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キリ番なんかの短編スレ
1
:
名無し( 護摩)
:2005/03/16(水) 19:16:04
こっちはあちゃらの「喫茶タンポポ」のTOPカウンターや、
こちらでキリ番をGETされた方のリクにお応えして短編書いたり、
その他、中の人が超個人的な趣味で書いたものなどをうpするスレです。
2
:
名無し( 護摩)
:2005/03/16(水) 19:16:27
いきなしですが、リアルでヤスものを。
3
:
マイスィート・バレンタイン
:2005/03/16(水) 19:17:08
「バレンタインにホテルってねえ、なんか」
ホテルのパンフレットを見て、矢口は微妙に笑った。
「どうよ?完璧なプランでしょ?」
保田はニヤッとする。
彼女には現在壮大なプランがあり、それを遂行しようとしていた。
「てか、圭ちゃんまだ告ってないんしょ?あのおねーさんに」
同期に指摘され、保田は「ハハ…」と項垂れて笑い、
「―――だからこの日に賭けてんのよ!」
とパンフレットを握り締めて叫んだ。
矢口は軽く引いてしまった。
4
:
マイスィート・バレンタイン
:2005/03/16(水) 19:18:04
保田は元モーニング娘。の芸能人である。
彼女には意中の人がおり、ちょうどバレンタイン当日に大阪で仕事が一緒になる。
元々親しくしているので、翌日どちらもオフだしそのまま有名なホテルに
泊まらないか、という保田の誘いを先方は快諾した。
「この前大阪で仕事の時、たまたま寄ったら、ホテルの下の階のショップで
可愛いハート型のフルーツパイが売ってたから、それを買って上の部屋でってね、どうよ?」
「誘い方がヤラシイよお〜!」
矢口は大ウケだったようで、爆笑して保田の背中をばんばん叩く。
「も〜、エッチすんのになんでそんなたっかいホテルまで予約して」
「ヤグチアンタムードなさすぎ」
「え〜。だって、ぶっちゃけ、バレンタインにわざわざホテル泊まる目的はソレっしょ?」
「まあ…あわよくば、ね」
あわよくばて、と矢口は保田にツッコんだ。
5
:
マイスィート・バレンタイン
:2005/03/16(水) 19:18:52
「楽しそうだね」
そこへ、元同僚―――つまり、元モーニング娘。のメンバーの1人が通りかかった。
ちなみにここは彼女らの所属事務所である。
「おお、おはよう」
「よーっす」
ふたりはそれぞれ声を掛ける。
「圭ちゃん、14日寝坊しちゃダメだよ。朝イチなんだから」
「はいはい」
「『はい』は1回」
「はい」
「よろしい」
にっこり笑ってその人は『じゃ、またね』と行ってしまった。
その後姿を見送って、
「…なんでばっさり切ったんかね」
矢口は彼女の短くなった後ろ髪を見て小声で感想を漏らした。
サイドにハサミを入れる手振りをする。
「さあ?
卒業して気分を入れ替えたかったんじゃないの?」
もっともらしいことを言ったが、実は保田もその辺は気になっていた。
わざわざ本人に聞くのもヘンだし、かと言ってやっぱりいきなりのイメチェンだったので
気に掛かる。
ショートになった髪が揺れて遠ざかるのを見ながら、保田は、
「…まあ、いいじゃん。
似合ってんだし」
とパンフレットをバッグにしまった。
6
:
マイスィート・バレンタイン
:2005/03/16(水) 19:19:29
―――そして2月14日。
朝から大阪入りし、地元のテレビ局やラジオなどの仕事をいくつかこなした。
後藤も一緒だったので、3人であちこち顔を出す。
「んあ…ねむ〜」
後藤は相変わらずで、本番と打ち合わせ以外は寝ていた。
「けーちゃん、お弁当食べないの?」
後藤に声を掛けられ、保田ははっと我に返る。
テレビ局のフライ弁当に、保田は手をつけてなかった。
「あ、うん。
ちょっとね、食欲が」
保田は曖昧に笑う。
実はこの時、今夜のプランについて脳内で詳細なひとりリハを行っていた。
平たく言えば妄想である。
「圭ちゃん、具合悪いの?
も〜、だからお酒は控えろって言ってんのに〜。
どうせ外食ばっかしてんでしょ。
ダメだよ〜」
もうひとりの彼女は顔をしかめた。
今夜のプランのお相手である。
怒られた保田は肩をすくめる。
「んあ、そんならけーちゃん家にゴハン作りに行くとか」
『ナイス!後藤!!』
後藤の何の気なしに言ったひとことに、保田は心の底から熱い賞賛を贈る。
「そうだね、今度時間ある時にでも」
「あっは!ごとーも一緒に行こっかな〜」
『後藤っ!テメー!!』
さっきとは打って変わったこの態度。
「あ、なんならふたりでうちおいでよ。
時間合う時にでも。ゴハン作ってあげる」
「やった〜!ごとーね、カキごはんがいい〜!
あのハロモニ。で作ってたヤツ」
「おっけ〜。
鍋も食べさせちゃる」
「いやった〜!」
後藤は無邪気に喜び、フライ弁当を保田の分もばくばく食べた。
保田は付け合せのサラダとお湯を注ぐだけのカップ味噌汁だけ手をつけ、
複雑そうに笑った。
7
:
マイスィート・バレンタイン
:2005/03/16(水) 19:20:18
いよいよ本番。ではなく夜―――。
ホテルに到着する。
ロビーのカウンターに寄る前に目当てのフルーツパイをショップで買い、
その後チェックインした。
オプションのルームサービスのディナーに舌鼓を打ち、シャンパンを開けてパイを食べる。
「豪華なおやつだね」
彼女は笑った。
「おやつって。せめてデザートとかさあ」
保田は苦笑し、
「さて、そろそろお風呂に」
「ヤるの?」
立ち上がろうとし、保田は腰を浮かせたまま固まってしまう。
「するんでしょ?」
「あ、あのさ…」
保田が何か言おうとすると、
「いいよ、別に」
相手は殊もなく言い放った。
「あの、せめてムードとかさ…」
「そういう目的で誘ったんじゃないの?」
「確かに、何も考えてなかったって言ったらウソだけど」
保田は言いよどむ。
『おかしい、こんなハズでは…。
メシを食うとこまでは完璧だったのに。
ウチら、結構いい感じだったのに』
「何でわざわざお金使ってこんな高いホテル予約すんのかなってちょっと思ったけどね。
圭ちゃん、ロマンティストだもんね」
バカにされた。
保田はムッとし、
「お風呂、入ってくる」
そのままバスルームに消えた。
8
:
マイスィート・バレンタイン
:2005/03/16(水) 19:20:53
「なんだっちゅーの。
人をヤリたい盛りのガキみたいに…」
文句を言いながらシャワーを浴びる。
『あんな子だったかなあ。
もうちょっとこう、相手の心の機微を汲んでくれる子だと』
首を傾げ、湯を入れたタブに身を浸した。
保田と入れ替えに、相手も風呂に入る。
『もうこのまま寝ちゃおうかな。
それもわざとらしいか』
枕元の時計は23時に近づいていた。
そっと頭をもたげ、保田は
「…やれやれ」
と掛け布団を掛け、目を閉じた。
9
:
マイスィート・バレンタイン
:2005/03/16(水) 19:22:09
ふっと目を覚ます。
意識が戻ると、彼女がバスローブ姿で酒を飲んでいた。
ミニバーの小さなボトルが開いている。
「…何してんの?」
保田は寝ぼけ眼で体を起き上がらせた。
「何って、寝ちゃうから飲んでんの。
眠れないし」
「ああ…そうなんだ。
ごめん」
ベッドから降り、保田は相手に近づいた。
自分もバーボンのソーダ割りを作り、隣で飲む。
「圭ちゃん、あたしのこと好きなの?」
「好きだから誘ったんじゃん」
保田はちょっとキレ気味に言う。
好きだから、苦労して予約を押さえたというのに。
でもそんな自分は空回りしてたなと、保田は自分を滑稽に思い、苦笑した。
「そっか。
愛のある下心だったんだね」
「おお、あるともさ。
大アリだよ」
保田はムキになる。
相手と顔を見合わせて、くすくす笑った。
「なんで髪切ったん?」
彼女の髪に指を通し、保田は耳元で囁いた。
「別に、これと言って…」
「気分転換?」
「かな。卒業したし」
彼女はふと思い直したように、
「あたしの髪、好きだった?」
顔を上げた。
「何で過去形なのよ。
現在進行形よ」
保田はもっと顔を寄せ、髪に口づけた。
10
:
マイスィート・バレンタイン
:2005/03/16(水) 19:24:20
朝食はルームサービスで―――。
保田は絶妙の加減のスコッチエッグに匙を入れる。
相手は、ベーコンエッグにナイフを通し、
「わ。やわらかい」
と感動していた。
ずっしりとした銀のカラトリーがぴかぴかと輝いている。
「もったいない」
彼女は、ふと言った。
「なにが」
保田は顔を上げた。
「こんな高いホテル泊まって、何もナシ」
「ああ」
保田は苦笑する。
「誰かさんに『ソレだけが目的』って思われてたからね」
「別に、それはいいのに」
「なんで?」
「さて、なんででしょう」
相手はすっとぼけて、千切ったパンをとろりと破れて零れた卵の黄身につけた。
「なんででしょう、って。
アンタ、アタシのこと好きなん?」
彼女は何も言わず、すまして笑う。
保田は、こういうのも悪くないかな、とコーヒーを口にして笑った。
END
11
:
名無し( 護摩)
:2005/03/16(水) 19:26:43
以上です。
これは何かといいますと、「喫茶タンポポ閲覧コーナー」の管理人さんの誕生祝いに
書いたものなのです。
早速超個人的です。
しかもバレンタインて。
えー、管理人さん。約束は守りました。
しかしエロは微妙でした(笑)。
12
:
名無し( 護摩)
:2005/03/30(水) 20:04:26
( 護摩)<さて、今日は特別篇。例の美勇伝ケーキレシピを考えてみたざます
(;〜^◇^)/<「味は保証しない」ってマジかよ!
13
:
3分じゃできないクッキング
:2005/03/30(水) 20:05:32
(♪某3分クッキングのテーマ)
(〜^◇^)<さーて!「美勇伝」ケーキ作るぜい!
(^▽^)<は〜い!さて、まずスポンジを焼きまーす! ←助手
(〜^◇^)<アゴンなにしてんの?しかもツラ切って
( ^▽^)<ウフッ。今日は真里っぺのお手伝いしちゃうぞ?(はあと)
(〜^◇^)<キショッ!まずは材料な。家庭用オーブン鉄板1枚分。
スポンジ:米の粉60g(小麦粉でも可)
卵(L)3個
グラニュー糖40g
抹茶5g
牛乳50cc(温めておく。抹茶はダマになるので牛乳に溶かして使う)
中のクリーム:生クリーム200cc
グラニュー糖30g
抹茶小さじ1
牛乳大さじ1(スポンジの分量のものから大さじ1杯分をこちらに)
スポンジに塗るシロップ:水30cc
砂糖30g
抹茶 小さじ半分くらい ←材料を全部鍋に入れ、沸騰したら火からおろし、
冷ましておく。あらかじめ作っておこう
粒あんかゆであずきの缶詰
(〜^◇^)<あくまで「和」にこだわったケーキだからコメの粉なんだよ。
あ、コメの粉は高いしなかったら小麦粉でも十分だよ!
14
:
3分じゃできないクッキング
:2005/03/30(水) 20:05:51
シャカシャカシャカ…
( ^▽^)φ゛<まずは卵を泡立てます。すくったのをボールの中に落としたら
リボン状にぽってり落ちるくらいに。
( ^▽^)<ハンドミキサーがあれば便利ですね。あ、卵を割った際、黄身にくっついてる
白いダマみたいなのをとっとくと仕上がりがきれいデスヨー。
これはケーキに限らずオムレツとかでもです
(〜^◇^)っ◇<さて、卵を泡立ててる途中で砂糖を3回ばかし分けて卵に入れます
(〜^◇^)<ここらでオーブンを180度に設定してあっためておくといいね
鉄板に一回り大きく切ったオーブンシートを敷いてね。四隅はそれぞれ切れ込み入れてね
(〜^◇^)っ▽<卵が泡立ったら小麦粉を数回に分けて入れる。さっくり切るように混ぜて!
雑に混ぜちゃダメだよ〜
( ^▽^)<ここであっためた牛乳で溶いた抹茶を入れて静かに混ぜまーす。混ざったら鉄板に流し入れてオーブンへ。
焼き上がりは大体10分を目安にしてくださーい
15
:
3分じゃできないクッキング
:2005/03/30(水) 20:06:12
―――閑話休題
( ^▽^)<焼けましたね イイニオイ
(〜^◇^)<おう。こっから仕上げな
(〜^◇^)っ〔 〕<スポンジはシートをつけたまま冷ますこと。乾燥防止に濡れ布巾を
上からかぶしとくといいよ。この間、クリーム作るね。
シャカシャカシャカ…
( ^▽^)φ゛<またまたハンドミキサーでーす。生クリームは7分立て手前くらいまでかき混ぜてくださーい。
牛乳に溶かした抹茶とお砂糖も忘れずに
(〜^◇^)っ<スポンジが冷めたらシロップをハケで塗ること。さーて、いよいよホンマの仕上げだぜい!
塗るぜ!巻くぜ!
( ^▽^)っ▽<クリームを塗りまーす。クリームが塗れたら、粒あんをお好きなだけ。
(〜^◇^)<ロールケーキはスポンジにあらかじめはしっこに切れ目入れとくといいよ!
巻きやすくなるし
( ^▽^)っっ□<巻き巻きしまーす
16
:
3分じゃできないクッキング
:2005/03/30(水) 20:07:57
(;〜^◇^)っっ゛<巻きながらシートをはずすんだけど、これがまた難しくて ヨイショ、ヨイショ
(〜^◇^)っ<巻けたらいよいよラスト!白いチューブ入りのチョコ(100円くらい)で全体に
線描き模様をつけてね。更にホワイトチョコの飾りでオサレに。お好みで粉砂糖かけてもいいね
( ^▽^)<ふう。できましたね。オイシソー
( ´酈`)ノ<いっただきまーす ヒョイ
( ´。酈`)ガツモグゴクン
(;^▽^)(^◇^〜;)
( ‘д‘)<市販の抹茶ロールケーキ買ってきて、展開させてつぶ餡のせてまた巻き直してもエエで〜
その場合、あんこは甘さ控え目でなあ〜
( ´酈`)ノ<くりーむのかわりに、まっちゃアイスをなかにいれてもおいしいれす
17
:
名無し護摩
:2005/04/20(水) 13:27:11
3周年記念企画「ごまに短編書かす権」の短編をうpいたします。
ベースななちまりです。
18
:
ポラロイド
:2005/04/20(水) 13:27:58
なっちは最近、写真に凝っている。
デジカメやポラロイドで色んなものを撮りまくってる。
「圭ちゃんのカメラ、見たけどびっくりしたっしょ。
んも〜、なんでシロウトの娘があんなプロ仕様の持ってんのかねッ」
ある日、店が休みの日、なっちの家に行くと、なっちは自慢のmacで
写真の整理をしながら、圭ちゃんのムダに豪華なカメラの話をした。
「や、圭ちゃんがムダに凝り性なのは昔っからだし」
オイラはすることがなく、なんとなく手持ち無沙汰でなっちがパソコンいじってるのを
横から覗き込んだり、サブマッスィ〜ン(笑)のノートを借りて自分とこのサイトを地味に更新したり、
おやつを食べたりしていた。
「あ、この子はひとりでいいもん食べちゃってもお〜!」
なっちはキーを打ちながら笑って怒ってる。
「だってオイラが持ってきたんだもん。
なっち、全然構ってくれないしぃ〜」
「もお〜!そんなこと言う子はなっちゴハン作ってあげないべ!」
「あ、すみませんすみません安倍さん。ホンット悪かったです」
オイラは土下座をするようなフリをし、へこへこ頭を下げた。
なっちは笑って、『コーヒー淹れるっしょ』と言った。
19
:
ポラロイド
:2005/04/20(水) 13:28:27
「ありゃ」
コーヒーを飲みながら、編集した画像なんか見てると、なっちはファイルから一枚のポラを指で挟んだ。
「なに?」
オイラも覗きこむと、なんか懐かしい写真だった。
いつだったか…。
ああ、なっちが初めてこの街に来た頃、なっちがなんかオイラを撮ってくれたんだ。
オイラエプロンしてるし、仕事の空き時間にでも撮ったんだろう。
端に常連のお客さんが見切れてた。
「ぶっはっはっは!端に5丁目のスズキさん写ってるし!
特別出演?」
「ヤグチ、パーマだね」
「髪型には触れるな〜」
この頃オイラは失敗パーマで、なんとも微妙な髪型だった。
あ、そういや圭ちゃんもパーマだった。
圭ちゃんは見事なオバチャンパーマで散々みんなにイジられてた。
20
:
ポラロイド
:2005/04/20(水) 13:28:42
「ああ、これクリスマスの頃だね。
ホラ、ツリーがちょっと写ってる」
「あ、ホントだ」
なっちが指さすとこを見て、思い出に浸る。
ポインセチアらしき鉢もちょっと写ってる。
そうだ、これはなっちが初めて撮ってくれた写真だ。
「なっち〜、オイラこれもらってないよ〜。
もらっていい〜?」
口を尖らせて写真持ってちょっとじたばたすると、
「えー、初めて撮ったヤグチだしなー。
あ、確かデジカメで同じよーなのを撮った気が。
それじゃダメかい?」
なっちは自分のパソコンを指さした。
「うう〜ん。
これがいい〜」
「ヤグチ、パグみたいだべ」
「も〜。加護にも言われたよ、ソレ」
21
:
ポラロイド
:2005/04/20(水) 13:29:04
そうだ。
オイラ、なっちにマジボレして、圭ちゃんのアドバイスもあって
勇気を振り絞ってなっちにジュディマリのCD借りたんだ。
そのお礼って言ってなっちにちょうどクリスマスだったからケーキ焼いて、
ソレ、一緒に食べて、なんか接近して…。
付き合い始めの頃を、オイラはぼんやりと思い出していた。
22
:
ポラロイド
:2005/04/20(水) 13:29:43
『なっちの好きな曲を、ヤグチが好きになってくれて嬉しいっしょ』
くう〜。
安倍さん、あの笑顔で言うのは卑怯っスよ。
オイラはその一言で、当時更にハートを射抜かれたんだ。
『ヤグチ、ヤグチはちっこいけど、なっちにはうんと大きいよ』
『どういうこと?』
『それだけ大きな存在ってことっしょ』
…オイラ、思きし口説かれてんじゃん。
こう言われて、オイラたちは完全に恋に落ちた。
だからこの写真は、オイラたちが完全にコイビトになる前のだ。
ある意味、記念の一枚?
23
:
ポラロイド
:2005/04/20(水) 13:30:23
「…あ!」
なっちが大声を上げた。
てか、なにをテンパってるんだろ。
「ないと思ったらこんなとこに!あ〜!!」
「ナニナニナニ?」
オイラが腕をバタつかせて近づいてくと、
「コドモは見たら目の毒だべ」
なっちは赤くなって何かを後ろ手に隠し、ぶんぶん片手を振った。
「あ、ゴキブリ」
「え、ドコドコドコ…コラー!やーぐちぃ〜!」
オイラはスキを見て、なっちが隠したモノを奪い取った。
「…あ」
「…だから見るなって」
なっちはモゴモゴと口ごもる。
「コレ…いつ撮ったん?」
「いや…ちょっと、前」
「なっち」
「なに?」
「スケベ」
「面目ないっしょ…」
なっちは小さくなって、更に赤くなる。
「でも、オイラ綺麗だね。
てか、当然か」
ハハハとちょっとエバって笑うと、
「当たり前だべ」
なっちもちょっとふふん、とふんぞり返った。
「なっちの大好きなものだから当然だべ。文句は言わせないべ」
「いやいや安倍さん、エバるトコ間違ってますから」
24
:
ポラロイド@
:2005/04/20(水) 13:33:38
ポラロイドの中のオイラは、白いシーツを抱いて、朝の光を受けて眠っていた。
(〜^◇^)<おわり!
( */ー\)<もーなっちはずかしいべ!
(;〜^◇^)<安倍さんジブンで撮っといて チョットウレシイケド
25
:
名無しタンポポ
:2005/04/20(水) 13:36:12
tokomさん権利GETおめでとう短編ですた。
あ、上の名前欄の@は単なる失敗です。
全部書き込む前にぽちっとやってまいました(苦笑
26
:
名無し護摩
:2005/08/08(月) 15:29:46
ある読者さんに捧げます。
27
:
商店街の喫茶店
:2005/08/08(月) 15:30:32
「―――もしもし、もしもし、お客さん」
少し高い声にはっと目を覚ます。
ここは喫茶タンポポ。
常連客であるM氏は眠い目をこすりこすり、
「すみません…」
とちっちゃい店主に謝った。
「いや、もうじき閉店なもので。
すみません、よくおやすみのところ」
店主は
「どうぞ。スッキリしますよ」
とホカホカのタオルおしぼりを差し出してくれた。
おしぼりを受け取って、ごしごし顔を拭き、すっきりしたところで
傍らのギターケースを担いで
「スミマセン、お会計を」
とちっちゃい店主に声をかける。
28
:
商店街の喫茶店
:2005/08/08(月) 15:30:52
「370円ですねー」
「ハイ、これで」
1000円札と70円とをトレイに載せて、釣りを受け取る。
ちっちゃい店主は不意に
「音楽やってる人なの?」
と声をかけてきた。
「ええ、まあ。
趣味ですが」
「へえ、うちの店にもバンドマンよく来るけど、バンドとかやってる?」
「ええ、まあ」
「そっかあ。
趣味があるっていいねえ」
ちっちゃい店主は
「またどうぞ」
と笑顔で見送ってくれた。
M氏はしばらく道を歩いて行き、思わず電柱の陰に隠れた。
『キュービックのヤッスー!』
前から普通に仕事帰りの保田が歩いて来たのだ。
M氏は対バンなどで何回かキュービックと同じステージに立ったことがあった。
29
:
商店街の喫茶店
:2005/08/08(月) 15:31:07
横には飯田がいる。
『うっわー。
流石連れて歩いてる女もレベルたけー』
M氏は陰から見送り、何故かまたタンポポの方へ戻って行った。
店には、閉店間際だというのに、吉澤や後藤がいた。
梨華もいる。
「遅れてごめーん」
保田が飯田と入って行く。
M氏は店の外から中を見て、仰天しそうになった。
「あ、あの子は!」
吉澤は梨華と何故かあんぱんを半分ずつして仲良く食べている。
M氏はキュービックの吉澤ヲタだった。
王子様なビジュアルなのに骨太なベースを弾くギャップがまたたまんなかった。
吉澤の彼女らしき美女とセットでいる姿がまたより一層たまんなかった。
30
:
商店街の喫茶店
:2005/08/08(月) 15:31:21
「あれ」
外からM氏が見てるのに、ちっちゃい店主が気づく。
「どしたの、お客さん」
ドアから店主が顔を出し、
「う、うわ!
い、いえ!
ちょっとコーヒー豆買うの思い出して!」
咄嗟についた言い訳にしてはよく出来てた、とM氏は後に思った。
「そうなんだ。
中入ってよ。
うるさい連中いるけど、よかったら」
招かれて、M氏はおずおずと入って行った。
31
:
商店街の喫茶店
:2005/08/08(月) 15:31:49
「アラ、あなた」
真っ先に、保田が気づいた。
「せ、先日はどうも」
先月の対バンで一緒だったので、M氏は一同に頭を下げた。
「んあ〜、こっちよかったらドゾー」
後藤が手招きして吉澤の隣の席を指した。
「ど、どうも」
M氏は額の汗を拭う。
梨華は花のような笑顔で
「こんにちは」
と軽く会釈した。
「こんちは!
この前のプレイ、カッケーかったっす!」
いきなり吉澤に握手を求められ、M氏は
「そ、そう?」
とまんざらでもない様子だった。
―――その後、タンポポを閉めた後、
居酒屋へとなだれ込み、オールで飲み会になった。
バイト帰りの市井とアヤカもここで合流。
M氏は吉澤と梨華をセットで眺めながら、保田にどんどん飲まされ、
幸せな気持ちで酔いつぶれた。
おわる
32
:
名無し護摩
:2005/08/08(月) 15:34:31
以前、水海さんが「ごま小説に出演する権利」をGETされたお祝い&お礼短編ですた。
タイトルは「学生街の喫茶店」より(爆)。
水海さん、遅くなりまして大変申し訳ありませんでした(汗
33
:
水海
◆aL5JHITOMI
:2005/08/11(木) 03:37:32
至福。
この言葉でどれだけ嬉しいか察してください。
このお話だけで焼酎が何倍でも飲めそうです。
ヤススと飲み較べても勝てそうなイキオイです!
しかも肴がいしよしとか…(*´Д`)ポワワ
護摩さん本当にありがとうございました。
34
:
名無しタンポポ
:2005/08/12(金) 22:45:12
>水海 ◆aL5JHITOMIさん
ありがとうございます。
喜んで頂けて幸いです。
どうぞヤスに勝ってください(w
どうぞ勝ってごらんなさい!>( `.∀´)っ〔酒〕
(0^〜^)ノ( ^▽^)ノ<<がんがれー!ファイ!
35
:
名無し護摩
:2005/12/30(金) 10:44:07
タンポポのキリ番リクです。ベースいちごまです。
36
:
名無し護摩
:2005/12/30(金) 10:44:38
後藤一家とある年のクリスマス、温泉に出かけた。
三女の「ごとー」こと真希は確か受験生のハズ。
なのに先頭切って宿選びなども仕切っていた。
37
:
名無し護摩
:2005/12/30(金) 10:45:23
「んあ、さすが雪国だねい」
後藤は宿に着くなり荷物を置いて、旅館の近くの山まで駆けて行った。
「…さみーよ。
なんでもっとあったかいトコにしねーんだよ」
ダウンのジャケットの前を掴んで更に合わせようとし、アタシは震えた。
「寒いんなら部屋でおとなしくしてたらいーのに。
ヘンないちーちゃん」
「うっせ」
腹が立つのでポッケからタバコを出す。
…切れていやがった。
「ねーぞ!」
ムカつくので舌打ちしてパッケージを雪に叩きつけた。
「こんな空気のおいしーとこでよくタバコ吸おうって気になるねえ。
ホレ」
後藤は手のひらですくった雪をアタシに差し出す。
「どうしろと?」
「きっとおいしーよ」
それはかなり悪くないんでないかい?
アタシはだらしなく頬を緩ませて、後藤の手のひらを自分に近づけた。
だが。
「ばーか!」
後藤はケラケラ笑って走って逃げて行く。
アタシは顔中にばん!と押し付けられた雪に敗北感を滲ませながらやけに丁寧に掃った。
38
:
名無し護摩
:2005/12/30(金) 10:45:54
白いロングのダウンジャケットが雪の中見え隠れする。
アタシはちょっとした郷愁のよーな幸福感のよーなモノを感じ、雪の中仰向けに寝てみた。
「…つべて」
「当たり前だよ、雪なんだし」
『バカ?』と顔をしかめながら後藤はこっちに戻って来た。
ヒトにバカっていーながら寝転んでるキミはなんなの?
それでもアタシは隣に同じように仰向けになってる後藤に、自分の手のひらを重ねた。
「…おおう、ケータイが鳴ってる」
アタシがポッケのケータイを取り出そうとすると、後藤がそれを制した。
「なんなん?
確かにメールでけーちゃんからだけど」
「…もーちょっとこうしてよーよ」
…オンナみてーなこと言いやがって。
てか、寝るなっつーの。
39
:
名無し護摩
:2005/12/30(金) 10:46:24
「こっちこっち」
夕食前にまた引っ張り出され、さっきの山に行った。
「ここ、ここ」
オマエはポチか、と思ったが、アタシは後藤が手袋を脱いだ手で、雪から何か掘り出すのを見ていた。
途中から、アタシも加わる。
「なんだ?酒?」
「そ。こんな日はきっとおいしーよ」
後藤は自慢げに日本酒の小瓶を掲げた。
まだ雪がちょこっとついている。
「飲もーよ。
おかーさんたちにバレないうちに」
「おう」
40
:
名無し護摩
:2005/12/30(金) 10:46:54
雪の中、コイツと飲んだ天然冷蔵の冷酒はハラまで凍みた。
「酔いざましにコーラでも」
「おおう、気が利くなー」
てか、油断してたアタシがバカだった。
コイツは嬉しげに缶を振り、アタシに向かってプルを開けた。
「…死ね!」
「ばーかばーか!」
純白の雪に、ボタボタの茶色いコーラの道を残して行き、アタシは幼なじみを追いかけて行った。
41
:
名無し護摩
:2005/12/30(金) 10:51:31
和尚さんタンポポカウンター10万ゲットおめでとう記念短編でした。
タイトル入れ忘れ(汗)。
『雪の日に』です。
で。
リクの「初めてごとーいちーちゃんとのみにいくぽ」がカナーリ微妙なのですが(苦笑)。
もしアレでしたらメールください。
書き直させて頂きます。
42
:
和尚
:2006/01/11(水) 01:16:56
書き直しだなんてとんでもないッス!
ギャグを想像してましたが、シリアスになっていたのでビクーリしました。
そしてごとーさんにヤラレてるいちーさんに笑いつつ、
この2人は昔からこんな感じだったのねw・・・と思いました。
ありがとうございました(お辞儀)
43
:
名無し護摩
:2006/01/11(水) 21:47:51
シリアスという程でもないのですが、結構マジメにしました(笑)。
もうこの二人は物心ついた時からこうだっただろうと(笑)。
こちらこそありがとうございました(平伏)
44
:
名無し護摩
:2006/02/06(月) 21:22:52
一日早いけどぼん生誕記念で。
ベース弾きの話で、ぼんがまだ上京する前のおはなしです。
45
:
春のあしおと
:2006/02/06(月) 21:23:23
加護亜依は父とともに東京駅に降り立った。
今日は父に連れられて、新しい下宿先に挨拶に来た。
「亜依、疲れてへんか」
「別に。お父ちゃんは」
「俺は大丈夫や」
父が『俺』と言う時は、娘の自分に対して何か言いたいことがある時だ。
加護は無言で父の横顔を見た。
46
:
春のあしおと
:2006/02/06(月) 21:23:56
新しい下宿は都内にあった。
学校までのアクセスもいい。
最寄り駅からも歩いて10分ほどなので、半ば両親が気に入って決めた。
「中澤さんは京都出身らしいわ」
新幹線を降り、乗り換えた電車の中で父はそんな事を言った。
「へえ」
加護は気のない返事をする。
「お父さんが再婚しはる事になって、お母さんと二人で東京に出て来はったそうや。
妹さんが一人いてはるて。大学生でお前よりちょっと年上やて」
「ふうん」
中澤家情報は正直どうでもよかった。
そもそも、東京へ出て来る事に、加護は乗り気じゃなかった。
父に勧められた東京の私立女子高を受験したら、すんなり首席で受かってしまった。
合格を喜ぶ両親とは対照的に、加護は暗い表情だった。
47
:
春のあしおと
:2006/02/06(月) 21:25:02
中澤家は確かに駅からほぼ一本道で時間もそうかからなかった。
今日初めて会う管理人という女性は、金髪っぽい髪だが美人だった。
横にいる管理人の妹という若い女の子はさっきからにこにこ自分を見ている。
「ふつつかな娘ですが、よろしゅうお願いします」
父はさっきから同じ事を繰り返していた。
「いえ、こちらこそ。
今年はお嬢さんと同じ学年の女の子がもう一人下宿しはりますし、
賑やかになりますね」
管理人の女性は穏やかに微笑んだ。
「亜依ちゃんはお友達に何て呼ばれてるの」
横の管理人の妹嬢はが加護に尋ねた。
「あいぼん」
加護はジュースのストローを口にしてそっけなく答える。
父は苦笑して、
「すんません、この通り愛想ない奴でして」
「いえ。
あいぼんってあたしも呼んでいい?」
『梨華』と名乗る女性は、笑顔で言った。
48
:
春のあしおと
:2006/02/06(月) 21:25:36
加護の父は、『仕事がある』とその日のうちに帰った。
『オマエは好きにしたらエエ。原宿やら渋谷で遊んでもええし。
東京に慣れる練習や。
ホテルもとってある』
加護は父の用意の良さに半ば呆れた。
「…なんで東京なんか来てもうたんやろ」
その日の夜、加護はホテルのベッドで一人、眠れぬ時間を過ごした。
49
:
春のあしおと
:2006/02/06(月) 21:26:11
翌日。
加護はお決まり通り渋谷に出た。
ゴチャゴチャした街だった。
母が用意してくれた流行の服も、ここでは地味な方だ。
地図を頼りに表参道に出たりした。
恵比寿も行った。
携帯がブルったのでポケットから取り出すと、昨日の管理人の妹だった。
『あいぼん、おはよう!
よく眠れた?
もう奈良に帰ったのかな?
またメールするね☆』
「…ああ、東京観光するって言うてへんかったなあ」
加護は、
『昨日はどうも。
まだ東京にいます』
と短く返事を返した。
『そうだったんだ!
ひとりで回ってるの?』
とすぐ様返事が来る。
『このねーちゃん友達おらへんのかな』
加護はなんとなくそんな事を思った。
『うん。
東京って、広いね』
それだけ送信した。
50
:
春のあしおと
:2006/02/06(月) 21:27:29
加護は恵比寿の駅に戻ろうとして自分が迷ってる事に気付く。
「え、えと…」
見た事もない住宅地にいる事に気付き、地名を確かめる。
「ひろ、お…?」
「ヒロオってアノ『広尾』か?
てか、恵比寿はドコ行ったん?」
きょろきょろ辺りを見渡す。
散歩中の犬が、ヒマそうにあくびをしている。
高そうな外車が、すぐそばを走り抜けた。
そこへまた梨華からメールが来る。
『大丈夫?
迷ってない?』
今現在の状況を見られたかのような内容に、
『大丈夫です、ご心配なく』
と強がって返事する。
「寒い…」
3月だというのに、心底冷えた。
缶コーヒーでも買おうかと思って辺りを見渡しても、自販機もない。
「ぐす…ウチが何をしたんな」
半泣きで元来た道を引き返す。
51
:
春のあしおと
:2006/02/06(月) 21:28:05
『あいぼん、今どこで遊んでるの?』
しばらくたってメールがまた来る。
『広尾ってトコ』
『広尾?
あの辺、遊ぶトコあったっけ?』
『あいぼん、もしかして迷ってる?』
『あいぼん、大丈夫?』
加護は足が棒になり、梨華から続けざまに3通目のメールが来た所で
『恵比寿の駅に出るまでが分かりません』
と返信した。
52
:
春のあしおと
:2006/02/06(月) 21:29:10
梨華は1時間後に車でやって来た。
昨日加護が家に止まっているのを見たシーマだった。
あれから加護は携帯で梨華から指示を受けながら歩き、
そこで待っているように言われた。
「大丈夫だった?」
運転しながら梨華は、後部座席の加護を気遣った。
「別に…おおきに」
最後はか細い声で言い、加護は俯く。
「東京は、ヘンな街や」
加護はぼそっと言った。
「うん」
「こんなごちゃごちゃしたトコに住まんでも」
「うん」
「水もマズイし、空気もおかしい」
「うん」
「なのになんでみんな東京へ行きたがるんや」
「ちょっとはみんな東京が好きなのかもよ」
梨華のひとことに加護は黙った。
「梨華ちゃんも、ヘンや」
最後の一言に、梨華は可笑しそうに笑った。
53
:
春のあしおと
:2006/02/06(月) 21:29:41
以上です。
ぼん、おめでとう!
54
:
銭湯に行こう
:2006/04/19(水) 11:34:38
今日は銭湯にやって来た辻と加護。
いつも行くスーパー銭湯が休みなので、ちょっと離れたこの街の銭湯にチャリ漕いでやって来た。
「いらっしゃい!」
番台に、矢口が普通にハッピ着て座っていた。
「ヤグチさん…なにしてるんれすか」
「いや手伝い手伝い。400円ね」
矢口がさっと手のひらを出す。
「ああ、はい。
ウチとのんと2人分」
加護が千円札を差し出すと、
「はい、おつり。
200万円ね!」
昭和のギャグに、辻・加護はサーっと引いた。
55
:
銭湯に行こう
:2006/04/19(水) 11:35:12
「なに見てんねん!」
脱衣所で、加護は辻を睨む。
「な、なんも見てねーのれす!」
実は見ていた。
ブラを外すと零れるように揺れて出てくる加護の胸に、辻は見入っていたのだ。
「このオッパイ星人が」
ブツブツ言いながら、加護はタオルで前を隠して浴室に入って行く。
「キャハハ!青春だな!結構結構!」
番台で、矢口がニヤニヤ笑っていた。
56
:
銭湯に行こう
:2006/04/19(水) 11:35:51
「だから何見てんねん!」
「なんも見てねーのれす!」
洗い場でも、ふたりは言い合っていた。
加護は泡だらけの頭で抗議する。
「そんなにウチの乳が見たいんかい!」
「べ、べつに!」
辻は慌てて自分も頭を洗いにかかる。
しかし手のひらに出したシャンプーは明らかに出し過ぎだった。
「あーほ」
加護がここぞとばかりに嫌味たっぷりに言う。
『く…!
ここで怒るのはガキんちょなのれす!』
辻は耐えて出し過ぎのシャンプーを頭につける。
『まったくちょっと乳がデカイと思って生意気なのれす!』
そんな理由で生意気扱いされても加護的には如何なものか。
「のん」
「な、なんれすか」
「上がってからフルーツ牛乳飲も」
「へい!」
辻はぱ〜っと笑顔になった。
57
:
銭湯に行こう
:2006/04/19(水) 11:36:33
「ハイ!おつり300万円!」
「…またかいな」
矢口からエセ300万円を受け取り、加護は辻にフルーツ牛乳を1本手渡した。
「お金渡すれす」
「エエよ」
「なんでれすか」
「エエて」
何がエエのか分からないが、辻は素直に奢られる事にする。
「おいしいれす」
ぷっはあと辻は飲み干して、口のハタを手の甲で拭う。
「あいぼんがおごってくれたからおいしーれす」
「またウマイこと言うてからに…」
加護は赤くなった顔を瓶でこっそり隠して飲む。
「『銭湯の息子!?』はじまるからかえるれす」
「へいへい」
「オマエら、気をつけて帰れな〜」
「へいっ」
「はーい」
矢口に見送られて、ふたりは家路についた。
58
:
名無し護摩
:2006/04/19(水) 11:38:35
終わりです。
かも〜んな!さん「100900」ゲトおめでとう短編ですた。
リク通りになったかも、エロも微妙ですが(汗)。
59
:
名無し護摩
:2006/04/19(水) 11:50:52
もういっちょ。
今度は三日月ハウスさんのリクのものです。
リアルりかみきで。
60
:
桜舞い散る
:2006/04/19(水) 11:51:34
ある花冷えの日。
次に入ってる仕事がキャンセルとなり、梨華と美貴は楽屋で待機していた。
美貴は時々メールを打ちつつ、雑誌をパラ見している。
梨華はそんな美貴をちょっと気にしながら、自分も携帯を弄っていた。
61
:
桜舞い散る
:2006/04/19(水) 11:52:06
「止まないね」
朝から降る雨は、依然として降り続いていた。
梨華がぼそっと呟くと、美貴は
「へ?あ?なんか言った?」
と顔を上げた。
「あ、うん。
雨が止まないって」
「ああ、うん。
そうだね」
美貴はまた顔を下げる。
62
:
桜舞い散る
:2006/04/19(水) 11:52:37
梨華はちょっと美貴が苦手だった。
嫌いではないのだが、ハッキリものを言う性分の美貴をやや敬遠していた。
美貴は美貴で、自分と違って女の子らしい梨華とちょっと距離を置いて接していた。
美貴は小腹が空いて、鞄からさっき辻希美にもらったポッキーを出した。
ポッキー齧りつつ、雑誌をパラパラ捲る。
63
:
桜舞い散る
:2006/04/19(水) 11:53:08
「美貴ちゃん」
「ん?」
「ポッキー、貰っていい?」
「あ、うん。どうぞ。
好きに食べて」
美貴はポッキーの箱を梨華の方にちょっと押した。
「頂きます」
わざわざ手を合わせて、梨華はポッキーに手を伸ばす。
そんな馬鹿丁寧な律儀さに、美貴は苦笑する。
「なあに?」
「いや、別に」
美貴は笑いを押し殺した。
雨はまだ止まない。
せっかく咲いた桜も、散ってしまうだろう。
いや、散るからこそ美しいと思うのか。
それを考えると、無常に散らせる雨は惜しいのだけれど。
64
:
名無し護摩
:2006/04/19(水) 11:53:46
短いのでおまけでもういっちょ。アンリアルりかみきです。
65
:
スコール
:2006/04/19(水) 11:54:29
大学の授業の帰りに、雨に遭った。
傘なんか持ってないから、カバンをかぶって走って駅へ向かう。
土砂降りの雨の中、透明なものが目に入った。
いつも会う、顔は知ってるけど、名前は知らない女の子だ。
小顔できつい目元が印象的な子だった。
透明のビニール傘を差して、こっちに向かって歩いてくる。
「あげる」
すれ違いざま、不意にその子が傘を突き出した。
一瞬何が起こったかわからず、カバンをかぶったまま呆然とする。
「あ、あ。い、いいよ…。
あなた、濡れるじゃない」
やっとそれだけ言うと、また予想外のことが起こる。
その子は無表情で、唇を重ねてきた。
冷たい雨の中、対比のように唇の熱さが体に残る。
「じゃ」
それだけ言って、その子は傘を押し付けて行ってしまった。
唇を指で触れながら、やっぱり止まない雨の中歩く。
それはきっと、スコール。
一瞬で、通り過ぎていくんだ。
66
:
かも〜んな!
:2006/04/21(金) 18:00:12
感謝!ありがとうです
微妙なのののオヤジ目線にお腹いっぱいですw
でもなぜおいらがおっぱい星人なのをごまさんは
知っているのか・・w
67
:
護摩
:2006/04/23(日) 10:17:00
>かも〜んな!さん
いえいえ。こちらこそありがとうです。
オパーイ星人の件は日本の総人口のおよそ8割7分はオパーイ星人だと思われるからです。
(〜^◇^)<ウソをつけ!
68
:
護摩
:2006/05/17(水) 20:27:58
さて、本日は。
『GBSさん、ごまカルトQ2006優勝おめでとう企画・リクにあった
「メイキングオブごま小説(後藤先輩含む)」』〜。
69
:
護摩
:2006/05/17(水) 20:30:59
なんですか、ヲレが今回のクイズで「好きなごま小説、好きなシーン」を
出題しまして、その回答にあったシーンの中で
思い入れの深い作品・シーンについて語ってんか、というリクでしたので、
そのまま書かせていただきます。
70
:
護摩
:2006/05/17(水) 20:33:56
まずは。
『ベース・いちごま車で夜明かしシーン』
このふたり、カネないのかよく車でお泊りしてますねえ(苦笑)。
恋人でもないのに。
このふたりだからできる微妙な距離感が書いてて楽しいのですが、
見てる方のいちごまヲタの皆様はヤキモキされてるようです(苦笑)。
スンマセン。
文化祭の時と、クリスマスライブの時と、微妙な変化に気づいてくださったら
幸いです。
71
:
護摩
:2006/05/17(水) 20:36:39
つぎに。
『ベース・ヤスがカオに告るシーン』
ヤスの「練習じゃないわよ!本番よ!」って台詞は書く結構前から(連載初期くらい?)
思いついてて、ネタをあたためてました(笑)。
好きな台詞のひとつっす。
ヤスってオトナなのに結構ムキになるんですよね、特にいいらさんに関しては(苦笑)。
72
:
護摩
:2006/05/17(水) 20:38:21
さて。
『ベースぼん家出→捜索→発見→みんなで帰る』
これを書きたくてベースを書き出したフシあり。
好きなシーンですねえ。
ぼんは難しい子だけど単純(爆)、でもやっぱり難しいって子なので、
そのへんを出すのに苦労しました。
73
:
護摩
:2006/05/17(水) 20:41:20
いよいよ。
『後藤先輩』
おまいら後藤先輩好きすぎ(笑)。
後藤先輩スキスキ板逝け
くこか!
( ´酈`)<くこれす
サイト開設にあたり、ネタスレがひとつほしいな、と思い、勝手に始めました。
結構みなさん、読んでくださってるんですね(笑)。
ありがとうございます。
『後藤先輩』は誰も信じてはくれないでしょうけど、ロマンティックなごまこんスレなのです。
紺野さんがギャフン、という目に遭おうとも(爆)。
74
:
護摩
:2006/05/17(水) 20:46:45
次いで。
『スキップビート』
これでヲレの職業が結構バレた(苦笑)。
ベースよりスキップ、という人はディープなごまヲタケテーイ。
多分『好きなごま小説』アンケートとったら、2位か3位くらいにくると思う。
親友でないけど、親友より強いかもしれない絆、ってのが書きたかったというか。
加護の『辻希美』って台詞がいちいちめんどくさかった(爆)。
いいらさんを学校司書にしたのは、ああいうタイプの司書って実際いるから(爆)。
友人の学校司書の仕事ぶりなどをかなりモデルにしましたね。
75
:
護摩
:2006/05/17(水) 20:50:28
で。
『I HATE VALENTINE!』
おそらくヲレの短編で一番人気かも。
みんなマメスケ好きすぎ(爆)。
それといししばの相撲と(苦笑)。
私、バレンタインがハッキリ言ってキライなんですよ(苦笑)。
で、ふと『辛いものを贈るバレンタインがあってもええやん?』とか
『なんで甘いモンでないとアカンねん』とか思いついて
これを書き出したんですよ。
76
:
護摩
:2006/05/17(水) 20:53:19
そんで。
『IT'S MY PARTY』
ヲレ、わけー(苦笑)。
いまコレを書いたらどうなるだろ。
この頃は…28ですか(爆)。
若くもないか(笑)。
この中の『熱帯夜』のやすごまが夜明けの街を散歩するシーンが好きって
ご意見もあり、「あ、伝わった」となんか嬉しかったですね。
77
:
護摩
:2006/05/17(水) 20:57:36
そんでもって。
『やすかおがバリに行くはなし』(『神様のいる島』)
あと1話なのに書けてなくてごめんぽ。
というか、ヲレに有休をください(苦笑)。
これを好きと言ってくださった方は、ヲレの書くやすかおが好きと言って
くださりました。
光栄です。
ヤスがカオのために普段のクールさからは考えられないくらいブチぎれる
シーンがありまして、そこが結構書きづらかったです。
でやっぱり、このふたりはエロイんです(爆)。
78
:
護摩
:2006/05/17(水) 20:59:26
ラスト。
『ベース・村さんNYに行く』
ベースじゃないようでやっぱりベース、ってのがオモロかったとか。
恐らく過去一番調べ物が多かったシリーズ。
それといい勝負なんがアヤカがハワイでミカとくっつく話。
この方もアヤカのハワイエピソードなどがお好きだそうです。
79
:
護摩
:2006/05/17(水) 21:00:53
さてさて。
長々と語りましたが。
今回は普段とは違ったリクで私も面白かったです。
なんか読んで楽しんで頂けたら幸いです。
そしてこれからもよろしくお願いいたします。
ごま拝
80
:
GBS
:2006/05/24(水) 00:29:21
どうも、長文メイキングオブお疲れ様です。
かんなり奥深い内容をしっかりと書いてくださり、
軽い気持ちでリクしたものとしてひたすら恐縮してます(汗
しかし、『IT'S MY PARTY』のやすごまが
後藤先輩のやすカヲにだぶって見えるのは気のせいでしょうか。
ただし、なかなかあの小説のいしよしのように
後藤先輩と紺野さんの関係が深まるところは想像がつきませんが(爆
81
:
護摩
:2006/05/26(金) 11:16:55
こちらにも感想ありがとうございます。
>ただし、なかなかあの小説のいしよしのように
>後藤先輩と紺野さんの関係が深まるところは想像がつきませんが(爆
( 護摩)<無理
川o・Д・)<即答かよ!
紺野先生には更にがんばっていただくこととしましょう(笑)。
82
:
名無し護摩
:2009/06/15(月) 21:32:45
ブログ新装開店記念リク短編をば。
こはみつで川=´┴`)視点。リアル設定で。
83
:
マーメイド
:2009/06/15(月) 21:34:14
「明日空いてる?」
仕事帰りに、久住さんに急に聞かれた。
「あ、はい。特になんもないです」
「じゃ、1日空けといて」
それだけ言って、さっさと帰らはった。
久住さんが気まぐれなのはいつものことや。
それでも、誘ってもうてわくわくしてる自分がいる。
『明日東京駅に5時50分ね』
夜メールで送られてきた、とんでもない集合時間に驚愕する。
84
:
マーメイド
:2009/06/15(月) 21:35:11
寝ぼけながらもどうにか起きれた。
指定された変な鈴のあるとこで、ちょっと10分早く到着して待ってる。
あくびをして、道行く人をぼーっと見る。
さすがにラッシュの時間ははずれてるからそないなおらへんけど、それでもみんな会社に行くようなひとばっかやった。
「おはよう」
ジャストタイムに久住さんは現れた。
キャミソールに膝丈のジーンズと軽装やった。
「お、おはようございます」
「行くよ」
愛佳を振り返ることなく、ずんずん進んで行く。
慌てて追いかけて、走ってった。
85
:
マーメイド
:2009/06/15(月) 21:35:46
「どこ行きはりますのん、久住さん」
新幹線の改札まで近づいて、なんとなく『遠出か?』と目星がついた。
「新潟」
切符を渡され、さすがに驚く。
「へ?今から?」
「あんまり時間ないから」
驚く愛佳をよそに、てきぱき改札に切符通して行かはる。
また追いかけるのに必死やった。
86
:
マーメイド
:2009/06/15(月) 21:36:20
『とき301号、ただいま発車します』
なんだかんだで乗り込んで、いま発車のアナウンスが流れた。
「あのお」
「なに?」
窓際の久住さんは、ちらっとこっちを見た。
ちなみに、今日は度入りのメガネや。
コンタクトやあらへんから新鮮や。
「久住さんの地元行くんですよね」
「そうだよ」
「観光とかですか?」
「泳ぎに」
「――――は?」
「は、じゃないっしょ。
言ってたじゃん、泳ぎに行きたいって。
そんで小春の地元に遊びに行きたいって」
「いや、言いましたけどね、今日行くて聞いてないですよ」
久住さんはここで、初めてなにかに気付いたようだった。
「あれ?小春、メールで『泳ぎに行こう』って書かなかったっけ?」
「きてません。てか、泳ぎに行くてもう発車してもうたから〜」
いまからじゃ水着も調達でけへんがな。
てか、東京で朝の6時から水着調達できるトコてあんの?
87
:
マーメイド
:2009/06/15(月) 21:36:54
「あの、久住さんの地元で水着売ってるトコて」
そこまで言いかけて、
「時間もったいないから、小春の貸したげる」
ハイ、とコンビニで買ったらしきパンを渡された。
88
:
マーメイド
:2009/06/15(月) 21:37:29
…久住さんの地元てハンパなく遠いわ。
6時に出て着いたん11時前て。
89
:
マーメイド
:2009/06/15(月) 21:38:00
「あのお、久住さん」
「なに?」
「飛行機のが早かったんじゃ」
「東京から新潟は直行便ないよ」
「…すんません」
連れられてしばらく歩くと、目の前が急に広がった。
海が横たわってる。
「海や!」
思わず叫ぶと、久住さんがクスっと笑ったのが分かった。
「着替えよう、泳ぐからね」
久住さんの言うことに頷いた。
90
:
マーメイド
:2009/06/15(月) 21:38:34
愛佳は久住さんの水着を借りた。
タンクトップみたいな水着で、上下とは別に短パンみたいなのがついてた。
久住さんは、愛佳のTシャツに短パン履いて海に入らはった。
「あのお、久住さん」
「なに」
「…透けてます」
白いTシャツは当然ながら、濡れるとエライことなった。
「いいじゃん、こんな田舎の海、誰もいないよ」
気にもとめず、がしがし泳ぎ出す。
91
:
マーメイド
:2009/06/15(月) 21:40:16
しばらく泳いでて、気がついた。
なんか海水浴らしいことしてへんし。
なんてーの?
みんなでビーチボールでバレーしたり。
イカ焼きとか食べたり。
なんでこんなストイックにただひたすら泳いどるんやろ。
黙々と太陽を浴びて泳いでると、小学生の時の琵琶湖遠泳の授業を思い出した。
もう苦しいのにボート乗っとる先生に「さぼるな〜!」て怒鳴られて。
あの辛い遠泳をまさかここで再現するとは。
てか、なんでこんなにガチで泳がなアカンの。
92
:
マーメイド
:2009/06/15(月) 21:40:48
「久住さ〜ん」
「なに」
「ちょっと休憩しませんか〜?」
さすがに疲れてきて、愛佳は休憩を申し出た。
「ああ、そうだね」
海から上がって、砂浜で欲も得もなくしゃがみこんだ。
「はい」
ぬるくなっとったけど、ペットボトルのお茶がありがたかった。
久住さんは、自分の分のお茶に口をつけた。
93
:
マーメイド
:2009/06/15(月) 21:41:20
「あのね、久住さん」
「うん」
「もっと、海水浴らしいことしませんか?」
久住さんは、途端に怪訝な顔になった。
「してるじゃん、海水浴」
「いやね、もっとこう〜、ビーチボールで遊んだりとか。
ただ泳ぐんやのうて、砂浜で寝そべって日光浴?とかしたり」
「退屈?」
「いや、そんな…」
慌てて、否定する。
久住さんは、ツイ、と立ち上がった。
目を細めて、海の向こうを見てる。
愛佳は、まずいこと言うた思て、真っ赤になった。
94
:
マーメイド
:2009/06/15(月) 21:42:11
「じゃ、帰る?」
久住さんは、意地悪でなく、普通に言うた。
そう言われて、もっとカッとなる。
「なんでそんなこと言うんですか?
そもそも、久住さんが海行く言うてくれへんかったから、愛佳、なんも準備でけへんかったんやないですか。
新潟行くのも知らせてくれへんかったし。
こんな朝早ようから待ち合わせするからなんや思たら。
久住さんは勝手です」
言うだけ言うて、またばしゃばしゃと海に入って行った。
しばらく泳いで、振り返ったら。
95
:
マーメイド
:2009/06/15(月) 21:42:45
久住さんが、波打ち際で、愛佳の方を黙って見てた。
日中のいちばん暑い時間の太陽を浴びて。
Tシャツに短パンて格好やったけど。
化粧も多分落ちて、ひどいことなってるやろうけど。
それはそれは。
96
:
マーメイド
:2009/06/15(月) 21:43:19
この人には、かなわへん。
そう思わせるくらい、綺麗な立ち姿やった。
夢みたいに、綺麗やった。
97
:
マーメイド
:2009/06/15(月) 21:43:49
帰りの列車の中では、ふたりとも無言やった。
いや、行きしなもほとんど喋らんかったけど。
98
:
マーメイド
:2009/06/15(月) 21:44:30
愛佳はTシャツ濡れてもうたから、朝Tシャツの上から着てた、
半袖のパーカーをこの暑いのに前ファスナー閉めて着とった。
久住さんは、iPodでなんか音楽聴いてる。
99
:
マーメイド
:2009/06/15(月) 21:45:17
「また今度どっか行こっか」
耳を疑った。
愛佳の返事など、いつも気にせえへんのに、久住さんは珍しく愛佳の反応を見た。
「え、あ、はい」
「おやすみ」
それだけ言うと、さっさと寝はった。
100
:
マーメイド
:2009/06/15(月) 21:45:50
愛佳も仕方なく、目をつぶった。
目を閉じたら、浜辺に立つ久住さんが見えた。
Tシャツの裾を絞るようにくくって、笑うでもなく、怒るでもなく。
…あのまま、夢の中に入っていきたいくらい、綺麗な光景やったんや。
fin.
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