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少女たちの夜 2 〜忘らるる島〜

1プルヒッター:2013/08/11(日) 18:44:39
続編です、今回は遠く遠く離れた何回の島国の話です。
前回同様恐怖の夜を過ごす話です。

今回から新キャラも登場する予定ですのでよろしく。

106プルヒッター:2015/06/12(金) 00:38:11
ふと高城が一人スタスタと山道を歩くと突然足を止める。
どうやら道の石をジーっと見ているようだ。

「あきちゃどうしたのよ、急に止まってさ」
板野が横から口を挟んできた。

「ともちんさん・・・この石、なんか変わった石ですねこれ」
高城が何だか奇妙な石を拾い上げる。


「石?
 そんなものいっぱいあるでしょう、どうしたのよそんな古い石を拾ってさ」
「あっ、でもこの石・・・石の中央になんか彫ってある」

板野は高城に石を捨てようとするも、高城はその石を眺めている。
石の中央には、なにやら天秤のマークみたいなものが彫られていた。


「天秤ですね」
高城がそう言う。

「どうしたのよあきちゃ、先に行くんだからもう」
柏木が追いついた、その後ろを前田、小嶋、峯岸たちも合流。

107プルヒッター:2015/06/12(金) 00:43:30
「あきちゃその石何処で拾ったの?」
前田はその石をどこで拾ったのかを高城に問いかけた。

「ちょうど歩いていた時に拾ったんです・・・これ中央の所見て」
「天秤のマークね」

前田はちょっとひねっているように言う。
「あきちゃは変わっているね昔から・・・そういえばあきちゃはおかしな石を集めるのがすごく趣味だときいたもん」
よく高城のことを知っている柏木はそう答えた。

「アハハ、そうなの?」
「高城さん・・・天然ね」
北島なつみと早坂桃子が嬉しそうに笑った、内山浩太も同じ

「そう、この子はちょっと変わっているの、皆から珍獣だと呼ばれている位なんですから」
「あきちゃ、面白い」
柏木と渡辺は子供っぽく言う。

「酷いよ、ゆきりん、まゆゆ」
高城はテレながら言った。

108プルヒッター:2015/06/12(金) 00:46:43
「で、その石どうするの?」
板野だけは不思議そうに言う。

「あっごめんなさいともちんさん、この石持って帰ります。
 珍しくて変わった石ですから・・・いいですよねともちんさん」
「う、うん・・・私は止めはしないけども」
高城の言葉に板野はそう答えた・・・板野も止めようとはしなかった

109プルヒッター:2015/06/12(金) 00:56:57
丁度前田は自分の腕時計の方を見る。

10時15分
館を出て数分しかたっていない・・・空の太陽がいつも以上に輝いているのを受けて前田は空を見上げる。
こんなに眩しいのは何故だろうと前田は思った。


同じ頃・・・・大島優子たちは佐久間たちと一緒に館から随分と離れている
ハーバーの砂浜で皆と海水浴を楽しんでいた。

皆もさっそく水着に着替えていた。
秋元才加と宮沢佐江はスキューバのマリンスーツにと着替えていた。


「やっぱスキューバやりたくてうずうずしてたんでしょう才加、一張羅に着替えて」
「ああ、やっぱ少し体が訛っていたからさ、私の華麗な泳ぎを皆に見せたくてさ。」
得意げに口語する秋元才加。

110プルヒッター:2015/06/12(金) 01:03:28
「ちょっとそのセリフはこっちよ
 私なんかスクール水着なんだから、もうっ・・・スクール水着なんか学生以来しか着たことないんだからさ」
大島はスクール水着を着てちょっと恥ずかしそうだ。

「でも優子ちゃんそのスクール水着も中々可愛いよ」
「ほんと、指原・・・優子ちゃんのスクール水着も中々イケてるんじゃない」
北原と指原がそう言う。

「2人ともそれは褒めているの?馬鹿にしているの?どっちさ」
大島がちょっとむくれるように言った。
「そんな怒らないでよ優子ちゃん」

北原がそう言った、でもまんざら半信半疑で着た大島もちょっと嬉しそうな表情。

111プルヒッター:2015/06/12(金) 01:10:32
皆は大いに笑った。


「優子、さっきまではあんなに泳ぐのはいいと言ったのに
 結局・・・優子は体を動かしていないとダメな子なんだろうね」
水着姿の河西も同じように言う。

「そうね、あの子はいつも明るくて無邪気な子なんだから、やっぱじっとしているのが
 嫌で嫌でしょうがなかったんだろうね」
そういう篠田も水着姿の様子。

「麻里子さま、きょうの水着姿もカッコいいわ」
「そう?とも〜みだって女の子らしいカッコで好きだわ」
お互いの水着姿を見て2人も笑顔を浮かべる。

「さあ泳ぎに行こうとも〜み」
篠田に手を引っ張られて河西も海に入った。
「うわあっ冷たくて気持ちいい」
とも〜みが海の水を篠田にかけた

「あーっやったわねとも〜み」
篠田も嬉しそうに海で燥いでいた・・・まるで子供のようだ。

112プルヒッター:2015/06/12(金) 01:16:19
田所と佐久間が秋元と宮沢と一緒にボートを使って少し離れた沖に行った。


「よーし、この辺でいいか
 それにしても2人がスキューバやるなんて驚いたよ・・・俺たちの水泳部じゃそこまで出来ないからね」
スポーツマンの田所芳樹はそう言う。


「つい最近なんだ
 私達佐江と一緒にスキューバダイビングの資格をとったばかりで・・・今日は初潜りなの」
「ああっやっと叶うんだ・・・スキューバが出来ることをずっと夢見ていたんだ佐江」
2人はいつになくテンションが高まっている気分。


「まあ、気を付けろよ・・・・海はプールとは違って助け呼べないからな」
佐久間が2人にそう言う。
2人はスキューバダイビングの酸素ボンベを付けて深い海に入った。
大きな水しぶきが佐久間、田所の顔に掛かったのが解る。

113プルヒッター:2015/06/12(金) 01:21:49
「優子さん泳ぎが上手ね」
その泳ぎを見ていた瀬戸裕子が大島の泳ぎを見て褒めていた。

「瀬戸さんだって水泳部のキャプテンだったでしょう
 私とは全然違うって・・・私も泳ぎは小さい頃スイミング習っていた程度なんだけど」
「あらそうなんだ、小さいころからスイミングスクール行ってたって訳か」
瀬戸と大島優子は一喜一憂して話し出す。


青い空・・・白い雲一つも無い太陽が大きく降り注ぐ。
あの嫌な出来事が忘れるくらい2人は泳いだ。

114プルヒッター:2015/06/12(金) 01:24:56
皆は大いに海水浴を楽しんだ。

そろそろ海に浸かってはふやけちゃうのでここらで海水浴は終わりと決めた。
皆も十分楽しんだことだろう。
ところが?
スキューバをしている秋元と宮沢が一向に海へと上がってこない。
まだ楽しんでいる頃だろうか。

ただ事でないと分かった皆が心配したときだった。
海から大きな水しぶきを上げて2人が浜から上がってきたではないか。

115プルヒッター:2015/06/12(金) 01:28:58
「才加、佐江・・・もういつまでたっても
 海に上がってこないんだから、とも心配していたんだから」
ちょっと河西が心配して言ってくる。
でも秋元と宮沢の顔はちょっと深刻な表情だった。

宮澤が皆に自分の手を差し出して見せる。


「なにこれ?」
篠田は不思議そうに言ってくる、そう・・・宮沢が見せたのはおかしな石だった。
石には魚のマークが彫られていたのだ。
それだけじゃない、秋元も同じ石を拾っていたのだ。
水瓶のマークが彫られてあったのだ。

116プルヒッター:2015/06/12(金) 01:33:56
「佐江と才加が海に潜ったときにこの石を見つけたんだ
 なんか、不思議だと思ったんだ・・・この石をみてさ」

宮沢はそうべらべらと喋る。
「なんだその石は、汚い石だなそれ・・・ただのゴミだろそれ」
そう言われて見ればただのゴミだと思う。

「海に物を捨てる人が増えているんじゃないの、この島って」
竹内はそう信じたのだ
そんなことは信じていなかった、南海の沖の方でごみを捨てる人が本当にいるのだろうか?
もしかして昔の無人島じゃなかったのか?
皆は解らなかった。

117プルヒッター:2015/06/12(金) 01:37:32
「なんか不気味ね・・・昔この島で暮らしていてゴミとしてすてたんじゃないのそれ?」
北原はそう確信して言った、そう思った。

「まさか・・・こんな沖の島に人が住んでたなんて信じられないよ」
指原は信じようとはしなかった。


「それにしてもおかしな島ねここは」
瀬戸裕子はちょっと皮肉そうに言った。

118プルヒッター:2015/06/12(金) 01:41:14
「俺もそう思った
 人一人も住んでいないし、この島は何かありそうだな」
田所はこの島に何かありそうな雰囲気を持っている様子。

幸い2人が海の中で見つけた石は結局2人は持ち帰ると決めた。
誰もそれに反対するものは居なかった。
皆は疑問を感じてハーバーの海岸を後にして館へと戻る。


大きな小波が砂浜を飲み込んでいくのが最後にあった。

119プルヒッター:2015/06/12(金) 01:43:19
館に戻ったのは前田達と一緒だった。


「あっあっちゃんたち」
「優子、戻ってきたの」
先に戻ってきたのはクルージングを楽しんできた清瀬とたかみなたちだった。

120プルヒッター:2015/06/12(金) 01:48:09
「あれっクルージングを楽しんできたの」

大島がたかみなにそう言った。

「うん丁度私たちも戻ってきたとこ
 あー気持ちよかった、清瀬さんあんなに船のそうじゅうがうまいひとだったなんて」
「嫌なこと忘れる気分でしたね」
たかみなと横山はすっかり気分爽快な気持ちだ。

「清瀬さん、まるで自分の手取り足取りみたいに船の操縦がうまいの・・・私なんかもうハラハラドキドキの
 連続だったわ・・・また清瀬さんのクルージングを楽しみたい位面白かった」
倉持も相当入れ込んだようである。

「私も・・・・ストレス解消には十分くらいでした」
無表情な島崎もさすがに笑顔を見せ白い歯がこぼれた。

121プルヒッター:2015/06/12(金) 01:51:40
「おかげさまで皆楽しめてなによりだよ」
清瀬も嬉しそうだ。

嫌な気分も忘れればお腹も減ってくる。
朝食もとることも出来ずにいたから、皆腹ペコだと気付く。

ボーン
それと同時に談話室の大時計が丁度12時の合図を示した。


「皆さま、昼食のご用意ができました。
 大食堂の方へお越しください。」
黒木が皆にそう言った。

122プルヒッター:2015/06/12(金) 01:55:28
大食堂に再び付いた。

テーブルの上にはもう既に食事が並べられてある。
シーフードのサラダ・・・チヌの香草焼きにロブスターの照り焼きが美味しそうに鼻につく。
皆は椅子に座って食事を始めた。


食事は楽しそうに行われた。
朝食の時はなんとなく張りつめていた空気があったのに、今はそんな気分もどこへやら。
それぞれ皆は黒木が作った魚料理を美味しく堪能する。
あっという間に皆の胃袋へと料理は消えていった。

123プルヒッター:2015/06/12(金) 02:04:30
「ごちそうさま」

小林香菜が美味しそうに閉めた。
「あーっお腹いっぱい」
前田も満足そうな顔を浮かべる。

「こんなにおいしく食べたのは初めてだわ」
「朝食を食べ損ねたから、なんとなく気分がいいわ」
板野と河西は気分そうに言う。

ところが一人、内山浩太が辺りを見渡す。
「あれっ、井上くんがまだ来てないよ」
「あらっ本当、どうしたのかしら?」

瀬戸が井上が来ていないことにようやく気付く、ほかの皆も同じだ。
食事は皆済ませていたのに、井上良則の食事だけはまだ手が付けていなかったのだ。
「そういえば井上君、ずっと見ていないけどもどこに行ったんだろう
 香菜ね井上君の部屋に行ってみたけども誰もいなかったの、声を懸けても返事なくて」

前田とたかみなは残されている井上の食事あとを見る。
まさか!!!例の物置部屋に行ったんじゃないかと。

「井上のことだきっと戻ってくるだろう
 それよりも談話室へ戻っている頃だろう、あいつの分の食事を持っていこう・・・きっと部屋へ戻っているに違いないよ」
清瀬の言葉に皆は頷いた。
皆はいったん大食堂を後にした。

124プルヒッター:2015/06/12(金) 02:08:38
井上良則の部屋の前のドアに一同が集まる。

清瀬がドアをノックする。
「おい井上、昼飯持ってきたぞ・・・いるのか?」
いくら返事しても井上の声は返ってこない・・・誰もいないのだろうか?


「どこかへ出かけているんじゃない」
板野がそう言う。
「食事を残して?まさかそれはないって」
大島はそう言うと・・・清瀬はもう一度ドアをノックする。

が、やはり返事は返ってこないようだ、ドアのノブに手を懸ける清瀬。
鍵は開いていないようだ。
開けずにどこかへ行っているのだろうか?清瀬がドアのノブに手を懸けて開けた。

125プルヒッター:2015/06/12(金) 02:13:08
清瀬が最初に部屋の中に足を踏み入れる。

「おい井上、いい加減に・・・・」
そう言いかけた時、彼は持っていたお盆を落とした。
落とした食事の食器の皿がきれいな音を立てて割れる音がした。

「清瀬さん・・・どうしたんですか?」
「立ち止まっていて」
前田とたかみながそう問いかけた時、清瀬が唇を震わせていたのがわかった。

「い、井上・・・・・・・」
清瀬が見たのは紛れもない・・・部屋で首を吊っていた井上良則の変わり果てた姿だった。

126プルヒッター:2015/06/12(金) 02:19:50
「きゃっ」
後ろで見ていた優子たちも小さい悲鳴を上げた。

「何てことだ」
佐久間は変わり果てた井上の死体をみて唇を噛みしめている。
田所、竹内、伊達は言葉が出なかった。

「これって元木さんと同じ」
大島はハッと感じた・・・またしても館で一人の命を落としたのだ。

「そんな・・・・井上君までもが」
小林香菜が傍らで涙を浮かべているのがあった・・・さっきまであんなに元気な人が人一人簡単に死ねるのだろうか?
前田はそんな気分だった。

死因は元木と同じ首つりによる窒息死だった。
彼の首には何かに締め付けられた跡が生々しく残っていたからだ・・・麻友は目を背けなるべく見ないようにした。

127プルヒッター:2015/06/14(日) 00:06:00
「井上君!!!」
涙声を上げて叫ぶ小林香菜は井上の死体に近づく。

「香菜!!!」
宮沢がそれを止める。

「佐江ちゃん離して・・・こんな事されてもほっておくつもりなの?」
無理やり宮沢の腕をを振りほどこうとする小林香菜・・・でも宮沢は離そうともしない。
もう彼は動かない、ピクリとも。

「佐江だって同じだよ・・・でも現に彼は殺されたのよ」
「まだだれか殺されたって決めつけないでよ!!!佐江ちゃんはいっつもそう、放っておくんだ」
小林も負けじと食って掛かる。


パーンッ!!!!渇いた音が廊下中に聞こえるのが解る。
小林香菜の目の前には大島優子が平手打ちを見舞ったのだ・・・・大島はちょっと怒った表情を見せている。


「優子」
前田は止めようとしたが・・・大島の手の方が早かった。

「ふざんけんじゃないよ!!!!!香菜、あんたはそうやって向こう見ずに行動する
 佐江の気持ちが解らないの?解らないなら私はあんたを許さないわ!!!」
えらく剣幕な言い方をする大島優子。
大島の威圧に小林香菜はポカーンとした表情。

「勝手な行動するなら私はあんたを同期とは呼ばないわ」
さらに大島の言葉が小林香菜の胸に突き刺さる。
言葉に耐えきれるに彼女はその場を走り去っていった・・・大島をちょっと睨みながら。

128プルヒッター:2015/06/14(日) 00:15:18
「香菜!!優子いくらなんでもやりすぎじゃない、香菜はね彼の無念を押してまでこういう行動をとったのよ」
たかみなは優子にそう言いかける。

「たかみなも香菜の味方するの?
 あいつはね・・・いつも私たちのことを困らせているの・・・私もそれはわかっていたつもりだ」
再び一触即発のムード。
しかも今度はたかみなと優子がお互いに睨みあう仕草。

ほかの皆もそれを固唾に飲んで見守っていた。
その時!!!!

「馬鹿野郎!!!お前たちは女の癖に俺たちみたいになりたいのか!!!!」
意外だった。
止めに入ったのは佐久間昇だ。

「君たちは、女の子だろうが・・・・それを醜い言い争いまでして」
田所芳樹も後に続く。
2人は先程大食堂で喧嘩したのだ。
また同じことが起きたらいけないという種を植え付けたのだろうか?

「田所君・・・佐久間君」
大島と高橋はチラッと2人を見る。

「優子ちゃん・・・・香菜の気持ちも解ってやってくれないか、あいつは
 昔から正直なところがある、だからきっとああいう事までのことをしたんだろう」
一触即発のムードを清瀬が締めた。

「・・・・・香菜」
大島は小さくつぶやいた。

129プルヒッター:2015/06/14(日) 00:17:58
結局2人はいつもの2人に戻ったようだ。

「あれっ麻友?
 麻友どこに行ったの?」
柏木の後ろにいたはずの渡辺がいない・・・・清瀬はハッとする。

「ねえ皆さん・・・ちょっと来てください」
渡辺の大きな声が廊下に響く。

130プルヒッター:2015/06/14(日) 00:21:58
渡辺は死体のある部屋に勝手に踏み込んでいたのだ。


「あっコラ、どこに行ってたのよ・・・心配してたんだからね」
柏木は渡辺にちょっと注意する。

が・・・渡辺は床にある奇妙なのを見つける。
石だった。

「石ころ・・・・それどこにあったのよ?」
せかす柏木。

「麻友、その石」
大島も問い詰めた。
「この石、この人に死体の脇に落ちていたんですよ・・・うーんっあっ石の真ん中に何か彫られています。」

131プルヒッター:2015/06/14(日) 00:25:39
よく見てみると石の真ん中に何かマークのようなものが彫られてあった。
それは弓矢のマークだった。

「なんなの?これ・・・・おかしなマークね、弓矢って一体」
「ダイイング・メッセージじゃない?」
大島が言うと、いぶしげに前田が口を滑らした。

「なんですそれ」
渡辺が言う。

「つまり死んだ人間が残した証拠となるものなんだ・・・おそらく彼は死ぬ間際にこれを残した。」
清瀬がスラスラとそう言う。

132プルヒッター:2015/06/14(日) 00:46:06
前田は渡辺の拾った石を見て思った。

そういえば、先程私たちと一緒にいたあきちゃも同じ印みたいな石を拾ったのを思い出した。
あの石は何なのか?
前田は渋い顔をしながら謎は解らぬままだった。

133プルヒッター:2015/06/14(日) 00:48:55
「?」
ふと前田が井上の部屋を覗くと・・・また床に何かが

「缶ジュース?」
前田は井上が飲んだらしい缶ジュースの缶を拾い上げる。
どういうことか?
前田はその缶ジュースの缶を静かに床に置いてその場を後にする。

134プルヒッター:2015/06/14(日) 00:52:26
井上の死体は清瀬が最初元木早苗が殺害された同じ場所に手厚く葬られた。

これで被害者は2人となってしまった。
そして物置部屋の死体は2人の死体を残して静かにドアを閉めた。

135プルヒッター:2015/06/14(日) 01:08:55
午後1時
前田は自分の腕時計を見る。
外に出た前田。

私、たかみな、優子、ともちん、麻里子、にゃんにゃん、麻友、ゆきりん
この8人が館の入り口前にある貝殻のオブジェの噴水に固まっていた。
貝殻のオブジェ口から噴水の水が流れ出ている。
静かなチョロチョロと音を立てて。

「また人一人がやられるなんて」
篠田が突発的に言う。
「ちょっとやめてよ麻里子・・・縁起でもない」
板野がビクッとした表情で言う。
昔の出来事でちょっと嫌な気分を覚えた板野。

136プルヒッター:2015/06/16(火) 01:25:59
またあの忌まわしい出来事がここでも起こると忍び寄ってるのか?
それとも私たちの夏休みを誰がどこかで見ているのか?
怖い・・・また何も起こらなければいいが。


「麻友、さっきさ何か見つけたんでしょ、さっきからずっと黙っててさ」
柏木由紀が麻友に答えた、しかし麻友は何も言わない。
それもそうだろう、あの嫌な死体を見てしまっては黙っているのも解る。

「ねえ前田さん、さっき私が拾った石のことなんですけど、さっき前田さん達も拾ったと
 あきちゃに聞きましたよ、前田さんたちも拾ったんですか?」
妙に食い入る渡辺、前田はしどろもどろに小さく頷いた。

「石って、敦子たちも見つけたの?
 私もよ、さっきさ清瀬さんたちとクルージングしてちょっと浜を下りたら石に躓いて」
たかみなもなにか知っているような顔だろう・・・それにしても皆が同じような石を拾うとは妙な縁だ。

「えったかみなも」
「うん、私の石にも何か刻まれている印があったんだ」
たかみなは懐から石を取り出す。
皆もその石に覗き込んだ・・・・よく見ると、双子のような顔をした印だ。

「ポルクスとカストルね」
前田はそう言う?

「なーにそれあっちゃん」
小嶋は知らなさそうに尋ねる。

137プルヒッター:2015/06/16(火) 01:32:32
「双子座の略だよ」
大島が口を挟む・・・小嶋はまだポカーンとしていた。

「そうなんだ?私新しいアイドルのコンビ名かと思ったよ」
大ボケの小嶋陽菜・・・皆があきれるのも解った。
「でも、なんでその石この館中にあるのかしら?
 だいいち、こんな石ってどこにでもあるじゃない・・・そんなの気味が悪いよ」

板野は吐き捨てるように言う。
でも前田は別のことで心配していたのだ。
さっき香菜が飛び出していった姿を見て、ちょっとやるせない気持ち。

138プルヒッター:2015/06/16(火) 01:37:36
その時、入り口の大扉が開いた。

「おーい、皆ここにいたのか」
秋元才加と宮沢佐江と峯岸みなみが続いて合流した。

「才加、佐江、みいちゃん」
前田が声を懸けた。

「佐江、香菜はどうしてる?」
たかみなが心配そうに答えた。
「あっ、香菜・・・・自分の部屋でこもっているよ・・・ちょっと勝手な行動したって、優子にゴメンって誤ってた」
宮沢佐江が心配して答えた、たかみなと敦子の表情に安堵が緩む。

139プルヒッター:2015/06/16(火) 01:43:49
優子は黙っているのか、何も答えないのか・・・とにかく2人のわだかまりは解けた。

「でも、せっかくの夏休みなのにさ
 人っ子1人もいない無人島なのに、何で次々と人が殺されなきゃダメなんだろう」
峯岸がよせばいいのにと思って余計な口を挟む。
皆はキクっとなった。

「ちょっとみいちゃんまで何を言いだすのよ。
 せっかくの夏休みにそんな事いうなんて縁起が悪いよ・・・とも、早く忘れたいんだからさ」
「とも、いつになくナーバスね」
板野はちょっと怖いことに敏感になってきた・・・反対に高橋みなみは楽天的な様子だ。
11人の少女たちは一度この出来事を忘れたいと思った。

140プルヒッター:2015/06/16(火) 01:45:39
この日はあの嫌な出来事が起こった以外、その先は何も起こらなかった。


そして夕焼け空が赤々と染まる。
いつかあの時の夕日と同じに見える前田敦子たちだった。

141プルヒッター:2015/06/16(火) 01:49:00
午後7時

ノックの音がした。
「夕食の用意ができました、皆大食堂で待っていますよ」
前田敦子の戸を叩いた声の主、黒木だ。
私は急いで2階の自分の部屋から出て1階の大食堂へと進む。

142プルヒッター:2015/06/16(火) 02:05:14
皆席についてた。

「あっちゃん、遅〜い」
「あっちゃんが最後だよ」
峯岸と篠田が言った。

「ゴメン皆。」
私は皆に誤るとたかみなの隣の席に座った。
夕食はミネストローネのスープとサラダ、それにローストビーフだ。
私は夕食を有難く頂いた。

「ここへ来てもう2日が経つのね・・・あれから色んな事があったけども」
食事をしながら瀬戸裕子が会話に口をはさんだ。
「よせよ、今更死体のことを思い浮かべてたら食事がまずくなるぜ」
「怖いよ〜」
佐久間昇と内山浩太も会話に口を挟む。

「あの〜皆さんはいつ頃からこの島にやってきたんですか❓」
大島が言ったん食事を止めて清瀬達に口を挟んだ。

「そうだな・・・・君たちとはずいぶん早く来たんだ。
 丁度君たちとだいぶ時間がズレていたってことは違いない」
手で顎を擦りながら清瀬は言った。

「香菜も清瀬さんと一緒だったの?」
河西も不思議そうに言った。
「うん、私も一緒なの・・・清瀬さんと一緒に合流してきたのよ」
小林香菜はきっぱりとそう言う。


「時間で言えば俺たちは大体10時丁度だった・・・そして君たちが来たのは正午だったよな」
田所も腹の探り合いのように言う。
「じゃあ皆さんが早く着いたってわけですね」

大島がそう言うと、清瀬達はそうキッパリと全員頷いた。

143プルヒッター:2015/06/18(木) 23:13:35
「まあなんにしろこれ以上変なことが起きなければいいんだがな、死体と一緒に過ごす一夜なんてのは
 はっきり言ってゴメンだぜ俺は。」
佐久間昇が吐き捨てたようにセリフを言った。
そう、もう何も起きないでほしいと前田とたかみなは思ったのだ、こんな事が2度も起こるなんて馬鹿げてる。
皆の脳裏にそう思った。

144プルヒッター:2015/06/18(木) 23:17:07
午後8時、皆大食堂へと出た。

「きゃあああああ」
その時、耳に痛いくらいの悲鳴が館中に響いた。
先に大食堂へ出た島崎遥香の姿がない。
何かあったのだろうか?

「はるる!!!」
いち早く横山由依が早く島崎のもとへと走り出していった。
「横山!!危険だよ」
指原も横山の後へと続き走っていった。

「皆」
前田の言葉に皆は頷いて島崎のいる2階の部屋へと向かう。

145プルヒッター:2015/06/18(木) 23:24:37
2階へあがっていった頃、先に向かって行った横山と指原が先についていた。
どうやら島崎は部屋のドアの前で尻餅をついている状態だ。
何かあったのか?
島崎は声が出ない・・・・何か怯えている様子だ。


「島崎・・・なにかあったの?」
板野が心配そうに島崎遥香に駆け寄った、そして板野が横から覗くと島崎の左手には
何やら紙切れのようなものを持っていたようだ。

「あっ板野さん、私と指原さんが先についた時彼女が尻餅付いたまんま部屋で叫んでいたそうです。
 で、ぱるるが何かあったと聞いてみたんですが」
心配そうに横山が答えだした。

「島崎しっかり」
たかみなが震えている島崎遥香の体を支えている、でもまだ震えが止まりそうもない。
ふと島崎の持っている紙切れには赤い文字で何かが書かれてあるのが見える。
たかみなは島崎に紙切れの事を尋ねた。

「これ島崎が見つけたの?」
「はい・・・・・・・ちょうど大食堂に戻って行ったとき、私の部屋のドアの隙間に紙切れみたいなものが
 挟んであって、それでおかしいと思って紙切れの中を見たら急に怖くなって」
島崎遥香は涙は見せなかったが、ちょっと涙声で喋りとおす。

146プルヒッター:2015/06/18(木) 23:27:39
「島崎、わるいけどもその紙切れ見せてほしいの」

前田が島崎に言うと、島崎は何も言わずに前田に礼の紙切れを渡した。
前田がその紙切れを覗き込んだ時。
一瞬言葉を失いそうになった。

その紙切れを覗き込んだ。

そこには赤い文字で乱暴に書かれていた。






『この館は呪われている・・・・さもなくば命はない』

147プルヒッター:2015/06/21(日) 02:03:43
戦慄が走った。

『この館は呪われている、さもなくば命はない』
皆、その言葉にギクリとした。
支配人の黒木も同じだった。


「悪趣味ね」
「この館は呪われている?」
板野は吐き捨てたように言ったが、峯岸は半信半疑の言葉で言った。

148プルヒッター:2015/06/21(日) 02:08:57
「誰かの悪戯じゃないの?
 そんなことやる人ってさ、ほらこの館のルールってさあるじゃない」
一人小林香菜が明るい声で言った、が・・・彼女もちょっと怖がったような気分だろう。


「香菜、あんたこんな状態でも明るいのね
 何というか、無神経と言うか・・・ちょっとよく平然としているよ」
大島も怖がりな一面を見せる・・・・悪戯にしてはちょっと度が過ぎた行為。

「黒木さん」
前田が尋ねると、黒木は口を開く。

「とにかくここにいては危険だってことに変わりはないです、ひとまずここは皆さん
 1階のホールの談話室へ戻りましょう」
黒木の言葉に皆は頷いた・・・・黒木を先頭に1階のホールの談話室へ戻る。

149プルヒッター:2015/06/21(日) 02:20:08
一人前田は考えていた。
あれからこの館では2人の命が奪われた。

最初の被害者は・・・・元木早苗。
あの後彼女は昨日からずっと自分の部屋から一歩も出ていない。
私もあまり口を交わそうとはしなかったものの、ちょっと物静かなイメージがあったなあ。

そして・・・私とたかみなが一緒に彼女の死体を発見したときにはすでに息を引き取っていたのだ。
死因は首つりによる窒息死、でも彼女一人でどうやって首を吊って死んだのだろうか?
自分から部屋へ出たとは思えない。
一人で出たのは無い。

次に第2の殺人。
井上良則が殺されたのは私たちが昼食の時・・・彼の部屋で発見された。
でも彼だけがどうして食事に来なかったのか、そこが気になる。
彼も同じく首つりによるものであった。
自分から2人とも同じ死に方なんて・・・・なんか引っかかる?

いや、待ってよ。
彼は島には探検には行かなかったんだ。
あの時、香菜と一緒に残ると自分で言ってきたんだから自ら。
でも井上良則の死体の首にも醜い締め付けられた跡があった、あの太い首で人一人
簡単に殺害することができるのだろうか❓
男性ならできるが・・・あの時清瀬さんたちは外にいたんだ。
でも・・・・黒木さんなら、ありうることもある。
じゃあ香菜は?でも彼女の細腕では無理がある、いくら大の男の太い首を絞めるなんて彼女の力では到底無理。

150プルヒッター:2015/06/21(日) 02:25:23
黒木さん?

私はハッと気づいた、彼に犯行は到底無理だ。
彼は2階に上がることは絶対に不可能・・・おそらく皆の昼食の支度なので時間が合わないんだ。
まさか・・・・私たちの知らない第一人者がいるってことなのか?
見えない敵?

そう思う前田だった。
「敦子・・・・どうした考え事なんかしてさ」
心配をよそおった高橋みなみが声かける。

「たかみな・・・ひょっとしたら、この犯行、不可能殺人だと思う」
前田はきっぱりと言う。

151プルヒッター:2015/06/21(日) 02:30:11
午後8時
皆は1階のホールの談話室に集まった。

「皆さん、重ね重ね申し訳ありませんですが
 皆さんを危険な目にあうわけにはまいりません、大変恐縮ですが今夜は早いうちにお休みになられた方がいいと思います。」
黒木の言葉に反対するものは居ない。

「それと、いま自分の部屋で1人でいるのは危険すぎる。
 これから皆と一緒に過ごした方がいい、その方がかえって危険も少ないはず」
清瀬がそう言う。


「清瀬さん、ひとまず安全な大食堂へ向かった方がいいのでは?」
たかみなはそう言う。

152プルヒッター:2015/10/11(日) 21:43:58
勿論たかみなの言葉に皆は反論するものはいない。

下手に行動すると危機感があったのだと悟ったんだろうか?
ひとまず行動に移さないと皆殺されてしまうんだから。

皆は大食堂へと向かう。

153名無しAKB:2016/02/27(土) 02:54:19
「これで、皆そろったみたいね」

皆いる、ほっとするたかみなと敦子
何とか皆いるだけでもほっとするのは何気なく安堵感を感じたからだ。

154める:2016/04/16(土) 00:05:45
熊本地方今度は大雨
bitly.jp/?gf26et02

155優希朱莉:2023/11/05(日) 18:04:47
このまま全員揃ったのはいいが
皆容疑者
私とたかみなも同じこと

妙な旋律感がはしる前田敦子
背筋が伝わってくる


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