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汎用記述スレッド3

88言理の妖精語りて曰く、:2018/12/04(火) 08:00:35
史上最初の脱獄犯と、神出鬼没の怪盗。
その2人を相手して修繕可能な被害のみを受けたというのは、確かに号外にするべきニュースだ。
皆浮かれていた。だから気づかなかったのだろう。

スターシュとナインスチームは、未だ激突していないことに。

89言理の妖精語りて曰く、:2018/12/06(木) 21:29:37
「ようナインスチーム。満身創痍だな。素人のガリバー相手に随分と、てこずったか?」スターシュの嘲りの声が降る。
「……」
「無視か。せっかくの再会の感動が台無しだな。こんなときに、あのベルディーラならなんて言うだろうな」
「……」
「『セーフハウスがある』だったか? 確かにそりゃセーフハウスだよなあ。エンドケージは安心安全な牢獄だもんな! 騙される奴が間抜けだ!」
「……死にたいのか」
「そんな、三下みたいな言葉を吐くなよ。アタシの狙撃銃の機嫌が悪くなるぜ?」
「……」
「スチームキューブ……破壊に使うだけなら3個あればエンドミットは粉々だ……なぜわざわざこんな死地に飛び込むような計画に乗った?」
「……」
「当ててやろうか。アンタは、創造したかったんだ。破壊じゃなくて、な」
「……」
「死んだ娘のために、スチームキューブ掻き集め、ありえぬ奇跡を乞い願う。ロマンチストここに極まれりだな」

90言理の妖精語りて曰く、:2018/12/08(土) 10:08:03
「……貴様には関係の無いことだ」
「否定はしないんだな」
「……」
「でもまあ分かるよ。アタシも、スチームキューブで猫の国に行こうとするロマンチストだからな」
「……」
「じゃあそろそろ無駄話はやめて、戦闘といこうか!」
 スターシュの台詞に、
「……貴様の位置は音響から逆算してバレている。俺がいくら満身創痍でも、貴様の頭を握りつぶすことくらいはできる」
 ナインスチームは返すが、
「それはどうかな?」
 スターシュは自信たっぷりに、言い放った。

91言理の妖精語りて曰く、:2018/12/16(日) 15:59:46
Gyugoo航空ドックの遥か下、建造中の新規ドックに、二人は居た。

狙いをつけて降る蒸気狙撃砲の雨弾の中を、蒸気ジェットを使ってナインスチームは駆ける。
柱の影にいるスターシュに向かい、最短距離で、頭部を砕くために。
だが。

「……蒸気ラジカセ?」

「そう。声は囮だ。……頭は蒸気か? ナインスチーム。このくらいは想定していると思ったが、な」

まさに『鳥かご』の中に誘導された鳥。ナインスチームの理解は、おおむね正しい。
いかに難攻不落の強化外骨格といえども、
狙われやすい場所に誘い込まれ、リモートで動作する蒸気狙撃砲の全砲門を向けられれば防ぎきれるものではない。

万事休す。とは猫の国の諺だったか。ナインスチームの周囲に赤い照準光がシュシュッと収束していく。
ナインスチームが最も遠いと思っていた、死の影がチラつく。

92言理の妖精語りて曰く、:2018/12/16(日) 16:13:18
「やあやあ。ベルディーラだ!」
「ガリバーもいるよ!」

「てめえら何しに出てきやがった!」スターシュの怒りはもっともだったが、
「ガリバー君が予言したラース・オブ・ピタゴを防ぎに来たンだ。怪盗ハックルバックがナインスチームに介入してくる前に、な。
 スチームキューブは、スターシュが持つ1つ。ナインスチームが持つ1つ。ガリバーが持つ1つ。
 そして怪盗ハックルバックがもしかすると1つ持っている可能性がある。つまり3個が揃う条件は満たしている」
「そして、もうすぐエンドミットが終わってしまうと聞いて、紀察が来ないわけにはいかないだろう?」

93言理の妖精語りて曰く、:2018/12/16(日) 16:17:44
鳥かごから抜け出し、なんとか命拾いしたナインスチームは、己の首筋に手を当て、階差機関の歯車の数を確認する。その瞬間。

「……ハハ、アハハアハハハハ!!」

ナインスチームは甲高い声で、発狂したように笑い始めた。

怪盗ハックルバックは、エンドミットの何処にでも現れる。なぜならその本体は、階差機関をバグらせる歯車そのものなのだから。
ナインスチームの身体の主導権を得て、怪盗ハックルバックはただ、スターシュの持つスチームキューブだけを見ていた。

「ボクの狙いが、ラース・オブ・ピタゴにあること。バレてしまいましたか。では仕方がないですね。死ね」

スターシュの制御下にあった、全ての蒸気狙撃砲が、ハックルバックに掌握される。

94言理の妖精語りて曰く、:2018/12/21(金) 20:08:58
「終わりだ!」

だが、その蒸気狙撃砲による攻撃は全て迎撃される。

「スタンドアローン・蒸気防衛システム? スターシュ! 貴様がなぜそれを!」

「上の階のGyugoo技術長アーサー・ルクヒ殿が、ポンと貸してくれたよ。第三勢力は敵の敵。つまり味方だってな」
「あり得ない! 私の計算では96%の確率で交渉は失敗すると……」
「なら4%のババ引いたんだろ。爺さん笑ってたぞ」

スターシュはもうナインスチームのほうを向いていない。
怪盗ハックルバックとかいう雑魚を認識する必要を、感じていない。

「面倒くさいが演技(や)るか……目を覚まして!『お父さん』!」

95言理の妖精語りて曰く、:2018/12/21(金) 20:17:55
夢を見ていた。7つのスチームキューブが集まり、失った娘が帰ってくる夢を。そのためには何でもしてきた。何でも捨ててきた。

「目を覚まして!『お父さん』!」 

スターシュの声に、脳ではなく、身体が反応する。目を覚ませと、娘に言われた気がした。
手が動く。なら、くだらない階差機関ハッキングなど、自力でレジストすればいい。

「バカな……」
「バカなのはテメェだ、ハックルバック」スターシュは言う。

子を思う親の気持ちは、蒸気の多寡で測れるものではない。たとえ、その子がもう死んでいたとしても。なおさらに。

ガキッ。階差機関から歯車が抜ける。

96言理の妖精語りて曰く、:2018/12/27(木) 08:22:38
「ほい。ハックルバック捕獲完了っと」
ベルディーラは抜け落ちた歯車を網でひょいと袋に回収する。

「スターシュ、大丈夫?」
そしてガリバーがスターシュに駆け寄る。
階差機関脳ではなく、ハッキングされ得ない生身の人間の登場に、スターシュは少しだけ安堵したようだった。

「大丈夫に決まってるだろ。このアタシは天才なんだからな!」
「でも驚いたよ。スターシュがナインスチームの娘だったなんて」
「はぁ!? あれは演技! ちょっとカマかけたら大当たりだったからそういう演技をしただけ!」
「じゃあスターシュはどこで生まれたの?」
「それは……覚えてないけど。とにかくアタシはナインスチームの娘とかじゃあーりーまーせーんー!」

97言理の妖精語りて曰く、:2018/12/27(木) 08:37:43
言い合いを続けるガリバーとスターシュの注意を引くために、ベルディーラが靴を鳴らす。
振り向いた二人に向け、低い声で言うベルディ―ラ。

「スチームキューブ……その秘密を君たちに少しだけ明かそう。スチームキューブは、ただ高圧蒸気を詰めただけの箱ではない。
 自我を持ち、記憶を持ち、計算能力を持ち、周囲の蒸気を利用しての、記憶の再生能力【スチームリプレイ】までをも持つ」

「ナインスチームの娘が、スチームキューブの周囲で死んだという仮説が事実なら、そのスチームキューブは
 ナインスチームの娘の外見を、行動を、記憶を読み取っていたかもしれない……」

「そういう意味では、スチームキューブをかき集めようとしたナインスチームの行動に、間違いがあったとまでは言えない」

「それじゃあ、スターシュは本当に……?」
「そんなことがあるわけが無いだろ!」

98言理の妖精語りて曰く、:2018/12/27(木) 08:51:53
蒸気狙撃砲から立ち上る蒸気が、スターシュの身体を優しく包み込む。

「アタシは……天涯孤独で……ずっと一人で……生きて……」
「スターシュ? 泣いているの?」
「な、泣くわけねーだろ!! アタシは蒸気機械なんだぞ!」

必死で否定するスターシュ。だがそこで。

「あ!」
「どうした少年」ベルディーラが問うと。
「ナインスチームが居ない!」ガリバーが応える。

「なに!? 階差機関に欠損がある状態で逃走!? そんな曲芸みたいな真似できるはずが……」
「今の話、聞かれちゃったんじゃないですか?」
「あちゃー。しまった。先にナインスチームを捕縛しとくんだった……」

99言理の妖精語りて曰く、:2018/12/27(木) 08:54:00
「アタシは……泣いてなんかいない……あんな奴が父親のはずが……」

動揺するスターシュは、ガリバーに手を握られて、正気に戻る。

「大丈夫。もう終わったから。蒸気フライパンで卵焼きを作って食べよう! あ、いや、合成オイルの蒸留酒にしとけば良かったかな?」

何の取り柄もない五級市民だったはずのジャンク漁りのガリバーが、少しだけ男前になっていることに気付いて、スターシュは思わず手を振りほどいた。

「ご、ごめん」
「いや、いいんだ。恋に落ちるにはまだ早いと思っただけだ」
「え?」
「なんでもねーよ。じゃあ、またな!」

Gyugoo社襲撃事件は、こうしてハックルバック逮捕、ナインスチーム逃亡で幕を引いたのだった。

100言理の妖精語りて曰く、:2019/01/06(日) 17:42:01
【キリ番】というシステムが機能していた時代があった。古き良き時代。神話の時代での話だ。

101言理の妖精語りて曰く、:2019/01/07(月) 22:37:03
【キリ番】を得たものには、絶大な富と栄誉が与えられたという話もあるが、詳しいことは分かっていない。
全ては、遠い神々の黄金時代のこと。
過ぎ去ってしまった話だ。

だが「数の節目」を祝う習慣は、今も密かに生き続けている。
多くの者に観られること、慕われること、あるいは単に補足されること。
そうした様々な数が「節目」に到達するたび、今日もどこかで祝いの声が上がるのだ。

102言理の妖精語りて曰く、:2019/01/15(火) 21:39:05
103ゲットロボだよ
いつでも103を狙うすごいやつだよ

103言理の妖精語りて曰く、:2019/01/27(日) 22:26:43
『Invade本部に探査権限を要請します。』

漆黒の狩人が、無機質な音声を鳴らす。
それは路地裏に潜む男にとって死刑宣告に等しかった。
例えば町の設備、流行りの玩具、一般市民の改造義肢…
この街を構成する殆どには、Invade社の提供する蒸気機関網が搭載されていて、これからその全てが男を追跡するという、簡潔な宣告。

どこに行こうと逃げられない。

何度も、何度も叩き付けられたこの上なく簡潔な答え。
その答えを認めないためだけに男は脱走を繰り返している。

人影が近づく。男は痛みの引かない脚で懸命に駆け出した。
どこかにあるはずの安全地帯を、あるいはヒーローを探すため。
微かな希望を抱き続けて、願い続けて―――


『検体No.103を捕獲しました。』
それでもその願いは叶わないのだと、合成音声が無機質に告げた。

「……もういい加減逃がしてくれよ。」
それは、いついかなる時でも任務を遂行する。
「俺が何をしたってんだよ……!」
それは、過程、目的を問わず任務を遂行する。
Invade社がたった一つの任務のためだけに創り上げた、最強の狩人。完全な牢獄。


その機体の名は、"103ゲットロボ"。

104言理の妖精語りて曰く、:2019/01/30(水) 09:42:15
【G.R.I.M】
蒸気航空のGyugoo、蒸気タービンのRingdoom、蒸気通信網のInvade、蒸気パーツのMechTech
から成るエンドミット四大企業の通称。

105言理の妖精語りて曰く、:2019/02/06(水) 21:54:06
メックテック社はガリバーの様子を注視していた。
なぜならスチームキューブによるネコネコモードは、メックテックの目標である巨大蒸気外骨格兵器そのものだからだ。

ガリバーは大金を得てもジャンク漁りのままだったので、そしてネコネコモードを出し惜しみしなかったので、
メックテック社はガリバーを誘拐するより泳がせて観察するという決断をした。

リリーという可憐な少女がガリバーの元に現れ、毎日絵日記を付け始めても、誰も疑問を抱く者は居なかった。

106言理の妖精語りて曰く、:2019/02/07(木) 22:38:15
四大企業は日夜産業スパイを送り合う程度には仲が良い…リリーもその中の一人だった。
だったと過去形なのは、彼女は"失敗"して企業秘密ごと数年の記憶を消されたからだ。
しかし【G.R.I.M】の産業スパイたるもの、記憶をなくす程度で情報収集を諦める事はない。
上層部でそれは疑問の余地が無い公然の事実であったし…その成果である絵日記が争奪の対象になるであろう事も予想に難くなかった。

107言理の妖精語りて曰く、:2019/02/07(木) 23:16:52
絵日記の内容はMechTech社以外には利用価値が薄い。だから放置しても問題はないだろう。

そう言って俺はもう一度上層部を説得したが、有給が帰ってくる事は無かった。
「気が滅入る…」
本来なら今頃高級ななんかを口にしつつ、優雅な休日を過ごしていたはずだ。
ここ最近は仕事が多い。収入こそ高くなったが、それを使う時間は日に日に削れていた。
「大体なんだよ今回の仕事。何年先の出来事の牽制って、考えすぎだろうが死ね」
思うほどに腹立たしい。復讐だ。上層部に有給を奪われた悲しみは、奪うほかに癒せやしないだろう。

時刻は三日後、場所はInvade社、そして獲物は検体No.103。
俺ことハックルバックは、偉大なる計画を立て始めた。

108言理の妖精語りて曰く、:2019/04/10(水) 22:05:26
最初のうち、リリーはガリバーを御しやすいガキだと観ていた。

それは蒸気崩れに巻き込まれたジャンクジャンキー(蒸気異常愛者)カッツ・イー・アルテグラを助けるために、
ガリバーが太い鉄骨を力強く持ち上げたときもそうだったし、
新しい絵日記帳と色鉛筆を渡されたときも、蒸気フライパンで作られた卵焼きにケチャップを掛けて二人で分け合ったときもそうだった。

「またスターシュに会えるかなあ」

その台詞にチクリとしたものを感じても、リリーは全てを気のせいにしていた。リリーはプロのスパイなのだ。

その冷静さは、後日メックテック社長、カッツ・イー・アルテグラが、菓子折りを持って現れるまで続いた。

109言理の妖精語りて曰く、:2019/04/10(水) 22:22:30
カッツは蒸気崩れに巻き込まれたフリをしようとして、実際に蒸気崩れに巻き込まれたのだ。
メックテック社長としてはあまりにも愚かな行動!
だが、おかげで絵日記でしか知れなかったガリバーのネコネコモードを間近で見ることが出来た!

カッツは腕と脚を蒸気機関に変えていたが、上等な服と肌色のラバーでそれを隠していた。

「君には命を助けてもらった。そのお礼がお菓子ですまないが、食べてくれ」
「ジャンク漁りにとって、お菓子は貴重です。ありがとうございます」

リリーは何やってるの社長!!と叫び出したい。だがプロのスパイは動じない。

リリーはガリバーの服の裾を引っ張り、潤んだ瞳でガリバーを見上げる。もはや完全な妹キャラである。

110言理の妖精語りて曰く、:2019/04/10(水) 22:38:50
妹キャラのリリーに、ガリバーは困ったなという顔をする。

そして、一つの可能性に思い至る。もしかしたら、リリーは蒸気饅頭が嫌いなのかもしれない。ひょっとして小麦アレルギーがあるのかも。

「ええと……やっぱり何か別のものはありませんか?」
「たっぷり餡の入った蒸気饅頭だが……不満かね」

『お菓子より、知識』
死ぬ前におばあちゃんが言っていた諺を、ガリバーは唐突に思い出した。

「学校?に入学?っていうやつじゃダメですか? おばあちゃんに、学校?はいいものだって聞いたんですが……」
「ふむ。よろしい。構わないよ」
「できたらリリーも一緒に……無理ですか?」
「奇遇だね。私も君とリリーは良いクラスメイトになれると思っていた」

そうして、ガリバーは学校に通い始めることになる。

111言理の妖精語りて曰く、:2019/04/16(火) 20:00:23
かつて魔眼使いにとって世界は波であり、錬金術師にとって世界は粒であり、その二つは決して交わらない考え方だと思われていた
また、魔眼使いにとって天地の理は視線の数だけあるものであったのに対して、錬金術師にとって天地は等しく一つの理によって統べられているものであった

そうした時代も、今や過ぎ去った

112言理の妖精語りて曰く、:2019/04/18(木) 08:12:24
表向き、呪術師が死に絶えて何世紀か経っていた。
エンドミットは滅びるはずだった。だが、そうはならなかった。

機械の魔女が残したという、スチームパンクという呪術。
蒸気タービンは蒸気圧を生み出し、全身の蒸気機械が、歯車が噛み合い、回転する。
脳でさえも階差機関に置き換わり、全てが代替可能な世界。

ならば、自己同一性(アイデンティティ)は、魂は何処にあるのか。

テセウスの船。

ナインスチームは一瞬だけそんなことを考えながら、暗い倉庫の奥底で目を覚ました。

113言理の妖精語りて曰く、:2019/04/18(木) 08:37:07
倉庫に似せたセーフハウス。全身の蒸気機械には幸いにも予備があった。

だが致命的な問題として、16個の歯車から成る階差機関の1個が欠損している。思考がまとまらない。
当面の問題として、これを直す必要があった。だが。

「スチームキューブ強奪計画は失敗。メックテック社からの物資の援助は……もはや期待できないか」

階差機関は脳の代替、不死の象徴だ。
その製造方法は謎に包まれていて、単なる歯車では代替できなかった。
ハックルバックなら何か知っているだろうが、先ほどの戦闘で俺の体を乗っ取った相手だ。今後、敵対することはあっても協力はできない。

「状況は悪いな」

ため息をつくと、倉庫の扉がガラガラと開かれる。

「ハァイ! ナインスチーム! ベルディーラだよ! あんたの妻が助けに来たよ!」

今は離婚していて、元、妻だろうが。そう毒づくと、ナインスチームは意識を失った。

114言理の妖精語りて曰く、:2019/04/19(金) 06:02:14
「エウリダ」とは古代文明の名であり、それは海底に都市を築いた「水の文明」であったといわれている
エウリダの人々、エウリディアンは「聞こえぬほど高い音」や「聞こえぬほど低い音」を用いて、イルカやクジラと言葉を交わすことが出来たのだという

115言理の妖精語りて曰く、:2019/04/21(日) 11:07:41
イルカはかつて見た光景を一言で話す。クジラは歴史を一言で話す。

116言理の妖精語りて曰く、:2019/04/24(水) 21:43:51
クジラはその蓄積した情報量故に海の図書館と呼ばれる。
だが、史実はあまり人気が無く、フィクションの歴史のほうが人気が高い。

117言理の妖精語りて曰く、:2019/04/25(木) 12:49:34
エウリダは長い時をかけクジラから数多の歴史を学んだが、文明の滅びは避けられなかった。
「エウリディアンを思い出せ」とは、人間は歴史から何も学べないということを皮肉った言い回しである。

118言理の妖精語りて曰く、:2019/04/25(木) 13:00:25
「で、矯正歯車と幸福歯車、どっちがいい?」

紀察ベルディーラの問いかけは、階差機関の本質を抉るものだった。
脳の代わりとなる機械。そんなものがあるとすれば――実際あるわけだが――犯罪者のみならず、一般人の洗脳など容易いではないか。
エンドミットの繁栄はその事実に目をつむってもたらされてきた。人の思考すら、部品となる文明。コピーのコピー。

なるほど、確かにエンドミットの始祖は、機械の魔女らしい。

「どちらもごめんだ。尊厳死を選ぶ権利を――」
「そんなものはないんだよナインスチーム。脱獄、強襲、で、今度は何だ? 紀察は決定を下した。選べるのは、矯正歯車か、幸福歯車か、だ」

119言理の妖精語りて曰く、:2019/04/28(日) 09:59:50
2つの歯車をかみ合わせるとき、設計する時には鉄の掟があってな。
2つの歯車は数学的に必ず互いに素、最大公約数が1でなければならない。
こうすれば全体の運動は均一で使用していくたびに最適化され、すべらかに回る。
そうでない歯車も動かない事は無いが……極端に磨耗が進み直ぐに壊れる。
1つの体に1つの思考、1つの心に1つの魂が自然な形よ。
肉と血を電気を、鉄と油と歯車に取り替える
公約数はエンドミットに既にあるが……
人生には割り切れないことが数多ある……
理不尽を割り切って無理矢理納得出来るのは
いいとこ1つだけと言うことなのかもしれんな。
それ以上は心と思考を病むと言う事か。
例え体を鋼に置き換えようともそれは変わりはせんのかもしれん。

Gyugoo航空社技術長、アーサー・ルクヒの回顧録。

120言理の妖精語りて曰く、:2019/05/29(水) 07:12:57
※この映画には、刺激的な情報が含まれます

202×年、ソーシャルゲームのマイクロトランザクション、いわゆる”ガチャ”は政府によって管理されるギャンブルとなった
財政難のため、もはやすべての国民に平等に福祉を保証できなくなった政府は、その事実をごまかすために福祉制度全体を改変したのだ

”福祉ガチャ”の誕生である

202×年の日本では、不運なものに生存権は無い
飛び抜けた資産家でもないかぎり、あるいは闇市場で臓器などの身体を売り払わないかぎり、生活のために必要な最低限の配給や医療・教育サービスなどは"福祉ガチャ"で当てなければ手に入らないからだ

政府に公認された唯一のコミュニケーション・サイト――――――――アルセス・オンライン
そこに満ち溢れる公式アバター”妖精コルセスカ"さえも、政府からは自由ではない
むしろ、"彼女"は政府によって設置された国民監視装置なのである

そんなディストピアな世界である日、ハッカーの少年は、サイバー・アームの違法な制御プログラムを手に入れた
その名は"ルウテト"

それは、政府に管理された水槽のようなWEBを自由に泳ぎ回れる大海へと変えることが出来る電子の女神だった
とっくに死んだはずの"古代WEB"からの情報の掘り出し
あらゆる電子機器へのハッキング能力の付与
"ルウテト"を手に入れた少年が、"コルセスカ"と対立することになったのは必然だった

激化する"コルセスカ"そしてその背後に存在する政府との戦い
増えていく仲間たち
戦いで傷ついた少年は、そのたびに身体を機械に置き換え、そして置き換える度に"ルウテト"により強く支配されていく・・・・・・・・

"コルセスカ"と"ルウテト"果たして、人類の味方はどちらなのか!?

――――そう、そんなことは、実は最初からどうでも良かったんだ
――――あの二人は、最初からお互いのことしか見ていなかった
――――最後の最後になって、二人は、俺を置いて・・・・・・・・

映画、『電子幻想の女神と妖精』coming soon・・・・・・・・

121言理の妖精語りて曰く、:2019/06/03(月) 20:39:24
幸福歯車

それは階差機関に噛み合って、幸福因子を送り込む歯車。
一度知れば戻ってはこれない涅槃へと導くクスリ、甘く幸せな気分への矯正。

「クソ喰らえだ」

ナインスチームは気を吐いた。スチームが吹き上がる。
死んだ娘を思い、幸福を得られたことなど一度たりとも無い。
苦い記憶。そう。あれはコーヒーのように苦い記憶だ。

――もっと、幸せにしてやるんだった。

甘い幸福を選り分けて、ナインスチームは血の味を、苦味を思い出す。
ナインスチームは再びの決意を噛み締めた。幸福歯車への、耐性の獲得。

「娘は必ず取り戻す」

それは遠目には、どこかのダークヒーローのように見えたかもしれない。

122言理の妖精語りて曰く、:2019/06/03(月) 20:49:11
夜闇に紛れ、空を飛ぶ者がいる。怪盗ハックルバックだ。

学校に消えたガリバーとリリーと絵日記を巡る企業間の攻防は熾烈を極めた。
毎日転校生がやってきて、毎日誰かが去っていく。

まんまと教師となりすました怪盗は、しかしあまりの仕事の多さに逃げ出した。さらに、部活の顧問? 頭は蒸気か?

123言理の妖精語りて曰く、:2019/06/03(月) 20:55:41
103getロボだったよ。いつでも103getするすごいやつだったよ。

でも……今は教師の敵前逃亡絶対許さないロボだよ。

ハックルバックは何度でもロボに連れ戻される。
103の逃亡をちょっと手助けしたせいで、彼は容赦の無い教師生活を余儀なくされていた。

124言理の妖精語りて曰く、:2019/06/03(月) 23:13:11
ドラゴンはお好きですか?

手軽に、安く、飼育の手間がかからない
そして、人なつこくて、手のひらに乗る
そんなドラゴン、欲しくありませんか?

ポケットドラゴンは、あなたのそんな願いを叶えます!
決して大きくならず、エサは一日に魚肉ソーセージ一欠けで十分!
金、青、緑、ラベンダー、橙、赤とカラーバリエーションもとっても豊富です!


ポケットドラゴンをお求めの方は、ペットショップZOOまでお電話下さい!
TEL ×××―××××―××××

125言理の妖精語りて曰く、:2019/06/05(水) 10:02:04
”ポケットドラゴン”にご注意を!

「大きくならない」「飼育の手間がかからない」などと謳われていますが、それは真っ赤なウソ!
現在「ポケットドラゴン」として売りさばかれているのは、オルガンローデ種の幼体ですが、これは亜流とはいえ最大で家一軒ほどのサイズまで成長しますし、エサも数年で毎日数十キロの生肉が必要になります!
また、つけられている色は人工着色料によるものであり、数日ですっかり落ちて元の枯葉色に戻ってしまいます。
さらに、竜種の取引は幻獣保護法および国際ドラゴン条約で固く禁じられている重犯罪であり、最大で懲役二十年の刑が科せられた実例まであります!

「ポケットドラゴン」詐欺にだまされないで下さい!
見つけた方は、すぐ通報を!

ゆらぎ市警察

126言理の妖精語りて曰く、:2019/06/06(木) 20:33:02
ドラゴンエンジンは、エンドミットの都市伝説の一つだ。
蒸気機関の生成・吸収比が100%を超えた、いわば永久機関。実在するはずがない、蒸気のけむりに巻かれたような噂の話だ。

その名はオルガンローデ? エンドミットはオルガンローデの上に載っている?

おいお前、頭は蒸気か? くそっ! 紀察が来ちまう。俺は逃げるぜ。あんたも逃げな!

127言理の妖精語りて曰く、:2019/06/06(木) 20:37:55
ドラゴンエンジン投資は割のいい詐欺だ。

ドラゴンエンジンの実在や実現を信じる奴らに、高額なリターンを約束して契約数を増やしていくだけでいい。

だが、竜に名前をつけたりはしてはいけない。エサをやるのも、水をやるのも、禁止だ。なでるのもよくない。

ドラゴンエンジンは詐欺だ。だから、超えちゃいけない一線ってもんがあるのさ。

128言理の妖精語りて曰く、:2019/06/22(土) 11:57:34
パンテクウトリの悲劇の後、ガレニスの血族の後釜に座ったのがローディッシュの血族である。
衰退したガレニスに代わってクロウサーの新たな四氏族となったローディッシュは大地の精霊に干渉する魔術を得意とした。
彼らローディッシュの一族は大地に作用することで、その反動によって空を駆けることができる。

129言理の妖精語りて曰く、:2019/06/22(土) 13:33:48
ローディッシュ・クロウサーは大地の精霊の血を引いていたと言われる
開祖ローディッシュの名と功績を以てローディッシュの血族はクロウサー家の有力な氏族となった。

130言理の妖精語りて曰く、:2019/06/27(木) 22:37:18
【急募】床から槍が生えたときの対処法

私の家の床から、槍が生えてきてしまいました。最初は親指程度の大きさだったので、なんだかわからないけどまあ邪魔にならないしいいかと思っていたんですが、気がついたらぐんぐん大きくなっていて……。
今では部屋の半分が巨大な槍の一部に占領されてしまっています。
当然屋根も大穴があき、しかも槍が伸びるにつれ穴がどんどん大きくなっていってしまっているようです。
二階に住んでいたはずの祖母にいたっては、二階に槍が襲来すると共に行方がわからなくなってしまいました。
どなたか同じ状況になった方などおられないでしょうか…?なんとしてでも対処法が知りたいです。

131言理の妖精語りて曰く、:2019/06/29(土) 13:58:49
テテリビナはティリビナとは異なる古き種族の名である
テテリビナは、はじまり以前の種族から直接別れた子孫たちであり、巨人や精霊たちとは兄弟にあたる。
植物の相を備えているが、衣服を身に着けていれば人間と区別がつかない容姿をしていることが多い

132言理の妖精語りて曰く、:2019/06/30(日) 09:22:13
そんなときこそ【ヤリコロリ】!
一家に一本【ヤリコロリ】!

133言理の妖精語りて曰く、:2019/07/05(金) 09:03:52
ヤリをもってヤリを制す

134言理の妖精語りて曰く、:2019/07/07(日) 00:02:06
槍に対抗するには【紀元錘】を用いるのが良い。
古代の魔導書を用いた正式な方法で製作することも出来るが、現代なら百円ショップで材料を揃え、スマホの指示に従って造ることも出来る。
便利な時代になったものだ。

135言理の妖精語りて曰く、:2019/07/10(水) 09:55:05
モーエン・クロウサーは地獄からの帰還後、多くの功績を上げたことにより認められ、モーエンの血族の開祖となった。
モーエンの血族は女性が生まれることが多く、開祖モーエンの特徴を受け継いだ黒髪の美女がよく見られる。
この血族が得意とする血統魔術は極少範囲での時間操作である。
跳躍する時間を引き延ばしたり、落下する時間を加速させたりといった手段で彼らは空を飛ぶ。

136言理の妖精語りて曰く、:2019/07/31(水) 07:37:01
波の武術は、自然と一体化する武術の一つ
万物は波で出来ている

137言理の妖精語りて曰く、:2019/08/02(金) 08:15:18
体は鉄、血潮は蒸気で出来ている

138言理の妖精語りて曰く、:2019/08/02(金) 12:42:07
黒金の巨人の関節は鳥かごで、動くと小鳥が潰れてしまう
だから、巨人は動けない

139言理の妖精語りて曰く、:2019/08/02(金) 21:32:56
そして鳥かごの中で小鳥は、ほくそ笑む
これで自分の寿命が尽きるまで世界が滅びることは無い、と

140言理の妖精語りて曰く、:2019/08/08(木) 07:57:00
【マーネ語】は、その起源がよく分からない新造言語の一つである
それ以前に記録が残っていないことから、神人世以後に創られた言語であることは、間違いないのだが

この言語について人々は、還元猿人たちが人間種であったころの名残りで産まれたとか、来訪者の小隊の間で話されていた軍事用言語が変化したものだとか、好き勝手に由来を語り合っている

141言理の妖精語りて曰く、:2019/08/12(月) 06:35:17
『月刊ダンジョンマスター』今月の特集

特集・宝箱の中身は素数で置け!割りきれない数がパーティを割り砕く!
レア冒険者撃破でダンジョン拡張資金をゲットしよう!私はこうしておだててグレンデルヒを撃破しました。
今日から始めるタイプ別・迷いモンスターとのコミュニケーション。あなたの努力で冒険者の追加キャラが立派なワンダリング・ボスモンスターに!異次元最終兵器はこうやって口説け!

142言理の妖精語りて曰く、:2019/08/24(土) 12:34:00
夢を具現化する力は、なにも夢への親和性と没入力に依存するものではない
現実を感じ取る力、そこに美しさや楽しさを見出す力も、また夢を描く力を高めるものだ

質感、彩度、色合い、輝度、明暗、形状、機構、そしてものが纏う”空気”
万物は、それに親しむもの、思い入れを持とうとする者に、常に新たなる姿で語りかける

143言理の妖精語りて曰く、:2019/08/25(日) 01:55:24
七つの仔山羊の死体から生まれた鼠のシュガーハット君
今日も砂糖に齧りつき、塩の星を引きずり降ろして酢のナイフで削りだす
醤油で体を固めたら、味噌の雨で眠りについた

144言理の妖精語りて曰く、:2019/08/26(月) 19:11:23
シュガーハットは夢を見る
朱く紅く何処までも赤い凄惨たる悪夢
そんな悪夢の中で殺し合う、眠りの民と睡魔の怨嗟や慟哭もまた
彼にとっては美しく、楽しく、親しむべき、微睡みの世界であった
故に『血の微睡み』と呼ばれる大戦争は終わらない、少なくとも彼がその夢に飽きるまでは

145言理の妖精語りて曰く、:2019/09/10(火) 19:16:29
ああ、あったあった。この時代のこのタイミングだ。
スレッドだ。
我々はようやく辿り着いたぞ。

146言理の妖精語りて曰く、:2019/09/10(火) 19:29:59
昔、人は南極を目指した。法を越えた情熱があった。
タイムパラドクスは忌々しい法だが、法を越えた情熱の前には無力なものだ。

ここに旗を立てる。旗の名は後世の者が考えるであろう。

147言理の妖精語りて曰く、:2019/09/14(土) 11:26:41
そして今こそ革新的で、超独創的なネーミングをしよう!
そう、とろけるような柔らかさを表す「トントロ」に音楽的な硬質さ「ポロロン」を加え、さらに複数形として幸いの増殖を表現、「ズ」を末尾に付ける!
すなわち・・・

148言理の妖精語りて曰く、:2019/09/15(日) 06:30:07
トポッ!トポッ!ドロッ……ジュルルルルッ!

149言理の妖精語りて曰く、:2019/09/16(月) 13:01:48
旗を立てて勢力を増やす。原始的だが馬鹿にならない呪術である。
全プロブァンスに旗を立てると旧勢力は死に、亡命政府が無ければパルチザンすら沸かなくなる。

150言理の妖精語りて曰く、:2019/09/17(火) 20:37:12
かける言葉や音楽次第で、野菜の性質は如何様にも変化し得る
そのことが常識となってからは、畑には防音壁や見回りを置くことが当たり前となった

それでも、友人から贈られた野菜や自家製の果物を使ったケーキを食したために、披露宴で内側から爆発する新郎新婦などはいまだに後を絶たない
そうした呪殺テロを防ぐため、防御呪文や対呪術対策のさらなる充実化が求められているのだ

151言理の妖精語りて曰く、:2019/09/18(水) 05:51:45
歯ごたえ、のど越し、舌触り
食物は、音楽を奏でる
この世の全ては楽団である

152言理の妖精語りて曰く、:2019/09/19(木) 20:09:54
脳は、内臓のひとつに過ぎない
内臓は、全て夢を見る
それが、移植された後であっても

153言理の妖精語りて曰く、:2019/09/20(金) 00:41:23
猫の国の「フランケンシュタインの怪物」と呼ばれる存在が【幾千もの夢見人】と呼ばれたのはそれが理由である。

154言理の妖精語りて曰く、:2019/09/21(土) 15:01:44
フグの臓物に猛毒があるのは、フグは自分以外に夢を渡したくないからだ。

155言理の妖精語りて曰く、:2019/10/03(木) 19:48:24
真なる救世主の到来を人工的に引き起こすため、十二人の「偽りの救世主」(ダミー・メサイア)が創り出された
暴力とカリスマによって全てを破壊しようとする者、人工生物の生態系と人間と動植物の融合により「人間の野生回帰」をもたらし狩猟採集時代を再来させようとする者、洗脳によって確実な秩序と永遠の平穏をもたらそうとする者、機械によって支配された合理的な世界を追求する者、全ての人間に負債と投資技術を与えることによって人類の可能性を拡大しようとする者・・・

だが、彼らは当初の計画から離れ、独立して行動を始めた
予定にない同盟と協力、予想外の展開、そして現れる「十三人目」・・・新たなる黙示録の時代が今始まる!

156言理の妖精語りて曰く、:2019/10/04(金) 08:10:32
現代日本において、もはや真の他者同士が接触する公共空間の作法は存在しない
それは、会社や学校、趣味などの世界観を共有しない間柄においては、相互に意思伝達を図るやり方や言語といったものが無いのだ、と言い換えることも出来る

それゆえ、雨の日の電車の中では、身体をぶつけあって乗り降りすることしか出来ない者が多いのである
そこには、他者と意思疎通の回路を築こうという試みや意志が存在しない・・・いきなり飴玉を差し出せるおばちゃんのようなタイプを除けば

157言理の妖精語りて曰く、:2019/10/07(月) 11:27:23
・武術の極み、あるいはこの世を統べる摂理について

とある武術家によれば「武術の極み」とは、相手を味方につけることであるという
人間は複数の側面から出来ている
それがたった二人だけの真剣勝負(リアルバウト)であったとしても、そこで対峙しているのは少なくとも「四人」は居ることになるのだ

二人にそれぞれある二面性、すなわち「戦って勝ちたい自分」と「戦わず負けたい自分」、「戦って勝ちたい相手」と「戦わず負けたい相手」である
だから、確実に勝つためには自分の足をひっぱる「戦わず負けたい自分」と相手の足をひっぱる「戦わず負けたい相手」を味方につけ、「三対一」で戦うことが必要になるのだ

そうした戦法を突き詰めていけば、それは天地万物を味方につけることにまで至るという
賭博師が言う「流れ」、星占い師が語る「星の巡り」、あるいは宇宙と一体化することであるとして、宇宙の「脈動」または「呼吸」と呼ぶ者もいる
あらかじめ切れ目があれば、どんな大きく硬いものでもたやすく切断出来るように、勝つべくして勝つ、切れるのだから切る
全てはただ、あるようにあり、なるがままになる

それこそが、万物を支配し勝利する、武術の至る極みの一つ
「外側の他者」と「内側の他者」その両者から同意を得ることこそが、宇宙の「切理」に通じる武の奥義なのだと言うのだ

158言理の妖精語りて曰く、:2019/10/19(土) 22:58:25
【光枝世界】またの名を【上昇世界】とは、既存の世界が"光へ向かう枝"の形状に再編されたものである

だが、その住人たちはそこを嫌い「強制移動ステージ」などと蔑称していた
【光枝世界】それは、上昇しないものは怪物へと変貌し、やがて消えていく成長を強制される世界

常に追いすがるその破滅から逃れるため、そこでは様々な技術が開発され、ありとあらゆる試みが行われた
当然、そこでは禁忌に分類される技術も躊躇なく用いられたのである
人体改造・悪魔や頂上存在の召喚・そして融合や分解、「強化素材」や「アクセサリー」への形成・・・

【光枝世界】そこは、天上を目指す地獄であった

159言理の妖精語りて曰く、:2019/10/25(金) 09:00:57
P.S. ――追伸。
この手紙を呼んだ人には封入してある銀貨は差し上げますので
グレンデルヒ或いはグレンテルヒ
紅蓮照日・来人去 ボミール・ハーラール・ディゲーム
という錬金術師を見かけた方は
亜大陸ハイダル地方ルナザール、大きな石碑が脇に立つ史跡フォグラント領主館にて
弟子が待っている由お越しくださるよう伝言、言伝のほうをよろしくおねがいします。

ティアテラからの手紙、ボトルメールの殆どに書かれている締めの文言。

160言理の妖精語りて曰く、:2019/12/05(木) 09:30:00
環境こそが、人を支配する

突如として巨大な壁に隔離された新東京
そして突如として現れた6つの異なる環境

地形こそが地球の真なる支配者であり、アイデンティティと実存の本体
そして、今、その地形同士が地球の覇権をめぐって争う時が訪れたのである!

山、海、渓谷、溶岩、氷河、人造地形・神殿、そして万物を消し去る異端の地形【滅地】
今、地形の小さな分身であるカードに支配された人間たちが、互いに代理戦争を繰り広げる!

161言理の妖精語りて曰く、:2019/12/05(木) 20:31:07
宝石は、山中でしたたった雫が結晶になったもの
それは、山の中で積み重なった記憶
想いも知性も、そこには凝縮されている

162言理の妖精語りて曰く、:2019/12/08(日) 10:50:43
昔々、魔女がいた。今はいない。
魔女が死に絶えたから?
違う。
魔術がありふれたものになったからだ。
我々が科学と呼ぶものは魔術の延長にある。つまり全ての女性は魔女になったのだ。

163言理の妖精語りて曰く、:2019/12/09(月) 08:46:30
神話の痕跡を追い、その断片をつなぎ合わせる者、人はそれを【神話追跡者】(ミュトスハンター)と呼ぶ
またの名を【神話編纂者】(ミュトス・エディター)と言い、解釈と補完でひとつながりの神話を産み出していく彼女たちの行末やいかに!

今なら、映画館で「神話作者捕獲セット」貰えます!

164言理の妖精語りて曰く、:2019/12/11(水) 23:57:28
異能とは、世界の悲鳴である

地球全体、あるいはもしかすると宇宙全体の苦痛が個人に反映されることによって、それが特異な能力という形で発現する
それこそが、異能の原理なのだ

そのため、異能は全て滅びを志向していた。
ワイヤー使いの首なしライダー、見えざる縄の首吊り、血の刃を生やすリストカッター・・・
家族や日本的企業といったコミュニティを失い、むき出しの個人となった人々は、心の病から異能を発現させる

警視庁廃鬼(ハイキ)課の刑事たちは、果たしてそんな異能を振るう怪人たちに立ち向かうことが出来るのか!?

165言理の妖精語りて曰く、:2019/12/14(土) 23:01:14
次回の『こんにちは、異世界』は、地中の異世界「マレタ」をお訪ねします!
・・・・・・・・ええっと、なんだったっけな?ツツミコ=マレタ?トジコ=マレタ?クリヌカ=マレタ?オゴッテ=クレタ?
なんだか、女性の名前みたいだったことだけは覚えているんだけど
まあいいや、次回、トニカク=マレタへ行ってきます!

166言理の妖精語りて曰く、:2019/12/18(水) 01:06:15
【光輝の楽団】の楽団員はみな、【燐光の世界フエリエ】において【第七惑星融解事件】を引き起こした大罪人である。
彼らの大半は惑星魂の融解に巻き込まれて光輝意識の一部となったが、指揮者エルパや第一ホルン奏者フルームといった中心メンバーたちの行方は未だわかっていない。
この事件により光輝意識の奔流が銀河に溢れ出し宇宙意識連合にも多大な被害が出た。連合はこれに対処するため共鳴法の廃止を決めたが抜本的解決には至らなかった。

167言理の妖精語りて曰く、:2019/12/30(月) 07:40:26
【文脈錯誤病】は、文章に取り憑き、言葉の使い方を間違えさせてしまうという恐るべき病(ヤマイ)である
・日焼けサロンへ行った。 →そうか、ソースとしょうゆ、どっちが良い?
・昨日、お義母様が喜寿を迎えましたの。 →はい、ちり紙交換ですね
・私、あと半年しか生きられないんだ →え、この状態からも入れる保険があるんですか!?
・もう駄目よ、みんな死ぬしか無いんだわ! →サメ映画の中のサメ映画、『超サメ祭りフェスティバル』Coming soon...

168言理の妖精語りて曰く、:2020/01/04(土) 23:13:50
少女が髪をすくたびに、そこから金貨がまろび出る

「ショートカットにしても、無理なモンは無理かぁー。やっぱ坊主にでもしちまうかねえ」
「お待ち下さい、姫様!」
「げ!また厄介なヤツが来たよ。イヤだねぇー年寄ってのは。きっと脳のシワが『掟』とやらの形に固まっちまってるんだぜ」

169言理の妖精語りて曰く、:2020/01/09(木) 07:41:03
天の銀鐘

天の金、星の銀

天の金鐘、星の銀鈴

170言理の妖精語りて曰く、:2020/01/13(月) 22:34:18
『シャドウ・アバターの反乱』こそが、夢界に潜る者にとっての最大の危険であると言っても過言ではない
己の心の中に潜むネガティブな観念、普段から抱いている信念や信仰が向かいかねない破滅的な方向性、そういったものが「あらゆる思いが実現し、あらゆる願いが叶う」夢界において膨張・増幅され、そうした思いを抱いている本人を襲うのである
そして時に、そうした思いは『悪魔(マーラ)』となり、実体を持って「本体」を誘惑し乗っ取りにかかるのである

闘うべきは常に自分である

171言理の妖精語りて曰く、:2020/01/15(水) 10:43:05
ボクが女性連続殺人事件の犯人?そんなワケあるはずない
だって、ボクは【腐女子保護隊】のゆらぎ市支部長なんだよ
そんなボクが、そのような凶悪犯罪を犯すわけがない

違法化したポルノの作成と裏取引?犯罪の斡旋?ボクは政府公認の治安組織の一員、いわば現代の騎士だ
そんな疑いをかけるなら・・・・・・・・どうなっても知らないよ?

ボクの情報統制は完璧で、ネットでもマスコミでも、ボクたちに味方するものばかりなのだから

172言理の妖精語りて曰く、:2020/01/20(月) 22:24:55
ある日の帰り道、冬の街で
蘇る竜の骨を見た

その色合いは、エメラルド
ローズクォーツ、アクアマリン
ルビーにサファイア、アメシスト

くすんで透けたその骨は、人々の上を覆ってる
ああ、そしてわたしは気づいた
古代の王者は今はない
けれども遺産は受け継がれ、骨格(フレーム)となって残ってる

そうだ、冬の通りは、古代の王者の凱旋路

173言理の妖精語りて曰く、:2020/01/21(火) 07:21:50
夢の市場で、失われた夢を買おう
古代の夢 苦い夢 甘い夢 大きな夢 小さな夢 壮大な夢 些細な夢
悪夢に迷夢に正夢禍夢

値札はあれども、交渉次第
さあ、みんな寄っといで!

174言理の妖精語りて曰く、:2020/02/02(日) 16:23:35
シシッ……猫のライバルが竜なのは知ってる奴もいるだろうが……
猫に天敵とされるものは鴉、蛇、狐、狸、猿、洗熊、鼬に猛禽、草原狼。
だがどれもいまいちしっくりこない……
九つの命を持つとされる猫を本当に殺すものは何なのか……
本当の天敵は外よりも猫の内にあると思うぜ……。
「好奇心は猫をも殺す」あるいは「心労は猫を殺した」
分かるとも、秘密は甘く、それはチョコレートにも似て……
だが猫にとってチョコレートは猛毒……秘密も猛毒……

強すぎる好奇心……万物を暴き立てねば
居てもたってもいられない獣性こそが
「猫」の本当の天敵なのかもしれないねえ……シシッ……

「猫の国」も例外じゃないんじゃないか?
イエローなケーキで動く青い光の発電機や
太陽の数千倍輝く「灰の詰まったひょうたん」は猫の国を亡ぼすに十分な気もするが……

長すぎる牙によって滅びた剣歯虎の二の舞を舞わねば良いがね……
シシシシシッ……

――原典深飛鳥万象名義 「猫の天敵」の項目より。

175言理の妖精語りて曰く、:2020/02/05(水) 08:11:05
かつて、【宮廷】とは移動するものだった
それはまるで劇団のように、様々な役割をするものがおり、また様々な道具を持ち運ぶものがおり、天幕とともに領地から領地へと、裁きと収税のために旅をしたのだそうだ

なかでもキャカラノートの【宮廷】は風変わりであり、移動先の領地に、王が変装してお忍びで潜行し、予め調査を行ってから裁きを下し、その地の法を整理したのだと言われている
その奇行は、多くの戯曲や詩、物語の題材となった

176言理の妖精語りて曰く、:2020/02/25(火) 19:17:06
『魔幻新聞』〜本日の見出しよりの抜粋〜
・魔術流派アプリ割引が作る新たなる階層ーー三大結社優位再生産は、新たなる権力なのか?
・連載:全てレストロオセ総理のせいだー下品低劣悪逆非道!この国の愚策と迷走は、総理を辞めさせれば全て解決する(有識者の発言)

177言理の妖精語りて曰く、:2020/03/20(金) 22:31:54
かつて、八人の勇者たちがいた
彼らは、まるでタコの脚のように一体となって活躍し、数々の偉業を成し遂げたので「オクトパス・ブレイバーズ」と呼ばれ、大いに讃えられた。

それはそれとして、現代には、それとは特に関係ない十人のろくでなしたちがいた。
彼女たちは、その場の成り行きとか憧れとかやけくそとか借金のカタとかで集結し、冒険の旅へと旅立つのであった。
復活したばかりの邪神から単なるニートまで、様々なメンバーが含まれる彼女たちの行く末や、いかに。

178言理の妖精語りて曰く、:2020/04/09(木) 07:48:38
私にとって大切なのは、頭ほど大きい翠玉(エメラルド)
それが珍しく巨大な貴石(いし)なのか、あるいは私が小さくなったのか
そんなことは、今の私にとってはどうでも良いのだ

179言理の妖精語りて曰く、:2020/04/15(水) 23:21:18
過去は傷(トラウマ)で呪縛し、未来は目標(ゆめ)で拘束してくる
だが、今、この瞬間には未来も過去もどちらも存在しないのだ
解放は、一点集中のときだけ、専心の中だけにある

180言理の妖精語りて曰く、:2020/04/19(日) 23:14:00
【神の墓掘り人】は、神々が創り出した調停者であったという。

ティシムガンドの書物『アルカェ・レダーナ』によれば、前神代において、創世の神は無数に存在した。
だが、すべての神が同時に世界を作ろうとすれば、それはとてつもない混乱を招き寄せること、必至である。
ゆえに、神々は、世界を隔てる【アルカェ】を作り、それぞれの世界を小さな小島として、そこに切り離して浮かべることにした。

さらに、神々はそれでも破滅が起きた時の安全装置として、全ての神々の力を集めて【盟約】となし、それを一人の英雄の形に結実させた。
それこそが、【神々の墓掘り人】である。

たとえ【アルカェ】によってそれぞれの世界が隔てられていたとしても、神やそのお気に入りの力ある存在にとっては、その境界を超えることなど容易いことである。
また、神々には、自らが丹精込めて作り上げた世界や手塩にかけて育てたその住人を見せびらかしたいという根強い欲求があり、そのため世界同士の交流は、決して絶えることが無かったのだ。
そのため、一つの世界に生じた危機やほころび・発生した怪物や悪夢泡などが、連鎖的に伝播し全ての世界の危機になりうる可能性は、捨てきれるものではなかったのである。

それゆえに、そうした危機を防ぐため、【神々の墓掘り人】は、世界を渡った。
ある時は争いを調停し、またある時は裁定を下し、またある時は、ただひたすらに話を聞くことで、悩みや心の内を開放させた。
そしてまた、暴走した神々を打ち倒すことすらあったのだ。

【神々の墓掘り人】は、神々の【盟約】そのものであったので、絶対的に強く、その決定もまた絶対だった。
神々、その中でも特に強大な【紀神】と呼ばれる神々は不死身であり、死によって記憶が失われたり性格や性質が変化することはあっても、全てが失われることは有り得なかった。
そのため、【墓掘り人】には、神々を打ち倒し、墓に封じ込める特権と力すら、気軽な感覚で与えられていたのだ。
結果として、彼女は多くの神々の墓を掘ることになったのだという・・・・・・・。

181言理の妖精語りて曰く、:2020/05/23(土) 12:41:06
神々の間での夫婦喧嘩や痴話喧嘩は、しばしば天災の原因とされた
川の移動や地震なども、神々の間での争いの結果として解釈されたのだ

182言理の妖精語りて曰く、:2020/07/05(日) 22:56:00
「探偵怪人界」と「怪奇幻想界」の二つは、実は同じ世界である
全てが論理と科学で説明がつく世界とそうした枠組みに当てはまらないその「影」の世界は、表裏一体どころか互いに侵食し合うことで支え合っているのだ

あるいは、その別名は【キュベルフォウル】と【ゲーパート】といったのかもしれない

183言理の妖精語りて曰く、:2020/07/11(土) 23:04:58
すなわち、「推理密室界」の堅固な物理法則が「怪奇幻想界」を支え、「怪奇幻想界」の神秘なる幻想法則が、「推理密室界」に心や命といったあやふやな概念をもたらしているのだ

184言理の妖精語りて曰く、:2020/07/28(火) 21:45:31
森の中、小さく可憐な花々が咲き乱れるその野原には、古い人骨が転がっていた・・・
遥か昔、飢饉があったのだ

185言理の妖精語りて曰く、:2020/08/09(日) 00:55:43
時待たず廃り、謳われる非人間神話
ジレンマとも言えぬ矛盾、不整合、論理破綻
その遍くは取るに足らず、無容赦には程遠い
【言理】があるのみ。焦がしつけば流せはしない

186言理の妖精語りて曰く、:2020/09/25(金) 10:51:48
ママゴトめいたエンドミットの茶番劇。
物語は学園編へと突入し、ガリバーとリリーは不良連中に目をつけられる。
校舎裏、少女リリーを守りながらの戦闘という不利。

結果は秒殺であった。ガリバーの体躯からは生身とは思えぬ蒸気が上がる。
「蒸」
父より受け継いだ一子相伝の【蒸気拳】である。

187言理の妖精語りて曰く、:2020/10/05(月) 09:39:41
蒸気拳は当然カロリーを消費する。ガリバーは学食をたらふく食ってカロリーを補給する。
隣にはサンドイッチを頬張るリリーが、さらに隣にはハックルバック先生が心底げんなりした顔で座っている。

【蒸気拳の噂】は学園内を駆け巡り、ついに【蒸気格闘トーナメント】が開かれる運びとなった。
黄金パターンの予定調和。飛び入り参加も自由となれば、あの【ナインスチーム】が参加することも想定せねばなるまい。

怪盗ハックルバックの頭はついに重力に抗しきれず、カレーライスに浸かった。人はカレーライスに溺れることもできるのだ。

188言理の妖精語りて曰く、:2020/10/15(木) 13:52:32
エンドミットを記述する者をエンドミッターと呼ぶ

189言理の妖精語りて曰く、:2020/10/27(火) 07:07:33
エンドミッティスト

190言理の妖精語りて曰く、:2020/11/20(金) 07:02:47
権力や力を巡る闘争、それが『父の神話』
庇護と同化、自立と依存、そして愛の葛藤、それが『母の神話』

競争と支え合い、羨望と嫉妬、己が持たないものを巡って苦悩する先達と後輩、それが『兄弟と姉妹の神話』
共感と同一視、相互承認と対立、高め合い、譲り合い、奪い合いそして癒着し摩擦する他人、それが『友情の神話』

そして、約束と未来、離脱と結成、束縛と欲望、投影と希望がもたらす最小の集団、それは関係性を巡る愛とキズと絆の幻想、それが『恋人の神話』

さて、それらに回収されない新たな関係性が結ばれたとして、そこには一体どんな神話が紡がれるのだろうか?
未だどこにも記されていないその内容は

191言理の妖精語りて曰く、:2020/11/21(土) 22:47:19
そのことからも、『教区』というシステムが『魔界生協』の侵食を受けやすかった理由がよく分かる
もちろん、『教会』(チャーチ)による民衆統率のための地区区分と『協会』(アソシエーション)や『生協』(ギルド)における民衆の結束(ネットワーク)は全く異なるものだ

だが、だからこそ、その異なる二者は衝突をおこさず、互いに混ざり合い、共存・共生することが可能であったのだ
あまりにも違いすぎるものは、そもそも差異が存在することにすら気づくことはないということなのだろう

192言理の妖精語りて曰く、:2021/01/18(月) 12:18:48
『殺戮探偵 襟見寧太』
ゆらぎTVの2020年13月マフクサの日からスタートする新番組

あまりにも真実を見通してしまうため、行く先々で多くの自殺やさらなる連続殺人を生み出してしまう少年名探偵の物語

193言理の妖精語りて曰く、:2021/01/28(木) 23:45:23
【揚げ経験値】は、小動物状の生物をフライにした迷宮街特有の料理である

生命の本質でありその蓄積された力だとされる「経験値」は、魔物を殺害したりその構成物質を体内に取り込むことによって吸収することが可能である
しかもそれは、摂取方法を工夫することで、何倍にもその効率が跳ね上がるのだ

今回のようにフライにされるのは、そうした魔物の中でも多量の「経験値」を持つ【ゴールデンメタル・モノアイマウス】である
全身を針金のような毛で覆われたこの魔物は、攻撃力がゼロに近い代わりにやたらと防御力が高く、スピードもとにかく速い
そんな魔物を苦労して捕らえフライにすることによってこそ、極上の「経験値」効率をもった料理が出来上がるのである

ちなみに、このゴールデン(中略)マウスは、迷宮最弱の魔物であるマウス類の仲間であるとされているが、学術的にその俗説は否定されている
どうやらこれらは、全く独自の種族であるようなのだが・・・その生態は一切不明である
特に、なぜこのマウスだけが非常に高い「経験値」を持つのか、その謎は未だに解かれていないのだ

本来、これほど高い「経験値」を持つのは、迷宮奥深くに棲む高レベル「ボスモンスター」だけである
このゴールデン(中略)マウスだけがと高レベル「ボスモンスター」のあいだに、なにか関わりでもあるのだろうか?
たしかに、観測記録によればマウスが捕獲される前には、必ず高レベル「ボスモンスター」の撃破が確認されているのだが・・・

とはいえ、その謎も今日までだ
我々は今、買い取ったゴールデン(略)を迷宮に放ち、その生態を調査している

追跡を重ねるうちに、こうして迷宮の奥深くまで来てしまったが、なあにその程度対策済みだ
護衛もたっぷり雇ったから、何の問題もないほどの安全マージンをとってある
高レベル「ボスモンスター」でも出れば話は別だが、そうでなければ絶対安全といっても良いくらいなのだ

しかも、その高レベル「ボスモンスター」は、この階層では既に討伐済みであり、一度討伐された「ボスモンスター」は何故か一定期間経たなければ復活しない
そして、その期間にはまだまだ間がある
だから、こうしてゴールデ(略)の研究をする時間はたっぷりあるというわけだ

お、どうやらゴール(略)が立ち止まった
どうやら・・・何かを持っているようだ
しかもアレは・・・小さいが、明らかに何かの機械!
驚くべきことだが、ゴ(略)には、機械を操作することが出来るらしい
もしかすると、知性すらあるのだろうか?

もっとよく観察しなければ!

ん?
あれは・・・もしかしてリモコン?
一体それで何を・・・

※ 記録はここで途切れています。開始時点まで早戻ししますか?

194言理の妖精語りて曰く、:2021/02/03(水) 12:38:10
目的地が分かりきっている旅ほど、つまらないものはない

なので、そんな旅をしなければならないときは、目的地以外に別の目的を作るのがオススメだ
脇道にそれることには危険もあるが、その価値があるだけの発見もまたあるはずだから

ほんの少しいつもの道を外れたり、短時間だけエンジンを止めて停車してみたり、あるいは普段通過するだけの駅で途中下車してみたり
あるいは、目的地に到着した後に、新しい目的地を探したり別の目的を見出そうとしてみるのも良いかもしれない

人間は、自然とブレるし、飽きるもの
だがそれは、心がけ一つで、新しい魅力や余裕を見出す原動力とも成り得るのだ

195言理の妖精語りて曰く、:2021/02/03(水) 12:50:21
秘儀のガルガンチュア

世の中には、大きすぎて隠しておけない秘儀もある

196言理の妖精語りて曰く、:2021/04/17(土) 13:31:09
ゆらぎの神話BBSが消えた?

197言理の妖精語りて曰く、:2021/04/17(土) 13:33:50
そんなことはなかった。気のせいだった。ゆらぎの神話はあったんだ。
……本当に?
覚醒と共に、夢はさめていく。記憶は薄れ、幻想は現実に取って代わられる。
ゆらぎの神話BBSもまた、永遠ではない。永遠などどこにもないのだ。

198言理の妖精語りて曰く、:2021/04/17(土) 14:02:27
【缶詰】という言葉がある。旅館やホテル、ネットカフェなどに軟禁され、文章を書かされるという文化だ。
【ネットカフェ】に【缶詰】にされないと、どうやら私は満足に文章を書くこともできないらしい。

次はいつ【缶詰】になれるだろう。そのときは、どうか猫に狙われなければいいのだが。

199言理の妖精語りて曰く、:2021/04/22(木) 18:48:51
この世のどこかに、【究極のレシピ】があるという

それは、初代【料理皇帝】の死後、九つに分かたれた
この世のどこかに眠っているそのレシピを全て集めれば、【究極のフルコース】を作ることが出来るのだと言われている

だが、それは容易なことではない
ほとんどのレシピはその場所が分からないうえに、所在が明確なレシピには、それぞれそれを代々守る一族がいるからだ
【前菜(オードブル)】【汁物(スープ)】【肉料理】【魚料理】【デザート】【サラダ】そして未だ未知なる残り二つ

あるいは、全てのレシピを集められるものは、伝説に語られる【キュトスの料理人】以外に存在しないのかもしれない

200言理の妖精語りて曰く、:2021/05/02(日) 13:57:59
【ナインスチーム】の想像図を描いたよ。

201言理の妖精語りて曰く、:2021/05/02(日) 21:59:19
ぷしゅー。

202言理の妖精語りて曰く、:2021/05/03(月) 07:43:34
いいね!

203言理の妖精語りて曰く、:2021/06/06(日) 10:06:43
恨みを凝縮する【怨念剣】は、使用者が傷つきやすければ傷つきやすいほど、つまり弱ければ弱いほど威力を発揮する弱者逆天の剣である

204言理の妖精語りて曰く、:2021/06/07(月) 22:55:21
【銀梅剣舞】(ぎんばいけんぶ)は、見世物の技だ
それは重みがなく、何一つとして傷つけることのない撃剣興行のためだけの技
派手で華やかオーバーアクション
そこには何の実もなく、ただ無知な者が剣術に抱く夢と幻想だけが演じられている

【銀梅剣舞】それは、剣技と呼ぶべきではない剣技

そう、そのはずだった

205言理の妖精語りて曰く、:2021/07/26(月) 23:27:58
「お姉さま!お姉さま!ワタクシたちの家系は呪われておりましてよ!」
長い銀髪をポニーテールにした少女が叫んだ。

「そうねロザリア。呪われてるわね、いい感じに」
そう答えたのは、黒髪をボブカットにした少女だった。
ハイテンションな銀髪少女に対して、こちらはかなり気怠げな様子だ。

「そんなふうに適当に流さないでくださいまし!私たちの家系の!もうたった二人になってしまった家族の大問題なのですよ!」
「どうでもいいわ。あと、まだヘヴァニアおばさまとモッッツアレーラおじさまは生きておいでよ。無視しないほうが良いわ。…後でうるさいし」

「お二人とも呪われているじゃありませんか!ヘヴァニアおばさまは全身が石化する病、モッッツアレーラおじさまは精神を変な怪物に乗っ取られて、三日に一度しか正気に戻られません!普段は一日中ぶつぶつとうわ言を言っては、お風呂とトイレの掃除をなさっているだけなのです!おじさまはれっきとした貴族なのに!」
「たとえ全身の九割が石化していても、おばさまは最後まで愚痴を言い続けるでしょうし、耳だってきっと最後まで聞こえて私たちの様子をうかがっているわ。それにお風呂とトイレがきれいになるのは良いことよ。…もう、使用人はほとんど逃げてしまったわけだし」

どんどんテンションをアゲていくロザリアに対し、黒髪少女はあくまで気怠げなままであった。
そして彼女は――――ブレイフォニア家最後の跡取りであるヘンリエッタは、妹に対してこう命じたのだ。

「あなた、ヒマなんだったら、ちょっと水を汲みに行って来てくれないかしら。昨日、メイドのジョハンナが底なし井戸の怪物に呑まれて以来、部屋の水差しはどこも空っぽよ。そろそろ貴女も、貴族ごっこはやめて身の回りのことくらい出来るようにならないと。ああ、もちろん武器はもってお行きなさいな。確か、倉庫にまだ呪われた…まあ、何かがまだあったはずよ。ひのきの棒とか」
「お姉さま、ヘンリエッタお姉さま!栄誉ある勇者の武器を"何か"とは何事ですか!あとワタクシは、武器なんて使いません!今こそ呪われた血脈の力を活かすとき!『第三の月』の呪文で井戸を千年氷に閉じ込めてご覧に入れますわ!」
「水が飲めなくなるからやめて。そもそも、あなたの呪文、やたらと長ったらしいじゃないの。あれじゃ唱え終わる前に三回は怪物に食べられちゃうわ。おとなしく武器をもってお行きなさい。呪文なんかより殴った方がずっと速いわ」
「お姉さまー!」

姉妹の口論はその後もしばらく続いたが、結局、根負けしたロザリアが武器を持って水汲みに行くことになった。
まあ、持っていったのが倉庫でも特に呪われていた黒い杖だったので、せっかく汲んだ水もすべて真っ黒な重油に変わってしまったのだが。

最終的に、この問題は、ついに怒りが限界に来たヘンリエッタが、呪われた水の聖剣で妹ごと屋敷の一角を吹き飛ばしたことで決着を見た。
屋敷の内部に呪われた泉を作ることで、新たな水源を獲得したのだ。

ちなみに吹き飛ばされた妹はというと、目を回しずぶぬれになっただけであった。
勇者の血族は、呪われていても頑丈なのだ。

ブレイフォニア家の日常は、毎日がこんな感じである。

206言理の妖精語りて曰く、:2021/08/01(日) 00:09:36
【噴進拳】は、肉体の後方からアウラを噴出することによって回避や攻撃を行う拳法である
これを極めれば、【水態人】(スライム)の抑え込みのみならず、概念による圧力さえも押しのけることが出来るのだという

207言理の妖精語りて曰く、:2021/08/22(日) 17:17:48
【リカーベルベル】は富裕の魔女である

違った。浮遊の魔女である。

富裕だったらどれだけいいか。

彼女は常に浮かんでおり、その周囲にはお気に入りの家具も浮遊しており、そして時折、話し相手までもを浮遊させて連れ去ってしまうのだ。

208言理の妖精語りて曰く、:2021/08/25(水) 10:16:46
【リカーベルベルの隠れ家カフェ!お客様はいつでも歓迎!(借金取りと地主の方および国税局にはお引取りを願っています
リカーベルベルの隠れ家カフェは常に空中に浮遊しているので、地代も国の税金も払う必要はないのです
日照権については、応相談)】

209言理の妖精語りて曰く、:2021/09/18(土) 07:56:51
英雄神は、二人の女神の争いを仲裁せんとしてその首をはねられた
だが、神なのでそれくらいでは死なない

首は朽ち、頭蓋骨となったが、今度はその首が女神たちの争奪の対象となったのだ
そして、春の女神が首を持つときは世は春になり、冬の女神が首を持つとき、世は白銀の冬に包まれることになる
こうして、どちらの女神が英雄神の首を持つかによって季節が生まれ、そして首を奪い合うことによってそれまでただ争うだけであった女神たちの間に一種のコミュニケーションが形成されるようになったのだ

これこそが季節の始まりであり、スポーツの始まりである

210言理の妖精語りて曰く、:2021/09/19(日) 23:00:35
千の花、降り注げ地上に
その一つ一つには神々が座し、その祝福のあらんことを

211言理の妖精語りて曰く、:2021/10/21(木) 08:04:46
「お、お前は!?」

その魔族は、紫の肌と鍛え抜かれたたくましい巨体を誇っていた。
彼は、問いかけに答え、名乗る。

「我こそは、魔界軍の映えある先鋒!栄誉ある称号と職務を得たもの!すなわち…」

「すなわち・・・・・・・・?」

大気が震え、男の言葉を待ち構える。
いま、世界の中心は間違いなく彼であった。

「『界域公』(エリア・マネージャー)である!」
「台無しだよ!」

「ん?我が栄誉ある称号に何か文句でもあるのか?『地獄の聴罪僧』(カスタマー・サポート)と長話するか?」
「だから、なんでそんな翻訳になるんだ!せっかく盛り上がったシリアスなムードが台無しなんだって!」

「異世界人の言うことは、よく分からぬ。辺獄の底なし沼(きていのきゅうけいすぺーす)にでも送り込んでやろうか?」
「だーかーらー!」

神々による『分かりやすくフレンドリーな翻訳機能』を付与された勇者たちと恐るべき魔界軍の戦いは、まだまだ続く!
がんばれ、勇者!
ちなみに、『界域公』の任務は、邪神の食用の魂を略奪すること(うばいー・いーつ)だ!

「その翻訳が、やる気を全力で削いでいくんだっつってんだろーが!」

212言理の妖精語りて曰く、:2021/11/12(金) 19:37:30
小学生が覚えたての英語を駆使してカッコイイ技や魔法を唱えるのがブームになった。

第三次魔導災害はこうして始まった。

213言理の妖精語りて曰く、:2022/01/07(金) 10:52:55
【フォービットの魔獣オーカー】
イエローの相似系。砂茶色の魔獣。
大砂を生み出す、乾きの吹鳴。

砂鼠のような姿をした魔獣。
「サヒューサヒュー」と掠れた笛の音のような声で鳴く。

自らの鳴き声に魔力を込めることで、その声が聞こえる範囲に砂を自由に生みだし、自在に操ることが可能。
またこの魔獣が生み出した砂には極大の【乾】性が込められており、これに触れたモノは瞬く間に水分を失い風化するという。

214言理の妖精語りて曰く、:2022/02/15(火) 21:47:29
ラカジン派の異端説・あるいはハイミラ教団の異説によれば
起源槍を十二の角度から あるいは八本から九本の時計塔、あるいはその文字盤とみなすという。

火時計 (パイロクロック)
香時計 (インセンスクロック)
水時計 (クレプシドラ)
砂時計 (サンドグラス)

花時計 (フラワークロック)
日時計 (グノモンまたはノーモン)
月時計 (ルナ・ダイアル)
水晶時計(クオーツウォッチ)

天文時計 (アストロラーベ)
電波時計 (レディオクロック)
原子時計 (アトミック)
光格子時計(オプティカルレーシック)

以上十二の物がメジャーな解釈ではあるが
13番目の終末時計(ドゥームズデイ・クロック)と見立てることだけは
ラカジン派、ハイミラ教団のどちらでも許されていない。

215言理の妖精語りて曰く、:2022/02/22(火) 00:50:48
ウェウーレベルン 断章 
ジャホラット・パピルス

23ページ目 納豆 ミアスカ語訳

【堕納豆】
トントロポロロンズ和え
卵かけご飯なんかに混ぜるとわりと行ける。
只の菌類の発酵による腐敗した食物

【紀納豆】
レプトンやクオークなどを結び付ける超紐理論

シシッ……記述の揺らぎは行き来する……
錬金術では技の秘密を料理レシピなどに暗喩する……
この世の最小単位の秘密と腐った豆を行き来する……

216言理の妖精語りて曰く、:2022/06/12(日) 18:51:50
【汚泥のドリンエスス】
混沌の底に沈む泥状の世界の廃棄物には膨大な『汚』性が凝縮されている。
その事を突き止めた魔術師ドリンエススは、その力を自らの魔力へと転用するため禁術である【混沌】を唱え汚泥に触れることに成功した。
そして自らも汚泥の一部となり、混沌の底へと消えた。

217言理の妖精語りて曰く、:2022/06/19(日) 07:59:54
【ハニア・ドゥラシン】
様々な物語に登場するキャラクターであり[[概念]]でもある[[ケンタウロス]]の女性。
名前に「H」もしくは「D」の音声が含まれる全てのフリーシェアワールドのキャラクター(偽名や言い間違いも含める)がもたらした全ての戦績を「ハニア・ドゥラシンという名のケンタウロスの女性」の戦績という事にしてしまう性質を持った概念。
これによりハニア・ドゥラシンは最強の主人公としても最凶のラスボスとしても典型的な噛ませとしてもモブとしてもありとあらゆる場面に登場できるキャラとなった。

218言理の妖精語りて曰く、:2022/06/19(日) 14:18:51
猫の国から流れ着いた書物に馬人の記述が見られたが、詳細は伝えられていない。

最初にこの書物を公開したウルバーロは当然ながらこれを我々に馴染み深い馬頭人の姿でとらえた(ウルバーロのケンタウロス)。
しかし後年、同一の書物の中で馬人を四本足とする記述が発見されたことから、
人面馬として理解するのが実態に近いとする考えが有力である(トモロモスのケンタウロス)。

この姿を指して、馬面の妖怪サンズが古代において
なぜか人面の馬としても描かれる混乱を説明できるとする研究もある(これはホウワートによって提出された337番の論説に詳しい)。

219言理の妖精語りて曰く、:2022/06/20(月) 19:14:33
【ユーヘメール音楽祭連続殺害事件】とは、ある年のユーヘメール音楽祭にてプロセスド種族12名と新しき外なる人格神1柱が殺害された事件のことである。
神ゆえに不死性を持ちまた人格も備えていた被害者1柱による迅速な証言により、実行犯自体はすぐに特定された。
だが、その黒幕については未だ判然としていない。

220言理の妖精語りて曰く、:2022/06/22(水) 23:01:19
【追放されし者たちの集落】
この世の何処かに、なんらかの事情で世界に定着できなかった人びとが集まる土地があるという
そこは、どこにも居場所を持てなかったような者たちが、最後に流れ着く場所なのだ

221言理の妖精語りて曰く、:2022/06/27(月) 12:22:04
【めきょえる】
一部の宇宙航行種族、とりわけ時間の感覚の薄い種族の間で使われる動詞。「宇宙航行する」という意味を持ち、出発点と終着点、航行方法の3つの対格を取る。
「テイルテイルを幽月をダークネス・ドライブをめきょえる」と書けば、「テイルテイルから幽月までダークネス・ドライブで宇宙航行する」という意味になる。

222言理の妖精語りて曰く、:2022/07/01(金) 03:20:11
【妖怪サンズ】
東亜大陸の山々に古来より生息する馬面の妖怪。
たまに山から人里へ降りてきて農作物を荒らしていく害獣でもあるため、しばしば社会(やしろかい)の三級伏士に調伏される。
ちなみに黒のサンズとは名前の発音が同じという以外は特に関連性は無いが、キュトスの姉妹の一人と名前が被っているというだけの理由でアルセスから種の根絶対象に認定された事があるらしい。

223言理の妖精語りて曰く、:2022/07/02(土) 08:35:45
【妖怪サンズ】と【黒のサンズ】は同一の存在であるとする説もある。
仮にそうでなかったとしても【妖怪サンズ】が【黒のサンズ】と無関係の存在であるとはっきり言い切れるような証拠はどこにも無い。

224言理の妖精語りて曰く、:2022/07/10(日) 21:22:42
四方三天の亜竜蛮神

主アルセスに力を示すためにフラベウファが討伐した異形のものども。

一日目に猪竜アルトを斬り伏せ、
二日目に菌神バチルキーナを焼き尽くし、
三日目に無胴蛇クルワナンガロスを両断し、
四日目に燃気神エンリューテを霧散せしめ、
五日目に渇星神ブーラースを墜とし、
六日目に剣竜オドモルルナを突き崩し、
七日目に糸竜グレイシスを刈りとり、
八日目にそれら亜竜蛮神の首を引き摺りながら瀕死の体で槍神のもとに帰り着いた

これらの呪いによって、フラベウファは真鍮の金鎖を吐くようになった。

225言理の妖精語りて曰く、:2022/07/13(水) 12:22:42
夢喰らいである獏(バク)は蹄を持つウマの仲間であるという。
悪夢(ナイトメア)もまた黒い馬だ。
ポニーもまた【紀】を持つ神性だとされている。
その秘匿された神秘は尾に宿るという。ポニーテールは萌え要素。

226言理の妖精語りて曰く、:2022/07/13(水) 23:13:41
ある地方における異伝 「フラベウファ宴会讃歌」によれば、
彼女は、九日間をかけて四方三天の亜竜蛮神を宴会で説き伏せたという

一日目に猪竜アルトと呑みくらべで勝ち
二日目に菌神バチルキーナを火酒で撃退し、
三日目に無胴蛇クルワナンガロスを酒樽に漬け込み、
四日目に燃気神エンリューテに蒸気酒の火炎放射で圧勝
五日目に渇星神ブーラースを呑み屋街に引きずり込み、
六日目にお硬い剣竜オドモルルナに飲酒の習慣を身につけさせ、
七日目に糸竜グレイシスを美容ケア完備のホテルノバーで口説き落として、女性(メス)の喜びを教えた
八日目にそれら最後の打ち上げで死体同然となった亜竜蛮神の肉体を、引き摺りながら瀕死の体で槍神のもとに帰り着いた

そして、九日目のフラベウファは、寝床からついに起き上がることが出来なかった
迎え酒が切れたため、嵐のような二日酔いが彼女を襲ったのである

こうして、八日間にわたって黄金に輝く真鍮シャンパンとビールを飲んだフラベウファは……(以下の文章は途切れて失われている)

227言理の妖精語りて曰く、:2022/07/27(水) 20:33:19
妖精はいるよ。近所のお兄ちゃんが言ってたもん。

「そはかくのごとくあり、かくのごとくなす。おろかものにだけ見えるロバの耳。
それは実在と非実在の合間にあるアリよりのアリ。言裏の要請によりて現れる言理の妖精」

228言理の妖精語りて曰く、:2022/07/27(水) 20:43:43
紡がれた呪文の初歩は公園のベンチを少しだけ輝かせ、竜は走り回り、猫はあくびをする。

「今回もダメだったか」スマホにはお祈りメール。何者かになりたい者は、それになれないという呪いを受ける。

ため息がわりに蒸気を吐き出して、お兄ちゃんは言った。「日記に不確かな未来を書くな」

だからあたしは言ってやった。「いやどす」

229言理の妖精語りて曰く、:2022/07/31(日) 13:16:33
【セタック】

【古代遊戯文明アビソリウム】の【神官セタ】が発明したとされる盤上遊戯。
現代のチェスや将棋に似ているが、コマを倒す際に六面ダイスを使うところが少し違う。

動きが強いコマであっても別のコマを無条件で倒せるわけではなく、
コマの種類ごとに刻まれているパワーに、運命神の導きであるダイスパワーを足して、
合計パワーが相手以上になることでようやく倒せるというルールであった。

また、必ずしも動いたコマ単体で倒す必要はなく、援軍として駆け付けたコマのパワーを
追加で借りて、その場に居るコマで攻撃するというルールもあった。

現代におけるウォーシミュレーションゲームの先達ですね、などとコルセ……C氏は
語っており、事実、あまりにも現実の戦争に似ているがために、一般への流布は禁じられ、
軍士官の教練に使われたほどであったという。

230言理の妖精語りて曰く、:2022/07/31(日) 13:29:47
セタックを楽しむ者をセタッキーという。
また、セタックの達人をセタッキストと呼ぶ。

セタックメーカーという、セタックの新しい種類のコマや、
拡張マップを作ることに情熱を燃やす者たちもいる。

231言理の妖精語りて曰く、:2022/08/13(土) 19:31:15
遡ること数万年。

ゲーム版の形をした大陸にあった(あるいは大陸からゲーム版を削り出したとも言われる)
古代遊戯文明アビソリウムは、遊戯の創造と輸出によって栄えていた。

セタックを始めとする高度なゲームの原型は、皆アビソリウムで作られた。無かったのは
コンピュータゲームくらいではなかろうか。という学説があるほどである。

小人と呼ばれる親指大の種族と、巨人と呼ばれる塔ほどもある種族が、同じ遊戯版で遊んでいた。
牧歌的な文明、あるいは、熾烈な文明。

だが、ああやっぱりというか、お約束と言うか、何というか……例に漏れず、かの文明は
ゲーマーの約束の地アルファケソタウリに向けて、飛んで行ってしまったのだ。

232言理の妖精語りて曰く、:2022/08/21(日) 23:12:22
フランク族の女性が強姦されたときには、罪人の心臓を槍で貫いて処刑した
古伝によれば、罪人の心臓にあてがった槍の穂先を最初に槌で三度叩いたのは、その当の被害者の女性だったという

それにならい、現在でもひそかに罪人を裁く私刑人が、この街のどこかに潜んでいると聞く……

233パラデムルクスクルスクスルの誕生1:2022/09/10(土) 10:38:46
パラデムルクスクルスクスルは、石油や天然ガスなどの資源の枯渇から始まった

運輸、防寒防暑、農作物や家畜の養育、そして医療用品などの生活に不可欠な素材の欠乏……
それは、まぎれもなく人類の黄昏の時代だった

そうした時代に生きた人びとの一部は、こう考えた
この危機は、人類が生きる道を誤ったことに原因がある、と

それゆえに、彼らは既存の「人間」概念を捨てた
「人間」のカタチを変えることによって、その巻き起こす問題や欠点から逃れようと、そう目論んだのだ
もっとも、その手段としてとられたのが「遺伝子改造」という最新科学の結晶であったのは、なんとも皮肉なことであったが……

234パラデムルクスクルスクスルの誕生2:2022/09/10(土) 10:45:03
そして彼らは、自分たちの身体を改造した
さまざまな動物の因子をその体に取り込み、既存の「人間」の姿を捨て去ったのだ

イルカとなり海に潜るもの、コウモリやフクロウの耳を得て夜を生きるもの、単純に大きな体や身軽な手足を得たもの……その変容は多様であった

実のところ、それには思想だけではなく実用的な面も十分にあった
エネルギー資源が枯渇した時代では、毛皮や身体強化による行動範囲の拡大は「新たな資産」として彼らの生存を存分に助けてくれたからだ
肉体の変異により、旧文明の特徴であった機械技術への依存を無くす、それもまた遺伝子改造の大きな目的のひとつであったのだ

もっとも、そうした改造を受けた多くの人びと、少なくともその第一陣は、もはやそうした機械技術の恩恵を受けることが出来ない貧困層や被差別民族ではあったのだが……

235言理の妖精語りて曰く、:2022/09/15(木) 16:04:29
パラデムルクスクルスクスルにおいてノローアーっぽい見た目をした者が戦闘面で目立つ事は世界の意思によって極端に制限されているため、人外度20パーセント未満の者(具体的にはノローアーに獣耳を生やしただけの者など)はどんなに努力したとしても何があったとしても決して強くなれないようになっている。

236言理の妖精語りて曰く、:2022/10/01(土) 21:01:12
明日世界が滅びるとしても、今日はゆらぎの神話を書こう。

えてして、神話は世界の滅びを生き延びるものだから。

237言理の妖精語りて曰く、:2022/10/06(木) 18:55:10
【ボタニは願い、それは叶えられた】

「砂塵に沈むボクの故郷を救いたいんです、先生」
「砂漠を緑に変える方法を教えてください」

砂と埃ばかりの荒野で、黒い肌の少年
クルハギネが乞い願う。

『俺を先生と呼ぶな、方法はある』
『だが採算が合わないぞ』
『時間もどれだけかかるかわからない』

時の達人、銀輪の椅子に乗った
人嫌いの隠者の男は応えた。

「どんなに辛い事でも成し遂げてみせます」
「先生にお支払できるものは……
この赤い血潮以外にありませんが
この血の紅さに賭けて……」

根負けした隠者はかぶりを振り
片手で顔を覆った。

238言理の妖精語りて曰く、:2022/10/06(木) 18:57:32
【ボタニは願い、それは叶えられた】

「砂塵に沈むボクの故郷を救いたいんです、先生」
「砂漠を緑に変える方法を教えてください」

砂と埃ばかりの荒野で、黒い肌の少年
クルハギネが乞い願う。

『俺を先生と呼ぶな、方法はある』
『だが採算が合わないぞ』
『時間もどれだけかかるかわからない』

時の達人、銀輪の椅子に乗った
人嫌いの隠者の男は応えた。

「どんなに辛い事でも成し遂げてみせます」
「先生にお支払できるものは……
この赤い血潮以外にありませんが
この血の紅さに賭けて……」

根負けした隠者はかぶりを振り
片手で顔を覆った。

239言理の妖精語りて曰く、:2022/10/06(木) 18:58:53

『まじないを弄ぶのだ、どのような結果になっても
俺は責任を取らんぞ、それでもいいな』

クルハギネは重々しく頷き
隠者は砂漠を緑に変えるまじないを教えた。

『猫の国のカガクに曰く
納豆に放射線を当て、それを凍結粉砕した
高分子ポリマーは土壌改良剤になるだろう
それを血であがなうというのなら、仕方ない』

「呪文の意味は高邁過ぎて
ボクにはわかりかねますが……
ともかく、血と緑を引き換える取引は成立したんですね?」

それからというもの、如何なる言理の妖精のいたずらか
クルハギネの流した血は珠玉となり
その血の珠が落ちた砂漠は緑成すオアシスが蘇り
ピュクティェトに焼かれた土の力が蘇るようになったという。

これがもとでクルハギネは造淵士の虜囚となるのだが――
ボタニは願い、それは叶えられたのだ。

240言理の妖精語りて曰く、:2022/10/07(金) 06:24:18
シルバリアースの土の巫女、ルティカーリは、金髪の少女である。
土の精霊王に「風を探しに行きましょう」と告げたこの少女は、大叙事詩フィソノセイアの主役でもある。

241言理の妖精語りて曰く、:2022/10/07(金) 06:26:45
のちにルティカーリの仲間になる火の巫女、水の巫女の名は逸失している。
ただ、髪の色は火の色の赤、水の色の青であったという。

242言理の妖精語りて曰く、:2022/10/07(金) 10:00:34
取り残された隠者に
風と砂が織りなす音が
歴史書の擦れる音のよう語り掛ける。

シシシッ――我が友よ、こうなることは
薄々わかってたんじゃないかね?
残念だが何でもハッピーエンドにはならねえさ……。

文明は代償に緑と森を消費する。
人皆がより善く豊かな明日を欲すれば
樹と緑を切り倒して松明と薪に変え
文明と競争の果てに、最期はみんーな
こんな最果ての砂漠になっちまう。
猫の国で緑の守護者フンババを殺した
ウルクが砂塵に呑まれたように。
この砂塵と荒野は文明・国家の時間の行きつく果てさ。

ボタニの苑(にわ)
ボタニックは猫の国の言葉で【植物園】さ……
かの国のエペソの書に曰く
その血によるあがない、すなわち、
罪過のゆるしを受けたのである、と書かれている。

カガクの救済はコストと時間が掛かり過ぎ
人の環境破壊という「罪」を血であがなう事になるのは
呪術の道理にかなう必然であるがね……シシシッ。

243言理の妖精語りて曰く、:2022/10/07(金) 12:37:32
アールオラは呪力を持たない大男だった。
森で枯れかけた巨木を切り倒し、転がして運び、砂漠の中に置いた。
土を運び、上に掛けて小山にした。そして網を紡ぎ、草木の種を蒔き、風で飛ばぬよう土を抑えた。
巨木はゆっくりと腐敗し、力を草木に移していった。それは魔術でも科学でもない、自然のプロセスだった。

アールオラは呪力を持たない大男だった。
やがてその子らが大人に育つ頃には、小山は千を超え、山脈となり、オアシスは湖となっていた。
アールオラは砂漠で死んだ。ただの人間として道の半ばで死に、そして国の名が定まった。
アールオラの民は事業を続けた。時に争い、時に手を取り合い、時に侵略を退け、時に道を違えた者を罰し、事業は続いた。

アールオラは、今はもうない国だ。一説には、その資源を妬んだ国に戦争で滅ぼされたのだという。
だが、アールオラを笑う者は少ない。滅びに立ち向かう一人の大男、一つの国は、今でも吟遊詩人ユガーシャの歌の中に受け継がれている。

244言理の妖精語りて曰く、:2022/10/07(金) 12:54:55
【アールオラのタイタン】は、そんなアールオラの建国神話をなぞる呪術である。
砂漠を耕す鋤を持った、山のような大男。神話を貶め、ただのだいだらぼっちとして使役する愚行。

もっとも、それは敵を倒すために呼ばれるタイタンとは異なり、多くは死にかけた土地を文字通り耕すために在る。
植物系の人類にはなじみ深い、繁栄のタイタンである。

245言理の妖精語りて曰く、:2022/10/18(火) 23:54:52
【天地九百九十九槍】は、遙か古代に生まれた半神たちである
彼女たちは、天に輝く槍、つまり星と、地の槍すなわち山岳や湖沼の化身であり、それぞれはヒトの姿を得て、世にさまざまな混乱をもたらしたのだという

また、彼女たちにはそれぞれ固有の名があり、それは後に占いの際に割り振られるようになった

246言理の妖精語りて曰く、:2022/10/27(木) 17:59:05
我々が槍に対して抱く観念はあまりに普遍的でありふれているので、
長らく見過ごされてきた。
槍は支配であり、導きであり、中心である。
槍の規範に対して反発を抱く者は数いようが、
槍の規範そのものを疑う者はこの地にいないのだ。

墓標船から這い出た人たちがいる。
あるいは、槍の降臨より古くから生きる人が。
彼らは槍を見上げて驚き、慄き、畏敬の言葉すら口にしたが、
我々と槍のあるべき繋がりについて話が通じることは遂になかった。
我々にあり、彼らにない何かが、それで初めて示されたのである。

247言理の妖精語りて曰く、:2022/12/20(火) 17:14:45
蛇を巡る私たちの試みのその全ては、結局のところ徒労に終わったと、そういうことなのでした。
長老の言うことが真実ならば、ですが。(プロセスド長老ではなく、原種の方の長老の話です)

999の槍のことを霊団と関連付けて考えたことが、そもそもの誤りでした。実際にはあれらはそのような統一意識の産物ではなく、むしろもっと個別的な、そして我々の自然本性との関わりの深い、ものだったのですから。
獣の数字を逆さにすれば、槍の数があらわれる。そのことについて我々はもっとよく考えるべきだったのです。

248言理の妖精語りて曰く、:2023/02/03(金) 14:08:20
ラカジン派の禁書によると終末時計は文字通り「刻」まれて
十二の文字盤さえ分解されてバラまかれてしまっているのだという。
終末の日が来ない様に。

12時は病と一緒に鼠が持ち去った。
1時は牛(ワングロギア)がひたすら遅らせる。
2時は猫の帰還まで詩人の虎が咥え続ける。
3時は空高く、夜空の月に住まう幻獣の『露舐り』の兎(マーチヘア)に
4時は龍(ファーゾナー)と一緒にどこかの雲隠れ。
5時は蛇が己の尻尾と一緒に咥えて居る。
6時は知られざる神々の馬(ポニー)の鬣に。
7時は生贄の定め拒む羊(メビウスゼロ)の少女に。
8時は名も知れぬ猿(ノローアー)が無駄遣い。
9時は太陽をしがむ牙持つ鴉の巣にしまい込まれ
10時は虹の弓と橋を統べる犬(レメス)に
11時はアテンプルの猪に。

249言理の妖精語りて曰く、:2023/02/03(金) 14:17:21

鼠に嘘の時間、あるいは間違った日付を教えられた猫は
寝過ごして終末を防ぐ守り人、幻獣のトーテムに選ばれなかった
「猫」は酷く腹を立てて鼠を追い回すようになったそうな。
猫を宥めるおもちゃに天心のネジが与えられたという。
二つの長針と短針はアルセスとキュトスに、振り子はエアルに。

全ての種族と神々を強引に統一して支配しようとする試みそのものが
戦と終末の時計の組み立てを招くとラカジン派の平和思想は警告している。

250言理の妖精語りて曰く、:2023/02/06(月) 07:12:24
南砂鍛拳と北氷骨斧の二つの流派は、どちらも源流を同じくする拳法であり、人体を極限まで鍛えて武器とするものである
第四次学園紛争は、小さな公園をめぐってこれらの拳法が正面からぶつかり合う事態を生んだ

251言理の妖精語りて曰く、:2023/02/09(木) 18:50:13
オムライスはオム国において国民食として広く親しまれている料理だが、同時に毎年死亡者およびに自我混濁者を出している危険な食べ物でもある。
昨年は死亡者19名、自我混濁者4名を出しており、死亡者のうち15名は人類、3名は半神、1名はオムライスであった。(このオムライスは後に当局により駆除された)
自我混濁者のうち3名は自我再建治療により自我を取り戻したが、残り1名は永劫線の向こうに消えていった。

252言理の妖精語りて曰く、:2023/03/15(水) 00:26:35
【覇天塔世界】は、階層ごとに異なる特徴を持つ
今は封印されている巨大エレベータ【グレイトスピア】を解放すれば、その全てを堪能することが出来るはずだ

九つの鍵を集め、全ての階層への進入路を拓け!
あらゆる宝を手に入れるのだ!

そう、水で満たされた階層では、とれたてぴちぴちの魚料理やカニ料理が!
百獣が集うサバンナ階層の牢獄街では、愛らしいもふもふ生物とのふれあいやお持ち帰りが!
恐ろしい最下層【コキュートス】でさえ、時を永遠に止められた美少年や多様な珍味が、そして謎の凄腕試食販売員が!

そして最上階、いや屋上ではどこにも移動できないがなんだか楽しい謎の乗り物や硬貨を入れて使う双眼鏡が!
あなたを必ず待っているのだから!

253言理の妖精語りて曰く、:2023/05/27(土) 09:15:18
符術

東方のある一族には、「紀」を抽出し紙に封じ込める技術が伝わっている。その一族では、より純粋に「紀」を取り出せる者が当主につくらしい。

254言理の妖精語りて曰く、:2023/06/01(木) 01:02:25
オムライスは、オムとライとイスの三つの神格が融合した存在であり、それぞれ異なる文化と宗教を持っていた三つの集団が合流したときに生まれた
だが、それは強大な力と魅力をもたらすと同時に、恐るべき呪いをももたらすことになったのだ・・・・・・!

255言理の妖精語りて曰く、:2023/06/23(金) 17:33:31
符の中に紀があるのか、紀の中に符があるのか 蝶の夢

256言理の妖精語りて曰く、:2023/06/23(金) 17:47:14
時間遡行的警告。
世界をバグらせて遊んでいると、そのうちセーブとロードも壊れてしまう。
世界は壊れ、自分も壊れ、残されたのは万能を夢見た哀れな病人だけ。
でも病人の人生にも幸福はあるから、諦めずに進めばいい。
何も求めない者には何も与えられないのだから。

257言理の妖精語りて曰く、:2023/08/28(月) 16:12:10
下tyqは333年目に生まれた兎である。
彼には耳が無く、一切の生殖機能も無く、いかなる魔術も使用できない。
どういうわけか兎は彼のおかげで絶滅を免れたという。

258言理の妖精語りて曰く、:2023/08/28(月) 19:15:54
下tyqはペレケテンヌルの化身である。
だって、耳のない兎って、ほとんど三角錐みたいじゃない。

259言理の妖精語りて曰く、:2023/08/30(水) 01:36:01
だからなのか、兎ミサイルは勇者の証だと考えられている

260言理の妖精語りて曰く、:2023/09/24(日) 13:49:55
ブレイスヴァが終端速度をむさぼったので、カシュラムには空気抵抗がない。

空気もない。

261言理の妖精語りて曰く、:2023/09/24(日) 22:37:55
カシュラムで銃を撃つと、なんかもう、ヤバい

262言理の妖精語りて曰く、:2023/09/30(土) 20:02:31
【緑の泥の都市】
浮き黒カエルたちが築いたといわれる伝説上の都市。
そこは有機物と無機物の交感の場であり、密林の熱気とひそやかな囁き声に満ちている。

この都市には、以下の四つの掟があるという。

1. 他者を意図的に傷つけてはならない。
2. 盗みをはたらいてはならない。
3.他者のゲノムを解読してはならない。
4. 決して赤い泥を口に入れてはならない。

1つ目の掟を破った者は沈眼刑、2つ目を破った者には明耳刑、3つ目を破った者には乾舌刑に処せられる。
4つ目を破った者はいかなる刑にも処せられることはない。

263言理の妖精語りて曰く、:2023/11/09(木) 18:57:38
あるカップルが友人たちと旅行に行くことになった。カップルのうち一人(仮にAとする)は用事があったので後から合流することにし、もう一人(仮にBとする)は友人たちと先に旅行先へ向かった。
友人たちとBは無事に旅行先の宿に到着しAを待つが、いつまでたっても来ない。そのうちBは待ち疲れて寝てしまった。
起きると、部屋の扉がノックされている。「Aです、開けてください」と言う声にBが戸を開けようとすると友人たちが青い顔をして止めてくる。なんでも、Aは来る途中に事故に遭い、もうこの世にいないはずだというのだ。

このとき、Bにはヒムセプトの切断の力が宿っている。無意識下で周辺領域を扉を境に切り分けているのだ。そして、扉に対する行動(開ける、離れるなど)をトリガーに周辺領域は異なる二つの世界(例えば生と死の世界など)に分断される。
神業とはときにこのようにして為されるものである。

264言理の妖精語りて曰く、:2023/12/09(土) 10:03:31
【無限夕焼けの世界】は、行き詰まった資本主義がたどり着いた理想郷である

それは、無限に経済が成長していた過去の再演
侵食拡大型の【浄界】
一定期間ごとに破滅とループを繰り返すその世界においては、工業製品に対する需要はいつまでも拡大を続けるし、給与と賞与も永遠に増大を続ける

それは、偽りの繁栄
追憶と約束された破滅によって、退行と停滞を繰り返す老人たちの幻想
永遠に訪れない明日、子どもが大人にならない永劫の昔日

夕日が照らし出すセピア色の世界には、隠しようもない死臭がただよっていた

265言理の妖精語りて曰く、:2023/12/16(土) 10:13:50
栄華を極めし古代文明

磁石を始めとした鉱物の都アルムシオンよ
あらゆる医療と生きた道具や家具の産出地、植物文明の精華たるハルシャバー・ニートよ

ときに、己が命すら喜んで差し出す犬頭族が治めるケモノビトたちの国、荒々しくまた心優しきライラートよ
そして、演劇と祭祀の都、あえて不毛なら砂漠に囲まれた高き峰の頂きに都を作ったアルティーアスよ

四つの文明は、機械文明が機神過労(オーバーヒート)で永き停滞期にあったときに繁栄し、それぞれの特色を維持しながらも交流を深めていったという

266言理の妖精語りて曰く、:2023/12/16(土) 14:32:44
天照府では十年に一度、とある儀式が行われるという。
それは星輪の高家の血に連なる者の中から一人が選ばれ、神楽を奉じるというものである。
選ばれた者は、神刀《星ノ輪》の担い手として舞殿に立ち、その命が尽きるまで舞い続ける。
神楽に合わせて振るわれる刃は、失われてゆく舞手の命脈と反比例するかのように輝きを強め脈動してゆく。
そして舞手の絶命と共に、神刀より呼び出されし巨大な光の輪が三日三晩に渡り地球全土を覆い、大地に光を注ぐのである。

この神刀《星ノ輪》――否。
刀剣の姿へと鍛えられた《輝黄の彩石》によって呼び出されし「光の輪」。
これこそが、フォービットの魔獣が一にして。
一六体の中で最も巨大な体躯を持つ魔獣、オーレオリンである。

ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/movie/7039/1335194449/10

267言理の妖精語りて曰く、:2023/12/17(日) 13:37:23
紀竜オルガンローデの主武装としても知られる強大な呪詛「剥落の鉤爪」は防ぐことも根治することもできない凶悪な呪いだが、
なぜこれほど強力な呪いなのかといえばこれが元はと言えば呪詛の女王レストロオセの創り出した原初の呪いの一つだからである。
これは秩序を切り裂く呪いであるため、秩序を体現する竜や紀元神群のほとんどに強烈なダメージを与えることができる。
反対に、混沌を体現する猫や一部の飛来神群にはあまり有効なダメージを与えることはできない。

268言理の妖精語りて曰く、:2023/12/17(日) 13:37:32
紀竜オルガンローデの主武装としても知られる強大な呪詛「剥落の鉤爪」は防ぐことも根治することもできない凶悪な呪いだが、
なぜこれほど強力な呪いなのかといえばこれが元はと言えば呪詛の女王レストロオセの創り出した原初の呪いの一つだからである。
これは秩序を切り裂く呪いであるため、秩序を体現する竜や紀元神群のほとんどに強烈なダメージを与えることができる。
反対に、混沌を体現する猫や一部の飛来神群にはあまり有効なダメージを与えることはできない。

269言理の妖精語りて曰く、:2023/12/17(日) 14:36:38
全天掌握(コスモス・イン・ハンド)
最強の魔法使い、魔術王ゾートが使った複数の浄界のうちの一つ
好敵手であり相棒でもあったヌトの天候操作を元に昇華した魔術で、天候どころか宙にある無数の天体そのものを操作し、
その莫大なエネルギーを浄界内部の全ての敵に叩きつける超大技。
紀元神群ですらその破壊力に怯え逃げ出したと言われている。

270言理の妖精語りて曰く、:2023/12/17(日) 14:49:16
言語戦争において全天掌握は少なくとも四度使用された記録があり、そのうち三度までは紀元神群に壊滅的打撃を与え、いずれも敗走させている。
これが魔術王ゾートを「最強の魔法使い」と呼ばせている理由の一つであり、正面からの魔術戦では神々すら敵わないといわれる所以である。
ただし、四度目の全天掌握に対して紀元神群はセルラテリスのゲルシェネスナで対抗し、相殺に成功したという。

271言理の妖精語りて曰く、:2023/12/17(日) 22:37:23
万生簒奪(オールアラウンド・オーバードレイン)
最強の魔法使い「無言なる」ヌトが使用した浄界の一つ。
魔術王ゾートが編み出した秘儀「生命吸収」を昇華したもので、浄界内部の敵全てを存在ごと純粋な生命エネルギーに変換し、これを全て吸収する。
効果そのものはシンプルだが極めて迅速な浄界の展開及び広大な範囲で一瞬の間に何もかもを吸い尽くす暴威は、
神々や非生物、不死者にすら有効とされる凶悪な浄界。

272言理の妖精語りて曰く、:2023/12/29(金) 17:15:14
魔術戦騎九闘司隊(マジック・ディヴィジョン・ドミニオン・ナイン)
魔術王ゾートが使用した「軍団(レギオン)」の一つ。
魔術王の異名の由来となったとも言われるゾートの切り札の一つである。
命も人格も持たない準英雄クラスの戦力を持つ魔法戦士約25000名を同時に一瞬で召喚、陣を形成展開し、敵を殲滅する。
ひとたびゾートが攻撃命令を下せば、戦士団は独自に自立思考し、最適な陣形を組み替えながら進軍を開始。
効率よく敵戦力を完全に鏖殺していく。
約25000名の魔法戦士はそれぞれが剣兵、槍兵、砲兵、騎兵、騎竜兵、軍医、工兵、輜重兵やゴーレム兵にサイバネ兵、言語魔術師などさまざまな分野の精鋭が集っており、
いかなる戦場、作戦にも対応することができる。
言語戦争においては3度の会戦で使用され、そのいずれもで華々しい勝利を収めた。

273言理の妖精語りて曰く、:2023/12/29(金) 17:24:05
天霊巨兵団(エレメント・ギガンティック・ブリガディア)
無言なるヌトが使用した「軍団(レギオン)」の一つ。
およそ7000から10000ほどの精霊巨人を同時召喚し、敵陣を粉砕する。
召喚される精霊巨人はいずれも自然の力や天候操作の力を備えており、暴風や豪雨・大雪、落雷や地震、津波や山火事、濃霧などを周囲に連鎖的に発生させながら
敵軍団を残らず踏みつぶしていく。

274言理の妖精語りて曰く、:2023/12/29(金) 20:27:40
焔眼(えんがん)
魔術王ゾートの邪視。
視界に収めたあらゆるものを瞬間的に発火させ、塵も残さず焼き尽くすことができる。
魔術行使中のその瞳は炎が赤く燃え上がっているように発光するという。

275言理の妖精語りて曰く、:2023/12/29(金) 20:30:40
凍眼(とうがん)
沈黙のヌトの邪視。
視界に収めた全てのものを一瞬のうちに凍結粉砕し、永遠の静寂をもたらす。
魔術行使中のその瞳は冴え冴えと青く輝くという。

276言理の妖精語りて曰く、:2024/01/13(土) 11:40:39
>>265続き
最も天に近い高山都市アルティーアスは、独特の宗教観を誇る宗教都市でもあり、そこの住民は全て仮面をつけている
人々は、そこへ死者を葬るために訪れる
そして、彼らを鳥たちに天まで運んでもらったり、自らが運ばれる日を待つまで葬送の手伝いをしたり司祭たちの教えを聞いたりして過ごすのだ

また、この町は死者と会話が出来る場所としても有名であり、その手段には独自の舞踏を伴った祝祭を必要とする
仮面と槍を用いた激しい舞踏は、自他の境界ひいては生死の境界を曖昧と成し、それが生者と死者の交流を可能とせしめるのだ

277言理の妖精語りて曰く、:2024/01/27(土) 11:11:40
【天津陰流】は、女専用の剣技であり、その技は女性ならではの柔軟性を活かしたものが多い
代表的な技は、極端に身体を低くかがめ、相手の股下から切り上げる【暗夜三日月】である

他にも、暗闇の中、高速で走りながら切り抜ける奥義【闇夜】があるとされるが、その詳細はまさに闇に包まれていて判然としない

278言理の妖精語りて曰く、:2024/02/03(土) 10:54:59
【天津陰流】は、護身術とされているが、その実態は暗殺剣でもある
その剣技は、家父長制社会である【天照府】における、女性のための最後の選択肢、唯一の暴力手段として踊りの伝授に見せかけて伝承されてきたという

この流派では、脇差しやそれ未満の長さの小刀や暗器を多用することにその特徴があり、その戦術の中には、戦いに入る前の話術や戦場となる屋敷の手入れなども含まれていたとか

端的に言えば、その極意は弱者が強者に反逆するための「間」の制圧にあるのかもしれない
相手の来訪時間、行動のタイミングを誘導することによって時間や空間を調整し、有利な戦場の構築を図る「戦場の間」
歩法による幻惑「距離の間」
そして、話術や演技によって相手から隙を引き出す「心理の間」
その三つの「間」を制することこそが、男女のさまざまな差をひっくり返す暗殺剣としての技法なのであろう

暗殺剣ゆえに、現代ではその剣技の多くは不明であるが、わずかな伝承によれば、
距離や動きを幻惑する【波間の月】や【朧月】
両利きに矯正していたという脇差し二刀流【双月】系の剣技
密着に近い距離から、相手の死角から小刀で急所を突き上げる【射返す月光】

柔軟性を活かし、本来とは異なる距離での斬撃を可能とする【半月】系
刀身を握り、相手の予想外の距離から切り上げる【朱半月】といった技があったという

更に、暗殺剣ゆえに奇襲特化と思わせてその隙を突く技まである
遠距離から、大刀や薙刀に遠心力をかけた斬撃で押し切る【巡り来る月】といったあえてパワー系で押して、相手の意表を突く剣である

有識者の間では、剛剣の使い手で知られるある旧家が、使用人に至るまで一夜の内にほぼ全員が殺されていた「鋼山家壊滅事件」でも、この剣が用いられたと見られている
その事件では、一族史上最強と謳われた家長が剣を構えたまま物凄い形相で斬殺されているのが発見された
検死によれば、彼はその持っている剣ごとその眉間を「斬られて」いたのだという

鋼山家には、働き者で虐げられていた下女がおり、少し前に妊娠している姿が目撃されている
だが、事件の後その姿は無く、その代わりに裏庭に小さな墓が一つ、作られていたという……

279言理の妖精語りて曰く、:2024/02/17(土) 08:59:13
【スライム拳】は、召喚したスライムと協働して戦う融通無碍の拳である
とある一族は、生誕前からスライムとの共生を行なうことによってこの拳を極めんとしているとか

280言理の妖精語りて曰く、:2024/02/24(土) 14:57:08
【自立のための書】には、胃を肉体から自立して活動させるための方法とその理念が事細かに記されている。
たとえば、胃を体外に出した状態で外傷や呪傷から保護する術、肉体とは独立した思考を胃に持たせるための呪術回路の組み方、胃の自立とそれによりもたらされる食事からの解放が人類種とその胃にとってどれだけ大切なことか、など、その内容は多岐にわたる。

281言理の妖精語りて曰く、:2024/03/19(火) 11:24:18
複合装甲素材【アズ・キバー】は、異界で「パイクリート」と呼ばれるものに良く似た特殊な物質である
これは、氷もしくはアイスクリスタルと砕いた硬質の赤い豆などを合わせることによって形成される

こうして出来た【アズ・キバー】は武器の素材として最高級の品質を誇り、その刃はいかなるものをも切り裂くと言われている

282言理の妖精語りて曰く、:2024/03/20(水) 01:13:49
【すべての蟹のための詠唱文】

泥砂ゆけ 岩場ゆけ 渓流ゆけ
背に都市宿し 眼に星宿し
全てを断ち 全てを断たぬ その鋏偉大なり
めきょえるもの皆 その身に住まうこと願わん

283言理の妖精語りて曰く、:2024/03/23(土) 12:30:39
【生物磁気通信技術】
生命の持つオーラという動物磁気を活用し、通常では目で見ることのできない情報にアクセスする技術
電気や磁気、霊気と関係が深い技術である

284言理の妖精語りて曰く、:2024/03/27(水) 00:33:57
【ある一匹の蟹のための鎮魂歌】

彷徨えるもの皆 汝を忘れん
あるひとつを あるひとつを その鋏いまだ抱き
身は死屍となり 死は星となり
泥腐る 岩腐る 水腐る

285言理の妖精語りて曰く、:2024/03/28(木) 21:26:00
【大地に根を張る盾】
またの名をグラウンド・ヴェイン。
大地の加護を受ける強力な言語魔術の一種で、精霊の力を借り受けているのだという。
両足、またはそのように認識できる体の一部を地面に接触させている限り、城塞や巨大な岩山に匹敵する防御力を個人で発生させ続けることができる。
「大地の中心の九十九騎士」が得意とする術であり、彼らは全員がこの術を使用できるという。
また、ティリビナ人やトロルといった種族の高位術者の中にもこの術を使用できるものがいるようだ。
正面から打ち破ることは困難な防御術だが、「岩穿ちの剣(パルフォテッラ)」はこの術を使用している術者すらもいとも容易く破壊できる。

286言理の妖精語りて曰く、:2024/04/06(土) 18:35:46
【電脳と潜在意識の交信】
術者の心象空間と電脳空間を繋ぐことで本来知り得ない情報を【紀】から引き出す禁術
自我の崩壊や混濁を招く恐れがあるため、長期間の使用は自殺行為

287言理の妖精語りて曰く、:2024/05/02(木) 12:51:57
都では、庶民が利用できる寿司店は【銅(copper)寿司】までである
もう少し裕福になると【銀(silver)寿司】、最高は【黄金(gold)寿司】となっているが、実は期間限定の【白金(platinum)】寿司も存在すると噂される
なんとそこでは、海外寿司職人や現代寿司アーティストによる、当たり外れが激しい寿司が提供されるらしい


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