり聴かせて欲しい場面」が、ことごとく「性急」な演奏なのです。全く意味がわかりません。この指揮者の美意識を疑います。
 そして、音楽がダメだと、魔笛って「支離滅裂な宗教劇」になっちゃうのね〜。こうなると「低評価ドミノ倒し」でして、歌手も精彩欠いたように聞えるし、演出もクソつまらなく思える。あ〜何てこったい!!!

54さーじょん:2022/05/15(日) 01:39:32
当日の僕の書き込み
https://www.facebook.com/hogehoge2005/posts/2588554401278154
大野和士のオペラ玉手箱Vol.1『魔笛』
https://www.facebook.com/nnttopera/posts/5142286442504260
最終舞台稽古レポート
https://artexhibition.jp/topics/news/20220416-AEJ766791/
舞台稽古
https://www.facebook.com/nnttopera/posts/5150702031662701

55さーじょん:2022/05/15(日) 01:40:16
舞台写真1
https://www.facebook.com/nnttopera/posts/5155914987808072
舞台写真2
https://www.facebook.com/nnttopera/posts/5160876707311900
舞台写真3
https://www.facebook.com/nnttopera/posts/5163195547080016

56さーじょん:2024/03/10(日) 20:40:03
2024年2月24日(土)
鈴木優人&バッハ・コレギウム・ジャパン×千住博 公演
@めぐろパーシモンホール 大ホール
演出:飯塚励生、指揮:鈴木優人、美術:千住博、管弦楽&合唱:バッハ・コレギウム・ジャパン。
イルカー・アルカユーレック(タミーノ)、森麻季(パミーナ)、平野和(ザラストロ)、モルガーヌ・ヘイズ(夜の女王)、大西宇宙(パパゲーノ)、森野美咲(パパゲーナ)、新堂由暁(モノスタトス)、渡辺祐介(弁者)

公演情報↓
https://www.bunkamura.co.jp/orchard/lineup/24_diezauberflote/
https://www.persimmon.or.jp/performance/sponsored/2023090621184755031.html
当日の僕の書き込み(画像&リンクのみ)
https://www.facebook.com/hogehoge2005/posts/pfbid02d9iXJAqFo9Q48jpTRNBNdVHsZJAtp8M32gqkK51Nqd7npoSeAkSHMbU5NmazpTwbl

57さーじょん:2024/03/10(日) 20:40:34
「鈴木優人&バッハ・コレギウム・ジャパン×千住博」の公演と銘打っているように、BCJが(バロック・オペラではなく)モーツァルトの魔笛を演奏し、そこに千住博の映像が加わるのが「売り」だったようです。
僕の感想としては、まず歌手がみな素晴しく、指揮+オケも非常に好感が持てました。演出も、>>43で書いたように最後に和解(!)。ようやくこういう演出が出てきたか〜♪ 残念ながら「映像」はそれほど印象には残らず。
あと、事前に公演プログラムに書いてあったのを読んだ所為か、序曲の冒頭、ピッチ低めだなぁと感じました。すぐに慣れちゃったし、事前に読んでなければ僕が気付いたかどうかも怪しいですがwww


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