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リゴレット

1さーじょん:2004/01/12(月) 15:12
作曲:ジュセッペ・ヴェルディ(1813-1901)
台本:フランチェスコ・M・ピアーヴェ
原作:ヴィクトル・ユーゴー
初演:1851年、ヴェネツィア

10さーじょん:2004/05/28(金) 11:30
1991年2月24日、東京文化会館で観た二期会公演。
 北原幸男指揮、西澤敬一演出、東京二期会オペラ劇場管弦楽団、二期会合唱団。
 五十嵐修(マントヴァ公爵)、栗林信義(リゴレット)、松薗まゆみ(ジルダ)、高橋啓三(スパラフチレ)、伊原直子(マッダレーナ)、妻島純子(ジョヴァンナ)、近藤均(モンテローネ伯爵)。
 栗林の舞台姿が印象的。とくに「悪魔め、鬼め」を歌っているとき。幸いにも、当時の新聞に載った中河原理の筆による劇評が残っていて、演出に関する評価も載っている。少しは思い出した。

11さーじょん:2004/05/30(日) 23:12
>>8のシノーポリ盤、またまた廉価盤の中古、1200円で見つけた。
 ジュセッペ・シノーポリ指揮、サンタ・チェチーリア国立アカデミー管弦楽団・合唱団、1984年8〜9月録音。
 レナート・ブルソン(リゴレット)、エディタ・グルベローヴァ(ジルダ)、ニール・シコフ(マントヴァ公爵)、ロバート・ロイド(スパラフチレ)、ブリギッテ・ファスベンダー(マッダレーナ)、クルト・リドゥル(モンテローネ伯爵)、ジーン・リクビー(ジョヴァンナ)。
 前奏曲からいきなり切れ味いいなあ。サンタ・チェチーリア、想像していたよりはすーっと覇気がある。ブルソンも、F=ディースカウ以上に、父娘の二重唱が美しいし、グルベローヴァがものすごい、立派というか、堂々としているというか、安定した歌唱です。
 最近この作品、だいぶ好きになってきた。なんでだろ。父親になったわけでもないのにね。。。それどころか夫でもないのにね。。。

12さーじょん:2004/05/30(日) 23:23
>>11のCD
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00005FGBK
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000007OTG

13さーじょん:2004/08/21(土) 02:21
ランベルト・ガルデルリ指揮、ミュンヘン放送交響楽団、バイエルン放送合唱団、1984年録音。
ベルント・ヴァイクル(リゴレット)、ルチア・ポップ(ジルダ)、ジャコモ・アラガル(マントヴァ公爵)、ヤン・ヘンドリック・ローテリング(スパラフチレ)、Klara Takacs(マッダレーナ)。
http://www.bmgclassics.de/classics/productdetails.do?Bestell_Nr=74321252862&CatList=true
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00002600S

14さーじょん:2004/08/21(土) 03:21
>>13
ネットサーフィンしながら聴いてるんだけど、なかなかいいですね。
初めのうち、いろんな意味で「過剰」と思ったけど、聴いているうちに
イイ感じになってきました

↑何書いてるんだか、自分でもわからんのぉ

15さーじょん:2004/10/17(日) 15:49
2004年10月15日、渋谷オーチャードホールにてハンガリー国立歌劇場公演鑑賞。
 ミクローシュ・シネタール演出、ゲルゲイ・ケッセリャーク指揮、ハンガリー国立歌劇場管弦楽団・合唱団・バレエ団。
 イシュトヴァン・コヴァーチャージ(マントヴァ公爵)、ジャンカルロ・パスクエット(リゴレット)、ステファニア・ボンファデッリ(ジルダ)、ラースロー・スヴェーテク(スパラフチレ)、アンナマリア・コヴァーチュ(マッダレーナ)、チャバ・エトバシュ(モンテローネ伯爵)。
 僕の席は、1階ちょっと後ろより、舞台向かって左手。席はガラガラ、多めに見積もっても7割くらい、せいぜい6割くらいの入りでした。それも、5〜6列くらいブロックでゴソっと空いていたから、いったいどんなチケットの売り方したんでしょうか? 前日に同じ会場で、同じ演目を「ブルソン、ロスト」っていうメンバーで演じていたし、今回の来日では北海道から九州まで全国20カ所も廻るから、お客さんが分散したのかも知れません。とりあえず、1幕と2幕の間の休憩で、隣を気にせずに観れるように3列ほど前に移動しました。

16さーじょん:2004/10/17(日) 15:49
 開幕前。劇場備え付けの緞帳ではなく、ビロードのカーテンのような幕が掛けられていた。左2/3〜3/4はえんじ色、右1/3〜1/4くらいが、黄土色がかった灰色。幕の前、上手に鏡台、道化師の衣装、小道具が掛けられている。前奏曲と同時に、黒装束のリゴレット登場、鏡台の前で道化師の衣装を身に着け、開幕。
 第1幕第1場、左右に「ビーナスの誕生」を思わせる立体的な絵画、中心に向かって幅が狭くなっていて、遠近感を出している。茶色を基調とした配色。男女3組、6人のバレリーナが踊っている。バレリーナを含めた宴会参加者の衣装の色取りが、とても鮮やかだった。いったんビロードのカーテンが降ろされて、リゴレットは鏡台に向かってモノローグ。この鏡がマジックミラーになっていて、鏡の向こうにスパラフチレの姿が映し出される。「不幸がやってくる? そんなばかな!」でカーテンが開く。
 第2場、上手に小さな煉瓦造りの小屋、中ほどはその家の中庭、テーブルと椅子が置いてある。家の敷地全体を煉瓦造りの塀が囲んでいる。下手に3階建ての塔のような建物(モンテローネ邸という設定か?)。リゴレット父娘の二重唱は、中庭で演じられる。物音が聞こえて、扉を開けてリゴレットが外に出て行くが、マントヴァはそのとき隙をついて塀の中に入ってきて、すかさず小屋の脇にかくれてしまう。

17さーじょん:2004/10/17(日) 15:49
 マントヴァとジルダの二重唱では、マントヴァのかけてきた眼鏡が小道具として使われていた。マントヴァは慌てて出て行ったために眼鏡を置いていってしまうが、ジルダは「慕わしきお名前」を歌いながらそれを愛おしげにかける。リゴレットの愛人をさらおうと登場した廷臣たち、なぜかネクタイにフロックコートという出で立ち(これは第2幕冒頭も同様)。
 第2幕、装置は第1幕と共通。「頬の涙が」のアリアでは短剣が小道具として使われていた。廷臣たちが「さらし巻き」にされたジルダを運んできて、テーブルの上で身体を回転させると、「さらし」が全部外れたところでマントヴァと接近するという趣向。
 第3幕、中心に煉瓦造りのスパラフチレの家、家の前は中庭で、テーブルと椅子が出ている。数人の酔客。上手に扉。家の上が歩道橋のようになっていて、リゴレット父娘はそこからマントヴァの様子をのぞき見る形になる。マントヴァは「寝る場所を案内しろ」というが結局酔いつぶれて中庭のテーブルに突っ伏して寝込んでしまう。
 「凶行」の場面でいったん「ビロードのカーテン」が降ろされる。カーテンの前でリゴレットのモノローグ。ここで初めて、「えんじ色の地」と「黄土色がかった灰色の地」の切れ目が開いて、スパラフチレが登場。死体の入った袋を手渡す。リゴレットが、中身が自分の娘と気づいたところでカーテンが開くが、このときにスパラフチレの店は閉め切られていて、人の気配はない。
 大詰め、「ああ、呪いだ」でスパラフチレの店の前側が開くと大きな鏡。そこにうつるリゴレットの姿。──幕──

18さーじょん:2004/10/17(日) 15:50
 歌手陣、表題役が張りも伸びもある素晴らしい声でした。ボンファデッリも調子はよかったと思います。コロラトゥーラも決まっていました。舞台姿も凛々しくて、「ジルダにしてはどうなん?」と言えなくもないですが、声の力の前には文句は出ません。二人とも立派な歌唱でした。とくにパスクエットは「収穫」と言ってよいでしょう。
 好みから言うとちょっと微妙なのがマントヴァ公。ロッシーニとかモーツァルトなら文句なしだと思いますが、僕自身のマントヴァ公の好みでいくと、どうなんだろ? 「あれかこれか」、「頬の涙が」、「女心の歌」と、後半のアリアほど調子が上がっていったように思いました。リゴレットとジルダ以外は、マントヴァ公も含めてハンガリー国立歌劇場の専属メンバー。常時これだけの歌手が揃っていれば、文句はないでしょう。
 指揮は僕の「リゴレット」のイメージからすると、若干早めのテンポ。覇気があったし、オケのまとまりも非常によかったと思います。一箇所、感心したのは、リゴレットの「悪魔め鬼め」のアリア、全開でイントロが始まったかと思ったら、歌が入った瞬間に、勢いを減ずることなく音量だけを見事に落としていた。そして、「Quella porta, assassini, m’aprite」に向かってフォルテシモに上げていく、ここは素晴らしかったと思います。

19さーじょん:2004/10/17(日) 15:50
 ただ、重要なアリアとかでは何の問題もなかったのですが、重唱のそれほど見せ場ではない歌の部分などで、先走りが目立ったのが気になりました。特にどの歌手が、というわけでもなく、概してそうだったので、プロンプターが下手だったのか、オーチャードホールの音響に慣れなかったのか、よくわかりません。見ている限りでは、指揮者はわりとマメに歌手に合図を送っていたし……。演者以外にはわからない何かがあるんでしょうね。
 それにしても、http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/music/7336/1073887372/12-20の「フィガロの結婚」観に行ったときにも感じましたが、常設の歌劇場のレパートリーって、指揮者・オケ・合唱団が演目に「こなれている」のがよいですね。新国立歌劇場や藤原、二期会ではこういう公演はなかなかお目にかかれません。合唱団の動きとか、ギクシャクしたところはまったくなくて、演奏者全員が、劇の流れをしっかりと身体で覚えているように思いました。とくに今回は、第1幕・第2幕の廷臣たちの動きがよかったと思います。

20さーじょん:2004/10/17(日) 15:50
 正直に告白すると、泣いた場面は4カ所。(1)リゴレット父娘の二重唱の最後、(2)「悪魔め鬼め」の「Marullo...signore」のくだり、(3)第3幕凶行の直前、ジルダ・スパラフチレ・マッダレーナの三重唱、そして(4)大詰め「わしの小鳩よ、お前が飛び去れば儂はひとりぼっちじゃ……」のくだり。とくに最後の父娘の二重唱では、かなりヤヴァい状態になっていて、上の歌が出た瞬間に泪で舞台が見えなくなってしまった。
 その直後、弱奏になったときに嗚咽しそうになったんだけど、「ここで嗚咽したら、全会場に響き渡ってしまう〜〜〜」と必死でこらえました。ある「場末の酒屋」でその話をしたら「あら、新聞の公演評に書かれるくらい大泣きしなきゃダメよ」と言われてしまいました。
 とにもかくにも、リゴレットが美しい旋律に満ちた大傑作であることを確認した公演でした。まあ、昼間の仕事やら何やら色々あって、「泣くことが目的で行った」ってところがあったりするんだけどね……。

21さーじょん:2005/01/09(日) 23:21
>>13のCD、部屋の掃除しながら聴く。
 やはり、ポップ、ヴァイクルが圧倒的な個性を発揮しています。ポップは、最高音を出していない箇所はあるものの、あの独特の節回しが聴けるのはとてもうれしいですね。もう声を聴くだけで、眉毛をハの字型にした可愛らしい顔が浮かんできて、ニヤついてしまうのです。
 ヴァイクル、これほど美声のリゴレットは他では聴けないでしょうね。果たして美声で歌うのが相応しい役か、という疑問は残りますが。。。リゴレットが復讐を誓う第2幕幕切れの父娘の二重唱、緊迫感がすごい。>>9のセラフィン盤に匹敵するかもね。

22さーじょん:2005/04/18(月) 23:39:08
>>9のセラフィン盤。通勤の行き帰り+家で聴く。
http://www.angelrecords.com/Detail.asp?UPCCode=724355632726
>>9とはだいぶ感想が変わった。まず、ジルダがあまりにしっかり娘に聞こえてしまうことに違和感をもった。最大の聞き物は表題役だと感じた。やはり力強く歌ったほうがイイんですねえ。
 それから、>>15-20の公演で、歌手が合わせづらそうにしてた原因って、いまにして思えば、歌手に寄り添うことのできない指揮者だった、ってことなんですね。。。

23さーじょん:2005/07/11(月) 02:45:23
今日は一日じゅう家でまったりしていた。でもって、これまた久しぶりに聴くジュリーニ盤。
http://www.deutschegrammophon.com/catalog/product.htms?PRODUCT_NR=4577532
 結果として、http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/music/7336/1073888291/8-9に引き続いて「LP持ってるけど、最近CD買い直したオペラ」の鑑賞になってしまった。久しぶりに聴くと、やっぱりいいですねえ。ひたすら可哀想なコトルバスのジルダは、>>11-12のグルベローヴァの正統的コロラトゥーラ・ジルダにくらべるとかなり異質といって良いでしょうね。でもこういう「哀れ」な役、コトルバスはぴったりだなあ。
 そういえばカプッチルリ、これが唯一のリゴレットの全曲正規録音だね。実力とかキャリアとかから言って、2回くらい録音してもおかしくないような気もするんだけど。。。カプッチルリって、ブルソンとヌッチが登場するまではイタリア・オペラのバリトンの第一人者だったはずだけど、意外なことに、いくつかの重要なレパートリーの正規録音が残っていない。例えば、パパ・ジェルモンとか、ヤーゴとか、マルチェルロ(実演で歌ったのかな?)とか、スカルピアとか……。

24さーじょん:2005/07/14(木) 00:07:51
>>23を書き込んだ翌日(12日)に飛び込んだ、カプッチルリの訃報……
http://www.ansa.it/main/notizie/regioni/friulivgiulia/news/2005-07-12_725621.html
合掌。。。

25さーじょん:2005/09/11(日) 13:11:09
ショルティ指揮1964年録音鑑賞。
http://www.bmgclassics.de/classics/productdetails.do?Bestell_Nr=GD86506
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000026MOQ
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000003EPN
 ショルティ+メリル+リゴレットという組合せはかなり良いですね。第3幕のリゴレットのアリアからジルダとの二重唱は、かなりの聴きものです。ショルティが1度しか録音していないのが残念です。若々しいクラウス(マントヴァ公爵)の声もいい。意外にもモッフォ(ジルダ)がイイ。最高音こそ出していないものの、しっかりした声で、良く回っています。
 その他の歌手も好演、熱気もあって、なかなかの名盤だとは思うのですが、いかんせん、オケが上手くないのと、録音がちょっと……。声が割れているところが結構あります。あまり決定盤という扱いを受けていないのは、そのあたりに理由があるのでしょうか。

26女工ミミ:2005/09/25(日) 15:59:22
>>9>>22
個人的にはセラフィン盤は名盤だとは思うんですが、余りにゴッビ&カラス様の
描き出す情念の世界が濃厚すぎて、ピッポ氏のマントヴァ公が浮き上がってるように
感じられるのがやや興ざめですかね。ゴッビのややデフォルメがかった語り歌いは
個人的にはあるべきリゴレットの姿(2幕の出の「Lala,lala…」の声の調子の
変え方のあざといまでの巧さがもう…)だとおもいますし、ピッポ氏の独特の
ノンシャランとしたアペルトの歌いっぷりにしても、様式感的なものはともかく
マントヴァ公そのものという感じはするんですが…カラス様ジルダにしちゃ
一幕が重いなあ…。セラフィンの指揮自体も一幕が音楽の流れに乗ってなくて
どうにも重たくって、CD1枚目を聴いてると聴き疲れがしてくるのもネックですし
(2、3幕は劇的で立派なんですけどねえ…)…。

27さーじょん:2005/11/21(月) 01:56:15
11月20日(日)、パルテノン多摩大ホールにて、ソフィア国立歌劇場来日公演鑑賞。
公演概要
http://www.japanarts.co.jp/html/2005/sofia/index.html
http://www.japanarts.co.jp/html/2005/sofia/gaiyo.html
http://www.japanarts.co.jp/html/2005/sofia/arasuji.html
ソフィア国立歌劇場(英語)あまり充実してないサイトですね……
http://www.geobiz.com/sfopera/index_en.html
 ブラーメン・カルターロフ演出、ボリスラフ・イワノフ指揮、ソフィア国立歌劇場管弦楽団・合唱団。
 カルーディ・カルードフ(マントヴァ公爵)、アレクサンダー・クルーネフ(リゴレット)、佐藤美枝子(ジルダ)、スヴェトザール・ランゲロフ(スパラフチレ)、ゲルガナ・ヤンチェヴァ(マッダレーナ)。
 かなりチンタラとチケットをとったにもかかわらず、結構イイ席でした。入りは、多く見積もっても6〜7割くらい。後ろの方のサイドの席は、ゴソっと空いていました。僕自身、ブルガリアの歌劇場のドサ周り公演、わざわざ見に行くこともなかったのですが、どちらかというと、気晴らしにライブするのが主目的、といった感もありました。ちなみに、自宅から多摩センターにクルマでいくと、1時間半弱かかりました。往復では結局、オペラを観ていた時間よりも運転していた時間のほうが長くなります。東八道路の終点を過ぎたあたりで、いちばん左の車線だけがやたらと詰まっていたのですが、これは「トイザらス」の駐車場アキ待ちで並んでいるクルマでした。

28さーじょん:2005/11/21(月) 01:57:10
 舞台装置は、3幕とも共通。舞台奥に大理石調の6本の柱、上手・下手にそれぞれ、2本で組になった赤い柱が2組ずつ(2×2×上手・下手で計8本)。舞台中央に、角柱を横倒しにしたようなステンレスっぽい長い台(というか花道というか……)。これが、第1幕1場ではタテ、第1幕2場では「\」、第2幕・第3幕では「/」のようにに置かれる。ときたま回転していたけど、細かい動きは忘れました。あと、紗幕が張ったでかい額縁。前奏曲ではこの額縁が降ろされていて、それを通して、リゴレットが道化師の顔をつくっていくさまが映ります。第3幕の大詰めでもこの額縁が降ろされて、紗幕の向こうでジルダがリゴレットに別れを歌います。
 第1幕1場、背景に3枚ほどの裸婦像、マントヴァ公の宴に参加している者たちは、みな仮面を付けている。女声合唱団がスケスケの衣装で一瞬ドギマギしてしまったけど、いわゆる「ニセ乳」を着けていました。
 2場は、舞台セットは同じですが、舞台奥に「街並み」をあらわすような書き割り。父娘の二重唱が終わると、下手からベッドと部屋の壁を模した(明らかにベニヤとわかる)板が降りてきて、「ジルダの寝室」をあらわします。第1幕1場では、マントヴァの声が出てねえ!って結構がっくり来たのですが、この場面では後ろの板が反響板の役目をしたからなのか、マントヴァもジルダもとてもよく声が聞こえました。
 第2幕は上述のステンレスの台が「テーブル」のように使われる。椅子が並べられ、台の上には杯が置かれ、いまにも宴会を始めそうな様子。第3幕は、舞台の中心、ステンレスの台の上に「扉」。上手がスパラフチレの宿、下手が外、という設定。上手のマントヴァとマッダレーナのやり取りを、下手にいるリゴレットとジルダが見ている。
 同じ東欧系歌劇場の引っ越し公演ですが、残念ながら、手が込んでいるという点では、>>15-20のほうに軍配が挙がります。もともと絢爛豪華を求めて行ったわけでもないので、セットに不満を持つことはありませんでしたが。。。

29さーじょん:2005/11/21(月) 01:57:50
 公演プログラムによると、今日の指揮者はソフィア国立歌劇場総裁だそうですが、かなり覇気があって、僕は好きですね。オケも、弦楽器はかなり深い響きだったと思います。管楽器は出だしがばらつく、音がヘコるなど???でしたけどね。合唱にもソロイストにも、非常にマメに合図を送っていたし、歌が前のめりになりそうになるとすかさず寄り添っていってたし。その点は>>15-20との大きな違いですね。改めてよく聴いてみると、このオペラのアンサンブルって、意外と難物なのではないかしら? 合唱や重唱では、ちょっとボーッとしていると乗り遅れそうなる箇所がたくさんあるんですね。今日はそういうところもうまく切り抜けていたと思います。
 ただ、このホールの特性なのか、僕が前の方で聴いていたからなのか、指揮者の音量バランスの取り方が不味かったのか、オケピ→舞台手前→舞台中ほど→舞台奥、で音量差が異常に大きかったように思います。だから今日は、オケの音ばかり聞こえました。いちばん聞こえにくいのは、舞台中ほどに歌手が立ったとき。たとえば、「悪魔め、鬼め」の前半は、リゴレットは舞台手前ではなく、舞台中ほどのステンレス台の真ん中あたりで歌うのですが、こうなると完全にオケにかき消されていました。舞台手前や舞台奥で歌ったときには、声がかなり飛んできていたので、ホールの音響があまりよくないのかな、という気もしました。

30さーじょん:2005/11/21(月) 01:58:38
 歌手ではやはり、佐藤美枝子が素晴らしかったですね。よく通る声で、「慕わしき御名」のコロラトゥーラも決まっていたし、声も良く飛んできたし。あんなに小さな身体なのに、ねえ。ついでに言うと、リゴレットは相当身体のでかい歌手でしたので、二人で歌う場面なんか、本当に父娘みたいに見えます。でも、西洋人の中にひとり日本人が入ると、六等身が目立つなあ……。佐藤美枝子プロフィール↓
http://www.japanarts.co.jp/html/JA_artists/vocal/satomieko_1112/pro.html
 リゴレット役、芯が太いというよりは、どちらかというとまろやかな響きの声ですが、この役に必要な力強さは十分でしょう。マントヴァ公、「あれかこれか」はかなり危うかったのですが、「ほほの涙が」ではかなり調子を上げてきました。ほかの歌手もそうだったのですが、第1幕では、調子が出なかったのか、オケと声のバランスが悪かったからなのか、声がかき消される箇所が多かったのですが、第2幕以降は総じて声がよく響いていたと思います。
 通しての聴き所は、やはり「慕わしき御名」、「ほほの涙が」、あとはフィナーレ、「凶行」直前の嵐の場面、大詰めの父娘の二重唱でした。
 リゴレットも、「フィガロの結婚」と並んで、「余程ひどい演奏でない限り、満足する作品」になりつつあるような気がするなあ。。。

31おせん:2005/11/21(月) 08:47:11
私は前日の日本公演初日の横須賀で拝見しました。
佐藤さんに良い印象が無かったし、
森さんのジルダが聞きたかったので。
ジルダ@森麻季、リゴレット@マウロ・アウグスティーニ、
マントーヴァ@ボイコ・ツヴェターノフ。
ジルダ、リゴレット共に素晴らしかったです。
問題はマントーヴァ。声は高音も難なく出せ、
声量もあるのですが、いかんせん肝心の歌が下手。
音楽に合わせられない。節回しが変。入りが遅れる等
聞いていてイライラさせられっぱなし。
声を伸ばしたり、張り上げたりするところは良いので
ブラヴォーも飛んでましたが・・・
カルードフのほうが良かったか?と思いましたが、
どうやらそうでもなさそうですね。
クルネフは9日にイヤーゴを聞けそうなので楽しみです。

それに、あのラストの演出はいかがなものか?
どうして二人を離れさせるのか?
死にそうなジルダが立ち上がるのも納得いかない。
それに暗転したからといって、歩いて立ち去るのが見えてる。。。
それまでオーソドックスすぎるほどの、
言い換えれば、なんの変わり栄えのしない演出だったのに・・・
なんでここだけ。
正直セミ・ステージにして半額でも良いですよ、あれ。
よこすかも客席は6割といったところでしょうか。
東欧は半額が出るまで待つに限る。

32さーじょん:2005/11/22(火) 01:06:42
>>31 おせん様 書き込みありがとうございます。
 ラストの演出について、僕自身はそれほど違和感はありませんでした。ていうか、そこに至るまでの間に、「そうは見えないかも知れませんが、○○○○という設定ですので、アタマの中で変換して下さい」的な舞台装置がいくつもあったので、もはや、どうでもよくなっていた、っていうのが本音ですけどね。
 まず第1幕2場。リゴレットの家らしきものは何もなく、下手にただ、ベッドと安っぽい造型のベニヤ板が置かれているだけ。「リゴレットの居宅」にも「ジルダの寝室」にも見えず、「アタマの中での変換」が必要でした。だいたい、ジルダの寝室の出入口どこだ? みんなテキトーな場所から出入りしてるじゃねーか! 第3幕も、中央にただ「扉」が置かれ、上手にマッダレーナのベッドやらテーブルやらが置かれるだけで「スパラフチレの宿」。リゴレット父娘は、どこから覗き見してるんだ? でかい窓がある、って設定なのか? マントヴァ公「吹きさらしで寝るのはかなわん」って、この家ではどの部屋も、壁のない「吹きさらし」なんですけど……。
 ……ってな感じでしたので、最後の場面も「あーこれは、もしかすると、ジルダが天に召されていくさまをあらわそうとしてるんだろーなー。そうは見えないけど、まあいいか。。。」と思いながら(しかも感動しながら)見ていました。ジルダが舞台から歩いて退場するのも丸見えでしたが、舞台では「黒子」を「いないもの」として見るのと同様に「なかったこと」にしておけばよいのではないかと……。

33さーじょん:2005/11/22(火) 01:07:25
 http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/music/7336/1081170028/21にも書いたとおり、僕自身は、演出意図を汲み取るのが非常に苦手なので、逆にどんな新演出、珍演出、貧演出でも、結構、受け入れてしまうほうだと思います。そんな僕が好きな一文が、『ドナルド・キーンの音盤風刺花伝』http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/music/7336/1085282357/10にあります。以下引用。

 表面的なことばかりにこだわる人たちには、ヴィオレッタを演ずるカバリエが受け入れがたいものかもしれないが、そもそもそういう人たちはオペラに出掛けるべきではないのである。もっともささいな、日常生活次元のことがらでさえも歌で表現する基本的なばからしさを受け入れるだけの心構えがあるのなら、やせていなければならないはずの役柄を肥った女性が演じていていても、受け入れられるというものだ(上掲書、112〜113ページ)。

 これはあくまで、「カバリエの素晴らしい歌声の前には、見た目の違和感など大した問題ではない」ことを述べた文章ですが、僕自身は、「日常生活次元のことがらでさえも歌で表現する基本的なばからしさを受け入れるだけの心構え」という言い回しがたいへん気に入りました。何度読んでも膝を叩いてしまいます。

34さーじょん:2006/01/25(水) 01:28:58
 「マリンスキー・リング」http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/music/7336/1075558116/44でさすがにワーグナーはお腹一杯。。。というわけで、リングの感想を書きながら聴く、>>4のガヴァツェーニ盤。
 指揮はさすがに熱いですね。やはりスコットとバスティアニーニという組合せが堪りません。第1幕の父娘の二重唱、美しいのぉ……。

35さーじょん:2006/05/27(土) 22:18:13
ボニング指揮1971年録音
http://catalogue.deccaclassics.com/catalogue/prodshow.jsp?searchstr=414269
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0000041Q2
http://www.hmv.co.jp/product/detail.asp?sku=47371
 サザーランド、パヴァロッティ、ミルンズ、歌手は豪華ですし、それぞれの役を歌い込んでいる人たちですから、不満があろうはずはありません。が、指揮・オケが弱いというか、自己主張が少ないというか。。。この作品、歌手もそれなりの水準でなおかつ指揮・オケも印象的なCDが少なくないので、それらを押し退けて「この一枚」とするのはちょっと、難しいかな。
 中古CD店で安く入手したけど「パヴァロッティ歌手生活40周年記念盤」らしい。でもってジャケットに載っていたパヴァロッティのサイトは↓

http://www.lucianopavarotti.com/

36さーじょん:2006/10/01(日) 12:49:35
9月29日(金)、オーチャードホールにてローマ歌劇場来日公演鑑賞。
公演概要
http://www.ufclassic.com/roma_main.htm
http://www.ufclassic.com/roma_rigoletto.htm
http://www.ufclassic.com/staff/blog/
ローマ歌劇場
http://www.operaroma.it
http://www.operaroma.it/OPERELIR/RIGOLETO/20060923.htm
 ジョヴァンニ・アゴスティヌッチ演出、アントニオ・ピロッリ指揮、ローマ歌劇場管弦楽団・合唱団。
 レナート・ブルソン(リゴレット)、エヴァ・メイ(ジルダ)、ステファノ・セッコ(マントヴァ公)、コスタンティン・ゴルニー(スパラフチレ)、レナータ・サマンダ(マッダレーナ)、クラウディア・コッザーリ(ジョヴァンナ)、ルチアーノ・モンタナッロ(モンテローネ)。
 演出はオーソドックスなものですが、舞台装置は、当方の期待していた水準に比べてかなり「貧相」という感がありました。舞台の基本的なつくりは3幕共通で、中央に20段ほどの大階段。階段を登りきった高さに、階段を取り囲むように「 / ̄\ 」の形に渡り廊下というか、渡り板。背景の壁中央、同じく階段を登りきった高さに、大きな開口部。

37さーじょん:2006/10/01(日) 12:50:36
 第1幕2場は、「 / ̄\ 」の渡り板の上手側が前にせり出して、そこがリゴレットの家という設定です。第2幕、上手・下手の渡り板が取り払われて、後ろに2つ、舞台前面に4つの「石像」が置かれます。第3幕、階段は取り払われ、「 / ̄\ 」の渡り板の下手側が前にせり出して、そこがスパラフチレの家という設定です。
 登場人物たちの衣装も、奇をてらったり時代を移したりすることなく、きわめて普通のものでした。
 後述するように、指揮者のピロッリは急きょ代役としての登板です。指揮者もオケも、リゴレットは手慣れたものなのでしょうが、手探り感は否めませんでした。とくに第1幕は、歌手もペース配分を考えてセーブしていたような感もあり、かなりヌルい印象でした。第1幕の「似たもの同士か……」のモノローグあたりから、ようやく聴けるような状態になってきました。エヴァ・メイが出てきてからの二重唱では、聴いてるこちらのテンションが上がったのか、それともオケがしっかりしたのか、それとも、もともと名曲なのか、結構イイ感じになりました。
 カーテンの向こうで演奏しているような印象だった前半にくらべると、後半は多少盛り返してきた感があります。それでも、感銘を受けることはありませんでした。オケ自体に破綻があったとか、ピッチが怪しいとか、とういうことではないので、もともとの力量が低いわけではないのでしょう。やはり指揮が代役であったことの影響でしょうかね。
 歌手では、兎に角エヴァ・メイが、初役とは信じがたい素晴らしさでした。声質自体が僕の好みですね。ある音域ではこの上ない美しい響きを聞くことができます。煌びやかさは十分なのに、ちっともヒステリックではなく、むしろ非常に優しい印象です。昨年正月の椿姫http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/music/7336/1073887569/11-14でもそうでしたが、コロラトゥーラを丁寧に歌い上げていくところが、とても好感を持ちました。

38さーじょん:2006/10/01(日) 12:52:31
 主役のブルソン、兎に角、暖まるまで時間がかかっ(て最後まで暖まらなかっ)たし、重唱では結構好き勝手なテンポで歌ってたし、ある音域では完全に声が聞こえなくなってしまったし……71歳(それ以上という説も……)であることを考えれば、「驚くほど立派な歌」で、「かつての大歌手ぶり」は十分伝わってくるんですけどねぇ……他にいるでしょ、もうちょっと、ちゃんとした歌手。そういえば、「悪魔め、鬼め」
 出番は短いながらも、スパラフチレ、マッダレーナは、きちんとした歌手でした。残念ながらマントヴァは、決してヘタではないし、それなりに声も届くんだけど、僕にとっては、何とも魅力を感じない歌手でした。何なんでしょうね???
 開幕直前まで、指揮者・出演者の相次ぐ変更がありました。当初のチラシで発表されていた指揮者はバルトレッティ、それがカンパネッラに代わり、実際に振ったのはピロッリ。マントヴァ公も、当初はフィリアノーティとセッコのWだったのが、結局はセッコのシングル。ネット上では「もともと来る予定のない有名歌手の名前を出していたのではないか」、「プロモーターはそもそもオペラ公演に関しては素人同然ではないか」といったさまざまな憶測が飛び交いました。
↓さまざまな憶測(しばらくすると見られないようになるでしょう)
http://music6.2ch.net/test/read.cgi/classical/1159193368

39さーじょん:2006/10/01(日) 12:54:49
 いろいろあったものの、結果として、エヴァ・メイのジルダが聴けて大満足!の公演でした。来年9月にはチューリヒ歌劇場の「椿姫」で再来日予定。これは聴き逃せません。http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/music/7336/1083347788/2にも書いたように、僕と同世代の歌手ということで、(当方の勝手な思いこみですが)それなりに親近感があります。これからもっと、いろんな役で聴きたいなあ。

40cypress:2006/10/02(月) 23:04:20
エヴァ・メイってそんなに若いの???
勝手にもっとおばさんかとばかり思っておりました(^^ゞ
でもいい歌手ですよね。今が旬なんですね。

41ウィンザーの陽気な名無しさん:2006/10/03(火) 00:11:31
んん〜... さーじょんさまと同世代ということは、そんなに若くないんじゃないでしょうか... (@_@;)
ネットで検索してみたら、1989年にフィレンツェの音楽院を卒業ということみたいなので、40前後ってところかもしれないです。

42tsukune☆彡:2006/10/03(火) 00:12:02
ごめんなさい、また名無しになってました... ^^;

43さーじょん:2006/10/03(火) 03:05:21
>>40-42
cypress様、tsukune様、おこんばんはですー。「若い」か「そんなに若くない」かはわかりませんが(笑)、「ドン・パスクワーレ」DVDの解説書によると、「1967年イタリアのファブリアーノ生まれ」だそうです。
ちなみに、ダニエラ・デッシーは「アドリアーナ・ルクヴルール」DVDの解説書によると「1957年ジェノヴァ生まれ」です。
その他、フレミングが59年生、ボロディナが60年生、グレギーナが64年生、ゲオルギウとナタリー・デッセイが65年生、バルトリが66年生、フリットリが67年生です。
情報源は↓
http://www.cs.princeton.edu/~san/sopranos.html
http://www5.plala.or.jp/teddy-ka/

44さーじょん:2006/10/03(火) 03:15:32
>>38 読み返して気が付きました。「そういえば、『悪魔め、鬼め』」の続き……

「悪魔め、鬼め」のアリアの前半が、驚くほど急速でした。力で押していく前半よりも、歌い上げてゆく後半に賭けた、ということでしょうかね。

45さーじょん:2007/04/01(日) 09:15:45
2001年7月アレーナ・ディ・ヴェローナ公演収録DVD。
http://www.core.tdk.co.jp/shop/product/info.asp?gc=XI0401
http://www.amazon.co.jp/dp/B0000CBCBS
http://www.hmv.co.jp/product/detail/1943264
 解説書にも書かれていますが、何よりも野外劇場の熱気が堪りません。オケの技量はそれほど高くはないのでしょうが(並以上ですけどね)、熱さが十二分にそれを補っています。あと、ヌッチのライブでのリゴレットというところが、うれしいですね。生涯にいったい、何回うたったのでしょうね。マチャード、ムーラといった「旬」の歌手も、さすがにイイ歌を聴かせてくれます。

46さーじょん:2007/05/26(土) 23:05:39
本日、東京文化会館にて藤原歌劇団・日本オペラ振興会公演鑑賞。
公演概要↓
http://www.jof.or.jp/opera_tickets/tichet_center/rigoletto/cast.html
http://www.jof.or.jp/opera_kouen/rigoletto/top.html
 ニコラ・ジョエル演出、パトリック・ラッサル再演演出、リッカルド・フリッツァ指揮。東京フィルハーモニー交響楽団、藤原歌劇団合唱部。
 堀内康雄(リゴレット)、佐藤美枝子(ジルダ)、平尾憲嗣(マントヴァ公爵)、南完(スパラフチレ)、鳥木弥生(マッダレーナ)。
 当初は最安席、4階左サイドでの鑑賞でしたが、会場でお会いした知人の方が所用のため第1幕の鑑賞のみで退席されたので、第2幕以降はその方の座っていた2階右サイドの席での鑑賞となりました。
 演出はきわめてオーソドックス。/ \の型におかれた書き割りの壁が舞台の基本構造で、第1幕は舞台奥のほうが階段状になっていました。第1幕第2場は上手にリゴレット邸、第3幕は下手にスパラフチレの旅籠です。

47さーじょん:2007/05/26(土) 23:06:38
 歌手陣では、表題役がハナマルです。リゴレットって、きちんと歌うと本当に見せ場の多い役だということが、ようやくわかりました。道化者、娘を慈しむ父親、復讐者、娘を失って悲しむ父親と、さまざまな表現が要求されるのですね。堀内康雄のオペラを観るのは、http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/music/7336/1073887569/11-14http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/music/7336/1085705619/27-38に次いで3回目ですが、いずれもアタリです。新国立劇場の来シーズンにはアモナスロを歌う予定ですが、とても楽しみです。
 ほかは、スパラフチレが二重マル、ジルダが一重マルです。佐藤美枝子のジルダは>>27-30に次いで2回目ですが、やはり手慣れたものでした。さらに言えば、リゴレットとの二重唱では、堀内に引き上げ、かなり良い感じでした。ただし、マントヴァ公爵との二重唱では足を引っ張られたのか、イマイチでして。。。
 マントヴァ公爵は残念ながら、「非力」でして、「あれかこれか」ではモタリ気味だったり、息が続かないのかフレーズを短く切っていたところも気になりました。にもかかわらず、アリアの後ではかなりブラヴォが跳んでいたので、「ナンで?」と思ったのですが、会場でお会いした知人の方によると、本公演の主役を歌うのは初めてなので、大量に関係者が見に来ていたようですね。

48さーじょん:2007/05/26(土) 23:07:54
 指揮は、大きな破綻はなかったものの、「もうちょっとやりようあるんでないの?」という不満が少し残ってしまいました。とくに第1幕の前半は何だかとても体温が低くて、一言でいうと「ノッていない」といった感じです。あと、場面によってはオケと歌手とがズレてしまいそうなところもありました。オケは金管がイマイチで、前奏でいきなりミストーン出してましたが、ほかは大きな不満はありませんでした。
 事前にチラシをみても、いまひとつ、これといった目玉のない公演だなあと思い、あまり期待はしていなかったのですが、終わってみればとにかく表題役の声が素晴らしくて、期待を大きく上回る大満足でした。

49さーじょん:2007/11/17(土) 12:21:10
エレーデ指揮1854年デッカ録音。
http://catalogue.deccaclassics.com/catalogue/prodshow.jsp?searchstr=440242
http://www.amazon.co.jp/dp/B00000421V
でる・もなこのマントヴァ公なんぞ聴きたいわけもなく、長らく敬遠していたCDです。中古CD店で千円でおつりがくる値段での出モノを発見して購入、聴いてみたら予想をはるかに上回る名演でした。プロッティ、ギューデン、シエピ、シミオナート、さらにはコレナ、デ・パルマまで参加していますから、当然と言えば当然ですね。
 マントヴァ公にはまったく軽やかさがなく、かなり「ブレーキ」になってしまっているのは閉口しますが。。。

50さーじょん:2008/05/02(金) 02:34:16
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/music/7336/1079223702/18でドン・カルロを聴いたら、ちょっと「スカラ座のヴェルディ」を集中して聴いてみたい気になりました。というわけで、>>9>>22のセラフィン盤を聴く。
http://www.hmv.co.jp/product/detail/317945
やはりゴッビとカラス、圧倒的ですね。オケは、じっくり聴くとかなり良い響きですが、やはりこの時代の録音なので、オフ気味なのは致し方ありませんね。

51さーじょん:2008/11/06(木) 00:26:26
10月31日(金)新国立劇場公演鑑賞。
 アルベルト・ファッシーニ演出、ダニエレ・カッレガーリ演出、東京フィルハーモニー交響楽団、新国立劇場合唱団。
 ラード・アタネッリ(リゴレット)、アニック・マッシス(ジルダ)、シャルヴァ・ムケリア(マントヴァ公爵)、長谷川顕(スパラフチレ)、森山京子(マッダレーナ)。
公演概要・舞台写真↓
http://www.nntt.jac.go.jp/season/updata/20000055_opera.html
http://www.nntt.jac.go.jp/frecord/updata/20000059.html
2001年の同プロダクション公演写真↓
http://www.nntt.jac.go.jp/frecord/opera/2000~2001/rigo2k/rigo2k.html
 演出はきわめてオーソドックスでした。公演プログラムによれば、演出のファッシーニはヴィスコンティのアシスタントだったそうです。いわばゼッフィレルリの弟弟子でして、なるほどそれは頷けます。さすが「ナショナルシアター」と言うべき、手の込んだ、よくできたセットです。とくにすげぇなぁと思ったのは第3幕でした。

52さーじょん:2008/11/06(木) 00:27:02
 新国立劇場の今シーズン、オープニングのトゥーランドットhttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/music/7336/1081169876/21-22も、このリゴレットも、「当たり」でした。幸先良いなあ。
 指揮は、わりと早めのテンポ設定で、中には振り落とされそうになっている歌手もいましたが(マッダレーナはかなり乗り遅れてました)、全体としてはシマリのよい演奏でした。
 やはり特筆すべきは、表題役とジルダですね。とくに、第1幕2場のジルダの見せ場は、本当に素晴らしかったと思います。表題役、「の森」オテロhttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/music/7336/1079223444/19-25、新国立劇場の椿姫http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/music/7336/1073887569/38-39に次いで3回目ですが、今回がいちばん印象に残りました。
 それにしても、リゴレットって、つくづく、音楽的にはとても良くできているオペラだなあと、しみじみ感じ入りました。

53さーじょん:2008/11/22(土) 11:56:52
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/music/7336/1081169496/22に引き続いてグルベローヴァ祭り。>>11-12のシノーポリ指揮1984年録音。
http://www.amazon.co.jp/dp/B000007OTG
http://www.hmv.co.jp/product/detail/638763
やはりブルゾンとグルベローヴァがよいですねー。棒さばきも切れ味よく、いろいろな意味で名盤です。

54さーじょん:2009/03/14(土) 23:45:39
意外にも、通して聞くのは本当に久しぶり、>>23ジュリーニ盤です。
http://www.amazon.co.jp/dp/B00000J9HF
http://www.hmv.co.jp/product/detail/775103
http://www.hmv.co.jp/product/detail/937157
 歌手、オケともに、完成度は非常に高いと思います。ドミンゴ、コトルバスは、装飾は地味ですが、感情表現は流石と思います。

55さーじょん:2009/10/04(日) 02:54:28
かなり久しぶりに通して聴きます。クーベリック指揮1964年録音。
http://www.amazon.co.jp/dp/B00099BPP6
http://www.hmv.co.jp/product/detail/1076041
http://www.hmv.co.jp/product/detail/47369
 ミラノ・スカラ座来日公演のドン・カルロhttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/music/7336/1079223702/21-23や、新国立劇場シーズンオープニング公演のオテロhttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/music/7336/1079223444/32-33が、ヴェルディの良さを再発見するよいきっかけとなりました。というわけで、しばらくCDではヴェルディを聴いてみようかと思っています。
 でもってこの録音、F=ディースカウ、ベルゴンツィ、スコット、3人とも上手いなー。クーベリックの指揮も劇的昂揚感がすごいですね。セラフィンのようなイタリア的盛り上がりはありませんが。。。

56さーじょん:2013/11/16(土) 09:06:45
2013年10月6日(日)新国立劇場公演鑑賞。新制作。
 アンドレアス・クリーゲンブルク演出、ピエトロ・リッツィ指揮、東京フィルハーモニー交響楽団、新国立劇場合唱団。
 マルコ・ヴラトーニャ(リゴレット)、エレナ・ゴルシュノヴァ(ジルダ)、ウーキュン・キム(マントヴァ公爵)、妻屋秀和(スパラフチレ)、山下牧子(マッダレーナ)。
特設サイト
http://www.atre.jp/13rigoletto/
初日舞台写真
http://www.nntt.jac.go.jp/enjoy/record/detail/131003_003410.html

57さーじょん:2021/09/19(日) 19:34:19
最近かる〜く「ヴェルディ聴きたい熱」な感じでして、まあ、しばらく聴いてなかった反動でしょう。というわけで、十数年ぶりに >>25 ショルティ盤観賞。
http://www.hmv.co.jp/product/detail/6539632
ほんっとにショルティらしい爆演です!熱いです!!メリル、クラウス、素晴しいです!!!
Wikipedia「覆面オーケストラ」項目によると「RCA Italiana Opera Orchestra and Chorus」って、ローマ歌劇場管弦楽団・合唱団だったらしいっす。いちおう、(寄せ集めではない)ちゃんとした楽団による演奏なのね〜。

58さーじょん:2023/06/17(土) 22:43:00
2023年5月21日(日)新国立劇場公演鑑賞。新制作。
エミリオ・サージ演出、マウリツィオ・ベニーニ指揮、東京フィルハーモニー交響楽団、新国立劇場合唱団。
ロベルト・フロンターリ(リゴレット)、ハスミック・トロシャン(ジルダ)、イヴァン・アヨン・リヴァス(マントヴァ公爵)、妻屋秀和(スパラフチレ)、清水華澄(マッダレーナ)。
公演概要
https://www.nntt.jac.go.jp/opera/rigoletto/
初日舞台写真
https://www.nntt.jac.go.jp/enjoy/record/detail/37_025760.html
当日の僕の書き込み(画像のみ)↓
https://www.facebook.com/hogehoge2005/posts/pfbid0Qq1HvEUqBJC8HhhDL241XwpJjEoKSkzvggBqyoz8fjDJcKMZgnbfnXpBeeZBVZhil

59さーじょん:2023/06/17(土) 22:43:52
リゴレットを得意役としているフロンターリはじめ、歌手・指揮・オケはとっても高水準でしたが・・・が、演出は??? 新国立劇場の以前の演出 >>51-52 はとってもヨカッタのに、>>56でハズレ。でもってまたしてもハズレ。何で演出変えちゃったンだろ? ファッシーニ演出のママで良かったのに。。。

僕の評価は↓に近いですね。
https://twitter.com/through_ito/status/1659226698536058881


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