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たまには映画の話でも

20工藤伸一</b><font color=#FF0000>(lPe6tSdk)</font><b>:2003/05/22(木) 07:41
2ちゃんねるに書いたものを再録します。

196 :工藤伸一 ◆H/j1HkWi6c :03/05/21 23:38
あとですね、今日の朝、何となく部屋にあった映画のビデオを観てました。
1998年に公開されたフランスとベルギーの合作映画『ロートレック〜葡萄酒色の人生』
ってやつです。ずいぶん前にレンタルビデオ店で全品100円セールをやっていて、
そのときに借りてダビングしたまま観ていなかったんです。それで僕の部屋には
観ていない映画のビデオがたくさんあたりするんです。

それはさておき、最初はあまり期待していなかったんですが、観てみたらこれが
最高に面白かったのです。主人公のロートレックは貴族の生まれでありながらも
骨の病気で背が伸びないまま成長し、絵を描くことを何よりの楽しみとしていました。
パリの絵画学校では教師のはからいでヌードモデルに筆下ろしをさせてもらいます。
(考えてみたら絵も描いていたわけで、まさに筆下ろしです)その後ロートレックは
画家ドガに認められて職業画家としてデビューします。ドガの台詞が素敵なんです。
「いい評価をもらおうと思って私を呼んだのならお門違いだ」その言葉を聞いて
ロートレックが気を落としていると、さらにこう続けてみせるのです。
「一流の画家同士は、互いの作品を評価しあうなんて野暮なことはしないものだ。
そして君も私たちの仲間だ」粋な論法だと思いませんか?

197 :工藤伸一 ◆H/j1HkWi6c :03/05/21 23:38
何よりもこの作品のなかでいいのは、ロートレックとセザンヌの愛憎入り混じった
恋愛事情です。恥ずかしながらこの映画を観るまでセザンヌが女性だってことを知りません
でしたが、口が汚くてすぐに裸になるアナーキーなセザンヌを演じた女優エルザ・ジルベルシュタイン
の美しさに魅せられてしまいました。美人なのに下品っていうのはなかなかナイスですね。
途中、ゴッホが出てきてロートレックと友情を結びますが、ゴッホは批評家にこっぴどく
貶された末に思い悩んで自ら命を絶ちます。ロートレックは友を死に追いやったベルギーの批評家の
もとを訪ね、批評家の首を絞めて大騒ぎになります。パリで彼のことを待っていたセザンヌは、
彼の無鉄砲な復讐劇に腹を立て、「貴方が死んだら私はどうすればいいの!?」といいながら
部屋中の物を壊します。ロートレックが「僕が死んでも君は君のままさ」と投げやりな口調でいうと
セザンヌは部屋をでていきます。最終的にセザンヌは、つれないロートレックに愛想をつかして、
「私は貴方を愛していたんじゃない。貴方の絵を愛していた」と言い残して、自分を慕ってくれて
いる実業家が奴隷のように尽くしてくれるというので、その人と結婚するのです。
そのあとロートレックは売春宿に入り浸るうちに梅毒に侵されてしかも酒びたりで、
両親に見守られながら30半ばの若さでこの世を去るのです。
まるで画家のレジュメのように濃密な映画でした。


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