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長編SS投下用スレッド

99『ひとり』:2013/08/14(水) 03:31:23
珍しい来客があり、私は対応に出たのです。あまり好ましい来客だとは言えませんでしたが。
客人にお茶を差し出し、私は衝撃的な事実を幾つか知る事になったのです。曰く。
佐々木さんがストーカー行為の被害者となり、窮地へ追い込まれてしまった話。
そして。涼宮さんの能力の喪失による機関の解散。キョンさんが涼宮さんを完全に見放した話。
幾つかの事実を知るにつれて、私は疑問を抱いたのです。
涼宮さんの能力喪失はともかくとして、形がどうあれ佐々木さんとキョンさんが結ばれたとあれば、能力は佐々木さんに移っていてもおかしくはない。
だけど、そのような事実はない。
まだ私に超常的な能力があるとするならば、私にそれを感じる事ができるはず。
それすら感じないという事は。二人がそれを望まないとなる仮説も考えられるのです。
私の場合、キョンさんや涼宮さんはどうでもいいのですが、佐々木さんが心配になるのです。
彼女は理性的だ、と言われていますが、理性的であるというよりは…全てに対する諦念。
期待するより諦めたほうがマシ。そう考える奥ゆかしい女性であり、そこが私にとっても一番好ましい所なのですが…
……何故にそんな冷たい目をするのです?森さん。
「…性癖は自由だけど、度が過ぎるなら引くわ。」
「失礼な方なのです。」
鏡で自分の姿を見てみろ、と言い残して去りゆく森さん。その背中に私は問い掛けました。
「何故この情報を私に?」
森さんは、ゆっくり振り返ると私に言ったのです。
「あの子への情けといえるのかしらね。」
話を聞いてどうやるかは、あんた次第だけど。そう皮肉も込めて。

そんなもん、決まっているのですよ。

佐々木さんとキョンさんが本当に結ばれたなら、佐々木さんは能力を得るはずなのです。
となれば、私もまた佐々木さんと一緒に居られるのですよ!地下から這い出て、佐々木さんを救うは今なのです!
天命、我にあり!選ばれし者の恍惚と不安、二つながら我にあり!
喜び勇んで転入手続きをし、早速転入…………確か、あの高校って無茶苦茶レベル高かったような…………
……すみません、後方支援に勤めざるを得ないのですよ、佐々木さん……

続く。


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