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汎用記述スレッド3

1言理の妖精語りて曰く、:2018/09/23(日) 11:26:39
この場所は特に制限を設けない総合記述スレッドとして汎用的に扱います。
ここに記述された文章が神話を構成する断片となります。

前スレッド
//jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/movie/7039/1181226130/

137言理の妖精語りて曰く、:2019/08/02(金) 08:15:18
体は鉄、血潮は蒸気で出来ている

138言理の妖精語りて曰く、:2019/08/02(金) 12:42:07
黒金の巨人の関節は鳥かごで、動くと小鳥が潰れてしまう
だから、巨人は動けない

139言理の妖精語りて曰く、:2019/08/02(金) 21:32:56
そして鳥かごの中で小鳥は、ほくそ笑む
これで自分の寿命が尽きるまで世界が滅びることは無い、と

140言理の妖精語りて曰く、:2019/08/08(木) 07:57:00
【マーネ語】は、その起源がよく分からない新造言語の一つである
それ以前に記録が残っていないことから、神人世以後に創られた言語であることは、間違いないのだが

この言語について人々は、還元猿人たちが人間種であったころの名残りで産まれたとか、来訪者の小隊の間で話されていた軍事用言語が変化したものだとか、好き勝手に由来を語り合っている

141言理の妖精語りて曰く、:2019/08/12(月) 06:35:17
『月刊ダンジョンマスター』今月の特集

特集・宝箱の中身は素数で置け!割りきれない数がパーティを割り砕く!
レア冒険者撃破でダンジョン拡張資金をゲットしよう!私はこうしておだててグレンデルヒを撃破しました。
今日から始めるタイプ別・迷いモンスターとのコミュニケーション。あなたの努力で冒険者の追加キャラが立派なワンダリング・ボスモンスターに!異次元最終兵器はこうやって口説け!

142言理の妖精語りて曰く、:2019/08/24(土) 12:34:00
夢を具現化する力は、なにも夢への親和性と没入力に依存するものではない
現実を感じ取る力、そこに美しさや楽しさを見出す力も、また夢を描く力を高めるものだ

質感、彩度、色合い、輝度、明暗、形状、機構、そしてものが纏う”空気”
万物は、それに親しむもの、思い入れを持とうとする者に、常に新たなる姿で語りかける

143言理の妖精語りて曰く、:2019/08/25(日) 01:55:24
七つの仔山羊の死体から生まれた鼠のシュガーハット君
今日も砂糖に齧りつき、塩の星を引きずり降ろして酢のナイフで削りだす
醤油で体を固めたら、味噌の雨で眠りについた

144言理の妖精語りて曰く、:2019/08/26(月) 19:11:23
シュガーハットは夢を見る
朱く紅く何処までも赤い凄惨たる悪夢
そんな悪夢の中で殺し合う、眠りの民と睡魔の怨嗟や慟哭もまた
彼にとっては美しく、楽しく、親しむべき、微睡みの世界であった
故に『血の微睡み』と呼ばれる大戦争は終わらない、少なくとも彼がその夢に飽きるまでは

145言理の妖精語りて曰く、:2019/09/10(火) 19:16:29
ああ、あったあった。この時代のこのタイミングだ。
スレッドだ。
我々はようやく辿り着いたぞ。

146言理の妖精語りて曰く、:2019/09/10(火) 19:29:59
昔、人は南極を目指した。法を越えた情熱があった。
タイムパラドクスは忌々しい法だが、法を越えた情熱の前には無力なものだ。

ここに旗を立てる。旗の名は後世の者が考えるであろう。

147言理の妖精語りて曰く、:2019/09/14(土) 11:26:41
そして今こそ革新的で、超独創的なネーミングをしよう!
そう、とろけるような柔らかさを表す「トントロ」に音楽的な硬質さ「ポロロン」を加え、さらに複数形として幸いの増殖を表現、「ズ」を末尾に付ける!
すなわち・・・

148言理の妖精語りて曰く、:2019/09/15(日) 06:30:07
トポッ!トポッ!ドロッ……ジュルルルルッ!

149言理の妖精語りて曰く、:2019/09/16(月) 13:01:48
旗を立てて勢力を増やす。原始的だが馬鹿にならない呪術である。
全プロブァンスに旗を立てると旧勢力は死に、亡命政府が無ければパルチザンすら沸かなくなる。

150言理の妖精語りて曰く、:2019/09/17(火) 20:37:12
かける言葉や音楽次第で、野菜の性質は如何様にも変化し得る
そのことが常識となってからは、畑には防音壁や見回りを置くことが当たり前となった

それでも、友人から贈られた野菜や自家製の果物を使ったケーキを食したために、披露宴で内側から爆発する新郎新婦などはいまだに後を絶たない
そうした呪殺テロを防ぐため、防御呪文や対呪術対策のさらなる充実化が求められているのだ

151言理の妖精語りて曰く、:2019/09/18(水) 05:51:45
歯ごたえ、のど越し、舌触り
食物は、音楽を奏でる
この世の全ては楽団である

152言理の妖精語りて曰く、:2019/09/19(木) 20:09:54
脳は、内臓のひとつに過ぎない
内臓は、全て夢を見る
それが、移植された後であっても

153言理の妖精語りて曰く、:2019/09/20(金) 00:41:23
猫の国の「フランケンシュタインの怪物」と呼ばれる存在が【幾千もの夢見人】と呼ばれたのはそれが理由である。

154言理の妖精語りて曰く、:2019/09/21(土) 15:01:44
フグの臓物に猛毒があるのは、フグは自分以外に夢を渡したくないからだ。

155言理の妖精語りて曰く、:2019/10/03(木) 19:48:24
真なる救世主の到来を人工的に引き起こすため、十二人の「偽りの救世主」(ダミー・メサイア)が創り出された
暴力とカリスマによって全てを破壊しようとする者、人工生物の生態系と人間と動植物の融合により「人間の野生回帰」をもたらし狩猟採集時代を再来させようとする者、洗脳によって確実な秩序と永遠の平穏をもたらそうとする者、機械によって支配された合理的な世界を追求する者、全ての人間に負債と投資技術を与えることによって人類の可能性を拡大しようとする者・・・

だが、彼らは当初の計画から離れ、独立して行動を始めた
予定にない同盟と協力、予想外の展開、そして現れる「十三人目」・・・新たなる黙示録の時代が今始まる!

156言理の妖精語りて曰く、:2019/10/04(金) 08:10:32
現代日本において、もはや真の他者同士が接触する公共空間の作法は存在しない
それは、会社や学校、趣味などの世界観を共有しない間柄においては、相互に意思伝達を図るやり方や言語といったものが無いのだ、と言い換えることも出来る

それゆえ、雨の日の電車の中では、身体をぶつけあって乗り降りすることしか出来ない者が多いのである
そこには、他者と意思疎通の回路を築こうという試みや意志が存在しない・・・いきなり飴玉を差し出せるおばちゃんのようなタイプを除けば

157言理の妖精語りて曰く、:2019/10/07(月) 11:27:23
・武術の極み、あるいはこの世を統べる摂理について

とある武術家によれば「武術の極み」とは、相手を味方につけることであるという
人間は複数の側面から出来ている
それがたった二人だけの真剣勝負(リアルバウト)であったとしても、そこで対峙しているのは少なくとも「四人」は居ることになるのだ

二人にそれぞれある二面性、すなわち「戦って勝ちたい自分」と「戦わず負けたい自分」、「戦って勝ちたい相手」と「戦わず負けたい相手」である
だから、確実に勝つためには自分の足をひっぱる「戦わず負けたい自分」と相手の足をひっぱる「戦わず負けたい相手」を味方につけ、「三対一」で戦うことが必要になるのだ

そうした戦法を突き詰めていけば、それは天地万物を味方につけることにまで至るという
賭博師が言う「流れ」、星占い師が語る「星の巡り」、あるいは宇宙と一体化することであるとして、宇宙の「脈動」または「呼吸」と呼ぶ者もいる
あらかじめ切れ目があれば、どんな大きく硬いものでもたやすく切断出来るように、勝つべくして勝つ、切れるのだから切る
全てはただ、あるようにあり、なるがままになる

それこそが、万物を支配し勝利する、武術の至る極みの一つ
「外側の他者」と「内側の他者」その両者から同意を得ることこそが、宇宙の「切理」に通じる武の奥義なのだと言うのだ

158言理の妖精語りて曰く、:2019/10/19(土) 22:58:25
【光枝世界】またの名を【上昇世界】とは、既存の世界が"光へ向かう枝"の形状に再編されたものである

だが、その住人たちはそこを嫌い「強制移動ステージ」などと蔑称していた
【光枝世界】それは、上昇しないものは怪物へと変貌し、やがて消えていく成長を強制される世界

常に追いすがるその破滅から逃れるため、そこでは様々な技術が開発され、ありとあらゆる試みが行われた
当然、そこでは禁忌に分類される技術も躊躇なく用いられたのである
人体改造・悪魔や頂上存在の召喚・そして融合や分解、「強化素材」や「アクセサリー」への形成・・・

【光枝世界】そこは、天上を目指す地獄であった

159言理の妖精語りて曰く、:2019/10/25(金) 09:00:57
P.S. ――追伸。
この手紙を呼んだ人には封入してある銀貨は差し上げますので
グレンデルヒ或いはグレンテルヒ
紅蓮照日・来人去 ボミール・ハーラール・ディゲーム
という錬金術師を見かけた方は
亜大陸ハイダル地方ルナザール、大きな石碑が脇に立つ史跡フォグラント領主館にて
弟子が待っている由お越しくださるよう伝言、言伝のほうをよろしくおねがいします。

ティアテラからの手紙、ボトルメールの殆どに書かれている締めの文言。

160言理の妖精語りて曰く、:2019/12/05(木) 09:30:00
環境こそが、人を支配する

突如として巨大な壁に隔離された新東京
そして突如として現れた6つの異なる環境

地形こそが地球の真なる支配者であり、アイデンティティと実存の本体
そして、今、その地形同士が地球の覇権をめぐって争う時が訪れたのである!

山、海、渓谷、溶岩、氷河、人造地形・神殿、そして万物を消し去る異端の地形【滅地】
今、地形の小さな分身であるカードに支配された人間たちが、互いに代理戦争を繰り広げる!

161言理の妖精語りて曰く、:2019/12/05(木) 20:31:07
宝石は、山中でしたたった雫が結晶になったもの
それは、山の中で積み重なった記憶
想いも知性も、そこには凝縮されている

162言理の妖精語りて曰く、:2019/12/08(日) 10:50:43
昔々、魔女がいた。今はいない。
魔女が死に絶えたから?
違う。
魔術がありふれたものになったからだ。
我々が科学と呼ぶものは魔術の延長にある。つまり全ての女性は魔女になったのだ。

163言理の妖精語りて曰く、:2019/12/09(月) 08:46:30
神話の痕跡を追い、その断片をつなぎ合わせる者、人はそれを【神話追跡者】(ミュトスハンター)と呼ぶ
またの名を【神話編纂者】(ミュトス・エディター)と言い、解釈と補完でひとつながりの神話を産み出していく彼女たちの行末やいかに!

今なら、映画館で「神話作者捕獲セット」貰えます!

164言理の妖精語りて曰く、:2019/12/11(水) 23:57:28
異能とは、世界の悲鳴である

地球全体、あるいはもしかすると宇宙全体の苦痛が個人に反映されることによって、それが特異な能力という形で発現する
それこそが、異能の原理なのだ

そのため、異能は全て滅びを志向していた。
ワイヤー使いの首なしライダー、見えざる縄の首吊り、血の刃を生やすリストカッター・・・
家族や日本的企業といったコミュニティを失い、むき出しの個人となった人々は、心の病から異能を発現させる

警視庁廃鬼(ハイキ)課の刑事たちは、果たしてそんな異能を振るう怪人たちに立ち向かうことが出来るのか!?

165言理の妖精語りて曰く、:2019/12/14(土) 23:01:14
次回の『こんにちは、異世界』は、地中の異世界「マレタ」をお訪ねします!
・・・・・・・・ええっと、なんだったっけな?ツツミコ=マレタ?トジコ=マレタ?クリヌカ=マレタ?オゴッテ=クレタ?
なんだか、女性の名前みたいだったことだけは覚えているんだけど
まあいいや、次回、トニカク=マレタへ行ってきます!

166言理の妖精語りて曰く、:2019/12/18(水) 01:06:15
【光輝の楽団】の楽団員はみな、【燐光の世界フエリエ】において【第七惑星融解事件】を引き起こした大罪人である。
彼らの大半は惑星魂の融解に巻き込まれて光輝意識の一部となったが、指揮者エルパや第一ホルン奏者フルームといった中心メンバーたちの行方は未だわかっていない。
この事件により光輝意識の奔流が銀河に溢れ出し宇宙意識連合にも多大な被害が出た。連合はこれに対処するため共鳴法の廃止を決めたが抜本的解決には至らなかった。

167言理の妖精語りて曰く、:2019/12/30(月) 07:40:26
【文脈錯誤病】は、文章に取り憑き、言葉の使い方を間違えさせてしまうという恐るべき病(ヤマイ)である
・日焼けサロンへ行った。 →そうか、ソースとしょうゆ、どっちが良い?
・昨日、お義母様が喜寿を迎えましたの。 →はい、ちり紙交換ですね
・私、あと半年しか生きられないんだ →え、この状態からも入れる保険があるんですか!?
・もう駄目よ、みんな死ぬしか無いんだわ! →サメ映画の中のサメ映画、『超サメ祭りフェスティバル』Coming soon...

168言理の妖精語りて曰く、:2020/01/04(土) 23:13:50
少女が髪をすくたびに、そこから金貨がまろび出る

「ショートカットにしても、無理なモンは無理かぁー。やっぱ坊主にでもしちまうかねえ」
「お待ち下さい、姫様!」
「げ!また厄介なヤツが来たよ。イヤだねぇー年寄ってのは。きっと脳のシワが『掟』とやらの形に固まっちまってるんだぜ」

169言理の妖精語りて曰く、:2020/01/09(木) 07:41:03
天の銀鐘

天の金、星の銀

天の金鐘、星の銀鈴

170言理の妖精語りて曰く、:2020/01/13(月) 22:34:18
『シャドウ・アバターの反乱』こそが、夢界に潜る者にとっての最大の危険であると言っても過言ではない
己の心の中に潜むネガティブな観念、普段から抱いている信念や信仰が向かいかねない破滅的な方向性、そういったものが「あらゆる思いが実現し、あらゆる願いが叶う」夢界において膨張・増幅され、そうした思いを抱いている本人を襲うのである
そして時に、そうした思いは『悪魔(マーラ)』となり、実体を持って「本体」を誘惑し乗っ取りにかかるのである

闘うべきは常に自分である

171言理の妖精語りて曰く、:2020/01/15(水) 10:43:05
ボクが女性連続殺人事件の犯人?そんなワケあるはずない
だって、ボクは【腐女子保護隊】のゆらぎ市支部長なんだよ
そんなボクが、そのような凶悪犯罪を犯すわけがない

違法化したポルノの作成と裏取引?犯罪の斡旋?ボクは政府公認の治安組織の一員、いわば現代の騎士だ
そんな疑いをかけるなら・・・・・・・・どうなっても知らないよ?

ボクの情報統制は完璧で、ネットでもマスコミでも、ボクたちに味方するものばかりなのだから

172言理の妖精語りて曰く、:2020/01/20(月) 22:24:55
ある日の帰り道、冬の街で
蘇る竜の骨を見た

その色合いは、エメラルド
ローズクォーツ、アクアマリン
ルビーにサファイア、アメシスト

くすんで透けたその骨は、人々の上を覆ってる
ああ、そしてわたしは気づいた
古代の王者は今はない
けれども遺産は受け継がれ、骨格(フレーム)となって残ってる

そうだ、冬の通りは、古代の王者の凱旋路

173言理の妖精語りて曰く、:2020/01/21(火) 07:21:50
夢の市場で、失われた夢を買おう
古代の夢 苦い夢 甘い夢 大きな夢 小さな夢 壮大な夢 些細な夢
悪夢に迷夢に正夢禍夢

値札はあれども、交渉次第
さあ、みんな寄っといで!

174言理の妖精語りて曰く、:2020/02/02(日) 16:23:35
シシッ……猫のライバルが竜なのは知ってる奴もいるだろうが……
猫に天敵とされるものは鴉、蛇、狐、狸、猿、洗熊、鼬に猛禽、草原狼。
だがどれもいまいちしっくりこない……
九つの命を持つとされる猫を本当に殺すものは何なのか……
本当の天敵は外よりも猫の内にあると思うぜ……。
「好奇心は猫をも殺す」あるいは「心労は猫を殺した」
分かるとも、秘密は甘く、それはチョコレートにも似て……
だが猫にとってチョコレートは猛毒……秘密も猛毒……

強すぎる好奇心……万物を暴き立てねば
居てもたってもいられない獣性こそが
「猫」の本当の天敵なのかもしれないねえ……シシッ……

「猫の国」も例外じゃないんじゃないか?
イエローなケーキで動く青い光の発電機や
太陽の数千倍輝く「灰の詰まったひょうたん」は猫の国を亡ぼすに十分な気もするが……

長すぎる牙によって滅びた剣歯虎の二の舞を舞わねば良いがね……
シシシシシッ……

――原典深飛鳥万象名義 「猫の天敵」の項目より。

175言理の妖精語りて曰く、:2020/02/05(水) 08:11:05
かつて、【宮廷】とは移動するものだった
それはまるで劇団のように、様々な役割をするものがおり、また様々な道具を持ち運ぶものがおり、天幕とともに領地から領地へと、裁きと収税のために旅をしたのだそうだ

なかでもキャカラノートの【宮廷】は風変わりであり、移動先の領地に、王が変装してお忍びで潜行し、予め調査を行ってから裁きを下し、その地の法を整理したのだと言われている
その奇行は、多くの戯曲や詩、物語の題材となった

176言理の妖精語りて曰く、:2020/02/25(火) 19:17:06
『魔幻新聞』〜本日の見出しよりの抜粋〜
・魔術流派アプリ割引が作る新たなる階層ーー三大結社優位再生産は、新たなる権力なのか?
・連載:全てレストロオセ総理のせいだー下品低劣悪逆非道!この国の愚策と迷走は、総理を辞めさせれば全て解決する(有識者の発言)

177言理の妖精語りて曰く、:2020/03/20(金) 22:31:54
かつて、八人の勇者たちがいた
彼らは、まるでタコの脚のように一体となって活躍し、数々の偉業を成し遂げたので「オクトパス・ブレイバーズ」と呼ばれ、大いに讃えられた。

それはそれとして、現代には、それとは特に関係ない十人のろくでなしたちがいた。
彼女たちは、その場の成り行きとか憧れとかやけくそとか借金のカタとかで集結し、冒険の旅へと旅立つのであった。
復活したばかりの邪神から単なるニートまで、様々なメンバーが含まれる彼女たちの行く末や、いかに。

178言理の妖精語りて曰く、:2020/04/09(木) 07:48:38
私にとって大切なのは、頭ほど大きい翠玉(エメラルド)
それが珍しく巨大な貴石(いし)なのか、あるいは私が小さくなったのか
そんなことは、今の私にとってはどうでも良いのだ

179言理の妖精語りて曰く、:2020/04/15(水) 23:21:18
過去は傷(トラウマ)で呪縛し、未来は目標(ゆめ)で拘束してくる
だが、今、この瞬間には未来も過去もどちらも存在しないのだ
解放は、一点集中のときだけ、専心の中だけにある

180言理の妖精語りて曰く、:2020/04/19(日) 23:14:00
【神の墓掘り人】は、神々が創り出した調停者であったという。

ティシムガンドの書物『アルカェ・レダーナ』によれば、前神代において、創世の神は無数に存在した。
だが、すべての神が同時に世界を作ろうとすれば、それはとてつもない混乱を招き寄せること、必至である。
ゆえに、神々は、世界を隔てる【アルカェ】を作り、それぞれの世界を小さな小島として、そこに切り離して浮かべることにした。

さらに、神々はそれでも破滅が起きた時の安全装置として、全ての神々の力を集めて【盟約】となし、それを一人の英雄の形に結実させた。
それこそが、【神々の墓掘り人】である。

たとえ【アルカェ】によってそれぞれの世界が隔てられていたとしても、神やそのお気に入りの力ある存在にとっては、その境界を超えることなど容易いことである。
また、神々には、自らが丹精込めて作り上げた世界や手塩にかけて育てたその住人を見せびらかしたいという根強い欲求があり、そのため世界同士の交流は、決して絶えることが無かったのだ。
そのため、一つの世界に生じた危機やほころび・発生した怪物や悪夢泡などが、連鎖的に伝播し全ての世界の危機になりうる可能性は、捨てきれるものではなかったのである。

それゆえに、そうした危機を防ぐため、【神々の墓掘り人】は、世界を渡った。
ある時は争いを調停し、またある時は裁定を下し、またある時は、ただひたすらに話を聞くことで、悩みや心の内を開放させた。
そしてまた、暴走した神々を打ち倒すことすらあったのだ。

【神々の墓掘り人】は、神々の【盟約】そのものであったので、絶対的に強く、その決定もまた絶対だった。
神々、その中でも特に強大な【紀神】と呼ばれる神々は不死身であり、死によって記憶が失われたり性格や性質が変化することはあっても、全てが失われることは有り得なかった。
そのため、【墓掘り人】には、神々を打ち倒し、墓に封じ込める特権と力すら、気軽な感覚で与えられていたのだ。
結果として、彼女は多くの神々の墓を掘ることになったのだという・・・・・・・。

181言理の妖精語りて曰く、:2020/05/23(土) 12:41:06
神々の間での夫婦喧嘩や痴話喧嘩は、しばしば天災の原因とされた
川の移動や地震なども、神々の間での争いの結果として解釈されたのだ

182言理の妖精語りて曰く、:2020/07/05(日) 22:56:00
「探偵怪人界」と「怪奇幻想界」の二つは、実は同じ世界である
全てが論理と科学で説明がつく世界とそうした枠組みに当てはまらないその「影」の世界は、表裏一体どころか互いに侵食し合うことで支え合っているのだ

あるいは、その別名は【キュベルフォウル】と【ゲーパート】といったのかもしれない

183言理の妖精語りて曰く、:2020/07/11(土) 23:04:58
すなわち、「推理密室界」の堅固な物理法則が「怪奇幻想界」を支え、「怪奇幻想界」の神秘なる幻想法則が、「推理密室界」に心や命といったあやふやな概念をもたらしているのだ

184言理の妖精語りて曰く、:2020/07/28(火) 21:45:31
森の中、小さく可憐な花々が咲き乱れるその野原には、古い人骨が転がっていた・・・
遥か昔、飢饉があったのだ

185言理の妖精語りて曰く、:2020/08/09(日) 00:55:43
時待たず廃り、謳われる非人間神話
ジレンマとも言えぬ矛盾、不整合、論理破綻
その遍くは取るに足らず、無容赦には程遠い
【言理】があるのみ。焦がしつけば流せはしない

186言理の妖精語りて曰く、:2020/09/25(金) 10:51:48
ママゴトめいたエンドミットの茶番劇。
物語は学園編へと突入し、ガリバーとリリーは不良連中に目をつけられる。
校舎裏、少女リリーを守りながらの戦闘という不利。

結果は秒殺であった。ガリバーの体躯からは生身とは思えぬ蒸気が上がる。
「蒸」
父より受け継いだ一子相伝の【蒸気拳】である。

187言理の妖精語りて曰く、:2020/10/05(月) 09:39:41
蒸気拳は当然カロリーを消費する。ガリバーは学食をたらふく食ってカロリーを補給する。
隣にはサンドイッチを頬張るリリーが、さらに隣にはハックルバック先生が心底げんなりした顔で座っている。

【蒸気拳の噂】は学園内を駆け巡り、ついに【蒸気格闘トーナメント】が開かれる運びとなった。
黄金パターンの予定調和。飛び入り参加も自由となれば、あの【ナインスチーム】が参加することも想定せねばなるまい。

怪盗ハックルバックの頭はついに重力に抗しきれず、カレーライスに浸かった。人はカレーライスに溺れることもできるのだ。

188言理の妖精語りて曰く、:2020/10/15(木) 13:52:32
エンドミットを記述する者をエンドミッターと呼ぶ

189言理の妖精語りて曰く、:2020/10/27(火) 07:07:33
エンドミッティスト

190言理の妖精語りて曰く、:2020/11/20(金) 07:02:47
権力や力を巡る闘争、それが『父の神話』
庇護と同化、自立と依存、そして愛の葛藤、それが『母の神話』

競争と支え合い、羨望と嫉妬、己が持たないものを巡って苦悩する先達と後輩、それが『兄弟と姉妹の神話』
共感と同一視、相互承認と対立、高め合い、譲り合い、奪い合いそして癒着し摩擦する他人、それが『友情の神話』

そして、約束と未来、離脱と結成、束縛と欲望、投影と希望がもたらす最小の集団、それは関係性を巡る愛とキズと絆の幻想、それが『恋人の神話』

さて、それらに回収されない新たな関係性が結ばれたとして、そこには一体どんな神話が紡がれるのだろうか?
未だどこにも記されていないその内容は

191言理の妖精語りて曰く、:2020/11/21(土) 22:47:19
そのことからも、『教区』というシステムが『魔界生協』の侵食を受けやすかった理由がよく分かる
もちろん、『教会』(チャーチ)による民衆統率のための地区区分と『協会』(アソシエーション)や『生協』(ギルド)における民衆の結束(ネットワーク)は全く異なるものだ

だが、だからこそ、その異なる二者は衝突をおこさず、互いに混ざり合い、共存・共生することが可能であったのだ
あまりにも違いすぎるものは、そもそも差異が存在することにすら気づくことはないということなのだろう

192言理の妖精語りて曰く、:2021/01/18(月) 12:18:48
『殺戮探偵 襟見寧太』
ゆらぎTVの2020年13月マフクサの日からスタートする新番組

あまりにも真実を見通してしまうため、行く先々で多くの自殺やさらなる連続殺人を生み出してしまう少年名探偵の物語

193言理の妖精語りて曰く、:2021/01/28(木) 23:45:23
【揚げ経験値】は、小動物状の生物をフライにした迷宮街特有の料理である

生命の本質でありその蓄積された力だとされる「経験値」は、魔物を殺害したりその構成物質を体内に取り込むことによって吸収することが可能である
しかもそれは、摂取方法を工夫することで、何倍にもその効率が跳ね上がるのだ

今回のようにフライにされるのは、そうした魔物の中でも多量の「経験値」を持つ【ゴールデンメタル・モノアイマウス】である
全身を針金のような毛で覆われたこの魔物は、攻撃力がゼロに近い代わりにやたらと防御力が高く、スピードもとにかく速い
そんな魔物を苦労して捕らえフライにすることによってこそ、極上の「経験値」効率をもった料理が出来上がるのである

ちなみに、このゴールデン(中略)マウスは、迷宮最弱の魔物であるマウス類の仲間であるとされているが、学術的にその俗説は否定されている
どうやらこれらは、全く独自の種族であるようなのだが・・・その生態は一切不明である
特に、なぜこのマウスだけが非常に高い「経験値」を持つのか、その謎は未だに解かれていないのだ

本来、これほど高い「経験値」を持つのは、迷宮奥深くに棲む高レベル「ボスモンスター」だけである
このゴールデン(中略)マウスだけがと高レベル「ボスモンスター」のあいだに、なにか関わりでもあるのだろうか?
たしかに、観測記録によればマウスが捕獲される前には、必ず高レベル「ボスモンスター」の撃破が確認されているのだが・・・

とはいえ、その謎も今日までだ
我々は今、買い取ったゴールデン(略)を迷宮に放ち、その生態を調査している

追跡を重ねるうちに、こうして迷宮の奥深くまで来てしまったが、なあにその程度対策済みだ
護衛もたっぷり雇ったから、何の問題もないほどの安全マージンをとってある
高レベル「ボスモンスター」でも出れば話は別だが、そうでなければ絶対安全といっても良いくらいなのだ

しかも、その高レベル「ボスモンスター」は、この階層では既に討伐済みであり、一度討伐された「ボスモンスター」は何故か一定期間経たなければ復活しない
そして、その期間にはまだまだ間がある
だから、こうしてゴールデ(略)の研究をする時間はたっぷりあるというわけだ

お、どうやらゴール(略)が立ち止まった
どうやら・・・何かを持っているようだ
しかもアレは・・・小さいが、明らかに何かの機械!
驚くべきことだが、ゴ(略)には、機械を操作することが出来るらしい
もしかすると、知性すらあるのだろうか?

もっとよく観察しなければ!

ん?
あれは・・・もしかしてリモコン?
一体それで何を・・・

※ 記録はここで途切れています。開始時点まで早戻ししますか?

194言理の妖精語りて曰く、:2021/02/03(水) 12:38:10
目的地が分かりきっている旅ほど、つまらないものはない

なので、そんな旅をしなければならないときは、目的地以外に別の目的を作るのがオススメだ
脇道にそれることには危険もあるが、その価値があるだけの発見もまたあるはずだから

ほんの少しいつもの道を外れたり、短時間だけエンジンを止めて停車してみたり、あるいは普段通過するだけの駅で途中下車してみたり
あるいは、目的地に到着した後に、新しい目的地を探したり別の目的を見出そうとしてみるのも良いかもしれない

人間は、自然とブレるし、飽きるもの
だがそれは、心がけ一つで、新しい魅力や余裕を見出す原動力とも成り得るのだ

195言理の妖精語りて曰く、:2021/02/03(水) 12:50:21
秘儀のガルガンチュア

世の中には、大きすぎて隠しておけない秘儀もある

196言理の妖精語りて曰く、:2021/04/17(土) 13:31:09
ゆらぎの神話BBSが消えた?

197言理の妖精語りて曰く、:2021/04/17(土) 13:33:50
そんなことはなかった。気のせいだった。ゆらぎの神話はあったんだ。
……本当に?
覚醒と共に、夢はさめていく。記憶は薄れ、幻想は現実に取って代わられる。
ゆらぎの神話BBSもまた、永遠ではない。永遠などどこにもないのだ。

198言理の妖精語りて曰く、:2021/04/17(土) 14:02:27
【缶詰】という言葉がある。旅館やホテル、ネットカフェなどに軟禁され、文章を書かされるという文化だ。
【ネットカフェ】に【缶詰】にされないと、どうやら私は満足に文章を書くこともできないらしい。

次はいつ【缶詰】になれるだろう。そのときは、どうか猫に狙われなければいいのだが。

199言理の妖精語りて曰く、:2021/04/22(木) 18:48:51
この世のどこかに、【究極のレシピ】があるという

それは、初代【料理皇帝】の死後、九つに分かたれた
この世のどこかに眠っているそのレシピを全て集めれば、【究極のフルコース】を作ることが出来るのだと言われている

だが、それは容易なことではない
ほとんどのレシピはその場所が分からないうえに、所在が明確なレシピには、それぞれそれを代々守る一族がいるからだ
【前菜(オードブル)】【汁物(スープ)】【肉料理】【魚料理】【デザート】【サラダ】そして未だ未知なる残り二つ

あるいは、全てのレシピを集められるものは、伝説に語られる【キュトスの料理人】以外に存在しないのかもしれない

200言理の妖精語りて曰く、:2021/05/02(日) 13:57:59
【ナインスチーム】の想像図を描いたよ。

201言理の妖精語りて曰く、:2021/05/02(日) 21:59:19
ぷしゅー。

202言理の妖精語りて曰く、:2021/05/03(月) 07:43:34
いいね!

203言理の妖精語りて曰く、:2021/06/06(日) 10:06:43
恨みを凝縮する【怨念剣】は、使用者が傷つきやすければ傷つきやすいほど、つまり弱ければ弱いほど威力を発揮する弱者逆天の剣である

204言理の妖精語りて曰く、:2021/06/07(月) 22:55:21
【銀梅剣舞】(ぎんばいけんぶ)は、見世物の技だ
それは重みがなく、何一つとして傷つけることのない撃剣興行のためだけの技
派手で華やかオーバーアクション
そこには何の実もなく、ただ無知な者が剣術に抱く夢と幻想だけが演じられている

【銀梅剣舞】それは、剣技と呼ぶべきではない剣技

そう、そのはずだった

205言理の妖精語りて曰く、:2021/07/26(月) 23:27:58
「お姉さま!お姉さま!ワタクシたちの家系は呪われておりましてよ!」
長い銀髪をポニーテールにした少女が叫んだ。

「そうねロザリア。呪われてるわね、いい感じに」
そう答えたのは、黒髪をボブカットにした少女だった。
ハイテンションな銀髪少女に対して、こちらはかなり気怠げな様子だ。

「そんなふうに適当に流さないでくださいまし!私たちの家系の!もうたった二人になってしまった家族の大問題なのですよ!」
「どうでもいいわ。あと、まだヘヴァニアおばさまとモッッツアレーラおじさまは生きておいでよ。無視しないほうが良いわ。…後でうるさいし」

「お二人とも呪われているじゃありませんか!ヘヴァニアおばさまは全身が石化する病、モッッツアレーラおじさまは精神を変な怪物に乗っ取られて、三日に一度しか正気に戻られません!普段は一日中ぶつぶつとうわ言を言っては、お風呂とトイレの掃除をなさっているだけなのです!おじさまはれっきとした貴族なのに!」
「たとえ全身の九割が石化していても、おばさまは最後まで愚痴を言い続けるでしょうし、耳だってきっと最後まで聞こえて私たちの様子をうかがっているわ。それにお風呂とトイレがきれいになるのは良いことよ。…もう、使用人はほとんど逃げてしまったわけだし」

どんどんテンションをアゲていくロザリアに対し、黒髪少女はあくまで気怠げなままであった。
そして彼女は――――ブレイフォニア家最後の跡取りであるヘンリエッタは、妹に対してこう命じたのだ。

「あなた、ヒマなんだったら、ちょっと水を汲みに行って来てくれないかしら。昨日、メイドのジョハンナが底なし井戸の怪物に呑まれて以来、部屋の水差しはどこも空っぽよ。そろそろ貴女も、貴族ごっこはやめて身の回りのことくらい出来るようにならないと。ああ、もちろん武器はもってお行きなさいな。確か、倉庫にまだ呪われた…まあ、何かがまだあったはずよ。ひのきの棒とか」
「お姉さま、ヘンリエッタお姉さま!栄誉ある勇者の武器を"何か"とは何事ですか!あとワタクシは、武器なんて使いません!今こそ呪われた血脈の力を活かすとき!『第三の月』の呪文で井戸を千年氷に閉じ込めてご覧に入れますわ!」
「水が飲めなくなるからやめて。そもそも、あなたの呪文、やたらと長ったらしいじゃないの。あれじゃ唱え終わる前に三回は怪物に食べられちゃうわ。おとなしく武器をもってお行きなさい。呪文なんかより殴った方がずっと速いわ」
「お姉さまー!」

姉妹の口論はその後もしばらく続いたが、結局、根負けしたロザリアが武器を持って水汲みに行くことになった。
まあ、持っていったのが倉庫でも特に呪われていた黒い杖だったので、せっかく汲んだ水もすべて真っ黒な重油に変わってしまったのだが。

最終的に、この問題は、ついに怒りが限界に来たヘンリエッタが、呪われた水の聖剣で妹ごと屋敷の一角を吹き飛ばしたことで決着を見た。
屋敷の内部に呪われた泉を作ることで、新たな水源を獲得したのだ。

ちなみに吹き飛ばされた妹はというと、目を回しずぶぬれになっただけであった。
勇者の血族は、呪われていても頑丈なのだ。

ブレイフォニア家の日常は、毎日がこんな感じである。

206言理の妖精語りて曰く、:2021/08/01(日) 00:09:36
【噴進拳】は、肉体の後方からアウラを噴出することによって回避や攻撃を行う拳法である
これを極めれば、【水態人】(スライム)の抑え込みのみならず、概念による圧力さえも押しのけることが出来るのだという

207言理の妖精語りて曰く、:2021/08/22(日) 17:17:48
【リカーベルベル】は富裕の魔女である

違った。浮遊の魔女である。

富裕だったらどれだけいいか。

彼女は常に浮かんでおり、その周囲にはお気に入りの家具も浮遊しており、そして時折、話し相手までもを浮遊させて連れ去ってしまうのだ。

208言理の妖精語りて曰く、:2021/08/25(水) 10:16:46
【リカーベルベルの隠れ家カフェ!お客様はいつでも歓迎!(借金取りと地主の方および国税局にはお引取りを願っています
リカーベルベルの隠れ家カフェは常に空中に浮遊しているので、地代も国の税金も払う必要はないのです
日照権については、応相談)】

209言理の妖精語りて曰く、:2021/09/18(土) 07:56:51
英雄神は、二人の女神の争いを仲裁せんとしてその首をはねられた
だが、神なのでそれくらいでは死なない

首は朽ち、頭蓋骨となったが、今度はその首が女神たちの争奪の対象となったのだ
そして、春の女神が首を持つときは世は春になり、冬の女神が首を持つとき、世は白銀の冬に包まれることになる
こうして、どちらの女神が英雄神の首を持つかによって季節が生まれ、そして首を奪い合うことによってそれまでただ争うだけであった女神たちの間に一種のコミュニケーションが形成されるようになったのだ

これこそが季節の始まりであり、スポーツの始まりである

210言理の妖精語りて曰く、:2021/09/19(日) 23:00:35
千の花、降り注げ地上に
その一つ一つには神々が座し、その祝福のあらんことを

211言理の妖精語りて曰く、:2021/10/21(木) 08:04:46
「お、お前は!?」

その魔族は、紫の肌と鍛え抜かれたたくましい巨体を誇っていた。
彼は、問いかけに答え、名乗る。

「我こそは、魔界軍の映えある先鋒!栄誉ある称号と職務を得たもの!すなわち…」

「すなわち・・・・・・・・?」

大気が震え、男の言葉を待ち構える。
いま、世界の中心は間違いなく彼であった。

「『界域公』(エリア・マネージャー)である!」
「台無しだよ!」

「ん?我が栄誉ある称号に何か文句でもあるのか?『地獄の聴罪僧』(カスタマー・サポート)と長話するか?」
「だから、なんでそんな翻訳になるんだ!せっかく盛り上がったシリアスなムードが台無しなんだって!」

「異世界人の言うことは、よく分からぬ。辺獄の底なし沼(きていのきゅうけいすぺーす)にでも送り込んでやろうか?」
「だーかーらー!」

神々による『分かりやすくフレンドリーな翻訳機能』を付与された勇者たちと恐るべき魔界軍の戦いは、まだまだ続く!
がんばれ、勇者!
ちなみに、『界域公』の任務は、邪神の食用の魂を略奪すること(うばいー・いーつ)だ!

「その翻訳が、やる気を全力で削いでいくんだっつってんだろーが!」

212言理の妖精語りて曰く、:2021/11/12(金) 19:37:30
小学生が覚えたての英語を駆使してカッコイイ技や魔法を唱えるのがブームになった。

第三次魔導災害はこうして始まった。

213言理の妖精語りて曰く、:2022/01/07(金) 10:52:55
【フォービットの魔獣オーカー】
イエローの相似系。砂茶色の魔獣。
大砂を生み出す、乾きの吹鳴。

砂鼠のような姿をした魔獣。
「サヒューサヒュー」と掠れた笛の音のような声で鳴く。

自らの鳴き声に魔力を込めることで、その声が聞こえる範囲に砂を自由に生みだし、自在に操ることが可能。
またこの魔獣が生み出した砂には極大の【乾】性が込められており、これに触れたモノは瞬く間に水分を失い風化するという。

214言理の妖精語りて曰く、:2022/02/15(火) 21:47:29
ラカジン派の異端説・あるいはハイミラ教団の異説によれば
起源槍を十二の角度から あるいは八本から九本の時計塔、あるいはその文字盤とみなすという。

火時計 (パイロクロック)
香時計 (インセンスクロック)
水時計 (クレプシドラ)
砂時計 (サンドグラス)

花時計 (フラワークロック)
日時計 (グノモンまたはノーモン)
月時計 (ルナ・ダイアル)
水晶時計(クオーツウォッチ)

天文時計 (アストロラーベ)
電波時計 (レディオクロック)
原子時計 (アトミック)
光格子時計(オプティカルレーシック)

以上十二の物がメジャーな解釈ではあるが
13番目の終末時計(ドゥームズデイ・クロック)と見立てることだけは
ラカジン派、ハイミラ教団のどちらでも許されていない。

215言理の妖精語りて曰く、:2022/02/22(火) 00:50:48
ウェウーレベルン 断章 
ジャホラット・パピルス

23ページ目 納豆 ミアスカ語訳

【堕納豆】
トントロポロロンズ和え
卵かけご飯なんかに混ぜるとわりと行ける。
只の菌類の発酵による腐敗した食物

【紀納豆】
レプトンやクオークなどを結び付ける超紐理論

シシッ……記述の揺らぎは行き来する……
錬金術では技の秘密を料理レシピなどに暗喩する……
この世の最小単位の秘密と腐った豆を行き来する……

216言理の妖精語りて曰く、:2022/06/12(日) 18:51:50
【汚泥のドリンエスス】
混沌の底に沈む泥状の世界の廃棄物には膨大な『汚』性が凝縮されている。
その事を突き止めた魔術師ドリンエススは、その力を自らの魔力へと転用するため禁術である【混沌】を唱え汚泥に触れることに成功した。
そして自らも汚泥の一部となり、混沌の底へと消えた。

217言理の妖精語りて曰く、:2022/06/19(日) 07:59:54
【ハニア・ドゥラシン】
様々な物語に登場するキャラクターであり[[概念]]でもある[[ケンタウロス]]の女性。
名前に「H」もしくは「D」の音声が含まれる全てのフリーシェアワールドのキャラクター(偽名や言い間違いも含める)がもたらした全ての戦績を「ハニア・ドゥラシンという名のケンタウロスの女性」の戦績という事にしてしまう性質を持った概念。
これによりハニア・ドゥラシンは最強の主人公としても最凶のラスボスとしても典型的な噛ませとしてもモブとしてもありとあらゆる場面に登場できるキャラとなった。

218言理の妖精語りて曰く、:2022/06/19(日) 14:18:51
猫の国から流れ着いた書物に馬人の記述が見られたが、詳細は伝えられていない。

最初にこの書物を公開したウルバーロは当然ながらこれを我々に馴染み深い馬頭人の姿でとらえた(ウルバーロのケンタウロス)。
しかし後年、同一の書物の中で馬人を四本足とする記述が発見されたことから、
人面馬として理解するのが実態に近いとする考えが有力である(トモロモスのケンタウロス)。

この姿を指して、馬面の妖怪サンズが古代において
なぜか人面の馬としても描かれる混乱を説明できるとする研究もある(これはホウワートによって提出された337番の論説に詳しい)。

219言理の妖精語りて曰く、:2022/06/20(月) 19:14:33
【ユーヘメール音楽祭連続殺害事件】とは、ある年のユーヘメール音楽祭にてプロセスド種族12名と新しき外なる人格神1柱が殺害された事件のことである。
神ゆえに不死性を持ちまた人格も備えていた被害者1柱による迅速な証言により、実行犯自体はすぐに特定された。
だが、その黒幕については未だ判然としていない。

220言理の妖精語りて曰く、:2022/06/22(水) 23:01:19
【追放されし者たちの集落】
この世の何処かに、なんらかの事情で世界に定着できなかった人びとが集まる土地があるという
そこは、どこにも居場所を持てなかったような者たちが、最後に流れ着く場所なのだ

221言理の妖精語りて曰く、:2022/06/27(月) 12:22:04
【めきょえる】
一部の宇宙航行種族、とりわけ時間の感覚の薄い種族の間で使われる動詞。「宇宙航行する」という意味を持ち、出発点と終着点、航行方法の3つの対格を取る。
「テイルテイルを幽月をダークネス・ドライブをめきょえる」と書けば、「テイルテイルから幽月までダークネス・ドライブで宇宙航行する」という意味になる。

222言理の妖精語りて曰く、:2022/07/01(金) 03:20:11
【妖怪サンズ】
東亜大陸の山々に古来より生息する馬面の妖怪。
たまに山から人里へ降りてきて農作物を荒らしていく害獣でもあるため、しばしば社会(やしろかい)の三級伏士に調伏される。
ちなみに黒のサンズとは名前の発音が同じという以外は特に関連性は無いが、キュトスの姉妹の一人と名前が被っているというだけの理由でアルセスから種の根絶対象に認定された事があるらしい。

223言理の妖精語りて曰く、:2022/07/02(土) 08:35:45
【妖怪サンズ】と【黒のサンズ】は同一の存在であるとする説もある。
仮にそうでなかったとしても【妖怪サンズ】が【黒のサンズ】と無関係の存在であるとはっきり言い切れるような証拠はどこにも無い。

224言理の妖精語りて曰く、:2022/07/10(日) 21:22:42
四方三天の亜竜蛮神

主アルセスに力を示すためにフラベウファが討伐した異形のものども。

一日目に猪竜アルトを斬り伏せ、
二日目に菌神バチルキーナを焼き尽くし、
三日目に無胴蛇クルワナンガロスを両断し、
四日目に燃気神エンリューテを霧散せしめ、
五日目に渇星神ブーラースを墜とし、
六日目に剣竜オドモルルナを突き崩し、
七日目に糸竜グレイシスを刈りとり、
八日目にそれら亜竜蛮神の首を引き摺りながら瀕死の体で槍神のもとに帰り着いた

これらの呪いによって、フラベウファは真鍮の金鎖を吐くようになった。

225言理の妖精語りて曰く、:2022/07/13(水) 12:22:42
夢喰らいである獏(バク)は蹄を持つウマの仲間であるという。
悪夢(ナイトメア)もまた黒い馬だ。
ポニーもまた【紀】を持つ神性だとされている。
その秘匿された神秘は尾に宿るという。ポニーテールは萌え要素。

226言理の妖精語りて曰く、:2022/07/13(水) 23:13:41
ある地方における異伝 「フラベウファ宴会讃歌」によれば、
彼女は、九日間をかけて四方三天の亜竜蛮神を宴会で説き伏せたという

一日目に猪竜アルトと呑みくらべで勝ち
二日目に菌神バチルキーナを火酒で撃退し、
三日目に無胴蛇クルワナンガロスを酒樽に漬け込み、
四日目に燃気神エンリューテに蒸気酒の火炎放射で圧勝
五日目に渇星神ブーラースを呑み屋街に引きずり込み、
六日目にお硬い剣竜オドモルルナに飲酒の習慣を身につけさせ、
七日目に糸竜グレイシスを美容ケア完備のホテルノバーで口説き落として、女性(メス)の喜びを教えた
八日目にそれら最後の打ち上げで死体同然となった亜竜蛮神の肉体を、引き摺りながら瀕死の体で槍神のもとに帰り着いた

そして、九日目のフラベウファは、寝床からついに起き上がることが出来なかった
迎え酒が切れたため、嵐のような二日酔いが彼女を襲ったのである

こうして、八日間にわたって黄金に輝く真鍮シャンパンとビールを飲んだフラベウファは……(以下の文章は途切れて失われている)

227言理の妖精語りて曰く、:2022/07/27(水) 20:33:19
妖精はいるよ。近所のお兄ちゃんが言ってたもん。

「そはかくのごとくあり、かくのごとくなす。おろかものにだけ見えるロバの耳。
それは実在と非実在の合間にあるアリよりのアリ。言裏の要請によりて現れる言理の妖精」

228言理の妖精語りて曰く、:2022/07/27(水) 20:43:43
紡がれた呪文の初歩は公園のベンチを少しだけ輝かせ、竜は走り回り、猫はあくびをする。

「今回もダメだったか」スマホにはお祈りメール。何者かになりたい者は、それになれないという呪いを受ける。

ため息がわりに蒸気を吐き出して、お兄ちゃんは言った。「日記に不確かな未来を書くな」

だからあたしは言ってやった。「いやどす」

229言理の妖精語りて曰く、:2022/07/31(日) 13:16:33
【セタック】

【古代遊戯文明アビソリウム】の【神官セタ】が発明したとされる盤上遊戯。
現代のチェスや将棋に似ているが、コマを倒す際に六面ダイスを使うところが少し違う。

動きが強いコマであっても別のコマを無条件で倒せるわけではなく、
コマの種類ごとに刻まれているパワーに、運命神の導きであるダイスパワーを足して、
合計パワーが相手以上になることでようやく倒せるというルールであった。

また、必ずしも動いたコマ単体で倒す必要はなく、援軍として駆け付けたコマのパワーを
追加で借りて、その場に居るコマで攻撃するというルールもあった。

現代におけるウォーシミュレーションゲームの先達ですね、などとコルセ……C氏は
語っており、事実、あまりにも現実の戦争に似ているがために、一般への流布は禁じられ、
軍士官の教練に使われたほどであったという。

230言理の妖精語りて曰く、:2022/07/31(日) 13:29:47
セタックを楽しむ者をセタッキーという。
また、セタックの達人をセタッキストと呼ぶ。

セタックメーカーという、セタックの新しい種類のコマや、
拡張マップを作ることに情熱を燃やす者たちもいる。

231言理の妖精語りて曰く、:2022/08/13(土) 19:31:15
遡ること数万年。

ゲーム版の形をした大陸にあった(あるいは大陸からゲーム版を削り出したとも言われる)
古代遊戯文明アビソリウムは、遊戯の創造と輸出によって栄えていた。

セタックを始めとする高度なゲームの原型は、皆アビソリウムで作られた。無かったのは
コンピュータゲームくらいではなかろうか。という学説があるほどである。

小人と呼ばれる親指大の種族と、巨人と呼ばれる塔ほどもある種族が、同じ遊戯版で遊んでいた。
牧歌的な文明、あるいは、熾烈な文明。

だが、ああやっぱりというか、お約束と言うか、何というか……例に漏れず、かの文明は
ゲーマーの約束の地アルファケソタウリに向けて、飛んで行ってしまったのだ。

232言理の妖精語りて曰く、:2022/08/21(日) 23:12:22
フランク族の女性が強姦されたときには、罪人の心臓を槍で貫いて処刑した
古伝によれば、罪人の心臓にあてがった槍の穂先を最初に槌で三度叩いたのは、その当の被害者の女性だったという

それにならい、現在でもひそかに罪人を裁く私刑人が、この街のどこかに潜んでいると聞く……

233パラデムルクスクルスクスルの誕生1:2022/09/10(土) 10:38:46
パラデムルクスクルスクスルは、石油や天然ガスなどの資源の枯渇から始まった

運輸、防寒防暑、農作物や家畜の養育、そして医療用品などの生活に不可欠な素材の欠乏……
それは、まぎれもなく人類の黄昏の時代だった

そうした時代に生きた人びとの一部は、こう考えた
この危機は、人類が生きる道を誤ったことに原因がある、と

それゆえに、彼らは既存の「人間」概念を捨てた
「人間」のカタチを変えることによって、その巻き起こす問題や欠点から逃れようと、そう目論んだのだ
もっとも、その手段としてとられたのが「遺伝子改造」という最新科学の結晶であったのは、なんとも皮肉なことであったが……

234パラデムルクスクルスクスルの誕生2:2022/09/10(土) 10:45:03
そして彼らは、自分たちの身体を改造した
さまざまな動物の因子をその体に取り込み、既存の「人間」の姿を捨て去ったのだ

イルカとなり海に潜るもの、コウモリやフクロウの耳を得て夜を生きるもの、単純に大きな体や身軽な手足を得たもの……その変容は多様であった

実のところ、それには思想だけではなく実用的な面も十分にあった
エネルギー資源が枯渇した時代では、毛皮や身体強化による行動範囲の拡大は「新たな資産」として彼らの生存を存分に助けてくれたからだ
肉体の変異により、旧文明の特徴であった機械技術への依存を無くす、それもまた遺伝子改造の大きな目的のひとつであったのだ

もっとも、そうした改造を受けた多くの人びと、少なくともその第一陣は、もはやそうした機械技術の恩恵を受けることが出来ない貧困層や被差別民族ではあったのだが……

235言理の妖精語りて曰く、:2022/09/15(木) 16:04:29
パラデムルクスクルスクスルにおいてノローアーっぽい見た目をした者が戦闘面で目立つ事は世界の意思によって極端に制限されているため、人外度20パーセント未満の者(具体的にはノローアーに獣耳を生やしただけの者など)はどんなに努力したとしても何があったとしても決して強くなれないようになっている。

236言理の妖精語りて曰く、:2022/10/01(土) 21:01:12
明日世界が滅びるとしても、今日はゆらぎの神話を書こう。

えてして、神話は世界の滅びを生き延びるものだから。


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