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小噺をば

130黒デルモえり:2003/08/16(土) 00:33
早く続きを読みたいですっ!
超初心者さんがんばってください。

131超初心者:2003/08/16(土) 11:22
>130黒デルモえりさん
 黒デルモさん直々にリクエストいただけるとは光栄デスね。
 ”えり”さんは元気にデルモしてますか、変な男につかまったりしてませんか(笑)
 このストーリーも、全然小噺じゃなくなってしまいましたが、そろそろ
 収束に向けていきます。今回作では”えり”さんに辛い思いをさせてしまいましたが
 まあ、超初心者の考えそうなラストは大体おわかりでしょう。では、↓にて
 (21)のみアップしますデス〜^^

132超初心者:2003/08/16(土) 11:24
(21)
口汚く罵っているようでも、そのつぶらな瞳からは澄んだ涙がぼろぼろこぼれだしている。
日頃の可憐な顔だちからは、ここまでに感情を剥き出しにするニナ・エスコなど想像も
出来ない、それくらい、今の彼女は憤怒と悔しさを顔面いっぱいに曝け出していた。藍華の
胸倉を掴み、その上体を揺する両手。しかし白デルモ中、最も非力とされる脆弱な腕では
如何せん、ほんの僅か藍華のスーツに皺が寄る程度。わなわなと震える手を通して、自分の
煮えたぎる思いを伝えるのが精一杯である。一方、藍華の方も纏わりつく手を払いのけるなど
容易であろうに、自らの両手はだらんと下ろしニナ・エスコにされるがままの棒立ち状態。
大佐までが、女に駆け寄ろうとする兵士たちを抑え、高みの見物を決め込んでいる。
「こんな…お前が、こんな人だったなんて…」少したつと怒りを通り越して情けない、という
気持ちに転じるのか、藍華のスーツを握り締めたまま溢れる涙を拭おうともしない白デルモ。
彼女の目尻から放たれた涙の飛沫はスコールの如く藍華の上着に降りかかる。たっぷり水分を
吸って、その真紅が一段と鮮やかな深みを帯びたところで、藍華はおもむろに口を開くので
ある。「さあ、今度は私の番ということでいいかしら、大佐?」途中から急遽自分に
投げられた言葉に一瞬慌てるものの、男の上機嫌は変わらない。いよいよ藍華がデルモたちを
打ち倒すシーン到来か、と期待十分である。「いいとも、君の好きなように
やってくれたまえ。但し、まだ働いてもらう女たちなのでね、多少そのあたりの加減は
してやってほしい」「ええ♪わかってますわ。では大佐、例のお部屋を使わせて
いただけません?」例の部屋…その一言にニナ・エスコの背筋が凍りつく。藍華は既に
あの部屋の存在を知っているというのか。まあ、そうだろう、こんな連中を雇い主と
仰ぐような最低の女だ、この時点で意気投合していたとしても不思議ではない。白デルモの
脳裏には、自分たちが拘束具に固定され藍華の責めを受ける光景がありありと浮かぶ。
「さぞ、いい気味でしょう!せいぜい私たちを弄ぶがいいわ。このことは決して忘れない。
きっといつの日か…」再び激高しようとする女の言葉を今度は威圧するように遮る藍華。
「うるさいわね!確かに忘れらない思い出を作ってあげるわよ!」と、くるり大佐の方へ
顔を向け一転の微笑。「大佐はどうぞ自室でお休みになって。このコたちには、ちょっと
時間がかかりそうですから…」ニヤつく男も異存はないと見え、小さく肯くと兵士たちに
デルモたちを連れていくよう命じる。藍華に取りついていた白デルモも屈強な兵士たちに
よって荒々しく引き離され、胸張り裂けそうな程に無念の表情を湛える彼女を藍華は
じっと見据えることになる。自分が今ふっと隙間見せるこの寂しげな目に、眼前の女が
気付いてくれれば、と思うは一瞬、遠く戸口に立つ大佐の声が無遠慮に割り込んでくる。
「お言葉に甘えて、私は失礼する。だが後で、そっちの部屋へもお邪魔するよ、ミス藍華の
責めが最高にノッているころを見計らってね。いい眺めだろうねえ、フッフッフッ…」

133超初心者:2003/08/16(土) 20:07
(22)
このお仕置きマニアのスケベジジイ、と内心に呟くのは簡単だが、不思議なところで
大人びた藍華はこの場を同時に俯瞰するかのような、いくつかの思念を走らせている。
次元も視点も異なる発想をパラレルに進行させる。一体何を考えているのかと、その心中
覗き見れば先ず第一は大佐の性格について。と言って、お仕置き好きだのスケベだのと
いう事をいつまでもとやかく云々するつもりはない。男なんて大なり小なりその手の
嗜好は持っているものだろうし、言ってしまえば男と女の間で色んなドラマは付きものだ、
くらいにさっぱり割り切るあたりが、藍華らしいところ。彼だって突き詰めて見れば
異常人格者の類というより、むしろ極くありきたりの人間のようにも思える。だが、問題は
そこにあるのではない。これから自分はこの男を出し抜くのである、その時裏切られた
怒りに燃えてこの男がどう豹変するか、どういう対抗手段をとってくるか、そして
どこまで冷静沈着でいられるか。藍華にとって当面の鍵を握るこの男が、デルモ司令の
ようにあっさり引き下がればよし、逆に蛇のような執念深さの持ち主だと閉口してしまう。
彼女の直感は前者だった。さして根拠はない、ただ相手が職業軍人だから、という程度の
ものなのだが…。第二は島の飛行場格納庫で待機している司令の首尾について。今回の
作戦のために、クライアントのものとは違うもう一機のチャーター機を脱出用として密かに
手配している筈である。変装して事前にこの島へ潜り込んでいる彼女がうまくやってくれて
いれば、と願う。第三は、ニナ・エスコほか囚われのデルモたちのこと。軍を欺くため
とはいえ、現段階では彼女たちの怒りや恨みを買いっぱなしの状態にある。お仕置きルーム
へ入ってから手間をとらずにデルモたちの理解と協力を取りつけねばあとあと面倒。どういう
言い方がいいかしら、あなたたちのこと愛してるのよ、いや、それも変かなあ、と、細かくも
どうでもいいような妄想にふける。そして第四、第五以下は、もうそれこそどうして今
そんな事を考えるのか、というような些末なネタばかり。日本に帰ってから、この一件を
内緒にしていた皆への埋め合わせ何がいいかしら、サルベージ作業を休んだ穴をどう
埋めよう、あとでデルモ・コーポレーションへいくら請求しようか、等々…極めつけは、日本
帰国日の晩御飯のおかずは、とくるから彼女の守備範囲の広さには全く驚かされるしかない。

134超初心者:2003/08/17(日) 14:03
(23)
大佐と別れ、デルモたちを連行する兵士たちと共に「例の部屋」へ入った藍華。話には聞いて
いたが実際足を踏み入れてみると、さすが軍の特殊部隊というところか、壁面にずらり設置
されている拘束枠や手枷足枷、大小様々な責め具のラインナップに改めて目を見張る。
白デルモ1人と黒デルモ11人。都合12人全員の四肢を手馴れた仕草で壁の磔枠につないで
いく兵士たち。程なく作業終了した男たちをねぎらいながら、藍華としては最後に付け加える
一言を忘れない。「ここから先は私ひとりで充分ですわ。皆さんは暫く部屋の外でお待ち
下さい。大佐がお見えになる時、ご一緒にどうぞ♪」兵士たちの方も否応はない。一番
オイシイ部分は大佐と共に拝めるのだと思えば、想像しただけで涎を垂らす輩もいる始末。
勿論あの”えり”を介抱した若い兵士だけは複雑な思いを引き摺っていた。デルモたちへの、
特に”えり”への責めが軽微で済むよう藍華へ請い願う言葉が喉元まで出掛かっている。
しかし、他の兵士たちの前でそのようなこと口に出せる訳もない、女の力なら知れている
だろう、と無理やり自分を納得させながら、仲間たちと共に部屋を出たのだった。
そして残ったのは女たちばかり−−戸口のドアが閉まればここは完璧な防音空間、声を
あげようが外に洩れることはない。多くの黒デルモたちは絶望に打ちひしがれ意気消沈して
いるが、さっき藍華に掴みかかったニナ・エスコだけはまだ凛とした視線を貫いていた。
藍華として、この冒頭やはり甘受せねばならないだろう、と想定していた叱責の言葉が
口角泡を飛ばす勢いで降りかかる。「こんなことして、あなたって人は…人でなしっ!
あんな男たちのお先棒かついでいい気になって!恥ずかしくないの!?」矢のように
突き刺さる言葉を避けようともせず、ずんずん進み出、真っ直ぐ白デルモの前に立つ藍華。
今回最初の餌食は自分か、と身構えるニナ・エスコは、あの白銀基地を思い出し再び全身の
震えに見舞われていた。足がすくんで立てなかったあの時の私。見逃して、という声も出せ
ないほど怯えきっていた。それなのにこの女は…。無抵抗だった私を膝の上でねじ伏せて。
それだけじゃない…あんなに柔らかいお腹に肘打ちだなんて。か弱い女性の腹部なのよ。
そこを一突きされて…。もう言葉に言い表せないくらい苦しくて。気を失って意識が完全に
途切れるまで、ずっとその苦しみは続いてた。それをもう一度やろうというのか。身動き
ひとつ出来ないこの私を?そんな、そんなあ…加速度的に膨張する恐怖の重圧。部下の
黒デルモたちへの体面など一向構わず「い…」いやあああああぁぁぁ!!、と長く轟く
彼女ならではの悲鳴が発せられる、まさに寸前である。

135超初心者:2003/08/17(日) 18:48
(24)
「ねえ、この鍵でいいのよねえ?」「…?…」顔ひきつらせ半ば目を閉じていたニナ・エスコ
には即座にのみ込めない一言。うっすらと目を開ける彼女が見るものは、自分の手を固定して
いる金具に小さな鍵を近づけている藍華の手指である。この女、私だけ部屋の中央へ
引っ張り出して、部下たちの前で大恥かかせるつもりなんだわ、と根強い勘ぐりは働くが、
とりあえず予定されていた悲鳴だけは引っ込んだらしい。一方、黙々と白デルモの枷を
外してゆく藍華の方も、ふと頭を横切るのが彼女同様白銀基地での出来事。今も生々しく
記憶に留まっているのは司令と副官が繰り出したシンクロ・キックの壮烈さ、あの時は自分も
結構痛い目にあっていた、と。気を抜く余裕など全くない、真剣そのものだった闘い。
相手は全力で立ち向かい、こちらも全力で応えた。条件はイーブンではないか。いや、人数的
には3対1だった筈だ。泣き叫んでいたこの女を当て落としたのも、あの場の成り行きという
ものではなかったか。少なくとも一方的に恨まれる筋合いではないと思う。なのに、ディスク
を粉砕しリエが「ばかあ〜!」と泣きながら出て行ったあとの部屋に、なんだか物憂げな
ピアノの旋律が聞こえたような気がしたのは何故だろう、それも、まるで自分を責めるかの
ように。勿論空耳ではあろう、が、藍華としては、どこかモヤモヤとしたものが残る。
何にせよ今回の奇遇はそれを晴らす良い契機。今は無理だけど、日本に帰ったら
いろいろと、ネ…何が「いろいろ」なのかはこの際省略するとして、4つの金具全てを
外し終わった藍華が快活に口を開く。「さあ、これでいいわ。あなたも、この鍵持って!
手分けして、このコたちの枷を外しましょ!」「えっ!?」元々まんまるの目を更に丸くする
白デルモ。一瞬呆然と立ち尽くす彼女の肩をぽんぽんっと軽く叩く藍華である。「理由は後。
とにかくここを脱出しましょ♪」「で、でも…」「何突っ立ってるの。早くしないと
大佐たちが来るじゃない、さ、早く!」藍華に言われるまま、黒デルモたちのところへ
いって枷を外していくニナ・エスコ。拘束から解き放たれた黒デルモは、渡された鍵を持って
次の仲間を、というねずみ算の要領で、てきぱきと進んでいく。12人全員が拘束を解かれる
のに左程の時間はかからない、晴れて自由に動き回れるようになった女たち。だが、あくまで
この部屋内に限った話である、白デルモが藍華に向かい、素朴な疑問を投げるのも至極当然と
いえようか。「外には兵士たちが大勢いるのよ。どうやってこの基地から脱出するの!?」
もっともな彼女の質問だが、ニナ・エスコの言に実はもうひとつの意味合いが
込められている。それは動けるようになった自分たち12人で藍華を襲うようなことなど
しない、ということ。元々藍華には勝てない、という先入観が出来上がっているせいも
あるだろう、この女に関わるな、という司令の厳命もある。万にひとつここで藍華に勝った
ところで、ここからどうやって出る?藍華を人質にとればあの大佐が素直に応じるのか?
いや、逆だろう。いざとなればこの女もろとも自分たちを抹殺するに違いない。等々、
あれこれの打算から行き着いた結論なのだが、同時に心の中で藍華への敵意が薄らいでくる
自分たちにも気付く。まだ完全に信頼できるわけではないが、何分この女は度重なる
自分たちの攻撃を悉く退け、脱出に成功した、言わば「脱出名人」である。ここは藍華の
考えに従ってみよう、と思うデルモたち。あとはその手段である。そうよ、どうやって
脱出するの…?めいめいに口ずさむ。「まかせて♪」そこで待ってましたとばかり藍華の
返事、但し表情には幾分の恥じらいが。「ま、あんまり見せたくはないんだけど…」
と言い終わる前に、突然の閃光が走り、あの華麗な変身が開始されていく。

136超初心者:2003/08/18(月) 21:49
(25)
眩い光のなか、この時の為にこそ着用してきたビスチェの中心から無数の触手が伸び、忽ちに
藍華の全身を変貌させる。彼女のプロポーションが際立つ、何度見ても見事な変身だが、
犬吠島の記憶が拭いきれていないデルモたちにとっては鳥肌たつ光景でもある。
勿論前回と今回が違うことくらい彼女たちにもわかる、本部基地に襲来して自分たちを
なぎ倒したあの時と、何となく自分たちの側に立ってくれそうな今回との違いが。それでも
秒速で眼前に迫るメタルの恐怖は一度味わった者でなければわからない。驚く次の瞬間には、
首筋や鳩尾などに強烈な触手の一撃が見舞われ、苦しむ間もなく気絶させられたのである。
あの圧倒的なメタルの存在感を再び目の当たりにし、足がすくむのも当然。そんなデルモたち
に、いかにも事務的な手招きをする藍華、両者のコントラストはまあ面白いといえば面白い。
「さ、みんな早く私の周囲に集まって!」えっ?でも…という動揺はどうしても近寄り難い
先入観が働くから。しょうがないわねえ、といった顔で藍華が若干の言葉を補足する。
「今、私の立っている足元の周囲にメタルの皮膜が円形に広がっているの。床の色と違うから
すぐわかるでしょう?そこに、あなたたち立って頂戴。大丈夫、ただの床だと思って立って」
ここまでくれば一蓮托生ということか、おっかなびっくりながら藍華にくっつくデルモ
たち。13人弾けるボディと熱い吐息が密集し、幾分怪しげな雰囲気ないともいえないが
とにもかくにも全員集合したところで速やかにメタルは次のフェーズへと。円形の皮膜は
メタルのコアから藍華の下肢を伝い床面に薄く広がった、まるで薄焼きピザかお好み焼きの
ようなものだが、ただのピザやお好み焼きではこの先次のような芸当逆立ちしても、
かなうまい。即ち、円の縁から更に細かい触手が何本も飛び出し上に長く伸びるものと
床方向へ短く生えるものと大きく二極分化する動き。上に伸びたものは女たちの身長を
あっという間に飛び越すと彼女たちの頭上で再び印を結ぶ。更にそれらが薄皮状態に
拡大すれば、彼女たちの上下左右360度隙間なく被われるメタル・バリアーの出来上がり。
一方、下に生えたものはムカデのような、というとメタルは気を悪くするだろうが、要は
そのような形状で敏速かつ小回りの利く移動を可能にしている。そんなこんなで、最終的に
メタルのご機嫌を戻す表現探すなら、銀色に輝くかぼちゃの馬車、とでも言えば丸く収まる
ところであろうか、とりあえず。

137超初心者:2003/08/19(火) 21:05
(26)
ミシッ…と壁に亀裂が走ったかと思うと、バリバリバリッ!ド派手に壁を破り、お仕置き部屋
に外接する廊下へ突如姿を現したもの。繰り返しになるがメタルの機嫌を損ねないように
言えば、それは銀色に輝くかぼちゃの馬車である。が、警備する兵士たちにとっては、
えもいわれぬ怪物以外の何者でもない。反射的に彼らのサブ・マシンガンが一斉に火を
噴くのも当然。ドガガガガガッ!それこそ蜂の巣にするような銃弾の雨あられが降り注ぎ、
それをまた悉く、楽々とはねつける最強のメタル・バリアー。ネーナのメタルから生じた繭も
そうだったが、比類ない防御力は折り紙つきである。威風堂々の前進を続ける通称
“銀かぼちゃ”。銃を乱射する兵士たちはじりじり後ずさりし、遂には背中を向けて逃げ出して
いく。根性と気合だけで踏みとどまろうとする兵士も数人はいるが、目と鼻の先まで
接近されて一体どうやって戦うというのだろう。これが性悪の怪物なら、どこかの映画に
登場するエイリアンのように男たちを八つ裂きにしたり、頭から食ってしまったりと、
スプラッターそのものの展開となってしまうところ。ところが相手は、こんな格好を
していてもシヴィエ藍華である。無知無謀にも行く手を阻もうとする兵士に対し、腕の形状
をした触手が一本にゅっと伸び、やんわりと、しかし有無を言わさず壁の隅へと男を
追いやっていく。あんた邪魔よ、もっと端っこ歩きなさいよ!という仕草なのである。
一方、中ではどうなっているのか興味本位に覗いてみると、これはまた嬌声の賑々しいこと。
おしくらまんじゅう程ではないにしろ、結構満員状態で立っている女たち。殆ど全裸の藍華と
肌身を摺り合わせ「アアン…」と声震わせる黒デルモ”えり”がいるかと思えば、意図的に
互いの乳房や太股を摺りつけ恍惚の表情を湛える黒デルモたちもいる。「あふ♪だ、誰、
私のアレを揉んでるのは!?」「あら、これ”あゆみ”だったの?すっかり濡れてるのね、
ウフフ♪」「もおう〜っ!”あい”のえっちぃぃ!」「きゃは!かわいぃ〜♪」…
内側ではこんなドンちゃん騒ぎを抱え、片や外側では呆気にとられる兵士たちを尻目に、
“銀かぼちゃ”は大きな廊下をずんずん進む。目指すは地上行きエレベーター。その途中、
いくつかの角を曲がったところで、あのラグ・ユニットの部屋が見えてくる。

138超初心者:2003/08/21(木) 12:18
(27)
この辺で、いくつか整理確認しておこう。現在地はB9フロア。といっても、ここは深さ
何十メートルにあたるのか。いや、その実100メートルは優に超えている大深度。
秘密基地の心臓部として、外部からの核攻撃にも耐えられる頑丈な構造になっている。
次に位置関係。“銀かぼちゃ”が目標とするエレベーター・ホールは施設中最も広いスペースを
占有するラグ・ユニット・ルームの一角にある。即ちエレベーターに乗るためには、
どうしてもこの部屋を突っ切らなければならない。但し一旦乗ってしまえば、地上出口まで
そのままノンストップ、所要時間も僅か20秒という代物ではある。そして最後に大きさ。
“銀かぼちゃ” 現在の形状は底面直径で3m、膨らんでいるところで5m、高さ3m。一方、
エレベーターは全部で6基、うち1基が機材搬出入用に金網剥き出しとなっている大型機と
なっていて、それは横幅4.5m、高さ3.5m、奥行き7mというスペックである。
参考までにラグ・ユニット・ルーム全体は幅50m奥行き120m天井高10mという
巨大さ、その中で20m四方もの威容を誇るラグ兵器製造ユニットがでんと中央に鎮座する。
このように部屋自体が広大な割りに廊下側の戸口は狭いため、結果的に壁を破って
侵入せざるを得ないが、その後は順調に奥へ120m進めば、めでたく機材用エレベーターに
辿り着ける、というのが“銀かぼちゃ”の進行予定である。何にせよこの奇怪な移動物体、
ここまででも断続的な銃撃を受けてきたが部屋に入り込んだ途端、緊迫の様相は一気に
エスカレート。大佐を筆頭に重武装した兵士たち数十人がずらりと並び、夫々の銃口を
標的一本に絞っている。ここで、かぼちゃの側としては単にエレベーターに乗りたいだけで
あるから、兵士たちへ向かっていく必然性も義理もない、戸口を抜けてすぐ横を向き、あとは
男たちの眼前を粛々と通り過ぎるだけで事足りる。ところが兵士たちの方はそう見ない、
何の拍子でこんな化け物が生まれたのか皆目見当つかぬまま…いや、細かくみれば、
機密情報を知る大佐だけは薄々感ずいていたというべきだろう、あれがオルタネート・メタル
の変形した姿なのではないか、と。だとすれば、藍華が変身したものなのか。それにしては
不細工な。情報によれば、メタルと同化した彼女は青く流れるような髪と、殆ど一糸纏わぬ
裸身をさらす、ふるいつきたくなる程美しい容姿だと聞く。「あれ」が本当にそうなのか?
未だに半信半疑ではあるが、このままぐずぐずしてもいられない。あの怪物がこの部屋まで
やってきたということは、きっとラグ・ユニットを狙ってのことに違いと思う。であれば、
ここは絶対にあの怪物を近づけてはならない。いや、この場で何としても倒さなければ
基地全体が危ういかも知れない…等々様々な思惑もこれ以上はもう充分。いま、断固たる
大佐の号令が大音声で響き渡る。「撃てっ撃てええッ!撃ちまくれーッ!!」

139超初心者:2003/08/21(木) 12:20
(28)
廊下での小競り合いで時間を稼いだつもりなのだろう、兵士たちが持ち出した武器には
重機関銃は勿論ロケットランチャーまで含まれている。いくら広い部屋とは言っても室内は
室内。こんなところでぶっ放す神経もどうかと思うが、必死の形相で標的に狙いをつける
いまの彼らに聞く耳や余裕などまったくない。ドガーン!バリバリバリバリ!ドガガガガッ!
言語に絶する猛烈な砲撃銃撃が5分も続けば、弾幕共々立ち上る煙にもうもうと包まれ視界は
殆ど0m。ここで第一波の攻撃成果を見極めるためか、一旦発砲を控え煙の晴れるのを
寸時待つ。すると、程なく浮かび上がってくるのは相変わらず眩しい銀色嬉々として輝かせ、
傷や凹みひとつなく悠々と部屋の奥へと進みゆくかぼちゃの歩み。「な、なにいィィッ!?」
あれだけの弾を食らってびくともしないなんて、そんな馬鹿なっ…!だ、第二波攻撃に移れッ
と大佐が口にしようとしたその時である。「警告。ラグパワー回路に異常発生。あと20分で
臨界に達します。職員は速やかに退去してください…」無機質な自動音声が館内に
こだまする。「何だ!どうした!?」兵士たちが大混乱する中、辛うじて踏み止まる大佐。
何とか状況打開に向けて手を打とうとすぐさま次の指示を出す。それは、デルモたちが来て
から別の雑務に就かせていた軍の技術者たちへのもの。非番同然だった彼らを急遽部屋に
呼び、リカバーを命じるのだが事態は全く絶望的。「大佐どの、エネルギー伝送系に
致命的破損です!コントロール系統も寸断され制御不能!爆発しますっ!!」原因は明快、
兵士たちがこれでもかと乱射した砲弾銃弾がメタル・バリアーに跳ね返されるうち、
いくつかの跳弾がラグ・ユニットやコントロール・パネルを直撃したから。こうなることは
少し考えればわかりそうなものだが、頭に血が昇っていたということか、大佐たちは最も
愚かな選択をした訳である。「あと17分30秒…」はっと気付けば“銀かぼちゃ” は丁度
エレベーターに乗り込むところ。どうしましょう、大佐どの、あの化け物が外に出て
しまいます!という兵士の叫びは無論耳に入っているが、これ以上攻撃を続ける時間的余裕も
ない。先ずは自分たちの脱出が先だ、と大佐が結論づけるのに時間はかからなかった。
「今、あれにかまっている暇はないッ総員速やかに退避ィィッ!」この一声と同時に、わっと
エレベーターホールへ駆け出す男たち。

140超初心者:2003/08/21(木) 12:22
(29)
軍の立場から一転、再び視点を戻してみる。機材用エレベーターの前にいる“銀かぼちゃ” の
内部では、兵士たちのパニックをよそに相変わらずのキャピキャピ状態が続いている。特殊
部隊の総力をあげた攻撃を受けていたにも拘わらず、中は空調・防音・防振完備の快適空間。
狭いのだけは仕方がないが、和気藹々の女たちには苦にもならない。それどころか、デルモ
同士密着し合う姿勢のまま、互いの唇は重ねるわ、胸や股間にまで手を伸ばすわ、でみるみる
昇りつめていく。「はああん♪」「うふうう…ん♪」「うれしい…ィィ」メタルに多少の
発光機能はあるが、照明とまではいえない薄暗さを逆手にとってこれ幸い、こんな、誰とは
なしに声をあげる妖艶な饗宴が延々繰り広げられているのだから唖然としてしまう。
もっとも、藍華だけはその宴に加わっていない。それは当然、外部からの熾烈な攻撃から
内部を守り、かつ快適な環境をデルモたちに提供するために、それなりの集中力がいるもの。
彼女たちと一緒になって乳繰り合ってる場合ではないのである。それでも尚、藍華の傍らに
ぴたり立つ”えり”は先程来の快感からか、更に藍華へ乳房を擦りつけ一層の交歓を求める。
にっこり微笑みながらも、そっと彼女の身体を離す藍華。「あなたが私を求める気持ち、
嬉しいけど今はちょっとね。日本に帰ったらたっぷりしてあげるから」わかったわ、約束よ、
と目を輝かせる黒デルモが少し離れてホッとするのも束の間、新たな問題が発生する。それは
エレベーターのサイズ。前述したとおり、エレベーターは高さ奥行き共に充分なのだが、
惜しいことに横幅だけ50cm足りない。伸縮自在のメタルだから、かぼちゃの膨らみ部分を
すぼめればいいのだが、その分若干、中の女たちを圧迫することになる。既に充分高まって
いたデルモたち。それが数センチずつとはいえ、これ以上くっつくとどうなるか。
「はああああ…」「イ…クゥゥ♪」薄暗がりと密集のどさくさに紛れてイっている
ニナ・エスコをはじめ、瞬く間に12人全員がイキ、秘所から溢れ出す愛の蜜を存分に
滴らせることになる。これら芳香麗しいデルモたちの所産をシャワーのように受けるメタルの
心境今一推し量りかねるが、外部からは一瞬ピンク色に変色し床面から飛び上がったという
目撃情報も報告されているそうである。

141超初心者:2003/08/22(金) 00:59
(30)
現在、午後3時36分。南海の小島は今日も強い太陽の日差しと豊かな緑に囲まれ、いつもの
平和な昼下がりが進行しているところである。と、突然、ズズズズッ…ンン…鈍い音が轟き、
この地域では滅多にあり得ない地震発生。こんな小さな島に震度計などないが、近隣の国が
計測したところでは、震度3との由。勿論原因はあれしかない、即ち地下基地の爆発である。
では藍華たちはどうなったか。無事に脱出できたのか…?一言でいえばイエス。500人から
いた基地の軍人たちも全員逃げおおせている。その時の状況をかいつまんで振り返れば、先ず
は藍華たちのことから触れる方が早い。あの時、絶頂の恍惚にあるデルモたち12人を内部に
抱えるとんでもない状態でありながら、外面何ら支障なく悠々とエレベーターに乗り込んで
地上へ出た“銀かぼちゃ” 。ラグ爆発15分前に基地の敷地ゲートを通過したそれは、道路上を
時速100kmまで加速、一息で司令との合流地点である飛行場に到達した。爆発時刻には
既に離陸体勢にあったというから、全くもって楽勝の運びである。おまけで言えば、快感を
満喫した女たちには、もうひとつ愉快なことがあった。兵士たちより一足早く金網の
機材エレベーターに乗り、上昇を始めた“銀かぼちゃ” の下方では、残りのエレベーターに
群がり殺到する男たちの姿が上から見下ろす形となってまるみえ状態である。そこできっと
気を利かせたのだろう、メタルが、かぼちゃの底面近くにピンホール大の穴を作り、
薄暗がりの天井に投影する。いわばプラネタリウムのようなものである。
「ねえ見て!あの慌てぶりったら…」随喜の喘ぎにまみれすっかり自分を無視している
デルモたちに、この瞬間くらい私の言うこと聞きなさいよっ、と合いの手を入れる藍華。
既に何度か果て、とろりとしている目を上に向けると確かにこの光景は最高のサービス
ショット。修学旅行バスでもこうはいかない大爆笑が巻き起こったのであった。一方、大佐を
はじめ兵士たちや施設職員は撤収決断が下された時点から12分で全員の退避を完了し、
なんとか事なきを得る。このラグ爆発は小型核と同等規模だったが、堅牢頑丈にして何重もの
シールドが施されている対核シェルター構造が今回は逆に幸いした形。島に与える影響も
軽微であり、表面的には地下核実験と同じ現象になったということである。

142超初心者:2003/08/22(金) 01:01
(31)
軍の動向については多少補足しておいた方が良いかも知れない。ほうほうの態で脱出した
大佐も勿論あのまま引き下がるつもりはなく、急遽部隊を引き連れ港に待機させていた
大型艦に乗り込むと、体勢建て直しの策を練っている。既に司令の操縦になるチャーター
ジェット機は島から飛び立っているが、マッハ2の艦載機で追いつけないことは
ないだろう。直ちに追撃命令を出す大佐。最新鋭ミサイルを搭載した2機が飛び立っていく。
予定どおり標的をとらえミサイルは全弾発射されるのだがしかし…それは悉く大失敗。全て
空中爆発に終わる。理由は二つ。ひとつは、ジェット機に積んだ最新電波妨害器が功を奏した
ということ。日頃のお嬢様司令がこの時ばかりはと知恵を絞り、日本から持ち込んだ
デルモ・コーポレーション製の優れモノである。これで6発のミサイルのうち、4発が
回避された。それでも尚しつこく追尾してきた2発はどうしたか?それがふたつ目の要因、
またしてもオルタネート・メタルの出番である。ジェット機の機内圧に急激な影響を与えない
よう、後部ドアの微細な隙間から触手を伸ばしたメタルは迫り来るミサイル2基を外側から
すっぽりコーティング。封印させた中で爆発させるという荒技を楽々とこなす。諦めも悪く
銃撃を仕掛けてくる2機にはオイタもいい加減にしなさいよ、とばかりミサイルの小破片を
翼に命中させ航行不能に。カプセルで脱出するパイロットたちを眼下に見届けながら、やっと
落ち着けるわね、と笑みを交し合う女たちなのであった。そして海上でこの結果をチェックし
臍を噛む大佐。ええい、次は核ミサイルかあッ!と声張り上げたところで本国からの通信が
入る。「な、何ですとおおおっ!!?」反駁と驚愕ないまぜの叫びは大佐のもの。画面の
向こうにいる人物は本国軍作戦本部の上級将官である。今、大佐に下された命令は、藍華や
デルモたちにこれ以上関わってはならない、当面の軍事作戦は凍結する、というものだった。
「あの地震で、国際査察委員会が動きだしたのだ。今ラグ兵器の件を探られるのはまずい。
こちらとしては、ただの事故で押しとおすから、そっちも大人しくしていたまえ。それと、
あの皇藍華とデルモ共のことはもうどうでもいい。どのみちラグ・データはこっちに
あるのだ。無用なトラブルを起こすのは得策でない。以上だ」通信が切れ、わなわなと腕
震わせる大佐。だが命令は絶対である。日本の特務機関ともども、命令には服従するしか
ない。立ち尽くす男がいま何思うのか、ここにきて藍華が以前脳裏に描いていた性格診断が
関係する。誇り高い軍人として潔く節目つけるを良しとするか、それとも蛇のようにとことん
しつこい男なのか…?結論から言えば藍華の直感が正しかった。大佐としては水泡に帰した
今回の件に屈辱を感じながらも、前者の道を選択したからである。もっとも老獪な男のこと、
現実的な打算もふんだんにまぶされている。作戦本部は自分を責めてはいない。将官が
いうように、ラグ・データある限りいつでも再起できるのであれば、自分にもチャンスは
ある。また、藍華たちを捨て置くことにもそれなりに納得性は感じられる。何故なら軍事利用
からみたもうひとつの最新材料であるオルタネート・メタルは未だかつてどの国も生成し得て
おらず、今後藍華を捕らえて開発に供させようとするのも100%不可能と思われる為に。
つまり、今まで某国軍の最精鋭部隊をもってしても捕捉出来なかった無敵の彼女に
太刀打ちできる者など地球上どこにもない、ということである。その藍華とデルモたちが
結びついたとすれば、確かにこれは厄介そのもの。こんな女たちを相手にしてトラブルが
起きない訳がない。どうせ彼女たちに軍事的野心はないのだから、放っておけばよい、という
方針に収斂するのも頷ける話である。そうなるとやはりラグだけが依然、兵器開発の
目玉プロジェクト。作戦本部のキーマンである中将が自分を贔屓にしてくれていることも
あり、しぼみかけた昇進の夢が再び急速に膨らむのである。「フン、小生意気な女どもめ…」
小さく呟く大佐は、まさにこの言葉を捨て台詞として、以降彼女たちの前に姿現すことはない。

143超初心者:2003/08/22(金) 21:46
(32)
さて、軍の攻撃を退けたあと彼女たちが機内で何をして過ごしていたかといえば、夫々の
シートを水平にまで倒し、みな激しくも美しく繰り広げられる睦み合い。変身を解き、
すっかり全裸状態になった藍華のまわりにも数名のデルモたちが取り付き、思い思いの体勢で
愛を確かめている。今こうして生命あるを実感できるのは、何と言っても藍華のお蔭。過去に
どんな確執があろうと、自分たちの窮地を救ってくれたことには違いない。命の恩人、という
言い方は勿論だが、ことデルモたちにとっては、自分たちの性を開花させてくれたお姉さん、
と表現する方がしっくりくるだろうか。よほど“銀かぼちゃ” 内での、めくるめく体験が
全身に染み渡っているのだろう、”えり”も日本へ帰るまで待ちきれず他の黒デルモ同様
服を全て脱ぎ捨て藍華のもとへと裸身を投げ出している。そうした耽美な空間には、まさに
ぴったりなのがワインという飲み物。あなたたちの為に冷やしといたわよー、と司令が
マイクで伝えニナ・エスコがみんなに配ってまわるのは何とロマネ・コンティ最上級。
グラスを受け取る黒デルモが、自らはあられもない姿態のまま却って上官にサービスさせて
いる自分たちを深々と詫びると、白デルモはそんなこと気にしないで、と爽やかに返す。
「みんな無事でホントによかった。もう、ここは無礼講でいきましょう♪」本当は彼女も
制服を脱ぎたいところだったのだが、司令の手前我慢我慢。一応白デルモとして上に立つ者の
宿命と諦める。その代わり日本へ帰ったら副官さまと…いや、ひょっとしたら藍華とも…
熱い夜を共にするのだろうか…胸の高鳴りを禁じ得ないニナ・エスコ。そうこうするうち、
しこたま飲んだ快適な空の旅はあっという間に終わり、女たちは無事日本への帰還を果たす。
気圧の低い場所であれだけ飲めばべろんべろんの酔っ払いが出来上がるという説もあるが、
さすがに裸では機外に出ない女たち。タラップを降りたところで、ひとりシラフの司令が
代えのスーツを着用する藍華に近寄りその手をとって語りかける。「本当に有難う。
このことは忘れないわ。あなたの休業補償金もちゃんと払いますから…」まあそんな、などと
謙遜する素振りを見せながら、じゃあいくら請求しようか、などと考えている藍華の耳元で
追加の一言を囁く司令。「でも、あなたとの決着は必ずつけますから…ね♪…」うふふっと
笑みを浮かべる藍華。「どうしても私を気絶させるってわけね…?」
「そうよ。この私の手で気絶してもらうの。そして、あなたを…この先はもういいわね…?」

144超初心者:2003/08/22(金) 21:47
(33)
当たり前だが、一日は昼と夜からなっている。先ず昼間。今回の件に関わっていた間、留守に
していたKKコーポレーションの仕事は案の定の山積み状態。それらを再開するに先立って、
郷造社長や、りおん、道草にここまでの事情を説明するのにもそこそこの時間と労力を
必要とする。復帰早々、会社の大黒柱としてデスクワークに営業に、と飛び回るような多忙の
最中、さりげなく某国軍関係のニュースやクライアントのその後動向をチェックする藍華。
あの島の事件が意外に大きく報じられていない…まぁた軍お得意のウヤムヤ戦術なんだわ、と
呆れるが、それより、物騒な連中があれからデルモたちや自分のまわりにうろつかなくなった
のはいいわねえ、と素直に喜んでいる。藍華やデルモたちに関わるな、という軍の決定が
出されていたことまでは勿論知る由もないが、これまた彼女一流の直感で二度目の襲撃は
ない、と断じ切るわけである。実に羨ましい程の自信というか、あっけらかんというべきか。
何れにしても結果良ければ全てよし。余計な心配もここまでとし、あとは仕事仕事と
打ち込めば昼間の時間はスケジュールもびっしり一杯、外回り中の喫茶店で一休み、という
今までのパターン暫くお預けとなるのは仕方がない。こうしてメチャ忙しの昼間が終わり
夜になるが、これがまた…!藍華とりおん、藍華とニナ・エスコ、藍華と”えり”の3組は
随分早くから予約済み。一方、デルモたちの中でも様々な組み合わせが実現し、
あちらこちらで艶めかしい花が咲き誇る。司令と副官は当然として、副官とニナ・エスコ、
そのニナ・エスコとナターシャ、ポーラとレジーナ、ビアンカとヴァレリ、等などなど…。
青・ピンク・黒の女たちについてはもう、それこそ枚挙に暇がないというものである。
この辺になると、二人だけのお楽しみなのかどうかも一切不明。一番の長を務める司令に
したところで自分と副官の逢瀬にニナ・エスコを混ぜてみたり、黒デルモたちの輪にも
進んで入っていくくらいなのだから。更に付言すれば今回新たなカップルも誕生。
ひとつはキャサリンとりおん。あの一件以来、藍華たちとデルモたちとの接点が少しだけ
広がる中で互いに過去の経緯を気にしていた二人が、まごつきながらも着実なゴールインに
こぎつける、というものである。もうひと組は…”えり”と、あの若い兵士!基地撤退後、
彼は志願して除隊になり本国の民間企業へ勤めるようになったが、どうしてもあの黒デルモが
忘れられずに休暇をとり、はるばる日本までやってきたという訳なのである。

145名無しさん:2003/08/23(土) 08:18
もうヤメテクレ〜。

146超初心者:2003/08/23(土) 15:00
(34)
夜の営み。それはただベッド上、貪り、悦び、昇り詰めるだけのものではない。癒し、
励まし、自覚、共感、そして許し…かつて、「愛だろ、愛…」などという某カクテルバーの
CMがあったが、実際、愛の織り成す形は様々である。例えばニナ・エスコと藍華。一度の
高みに達したあと、白デルモは不意に大粒の涙をこぼす。藍華がそっと尋ねれば、あの海戦を
思い出していたからだと言う。彼女の心に広がるのは、某国軍将兵の人命多数を奪って
しまったことへの深い邂逅と懺悔。向こうが先に戦争の火蓋を切りミサイルを打ち込んでくる
経緯だったとはいえ、ラグ砲弾で応戦した結果が先方大型艦の消滅となった事実は永久に
消えない。あの時はハーゲン博士に尽くすまま無邪気な戦争勝利に沸き立っていたが、今
改めて大佐の言葉が思い起こされるうち、身をよじるほどの心痛が走るというのである。
もっともここで内情を明かせば、デルモ・コーポレーション発足後、既に彼女たちは
少なからずの金銭を某国軍遺族たちに送っている。それも一切「名無し」で。また、
地下基地で大佐が彼女を責めていたセリフに一部誇張があるのも密かな遺族調査の過程から
知っている。随所に自動化された新鋭大型艦にあの時乗り組んでいたのはその実100人。
周辺の小型艦も含め、死亡に至ったのは1000人どころか、120人を下回るものだった。
だが、デルモたち、特に司令、副官をはじめとする指揮官クラスの白デルモたちにとっては、
金銭や人数の問題でない、自分たちの犯した罪そのものが重い十字架となって
のしかかるのである。「じゃあ、どうするの、国際法廷にでも出向くつもり?」
「ええ…司令や副官にはこれから相談するんだけれど…」
「それで死刑にでもなったらどうするの。それでもいいわけ?」
藍華のこの言葉に一段と目が潤む白デルモ。
「だから…だから…この世の思い出に、あなたとのことを身体に刻み付けておこうと…」
ちょっと待ってよォ、縁起でもない、と苦笑する藍華だが、思いつめたような相手の目が
飛び込むにつけ、少し落ち着いて返す方針へと転ずることにする。
…元々戦争に正義なんてない。実際先に仕掛けてきたのは向こうなんでしょう?だから
責任者は双方とも公正に裁かれるべきだわ。ところが片一方の当事者である某国は、あの
海戦の事実そのものを隠蔽してるじゃない。原告席にすら立つ気がさらさらないのよ。それは
どうしてだと思う?ラグ兵器開発のことを世界に知られたくないからでしょう。自分たちだけ
圧倒的軍事優位に立とうとしてるんですものね。それなのに、あなただけがのこのこ
出て行ってどうするの。一方的に泥をかぶって罪に服するの?そりゃ、死刑にはならないかも
知れない。でも軽くはないわよね。それに某国軍の方から見れば笑いの止まらない話よ。
まるで鴨ネギって感じ。自分たちが不利だと思うからこそ法廷に顔をださないというのに、
原告不在のまま被告人が全てを背負ってくれるんですもの…

147超初心者:2003/08/23(土) 15:01
(35)
結果として藍華の説得は効を奏し、ニナ・エスコは思い止まった。ただ、これからも遺族への
償いは続けていく、夫々残された家庭をさりげなく見守ってもいきたい、と答えて。慈愛の
眼差しを注ぐ藍華は内心ほっと胸をなでおろす。と、同時に少し肩がこったなー、という
気持ちも偽らざるところ。全くもって、色んな意味で濃厚な夜が繰り返される中、いや
その前に昼間目の回るような毎日をおくる彼女として、疲労が蓄積しない筈がない。こっそり
ドリンク剤を飲む。頻繁に飲む。がしかし、この事は最も親密なりおんですら知らない程、
見事に表面カムフラージュされるあたり、いかにも藍華らしいといえようか。これは彼女の
屈託ないサービス精神にもよるのだろう、どんな時でもそれなりの雰囲気を醸し出し、相手を
退屈させない。昼間は商談先に対し、そして夜はパートナーに対して…。従って、そうした
ハードな日常に、あのお約束が重なるというのは本来相当なオーバーワークということなのだが。
お約束…言わずと知れた司令との決着の闘いである。「脱出名人」変じて今や
「気配り名人」となるのは結構だがそれだけ精神的負担の大きい現在の藍華と、平素悩みの
少ないお嬢様司令を並べてみれば、傍目にも随分なハンディに映るもの。が、これも結論を
急ぐことにしよう。必然不可避だった二人だけの闘いにも明確な決着はついた。どちらかが
倒され、気を失ったということである。闘いを制した女は、気絶している女と、静かに、
しかし青白く燃え盛る情欲の炎のままに熱い抱擁を交わす。こうなればそれ以降の二人が
どういう関係に至るか、おおよその想像もつこうものだが、さてどちらが激闘に勝利したのか
…それは全国遍く在するAikaファンのみぞ知る秘密のままに…ついでに言えば、非力な
キャサリンには特に自信満々のりおんがどんな愛の交歓を演出するのか、はたまた黒デルモ
”えり”の処女はどうなるのか、等々触れるべき箇所まだまだあるが、これこそは、
あっさりとした藍華流を見習って…いまこの荒唐無稽「小噺」の筆を逡巡なく置くべきと
考えるものなのである。(これにてオシマイデス〜^^;;;)

148超初心者:2003/08/23(土) 15:08
まったく、小噺にあるまじき35レス、例によっての長文・駄文…(汗)
副官様、この程度デスが、ご容赦を〜^^;;;

149副官:2003/08/23(土) 20:30
超初心者様

有難うございました。堪能いたしました。
藍華さんとデルモ達、共通の敵を相手にしたことで絆を深めました。
そうです、続編はこうあって欲しかった。
望んでいた通りの結末に、この副官大満足させて頂きました。

150藍華さん</b><font color=#FF0000>(........)</font><b>:2003/08/29(金) 01:28
超初心者様、ご苦労様でした。
素晴らしいストーリー、大いに楽しませて頂きました。
感想が遅くなり申し訳ございません。

また一つ、新しいAIKaの世界観が広がりました。
その大作をご投稿頂き、この板の開設者として改めて御礼申し上げます。
どうも有難うございます。
これからも引き続き宜しくお願いいたします。

>そうです、続編はこうあって欲しかった。
>望んでいた通りの結末に、この副官大満足させて頂きました。
副官様、よろしゅうございましたネ。

151超初心者:2003/09/02(火) 22:02
小噺その52(前編)

あるシンプルな闘いの顛末。白銀基地から無事脱出した藍華たちが、犬吠島の一件に
巻き込まれる以前のこぼれ話である。いつものように深夜までの残業を終え、くたびれた
身体を引き摺って公園の道を抜けようとした時のこと。ばらばらっと周囲の木陰から飛び出す
多数の人影が、瞬く間に藍華を取り囲む。明るい庭園灯に照らされたそれは、もうすっかり
お馴染みの黒デルモたち。紫色の髪を肩口で少し内巻きにカールした女がお決まりの第一声を
放つ。「皇藍華!今度こそは逃がさないわっ!」無論こんなベタなセリフに藍華が動じるわけ
がない。もう、こっちは疲れてるのにィ、とやれやれの表情でぐるりと見回せば、総勢
20数名もの女たちの顔が否応なく藍華の目に飛び込んでくる。地下駐車場で、
ハーゲン艦で、ペロロンカホテルで、そして白銀基地で…何度も、何度も気絶させた女たち。
実にこの度は、そんな黒デルモのオールスターと言えよう、何としてもこの場の闘いに
勝利したいという執念なのであろうが、単なる人数合わせの感に見えなくもない。そこでふと
藍華の目にとまるのは、白銀基地の廊下で「こっちにこなけりゃいいのにねー」などと非力
この上ない一言を呟いていた、あのいたいけな二人である。あの時は麻酔銃で眠らせたが、
生憎いまはその持ち合わせがない。出来れば力を振るうような野暮など避けたいところだが、
こんな成り行きでは果たしてどうなることやら…あの二人に限らない、デルモたちが何人で
来ようとおよそ結果は見えている。それでも、いや、だからこそ、というべきか。藍華当面の
対応は会話モード。出来るだけ多くの言葉を引き出そうと一応の努力をするのである。
「私は逃げやしないわ。あなたたち、ハーゲンがいないのに、何故こんなことを
続けるの!?」司令たち白デルモには既に投げた質問だが、このセリフ、末端の黒デルモたち
にも改めて認識させておいた方が良いだろうとの、藍華の思いがそこにある。と、その意が
届いたかどうかはともかく、ここで勢いのある反応だけは返ってくる。
「ハーゲン様の崇高なご意志を実現するために、我々デルモゲニィは強くあらねばならない。
その為に皇藍華、お前を捕らえ、その力を分析して我々の能力を向上させるのだ!」
「まぁたその計画?一度失敗してるじゃない。あの時あなたたちも、みんな
気絶したでしょう?あんなこと、私だって本意じゃないの。それに、ハーゲンの意志って
何よ。まだ地球再生計画なんて滅茶苦茶なこと考えてるの!?」(続きマス↓)

152超初心者:2003/09/02(火) 22:05
(後編)
「滅茶苦茶とはなんだ、ハーゲン様のご意志を冒涜する気かあ!」
「あのね…彼はノアの箱舟を気取ってたのかも知れないけど、要は自分とあなたたち以外の
地球生命を全て抹殺しようとしてたのよ。その中には当然あなたたちの家族や友達が含まれて
いるし、何よりそれ以前にハーゲンがこの地球上の生命を脅かす権利なんてどこにもある訳
ないでしょう。あなたたちは命の尊さを何だと思っているの?」…序盤幾つかの会話が
連なるが、この段階ではまだありきたりの応酬というところ。しかし、今回珍しくも粘り強い
やりとりが続く中で、多少前向きな接点が見えてくる。「ハーゲンの意志」一本槍で来ていた
黒デルモリーダーは、その妥当性について僅かながら藍華の意見との融合を試み、藍華の方も
デルモたちの存在や立場について一歩踏み込むアプローチを行うのである。考えてみれば
デルモたちも「ハーゲンの意志」自体、ホーリーファックス号が宇宙へ飛び立つ寸前に一回
聞かされた程度のもの。彼への盲従はあっても、その理念きちんと理解していたとは
言い難い。ハーゲン博士の計画が様々な病巣を抱える地球への問題提起だったのだろうという
見方まで敢えて藍華が歩み寄れば、逆にデルモたちも地球生命を悉く奪おうとしていた
あの計画に無理があったのか、と、胸に手を当てる。とくれば、日頃多くを語らない
藍華でも、この時ばかりはとの思いからか、次のような力説とうとうと述べるのである。
「理想や夢って大事よ。でも、どんな人間でも、どんな生き物でも、命ある限り、みんな
立派な意味を持ってると思う。理想や夢というものは、そんな、みんなの意味を紡ぐ中で
初めて見えてくるものじゃないかしら…?」「う…」段々言葉に詰まってくる黒デルモたち。
更に言葉を交わす中で、あっさり現在の地球を起点とした考えに転じるあたりいかにも天然な
デルモらしく、また微笑ましくもこれご愛嬌の類といえるだろう。が、それでも尚、である。
落としどころとしては、相も変わらず藍華打倒に収斂する。地球生命を尊重せねばならないと
自戒を込めつつも、やはりこれから様々な改革をなしていく為にデルモゲニィを強くする
必要がある、その為には先ず藍華の身体能力を…という、例の論理に逆戻りしてしまう
からである。「だから、お前を倒し、連れていくのよ!」表面上は今までと何ら変わらない
意気軒昂。折角の話し合いもここまでだった。もっとも、藍華としては黒デルモたちが
地球壊滅の企みをここで放棄してくれたことだけでも充分満足、あとは心おきなくこの場の
闘いに専念出来ると感じている。そこから後は例によって例の如きの展開で、黒デルモたちは
次々あっという間に気絶させられ、無様に倒れた場所であられもなく四肢投げ出していく。
早くも残り二人、というところで青ざめた表情の女たちへ向ける一言があり。
「じゃあ、あとは宜しくね。大勢いて大変だろうけど、ちゃんと介抱してあげて。バイバイ♪」
あの非力な二人に手をあげるようでは女がすたる。呆気にとられる黒デルモたちなど
まるで気にせず、自分のあっさり流ばかりに惚れ込みながら、軽い足取りで公園を後にする。
そんな、今回あくまでもシンプル一筋な藍華なのであった…。

153黒デルモめぐみ:2003/09/02(火) 22:09
わーい、私が出てきた。
続きをはやくはやくぅ…。

154黒デルモめぐみ:2003/09/02(火) 22:12
あっ、カキコしてる間に終わっちゃった。
で、めぐみはどうなっちゃったの?

155超初心者:2003/09/02(火) 22:24
おや、このスレには珍しいクイックレスポンス^^;
めぐみさんと、もう一人誰だっけ…廊下で立ち話ししてたの。
お二人とも、藍華サンに見逃してもらい、しばらく仲間の側にいてあげた
ようですヨ^^

156藍華さん</b><font color=#FF0000>(........)</font><b>:2003/09/02(火) 22:46
>このスレには珍しいクイックレスポンス

30分遅れですが、拝読させて頂きました。

157超初心者:2003/09/06(土) 07:31
小噺その53

公園での闘い以降犬吠島に至るまで。何度となく同じやりとりばかりが繰り返されると
いうのも実際のところ如何なものか。即ち、帰宅途中の藍華をデルモたちが襲うという
ワンパターンへの捉え方である。一度相対し、気絶した女が懲りもせず藍華に向かう。
結果は歴然。しかも目覚めればまた徒党を組んで攻めかかり、再びの気絶。一体何度
気を失えば納得するのだろう、とついつい呆れてしまう。そんな中ではあるが、藍華として
一歩一歩着実前向きな手応えを感じているのか、意外にその表情は明るい。闘いの都度、
デルモたちと少なからず会話を持ち、彼らが地球支配の野望から脱却する過程を自身の目で
確認出来ているからである。何だかこれ、説教強盗みたいね、と内心苦笑しながらやはり
言葉ってそれなりに大事だと思う。自らを強盗に例える心の寛容さも大したものだが、
何にせよデルモたちの目的が藍華打倒に転じるのは彼女にとってもむしろ歓迎というところ。
色々問題あるにせよ、地球生命抹殺はないでしょ。自分が相手して済むならいくらでも
相手になるわ、というノリである。初対面のデルモにはくどくどと。二度目以降の相手には
同じ話も一切省略、さっさと闘いに入り、てきぱき倒すのが藍華の流儀。僅かな期間に
黒、青合わせて都合100人、延べ人数にすれば実に500人が気絶に至ったという次第
に至る。それも全て股間おっぴろげ、涎垂れまくりの有様だが、もっと壮観なのは倒れた
女たちの半数以上が純白パンティから沁み出す愛の蜜によって芳しい泉を床一面形成する
光景。藍華に当て落とされながらイったデルモたちは、その多くが忽ちに病み付きとなった。
延べ500人にして一人あたり平均5回という数字が、熱心なリピーターの存在を如実雄弁に
指し示す。倒す相手全員、怪我ひとつ負わせない藍華の技量も確かなものだが、それ以上に
こうした至福のスペシャル体験にはデルモたち皆、吸い込まれるように身を
投じていくのである。それでも藍華の方として、その実断固たる自己規制があったことは
付言すべきだろう、少なくともあの非力な黒デルモ二人に対しては。毎度の闘いを終えた後、
最後に残った二人がおずおずと藍華の前に進み出てきた時、彼女はこう問い掛ける。
「あなたたちも向かってくるの?」すると、およそ格闘の態をなしていない二人の返事は
こうである。「だって、私たちもイキたいんです…」”めぐみ””ひろみ”という二人の
名前までは知る由もないが、藍華は棒立ちな”めぐみ”の前に近寄ると優しい表情で
語りかける。「女性のお腹って、とってもデリケートなの。あなたたちのような若いコに
むやみな力は振るえないわ。イクって言っても、その前に、とても苦しい思いを
しなきゃならないのよ…」言いながらゆっくり右腕を突き出す藍華。先端に作った拳が
”めぐみ”の黒いコスチュームの真ん中やや下腹部あたりに接すると、少しずつ押し込まれて
いく。女の柔らかい腹部がゆるやかに窪み、沈もうとする拳を中心に放射状の皺を刻む。
「…ぅううぅ…」足踏ん張りながら「く」の字に身体折り曲げ、顔をしかめる黒デルモ。
その苦悶の相を見つめながら、藍華は腕を戻す。
「ね、わかったでしょう?だから、そんな無茶は言わないの。ここに倒れているコたちと
同じくらい、あなたたちが大きくなったら考えてもいいけど…」その言葉に二人の瞳が
ぱっと輝く。あと何年かしたら藍華と闘い、みんなと同じあの甘美な気絶を体験することが
出来るんだ…その日を待たず両者の和解が成立するなどとはよもや想像もしない、純真一途な
思いと憧れ。仲間の失神姿をそれこそ際限なく目に焼き付けながら、じっと夢膨らませる
二人なのであった…。

158超初心者:2003/09/10(水) 21:30
小噺その54

ひっそりとした深夜のバーカウンター。今宵のカップルは久しぶりに司令と藍華、仲良く口に
するのは目にも色鮮やかなソフトカクテルである。先ほど食事を共にした二人がこのバーに
来てからもう2時間。静かな会話に興じるその雰囲気から見る限り下衆の勘ぐりは一切無用、
怪しげな感など、まるでなく。勿論この二人のこと、燃え盛る情熱のままベッドインへ
もつれ込む場合も無いではないが、今回ばかりは至って粛々とした進行といえる。会話の
テーマはずばり、デルモゲニィそのものについて。変な話だが、藍華はその存在を一概に
否定する者ではない。物騒な動きさえなければ、どのような組織活動をしようと頓着しない
あっさり加減。片や司令の方も、そんな藍華の人柄に漸く気付き、数少ない理解者を得た
喜びのまま今日に至っている。今や、込み入った話であれ何の苦もなく互いの胸襟を開き、
語り合える二人。その一節をほんの僅か、覗いてみると…。
「…それにしても、あなたたち、ずっと一緒にいてホームシックにならない?そりゃ、お互い
仲はいいんでしょうけど…」「仲の良い悪いってだけじゃないわね。私たちを結びつけている
のは、やっぱりハーゲン様への忠誠なのよ」あの白銀基地ではこの言葉の先に待ち受けて
いたのが闘いという必然だった。しかし今は違う。司令の言う「ハーゲンへの忠誠」
なるものに純粋な興味を抱く藍華。重ねる言葉にも、決して詰問の意などまぶすことは
しない。「一途なのね…」「今だってハーゲン様、ネーナ様をお慕いする心に微塵の曇りも
ないわ。お二人とも、きっとどこかで生きてらっしゃると思うし…それに、組織としての
まとまりは私たちの誇り。単なる仲良しクラブじゃないのよ」「そう…」フラットな返事
ひとつ。うら若い女性ばかりが集まって、ただハーゲンの為に尽くす。その上誇りを感じる
ですって?…ホント、不思議な集団ね、と藍華は思う。しかも司令の話を細かに聞けば、
デルモたちにはある程度個人の自由も許しているらしい、非番の日などは買い物やグルメを
楽しむこともある由。それでいて、組織の一員であること片時も忘れず、自分の役目を
まっとうしようと努力する。一部研究員や技術要員以外は仕事らしい仕事もないのに、
である。つまるところ警備や格闘を仕事とする?いや、確かに仕事ではあろう、が、それを
もって軍隊組織のノリかというと、それも少々疑問あり。理屈ではない、ただ
「ハーゲンへの忠誠」というフレーズだけが一人歩きし、彼女たちのモラルを
支えているのだから。実際一人ひとりは本当に普通の女である。非力な女である。それでも尚
組織を抜けることがない。肝心なハーゲンとの間で結局何もなかった彼女たち。残された
女ばかりの空間で何が楽しいのかと疑いたくもなる。それでもただ黙々と規律正しい生活を
送る。頑なに処女を守る。年頃の女の子が享受する奔放な暮らしを望むこともなく。
ただハーゲンへの忠誠の為に生きるのだ、という信念の下、仲間同士身を寄せ合い
労わり合い、間々愛し合うことすらある純な乙女たち。もとから一般市民への害意なく、
今や藍華との和解もなった。そんな彼女たちにカリスマ盲従だの集団催眠だのという安易な
形容は当たらないだろう。ストイックという表現ですら妥当ではない。一人ひとり、溢れる
魅力を放ちながら、その振る舞いあくまで不思議な、そしてほんのり甘い香りを底流漂わせる
ばかりなのである…。

159しーぽん&カニは死ね!:2003/09/11(木) 23:39
僕を出してよぉー!
僕はネオデルモの最高指導者なんだぞ!
配下には忠実なデルモ達が沢山いるんだぞ!
分かってる? この意味?

160名無しさん:2003/09/12(金) 00:22
てる君?しーぽん?長門・・・どっちでもいいや
一つ言わせてください。
あなたのハイレグレオタだかなんだか知りませんが、自分の妄想や理想を他人の目的や趣旨が違うスレで爆発させないでいただけますか?
迷惑で、とても困っています。4Life様や、超初心者様のスレではなく、ご自分のスレでおやりなさいよ。なんのために立てられたんですか?
ここや4Life様のスレがとっても好きで見ている私にとっては、ハッキリ言ってとっても邪魔でムカツキます。話の筋を見極めた上での慎重な書き込みを、どうか、お願いいたします。
超初心者様、こんなことカキコして申し訳ありません。

161しーぽん&カニは死ね!:2003/09/12(金) 00:39
よく言うよ。
SSの方が遥かに問題発言が連発されてるのに、
何故オレだけ濡れぎぬ着せられて悪者扱いされんにゃならんのかと小一時間。
フザけんなと言いたいね。

162名無しさん:2003/09/12(金) 00:40
>>160
死ね!馬鹿。

163名無しさん:2003/09/12(金) 00:45
>>160
オイ、テメェ、ブチ殺すぞこの野郎!

164名無しさん:2003/09/12(金) 00:46
まあまあ、みんななかよくしようよ。

165名無しさん:2003/09/12(金) 00:54
>160
変な言いがかり付けるのはやめて欲しいね。
ここの板の趣旨が分かって無い奴の発言だよ。

166名無しさん:2003/09/12(金) 01:12
>>160
他にも問題発言している人物はいるのに、特定の人物だけ名をあげて責めるのは公平ではないだろう。

167名無しさん:2003/09/12(金) 01:24
>160
死ねや!このボケナス。

168名無しさん:2003/09/12(金) 02:37
>>160
この馬鹿が!

169名無しさん:2003/09/12(金) 08:09
>160を叩くのはもうよしなよ。

170超初心者:2003/09/12(金) 20:36
>159-169
いきなりレスが伸びているので、びっくりしましたー(汗)159さんも160さんも
164さんも169さんも有難うございますm(__)m
お互いファン同士、まったりいきましょ〜^^
所詮は愚生ごときの駄文です。皆様お気楽に読み飛ばしていただければ、と。
なにせ私はデルモゲニィ内部犯と目されているのですから^^;;
(4Life様SSスレ参照)

171超初心者:2003/09/13(土) 21:22
小噺その55

藍華とデルモたちとの関係。概ね闘いに明け暮れているよう見られがちだが、人間同士の
やりとりである以上、様々なサイドストーリーがついてまわる。中々表面に出ないが
その実、藍華がデルモたちを助けることだってあるのである。例の公園バトルで黒デルモたち
10人を倒した藍華が、少し疲れた足取りで自宅に向かう途中のこと。ふと、ご愛用の耳飾り
がひとつ、なくなっているのに気付く。さっきの闘いで外れてしまったに違いない、もう、
ほんとにィ、とぼやきながら公園へ戻ると、何やら怪しげな人影数名あり。傍らに
大型トラックが停まり、その荷台に女たちを運び込んでいるような気配である。あの
地下駐車場と同じく青デルモたちが暗躍してるのかと最初は思うが、よく目を凝らして
みると、それは女でなく、いかつい格好の男たちばかり。近くの植え込み伝い、密かに
接近して様子を窺えば彼らの低い声が否応なく耳にも届く。「フフフ…こりゃあ、
上玉だな…」「相当な値段になるぞォ、これは…」「しかも、噂じゃ全員処女だって触れ込み
だぜ。たまらんなあ」「こいつらに手を出そうとした仲間が今まで散々やられてきたが、
あの女のお蔭で万事うまくいく。笑いが止まらない、とはこの事だな!」フハハハ…どす黒い
悪意と狡猾が入り混じった下卑な笑いである。この男たちの正体が何なのか正確には
わからないが、およそロクでもないことだけは明らか。デルモたちへの義理はないが、
ひとりの黒デルモの胸元にのる藍華の耳飾りを男が胡散臭そうに拾い上げ
「フンッ、こんなもの!」と道端の側溝に投げ捨てた時には、さすがに藍華も我慢の限界を
越えていた。さっと姿現し、凛とした声で言い放つ。
「あなたたち!そのコたちをどうするつもりなのッ!?」(To be continued^^)

172超初心者:2003/09/14(日) 12:44
小噺その55の後編

男たちは5人。服装はまちまちで背広にネクタイ姿の者もいたが、その人相お世辞にも良い
とは言えないだろう。およそ堅気の人間とは思えない、訳ありな雰囲気が全身に
充満している。藍華の出現に一同ぎょっとはするがそれも瞬時のこと、すぐニヤけた笑みを
口元に浮かべ彼女を取り囲む。どれも似たような風貌の中で僅かにリーダー然とした男が、
気持ち悪い程の愛想で返す答えがある。「これはこれは、ミス藍華。どうなされましたか?」
「どうって、それはこっちのセリフよ。何をしてるのか…教えて頂きたいわ」
「見ての通り、こいつらを連行して調べるんですよ。あなたに何度も襲い掛かった悪い
奴らでしょう?」自分の名前を呼ばれたことから、この連中がそれなりの下調べと計画を
練っていたことがわかる。藍華にとってその計画が何を意味するのかは分からないが、
一貫して持ち続けている自己の信念だけはこの場においても微動だに揺るがない。信念…
それは次の言葉で明らかになるもの。「これは、私とこのコたちとの問題なの。
手を出さないで頂きたいわね。それに見たところ、あなたたち警察でもなければ救急隊
でもないようだし。上玉だの値段だのっていうさっきの会話もばっちり聞かせてもらってる
のよ。二度とこんなことしないで頂けないかしら?」藍華とデルモたちだけの問題である。
純粋な闘いである。男たちの黒幕や狙いに興味はない、ただ自分たちの確執に立ち入るな、
その一点なのである。ちょっと考えれば、随分鷹揚な発想。男たちを追及するでもなく、
翻って彼らが素直に引き下がれば何ら痛い目に逢わずに済んだのだろうが、格闘に場慣れして
いる自信と数の優位が冷静な判断を狂わせる。間髪おかず、周囲から一斉に殺到する男たち。
が、雲泥の差とはこういうことを言うのだろう。二人ほどは銃まで出したが結果は同じ、
あっという間に全員が地に這った。まったく、何て男たちよ!と呆れ顔の藍華。再び手にした
耳飾り、ついた汚れをハンカチで丁寧に拭きとり装着したところで、もうひと仕事が待って
いる。それは気絶した黒デルモたちを揺り起こすこと。「う…う〜ん…あ?…ああ…」
怯える女にニッコリ微笑む藍華である。「さ、早く仲間を助け起こしてあげて。この男たちが
目を覚ます前に」10人全員を起こしたところで、藍華は簡単に説明する。油断も隙も
あったもんじゃないわ。あなたたちも気を付けてね、と。敵である自分たちまで救ってくれた
藍華に黒デルモたちは感激一杯、胸がつまるのも当然か。涙目を潤ませながら去っていく
女たちは最後に一言を残した、もう公園では闘わない、と。不逞の輩に付け込まれないよう、
場所を選ぶということだが、闘いそのものは放棄しないというしぶとさの表れでもある。
あとは自分たちの基地である犬吠島まで一直線…最終決戦に向けたシナリオがここに
出来上がったという訳なのである。(End^^)

173名無しさん:2003/09/15(月) 15:34
>>171 >>172
超初心者さんのSSをいつも楽しみにしています。
今回のSSを読んで、気づいたのですが、
藍華さんが、男たちと格闘するというシチュエーションは、OVA本編でも、コミックでも、
そしてSSでも初めてのことなんじゃないでしょうか?
ナジカもOPでは複数の男たちと格闘していましたが、本編ではそういうシーンは、
なかったんじゃないでしょうか?少なくとも印象に残っていません。

これからもSSを期待しています。
それからイラストももっと描いてください。

174超初心者:2003/09/15(月) 17:09
>173様
 私のような駄文にまでお付き合いいただき、有難うございますm(__)m
 最近は数十レス以上の長文だらだらデッチアゲストーリーを書く気力が伴わず
 小噺中心に妄想しておりマスが、その分シチュエーションのデタラメさは
 膨張する一方(笑)本編では、クライアントが結構ワルに描かれていたように
 感じましたが、郷造のような苦労人もいれば、ズルイ奴らもいる、ということ
 デスネ^^私の独断と偏見としましては、OVA本編の主役を藍華に限定して
 いません。敵味方を超えた女性たちの躍動がまぶしく映るばかりなのでアリマス。
 多くの皆様も仰ってますが、Aikaはコンセプトの段階でも中々良く練られていると
 思いますね。(もっとも、私はコミックすら読んでないのですが…汗汗)
>イラストももっと描いてください
 えーーっ!?あんな鉛筆落書きですよ?研究所様のゲスト画廊もどんどん
 ハイレベルになって、私などもうお恥ずかしの一言デス(大汗)
 カラーCG関係の資料や本を読んだだけで、頭クラクラ…現在ギブアップ状態です^^;;

175ぱんちーと:2003/09/15(月) 18:45
いえいえ、超初心者さんのイラストにはそこはかとない味があります。

176超初心者:2003/09/15(月) 20:19
ぱんちーと様、いつも暖かいお言葉、有難うございます。
>そこはかとない味
  絵師の皆様がお描きになるダイナミックで美しいCGの足元にも及びませんが、
  何か、雰囲気のかけらだけでも醸し出せれば、との思いデシタ^^

 PS:副官様、例の優勝フィーバーは今ごろ最高潮では^^?
   当小噺その46でも触れさせていただきました。3-1と予測しましたが
   3-2でしたネ^^

177副官:2003/09/15(月) 20:28
>優勝フィーバーは今ごろ最高潮では

今夜は愚息が「飛び込み」で有名な道頓堀・戎橋に見物にいっております。
さて、何時ごろ帰ってきますやら。
サンTV(阪神全試合中継)がず〜と放送しております。

178超初心者:2003/09/17(水) 22:40
小噺その56(その46の尾ひれ羽ひれ)

2039年9月17日、某大都市圏。フランチャイズ球団優勝の興奮冷めやらぬ街のあちこち
では、大きなパーティから小さな飲み会に至るまで様々な人々が感激に酔い痴れている。
ここ、とあるダイニング・バーでも50余人もの女性たちが貸切状態で大盛り上がり。
黒、青、ピンク、ゴールデン、白…もう言うまでもないだろう、何れ劣らぬ美女揃いの
コスチューム姿は勿論デルモたちのものである。大勢のデルモたちに混じって藍華やりおんの
顔も見え、女性ばかりの嬌声はただひたすらに姦しい。本来彼らの職場である関東圏からは
離れているが、この日ばかりは距離など問題でないと、夫々に出張をデッチアゲこれだけの
人数が集まったということである。店内BGMにかかるのは何故か上田正樹「OsakaBayBlues」…
バラードだと盛り下がるのでは、と考えるのは早計で、女たちの会話を妨げないこの程度が
まさに最適といえようか。およそまとまりのあるおしゃべりではないが、順不同に彼女たちの
コメントをひろってみると…。
「“勝ち組、負け組。そんなん、ないんや”なんて格好いいこと言うわよねえ、このお爺さん」
「とても92歳とは思えないわよね。見た目もまだ若いし、何だか私のタイプ♪」
「え〜っ?マジ〜〜ッ!??」一方こんな黒デルモたちの喧騒とは別に、ゆったり進行する話
もある。「キャサリン、今年はお疲れ様でした。あなたたちの応援が効いたって、昨日監督
以下球団関係者の方がお見えになって感謝状を頂いたわ」「有難うございます、司令。でも私
なんか、気絶ばかりしててお恥ずかしいです…」「うふ♪まあ、あなたらしくって
いいじゃない?それより、あなたに球団マスコットガールになってもらいたいって申し出が
ありましたけど、それはお断りしましたよ。あなたにはこれからヴァレリと一緒に続編製作に
携わってもらわなくてはならないんですから…」続編、と聞いて身を乗り出す藍華とりおん。
「やっぱりあなたとの決着、という話になるのかしら?」水を向ける藍華に微笑む司令。
「そうね…ただ、それをどういう味付けで見せるか、よねえ。前作も色々な評価があった
でしょう?色んな嗜好の人がいるし、そういう人たちが小異を捨てて大勢集まって支えて
下さった結果あのヒット作が生まれたんですものね…考えてみると難しいわ…」と、ここで
深い思索に入る司令の思惑など微塵も構わずりおんの突っ込みが放たれる。「水ポチャ!
これは絶対入れましょうよー!ペロロンカホテルのプールや白銀基地の浴室みたいな!
今度は道○堀川に投げ込むってのがいいなー♪」単なる勢いで出したアイデアだが、意外に
これは現実味を帯びる。あれ以来ラグの平和利用をリードしたデルモ・コーポレーションは
その卓越した先端技術を使い、地球浄化ならぬ河川浄化で目覚しい成果を挙げた。かつては
ヘドロの堆積層にこんもり覆われていたあの川が、今や山間の渓流に匹敵する清水に生まれ
変わっている。飲料にすら適する程の水質まで改善させたデルモたちの技術をPRするには
実におあつらえのロケーション、ということ。何も自分たちが水に入ると決め付ける必要は
ない、主役は藍華たちと限らないじゃないと思いつつ、ここは社業発展のためにしょうが
ないか、と割り切るデルモたち。実に百人が橋から落ちることになったシナリオ第一稿の
キッカケは、こんなとりとめない雑談から生まれたのである…。

179副官:2003/09/17(水) 23:10
超初心者様

拝見いたしました。
早速に、阪神優勝/飛込み/デルモ・コープ/続編の各ネタを見事に纏めておられます。
流石です。

180超初心者:2003/09/18(木) 17:31
副官様、ご当地ネタを勝手な妄想でかきまわし、失礼致しマシタ。
飛込みは、もはやシャレで済まなくなってしまったこの節ですので
今後、注意いたしますー(汗)

181超初心者:2003/09/18(木) 21:18
小噺その57

昨晩は結構な深酒だったにも拘わらず、翌日は朝から元気に観光へ繰り出すあたりが若さの
証明。長く連なる山々が間近に迫る某ハーバー・シティにやってきた彼女たちは異人館めぐり
や輸入アイテムショッピング、中華街でのグルメ三昧などを次々と満喫し、今は山上にある
広大な牧場を訪れている。澄み切った空気、のんびりと草を食む牛馬たち…この手の場所では
定番の濃厚脂肪ソフトクリームに舌鼓、透き通る青空のもと思い思いに開放空間を楽しむ
女たちである。特に牧歌的な雰囲気がお気に入りの白デルモ・ナターシャは、草地に腰を
おろすと、一冊の本を開きそのままメルヘンの世界へひとっ飛び。読み耽る厚手本は勿論あの
「花とゆめ」に相違ない。とその時、悠然と彼女の近くを通りかかるホルスタイン。ある種
わかりやすいコントラストの妙に、あのオッパイならお似合いねー、などと陰口をたたく
黒デルモたちは当然いるが、当の本人はまるで気づいていない様子。淡く色づく山間から
微かな涼風に乗って飛来したトンボが、ちょこんと羽休めることが出来るのも彼女の福与かな
胸あればこそ。こんな、微笑ましくも不可思議な情景にかぶさる音がまた渋い。遠く
クラブハウスから聞こえてくるのは昔日のソーバッド・レビュー、ウエストロード・ブルース
バンド、憂歌団などのご当地ラグタイム・ブルース。実にアンバランスでミスマッチなこの
一角を、それでも羨望の眼差しで見据える女がひとりいる。それは藍華。あのコ、あれだけの
豊乳でも垂れないなんて…白デルモの服越しに天をつく程せり上がった乳房、ツンと上を
向いた乳首の隆起に、思わずゴクリと呑み込む生唾ひとつ。今この女たちの中で最年長、
僅かな体型の崩れにもナーバスな彼女として、このコのライフスタイルってひょっとすると
大きな参考になるかも、とは思うもの。どういうお手入れをしてるのかしら、毎日何を
食べてるの、運動は…?聞きたいことなど山ほどあるが、いきなりの質問から入るのも如何な
ものかと、先ずは当り障りのない会話からアプローチを試みる藍華。結果として彼女の望む
収穫は得られず、特段秘訣らしいものもないまま常識的な答えに終わってしまう。がしかし。
この日を境にひとつだけ明記できることがあるのだろう、ニナ・エスコ、ナターシャ共々、
都合3名の「花ゆめ」派が岩より固い契りをもって結成されたということが。

182研究所:2003/09/20(土) 11:27
「花ゆめ」派....
まだこの設定が生きていたとは?(笑)
生かして頂けて光栄です。

183超初心者:2003/09/20(土) 13:14
小噺その58

社員が数百人といえば、既に小企業の部類には入らないだろう。新興の
デルモ・コーポレーションも一応の体裁なった組織として、社員の福利厚生やその一環として
の健康診断まで自前で行う中々の会社に成長した。デルモ社員の健康チェック。といっても
社長を兼ねる司令の暖かい思いやりが光る、懇切丁寧なメニューである。年数回に分けて実施
されるその診断日には多くのデルモたちが医務室に集まり、いつも賑やかなことこの上なし。
検査する医師や助手たちも全て身内のデルモたちだから、誰に遠慮するでなく裸のまんまで
列を作る開けっぴろげ具合はもう壮観そのものといえる。その中で、身長・体重測定くらい
までならともかく、聴診器を胸にあてたり、検査台に横になったりするさまは、まさに眩しい
の一語。しかも気心知れた者同士、リラックスしようとしているのか、はたまた軽く
じゃれ合っているのか、あちこちで挙がる喘ぎ声がまた言い尽くせないほどに悩ましい。
乳がん検診のために乳房を揉めば「アアンッ…♪」
子宮筋腫発見のために超音波ローラーを下腹部に這わせれば「はううぅぅ〜んん♪」
心電図計測のため小さな電極パッドを胸周りに置けば「きゃう!冷たあぁい♪」…
黄色い声だけではない。日頃格闘ではチビリっぱなしの彼女たちが改めて尿検査を受けると
なれば、皆、紙コップに満ちていく自分のオシッコをまじまじ見つめ、深い感慨にふける。
これが私のオシッコ、私の生の証し…おもらしした私を人が何と笑おうが、これも
かけがえない命の営みなんだわ…と。圧巻はバリウム飲んだ後の胃部X線撮影。自在に
回転する検査台の上で、身をよじらせる度にデルモたちは「うう…」と呻く。彼女たちの
大半が藍華の当て身を食らった経験があり、今も姿勢によっては腹部などに鈍痛を覚えるから
である。そんな被験者の呻き声などまるでお構いなしに次々と注文を出すレントゲン医の
ピンクデルモ。「うつ伏せから仰向けになって少し息を止めて下さぁい。それで両手は上に
あげてぇ」全裸の被験者デルモは一々健気に従おうとするのだが、時折無理な要求が混ざる
こともあり、傍目にはお仕置き以上の体勢に陥ることも。例えば台が頭を下にするほど
傾くと、ずり落ちないように両手は左右のバーを掴むが、傾斜角度が極端になると、両足の
方が知らず開いてしまう。「あううぅぅ…」この場に男がいないから良いようなものの、
呻き悶えながら懸命に裸身を支える女の姿態は余りにも刺激的。普通に目を向けただけで、
露わになった女性の房中が、すぐ鼻先に見える。ところが更に状況をややこしくするのが
助手デルモの働き。下肢だけでなく上体もろとも台から転落すると思い込んだ助手は慌てて
駆け寄り被験者の身体を押さえようとするが…伸ばした両の手のひらの一方はまだ鈍痛残る
お腹をギュウ!「うぐううぅッ…!」もう一方、指が絡まる先は何と!いたいけな秘所の蕾。
「あふうぅっんん…!」台上の女が苦痛と絶頂ないまぜの喘ぎ声を放ちながら、あえなく気絶
に至るのも当然の理。目を閉じ全身の力を失った彼女は支える助手を下敷きにしてドタリ!と
床へ這う。巻き添えで失神する助手も出てくる中で、一体こんな検査先に進められるのかと
心配になるが、彼女たちにとって時間はたっぷりあるのだろう。むしろ当人たちにとっては、
生まれたままの自分の身体を改めて愛しく感じる充足の時…少しでも長く、長く味わって
いたい、思い出を刻む一日なのである…。

184超初心者:2003/09/20(土) 19:44
>182研究所様
  あとさきになりましたが、「花ゆめ」派、健在デス^^
  補足:小噺その56と57は続きものです。57の舞台は、六甲・神戸を
     イメージしてるかも(って、モロバレじゃん…)

185副官:2003/09/20(土) 20:40
>57の舞台は、六甲・神戸をイメージ

えっ、あの街並み描写は神戸だったのか!(w
「超初心者様は関西ご出身かしら」と思いながら拝読しておりました。
(当方大阪府在住です)

「憂歌団」
このグループ、詳しくは知らないのですが、大阪が根拠地で
「お掃除おばちゃん」という曲(題名だけで聴いたこと無し)があった様な。

186超初心者:2003/09/20(土) 21:01
副官様
 大阪ミナミで阪神優勝のどんちゃん騒ぎをしたデルモ+藍華サンたちが、翌日
 神戸・三宮へやってきた、という筋書きで如何でしょー^^;;
 ナターシャたちがやってきたのは六甲山牧場ということで。
 (一回しか行った事ないのに、よくここまでデッチアゲルもんだと、我ながら
  大汗デス…)でも今ごろ六甲おろし、凄いんでしょーねー^^

187副官:2003/09/20(土) 21:27
>今ごろ六甲おろし、凄いんでしょーねー

日本橋ではエンドレスで流しているスポーツ店があります。
私?勿論「六甲颪し」のCDを所有しております。
えぇ、それはもぅ、ずーと以前から・・・


しかし一方、読売ジャイアンツの「闘魂こめて」も持っておりまして。
作曲は両方とも古関裕而。
奇しくもライバル球団両方の歌を、同じ方が作曲している訳です。
(ついでに夏の甲子園大会歌「栄冠は君に輝く」もです)

188黒デルモあゆみ:2003/09/21(日) 09:23
>>187
>作曲は両方とも古関裕而。
なあ〜んだ、「モスラの歌」や「イヨマンテの夜」と同じ人なんじゃん。
「比島決戦の歌」も…。

♪いざこい、アイーカ、めがねっこ
 出てくりゃ、地獄へ、逆落とし

きゃはははは。

189超初心者:2003/09/21(日) 18:03
>古関裕而
  これまた、すんごい御大が登場デスね^^;;大正〜昭和初期って感じじゃ
  ないですか?確かに「阪神」以前に「大阪タイガース」ですもんね^^
>黒デルモあゆみサン
  よ、よおおおーーー……っくご存知で…(後ずさり、、、)
  実年齢をうかがうのも憚られますガ、あなた様はひょっとして某財閥の
  お嬢様!??でしたら、ポケットマネーでさっくりと続編製作費
  出してくださああい^^

190匿名黒:2003/09/25(木) 19:28
>>188
あゆみ〜、あんた今度からシルバーデルモって呼ぶわよ。

191超初心者:2003/11/16(日) 14:41
小噺その59

「お疲れ〜〜」夜11時、居酒屋の前。りおん、道草と飲んでいた藍華は二人と別れ、ひとり
会社の方へ歩き出す。仕事熱心だが、それを全く苦にしないのも藍華流。しこたま煽った安酒
のせいで少し足がふらつくが、意識はしっかりしている。コツ、コツ…ハイヒールの音を
響かせ悠然と歩いているようで、その実既に気付いているのが尾行の気配。何回か角を
曲がったところで、藍華は壁に張り付き身構える。程なくぬっと現れる人影に凛と放つ一声。
「私に御用かしら?」「あ…」街路灯に照らされた人物は、読まれていたことに驚きを隠せ
ない様子。片や藍華にとってはすっかりお馴染みのデルモ制服、またか、という感じである。
しかも見覚えのある顔…尾行者は、あの地下駐車場で巴投げの末、鳩尾に当て身をして
気絶させた黒デルモその人に違いない。「一度お会いしてるわね。名前はなんて言うの?」
「あずさ…」あけすけに聞く藍華につられてつい答える黒デルモが次の瞬間はっとして
睨みつける。敵意満ちる視線を正面から受け止めながら、藍華はあくまでマイペース。
「ねえ、あずさ。もう終わったんでしょ?これ以上何をしようというの?」
「わ、私は…お前を倒す…なんとしても…」夜の路上には二人だけ、通りかかかる人も
いなければ周囲に仲間が潜んでいるとも感じられない。となれば1対1の勝負を望んでいる
ことになるのだろう、そんなもの常識的には結果が見えている。それでも藍華は片隅に緊張の
面持ちを忘れず言葉を紡ぐ。「いいわ。気のすむまでかかってらっしゃい」…この後の展開は
推して知るべし、たちまち路面に叩きつけられたあずさ仰向けの身体。その柔らかな腹部には
藍華電光の拳がまさに突き込まれる刹那だった。−−ドボッ!!「ぐぁッ…!」衝撃の反動で
四肢や頭が跳ね上がるが、すぐに力なく横たわる。深い気絶の闇に落ちた黒デルモの傍らに
ひざまずき、その顔じっと見つめる藍華は例によって寂しげな表情への移ろい。半開きに
なった口元から流れ落ちる涎も前回同様見慣れた光景だが、おもむろに股間へ目をやると…
剥き出しになった純白パンティから沁み出すように、いや、こんこんと湧き出すような水溜り
ができている。ぐっしょり濡れたパンティを通して、ぴったり貼りつく女陰の色彩形状も
鮮やか。同性の藍華も見とれる程の眩しさだが、しばらくすると意を決したように
立ち上がる。一旦この場を離れた彼女が数十分後に再び現れた時、ひとつの袋をぶら下げて
いた。それから時間は更に流れ…あずさの目覚めは公園のベンチにて。(あの女がここまで
運んできてくれたのか…)路上に放置しない気遣いは嬉しいが、またしても負けた、という
のが素朴な第一感…悄然とする彼女の脇に1枚のメモが置いてある。
手にとってそれを読むうち「えっ!?」と、素っ頓狂な声。思わず股間に手を伸ばす。と、
その表情には複雑な微笑み。あずさの脳裏にはいくつかの思いが無秩序に飛び交っていた。
ブラック仲間やブルーへの言い訳をどうしよう、ああ、でもこれ中々いい、あの女への挑戦は
止めないけど憎めない相手だわ、いや本当は感謝しなけりゃいけないんでしょうけど、でも
やっぱり藍華は私たちの敵だ…などなどなど。一体何が書いてあったのか、この際メモの
一部を読み上げてみることにしよう。「…近くのコンビニにあったのは男性用パンツだけ
だったの。だからこれで我慢して。あなたの濡れたパンティは私が持ち帰って
洗濯するから…」失禁した自分への恥じらい。敵である筈の藍華からかけられた情け。官給品
であるパンティの紛失届をどんな理由にするか。にしてもこのパンツ意外に履き心地がいい、
前が開いてるのも○○に都合いいし…と、ここまで諸々の事情が重なれば、あずさvs藍華
の闘いに小休止が打たれるのも至極当然というところなのである。

192超初心者:2003/11/18(火) 19:54
ラーメン。唐突だが、日本独自の進化を遂げたこの一品はデルモたちにもファンが多い。
今、とある人気店前の路上。もう深夜にもなろうというのに相変わらず引きもきらない行列の中、
3人の黒デルモたちの姿が見える。「ここって麺とスープの絡みが絶妙なのよネー!」
「ホント。つまみも沢山あるし、ビールをきゅーっとやりたい時には最高♪」
風も冷たくなってきているが明るくはしゃぐ3人組には気にもならないのだろう、時折強く
吹き付ける北風に、はためくスカートの裾からのぞく純白パンティも愛らしい。
優に30分は待ったあと、漸く店内に入った彼女たち。満員の店内はもうもうと湯気が立ちこめ視界0m、
「こちらにご相席でお願いしまーす」と案内されたテーブル席につく。向かい側にも3人、
一心不乱にラーメンをすすっていたがフ〜〜ッ…と一息つき顔持ち上げたところで「あーっ!!」
喧騒の店内では全くどうということもない一声だが、当の6人には驚愕の瞬間。席順にみてみよう、
向かい側左から道草、藍華、りおん。手前側左から、あずさ、ジュン、ゆうこ、である。
犬吠島以来の再会、「藍華に関わるな」という司令の厳命はあってもやはり緊張は走るもの。
そんな中、ドギマギする黒デルモたちの表情をいち早く読み、先んじて一言発する藍華は流石に
年長者の余裕といったところだろうか。「ココ、いけるわよね。あなたたちもよく来るの?」
「え?ええ…」慌てて返事するのはジュン。あの地下駐車場で腹部に電撃棒を突き込まれ
気絶した彼女である。少なからず複雑な思いにもかられていよう、と藍華流心配りの言葉は続く。
「元気そうで何よりだわ。おなかの方も大丈夫だったでしょ?私の当て身って、気絶する時
一瞬苦しいけど、目覚める時はかえってスッキリしてる筈だから」
こうもあっけらかんと言われれば黒デルモとしても拍子抜け。何よりここは満員のラーメン屋、
喧嘩腰となるには余りにふさわしくない。折角長時間並んだのだから、ということもあってか、
6人共々取り敢えずはその場を取り繕う。いや、それどころか、ビールやつまみを次々追加し
果ては麺大盛りだなどと、このテーブルの盛上がり相当なもの。しっかり長居を決め込んだあと、
一同ほろ酔い気分で外へ出るとジュンが藍華の耳元でそっと囁く。
「明日夜10時。港湾倉庫にひとりで来て。私もひとりで行くから…」黒デルモの瞳に曇りは
ないが、さて今後の雲行き一体どうなっていくのであろうか…?

193超初心者:2003/11/18(火) 21:53
↑小噺その60(忘れてマシタ…汗)

194超初心者:2003/12/03(水) 21:38
小噺その61(デルモたちのクリスマス・キャロル)

大災害後の社会がどう変貌していこうと年間行事は揺るがないということか、時候はそろそろ
クリスマスである。科学の進歩とは裏腹に心の片隅でファンタスティックな夢や希望を抱く
人々もいて、この伝統への関心は相変わらず根強い。そう、まさしく伝統的なクリスマス。
互いに贈り物をし、愛を確かめる日。毎日元気に活躍するデルモたちも聖夜が近づくにつれ、
特別な思いが胸にこみ上げる。デルモ・コーポレーションの社用車
「ホーリー・エクスタシー」号も既に整備は万全、もはや当日を待つばかり。そんな彼女たち
目下の活動は年末助け合いボランティア。街頭に立って、恵まれない人たちへの寄付を募ると
いうものである。これは世間を欺くカムフラージュ?いや、確かに遊覧船ガイドやファミレス
のウェイトレス同様、ある種情報収集の一面はあるがハーゲン計画を放棄した今、彼女たちの
善意もあながち嘘ではない。あの際立つデルモ制服のまま路上を吹き抜ける北風にめげず
募金箱を持つデルモたち。時折風が下から吹き上げると、清楚な純白パンティは丸見え。
のみならず、いたいけな秘所のぷっくりとしたふくらみや可愛いおへそまでが惜しげもなく
露わになり、その都度目を釘付けにして立ち止まる通行人から気前のいい募金が飛び込む。
こうして全体としては結構な金額が集まってくるがここに一つのハプニングあり。それは
某クライアント老人との遭遇である。ラグデータの入手で莫大な利益を得た彼がボディガード
を引き連れ悠然と歩いていた時、何人もの黒デルモたちから声をかけられる。互いに面識が
あるとはいえ、ラグ争奪の一件は過去の話。毛頭無闇な波風たてるものでなく、ひたすら
丁寧に募金を呼びかけるデルモたちなのだが、彼の態度はけんもほろろ。びた一文出さず自宅
豪邸へ戻った彼が、その晩3人の幽霊の訪問を受ける。ひとりは過去の亡霊。老人が若かりし
頃、純粋な恋に身を置きながら欲望のために別れた苦い青春の思い出を見せる。過去の恋人は
どことなくネーナ似のクール・ビューティだった。二番目は現在の亡霊。ハーゲンそっくりの
長髪内巻カールが特徴のその亡霊は、老人が薄給でこき使うひとりのボディガードの家庭を
見せる。頑丈な身体つきと黒サングラスで強面に見せていても、黒デルモたちによって簡単に
倒される彼はその実、貧しい家庭と病弱で小さな息子を抱える非力な男だった。それでも彼と
その家族は質素ながら楽しい団欒を持っている。しかも雇い主の老人に感謝しクリスマスを
祝ってくれる彼らに、老人の良心はズキンと痛んだ。そして三番目。未来の亡霊は黙ったまま
彼をクライアント・オフィスへ連れていく。そこでは大勢の人間が喜色満面に騒いでいた。
彼らが喜んでいたのはある人間の死。それが誰かと言えば他ならぬ老人の事。三番目の亡霊は
死神だったのだ。助けてくれ…!無限の暗黒に引き込まれながら彼は泣き叫ぶ…と、はっと
目覚めればベッドの上。これが夢でも幻でもないと感じた老人は、傍らの机にある時計を
見る。イブはまだ終わっていない。そうだ!彼は自宅を飛び出し、七面鳥ならぬステーキ+
タラバガニ詰合せと回転木馬ならぬコンピューターゲームを買いこんでボディガードの家へと
急ぐ。本人に対して給料も充分に上げると伝えた後は、デルモたちのところへ戻ってこれまた
盛りだくさんなプレゼント。即ち、大枚の募金である。喜びと悲しみを分かち合う素晴らしさ
に今更ながら気付く老人だが、同時に感激を残す思い出の一品もゲットした。募金に感謝した
黒デルモ“ももえ”がその時履いていたパンティがそれ。その時、ついでに中まで拝ませて
もらったのかどうか…その点は不明なままであるが…。

195副官:2003/12/03(水) 21:58
ディケンズのクリスマス・キャロル。

これはまた、時節柄ピッタリのネタですネ。
老人にとって何よりのクリスマス・プレゼント。
結構なオチでした。

196黒デルモあゆみ:2003/12/09(火) 22:48
ちょっと、超初心者さんと副官さん。
クリスマスはまだちょっと早いよ。
やっぱりこの時節は忠臣蔵だよ。
あゆみはいつか皇藍華の首をあげて、ハーゲンさまの御霊前に酬いてやるんだ。

197副官:2003/12/10(水) 00:42
>>196
今度の日曜、12月14日は「俵星玄蕃」ですネ。(って、何のネタ?)

ふー、やはり私は「文字レスの人」です。
ここは安心して落ち着けます。

198超初心者:2003/12/10(水) 18:18
>196
う〜ム。確かに時節ではありますガ(汗)デルモたちが山鹿流陣太鼓で討ち入りなんて
めっちゃシュール。でも、あゆみさん、無闇に刀や鉄砲振り回しちゃイケマセンョ。
デルモたちはいつも素手の格闘に徹しながら、どこまでも人命を尊ぶ美しい乙女でいてくださーい^^

199超初心者:2003/12/10(水) 18:20
>197俵星玄蕃
 し、渋いっっっ…ひょっとして浪曲の世界デスか?
 三波春夫とか…。

200超初心者:2003/12/12(金) 19:32
小噺その62

日本の伝統としてこの時期クローズアップされるもの、忠臣蔵。どんなにワンパターンと
評されようが根強い人気は伊達じゃない。勿論こうした歴史を語ろうにも、幾多の
モニュメントもろとも大災害で水没した東京ではある。が、京都などに比べ有名な神社仏閣の
少ないことが幸いし、人々の願望に沿ったこの手合いのサルベージ作業は比較的順調に
完了した。その中のひとつ、神奈川県に移設復元された泉岳寺では、来たる12月14日の
義士祭を目前に控え、ごったがえす観光客で押すな押すな。お線香の煙がもうもうと
立ち込める境内にはいくつもの縁日屋台がたち、終日賑わっている。客層はやはり年配が
多いが中に飛びぬけて若い女性の一団あり。黒、青、ピンク、ゴールデン、白のミニスカ・
コスチュームに身を包んだ美しい女たちとくれば、言わずと知れたデルモたちということに
なるが、その場の爺さん婆さんオッサンオバちゃんたちには全く見当もつかない。
ぎゅうぎゅうに押し合う中、何じゃこのコたちは、パンツなんぞ丸出しで…それも見慣れた
福助のと違って随分布が小さいわい、これじゃすぐ風邪引くぞ、と怪訝な顔をする位である。
これこそ猫に小判とも言えようが、当のデルモたちは一様に神妙な顔つき。どうも大石内蔵助
の墓前で何かを誓おうとしているらしく、黒緑のロングヘアをなびかせる白制服の女、即ち
司令が数十人ものデルモたちを引き連れ人波をかき分けている。時折部下の方へ振り返る
司令が放つ、凛とした一声。「もうすぐです。みんな、バラバラにならないよう固まって
いきましょう。誓いは私が代表して言いますから…」ところが、ごったがえす境内でも特に
人気のこの一角は、次々と押し寄せる客によって立ち止まることも叶わない。皆、押される
ように歩を進めながら一目墓石を見やる程度がやっと。そんな中、漸く墓前に到達した司令が
大勢のデルモたちを止め、例のおっとり口調で切り出せばどうなるか?「…あなたは、主君
への忠義に生き、そして死んだ人ですね。私たちも…」ここまで言ったところで、周囲から
怒涛の圧力と罵詈雑言。「こりゃあっ、後ろが詰まってるんだぞお!さっさとどかんかっ」
「すみません、もう少し待って…あ、ああ〜〜!!」ドドドドドッッッ…多勢に無勢、司令の
声など完全にかき消され、あっという間に押し出されてしまったデルモたち。そのまま
弾かれるように山門まで流されてきた彼女たちは全員呆然としている。「し、司令ぇ〜…」
泣きべそのニナ・エスコ。しかし流石に司令というべきだろう、落ち着きを取り戻した
彼女は、若い白デルモの肩にそっと手を置き、ゆっくりと仲間へ話しかけている。
「誓いは…叶いませんでした。仕方ありません、来年の12月まで計画を延期しましょう…
それより、この近くにお洒落な喫茶店がありますから、そこで皆さん紅茶でもいかが…?」
そもそも何の計画か司令にしかわからないまま、またも1年の平穏が決定された瞬間なので
あった…。

201副官:2003/12/14(日) 18:14
今日は12月14日。
時に元禄15年12月14日、江戸の夜風を震わせて〜、響くは山鹿流儀の陣太鼓・・・

>>199
>三波春夫とか…。
私、三波春夫「俵星玄蕃」を隠し芸にしております。
全編9分弱(歌/歌/浪曲/講談/歌/浪曲/歌)を無伴奏で演ります。
レコードを擦り切れるまで聴いて覚えました。(実際擦り切れたので買い直しました)

以前東京に出掛けたついでに、記念にと「泉岳寺」と「吉良家跡」を訪ねました。
泉岳寺では、小振りの浪士達の墓石が、死してなお主君を守るが如く寄り添っていました。

その後玄蕃が「仁王立ち」した両国橋を歩き、松坂町の吉良家跡へ。
そこは塀で囲ったネコの額程の薄暗い土地で、模型の井戸と額がありました。
現在の松坂町一帯が当時の吉良家敷地と聞き、
「浪士達、この広い中、よくぞ隠れていた吉良を発見したもの。運が味方したか。」
「ここから泉岳寺まで約10km」「時間を掛け、敢えて衆人環視で移動した理由は」等々、
思いを巡らせたものです。

AIKaと全く関係の無い話でした。失礼しました。

202超初心者:2003/12/14(日) 20:46
>201副官様
 貴重な体験談有難うございました〜。
 第6話「白銀のデルモ作戦」で司令が言うセリフ「…これが、私たちの意志だ!」
 とダブらせ、人間のモラルやモチベーションってなんだろう〜(Byテツ&トモ)
 と考えたりします^^;

203超初心者:2004/04/03(土) 22:29
小噺その63

4月。年度の初頭。桜並木。それぞれの門出…さて、この節目にあたり一件触れなければならない
ことがある…。そう、以前とりあげたデルモ・コーポレーションの教育事業…ご記憶だろうか。
幼稚園に端を発し11年制一貫の上級学校を創設したデルモたち。その存在は、いま一期生の
卒業生たち悉く17歳にして難関大学への受験を制することによって、厭でも世間の注目を
集めることになった。17歳といえば普通の感覚では飛び級である。そんな優駿を育成している
のが、あの、しょっちゅう失敗ばかりしているデルモたちとは中々イメージ出来ないが、裏を
返せば彼女たちにも知られざる長所がある、ということ。即ち「デルモたちはバカでない」、
という一言に尽きる。まるで浜○あゆを売り出す時に秋○康がつけたキャッチコピーみたい
だが、決して逆説でもなんでもなくデルモたちは多くの失敗をテコにして頑張ってきた、といえば
通りが良いだろうか。闘いの時にはデルモたちをコテンパンにしてきた藍華もその点は同意するに
違いない。いや、あっけらかんなスタンスを見せながら、その実「愛のムチ」を心に秘める藍華
としては、多くのデルモたちを気絶させた過去も大いに意義深いことだったと感じている。
天才ハーゲン博士の科学力をそっくり受け継げること自体、デルモたちに非凡な才があることは
明らかだが、それだけでは人間的な成長は望めない。傍目には厳しく映るかも知れないが、
敢えてド派手な立ち回りをすることによって、彼女たちの魅力を一層引き出そうとした…
まさに挫折こそが成功の母、熱意の源。デルモたちの思いはパンチラ咲き乱れる大らかな情操教育
と相俟って、十二分に生徒たちひとりひとりへ伝わった。その結果が事業の成功である。とはいえ
ここでデルモ予備軍を是認する藍華などとは…司令の思惑が藍華のそれと一致する保証など
どこにもないとなれば、尚更気に掛かる。次世代のデルモたちデビューが迫る中、果たして両者の
間柄がどんな風に紡がれていくのか…実際興味尽きることはない。

204超初心者:2004/05/18(火) 19:05
小噺その64
(1)
そこそこに立ち位置が与えられているが、今一希薄な役どころのガスト。藍華Love、富豪の
ボンボン、精悍な肉体派…プラスに働きそうな材料をいくつも持ってはいても、決して彼自身が
中心を占めることない女たちのドラマ。例えば、捕われの藍華を助けるため単身ハーゲン艦へ
潜入した時。彼は実に数十名ものデルモたちを倒している。特に、艦橋にいた白デルモたち全員を
気絶させた、ということはハーゲン艦制圧にも匹敵する重要ポイント。だが、そこですら彼は
ヒーローたり得ない。あの場の主役はあくまで倒される方の司令だった。
「…俺はフェミニストでね…顔は勘弁しといてやる…よ!」ガストにこのセリフを言わせたのは
司令の凛とした美しさであり、健気さであり、儚さである。
艦橋だけでない、艦内あちこちで遭遇したデルモたちへも、一々言葉を付け足すガスト。
それも皆、失神し倒れゆくデルモたちが、その可憐さ美しさ非力さをもって言わせたと断定して
差し支えない。翻って彼女たちの視点で見てみよう。りおんのお尻にビタミン注射をした後、
交代のため慌てて医務室を出て行った“くるみ”“みか”の場合…
「待ってよぉっ」先に走って出ていった“みか”を追う“くるみ”。廊下の角を曲がり姿が
見えなくなった“みか”に掛ける呼び声は、かえって友が発する苦悶の悲鳴、危険を知らせるサインを
かき消すことになった。“くるみ”が息せき切って角を曲がった瞬間――ドスッ!「うっ…!」
吐き出される短い呻きは“くるみ”の愛らしい口元から。
意識は一瞬で遠のき、まぶたも重く閉じられる。その柔らかな腹部に男の頑丈な拳が突き込まれて
いるのを彼女自身が確認することもない。ただ、一撃を受ける直前、秒にも満たないカケラの
合間、“くるみ”は見た。何か、がっしりとした大きな人影。チラッと垣間見えた、甘いマスクを。
誰だ、などと恫喝するつもりはなかった。(あなたは誰なの…?)一応丁寧に尋ねようとした
筈である。が、そこまでだった。思念を表に出すどころか、全身を走る衝撃と共に視界がみるみる
漆黒に取り込まれてゆく。力失なわれた自分の身体が男の分厚い胸に抱かれている
ことなど知るよしもない。「ったく〜、何だよーここはぁ…おんなぁ〜ばっか、じゃないかぁ…」
ガストが床に倒れる“みか”たちを見やってボヤくセリフも、当然耳には届かない。

205超初心者:2004/05/18(火) 19:06
(2)
気を失った“くるみ”を抱くガスト、頭を掻きながらの表情は明らかに照れ隠し。見かけが
可愛いくとも、そうそうたる新鋭艦に乗り組む軍人たちなのだ、と思えばこそ、当て身や手刀と
いった、敢えて手荒な真似をした。だが…どうも自分で腑に落ちない。というより、むしろ
彼女たちへの羨望が先にたつ。確かにここでも4人の黒デルモたちを倒す手並みは鮮やかである。
が、ちっとも自分が目立つ気がしない。むしろパンティを晒し気絶しているデルモたちに多くの
注目が集まるような気がしてならないのである、この場に第三者などいないにも関わらず…。
そう、ガストの第一感は正しい。単にパンティだけが取り沙汰されるのでなく、彼女たち
一人一人の存在に、しっかりとした裏づけが刻まれているのだから…。彼の知らないプロフィール
ではあるが、この黒デルモ“くるみ”“みか”は揃って14歳。いつも仲良しの二人にはいくつかの
共通点があった。それはどちらも一人っ子ということと…大災害で片親を亡くしている、という
冷徹な事実…。“くるみ”は父を、“みか”は母を失った。止め処なく涙溢れていたその時、彼女たちに
キザなポーズでハンカチを差し出した人物がいる…それがハーゲン博士。彼は夫々の親の承諾を
得て、二人を引き取った。必ず幸せにする、と伝えて。地球再生計画など思いもよらない当人や
家族はすんなり博士の言葉を受け入れた。が、それなりの愁嘆場はある、二人が夫々の親へ残す
一言に。「おかあさん、待ってて。くるみはきっと立派になって戻ってくるから。絶対
おかあさんを幸せにするから…」「みかも頑張るよ。お父さん、楽しみにしててね…」
弱冠14歳にして健気な決意。親思いの優しい心。同期でデルモゲニィに加わり、境遇も
似たもの同士だった二人はすぐに意気投合した。毎日「おっはー」「くるみ、あたし今日ね〜…」
「マジ〜!?それってチョー受けるンだけどぉ…」などと軽い会話ばかりではあるが、それ全て
素直な性格の発露である。本来ならまだ楽しい中学生生活を謳歌できる年代、明るい言葉に
まぶしながら青デルモたちのシゴキに耐え、下積みの仕事を厭わない姿には、見ていて結構
目頭が熱くなったりする。

206超初心者:2004/05/18(火) 19:07
(3)
無論ガストの方は、そんな経緯など露知らず楽々とデルモたちを眠らせていくのだが、いま
“くるみ”を抱きながら図らずも思う。(このコ、いったいいくつだよぉ〜。こんな、ひ弱な
女の子が軍人気取りってのは、どういうこったぁ。それに…)黒デルモの髪から漂うフローラルな
リンスの香りを満喫し、ここで若干情に絡むのも仕方がない。
(見たとこ14、5歳って顔つきなのに、この胸ずいぶんデカイじゃねえか…下の方は
どうかなっと…)片手をスカートの中に入れ鼻息も高ぶるガスト。
(こ、こりゃあ…パンティの上からでも充分わかるな…立派に発育してるぜ って、ヤベエ、
俺までどうにかなっちまいそうだ…)いつの間にか、膨らんだ股間の先端がズボンを勢い良く
押し上げ、そのまま黒デルモのスカート、下腹部あたりにくい込んでいる。
「…ぅぅ…」気絶している“くるみ”無意識の呻き声にハッと我に返る男はしかし、僅かに身体を
離し、改めて彼女を見据える理性があった。豊かに実る乳房やくびれた腰まわり、ぷっくりとした
花園の丘、すらりと伸びた足の線などは実際惚れ惚れするほどだが、幼げな雰囲気も十二分に
残っている。そうだ、このコなんてまだほんの子供だろう、子供だ、子供だ、子供だ…心の内で
呪文のように呟き、荒ぶる欲情をなんとか封じた段階で自画自賛。(まぁ、どうってことはない。
俺には藍華だけが全てさ。こんな年端も行かないコにクラっときてどうするガスト!)
さっき当て身を食らわせた時の、柔らかくうねるお腹の感触を思い起こしつつ…辛うじて未練を
断ち切り、穏やかな視線に転じるガスト。(何の因果かぁわからないが…さっさとこんな船から
降りて普通の暮らしをしなよ、お嬢ちゃん…)(今は藍華を助け出そうって時だから、こんな
巡り合わせになっちまったが…いつか、縁があればお嬢ちゃんにイイ男のひとりも
紹介してやるよ、俺よりはブサイクだろうけどな…)娘ほどではないにしろ相当な年齢差を感じる
ガストとして、ありがちな落としどころを思い浮かべただけの筈であった。それが十年後、よもや
彼女の結婚の媒酌人に自分が任ぜられるなど、まるで想像するわけもなく…(オシマイ^^)

207副官:2004/05/18(火) 23:22
超初心者様

早速に有難うございます。
ガストをメインにした珍しいお話を楽しませて頂きました。

208名無しさん:2004/05/19(水) 21:14
>超初心者様

ごちそうさまでした。
ちょっとデルモ寄りのおさえめなSSも良いですよね。
音楽に例えると超初心者様のSSは、ある時は可愛らしいポップス、ある時はまったりしたジャズという感じで、受け入れ易いのが良いところ(そう考えると4Life様はハードロックですね)。

またくるみちゃんやみかちゃんを出してあげてください。シリアスではなく今度はサロンでお気楽SSみたいなのが見たいです!
できればみみちゃんも・・・

209超初心者:2004/07/22(木) 20:27
小噺その65

連日うだるような猛暑が続く。そう、日中の気温43度だなんて全くもってハンパじゃない。
にも拘わらず…昼間から外回りに精を出すデルモたち。きっかけは某ネットオークションで
デルモ・グッズが話題になったことだった。それが引き金となりデルモ・コーポレーションの
キャラクター・ビジネスが思わぬ大ヒットへ発展。彼女たちは急遽様々な取引相手へ出向くことに
なったという訳である。颯爽と活動するデルモたち、あのミニスカ姿は涼しげに見えるが、
問題は上半身。何せ乳首の形状までピッチピチに浮き出る例のコスチューム、すべすべの肌に
隙間なく密着するだけでも蒸し暑さ満点だが、それが通気性も悪いうえハイネック・デザインの
おまけ付となれば、何をかいわんや。黒デルモは更に太股までのストッキングを履いているから、
まさにダメ押しである。これでは、いくら営業スマイルを振りまいていても、服の内側は滝の汗。
蒸発すら許されず、逃げ場を失った膨大な量の発汗は生暖かい洪水となって股間へ押し寄せる。
その純白パンティをぐっしょり濡らすに飽き足らず、ぷっくらと浮き出る縦筋伝いに流れ落ちる
一筋の滝。さながらおしっ○の奔流にも似るが、だからといって人前であたりかまわず撒き散らす
それをおしっ○と受け止める者もいない。それは当然だろう、いちいち考えるまでもない
常識以前。道行く人々が興味本位で眺めていても、ああそうか、という程度である。大体これだけ
暑くなれば、あれこれ深く考える頭も働かない。それより効果てきめんなのが取引先への
ウケである。案内した応接のフロアやソファが濡れるのも意に介さず、快く席をすすめる彼等。
企業人として上辺の紳士を気取ってはいるが、デルモたちの股間に視線釘付けなことはバレバレ
というもの。まあ、無理もない、もともとがピッタリ貼りつき秘肉の隆起を生々しく伝える
かたちばかりの薄衣パンティが、じっとり濡れればどうなるか。腰掛けた姿勢を正面から見るのは
ある意味、ノーパンよりエロティック、氷の微笑ごときの比ではない。どうしても身を乗り出し
前のめりになってしまう取引先2名(うち一人は話を聞きつけ強引に割り込んできた専務である)
と、青デルモ・キャサリン、黒デルモ・みみ のやりとりをいま、少しだけ抜き出してみよう。
キャサリン(ニナ・エスコから渡されたマニュアルの棒読み)「…ですから、そちら様で
製造される商品のロイヤリティは80%を頂戴するということで宜しいでしょうか?それも
アドヴァンスでミニマム・ギャランティ○○億円を設定するということで…」デルモ側へ
ハチャメチャ有利な条件設定は置くとして、ここではただ一本調子に読むだけでよい筈の
キャサリンがまたも重大なミスを犯している。それは彼女が持参し先方に提示した契約書。よりに
よってその取引先のライバル企業向けのものを誤って持ってきてしまったのである。デルモたち
二股かけているのがモロに露見したとなれば即ご破算になるところだが、オヤジ2名は彼女たちの
パンティに視線が吸い寄せられているせいか、ロクに文面を見ていない様子。むしろ、みみの方が
興味深く書面に手を伸ばしている。(なんか、裏に書いてある…)鉛筆書きが透けてみえる紙片を
おもむろにひっくり返し一言。「あぁっ、ミス・キャサリン、これぇ私が書いてた奴ですぅぅ〜」
期末テストの計算用に、という言葉を付け加える前に、専務が瞬間目を落とし応答する。
「ふむふむ、この計算だとロイヤリティ90%ですな。ギャランティも○○○億になりますが…」
平素仕事は殆どしない役員も金勘定だけは滅法早い。一方みみの目尻にはうっすらと光る涙の雫。
まだ中学生の年齢ながらイケナイことをした、こんな大事な席で…と純粋な自責の念に
かられている。「ごめんなさあぁぃ…お詫びにみみのお尻を…」叩いてお仕置きしてください、と
いうセリフに達するのをまたも威勢良く遮る専務。「OK!それで決定!!」きょとんとする
デルモ2人に構わず専務の口上が続く。「みみちゃんのお尻をここでじっくり見させて
もらえれば、この条件のみますよ。みみちゃん、パンツ履いたままでいいからね。その代わり
もっと近くに寄って…」パシャ、パシャ…携帯カメラを撮りまくる音響くなか、全く呆れる展開で
商談が一丁あがり。キャサリンに終始ミスの自覚なく、みみに逆転ホームランの感動もなく。
それでも成立したビジネスは当初条件を遥かに上回るボロ儲け。行く先々で全てこの調子だと
いうのだから人がなんと言おうとデルモ・コーポレーションの飛躍的成長は何重にも約束された
ようなもの。あわせて、ン十億円という某球団買収話も俄かに現実味を帯びてくるアツイ夏
なのであった…。

210超初心者:2004/10/18(月) 21:24
小噺その66

夢。こんな一文字では味もそっけもないが、人は誰も夢を見る。しかも個々人それぞれ、明滅する
ビジョンには実に多様な煌きがあり。その一環と位置づけて差し支えないだろう、楽しく胸踊る夢を
そこそこリアルな空間に仕立てた某ねずみ系テーマパークが相も変らぬ活況を呈していたり、遠出の
旅行などに非日常の刺激を満喫するのはまさに人の常と言える。それは新生なった
デルモ・コーポレーションにとっても少なからぬビジネスチャンス。天才ハーゲン博士の抱いた夢は
暫時置き、いまデルモたちが注目するのは観光事業この一点。もともと遊覧船ガイドやファミレスの
ウェイトレス、カラオケのコンパニオン、カジノのバニーガールなどで培ったサービス業のノウハウは
充分過ぎるほどある。先般イタリア・ミラノでオープンしたAika博物館の好調にも触発されたに
違いない、大災害で水没した東京ディ○ニー・シーに代わり、いや、その上を行くイタリアンテイストな
本格巨大テーマパークを興したデルモたち。その名も「ピアッツァ・デッラ・デルモゲニィ」。
サブ・コンセプトを「水」とし、ゆったり運河を巡るゴンドラ遊覧はもとより、トレヴィの泉、青の洞窟
やカラカラ浴場のレプリカ、微細な彫刻まで完璧にコピーした芸術的噴水などをパーク随所に設置した。
ホーリー・ファクス号に凝縮された最先端科学はあくまで隠し味とし、もっぱらデルモたちとナマの
触れ合いを通して夢の世界を疑似体験してもらう…この手のノリは、やはり最近増えている参加型
アトラクションを意識してのことだろう。キャストの配置も適材適所、浴場のガイドは何といっても
「ももえ」を始めとする黒デルモたち。更衣室に待機し、要望があれば肩を揉んだり背中を流すサービス
もあるらしい。ところが悪ふざけで「ももえ」の腕をとり湯船に引っ張りこむ者が後を絶たず、
「キャアアッ!」と叫びながらずぶ濡れになる彼女目当てが何時の間にやら主流になった。一方、運河の
主役ゴンドリエの方はといえば、白、ゴールデン、青、ピンク、黒のフルカラー・オールスターで
ゲストを待ち受け、ずらり並んだ彼女たちの肢体が眩しいの一語。というのも、コスチュームはデルモの
まんま、唯一水兵帽のみがゴンドリエのしるしになっているからである。本場のゴンドリエがシマシマの
シャツに黒ズボンの男たちあることを思えば随分なまがい物だが、かえってそっちの方が良いという
ゲストが多いと見え、連日長蛇の行列が出来る。ゴンドラを漕ぐデルモたちをロー・アングルで眺めて
楽しむ人々。漕ぐ力を入れるたびパンティの筋目がくっきり浮かび出る様子を余すところ無く目にする
のも乙なものだが、単に眺めるだけでない、彼女たちとのざっくばらんなやりとりも大半のゲスト
お楽しみのうち。例えば、それがキャサリンであれば…「シニョーラ、シニョーレ、ヴォンジョルノ!
ようこそ当ピアッツァへ♪」と呼びかける青デルモの口上を全く無視し「チャオ、ベイビィ(ハアト)」と
言いながら彼女のパンティに手をかける青年約1名。「いやあぁぁぁっっっ…!!」と身を
よじらせながら、実際脱がされるがままにしている、ということは…中々船着場に戻ってこない当該
ゴンドラ上で、彼女のパンティ次々ゲストの手に渡り至福の鑑賞会が開かれているということ。それも
まぁサービスではあろうが、あまりに直接的な展開…夢を売るといっても、観光の本流から言えば
ゲストに手を出させないピンク・リーダーのスキルが今更ながらに脚光浴びるのも頷けるのである…。

211超初心者:2004/10/28(木) 23:09
小噺その67
(1)
南海の楽園、ペロロンカ。藍華たちとデルモのバトルに巻き込まれ、あの時はホテル側もとんだ迷惑
だったろうが、人気は逆に急上昇。今日に至るまでずっと満室続きの大盛況とくれば、全く何が
幸いするかわからないものである。装甲車が我が物顔で走り回った階段や廊下、砲撃戦で破壊された
ロビーなどの修復にはデルモ・コーポレーションからの補償金をあて、すっかり元通りの華やかさが
戻ったペロロンカ・ホテル。今、レセプション・カウンターに藍華やりおん、郷造、道草の姿が見えると
いうことは、これKKコーポレーション慰安旅行の仕切りなおしといったところだろうか。到着時間が
早かったせいで部屋のメイクアップが間に合わず各人思い思い小一時間を潰す羽目になったが、さすが
リゾート地だけあって退屈はしない。早速にプールサイドへ駆け出していったりおんと道草、自信満々
カジノフロアを覗きにいった郷造だが…その一方、藍華だけはロビーのソファでまったりくつろぐあたり
相変わらずマイペースの彼女らしい。現地発行のフリーペーパーに目をやりながら、あ、この店
安いカモ♪だけど、コピー商品くさいナーなどと入念なチェックをしているところで、ふと間近の気配を
感じる。ブランド物の次は当然グルメとばかり、あれこれご執心の彼女にはお邪魔な人影。なになに、
フルコース・ディナーが先着10名限定アーリーバード・サービスで@300円ですって!?ド派手な
広告に釘付けだった藍華が、それでも渋々顔を上げると…「あなたは…」眼前に立つすらりとした
シルエット。大きく肩口を露出させたゆったりシャツにエレガントなミニスカートの組み合わせ。一見
普通の女性という感じだが、あの赤茶色の髪に特徴ある濃い目の眉、凛々しい眼差しを湛えた端正な
顔立ちは…忘れもしない、ゴールデンデルモ「ビアンカ」その人である。

212超初心者:2004/10/28(木) 23:10
(2)
「久しぶりね、ミス藍華…」紛れもない美人だが少しキツ目の表情から発せられる言葉。
変わってないわねぇ、と思いながら藍華も穏やかな挨拶を返す。「ホント、久しぶり…。あなたも
バカンスで来たの?」「ええ、まあ…」
意味深な答えである。この期に及んでまだ何かやらかそうとするのか。それにしては、こんな人ごみの
ロビーで声をかけるなど随分な大胆不敵。そもそも、デルモたちは今や一般人として暮らしている筈。
やはり穿ち過ぎか…?いや、何れにせよ警戒解くにはまだチョイ早い、とりあえず余裕の笑みを
浮かべてみる藍華である。「で、私に何か御用かしら…?」
「あの…私の部屋に来てほしいの…」これはいきなりの直球ね。つまり何、まんまノコノコ出向いて
来い、と?何の説明も無しに?何考えてるの、このコは、もうっっ……が、藍華はこうも思う。
スーパーで偶然再会した件(小噺その2)がある。艦内で一度負傷した青デルモやヴァレリ共々4人で
癒しの時を持った件(小噺その6、その32)だってある。今更、復讐だの敵対だのということは
ないだろう、と。「わかったわ。でも今は時間がないの。夜じゃダメ?」「そうね。じゃ、10時に
1234号室へ来て。待ってるわ…」りおんたちとのディナー後、適当な口実を作り指定された部屋の
前へやってきた藍華。コホン…やはり一瞬は身構える。前回と違い、ピエールの誘惑に乗せられ
ヘベレケ状態などということはない。そりゃあこの度も折角のバカンスを満喫しようと、
スクリュー・ドライバーをガブ飲みしたことは認める。だが、元からデルモがいることが分かっていて
多少なり意識しない筈もない。一呼吸してからノックする。と、ガチャリ。ドアを開けたビアンカが
仏頂面のまま彼女を部屋の奥へ導き、大きなダブルベッドを指差すのである。「ここに寝て…」
或いはひょっとして、と脳裏の片隅に描いていた藍華が即座のリアクション。「ちょ、ちょっとお。
私、そっちの趣味はないわよ!この前だって、相手がイイ男だと思ったからあんな風に…」
早口な言い訳を遮るビアンカの一言はしかし決然の迫力あり。「みんな、出てきて!」

213超初心者:2004/10/28(木) 23:11
(3)
予め待機していたのだろう、隣室から6人の女たちが一斉に飛び出し、藍華を取り囲む。どれも見覚えの
ある顔、そうだ、このコたちあの時の黒デルモじゃない、と口に出そうした刹那。ビアンカの言葉が
先んじる。「この日を待ってたのよッ!」――
「どう…して…?」もうすっかり治ったんでしょ、あのコ。復讐なんてありえないんじゃ…?と
続けようとした時。7人の女たち、やにわに手を自分のシャツやブラウスに伸ばし、思い切り
捲し上げる。――バババババッ―― 
何よ、またデルモ・コスチュームに変身するつもり?あのデザイン嫌いじゃないけど、ここで私に
見せ付けて何の意味があるっていうの?素朴な疑問を抱きながら周囲を見渡しているが…
5秒…10秒…15秒…捲し上げたポーズのまま、シーン…静かな時間だけが過ぎていく。
「あの…」黙ったままもどうかと、口を開く藍華。ところが答えるビアンカの口調はここぞとばかりの
自信に満ちていた。「どう?私たちの胸。この前より大きくなったでしょっ♪」――
えぇ〜要はこれが目的…?元々ナイスバディな藍華にとって、つい「はあ〜??」と白けてみたくなる
ところだが、ぐっと呑み込み「え?ええ、素敵な胸ネ♪」と話を合わせる。確かに、ぶるんと弾ける
豊満な色白乳房はつんと上向きに発育し、淡い乳輪の中心には可憐な乳首が天をつくように
屹立している。夫々の童顔にはいかにも不釣合いなエロスの花満開。無論文句なしの美しさだが、
デルモたちはただこれを見せるためだけに、呼び出したのか…これまた一本気の、或いは思い込みの
激しい女だこと。あの青デルモの怪我から派生した復讐の炎もさもありなん…。
藍華とデルモたち…既に許せる間柄ではある。が、そんなビアンカの一途さに改めて思いを寄せる…
これも秋色の日々が導く所産…奇妙なレトリックとも言えるのであろうか…。
(お粗末〜^^;;;)

214副官:2004/10/29(金) 01:18
>>212
>大きなダブルベッドを指差すのである。「ここに寝て…」
あっ、やっぱり。

>>213
>隣室から6人の女たちが一斉に飛び出し、藍華を取り囲む。
しかも今回は乱交。

と、思いきや微笑ましいオチでした。
本編の「デルモ達が私服を捲る=乳首が見えるシーン」を
ほのぼの・ストーリーにして頂き、有難うございます。

215超初心者:2004/11/12(金) 20:59
小噺その69

2046年とは鬼才ウォン・○ーワイ監督の描くとおり、摩訶不思議な未来なのか?まあ、そういう
見方もあるだろう。が、他方そうでない部分もしっかりある。それは不易と流行が織り成す永遠の
スパイラル。不動の伝統もまた、いいものである。ここ神奈川県の某ホテルでは今日も賑々しく
結婚披露宴が執り行われていた、変哲ない定番スタイルそのままに。但し広々とした宴会場には、やけに
華やいだ雰囲気が満ち溢れている。それもその筈、列席者の多くは女性だらけ。正面奥に、新郎新婦と、
その両隣に媒酌人夫妻が座る高砂の席。周囲に大きな円卓がいくつも並び、主賓席だの家族席だの、
といった構成すこぶる一般的ではあるのだが、親族を除けばやはり男性の影は薄い。さて改めて高砂席を
注視してみれば、純白レースのウェディング・ドレスに身を包む主役は何と黒デルモ“くるみ”!――
横の新郎はありきたりの普通人っぽいが、媒酌をつとめる男で再び目が止まる。半ば照れながら
まんざらでもない様子で鎮座しているのが他ならぬガストだからである。かつてハーゲン艦内で
“くるみ”のお腹に当て身を食らわせ気絶させたガスト(小噺その64参照)。気を失った黒デルモの
身体を抱きとめながら、ふと彼女の行く末や幸せを思い、短い感慨に浸ったものである。それがまさか、
今日という日を迎えるとは…!無論ガストにとって不愉快になる話ではない、むしろ理屈ぬきに祝福
できる華燭の典。遠く、“くるみ”の母親がその目尻に涙浮かべるさまを目ざとく見つけると、彼も
保護者になった気分で感情が高ぶっていく。(あの大災害でキミもお父さんを亡くしたんだよなあ…
お母さんもさぞ苦労なさったろう。見てご覧、お母さん万感に胸つまらせて涙まで浮かべてるよ…
キミはこれからうんと親孝行しなきゃいけない。わかるよな!約束だぞ!!)自分の中で勝手に
盛り上がり、有り余る勢いのまま、隣の花嫁に肘を向ける。「…なあっ!」同意を求め軽く小突いた
つもりだった。が、――ドスッ「うッ!」女の柔らかな脇腹に深々めりこむエルボーの一撃。
全身の力が抜けテーブルに突っ伏そうとするところを慌てて抱きかかえるが、時既に遅く気絶している。
例によって苦悶のうちに目は閉じられ、口元も半開き。涎は垂れる、股間の方もなにやら生暖かい
モノが沁みだすような状況で、焦りまくるガストである。それでも汗だくで司会に耳打ちし、式次第の
強引な変更を迫る媒酌人。突然の番狂わせとはいえ、他に妙案がなければ是非もない。こういう時は、
心が全くこもってなくとも、平然と取り繕う司会のアナウンスは有難いものである。
「え〜、ここで新婦はお色直しに入られます。媒酌人のガスト様にお手伝いいただきます、皆様拍手で
お送りください…」ガストは軽〜く彼女を肩に担ぎ上げると、悠然たる足取りで出口へ向かう。実は心臓
バクバクものなのだが、表情だけは虚勢丸出しの作り笑い。即席の因果を含めた通り、司会の軽口が
フォローする。「また、新婦のたってのご希望で、皆様に可愛いパンティをお見せしながらお色直しに
向かわれます。心やさしいくるみ様に一層の拍手をお願い致しまァ〜すっ!」ドッと沸きあがる場内。
既に結構なアルコールが入っていたせいもあろう、“くるみ”が目をつぶっているのは恥じらいのため、
くらいにしか受け取らず、純白パンティに淡い沁みが浮かぶさまも気付く者はいない。
「くるみィ、やるゥ〜♪」「やはり、パンティはデルモの官給品に限りますね、これはハーゲン様の
御意志ですから」「しかし、今更パンモロなど生ぬるいのでは…」などなど、デルモたちの声が
無責任に飛び交う中、先ずは無事に退場完了。控え室に戻るや懸命に揺り起こそうとするガスト、優に
30分も渾身の努力を続けた後で漸くに、といったところだろうか…うっすらと女は目を開ける。
「…ぅ…あ、あたし…どうしちゃったの…?」「ご、ごめんな。ちょっと合図しようと
しただけなんだが、つ、つい…」「………」“くるみ”は黙って聞いている、微かな笑みを込めて――
その後、くい込みパンティを履き替えドレスも着替え、ガストと共に式場へ戻った新婦だが、厳密には
そこで15分の空白があった。いったい何が行われたのか、起きたのか…どうにも気にはなるがその真相
…知るのはやはり当Aikaファンだけ…ということにしておきたい。

216名無しさん:2004/11/24(水) 01:52
http://moe2.homelinux.net/src/200411/20041123899801.jpg
もえタン ロリロリ

217超初心者:2004/11/24(水) 20:34
>>216
あ、このコが青デルモ”もえ”さんでしたか^^;確かにひ弱そうで、おしとやかそうな「萌え」キャラですネ^^

218超初心者:2004/11/24(水) 20:36
小噺その70

デルモ・コーポレーションが教育事業まで手を広げるからといって、よもや大学まで設立すると
想像した者は少ないだろう。それも、ラグやホーリー・ファクス号のノウハウをベースとした
理工系学部だけかと言うと、答えはノー。広く人文社会経済までカバーする総合大学だというのだから、
中々のものである。もっとも、表向きの教員構成としてはヘッドハントした気鋭の学者たちを立て、
デルモたちは専ら学生の役回り。このあたりは一部の白デルモが大学の要職を占める構造と矛盾するかに
見えるが、付属幼稚園から高校まで持ち上がってきた後進の若手デルモたち大勢いることを
考えれば肯ける話。さても日々真面目に勉強する彼女たちだが、秋の大学祭だけは一転デルモらしい
キャピキャピの華やかさに突き進む。構内いっぱい、各サークルが主催する模擬店、音楽系会場、
各種展示などなど所狭しとひしめく中で、やはりイチオシに目を引くのはパンティ研究会のブース。
内容はデルモたちのパンティ展示という、何のひねりもない企画だがこれが結構な人気なのである。
教室の窓は全て厚いカーテンで閉ざされたうえ、照明器具にはカラフルなセロハンを巻きつけた、
安っぽくも怪しげな雰囲気…そんな中、机の上にはパンティの数々が整然と並ぶ、メチャ、キッチュな
空間が仕上がっている。しかもお目当てのパンティについていえば、デルモの官給品として新品時に
同一デザインで作られたものが、ぴっちりと履きこなすうち個々人の体型に合った変形や変色など、
使用者の個性を主張する百花繚乱。そのうえ展示品は自由に触れることができ、グループでやってきた
外人連中に至っては、もう頭にかぶったりするなど大はしゃぎである。
更に更に。部屋のコーナーではMCが声張り上げるノリノリのオークションが展開中。
黒山の人だかりから、うなぎ上りのオファーが連発され、驚異的な価格で次々落札されていく。
瞬く間に完売となるのは当然だが、実は内々にまだ何点かのストックがあり。
当掲示板の皆様限定で、後日マル秘ネット・オークションを行う予定があるとの事である。さぁてその
ハンマー・プライスとは……「せーの、ハウマッチ!!???」(って古ゥゥ〜っっっ!!)

219副官:2004/11/24(水) 21:17
入札!副官が今穿いているパンツに!!

>「せーの、ハウマッチ!!???」
巨泉の司会。
どうやって見つけてくるのか、海外のトンでもない商品がありました。
値段をズバリ当れば大カップ。或いは小カップを10個溜めれば世界一周旅行。
回答者の日本語が達者な米国人弁護士さん。名前は何といいましたっけ?

220超初心者:2004/11/24(水) 21:33
>>219
さすが副官様、一番札!
>米国人弁護士さん
 ケント・ギルバート氏デスね^^

221副官:2004/11/24(水) 21:55
超初心者様
お久し振りです。

>>220
早速に有難うございます。
そぅそぅ、ケントでした。
彼は弁護士の顔以外に「モルモン教宣教師」でもあり、
布教のため日本語の勉強をしたとか。
(ここまで書いてチョイ混乱してきました。
ケント・デリカットという回答者も居た様な気がするのですが・・・)

222超初心者:2004/11/27(土) 14:24
小噺その71

激闘の犬吠島決戦ではあった。けれども、最後に藍華たちがボートで島を離れる際は、穏やかな波間同様
まったりとした空気が流れていたように感じる。それは司令が潔い撤退の決断をしたから?自ら基地を
放棄し爆破したから?長きに亘った闘いに漸くの終止符がうたれたから…?確かにそれもある。だが
見落としてならないもう一点…司令とシヴィエ藍華が様々な思いを込めて見詰め合った後、両者が島を
去るまでの時間において…今ひとつのドラマを忘れるわけにはいかないために。即ち、待機する
デルモたちの方へ向き直った司令の、その後の挙動について触れざるを得ない、ということ。あの時
デルモたちへ指示を与えた直後、彼女は副官の制止も聞かずさっとエレベーターに飛び乗り崖下の
出口に現れると、倒れ伏す4人のゴールデン・デルモたちの側へ駆け寄った。そこにはまだ
シヴィエ藍華が立ち尽くしているというのに、である。超人的なパワーとスキルに圧倒され
4人散り散りに倒れる“ビアンカ”“サニア”“トニア”そして“リエ”…。司令はひとりひとり、優しく上体を
抱き起こし抑えきれない衝動のまま頬ずりまでするが、無論すぐに目覚めるわけもない。その間、
藍華がじっと司令の動きを見据える中で、片や彼女の視線などまるで気にしないかのように
立ち振る舞う司令。やがて、最後に倒された“ビアンカ”の介抱に一区切りをつけ、すっくと立ち上がった
司令が、シヴィエ藍華の至近で向かい合う。
「私を…好きにすればいいわ…覚悟は…できてる…」デルモゲニィ・トップとしての自負からか、
それとも脳裏に渦巻く激情の嵐ゆえか…女の目は潤んでいた。その凛とした立ち姿へゆっくりと…
歩み寄る藍華。間近にせり立つ二人のシルエットは白銀基地で司令の胸に銃を突きつけたあのシーンを
彷彿させる。その気になればメタルの触手を使うまでもなく、一撃でこの白デルモを地に這わせる
ことも出来るだろう。しかし。二人はじっと静止したまま。いや、厳密に言えば、司令は一瞬小さい
身震いをしたかも知れない。そのあたり、もう少し丁寧に見てみよう。司令の名誉を思い、それが
恐怖に基づく震えでないこと証明しつつ…。先ず最初のプロセスは、藍華の股間を覆うメタルの微細な
変化だった。目と目を交わす当人達が全く気付かぬうちに、藍華の下半身、秘所周辺から一本の
細長い糸状隆起が生まれ、ぐんぐんそれが伸びてゆく。ピアノ線のような形状のメタル糸はそのまま
司令の下肢へ到達すると、肌にぴったり張り付くパンティの裾を楽々すり抜け、神秘にして美麗なる
花園の扉を開ける。彼女に震えが走ったのはこの瞬間である。が、すぐにも元の平静に戻るのは
何故なのか…結論からいえば、それは擬似生命体たるメタルの気配り。…闘いは終わった。藍華の
気持ちとして、眼前の女へ手をあげるつもりなどさらさらなく。ならば、言葉でのやりとりということに
なるのだろうが、こんなオイシイ最後のクライマックスで口角泡飛ばす言い合いは似合わない。
さりとて、何の会話も持たなければ多くの誤解が積み残される。ああ、だから人間というものは不器用と
いうのだ。やはりここは、お前たち二人の間を私が取り持つしかないのか…と。ひとたびメタルが
しゃしゃりでれば、誤解も六回もない。短時間で光ファイバーを遥かに凌ぐ大容量の意志疎通が実現し、
一切無言であるにも拘わらず二人の表情雲一点なく晴れ上がってゆく。それは一方的な決め付けでなく。
善悪のステレオタイプでなく。勝ち組も負け組もなく。無論、このことによって二人の人格が根底から
変わるわけではない。司令の、決着への志が削がれるものでもない。だが意味はある。とても言葉で
表現し尽くせない、混沌と無限。その彼方、仄かにゆらめく小さな灯火を互いに確認できたのだから。
ちゃっかり司令の秘所深く、恥じらいの園を覗くメタルの役得はこの際大目に見てもいいだろう、
頭上には澄み切った青空が広がっている。終始細糸の存在に気付かず「藍華さん、何やってるんですか!
そんな女、ぶっ飛ばしちゃってくださいよー」と盛り上がるりおん、
「いや、顔は勘弁してやってくれ、藍華…」と注文をつけるガスト、「ま〜、早くしてほしいのよね、
こんなトコさっさとおさらばしたいし」と催促するメイピア、「藍華さぁん、僕、白デルモの服が
着たいんですけど〜」と相変わらずコスプレにご執心の道草…そしてこの場だけでない、崖の上、
包帯姿のデルモたちひとりひとりに至るまで…温かい日差しだけはいつもとまったく変わらない…
分け隔てなく、ただ平等にそのかけらを降り注ぐだけの昼下がりなのであった…。

223超初心者:2004/12/08(水) 20:59
小噺その72

絶滅寸前などと揶揄されながら、203X年時点でもシブトク生き残っている歌番組。といって、年末が
近づくにつれ大ホールでライブ中継を組むやり方は相変わらず芸がない。だが、今年は出演者の中で、
ひと際目をひくユニットが登場。そう、あのゴールデンデルモ・シスターズの二人である。キュートで
スタイリッシュな金色デルモ服に身を包み、軽やかなステップで歌い踊るサニアとトニアはこの年
ぶっちぎりの大ブレイク。加速度的に社会現象となった。中には、どうせイロ物だろう、と
冷ややかに見ていた者もいたが、ひとたびその伸びやかな声とパフォーマンスに触れるやすっかり
魅了され、一転追っかけの最前線に身を投じている。まあ、ルックスと実力を兼ね備えた彼女たちの
こと、人気は当然とも言えるところだが、実はもうひとつのヒット要因あり。それはパンティ。ステージ
いっぱいに飛びまわる激しい振り付けの副産物か、ぴったり張り付く布ごしに秘肉の形状がくっきりと
浮かび上がり、オーディエンスの目を釘付けにするのである。二人が意図的に見せているものではない
だけにかえって自然な健康美が際立ち、ファンはただただうっとりとするばかり。それでもこの種の
スペシャル番組につきもののお笑い系ピン芸人は、数少ない出演チャンスで自分を目立たせようとする
余り、無理栗に突っ込みを入れようとする。彼女たちがオープニングの一曲を終えたところで幕の裾から
勢いよく出てきたのは「ギター侍Ⅱ世」。これもリバイバルのノリなのだろう、父親ゆずりのネタその
まんま、ギターかき鳴らし声を張り上げる。「〜〜デ、ル、モ、と言えば、いつも真っ白〜いパンティだ
…っていうじゃな〜い?…でも、あんたのそのパンティ…洗濯してるとこ一度も見たこと
ありませんからああああっっ!!残念っっ!!」痛快にぶった斬ったつもりだった、有頂天な男の鼻先に
忽然と現れる、あるモノを見るまでは。ガリガリガリ――「ア痛ァァーッ!!」言わずと知れたトニアの
鉤爪だがリアクションはややオーバーか。台本にない失礼な物言いでご機嫌ナナメの彼女とはいえ、一応
手加減はするもの、これだって単なるかすり傷の筈である。それより大喜びなのが満場のファン。
この時代でも彼は余りに多くの有名人を斬りすぎていた、そのツケがここで一気にまわってきたに
違いない。「ト、ニ、ア!ト、ニ、ア!」たちまち最高潮に達する「もっとやれ」コール。背中を
押される格好となったゴールデン・デルモは困った顔をして「ごめんねえ、ギター侍Ⅱ世さん」と
丁寧な一言を発するが、満を持す両の手に心から申し訳ないという気持ちが宿っていたかは疑わしい。
ガリガリガリガリガリガリッ!!!同時にあがる男の絶叫、今度はオーバーでも何でもなく。そのまま
病院に運ばれた彼は全治1ヶ月の床につき、退院後は芸風も変えた。息子が産まれりゃ「ギター侍Ⅲ世」
くらいに仕込もうかと考えていた彼は、もっとオーソドックスな司会業に安全確実な道を見出したの
だろう。「せーの、どん!更に倍!おっと三択の女王に全員がたちましたね〜」…動機はともかく、
こんなところでも歴史は繰り返すものなのである…。

224超初心者:2004/12/22(水) 22:34
小噺その73
(1)
一年なんて本当に早いものである。去年の12月14日、順調なサルベージ作業によって移設復元なった
泉岳寺に集まり、大石内蔵助の墓前で決然の志をたてようとしていたデルモたち(小噺その62参照)。
その時は大混雑の人並みに圧倒され彼女たちの目的も果たせなかったが、一年たって再びやってくるとは
司令も律儀というべきか。
「今日はみんなの誓いを胸に秘め、墓前には長く立ち止まらないようにしましょう…」
多少とも前回の学習効果があったとみえ、このたびはやけに人の流れに従順である。もうもうと
立ち込める線香の煙、その中を40名ものミニスカ美女軍団が二列縦隊で粛々進むミスマッチ。
そうやって義士たちの小さな墓石群を抜けていく序盤は順調だったが、直後予期せぬアクシデントが
発生する。それは参拝者に混じり無邪気に遊ぶ子供たちの群れ…縁日がたつ境内では当たり前の
光景だが、何をしでかすかわからないのもチビッコ・ギャングの常といえ。いつのまにか、十数人の
幼稚園男児女児たちがデルモたちの行列左右にぱらぱらと張り付きキッと睨みつけるのである。見れば
可愛らしい夫々の手にカラフルな水鉄砲を握り締め。一体何故に?と訝る間もなく一人の男の子が
口火を切る。「おねえさんたち悪い人でしょ?悪い人はボクたちが許さないぞ〜!」彼らが屋台で
おもちゃを買ってもらったことはわかるが、この切り口上はなんだろう。どこからそんな決め付けが
生まれるか。直接の原因はまず水鉄砲の説明書にありそうである。

225超初心者:2004/12/22(水) 22:35
(2)
「つかいかた…ず(挿絵つき)のようなふくをきてパンツがみえている女のひとは、せかいせいふくを
たくらんでいる。このラグ銃(じゅう)でやっつけよう!」こんな安物の玩具にはおよそ似つかわしく
ない…そう、多くの子供をターゲットとする商品にあるまじき独断と偏見の羅列なのだが、何事によらず
素直な園児はすんなりと受け入れる。けれども尚残る疑問。デルモの登場に合わせ、余りにタイムリー
過ぎないか?とは思うもの。答えはある男が握っていた。件の品物を置いていた露店に立つ彼は、
焼きそばやたこ焼の屋台にいるアンちゃんとはかなり毛色が異なる雰囲気。何というか、まるで
商売っ気がないのである。五百円以上するお面などは放っておき、実に十円というタダ同然の価格設定を
したあの水鉄砲だけを熱心に売り込むのだから。しかも屋台の裏手にこっそり置かれた手提げ袋の
中には、例の怪しげな文章踊るシールが束になって積まれている。それが本来の商品説明書の上から
ぺったり貼り付ける用途であるのも間違いない!ここまでいくと裏の狙いがぷんぷんとしてくるが、
ひとまず子供たちの現況に目を戻そう。「な、何??どういうこと???」
ざわつく女たちの中で真っ先に声をあげるのが黒デルモ“めぐみ”。白銀基地での廊下では友達の
“ひろみ”が藍華の麻酔銃で昏倒し錯乱狼狽していた黒デルモ、今回もほぼ同じ反応というのが
情けない。更に、動揺する黒・青・ピンクたちを静めなければならない白デルモまでが
「い、いやああああっっ!!」と身じろぎするニナ・エスコの絶叫で総崩れになる。そのまま勢いにのる
子供たちが一斉に銃を構える標的はデルモたちのパンティこれ一点。

226超初心者:2004/12/22(水) 22:37
(3)
「えい!ラグ・ビーム!!」――ピシャアアアアッ!!!「キャアアアアアアッッッ!!!!!」
「いやあああああんん!!!」「やめてええええ!」手で隠そうにも四方八方から降りかかる放水で
瞬く間にパンティはぐっしょり。もともと股間にむっちり食い込む薄手のパンティ、それがスケスケと
なればもう秘肉の形状、桃色の花園に至るまで余すところ無くまる見えである。
恥じらいで顔を真っ赤にしながら大混乱に陥るデルモたち。慌てて転倒して、パンモロ+可愛いお臍が
のぞく者も多数おり目のやり場には困るのなんの。基本的に年配が多いギャラリーだが「おぉ〜」
というどよめきに混じって「ン十年ぶりに元気になってきたぞう」との雄たけびも上がる。
さてこのどさくさに紛れる者ありといえばピンとくるのがさっきの男。予め配備しておいたのだろう、
数名のADらしき女たちに超小型ビデオカメラを持たせローアングルでの撮影をバッチリものに
している。タネを明かせば彼は某局のプロデューサー。トニアとサニアが局舎をぶっ潰した、あの時の
当事者である(小噺その33参照)。あれ以来、デルモ・スクープ映像に血道をあげるようになった
彼は、デルモたちがここへ参拝するとの情報を嗅ぎつけ、先回りし張り込んでいたのだった。これで
背景一式が解明されたわけだが、当のデルモたちはそれどころでない。日頃のパンチラ状態は全く
気にしないくせに、一旦「見られる」という意識が臨界に達すると収拾がつかないほどのパニックに
突入する。全員ほうほうの態で山門の外までたどり着いた女たち。結果だけで見れば昨年と全く同じ
展開である。大きく肩で息をするデルモたちの中で、それでも司令だけは最低限の体面を保っていた。
「今回は不測の事態でした。これでは誓いをたてたことになりませんわね…また来年、あらためて
来ることにしましょう」取り乱す仲間を落ち着かせ労わる、気配りの言葉。そして最後に…お嬢様司令
らしく、付け加える一言も決まりなのである――「それより、新しい喫茶店がこの近くに出来たそうよ。
皆さん、そこでゆっくりと紅茶でもいかが…?」(Fin〜^^;)

227名無しさん:2004/12/23(木) 02:21
超初心者様、大変良かったです。
クリスマス小噺をリクエストして宜しいでしょうか?

228超初心者:2004/12/23(木) 10:40
>クリスマス小噺
例によっての駄文デスが、小噺その61を御覧クダサイ^^;;;

229超初心者:2004/12/26(日) 12:35
小噺その74

イブに向けて意地になる程盛り上がるクリスマスも、ひとたび当日が過ぎればまったりとした街の空気。
勿論、ぴたり腕を組むカップルがあちこちを闊歩する光景は例年の副産物である。片や街頭で売られる
ケーキは日毎にダンピングされ、本日は定価の20%まで下落。それでも買い手がついてくれれば
大OKの店側にとって、一挙3箱も買ってくれる人物は極めて上客に違いない。
有難うございましたぁ〜、の声を背に歩き出すのは赤いスーツにビスチェ姿の藍華。向かう先は
会社である。仕事命の彼女は今日もひとり休日出勤。買い込んだケーキはきょうのおやつに一切れ、
残りは冷蔵庫に入れて翌日からの社内お茶だしに利用、と考えている。(どうせこんなケーキ随分前から
作り置きしてあるんだから…冷蔵庫に入れておけば軽く一週間はもつわ。ふふ、こういうのを賢い
買物っていうのよね…)社の経費までテキパキとはじき出し内心ニンマリ。すれ違うアツアツカップル達
などまるで眼中にない。そのままKKコーポレーションまでやってきた彼女は軽快な仕草で入口の
ドア・ロックにキーをさす…が…。「…?」鍵が開いている…!?出るとき閉め忘れたかしら、いや、
昨日はりおんが一緒だったから彼女が閉めてくれてたわね…ということは…いやだ泥棒!?こんな
時期にィ?…クリスマスが終わって間もないというのに罰当たりな連中だ、軽〜くコテンパンに
してやるから、と一気にボルテージがあがる。もっとも、特A級サルベイジャーの彼女だけに、表面上は
冷静沈着な行動。そっとドアを開けると、物音たてずするりと室内へ。睨んだとおり奥の部屋からは
複数の気配が感じられる。僅かに開いたドアの隙間から中を覗うと…見えるのはサンタの衣裳を着込んだ
人影が十人ほど、ごそごそ部屋の中を探し回っている様子。また、外には洩れないとタカを
くくっているためだろう、時折いくつかの声も洩れてくる。「…ないわねえ、あのビスチェ」
「もう一度よく探そ。あれさえ手に入りゃ、もうあの女なんかこわくないんだから…」「にしても
あゆみ、よく思いついたね、この格好」「えへ。今日くらいまではサンタの格好してても、ケーキの
売り子やイベントコンパニオンが事務所に戻ってくる風に見れるからね。怪しまれずに侵入出来るって
ワケ♪」――全員、サンタ服の下はすらりと伸びた長い脚。床に手をつき机の下を探っている者は
お尻突き出しのポーズから純白のパンティまで丸見えである。更に、サンタ服の下からは黒いスカートの
裾がのぞく…これだけ材料が揃えばもう充分だろう。(は…は〜ん)藍華はケーキを脇へ置くと、ドアに
張り付いて身構える。ホント、懲りない黒デルモのコたち…どうしてくれようかしら…
さて次の展開はその実未知数。Aikaファンの皆様なら、どれを望まれるだろうか…?
(A)十人全員打ち倒し気絶させ、目覚めたあとケーキとお茶を与えながら、さんざん説教して基地へ帰す。
(B)メタルの触手で弄んだあと、ケーキとお茶を与えながらさんざん説教して基地へ帰す。
(C)力を振るうことなく言葉だけで牽制する。そのあとケーキとお茶を与えながらさんざん説教して基地へ帰す。


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