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少女たちの夜

1プルヒッター:2012/08/16(木) 19:36:52
人里はなれた真夏のペンションの物語。
そこで少女たちは様々な恐怖の夜に巻き込まれていく

373プルヒッター:2013/05/28(火) 14:23:55
高橋は小さく頷いた。

『いいわ、私たちの悲劇の続きを話すわ』
福沢と岩下の悲劇の続きが始まった。
再び時間は4年前の日に遡った。

374プルヒッター:2013/05/28(火) 14:37:23
同じ頃前田たちが例の開かずの部屋に行った後。
篠田たちは一刻も早く前田たちの救出へ向かう。

『才加、このままじゃ身動きがとれないわなんとかしてあっちゃんやみなみ達を救出しに行かないと
 あいつら日野の餌食になるわ』
策もない篠田の絶望の言葉が秋元に突き刺さる。
『・・・・しかし、どうやってさ
 現にこっちは何も武器も残されていないんだ・・助けに行くにしても返って逆効果だ』
他の皆も後ろ手にロープで縛られていて身動きがとれないでいた。

『才加、絶望しちゃ駄目だよ
 私たちはAKBなんだ、こんなところで諦めてたら私たちだけじゃなくあっちゃんたちも助からないよ』
宮澤が秋元にちょっと渇を入れる。
他の皆も頷く。
北原が縛られながら何か言おうとしていた

『佐江ちゃん、私のズボンのポケットにカッターナイフが入っている。
 それをとって縄を解いて』
小さな小声で言っているが、北原は必死だ。
言うまでもなく宮澤は腕に縄を縛られながら北原の方へと向かう。
北原の背後に背を向ける宮澤、他の皆も固唾を飲む。

『佐江、早く・・・時間がないわ、早くしないと敦子達も』
秋元がせかすような言葉で宮澤に言う。
しかし、北原のポケットになかなか手が入らない・・・だが一度深呼吸しながらもう一度北原のズボンの
ポケットに左手に触れた。
・・・堅い物が何か手応えを感じる物を覚える。
そーっと指に入れる宮澤。
カッターだ。

『佐江ちゃん、見つかったのね・・・良かった・・・・それを使って早く皆の縄を解いて』
柏木は安堵の表情を浮かべる、そう頷く宮澤。
まず宮澤が後ろ手にカッターナイフを縄にゆっくりと当て、のこぎりのように縄を切る。

375プルヒッター:2013/05/28(火) 14:49:33
『佐江はやく!!』
河西が心配しそうに言う、宮澤も焦るばかりか縄を切るだけで精一杯だ。
他の皆も心配している。
ようやく縄が切れそうだ・・・そして。
・・・・縄が切れた。

『よしっ!!!!皆待ってて、このカッターで今縄を解くから』
ようやく自分の両手が自由になった宮澤、急いで皆のメンバーの縄を切る。
両手が自由になってホッとする少女達。
秋元の縄をようやくカッターで切った宮澤。

『ありがとう佐江、これで自由になったわ』
『礼ならあとだよ才加・・・そんなことより早くあっちゃんや優子達を助けに行こう』
そう、お礼を言うのは後回しだ。
私はそう才加に言う・・・この後はきっちり佐江のことを守ってほしいんだから。
宮澤は小さく笑みを浮かべる。
皆はすぐさま談話室を後に2階の続く部屋の方を見上げる。

『前田さんはどこに行ったんだろう』
柏木は皆の行きそうな場所を見当が付かないままだった、ちょうどその時渡辺が柏木のTシャツの裾を小さく引っ張る。
『そういえば、私、あそこだと思うんです前田さん達や日野達が行く場所は』
渡辺の頭の中に天明の光が表す。

『麻友、どこだか解るの?解るなら教えてちょうだい』
柏木は渡辺にせかすように言う。
『ゆきりん落ち着いて・・・私このペンションで優子ちゃんと一階のトイレにつきあってほしいと頼んだ日
 ちょうど便所に行き終えた後、ふと例の開かずの間に足を向いたんです』

376プルヒッター:2013/05/28(火) 15:13:47
皆は渡辺の戦慄の言葉に大きく頷く。
『で、麻友も佐江ちゃんと同じようにそのドアを開けようとしたの?』
人一倍心配していた柏木は渡辺にいうが。

『ゆきりん、まだ麻友の気持ちを知らないの?
 彼女はね何かと皆の力になりたかったのよ、だからあんな無茶な行動を起こしたんじゃないの
 私だって麻友と同じだったって事よ』
宮澤の容赦ない言葉に柏木の目から一筋の涙が流れた。

377プルヒッター:2013/05/31(金) 23:41:38
『ごめん麻友・・・・解ってもらえなくて、私、私』
柏木は泣きながら渡辺の小さな体をそっと優しく抱いた・・・渡辺も泣いては居ないが
柏木の体をそーっと優しく抱いた・・・蟠りが解けたのだ。

『いいの・・・・ゆきりん・・・ゆきりんだって辛い思いしてきたんだから
 私も麻友も同じだよ・・・だから一緒に前田さん達を助けに行こう、ゆきりん』
『・・・・・そうね麻友』
2人は決意を新たに前田達の元へとゆく。

『ああっおいっちょっと待ってよ・・・・2人だけで行くなんて危険だぞ』
『いいっていいって、ゆきりんとまゆゆは強くなったんだ・・・こうしちゃいられないよ才加』
おせっかいをやく秋元とは対照的に宮澤は2人をかばった。

『・・・皆、しっかりと立って
 あっちゃんたちの後を追うわよ・・・そして佐江たちや麻友たちをしっかりガードしないと』
篠田の頼もしい言葉に皆は大きく頷いた。
一度絶望し掛けたチームワークがまた再び取り戻そうとしている。
これからが本当の勝負・・・待っていなさい日野。
篠田達は前田達の遅れを取り戻すかのように皆と一緒に談話室を後にする。

378プルヒッター:2013/05/31(金) 23:49:37
少女達は歩いた。
薄暗いペンションの廊下をただひたすら歩いた。
柏木、渡辺、篠田、小嶋、峯岸、秋元、宮澤、河西、北原、指原、高城、倉持、横山
13人はひたすら歩いた。

やがて2階の階段を上がり上り終えた。
もはや日野や前田達の姿はない、先へと進んだのだろうか?しかし迷っている暇はない
今彼女たちに怖い物はないのだから・・・徐々に力強さがひしひしと大きく入る。

相変わらず外は強い雨風の音が大きく聞こえた・・・今にも窓ガラスが割れそうな雰囲気を見せている。
が、そんなことは今は考えている暇はもう無い。
一刻も早く前田達のところに行かないと、日野や岩下、福沢に何をされるか解らない。

しかしどこにいるか解らない・・・だが渡辺の言った言葉に皆は大体行き先の見当はついていた。
そう、私たちがこのペンションを訪れてずっと入れなかったあの開かずの部屋。
足は開かずの間へと向かっている。

379プルヒッター:2013/05/31(金) 23:56:34
皆が歩き続けている中、一人足を止める。
小嶋だ。

『ねえ、あの扉の下にさ何かイニシャルみたいなものが掘られてあるの覚えている?』
イニシャル?
そういえば、あっちゃんたちが先にそのことを話していたのを覚えているのを聞いた。
K,R
開かずの扉の下にはそう彫られていたのだ。
このK,Rは一体誰のことなのだろうか?

『それってたしか?』
倉持は思い出そうとしているがなかなか出来ない。
『私たちがチームAに初めてやって来たあの子のことかな?』
高城も何となく思い出そうとしている。
『指原もですよ・・・K,Rを見た途端だれかの人物だったって事を思い出したんで』
指原もそれに続く。

『それってもしかしたら・・・あのチームAに有望株の一人の』
秋元もだんだんと思いかけてきたようだ。

『・・・・・・・神崎麗未・・・・・・』
皆が大きく声をそろえて言い出す。

380プルヒッター:2013/06/01(土) 15:37:41
皆が虚を付かれたような顔をした。
そうあの・・・・・かつていた神崎がここのペンションの一員だったなんて。

嘘とは言い難かった、皆はそう信じられなかった・・・いや信じようとしないでいた。
『神崎ってチームAに組閣発表の後に入団したあの子』
宮澤はチームは違ったが、何となく見覚えがありそうな顔をする。
『・・・・・そんな』
河西はまだ信じられないようだ、かつてのAKBが狂気クラブのメンバーの一人だったとは。

『そういえば!!!』
北原もふと何か思い出しそうな顔をしている。
『あの時の組閣の発表の時に・・・あの2人の顔を見た覚えがあるよ私・・それに例の神崎も居た』
あの2人とは。
おそらく組閣の発表で一番人生を変えられた岩下明美と福沢玲子。
・・・・だが、2人の顔は全く身に覚えもなく知らない人も多かった・・・ずっとAKBに居続けた前田達さえも知らないと思ったからだ。

『里英ちゃん、あの2人ってもしかしたら』
篠田はようやく2人の顔を認識できた。
『あの・・・・私たちが入ってきた神崎麗未だったの?それじゃああの岩下と福沢もかつては・・・・私たちの仲間だった訳?』
篠田はまだ答えが手探り状態のままだったが・・・徐々に思い出せそう。

『おそらくそうでしょうね』
北原はそう言う。
『あっ、そういえば・・・解らなかったけどもあの神崎って子、よく岩下と福沢の2人に徹底的に教えていたのを
 指原は覚えています、私見たんですから』
どうやら指原はあの岩下と福沢の一部始終を見ていたようだ、それに神崎の事は知らなかったけども思い出す節があった

『そういえば、あの神崎は、よく秋元先生に期待を持っていた人物じゃない
 あの子はきっと大きな存在になると言われていたもん、だから私直接話したことも無いけどもスタイルは良かったよ』
早口で話し出す峯岸。
それぞれ神崎の伏線が一本一本繋がっていった

『でもそれだとしたら岩下と福沢もこのままAKBに残っていたハズなんじゃ』
高城はそう言う。
『・・・ところがさあの2人は戸賀崎さんにSKE移籍を発表させられたんだ
 あの2人にとっては嫌な味わいを受けたんじゃないかな・・・だってあのSKEに移籍させたのは何か意味があるんじゃ』
北原は淡々と言う・・・SKEはあのかつての北原と指原の地方組の同僚、中西優香がいる。

『あの〜今喋っていて申し訳ないんですが・・・私はちょっと』
ひとり引き気味の人物が居た・・・横山由依だ。
『そりゃだってしょうがないよ、あのときまだ横山はAKBに入ってからはまだ
 研究生の一角だったから・・・真実を知ろうにも無理があったよ』
指原は横山に諭されるように言った・・・あの時の組閣発表にはまだ横山由依の顔も無かったからだ。
あの時の横山はまだ研究生の一人だったから、本当の真実を知るのはまだ出来ないで居たからだ。

『皆さん覚えてはりますか?
 あの時前田さんが見つけた例の女性の写真の後ろ姿を・・あの後ろ姿こそ例の皆さんの言っている
 神崎さんじゃなかろうかと思うんですけど』
たしかにあの時、後ろ姿の写真を拾ったのを覚えた形跡がある。
でも、あの時の手に持っている花は・・・・弟切草

381プルヒッター:2013/06/01(土) 15:45:11
『そういえば素顔を知っているのはチームAに居た人だけだった
 でも・・・本当に話したことはあまり無いし・・・練習も一人でずっとやっていた、だから素顔をあんまり
 覚えていないんだ私たち・・・だから私たちの記憶も大きく外れていたんだと思うの』
『よく一人で練習していたし、自主練習もレッスンも一人でよくやっていたんだ
 声を掛けようとしてもなかなか出来なかったんだ』
小嶋と篠田は同じチームAの一員だったけども・・・神崎の素顔はほとんど見て居ないそうだった。
初めて素顔を見たのはあの初顔あわせの時しか覚えていない2人。

『そういえば、あっちゃんやたかみなも神崎のことはあまり多く語らなかったよ
 でもどうして何だろう?ずっとAKBにいるたかみなとあっちゃんがそんなに神崎の
 事を語ろうとしないなんて』
倉持は前田と高橋も知らないエピソードをここで知る事となる。

382プルヒッター:2013/06/01(土) 15:51:31
皆はまたシーンとした
だがそれを打破したのが意外にも横山だった

『おそらく皆さんがきっと神崎さんを知らないのは、秋元先生の意志だと思うんですよ
 だって秋元先生はようやく本当の原石を見つけただと思うんですよ・・・だから
 あえて神崎さんの事はあえて皆さんは知らないで居た、いやむしろ記憶が無かったんじゃないでしょうか?』
どうやら横山が真実を告げたようだ。
なんて事だ・・・本当の原石を見つけるまでにずっと秋元先生は私たちに本当の事を告げなかったんだと思う。
あえてそれを言ってしまえば彼女は大きく伸びない。
だから真実を伝えたらそれこそAKBには居られない。
そう言う選択の余地を与えたからだった。

383プルヒッター:2013/06/01(土) 16:00:59
『由依の言うとおりだったよ
 私たち、何にも知らなかったんだ・・・結局秋元先生が私たちに真相を告げるのを恐れていたんじゃない
 もっともっとAKBを盛り上げていこうと言う意義があってこそ神崎の事を言わなかったんだ』
秋元は横山の言葉に大きく胸を打たれた。
こんな後輩が私たちに真相をいち早く見つけていたなんて。

『・・・・もちろん
 私たちが最初に招待状を記していた18番目の・・・・少女って』
河西は唇を振るわせながら言う・・・今にも泣きそうな河西。

『・・・・・神崎の事だったのね』
宮澤はキッパリ言った・・・そう皆も解っているように18番目の少女は忘れられた少女
神崎麗未だったのだ。

384プルヒッター:2013/06/01(土) 16:10:19
『・・・・可哀想
 神崎さんが私たち18人目の少女だったなんて』
柏木は目にまた涙をためながら言う。
『本当にそうですよね・・・神崎さんが生きていれば・・・私たちの仲間だったのに』
渡辺も柏木の涙を後押ししたのだろうか?
彼女にも目に涙が溢れているのが解る

『ごめん・・・神崎、今になって覚えるのが遅れたよ』
篠田は申し訳なさそうに2階の天井を見上げていた。
小嶋も同じように天を仰ぐ・・・やっと彼女の存在を知った事に後悔を受けながら。

『麻里子、神崎はきっと解ってくれるよ・・・私たちの事を見てくれているんだから』
秋元はそーっと篠田の肩を優しくポンと叩いた。
とその時。

「ミナサン・・・・ヤットオボエテクレタノデスネ」
誰だ・・・一体この声は
皆の頭の中に美しくとても綺麗な声がする女性の声がした。
「ワタシガ・・・・カンザキレミ・・・・・イヤ・・・・ウルミデス」
うるみ?
レミじゃなかったのか?

385プルヒッター:2013/06/01(土) 16:12:42
『その声は・・・・神崎さん』
柏木はそう言い聞かせてた・・・ようやく話が見えた柏木。
『えっ?ゆきりん聞こえるの・・・・・あっ私の頭の中にも響いてくるのが解る』
渡辺はまるで不思議な世界にいるように神崎の声を聞き取った。

386プルヒッター:2013/06/03(月) 17:57:57
「ソウワタシガ・・・・カンザキウルミ・・・
 オヒサシブリデスミナサン・・・ワタシガ・・・カツテチームエー二イタ」
『神崎・・・私を覚えている?
 チームAの篠田麻里子・・・にゃろ・・いや、小嶋陽菜もいる・・・・それにあっちゃんとみなみも皆いる』

篠田の必死の呼びかけに神崎はどう応えるのだろうか?
・・・・しかしなかなか呼びかけようとしない・・・・諦めたその時。

「シノダサン・・・・マエダサン・・・・タカハシサン
 エエ・・・・・・・オボエテイマスヨ・・・・・・アノコロハタノシカッタ」
声だけしかしない神崎の声が薄暗い2階のペンションの廊下に響く。

『ねえ、答えてちょうだい
 あの神崎はさ、どうしてAKBに入ったの?それを私は知りたいんだ』
峯岸は必死に答える。
『あの岩下と福沢はいつも一緒だったの?神崎・・・答えてちょうだい』
宮澤も峯岸と同じように声だけしかしない神崎に必死に問い掛けてくる。

「・・・・・・・・・・・・・」
しかし、神崎は何も答えない。
よほどあの2人の事を恐れているのだろうか?何も答えようとはしない。

387プルヒッター:2013/06/06(木) 14:38:37
『神崎、教えて・・・あの岩下や福沢に何かされたの?』
小嶋は答えた・・・すると。

「ソレヲイワナイトイケナイトンデスカ」
『そうよ、私たちどうしてか知りたいのよ・・・・大丈夫
 もう安心して、だから神崎は何も怖がる事なんて無いんだから』
宮澤は先ほどよりも大きな声で神崎に言う。

「コウカイスルコトニナルカモシレマセンヨ」
『私たち後悔なんてしません・・・それで後悔なんてしたら私たち
 AKBじゃないです、怖い事なんてないですから』
ずっと黙り込んでいた渡辺も意を決したかのように神崎の心の声を辿った
『麻友の言うとおりよ、神崎さん
 私たち後悔するまで驚くなんて言いませんから・・・真実を教えてください』
柏木もその後を続く。

388プルヒッター:2013/06/15(土) 00:33:14
『で、あなたの写真を今拾ったんだ
 そして、その黄色い花は弟切草って言うけど・・・一体誰に復讐するっていうのよ』
混乱気味の秋元は懸命に答える。
『岩下、それとも福沢・・・私たちなの?』
倉持も懸命に答えるが・・・神崎の声はなかなか返ってこない。

「ソウ・・・・ワタシハアノヒトガニクイノ・・・イヤアノヒトタチガニクイノヨ」
また神崎の声が闇の中へと響き出す。
『あの人達って秋元先生達のこと?』
『そんな・・・・』
北原と横山も不安を抱いてまで問い掛ける。

389プルヒッター:2013/06/21(金) 16:40:05
『あの人達って秋元先生のことなの?』
高城もそれに続く。
『そんな・・・秋元先生がそんなことするなんて』
渡辺はまだ信じられないままの様子だ
『神崎さん・・・真実を知っているの?
 それを教えてほしいの、お願い・・・私たちもそれを願っているの』
神崎にお願いする柏木、しかし何も答えない神崎。
空間はエコーのままだ。

390プルヒッター:2013/06/21(金) 16:47:01
しかし答えない。
まるで日野たちの事を恐れているようだ。
・・・・やがて。

「ニクイノハ、アノヒノサダオ・・・ソレトシンドウタチガニクイ」
神崎の声はそうはっきりと言った。
今度は嘘じゃない・・・そう思った皆は納得の表情だ。
『日野が・・全ての元凶だったのね』
『じゃああいつらが神崎を』
『神崎を追いつめたのね』
『酷い・・・・』
篠田、秋元、小嶋は口々と言う。
渡辺はあまりの出来事に涙を浮かべながら言った。
『でも神崎さんは・・・どうして日野達の事を憎んでいるんですか?
 日野達の事を復讐するのを考えていたのですか?それが私たちにはまだ解らないんです』
話を割ってはいる横山も加わった。

『横山・・・』
指原も力無く横山に問い掛ける。

391プルヒッター:2013/06/23(日) 16:04:43
「ワタシハヒノトシンドウタチガユルセナカッタ・・・アノジケンガオコルマデハ」
暗闇の中・・・神崎の告白が始まる。

392プルヒッター:2013/06/23(日) 16:20:02
それは4年前の秋頃に大きく時間が遡る。

神崎がチームAに入ってきて早1ヶ月の頃だ。
いつものように1人自主練習を行っている神崎麗美。
練習の成果を見に来ていたのか・・・戸賀崎と秋元が神崎の姿を見ている。
『秋元先生・・・神崎の動きはどうでしょうか?』
支配人の戸賀崎が神崎の踊りを見て秋元に尋ねる。
『彼女には何か大きな力とオーラが見える・・・それに今後のAKBの未来を背負う
 大きな力となってくれるハズだ』
『は、はあ・・・・そうですね』

秋元と戸賀崎の言葉に全く耳を貸さずに神崎は1人踊りのステップの練習を続けている。
彼女はストイックな部分を大きく見られ・・・時期エース候補の1人と秋元は大きな期待を
寄せていたのだ。
秋元もきっとそんな風に神崎の力を見ていた。

『神崎・・・それくらいにして一休みしたらどうだ
 一日踊ってのレッスンは辛いだろう?』
支配人戸賀崎は神崎にそう言った。
『ありがとうございます・・・戸賀崎さん』
神崎は笑顔を浮かべて戸賀崎に礼の言葉を言う。
彼女の笑顔も支配人にも気持ちが伝わっていたのだ

『俺は劇場に戻るけど・・・練習もいいが少しは体を休めておけ
 お前1人の体じゃないからな』
『はい』
戸賀崎はレッスン場を後にして劇場に戻った。

『神崎・・・・君はこれから
 大きな壁にぶち当たっていく運命となる人物となるだろう・・・しかし案ずることはない
 君には大いなる未来と未知なる力を秘めているだろう、これからもよろしく頼む』
秋元の不思議な言葉に神崎はまた新たな使命を任された。

393プルヒッター:2013/06/30(日) 17:31:46
私が・・・これからのAKBの未来を担う中心人物か。
そう思って聞いた神崎、立ち止まっている場合じゃないんだ。
これは私が秋元先生にくれた最大のチャンスなんだ・・・私がこれから皆の
足を引っ張ったらだれがAKBを守っていくんだろう。

神崎は再び決意を新たに再度1人自主レッスンの練習へと戻った。
秋元は神崎の元へと去ったあと・・・1人劇場に戻っていたはずの戸賀崎が。
廊下の長椅子に座っていたからだ。

『戸賀崎・・・・戻っていたんじゃなかったのか?』
『・・・ちょっと、神崎のことをしんぱいしていたものですから。
 それにあいつは・・・・きっと大きな存在になっていくのですから私も本当に鼻が高いですよ。
 あいつはこの先・・・我々を超える大物になる。
 そう信じてるんですよ』
劇場支配人の戸賀崎は人一倍
神崎麗美の事を期待をしていたからこの場に残ったと言ったのだ。
秋元康もそんな風に寄せていたからだ。
だからこそ彼女は困難にぶつかっていく・・・そんな大きな逸材だったからこそ秋元の目は神崎に停まったのだ。
これから大きくつけていけば
いつかは前田敦子と高橋みなみの3本柱のエースが誕生する。
そんな期待を膨らませていたからなのだ・・・・秋元康はそう断言する。

『彼女は褒められて伸びるタイプではなく
 むしろ、叱られて伸びるタイプでもない・・・ある意味困難を乗り越えてこそ
 伸びるタイプだろう。』
『じゃあ・・・彼女はやがて』
『そう、やがては前田と高橋を超える逸材になると
 信じているんだよ・・・これは私の自己満足でしかないけどね』

394プルヒッター:2013/07/21(日) 15:08:20
『これは楽しみになってきましたね。
 私もあいつの成長を期待して安心してみられますよ』
戸賀崎支配人も絶対の笑みを見せる。
秋元も同じように笑みを見せた。
この子はやがていつかは大きなAKBの未来を変えてきてくれるに違いないとそう思った。
・・・・が、その未来はやがて脆くも崩れるとは2人とも知るよしもなかった。

395プルヒッター:2013/07/21(日) 15:19:25
いつものようにレッスンを終えて帰宅する神崎。
夕闇の夜の町を1人歩く神崎。
いつもなら人の多い住宅街の町並みに人がいるにもかかわらず、今日は妙に寂しい
何者かがそれを拒んでいるかのようにみえた
突然、神崎の足の歩みが停まったからだ。

『そ、そんなあなた達は』
まるで虚をつかれたかのような顔をしたのか?
神崎の目の前には・・・あの福沢と岩下の姿があった。

396プルヒッター:2013/08/11(日) 16:41:43
福沢と岩下の2人は腕組みしながら神崎の方を見た。
彼女たちはあれからすぐにAKBからSKEに移籍した後、3日後に自らすぐに脱退を申し出たのだ。
虚をつかれたように岩下と福沢の顔を見る神崎。

どうしてここに。
『久しぶりだな・・・・・・・・神崎』
そしてまた聞き覚えのある男の声がした。
そう、彼女と一緒にマネージメントをプロデュースした日野貞夫の姿が。
一瞬眼鏡の奥の目が野獣のようにキラリと光るのが見えた気がしたからだ、彼女の目に相当な危険な匂いを感じたからなのである。

『どうだ・・・・相変わらずアイドルに精を出しているそうだな、神崎』
得意げに日野は言う。
『私たちを出しおいて・・いい思いしているご様子ね』
岩下の喋る声が妖しく見えたことを神崎は見逃さなかった。
『麗未ちゃんは・・・幸せ者ね』
福沢はそんな神崎に負け惜しみの言葉を投げかける。
そんな、人がこんなに人格を変わるなんて・・・あり得ないことだわ?あれから何ヶ月が経っているのに。
こんなに人が変わるとは・・・神崎はいつもそこにいる3人の姿を見て思った。
もう昔の3人の姿はどこにも居ない・・・・いや、むしろ何かに取り憑かれて居るかのような物だった。

怖い。
私を待ち伏せていたかのように彼らは私の方を見る。
『ふっ、神崎。
 俺はお前のおかげで全てを失った、あの時のコンサートの後、岩下と福沢はすぐに名古屋へと移籍された。
 それだけでは無かった、その後俺は劇場支配人の戸賀崎に呼ばれ劇場スタッフを解雇されたんだ。』
日野の宣告の言葉は更に続いた。

『わかるか神崎、俺たちはお前に全てを失ったんだ。
 だから俺はお前を許さない、いやAKBだけの奴らではない・・・支配人、そしてあの秋元 康にすべて
 復讐するために俺たちは動き出したんだ。』
『・・・・・そう、日野さんはね私たちの事を救ったのよ
 だから私と福沢さんもその話に乗ったの・・・・それでいま貴方の前に現れたわけ』

397プルヒッター:2013/09/29(日) 17:18:15
話が見えない。
この人達はどうしてこんな風になってしまったのだろうか?
たった1つのことでこんなに人は変わってしまうのか?
もう信じられないくらい、神崎は理解できないままだろうと思ったからだ。

『さあ神崎・・俺たちの道具となって礎になってくれ
 お前は俺たちの道具として手足足取りとして使ってやるぜ』
怖い。
神崎は足がすくんで動けなかった・・・危険な匂いが漂ってくる。
神崎は急いで足早に逃げようとしたところ。

398AKB大好き:2013/12/22(日) 22:48:28
続きがきになります!
頑張ってください!

399プルヒッター:2014/01/11(土) 02:15:43
「お断りします!
 私は今、この活動に掛けているんです、あなた達とは
 決して道具にはならない」


神崎は強く言った、相手の道具にはならない!
このまま人生を壊されるのは、あってはならないこと

400プルヒッター:2014/01/11(土) 02:20:37
神崎は強く言った

「いい気になるな!
 ちょっと前田敦子に太鼓判を貰ったからと言って
 調子にのるんじゃねえ!俺はお前が道具になるのが
 始めから選ばしものなんだ」

401プルヒッター:2014/01/13(月) 22:56:33
日野貞夫は吐き捨てるように強く言った
そして、その3日後
神崎は謎の変死をとげる

秋元康と戸賀崎支配人は驚きの色を隠せない!
大事な原石の逸材を日野にうばわれたのた
その後、神崎の事は17人の少女には知らせずに隠した

402プルヒッター:2014/01/13(月) 23:14:19
「そこまでよ!
 話は全て聞いた!あなたが神崎を殺したのね」
開かずの扉が勢いよく開いた

「麻里子さま」
「無事だったのね」
たかみなと敦子が安堵の表情を見せる、他の皆も無事だった

「お前ら、どうやってここを」
日野は麻里子たちの突然の出現に一瞬たじろいだ
「この野郎」
日野が答える前に秋元才加の拳が日野貞夫の顔面に炸裂
日野は大きく吹っ飛んだ!

「何をする」
日野は少女たちを睨み付ける
「まだ分からないのか!自分がしたことを」
「あたし達に復讐するのをね」

佐江ともっちぃは日野に喰ってかかる

403プルヒッター:2014/01/13(月) 23:27:21
「私達の大事なものを奪ってまで」
「しかも、秋元先生を侮辱した」
小嶋と峯岸が日野に言葉を浴びせる

「そんな人が私達の人生だけでなく」
「AKBを奪うんですか!」
「もう、許せない!」
柏木と麻友と河西も続く

「あなたは人間じゃない!卑怯者よ」
「こんなに頭の悪い人とは思っても見なかった」
「そうだそうだ」
「大の男がうちらに侮辱するのは許せないで」
高城、北原、指原、横山も怒りの表情を見せた

404プルヒッター:2014/01/13(月) 23:38:28
皆の怒りの表情に一瞬、敦子は隠し持っていた例のノートを床に落としてしまう
「そのノートは俺の」

落としたノートに目を向けた日野 余程大事なものだろう
「返せ」
日野はノートを力ずくで奪おうとする

「敦子、こっちへ」
たかみなが返事をする ノートはたかみなとの手に渡った
「貴様」
今度は麻里子の手にポーンと投げ渡す

篠田は開かずの部屋の窓の側にいた、今にも崩れそうな壁だ
「このノートがあなたの大切なのは分かった!
でも簡単には渡せない」

405プルヒッター:2014/01/13(月) 23:51:07
「やめろそのノートは」
日野は篠田の持つノートをひったくろうとする

しかしノートは硝子のない窓から勢いよく飛んでいってしまう
「ああっ」
ノートが闇夜の外へ飛んだ

「俺の、俺のノートが」
無理にノートを取ろうとした時、ペンションの一部の壁が大きく崩れていった
「危ない」
篠田が声を掛けたときにはすでに遅かった
日野はバランスを崩しペンションの二階から落ちた

「あああああああああああっ」
日野の体が闇夜の宙を舞う、前田も見守るしかなかった
ドジャと大きく地面の叩きつける音がした

406プルヒッター:2014/01/13(月) 23:59:48
「き  狂気   クラブは 終わる    のか」
地面に激しく叩きつけられた日野はもう虫の息に近かった
口からは大量の血を吐いていた

「くっ      AKBは」
それが日野貞夫の最後の言葉だった
日野貞夫‥‥‥AKBを復讐する計画
だがそれも無情に終わり不幸な男だった

407プルヒッター:2014/01/14(火) 00:10:51
「そんな」
岩下はショックを隠せない
福沢も同様なまま


「ねえ」
前田が2人に声を掛け陽とした途端
「うわあああああ」
ヒステリックに声を上げる岩下は勢いよく開かずの部屋を飛び出した!
皆も後を追う

「岩下、どこ」
「たくどこ行った」
板野と篠田は探したが見つからない

他の皆も探したが岩下の姿はない
その時

「ああっ、あれを見て下さい」
渡辺が指を指した
二階に人影のようなものがあった、渡辺の合図に皆も急いで2階の階段を掛け上る17人

408プルヒッター:2014/01/15(水) 03:40:29
間に合ってくれ
敦子とたかみな。
そして他の皆も彼女の暴走を止めなければ!

少女たちは遂に二階の長いペンションの廊下を走り出した
バルコニーの方から風を感じる

「岩下、見つけたよ」
「もう馬鹿な真似は止めて」
「そうよ今ならまだやり直せる」
「今ここで飛び越えたら、全てが無駄になる!」

たかみな、敦子、優子、ともちんの必死のさ叫びに岩下は
4人の方を見る
‥‥しかし、彼女はすでに遅かった
「さよなら」

それが岩下明美の最後の言葉だった
さよならと言い残し、岩下明美の体が宙を舞う!
バルコニーから身を乗り出して二階から飛び降りてしまったのだ

17人の少女たちは止められないまま、その光景を見守るしか出来なかった

409プルヒッター:2014/01/15(水) 03:51:25
また地面に叩きつけられた鈍い音がした

岩下明美の死体が仰向けに大の字になって倒れていた
福沢もそのもの光景を見ることしか出来なかった


「これで
 狂気クラブも終わったか」
たかみなが小さく呟いた
「何も、自分から飛び降りてしまうことないのにな」
「結局、岩下明美は自らの最後を選んだわけですね」
小嶋はしんみりした言葉を送る
柏木は落ち着いた言葉を選んだ

「終わった全てね」
篠田が全てを完結させるように言い切った

410プルヒッター:2014/01/15(水) 03:58:52
外の嵐はいつの間にか止んでいた
眩しい日の明かりが、誰もいない無人のペンションを照らした

長い夜が終焉した
この3日間が古都の走馬灯のように思い出す少女たち

17人の少女たちはその場を立ち去った
福沢玲子を1人残し、ペンションの扉を開けた

411プルヒッター:2014/01/15(水) 04:14:46
「帰ろうみんな」
たかみなの言葉に皆は頷いた

こうして長い夜は嫌な思い出を残し、ペンションを立ち去った
少女たちが山道から離れたあと
ペンションの崩れていっていく大きな音がしたのを
少女たちは気づくのはその後のことだった


「ああっ、ペンションが」
指原が大声を上げて山の上を見た

「崩れていっていく」
「本当だ」
たかみな、敦子もその光景を見上げていた

「そして、福沢玲子もまた」
「狂気クラブともども飲み込まれていっていく」
「さよならもいわずに」

佐江もその光景を見上げていた
秋元は終わったと思って言い切った
横山はちょうと悲しそうに言った

その後山を降りきった17人の少女たちは麓の家に電話して
助けを呼び、バスで帰還したのである

412プルヒッター:2014/01/15(水) 17:39:19
そして

あの真夏のような恐怖の夜から数日後
無事に秋葉原に帰還した少女たちは

「心配していたぞ」
戸賀崎支配人は前田と高橋を迎えてくれた

413プルヒッター:2014/01/15(水) 17:46:43
「心配かけてすみません」
「連絡も出来ず、申し訳ありません!」

AKB劇場の控え室には前田と高橋
戸賀崎支配人の3人がいた
「あの時電話に出たときはお前たちが
 血相を変えていたのがわかった!」

しばらく話すまでは1分かかった
「で 神崎に会ったんだな」
戸賀崎の言葉に2人は頷いた

414プルヒッター:2014/01/15(水) 17:56:39
「あいつは可哀想な奴だよ
 日野に散々言われ、しまいには岩下、福沢もあいつの
 カリスマ性に嫉妬したのだろな」

「神崎」
前田はやや俯き気味だった

「日野のしたことは決して許すまじ行為だ
 せっかく秋元先生とともに見つけた逸材を潰されたのだからな
 俺は、支配人失格だな」

神崎の事を庇うように戸賀崎は絞ったような言葉で言った
あのとき日野を止めていればこんな事には
と、痛恨の表情を見せていた

415プルヒッター:2014/01/15(水) 18:12:20
そして戸賀崎は秋元康とともに
例のあった崩れていったペンションの跡地に向かった

「神崎、許してほしい、お前がもう少し秋元先生とともに
 日野を止めていればこんなことには」
「戸賀崎、ここに神崎麗美の墓を建てる
 神崎麗美の名前を一生忘れることのないようにな」

戸賀崎は秋元康の言葉に頷いた
2人の目の前には崩れていったペンションの残骸が
寂しく残った

季節はすっかり秋の足跡がやってきたのである



FIN

416AKB大好き:2014/01/30(木) 23:14:21
全て読みました!
すごくおもしろかったです!

417プルヒッター:2015/01/21(水) 01:23:10
次回

少女たちの夜 2を乞うご期待

418名無しAKB:2015/04/08(水) 18:36:05
お願いしますね

419プルヒッター:2015/06/21(日) 02:00:55
久々の続編の書き込み。

今後はどう描くのかがポイントかな。
今回は島崎遥香が初登場。

420プルヒッター:2015/08/23(日) 20:10:27
〜おまけ〜


日野たちの陰謀に逃れて幾日が過ぎた。
少女たちは再び・・・滅びた例のペンションに足を運ぶ。

17人の少女たちはロケバスに乗りこんだ。
たかみなの手には赤い花をしっかりと持ってバスに乗り込んだ。

ロケバスが例の神崎麗美の墓についた時は丸1時間ほどかかった。
たかみなを先頭に他の少女たちも神崎の墓標を寂しそうな目で見つめている、後悔と入り混じりながら。

『神崎・・・私たちここに来たよ、貴方が私に残してくれたのも
 全てあいつらが奪われたんだね・・・悔しいよね、だから私達は何もできなかったことを許してほしい』
たかみなは自分の自責の念を唱え続ける。
そっと赤い花束の束を神崎の墓標に備える。

『神崎さん、どうかAKBを見守ってて下さい・・・麻友はあなたの分も頑張るので』麻友がそう強く言う。
『もっと身近であなたのことを話したかった・・・それだけが心残りよ』寂しそうな声で柏木が言う。
『・・・・・顔も知らなかった私たち、神崎は今どんな心境で見ているのかな?』墓標の前で北原が言う。
『私たちの事・・・絶対に忘れないでほしいね・・・神崎永遠に見てね私たちのことを』河西はうるっとした表情で言葉を浮かべた。
『またここに来ていい神崎・・・今度はメンバー全員で会いに行くよ、神崎』倉持は笑顔を浮かべた。
『神崎がうらやましいよ、私ちょっと嫉妬したけどもそれでも好きだからね』指原がそう呟く。
『これからも見守っててほしいなあ、神崎は私たちのカリスマな存在だったんだから』高城が言い切る。
『あたしは何も出来ませんでしたけど、偉大な先輩からもっと教わりたかったのが残念やったと思います』無念の言葉に詰まる横山。
『あんたは私たちのメンバーだ、こう失うとなると悔しくてたまんないよ・・神崎』悔しさと申し訳なさが秋元の口から伝わる。
『・・・私ももっと神崎の素顔をもっと見たかったな〜 きっと目がくらむほどの美人だったんじゃないのかなってね、またね』小さく手を振る宮澤
『神崎、今は一人空の上で私たちの新しいチームでも作っているのかな?』峯岸がそう言う。
『神崎、ここでの思い出は一生の財産になる、だから安心して眠ってね』篠田が優しい言葉をかけた。
『寂しくないの?神崎、きっと一人ぼっちで寂しいといったら嘘になるよねだからまたね』小嶋も同じく優しい言葉をかける。
『また会えるかしら?時々ともも神崎の墓標に来てもいい?約束だよ』強く語った板野が答えた。
『私たちあなたとはもう少し早く会いたかった、そうすればいいお友達になれたのに』大島が悔しそうに見つめて答える。
『・・私も神崎にもっと早く会えたら良かった・・・神崎こんな私たちを許してほしい、こめんね』泣きながら高橋が言い切った。
『・・・・神崎、私たちはこれからもずっとずっと一緒だよね、私もずっと神崎のこと
 絶対に忘れないから、たから神崎は永遠に眠ってほしい、ずっとね』無念と入り混じった言葉で前田が締めた。

『神崎麗美は守護神のような存在だったよ』
17人の少女たちは揃って言いきった。
こうして神崎の墓参りを終えた少女たちは静かにその場を立ち去った。
17人の少女たちの後ろ姿はいつもより寂しさを感じた。




『アリガトウ・・・・・・ミンナ、サヨウナラ』



墓標の声で神崎の最後の言葉があった。
景色はすっかり秋めいた色景色の紅葉になった。



〜おまけ、FIN〜

421名無しAKB:2021/06/05(土) 15:53:54
またね

422名無しAKB:2021/06/05(土) 15:56:24
あとがき

この小説を書き終えて何年になるのだろうか
今やAKBも変化した。
更なる活躍を期待したい

少女たちの夜 〜18人目の少女〜 

FIN


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